JP2009152105A - 電線セット揃え装置及びサブアッシーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】種類別に生産された端子付き電線をサブアッシー毎にまとめる工程を自動的に行えるようにすること。
【解決手段】複数の電線保持部が並列状に設けられた電線保持バー10複数を、順次所定の電線取出位置WTに位置するように移動させるバー移動機構部110と、複数の電線保持部が並列状に設けられた電線保持バー10を支持可能なバーセット保持部材130と、電線取出位置WTに位置する電線保持バー10の複数の電線保持部に保持された端子付き電線の端部を選択的に保持し、保持した端子付き電線の端部を、バーセット保持部材130に支持された電線保持バーのうち予め設定された位置の電線保持部にセットする電線移替機構部150とを備えている。
【選択図】図10
【解決手段】複数の電線保持部が並列状に設けられた電線保持バー10複数を、順次所定の電線取出位置WTに位置するように移動させるバー移動機構部110と、複数の電線保持部が並列状に設けられた電線保持バー10を支持可能なバーセット保持部材130と、電線取出位置WTに位置する電線保持バー10の複数の電線保持部に保持された端子付き電線の端部を選択的に保持し、保持した端子付き電線の端部を、バーセット保持部材130に支持された電線保持バーのうち予め設定された位置の電線保持部にセットする電線移替機構部150とを備えている。
【選択図】図10
Description
この発明は、自動車や各種機器用のワイヤーハーネスを製造する技術に関する。
ワイヤーハーネスの一般的な製造工程は、例えば、切断圧着工程、必要に応じた後工程、サブアッシー工程、組立工程、検査工程を有している。切断圧着工程は電線を所定長に切断して端部に端子を圧着する工程であり、後工程は必要に応じて電線の中間皮剥ぎを行ったりツイスト(捻り)を加える工程であり、サブアッシー工程は複数の電線端部をコネクタハウジングに挿入等してサブアッシーを製造する工程であり、組立工程は複数のサブアッシーから最終的なワイヤーハーネスを製造する工程であり、検査工程は導通検査等の各種検査を行う工程である。
ここで、特許文献1は、複数種の電線をロット別に製造し、このロット別の電線を電線ホルダに束状にまとめて一時保管し、作業者が電線ホルダからロット別に束ねられた電線群から電線を適宜選択して取出して電線クリップに係止してハーネス用セットを形成する技術を開示している。
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、基本的に人手作業に頼らざるを得ないという問題があった。
そこで、本発明は、種類別に生産された端子付き電線をサブアッシー毎にまとめる工程を自動的に行えるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係る電線セット揃え装置は、複数の電線保持部が並列状に設けられた第1電線保持バー複数を、順次所定の電線取出位置に位置するように移動させるバー移動機構部と、複数の電線保持部が並列状に設けられた第2電線保持バーを支持可能なバーセット保持部材と、前記電線取出位置に位置する前記第1電線保持バーの複数の電線保持部に保持された端子付き電線の端部を選択的に保持し、保持した端子付き電線の端部を、前記バーセット保持部材に支持された前記第2電線保持バーのうち予め設定された位置の電線保持部にセットする電線移替機構部とを備えたものである。
第2の態様は、第1の態様に係る電線セット揃え装置であって、バー移動機構部は、前記複数の電線保持バーを循環経路に沿って循環移動可能に構成され、その循環経路の途中に前記所定の電線取出位置が設定されているものである。
第3の態様は、第2の態様に係る電線セット揃え装置であって、前記バー移動機構部は、隣設して設けられ、互いに反対の搬送方向に前記第1電線保持バーを搬送可能な2つのバー搬送機構部と、前記2つのバー搬送機構部のうち一方側のバー搬送機構部の搬送方向終端側及び他方側のバー搬送機構部の搬送方向始端側に設けられ、前記一方側のバー搬送機構部の搬送方向終端部分に搬送された前記第1電線保持バーを前記他方側のバー搬送機構部の搬送方向始端側部分に移載する一方側のバー移載機構部と、前記他方側のバー搬送機構部の搬送方向終端側及び前記一方側のバー搬送機構部の搬送方向始端側に設けられ、前記他方側のバー搬送機構部の搬送方向終端部分に搬送された前記第1電線保持バーを前記一方側のバー搬送機構部の搬送方向始端側部分に移載する他方側のバー移載機構部と、を有するものである。
第4の態様は、第1〜第3のいずれかの態様に係る電線セット揃え装置であって、前記電線移替機構部は、第1電線保持バー及び第2電線保持バーに保持された端子付き電線の各端部をそれぞれ把持及び把持解除自在な2つの電線把持機構部と、前記2つの電線把持機構部を、前記電線取出位置に配設された第1電線保持バーの側方と前記バーセット保持部材で支持された第2電線保持バーの側方位置との間で往復移動させる移替用駆動部とを有するものである。
第5の態様に係るサブアッシーの製造方法は、複数の電線保持部が並列状に設けられた第1電線保持バーを用いて複数種類の端子付き電線を含むサブアッシーを製造するサブアッシーの製造方法であって、複数の端子付き電線の端部を前記各電線保持部にセットするようにして、前記各端子付き電線を種類別に前記各第1電線保持バーにセットする工程と、前記複数の電線保持バーから複数種類の端子付き電線の端部を取出して、第2電線保持バーに並列状に設けられた複数の電線保持部にセットする工程と、前記第2電線保持バーに保持された複数種類の端子付き電線を組合わせる工程と、を備えたものである。
第1の態様に係る電線セット揃え装置によると、端子付き電線の端部を、その種類別に第1電線保持バーにセットし、これらをバー移動機構部によって順次で所定の電線取出位置に位置するように移動させることができる。そして、各第1電線保持バーを順次電線取出位置に位置させることで、第1電線保持バーにセットされた端子付き電線の端部が、電線移替機構部で保持されて前記バーセット保持部材に支持された前記第2電線保持バーのうち予め設定された位置の電線保持部にセットされる。バー移動機構部による各第1電線保持バーの順次移動に伴い、上記処理を繰返すことで、複数種類の端子付き電線を、バーセット保持部材に支持された第2電線保持バーに順次セットしてサブアッシー毎にまとめることができる。従って、種類別に生産された端子付き電線をサブアッシー毎にまとめる工程を自動的に行える。
また、第2の態様に係る電線セット揃え装置によると、複数の電線保持バーは循環経路に沿って循環移動し、その循環経路の途中に前記所定の電線取出位置が設定されているため、端子付き電線をサブアッシー毎にまとめる工程を、連続的に効率よく実施できる。
また、第3の態様に係る電線セット揃え装置によると、2つのバー搬送機構部で互いに反対の搬送方向に前記第1電線保持バーを搬送し、2つのバー搬送機構部の搬送方向始端側及び終端側で第1電線保持バーを移載しているため、長尺状の第1電線保持バーを円滑に循環移動させることができる。
第4の態様に係る電線セット揃え装置による、第1電線保持バーに保持された端子付き電線の各端部を2つの電線把持機構部で把持して、第2電線保持バーに移し替えることができる。
第5の態様に係るサブアッシーの製造方法によると、複数の端子付き電線の端部を前記各電線保持部にセットするようにして、前記各端子付き電線を種類別に前記各第1電線保持バーにセットし、複数の電線保持バーから複数種類の端子付き電線の端部を取出して、第2電線保持バーに並列状に設けられた複数の電線保持部にセットする。これらの工程において、端子付き電線は、第1電線保持バー又は第2電線保持バーの各電線保持部にセットされ、その位置の管理は容易である。このため、種類別に生産された端子付き電線をサブアッシー毎にまとめる工程を自動的に行えるようになる。
以下、実施形態に係る電線セット揃え装置及びその電線セット揃え装置の使用に適したサブアッシーの製造方法について説明する。
<1.ワイヤーハーネスの製造方法>
まず、ワイヤーハーネス全体の製造方法について説明する。ワイヤーハーネスは、複数の電線に対して切断や端子圧着等の各種処理を施し、これらを所定の配線形態で束ねることで製造される。このように製造されたワイヤーハーネスは、自動車等に搭載される各種電気機器(例えば、電子制御ユニットや各種センサ、各種アクチュエータ)同士を電気的に接続する配線として用いられる。
まず、ワイヤーハーネス全体の製造方法について説明する。ワイヤーハーネスは、複数の電線に対して切断や端子圧着等の各種処理を施し、これらを所定の配線形態で束ねることで製造される。このように製造されたワイヤーハーネスは、自動車等に搭載される各種電気機器(例えば、電子制御ユニットや各種センサ、各種アクチュエータ)同士を電気的に接続する配線として用いられる。
図1は実施形態に係るワイヤーハーネスの製造方法を示す工程図である。ワイヤーハーネスの製造方法は、切圧工程と電線セット工程と電線組合工程とワイヤーハーネス組立構成とを備えており、必要に応じて実施される中間処理工程及び中間処理組合工程をさらに備えている。
切圧工程は、電線に対して切断処理及び端子圧着処理を施して端子付き電線18を製造し、この端子付き電線18を種類別に電線保持バー10にセットする工程である。端子付き電線18の種類は、電線の種類及び長さ、端子の種類等に応じて決められる。
ここで、電線保持バー10について説明しておく。図2(a)は電線保持バー10を示す平面図であり、図2(b)は同電線保持バー10を示す正面図である。
電線保持バー10は、本体部12と、複数の電線保持部14と、側板部16とを有している。
本体部12は、長尺棒状、より具体的には、両端部で幅狭で、かつ、中間部で幅広な部分12wを有する長尺棒状に形成されており、その長手方向に沿って延びる一側面12f側部分に、その長手方向に沿って間隔をあけて複数の保持凹部12aが形成されている。各保持凹部12aは、本体部12の前記一側面12f及びその一側面の隣の両側面に開口する溝状に形成されており、その前記一側面12f側の開口端部はその基端側よりも狭まっている。
各電線保持部14は、端子付き電線18の端部を保持可能に構成された部材である。ここでは、電線保持部14は、弾性を有する金属板を屈曲加工することで形成されており、固定端部14aと挟持部14bとを有し、それらの間部分が固定端部14aと挟持部14bよりも幅狭に形成されている。そして、上記固定端部14aを上記保持凹部12a内に嵌め込むように挿入することで、挟持部14bを本体部12の前記一側面12fより突出させた姿勢で、電線保持部14が本体部12に対して固定保持される。また、複数の電線保持部14を、同様にして各保持凹部12aに挿入嵌め込みすることで、それらの複数の電線保持部14が本体部12に対してその長手方向に沿って並列状に支持されることになる。
なお、ここでは、複数の電線保持部14は、本体部12に対して略均等間隔で並ぶように支持されているが、必ずしもその必要はない。例えば、電線保持部14が比較的狭い間隔で並ぶ部分と、電線保持部14が比較的広い間隔で並ぶ部分とが存在していてもよい。
また、上記挟持部14bは、互いに突合わされる2つの端部を有している。2つの端部の先端側部分14cはその先端方向に向けてやや拡開すると共に、突合わされた2つの端部の基端側部分14dはその基端方向に向けてやや拡開しており、それらの間部分14eが狭隘部として互いに当接するようになっている。
また、本体部12のうち上記保持凹部12aが形成された一側面12fの隣の両側面に、それぞれ側板部16がネジ止等で固定されている。この側板部16は、上記保持凹部12aに挿入保持された電線保持部14が当該保持凹部12aの開口部から脱落するのを防止する役割を有している。
この電線保持バー10では、端子付き電線18の端部を電線保持部14の先端側から挿入すると、当該端子付き電線18の外周部が挟持部14bの両端部のうち先端側部分14cの内面に摺接して、当該挟持部14bの両端部を押広げる。そして、端子付き電線18が前記狭隘部である間部分14eを越えると、挟持部14bの両端部が弾性復帰して原形に狭まる。これにより、端子付き電線18の端部が挟持部14bの両端部間に抜止め状に保持されるようになる。
なお、本実施形態では、上記電線保持バー10は、切圧工程で用いられる第1電線保持バー10及び電線セット工程で用いられる第2電線保持バーとして共通して用いられる。もっとも、切圧工程及び電線セット工程において、電線保持部14の間隔や保持構成等が異なる別の電線保持バーが用いられてもよい。
図1に戻って、切圧工程は、切断及び圧着処理を施した端子付き電線18を種類別に上記電線保持バー10にセットする。つまり、本工程により、複数の端子付き電線18の端部を各電線保持部14にセットするようにして、各端子付き電線18を各電線保持バー10にセットする工程が実施される。本工程を実施するのに適した装置例については後に詳述する。
電線セット工程は、種類別に端子付き電線18がセットされた複数の電線保持バー10から複数種類の端子付き電線18の端部を取出して、他の電線保持バー10の各電線保持部14にセットする工程、ここでは、所定の並び順でセットする工程である。本工程により、複数種類の端子付き電線18が所定の電線保持バー10にまとめるようにセットされ、その各端子付き電線18の端部が所定の並び順に並べられたものが得られる。
ここで、複数種類の端子付き電線18の端部の並び順は、次工程である電線組合工程における作業順に応じた順番である。次工程である電線組合工程における作業順とは、ここでは、後述するように、端子付き電線18の端部をコネクタハウジングに挿入していく順である。この作業順に応じた順で、端子付き電線18の端部が複数の電線保持部14に並んでセットされることで、端子付き電線18の端部をコネクタハウジングに容易に挿入していくことができる。
なお、作業順に応じた順とは、作業順と端子付き電線18の端部の並び順とが必ずしも完全に一致する必要はなく、次工程での作業に適した順で端子付き電線18の端部を並べた場合を含むことを意味している。次工程での作業に適した順は、例えば、作業順で端子付き電線18の端部を並べて試行的に実際の作業を行い、端子付き電線18の中間部分同士の交差状況等を見て相互干渉しないように並び替えを行う等して、決定することができる。
なお、本電線セット工程を実施するのに適した装置例については後に詳述する。
電線組合工程は、所定の電線保持バー10にセットされた複数種類の端子付き電線を組合わせてサブアッシー19を組立てる工程である。ここでは、電線組合工程は、複数の電線保持部14で保持された端子付き電線18の端部を順次掴んでコネクタハウジングに挿入することで、複数種類の端子付き電線18を組合わせる工程である。
すなわち、ワイヤーハーネスを製造するにあたっては、その完成品形態よりも小さい形態であるサブアッシー19に分けて製造し、そのサブアッシー19を複数組合わせてワイヤーハーネスの完成形態とする工法が採用される。本工程では、そのようなサブアッシー19を構成するための一又は複数のコネクタハウジングを準備し、当該コネクタハウジングを一列又は複数列に並べて設置する。なお、ここで用いられるコネクタハウジングは、通常多極コネクタ用のものであり、従って、複数の端子挿入孔を並列状に有している。そして、上記電線保持バー10に並列状にセットされた端子付き電線18の端部を順次コネクタハウジングの各端子挿入孔に挿入していく。ここで、端子付き電線18の端部をコネクタハウジングに挿入していく挿入作業順は、例えば、各コネクタハウジング毎に、左方から右方の順又はその逆順に及び上方から下方の順又はその逆順に、端子付き電線18の端部を各端子挿入孔に挿入していくことができるような順に決定される。もっとも、実際の作業性、例えば、端子付き電線18の中間部が相互干渉しないように、上記挿入作業順を適宜変更してもよい。
このような工程は、複数のコネクタハウジングを所定位置に配設し、電線保持バー10にセットされた複数種類の端子付き電線18の端部を順次手で掴んでコネクタハウジングの各端子挿入口に挿入していくことで手作業にて行われてもよい(図1のC1参照)。
あるいは、電線保持バー10にセットされた端子付き電線18の端部を電線端部把持機構にて把持して、並列配置されたコネクタハウジングに順次挿入していく装置60を用いて行ってもよい(図1のC2参照)。
いずれにせよ、電線保持バー10には、端子付き電線18の端部が並列状にセットされ、かつ、ここでの作業順に応じた順で並んでいるので、ここでの挿入作業を容易に行うことができ、かつ、電線や端子への傷付き、破損等を防止できる。
本工程を経ることで、端部をコネクタハウジングに挿入することで、複数の端子付き電線18が組合わされたサブアッシー19を得ることができる。
このように、本ワイヤーハーネスの製造方法は、電線保持バー10を用いて複数の電線からサブアッシー19を製造する方法であって、上記切圧工程、電線セット工程及び電線組合工程を含むサブアッシー19の製造方法を有しているといえる。
中間処理工程は、種類別に製造された端子付き電線18に対して中間処理を施す工程である。
つまり、上記切圧工程において、種類別に電線保持バー10にセットされた端子付き電線に対して、必要に応じて本中間処理工程が施される。
中間処理としては、端子付き電線18のうち端子が圧着されていない側の端部に電線端部にゴム栓付の端子等の特殊な端子を圧着する圧着処理(図1のM1参照)や、端子付き電線18のうち端子が圧着されていない側の端部同士を溶接する溶接処理(図1のM2参照)、端子付き電線18の中間部の被覆を除去する中間皮剥処理(図1のM3参照)、複数の端子付き電線18を捩り合わせてツイストを加えるツイスト処理(図1のM4参照)等が挙げられる。これらの中間処理は、ワイヤーハーネスを構成する電線のうち一部に対して行われるものであり、同一種類の端子付き電線18に対して連続的に行う処理として適した処理である。
これらの処理は、部分的又は全体的に自動処理機械にて行ってもよいし、或は、手作業にて行ってもよい。
特に、端子付き電線18の端部が電線保持バー10の各電線保持部14にセットされた状態で搬送されている場合には、各端子付き電線18の端部を自動処理機械によって把持して上記のような特殊端子の圧着、溶接、中間皮剥、ツイスト等の処理を行い易いという利点がある。もちろん、手作業で行う場合にも、端子付き電線18の端部を個別に掴んで取出して処理を行うことが容易である。
本工程で得られた中間処理を施された端子付き電線18は、中間処理組合工程又はワイヤーハーネス組立工程に搬送される。
中間処理組合工程は、電線組合工程で処理されたもの、即ち、複数の端子付き電線18がコネクタハウジングを介して連結されて組合わされたものと、中間処理工程で処理された少なくとも一つの端子付き電線18とを組合わせる。例えば、中間処理工程で処理された少なくとも一つの端子付き電線18の端部を、サブアッシー19として組合わせられたコネクタハウジングの空きの端子挿入孔に挿入する。
かかる工程は、通常、作業者による手作業により行われる。場所的には、端子付き電線18の端部をコネクタハウジングに挿入する作業位置の傍で行ってもよく、全く別位置で行ってもよい。
上記中間処理工程及び中間処理組合工程は、端子付き電線18の配線形態や配線箇所、伝送する信号の種類等に応じて必要に応じて行われるものであり、必須のものではない。
ワイヤーハーネス組立工程では、上記サブアッシー19やこれに中間処理された端子付き電線18を組合わせたもの、さらに、他の中間処理された端子付き電線18とを適宜組合わせて最終的なワイヤーハーネスの形態に組立てる。この工程は、通常、作業者による手作業により行われる。
このようにして製造されたワイヤーハーネスは、検査工程等を経て、車両等に組付けられる。
上記のサブアッシーの製造方法によると、複数の端子付き電線18の端部を各電線保持部14にセットするようにして、各端子付き電線18を種類別に各電線保持バー10にセットし、複数の電線保持バー10から複数種類の端子付き電線18を取出して、その端部を他の電線保持バー10に所定の並び順でセットしている。これらの工程において、端子付き電線18の端部は、電線保持バー10の各電線保持部14にセットされる。このため、その端子付き電線18の位置管理が容易であり、種類別に生産された端子付き電線18をサブアッシー毎にまとめる工程を自動的に行えるようにすることができる。
<2.切圧セット装置>
切圧セット装置について説明する。図3は切圧セット装置の全体構成を示す説明図である。この切圧セット装置は、切圧機構部22で処理された端子付き電線18を電線端部セット機構部30で処理するものであり、上記切圧機構部22で電線の長尺切断及び端子圧着を行い、電線端部セット機構部30でその端子付き電線18の端部を電線保持バー10に順次セットするように構成されている。
切圧セット装置について説明する。図3は切圧セット装置の全体構成を示す説明図である。この切圧セット装置は、切圧機構部22で処理された端子付き電線18を電線端部セット機構部30で処理するものであり、上記切圧機構部22で電線の長尺切断及び端子圧着を行い、電線端部セット機構部30でその端子付き電線18の端部を電線保持バー10に順次セットするように構成されている。
切圧機構部22は、電線を切断して端部に端子を圧着可能に構成されている。ここでは、切圧機構部22は、同一種類の端子付き電線18を連続的に製造可能に構成されている。
より具体的には、切圧機構部22は、電線調尺切断部23と、電線皮剥部24と、端子圧着部25とを備えると共に、電線端部を搬送する電線端部搬送機構部26とを有している。
電線調尺切断部23は、予めセットされた所定の種類の電線を予め設定された所定長に切断可能に構成されたものであり、例えば、電線を巻回収納したリールと、前記リールから電線長を測長しつつ電線を引出す電線測長引出部と、引出された電線を切断する電線切断部と、引出された電線をU字状に折返えす折返し部とを有する構成を採用することができる。そして、電線測長引出部の駆動によりリールから電線を所定長引出して、電線切断部により電線を切断する。また、引出された電線の一端部を折返し部により折返して略U字状にし、その両端部を上記電線端部搬送機構部26にセットする。これにより、所定長に切断された電線Wが得られる。
このように電線を供給して所定長の電線に切断する電線調尺切断部23自体の構成は、例えば、特開平9−306257号公報等に開示された周知の構成を含み種々の構成を採用することができる。
電線皮剥部24は、電線Wの端部を皮剥ぎするものであり、例えば、接近離隔自在な一対の皮剥刃と、当該皮剥ぎ刃を電線W端部に向けて進退駆動させる進退駆動部とを有する構成を採用することができる。そして、本電線皮剥部24に搬送された電線端部に向けて一対の皮剥刃を接近移動させ、一対の皮剥刃を電線Wの被覆部に切込ませた状態で、電線の端部側に向けて移動させることで、電線Wの端部の被覆部が皮剥ぎされる。このような電線皮剥部24としては、上記のように一対の皮剥刃で被覆部を除去する構成等、周知構成を含む種々の構成を採用することができる。
端子圧着部25は、電線W端部に対して予め設定された所定の種類の端子を圧着可能に構成されている。このように、切断及び皮剥ぎされた電線端部に連続的に同一種類の端子を圧着していく端子圧着装置自体は、周知構成を含む種々のものを採用することができる。
電線端部搬送機構部26は、電線Wの端部を保持して、電線調尺切断部23から電線皮剥部24及び端子圧着部25を経由して、電線端部セット機構部30側の受渡し位置WPに向けて搬送可能に構成されている。より具体的には、電線Wの両端部を把持及び把持解除可能な一対の電線端部保持部27と、当該電線端部保持部27を、電線調尺切断部23、電線皮剥部24、端子圧着部25に対応する各位置及び受渡し位置WP間で往復移動させる電線端部往復駆動部28とを有している。
各電線端部保持部27は、開閉自在な一対の把持片27aを有している。一対の把持片27aの一端部は所定の軸周りに回転自在に支持されており、エアシリンダ等のアクチュエータ等の駆動によって、立設状に閉じた閉姿勢と、倒伏状に開いた開姿勢との間で姿勢変更自在とされている。この一対の電線端部保持部27は、電線端部往復駆動部28に所定間隔あけた状態で移動可能に設けられている。
電線端部往復駆動部28は、リニアモータ等のアクチュエータを有しており、上記一対の各電線端部保持部27を、電線調尺切断部23から電線皮剥部24、端子圧着部25を経て、受渡し位置WPに向けて移動させるように構成されている。電線端部往復駆動部28は、各電線端部保持部27に保持された電線Wの端部が、電線皮剥部24及び端子圧着部25における各作業位置を通過する際に一旦停止し、当該電線Wの端部に対して皮剥ぎ処理や端子圧着処理等を行わせる。そして、所定長に切断され、端部の皮剥ぎ及び端子圧着された端子付き電線18の端部を、上記端子圧着部25よりも電線端部セット機構部30よりの位置に設定された受渡し位置WPに搬送し、ここで、それらの端部を電線端部セット機構部30に渡すように構成されている。
電線端部セット機構部30は、電線端部保持セット部32と、電線保持バー支持部40とを備えている。
電線端部保持セット部32は、切圧機構部22で端子圧着された端子付き電線18の端部を保持し、端子付き電線18の端部を電線保持バー支持部40に支持された電線保持バー10の各電線保持部14に順次セット可能に構成されている。
ここでは、電線端部保持セット部32は、一対の電線端部回転部33と、電線端部搬送セット部36とを有している。
図4は電線端部回転部33を示す正面図であり、図5は電線端部回転部33を示す側面図である。一対の電線端部回転部33は、図3、図4及び図5に示すように、それぞれ端子付き電線18の端部をその軸回りに回転できるように構成されている。より具体的には、一対の電線端部回転部33は、上記受渡し位置WPにおける一対の電線端部保持部27からそれぞれ端子付き電線18の端部を受取り可能な位置に設けられている。各電線端部回転部33は、一対の把持爪部34aと、爪部駆動部34bと、爪部回転駆動部34cとを有している。
一対の把持爪部34aは、略平行姿勢で延びる一対の板材の先端部をその近接方向に向けて略L字状に折曲げた形状に形成されている。この一対の把持爪部34aは、エアシリンダ等のアクチュエータによって構成された爪部駆動部34bの駆動によって、接近方向及び離間方向に往復移動可能に構成されている。
また、爪部回転駆動部34cは、モータ等のアクチュエータによって構成されており、上記一対の把持爪部34aを爪部駆動部34bと共に回転できるように構成されている。
そして、一対の把持爪部34aを上下に離間させた状態で、上記各電線端部保持部27を受渡し位置WPに配設することで、当該各電線端部保持部27に保持された端子付き電線18の端部が、各電線端部回転部33における一対の把持爪部34a間にそれぞれ配設されるようになる。また、この状態で、爪部駆動部34bの駆動によって一対の把持爪部34aを閉じ、各電線端部保持部27を開くことで、端子付き電線18の各端部が各電線端部保持部27から各電線端部回転部33に受渡され、各一対の把持爪部34aで把持される。この後、必要に応じて、爪部回転駆動部34cの駆動により一対の把持爪部34aを例えば180度回転させることで、端子付き電線18の端部がその軸回りに回転される。端子付き電線18の端部が回転された場合、当該回転姿勢がそのまま維持されるように、後での電線端部搬送セット部36における搬送及び受取り、受渡し等がなされる。
なお、端子付き電線18の端部を回転させるかどうかは、下流工程での作業に応じて決定され、予め制御ユニット50に設定されており、当該設定に応じて動作する。例えば、下流工程で、端子付き電線18の端部をコネクタハウジングに挿入する場合、その挿入姿勢に応じて回転させるかどうかが決定される。回転不要な場合には、本各電線端部回転部33は、各電線端部保持部27から端子付き電線18の端部を受取った後、回転させることなく、次の電線端部搬送セット部36に渡す。なお、電線端部回転部33は、省略されてもよい。
図6は電線端部搬送セット部36を示す正面図であり、図7は電線端部搬送セット部36の要部を示す正面図であり、図8は電線端部搬送セット部36の要部を示す側面図である。
電線端部搬送セット部36は、上記各電線端部回転部33から受取った端子付き電線18の端部を、電線保持バー10に順次セットしていくように構成されている。より具体的には、電線端部搬送セット部36は、電線端部把持セット部37と、電線端部把持セット部37を移動させるセット部移動機構部39とを有している。
電線端部把持セット部37は、ベースプレート37aに対して第1昇降駆動部37bを介して昇降駆動可能に支持された中間プレート37cと、当該中間プレート37cに対してそれぞれ第2昇降駆動部37dを介して昇降駆動可能に支持された一対の個別プレート37eと、一対の個別プレート37eにそれぞれ支持された一対の把持部38とを有している。
上記第1昇降駆動部37bは、エアシリンダ等のアクチュエータによって構成されており、中間プレート37cを昇降駆動させるように構成されている。一対の第2昇降駆動部37dは、それぞれエアシリンダ等のアクチュエータによって構成されており、一対の個別プレート37eをそれぞれ別々に昇降駆動させるように構成されている。これにより、第1昇降駆動部37bは一対の把持部38を同期して昇降駆動し、一対の第2昇降駆動部37dは一対の把持部38を個別に昇降駆動する構成となっている。
一対の把持部38は、一対の個別プレート37eのそれぞれに垂下状に支持されており、端子付き電線18の端部を把持及び把持解除可能に構成されている。より具体的には、各把持部38は、一対の爪部38aと、エアシリンダ等のアクチュエータによって構成され当該一対の爪部38aを接近及び離間移動させる爪部駆動部38bとを有している。一対の爪部38aは、先端側に向けて2つに分岐しており、端子付き電線18の端部をその長手方向において間隔をあけた2箇所で把持可能に構成されている。そして、爪部駆動部38bの駆動により一対の爪部38aを接近移動させることで、両爪部38a間に端子付き電線18の端部が把持され、爪部駆動部38bの駆動により一対の爪部38aを離隔移動させることで、両爪部38a間から端子付き電線18の端部の把持が解除される。
また、セット部移動機構部39は、上記電線端部把持セット部37を、電線端部回転部33に対応する位置と電線保持バー支持部40との間で往復移動させる。ここでは、セット部移動機構部39は、一対のプーリー体39aと、一方側のプーリー体39aを正逆両方向に回転駆動可能なモータ39bと、一対のプーリー体39aに巻掛けられた無端環状のベルト体39cとを備えている。上記電線端部把持セット部37のベースプレート37aは上記ベルト体39cの途中に連結されている。そして、モータ39bの正逆両方向への回転駆動によって、電線端部把持セット部37が電線端部回転部33に対応する位置と電線保持バー支持部40との間で往復駆動されると共に、その途中の任意の位置で停止可能に構成されている。なお、本セット部移動機構部39は、上記構成の他、モータとボールネジ機構等を用いた直線移動機構等、各種アクチュエータによって構成することができる。
本電線端部搬送セット部36では、次のようにして端子付き電線18の端部を搬送して電線保持バー10にセットする。
すなわち、セット部移動機構部39の駆動により電線端部把持セット部37を電線端部回転部33に対応する上方位置に移動させる。そして、一対の把持部38のそれぞれの一対の爪部38aを離間させた状態で、第1昇降駆動部37bの駆動により一対の把持部38を下降させて、それぞれの一対の爪部38aを、電線端部回転部33で把持された端子付き電線18の端部を挟込み可能な位置に移動させる。この状態で、各爪部駆動部38bの駆動によりそれぞれの一対の爪部38aを接近移動させることで、それぞれの一対の爪部38aで端子付き電線18の各端部が把持される。この後、第1昇降駆動部37bの駆動により一対の把持部38を上昇させ、さらに、セット部移動機構部39の駆動により電線端部把持セット部37を、電線保持バー支持部40に支持された電線保持バー10の上方に移動させる。
電線保持バー支持部40に支持された電線保持バー10の上方では、まず、一方の把持部38で把持された端子付き電線18の端部が、電線保持バー10の各電線保持部14のうちセットすべき位置上方に位置するように、セット部移動機構部39の駆動により電線端部把持セット部37を移動させる。この状態で、第2昇降駆動部37dの駆動により或は第1昇降駆動部37bと第2昇降駆動部37dとの両駆動により、当該一方の把持部38で把持された端子付き電線18の端部が、前記セットすべき電線保持部14で保持される位置まで、当該一方の把持部38を下降させる。そして、爪部駆動部38bの駆動により当該一方の把持部38の一対の爪部38aを離間移動させることで、当該一方の把持部38による把持を解除する。これにより、端子付き電線18の一方の端部が所望の電線保持部14にセットされる。
この後、第2昇降駆動部37dの駆動により或は第1昇降駆動部37bと第2昇降駆動部37dとの両駆動により、当該一方の把持部38が上昇する。次に、他方の把持部38で把持された端子付き電線18の端部についても、上記と同様動作により、他の所望の電線保持部14にセットする。そして、端子付き電線18の両端部を、電線保持バー10の各電線保持部14にセットし終ると、セット部移動機構部39の駆動により、電線端部把持セット部37を電線端部回転部33に対応する上方位置に移動させて、上記動作を繰返す。
順次製造された端子付き電線18に対して上記作業を繰返すことで、順次製造された端子付き電線18の端部が、電線保持バー10の各電線保持部14に並列状にセットされる(図9参照)。
図9は電線保持バー支持部40を示す正面図である。電線保持バー支持部40は、上記電線保持バー10を支持可能に構成されている。ここでは、端子付き電線18の端部が保持された電線保持バー10を、空の電線保持バー10に入替えて円滑な処理が行われるように次の構成を採用している。
すなわち、電線保持バー支持部40は、2つのバー支持機構部42、45を有している。
一方のバー支持機構部42は、バー支持部43と、支持部水平移動部44とを有している。バー支持部43は、電線保持バー10のうち電線保持部14が設けられた部分とは反対側の一部を嵌め込み可能な凹部43aを有している。そして、電線保持バー10は、その一部を当該凹部43aに嵌め込むようにして支持される。支持部水平移動部44は、エアシリンダ等のアクチュエータによって構成されており、バー支持部43を、電線端部搬送セット部36側の電線端部セット可能位置とそこから側方に離れた脱着位置との間で往復移動させるように構成されている。
他方のバー支持機構部45は、上記と同様のバー支持部46と、支持部水平移動部47と、支持部昇降移動部48とを有している。支持部昇降移動部48は、エアシリンダ等のアクチュエータによって構成されており、バー支持部46を、上記バー支持部43と略同じ高さ位置とそれよりも下方の高さ位置との間で昇降駆動可能に支持している。支持部水平移動部47は、エアシリンダ等のアクチュエータによって構成されており、バー支持部46を支持部昇降移動部48と共に、電線端部搬送セット部36側の電線端部セット可能位置とそこから側方に離れた脱着位置との間で往復移動させるように構成されている。
そして、一方のバー支持部43に支持された電線保持バー10に対して端子付き電線18の端部をセットする場合には、支持部水平移動部44の駆動により一方のバー支持部43を上記電線端部セット可能位置に移動させる。この状態で、支持部水平移動部47の駆動により、他方のバー支持部46を脱着位置に移動させる。これにより、他方のバー支持部46に対して、端子付き電線18の端部をセット済の電線保持バー10を取外したり、或は、空の電線保持バー10をセットすることができる。
そして、一方のバー支持部43に支持された電線保持バー10に対して端子付き電線18の端部のセットが終了すると、支持部水平移動部44の駆動により一方のバー支持部43を上記脱着位置に移動させる。この状態で、支持部水平移動部47の駆動により、他方のバー支持部46を電線端部セット可能位置に移動させると共に、支持部昇降移動部48の駆動により、当該他方のバー支持部46を上方に移動させる。これにより、当該他方のバー支持部46に支持された電線保持バー10に対して端子付き電線18の端部をセットできる。
上記のように、2つのバー支持部43、46を交互に電線端部セット可能位置と脱着位置とに移動させることで、電線保持バー10に対する端子付き電線18の端部のセットと電線保持バー10の脱着を連続的に行うことができる。
なお、上記切圧機構部22及び電線端部セット機構部30の動作は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータによって構成された制御ユニット50によって制御される。制御ユニット50には各種キー等によって構成された入力部52が接続されており、当該入力部52を通じて作業指示が入力される。本制御ユニット50は、当該入力部52を通じて端子付き電線18の製造個数等に関する指令を受付け、当該指令に応じて端子付き電線18を製造するように制御する。また、本制御ユニット50は、入力部52を通じて切圧機構部22で製造された端子付き電線18の端部を回転させるかの指示を受け可能に構成されており、当該支持に応じて、上記各電線端部回転部33を制御して必要に応じた回転動作を行わせる。
このように構成された切圧セット装置の全体動作について説明する。
まず、切圧機構部22において所定の電線を所定長に切断して所定の端子を圧着した端子付き電線18が順次製造される(図3参照)。すると、製造された端子付き電線18の両端部が電線端部往復駆動部28の一対の各電線端部保持部27によって受渡し位置WPに搬送される。
受渡し位置WPでは、端子付き電線18の両端部が一対の電線端部回転部33にそれぞれ渡される。そして、必要に応じて、端子付き電線18の各端部が一対の電線端部回転部33のそれぞれで回転される(図3、図4及び図5参照)。
一対の電線端部回転部33に把持された端子付き電線18の両端部は、電線端部搬送セット部36の一対の把持部38でそれぞれ把持され、電線保持バー支持部40にセットされた電線保持バー10の上方に移動する。そして、電線保持バー10の長手方向に沿った適宜位置に移動した状態で、一対の把持部38が個別に下降移動することで、端子付き電線18のそれぞれの端部が、電線保持バー10における各電線保持部14にセットされる(図3、図6〜図8参照)。
切圧機構部22において順次製造された端子付き電線18に対して上記処理を繰返すことで、電線保持バー10の各電線保持部14には、同一種類である複数の端子付き電線18の各端部が連続並列状にセットされる。これにより、同一種類である複数の端子付き電線18の両端部が電線保持バー10の各電線保持部14にセットされたものが得られる。
また、異なる種類の端子付き電線18をセットした電線保持バー10を得る場合には、得たい端子付き電線18の種類に応じて、電線調尺切断部23にセットする電線の種類変更、電線調尺切断部23における切断長の設定変更、端子圧着部25にセットする端子の種類変更及び圧着金型変更、等のうち少なくとも1つを行う。これにより、他の異なる種類の端子付き電線18を連続して製造して、当該異なる種類の端子付き電線18がセットされた電線保持バー10を得ることができる。
異なる種類端子付き電線18がセットされた電線保持バー10を得る場合には、本切圧セット装置とは別の切圧セット装置を用いてもよい。
この切圧セット装置では、切断及び端子圧着された端子付き電線18の端部が、電線保持バー10の各電線保持部14に並列状にセットしたものを得ることができるため、下流工程での作業利便性を向上させることができると共に、電線や端子への傷付き、破損等を防止することができる。
なお、切圧機構部22で端子圧着された直後の端子付き電線18の端部を把持する機構部を、電線端部セット機構部30側の構成として備えていてもよい。
また、このような切圧セット装置は、切圧機構部22として一般的に用いられている電線切断装置及び端子圧着装置に係る機構を利用することができる。このため、従来用いていた装置を改造して上記電線端部セット機構部30を組込むことで容易かつ安価に切圧セット装置を製造することができる。また、新たに切圧セット装置を製造する場合でも従来の設計等を利用することができ、容易かつ安価に切圧セット装置を製造することができる。
<3.電線セット揃え装置>
電線セット揃え装置について説明する。図10は電線セット揃え装置の全体構成を示す説明図である。
電線セット揃え装置について説明する。図10は電線セット揃え装置の全体構成を示す説明図である。
この電線セット揃え装置は、バー移動機構部110と、バーセット保持部材130と、電線移替機構部150とを備えている。これらは、装置ベース170上に適宜ブラケット等を介して固定されている。
なお、装置ベース170は、例えば、柱状部材によってフレーム構造に構成されており、電線保持バー10の移動軌跡及び端子付き電線18の移動軌跡に沿った空きスペースを確保して、電線保持バー10や電線移替機構部150等から垂下がる端子付き電線18が当該装置ベース170に干渉しないようになっている。
バー移動機構部110は、複数の電線保持バー10を、順次所定の電線取出位置に位置するように移動させるように構成されており、ここでは、複数の電線保持バー10を、途中に電線取出位置が設定された循環経路に沿って循環移動可能に構成されている。
このバー移動機構部110は、2つのバー搬送機構部112A,112Bと、2つのバー移載機構部120A,120Bとを有している。
2つのバー搬送機構部112A,112Bは、隣設して設けられており、一方のバー搬送機構部112Aの搬送方向Paと、他方のバー搬送機構部112Bの搬送方向Pbとは、略平行であり、かつ、互いに逆方向に向いている。また、一方のバー移載機構部120Aは、バー搬送機構部112Aの搬送方向Pa終端側及びバー搬送機構部112Bの搬送方向始端側に設けられており、バー搬送機構部112Aの搬送方向Pa終端部分に搬送された電線保持バー10を、バー搬送機構部112Bの搬送方向Pb始端部分に移載するように構成されている。また、他方のバー移載機構部120Bは、バー搬送機構部112Aの搬送方向Pa始端側及びバー搬送機構部112Bの搬送方向終端側に設けられており、バー搬送機構部112Bの搬送方向Pb終端部分に搬送された電線保持バー10を、バー搬送機構部112Aの搬送方向Pa始端部分に移載するように構成されている。そして、電線保持バー10が、一方のバー搬送機構部112Aで搬送方向Paに搬送され、その終端部分でバー移載機構部120Aにより他方のバー搬送機構部112Bに移載され、当該他方のバー搬送機構部112Bで搬送方向Pbに搬送され、その終端部分でバー移載機構部120Bにより一方のバー搬送機構部112Aに移載される。つまり、複数の電線保持バー10は、一方のバー搬送機構部112Aからバー移載機構部120A、他方のバー搬送機構部112B、バー移載機構部120Bを経て一方のバー搬送機構部112Aに戻り、所定の水平面における循環経路に沿って移動するようになっている。なお、各電線保持バー10の循環経路における移動は、後述する各動作を逆に行わせることで、電線取出位置WTに順次移動させるべき電線保持バー10の順序に応じて途中で逆方向に移動してもよい。
各部についてより具体的に説明する。図11はバー搬送機構部112A,112Bを示す側面図である。
図10及び図11に示すように、バー搬送機構部112Aは、電線保持バー10の長さ寸法程度の間隔をあけて並列状に設けられた2つの環状ベルト113Aを有している。各環状ベルト113Aは、それぞれ一対のプーリー114Aに巻掛けられて、循環回転可能に構成されている。
また、2つの環状ベルト113A間で対向するプーリー114A同士は連結軸115Aを介して連結されており、2つの環状ベルト113Aが同期して回転するように構成されている。
また、バー搬送機構部112Aの搬送方向Paの一端側(ここでは始端側)のプーリー114Aには、モータ等のアクチュエータによって構成される回転駆動部116Aが連結されており、当該回転駆動部116Aの回転駆動力によって2つの環状ベルト113Aが同期して回転駆動されるようになっている。ここでは、回転駆動部116Aの回転駆動力によって2つの環状ベルト113Aは同期して間欠的かつ正逆両方向に回転駆動するようになっている。
また、上記各環状ベルト113Aには、その延在方向に沿って略等間隔をあけて、バー端部保持部材117Aが複数設けられている。図12はバー端部保持部材117Aを示す斜視図である。バー端部保持部材117Aは、略直方体ブロック状の部材の一部に、バー端部保持部材117Aの端部形状に応じた凹部118Aを形成した形状とされている(図12参照)。その凹部118Aは、2つの環状ベルト113A間で対向する側及び上側に向けて開口し、他は閉塞する形状とされている。2つの環状ベルト113A間において、各バー端部保持部材117Aは、搬送方向Paに対して略直交する方向に沿って対向するように設けられている。そして、電線保持バー10の両端部を、搬送方向Paに対して略直交する方向に沿って対向する2つのバー端部保持部材117Aの凹部118Aに嵌め込むことで、当該電線保持バー10が、搬送方向Paに略直交する姿勢で保持される。2つの環状ベルト113Aに設けられたバー端部保持部材117Aのうち上方に位置する複数のバー端部保持部材117Aに対して同様に電線保持バー10をそれぞれ保持させることで、複数の電線保持バー10が搬送方向Paに略直交する姿勢でかつ当該搬送方向Paに間隔をあけた並列状態で保持される。そして、2つの環状ベルト113Aを循環回転させることで、複数の電線保持バー10が前記並列状態で、搬送方向Paに向けて搬送される。
他方のバー搬送機構部112Bも、上記2つの環状ベルト113Aと、プーリー114Aと連結軸115Aと回転駆動部116Aとバー端部保持部材117Bとにそれぞれ対応する、2つの環状ベルト113Bとプーリー114Bと連結軸115Bと回転駆動部116Bとバー端部保持部材117Bとを備えており、上記と同様にして複数の電線保持バー10を並列状態で、搬送方向Pbに向けて搬送する。このバー搬送機構部112Bにおける搬送方向Pbの終端側位置が、電線取出位置WTに設定されている。
なお、電線保持バー10は、通常、バー搬送機構部112Aの搬送方向Paの終端側又はバー搬送機構部112Bの搬送方向Pb始端側でバー端部保持部材117Bに保持される。電線保持バー10をバー端部保持部材117Bにセットする際には、電線保持部14がバー搬送機構部112Aの搬送方向Paの始端側又はバー搬送機構部112Bの搬送方向Pb終端側に向く姿勢とし、電線保持バー10が電線取出位置WTに位置した状態で、各電線保持部14が電線移替機構部150側を向くように設定される。
図13はバー移載機構部120A,120Bを示す平面図であり、図14はバー移載機構部120A,120Bを示す側面図である。
図10,図13及び図14に示すように、バー移載機構部120Aは、移載用水平駆動部121Aと、移載用進退駆動部123Aと、移載用昇降駆動部125Aと、移載用バー端部保持部127Aとを有している。
移載用水平駆動部121Aは、リニアモータやエアシリンダ等のアクチュエータによって構成されており、所定の直線方向に沿って移動駆動可能な移載用水平可動部材122Aを有している。この移載用水平駆動部121Aは、上記バー搬送機構部112Aの搬送方向Paの終端側部分上方から及びバー搬送機構部112Bの搬送方向Pbの始端側部分上方に至るように配設されている。本移載用水平駆動部121Aの水平駆動によって、移載用水平可動部材122Aが、バー搬送機構部112Aの搬送方向Paの終端側部分上方とバー搬送機構部112Bの搬送方向Pbの始端側部分上方との間で往復駆動される。
また、移載用水平可動部材122Aに、移載用進退駆動部123Aが設けられると共に、進退自在な一対のガイドロッド124Aがその移載用進退駆動部123Aを挟むようにして設けられている。移載用進退駆動部123Aは、エアシリンダ等のアクチュエータによって構成されており、進退可能なロッド部123Arを有している。上記ロッド部123Ar及びガイドロッド124Aは、搬送方向Pa,Pbに沿って外方を向いて進退自在とされており、それらの先端部に搬送方向Pa,Pbに対して略直交する方向に延びる長尺板状の中間支持部材124Abが取付けられている。そして、移載用進退駆動部123Aの進退駆動により、中間支持部材124Abがバー搬送機構部112Aの搬送方向Paの終端側部分上方位置又はバー搬送機構部112Bの搬送方向Pbの始端側部分上方位置とバー搬送機構部112A,112Bの外方上方位置との間で水平往復移動するようになっている。
上記中間支持部材124Abの長手方向中間部に移載用昇降駆動部125Aが取付けられると共に、中間支持部材124Abの長手方向両端部に一対のガイドロッド126Aが垂下状かつ進退自在に設けられている。移載用昇降駆動部125Aは、エアシリンダ等のアクチュエータによって構成されており、下方を向いて上下方向に進退駆動可能な昇降ロッド部125Arを有している。これらの一対のガイドロッド126A及び昇降ロッド部125Arの下端部には、搬送方向Pa,Pbに略直交する方向延びる長尺板状の中間支持部材126Abが設けられている。そして、移載用昇降駆動部125Aの駆動により、中間支持部材126Abが昇降往復移動するようになっている。
また、中間支持部材126Abの両端部に、一対の移載用バー端部保持部127Aが垂下状に取付けられている。各移載用バー端部保持部127Aの先端部には、図15に示すように、電線保持バー10の幅広部分12wの端部を保持可能な凹部128Aが形成されている。一対の凹部128Aは、互いに対向する側及びバー搬送機構部112A,112Bで保持された電線保持バー10の幅広部分12wに対向する側で開口しており、他で閉塞する凹状に形成されている。そして、一対の凹部128Aを、バー搬送機構部112A,112Bで保持された電線保持バー10の高さ位置に配設した状態で、一対の移載用バー端部保持部127Aを電線保持バー10の幅広部分12wの両端部に向けて移動させると、幅広部分12wの両端部がそれぞれ凹部128A内に嵌り込む。この後、一対の移載用バー端部保持部127Aを上昇させると、電線保持バー10がバー搬送機構部112A,112Bから持上げられるようにして取出されるようになっている。
なお、上記凹部128Aを形成する代りに、電線保持バー10の端部を挟むようにして保持する構成を用いてもよい。要するに、電線保持バー10を保持可能な構成であればよい。
このバー移載機構部120Aは、次の動作によって一方のバー搬送機構部112Aから他方のバー搬送機構部112Bに電線保持バー10を移載する。
すなわち、移載を行うはじめの状態で、所定の電線保持バー10が一方のバー搬送機構部112Aの搬送方向Paの終端側位置に配設される。そして、移載用バー端部保持部127Bを前記所定の電線保持バー10の外方位置に配設した状態から(図14参照)、移載用昇降駆動部125Aの駆動により移載用バー端部保持部127Bを下降させて凹部128A内を前記所定の電線保持バー10と略同一高さに配設する(矢符P1参照)。次に、移載用進退駆動部123Aの駆動により移載用バー端部保持部127Bを所定の電線保持バー10に向けて移動させる(矢符P2参照)。すると、電線保持バー10の幅広部分12wの両端部がそれぞれ凹部128A内に嵌り込む。この後、移載用昇降駆動部125Aの駆動により移載用バー端部保持部127Bを上昇させると、電線保持バー10が持上げられる(矢符P3参照)。次に、電線保持バー10から垂下がる端子付き電線18とバー搬送機構部112A,112B等との干渉を避けるべく、移載用進退駆動部123Aの駆動により移載用バー端部保持部127Bをバー搬送機構部112A,112Bの上方から外方に外れた位置に移動させる(矢符P4参照)。この後、移載用水平駆動部121Aの駆動により、保持された電線保持バー10をバー搬送機構部112Aの移動方向終端側からバー搬送機構部112Bの移動方向始端側に移動させる(図10の矢符P5参照)。そして、上記動作(矢符P1〜P4参照)と逆の動作を行うことで、保持された電線保持バー10をバー搬送機構部112Bの移動方向始端側位置に移載する。これにより、一方のバー搬送機構部112Aから他方のバー搬送機構部112Bに電線保持バー10が移載される。
また、他方のバー移載機構部120Bも同様に、移載用水平駆動部121A、移載用進退駆動部123A、移載用昇降駆動部125A、移載用バー端部保持部127Aにそれぞれ対応する、移載用水平駆動部121Bと、移載用進退駆動部123Bと、移載用昇降駆動部125Bと、移載用バー端部保持部127Bとを有している。そして、本バー移載機構部120Bは、上記バー移載機構部120Aと次の点を除いて同様動作にて、他方のバー搬送機構部112Bの移動方向終端側から一方のバー搬送機構部112Aの始端側に電線保持バー10を移載する。
バー移載機構部120A,120Bの相違点は次の通りである。すなわち、バー搬送機構部112Bの移動方向終端側及びバー搬送機構部112Aの始端側では、電線保持バー10の幅広部分12wは内向き姿勢となっている。そこで、バー移載機構部120Bは、移載用バー端部保持部127Bを、バー搬送機構部112Bの移動方向終端側又はバー搬送機構部112Aの始端側の外方位置から、移載対象となる所定の電線保持バー10とその内側隣の電線保持バー10との間に配設する(図11の矢符P11参照)。その後、移載用バー端部保持部127Bは、下降し(矢符P12参照)、幅広部分12wに向けて水平移動し(矢符P13参照)、上昇して所定の電線保持バー10を持上げ(矢符P14参照)、そして、バー搬送機構部112B,112Aの外方位置に移動する。これにより、バー搬送機構部112Bの移動方向終端側位置で電線保持バー10を持上げることができる。また、この動作(矢符P11〜矢符P15参照)と逆の動作を行うことで、保持した電線保持バー10をバー搬送機構部112Aの始端側位置に移載することができる。
図16はバーセット保持部材130を示す平面図である。バーセット保持部材130は、電線保持バー10を所定位置にて支持可能に構成されている。ここでは、バーセット保持部材130は、バー搬送機構部112Bにおける電線取出位置WTに配設された電線保持バー10の外側方位置であって、当該電線保持バー10の長手方向延長線上の位置に配設されている。より具体的には、バーセット保持部材130は、装置ベース170等に一定位置に固定された部材であり、電線保持バー10の幅広部分12wを収容可能な凹溝部132gを有するバーセット保持本体部132と、当該凹溝部132gの一端側に配設された係止部材133と、凹溝部132gの他端側に配設された着脱可能係止部材134とを有している。上記着脱可能係止部材134は、電線保持バー10の幅広部分12wの端部に係止可能な部分134aと、当該係止可能な部分134aを幅広部分12wの端部に係止させた状態と当該端部から離間させた係止解除状態とで切替える部分134bとを有している。そのように切替える部分134bは例えば係止可能な部分134aを付勢するコイルバネ等の弾性部材やネジ構造、ラチェット機構部等により構成することができる。そして、電線保持バー10の幅広部分12wを上記凹溝部132gに嵌め込むことで、当該電線保持バー10が各電線保持部14を電線移替機構部150側に向けた姿勢で上記一定位置に支持される。また、この状態で、係止部材133を電線保持バー10の幅広部分12wの一端部に係止すると共に、着脱可能係止部材134を幅広部分12wの他端部に係止させることで、電線保持バー10が上記所定位置に抜止め状に固定される。また、この状態で、着脱可能係止部材134の係止状態を解除することで、電線保持バー10を取外して他の電線保持バー10に取替えることができるようになっている。
このバーセット保持部材130に保持される電線保持バーは、上記電線保持バー10とは別構成のものであってもよい。
図17(a)は電線移替機構部150を示す平面図であり、図17(b)は電線移替機構部150を示す背面図であり、図18は電線移替機構部150の電線把持機構部160を示す側面図であり、図19は電線移替機構部150の電線把持機構部160を示す平面図である。
電線移替機構部150は、電線取出位置WTに位置する電線保持バー10の各電線保持部14に保持された端子付き電線18の端部を選択的に保持し、保持した端子付き電線18の端部をバーセット保持部材130に支持された電線保持バー10の各電線保持部14にセットするように構成されている。
より具体的には、電線移替機構部150は、移替用水平駆動部152と、2つの電線把持機構部160とを有している。
移替用水平駆動部152は、リニアモータやエアシリンダ等のアクチュエータによって構成されており、電線取出位置WTの側方からバーセット保持部材130の側方に亘って延在するように配設されている。この移替用水平駆動部152は、2つの可動部材154を有し、当該2つの可動部材154は電線取出位置WTの側方とバーセット保持部材130の側方との間で水平往復移動自在とされている。
上記各可動部材154上に、それぞれ電線把持機構部160が設けられている。電線把持機構部160は、移替用進退駆動部162と、端子付き電線18の端部を把持及び把持解除可能な把持部164とを有している。
移替用進退駆動部162は、エアシリンダ等のアクチュエータによって構成されており、電線移替機構部150から電線取出位置WT又はバーセット保持部材130に向けて水平方向に往復移動可能な把持ベース部材163を有している。
各把持ベース部材163上にそれぞれ把持部164が設けられている。各把持部164は、把持ベース部材163から上方に延びる柱状部分と当該柱状部分の上端部から電線取出位置WT又はバーセット保持部材130に向けて延びる水平片部分とを有する支持アーム部材165と、当該支持アーム部材165の先端部に設けられた把持爪駆動部166及び一対の把持爪部167とを有している。
一対の把持爪部167は、隙間をあけて略平行姿勢で把持爪駆動部166により支持されている。把持爪駆動部166はエアシリンダ等のアクチュエータによって構成されており、上記一対の把持爪部167を接近離隔駆動する。また、各把持爪部167は、先端側に向けて上下に二股状に分岐しており、各電線保持部14に保持された端子付き電線18の端部を当該電線保持部14を挟んだ2箇所で保持できるようになっている。また、この一対の把持爪部167は、電線取出位置WT又はバーセット保持部材130で保持された電線保持バー10と略同一高さ位置に配設されている。
この電線移替機構部150による端子付き電線18の移替動作について説明する。すなわち、複数の端子付き電線18を保持した電線保持バー10が電線取出位置WTに配設されると共に、バーセット保持部材130に空の電線保持バー10が保持されている。
この状態で、移替用水平駆動部152の駆動により、一対の電線把持機構部160を、電線取出位置WTに配設された電線保持バー10の側方であって、所定の一の端子付き電線18の2つの端部に対応する位置に移動させる。そして、各移替用進退駆動部162の駆動により一対の把持部164を進出させ、進出させた状態で把持爪駆動部166の駆動により一対の把持爪部167を接近させて、それぞれに端子付き電線18の端部を保持させる。この後、各移替用進退駆動部162の駆動により一対の把持部164を後退させる。そして、移替用水平駆動部152の駆動により、一対の電線把持機構部160を、バーセット保持部材130に保持された電線保持バー10の側方であって把持した端子付き電線18の端部を保持させるべき電線保持部14の対応位置に移動させる。さらに、各移替用進退駆動部162の駆動により一対の把持部164を進出させて、当該一対の把持部164に保持された端子付き電線18の端部を所定位置の電線保持部14に保持させる。そして、把持爪駆動部166の駆動により一対の把持爪部167を離間させた後、各移替用進退駆動部162の駆動により一対の把持部164を後退させる。これにより、電線取出位置WTに配設された電線保持バー10に保持された端子付き電線18の端部が、バーセット保持部材130に保持された電線保持バー10のうち予め設定された位置の電線保持部14に移し替えられる。また、電線取出位置WTに配設された電線保持バー10を順次変更することで、複数種類の端子付き電線18の端部がバーセット保持部材130に保持された電線保持バー10に移し替えられ所定の順序で並ぶ。
なお、一対の電線把持機構部160による端子付き電線18の両端部の移し替えは必ずしも同時に行われなくともよく、順次行われてもよい。
なお、上記バー移動機構部110や電線移替機構部150に対する動作制御は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータによって構成された制御ユニット168によって行われる。この制御ユニット168には、各種キー等によって構成された入力部169が接続されており、この入力部169を通じて各種情報(作業指示を含む)が入力され、記憶部168aに記憶される。入力部169を通じて入力される情報としては、少なくとも次のものが含まれる。
1つ目は、電線保持バー10を保持する組となるバー端部保持部材117A,117Bの特定情報(実際の位置を特定する情報やそれぞれに予め付与された固有の識別符号等の情報を含む)とそれに保持された電線保持バー10に保持された端子付き電線18の種類の特定情報(種類に対応する品番情報等を含む)との対応付け情報である。これには、必要に応じて各端子付き電線18の端部が回転されたものであるかどうかの情報が含まれる。本対応付け情報を予め入力する代りに、各電線保持バー10に、保持した端子付き電線18の種類を示す識別子(バーコード等の図形によるもの、磁気的、電気的、光学的に記録するもの等を含む)を設け、各バー端部保持部材117A,117Bに設けられたリーダ等で当該識別子の情報を読込んで各電線保持バー10の端子付き電線18の種類を識別、管理するようにしてもよい。この情報に基づいて、本制御ユニット168は、移し替え対象となる種類の端子付き電線18を保持した電線保持バー10を電線取出位置に移動させるように、バー移動機構部110を制御する。
2つ目は、各端子付き電線18の端部が各電線保持バー10における各電線保持部14のどの位置に保持されているかという情報である。この情報に基づいて、制御ユニット168は、電線取出位置WTに位置する電線保持バー10から対象となる種類の端子付き電線18の両端部を掴むように電線移替機構部150を制御する。
3つ目は、どの種類の端子付き電線18の端部を、バーセット保持部材130に保持された電線保持バー10の各電線保持部14のどの位置で(つまり、どのような並び順で)保持させるべきかという情報である。後者の情報には、各種類の電線を移し替える順番が含まれていてもよい。そして、本制御ユニット168は、上記情報に基づいて、各種類の端子付き電線18を保持した電線保持バー10が順次(必要に応じて所定の順序で)電線取出位置WTに位置するようにバー移動機構部110を制御すると共に、電線取出位置WTに順次位置する電線保持バー10で保持された端子付き電線18の端部が、バーセット保持部材130に保持された電線保持バー10の各電線保持部14のうち当該種類に応じた所定位置のものに移し替え保持されるように、電線移替機構部150を制御する。
この電線セット揃え装置の全体動作について説明する。まず、端子付き電線18が種類別にセットされた複数の電線保持バー10を準備し、これらの電線保持バー10をバー移動機構部110の各バー端部保持部材117A,117Bで保持する。すると、予め入力された上記情報に応じて、バー移動機構部110が動作して各電線保持バー10を順次電線取出位置WTに移動させる。所望の電線保持バー10が電線取出位置WTに移動する毎に、上記電線移替機構部150が動作して、当該電線保持バー10に保持された端子付き電線18の両端部を、必要に応じた所定数、バーセット保持部材130に支持された電線保持バー10に移し替える。これを、電線取出位置WTに順次移動する複数の電線保持バー10に対して繰返し行う行うことで、複数種の端子付き電線18の端部がバーセット保持部材130に保持された電線保持バー10に移し替えられ所定の順序で並んだものが得られる。そして、この後、バーセット保持部材130に保持された電線保持バー10を、空の電線保持バー10に交換して、さらに上記を繰返す。これにより、連続して複数種の端子付き電線18の端部が所定の並び順で電線保持バー10にセットされたものが得られる。
以上のように構成された電線セット揃え装置によると、端子付き電線18の端部を、その種類別に電線保持バー10にセットし、これらをバー移動機構部110にセットすることによって、当該複数種類の端子付き電線18を保持した電線保持バー10を順次所定の電線取出位置に位置するように移動させることができる。そして、電線保持バー10を順次電線取出位置WTに位置させることで、各電線保持バー10にセットされた端子付き電線18の端部が、電線移替機構部150で保持されてバーセット保持部材130に支持された電線保持バー10のうち予め設定された位置の電線保持部14にセットされる。バー移動機構部110により電線保持バー10を順次移動させつつ、上記処理を繰返すことで、複数種類の端子付き電線18を、別の電線保持バー10に順次セットしていくことで、当該別の電線保持バー10に複数種類の端子付き電線18を混在して保持させてサブアッシー19毎にまとめることができる。従って、種類別に生産された端子付き電線18をサブアッシー19毎にまとめることができ、当該工程を自動的に行える。
また、バー移動機構部110は、複数の電線保持バー10を循環経路に沿って循環移動させるところ、その循環経路の途中に電線取出位置WTが設定されている。このため、複数種類の端子付き電線18を順次電線取出位置WTに位置させてサブアッシー19毎にまとめる上記処理を行い、続けて循環移動させることで他のサブアッシー19毎にまとめる処理を実施できる。このため、複数のサブアッシー19毎にまとめる作業を連続的に効率よく実施できる。
10 電線保持バー
14 電線保持部
18 端子付き電線
19 サブアッシー
110 バー移動機構部
112A,112B バー搬送機構部
120A,120B バー移載機構部
130 バーセット保持部材
150 電線移替機構部
152 移替用水平駆動部
160 電線把持機構部
162 移替用進退駆動部
164 把持部
167 把持爪部
WT 電線取出位置
14 電線保持部
18 端子付き電線
19 サブアッシー
110 バー移動機構部
112A,112B バー搬送機構部
120A,120B バー移載機構部
130 バーセット保持部材
150 電線移替機構部
152 移替用水平駆動部
160 電線把持機構部
162 移替用進退駆動部
164 把持部
167 把持爪部
WT 電線取出位置
Claims (5)
- 複数の電線保持部が並列状に設けられた第1電線保持バー複数を、順次所定の電線取出位置に位置するように移動させるバー移動機構部と、
複数の電線保持部が並列状に設けられた第2電線保持バーを支持可能なバーセット保持部材と、
前記電線取出位置に位置する前記第1電線保持バーの複数の電線保持部に保持された端子付き電線の端部を選択的に保持し、保持した端子付き電線の端部を、前記バーセット保持部材に支持された前記第2電線保持バーのうち予め設定された位置の電線保持部にセットする電線移替機構部と、
を備えた電線セット揃え装置。 - 請求項1記載の電線セット揃え装置であって、
バー移動機構部は、前記複数の電線保持バーを循環経路に沿って循環移動可能に構成され、その循環経路の途中に前記所定の電線取出位置が設定されている、電線セット揃え装置。 - 請求項2記載の電線セット揃え装置であって、
前記バー移動機構部は、
隣設して設けられ、互いに反対の搬送方向に前記第1電線保持バーを搬送可能な2つのバー搬送機構部と、
前記2つのバー搬送機構部のうち一方側のバー搬送機構部の搬送方向終端側及び他方側のバー搬送機構部の搬送方向始端側に設けられ、前記一方側のバー搬送機構部の搬送方向終端部分に搬送された前記第1電線保持バーを前記他方側のバー搬送機構部の搬送方向始端側部分に移載する一方側のバー移載機構部と、
前記他方側のバー搬送機構部の搬送方向終端側及び前記一方側のバー搬送機構部の搬送方向始端側に設けられ、前記他方側のバー搬送機構部の搬送方向終端部分に搬送された前記第1電線保持バーを前記一方側のバー搬送機構部の搬送方向始端側部分に移載する他方側のバー移載機構部と、
を有する電線セット揃え装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電線セット揃え装置であって、
前記電線移替機構部は、
第1電線保持バー及び第2電線保持バーに保持された端子付き電線の各端部をそれぞれ把持及び把持解除自在な2つの電線把持機構部と、
前記2つの電線把持機構部を、前記電線取出位置に配設された第1電線保持バーの側方と前記バーセット保持部材で支持された第2電線保持バーの側方位置との間で往復移動させる移替用駆動部とを有する電線セット揃え装置。 - 複数の電線保持部が並列状に設けられた第1電線保持バーを用いて複数種類の端子付き電線を含むサブアッシーを製造するサブアッシーの製造方法であって、
複数の端子付き電線の端部を前記各電線保持部にセットするようにして、前記各端子付き電線を種類別に前記各第1電線保持バーにセットする工程と、
前記複数の電線保持バーから複数種類の端子付き電線の端部を取出して、第2電線保持バーに並列状に設けられた複数の電線保持部にセットする工程と、
前記第2電線保持バーに保持された複数種類の端子付き電線を組合わせる工程と、
を備えたサブアッシーの製造方法。
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