JP2009150772A - 基板検査装置、およびマスク用基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基板に形成された微小な線状のキズを確実に検出することのできる基板検査装置。
【解決手段】 基板(30)の異物を検査する基板検査装置は、基板を照明する照明系(1;1a,1b)と、照明系により照明された基板上の領域を暗視野観察する撮像系(2)と、撮像系の透過視野背景および反射視野背景に配置された低反射遮光部材(3,4)とを備えている。基板は光透過性を有し、低反射遮光部材は透過視野背景の全体および反射視野背景の全体を覆うように配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板(30)の異物を検査する基板検査装置は、基板を照明する照明系(1;1a,1b)と、照明系により照明された基板上の領域を暗視野観察する撮像系(2)と、撮像系の透過視野背景および反射視野背景に配置された低反射遮光部材(3,4)とを備えている。基板は光透過性を有し、低反射遮光部材は透過視野背景の全体および反射視野背景の全体を覆うように配置されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基板検査装置、およびマスク用基板の製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、液晶表示素子のようなデバイスをリソグラフィー工程で製造するための液晶露光装置に用いられるマスク用基板のキズの検出に関するものである。
液晶露光装置に用いられるマスク用基板(転写パターンの形成されていない状態の透明ガラス基板)には、例えば2μm程度の長さのキズ(欠陥)も存在してはならないという要求がある。ただし、基板の表面に形成された線状(またはスリット状)のキズを検出することは非常に困難である。微小な線状のキズからの散乱光が形成する像のコントラストが低いだけでなく、キズに対する照明の方向や観察の方向によってコントラストが著しく変化するからである。
そのため、高照度照明装置を用いた目視検査が主流であり、基板の検査領域に対する照明の方向や観察の方向を手作業で変化させつつ目視で検査を行っているのが現状である。手作業による目視検査の手法は、再現性、コスト、安全衛生などの観点から望ましくない。そこで、複数の方向から基板の検査領域に検査光を照射し、キズからの前方散乱光を暗視野観察する基板検査装置が提案されている(特許文献1を参照)。
2μm程度の長さの微小な線状のキズは、基板に対する照明系およびカメラ(撮像系)の配置を工夫した上で、数十万lux程度の高照度で基板を照明し、カメラのゲインをマニュアルでほぼ最大にすることにより、ようやく検出が可能になる。そのため、例えばカメラの視野の背景に周囲部材(基板の周囲に配置された部材、すなわち基板検査装置を構成する部材)が入ると、周囲部材からの散乱光により視野内が明るくなり過ぎて、微小な線状のキズの検出が不可能になることがある。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、基板に形成された微小な線状のキズを確実に検出することのできる基板検査装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、基板の異物を検査する基板検査装置において、
前記基板を照明する照明系と、
前記照明系により照明された前記基板上の領域を暗視野観察する撮像系と、
前記撮像系の透過視野背景および反射視野背景のうちの少なくとも一方に配置された低反射遮光部材とを備えていることを特徴とする基板検査装置を提供する。
前記基板を照明する照明系と、
前記照明系により照明された前記基板上の領域を暗視野観察する撮像系と、
前記撮像系の透過視野背景および反射視野背景のうちの少なくとも一方に配置された低反射遮光部材とを備えていることを特徴とする基板検査装置を提供する。
本発明の第2形態では、マスク用基板の製造方法において、
第1形態の基板検査装置を用いて、前記マスク用基板の異物を検査する検査工程を含むことを特徴とする製造方法を提供する。
第1形態の基板検査装置を用いて、前記マスク用基板の異物を検査する検査工程を含むことを特徴とする製造方法を提供する。
本発明の基板検査装置では、撮像系の透過視野背景および反射視野背景のうちの少なくとも一方に低反射遮光部材が配置されているので、周囲部材からの散乱光により撮像系の視野内が過度に明るくなることなく、撮像系の視野背景を十分に暗く維持することが可能になる。その結果、本発明の基板検査装置では、暗視野観察による高い検出能力を確保することができ、ひいては基板に形成された微小な線状のキズを確実に検出することができる。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる基板検査装置の構成を概略的に示す図である。図2は、図1の各照明系の内部構成を概略的に示す図である。本実施形態では、液晶露光装置に用いられるマスク用基板(以下、単に「基板」という)のキズを検査する基板検査装置に対して本発明を適用している。
図1を参照すると、本実施形態の基板検査装置は、検査対象である基板30を照明する複数の照明系1と、複数の照明系1により照明された基板30上の領域を暗視野観察する撮像系2とを備えている。複数の照明系1は、例えば撮像系2の光軸AX2を中心とする円錐体の側面に沿って所要数だけ配置されている。図1では、図面の明瞭化のために、2つの照明系1aおよび1bだけを示している。
各照明系1a,1bは、図2に示すように、照明光(検査光)を供給する光源として、例えばハロゲンランプ11を備えている。ハロゲンランプ11は、楕円鏡12の第1焦点位置に配置されている。ハロゲンランプ11からの光は、楕円鏡12で反射された後、楕円鏡12の第2焦点位置に光源像を形成する。この光源像からの光は、コリメータレンズのような集光光学系13により集光され、例えば数十万lux程度の高照度で基板30を照明する。図2では、図面の明瞭化のために、各照明系1a,1bの光軸AX1と直交する面に沿って基板30を配置している。なお、各照明系の構成、数、配置(静的な配置および動的な配置)などについて、様々な形態が可能である。
撮像系2は、複数の照明系1から供給されて基板30を透過した0次光を直接受光することがないように、ひいては基板30上の照明領域を暗視野観察することができるように配置されている。撮像系2として、例えばCCDカメラを用いることができる。ただし、撮像系2の構成について様々な形態が可能である。例えばCCD以外の撮像素子と撮像光学系とにより撮像系を構成することもできる。図1では、撮像系2の円錐体状の撮像範囲が一対の直線2aにより表されている。換言すれば、基板30上での撮像系2の視野は、基板30の表面と一対の直線2aとにより規定される。
また、撮像系2の視野背景のうち、基板30よりも照明系側の背景(以下、「透過視野背景」という)は、基板30を通過するように一対の直線2aをそのまま延長して得られる一対の直線2bにより規定される。一方、基板30よりも撮像系側の背景(以下、「反射視野背景」という)は、一対の直線2aを基板30の表面で反射させて得られる一対の直線2cにより規定される。
本実施形態では、一対の直線2bにより規定される撮像系2の透過視野背景に低反射遮光部材3を配置し、一対の直線2cにより規定される撮像系2の反射視野背景に低反射遮光部材4を配置している。低反射遮光部材3および4はともに、装置の使用光に対する反射率および透過率(特に撮像系2に向かって直進する光の透過率)が極めて低く抑えられた特性を有する部材である。
低反射遮光部材3および4は、例えば石英基板の表面に低反射遮光膜を形成することにより構成され、透過視野背景の全体および反射視野背景の全体を覆うように配置されている。低反射遮光膜は、例えばエッチングにより石英基板上のSi薄膜の表面に微小な針構造を形成することにより実現される。この低反射遮光膜では、微小な針構造の作用により、光が吸収され、反射率が低減される。低反射遮光膜の形成技術については、特開2005−99707号公報などを参照することができる。
具体的には、上述の形成技術にしたがって構成される低反射遮光部材は、例えば微細な凹凸を有するシリコン表面を有し、図3に示すように、波長が500nm〜700nmの範囲の光に対して0.5%以下の反射率を有する。図3は微小な針構造を有するSi遮光膜の反射率特性を示す図であって、縦軸は反射率(%)を示し、横軸は光の波長(nm)を示している。微小な針状構造の一例として、例えば凹凸の深さが0.1μm〜1.0μmのものを使用することができる。
本実施形態では、撮像系2の透過視野背景および反射視野背景に、低反射遮光部材3および4がそれぞれ配置されている。この構成により、周囲部材からの散乱光が、低反射遮光部材3に遮られ、基板30を透過して撮像系2に達することがほとんどない。また、周囲部材からの散乱光が、低反射遮光部材4に遮られ、基板30で反射されて撮像系2に入射することがほとんどない。
こうして、これらの低反射遮光部材3および4の作用により、周囲部材からの散乱光の影響を受けて撮像系2の視野内が過度に明るくなることなく、撮像系2の視野背景を十分に暗く維持することができる。その結果、本実施形態の基板検査装置では、暗視野観察による高い検出能力を確保することができ、ひいては基板30に形成された微小な線状のキズを確実に検出することができる。
なお、上述の実施形態では、基板の表面に形成された線状のキズの検出に着目して、本発明にかかる基板検査装置の作用を説明した。しかしながら、実際には、線状のキズだけでなく、他の様々な形態のキズ、基板に付着した様々な形態の微小物体などの異物も同様に検出することができる。基板に形成されたキズを他の異物(ゴミのような付着物など)と判別する必要がある場合には、例えば洗浄前の基板表面の画像と洗浄後の基板表面の画像とを比較すれば良い。また、基板の表面の全体または広い範囲に亘って検査を行う場合には、検査対象である基板と検査手段である基板検査装置とを相対的にステップ移動させつつ異物の検査を繰り返せば良い。
また、上述の実施形態では、撮像系の透過視野背景および反射視野背景の双方に低反射遮光部材を配置しているが、透過視野背景および反射視野背景のうちのいずれか一方に低反射遮光部材を配置しても、本発明の作用効果を奏することができる。ただし、この場合には、本実施形態における検査対象である基板が光透過性を有するため、反射視野背景に低反射遮光部材を配置するよりも透過視野背景に低反射遮光部材を配置する方が好ましい。
また、上述の実施形態では、低反射遮光部材が透過視野背景の全体および反射視野背景の全体を覆うように配置されている。しかしながら、これに限定されることなく、透過視野背景および反射視野背景のうちのいずれか一方の一部を覆うように低反射遮光部材を配置しても、本発明の作用効果を奏することができる。
また、上述の実施形態では、液晶露光装置に用いられるマスク用基板のキズを検査する基板検査装置に対して本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、様々な形態を有する基板の異物を検査する基板検査装置に対して本発明を適用することができる。すなわち、検査対象は、光透過型の基板に限定されることなく、例えばミラーのような反射型の基板であっても良い。この場合、撮像系の反射視野背景の一部または全部を覆うように低反射遮光部材を配置することになる。
図4は、本実施形態にかかるマスク用基板の製造方法の各工程を示すフローチャートである。図4を参照すると、本実施形態にかかるマスク用基板の製造方法は、準備工程S11と、研磨工程S12と、洗浄工程S13と、検査工程S14とを含んでいる。例えば液晶露光装置に用いられるマスク(フォトマスク)用基板の製造には、光学特性の均一な素材が要求される。
準備工程S11では、光学特性の均一な素材として、石英の合成により石英ガラス素材(インゴット)を製造する。具体的には、例えば、多重管バーナから四塩化ケイ素や有機ケイ素化合物などのケイ素化合物の原料ガスと、酸素等の支燃性ガスと、水素等の燃焼ガスを含むガスとを噴出させ、火炎中で反応を行い、回転させているターゲット上にガラス微粒子を堆積させ且つ溶融させることにより、石英ガラス素材を得る。
このような石英の合成方法として、特開2004−28786号公報、特開平10−279319号公報、特開平11−292551号公報などに記載された方法を用いることができる。さらに、準備工程S11では、石英ガラス素材を切断して板状にする。具体的には、バンドソーあるいはブレード等を用いて、ターゲット上に作成されたインゴットからフォトマスクとして使用する部分を、例えば矩形板状または円板状の形状に切り出す。
次いで、研磨工程S12では、準備工程S11を経て切り出された板状の石英ガラスの表面を、ラッピングやポリッシングを含む多段階の工程により研磨する。板状の石英ガラスの表面をラッピングあるいはポリッシングする装置として、特開2007−98542号公報、特開2007−98543号公報などに記載された研磨装置を使用することができる。
研磨装置では、板状の石英ガラスの外形を保持する開口部を有するキャリアに、板状の石英ガラス基板を配置する。そして、このキャリアおよび石英ガラスの上下を、キャリアおよび石英ガラスに接する表面に研磨面を有する定盤で挟み、研磨面と石英ガラスの表面とを接触させながら上下の定盤を回転させることにより、ラッピングあるいはポリッシングを行う。ラッピングおよびポリッシングでは、石英ガラスの表面粗さに応じて、定盤の研磨面に使用する研磨パッドやスラリーを適宜選択する。
研磨工程S12を経た石英ガラス基板の表面には、スラリーに含まれる微粒子等が残留している。このため、洗浄工程S13では、石英ガラス基板の表面に付着している微粒子等を除去するための洗浄を行う。具体的には、石英ガラス基板の表面に加圧した水を噴射したり、洗浄液へ石英ガラス基板を浸漬させたりすることにより、洗浄を行うことができる。
最後に、検査工程S14では、上述の実施形態または変形例にかかる基板検査装置を用いて、石英ガラス基板の異物、特に表面のキズを検査する。具体的には、検査対象である石英ガラス基板を固定的に支持し、検査手段である基板検査装置を二次元的にステップ移動させつつ、石英ガラス基板の表面の全体に亘って異物の検査を行う。あるいは、検査手段である基板検査装置を固定的に支持し、検査対象である石英ガラス基板を二次元的にステップ移動させつつ、石英ガラス基板の表面の全体に亘って異物の検査を行う。
なお、準備工程S11で板状に切り出した石英ガラスをプレス成形して表面の面積を大きくすることにより、大型のマスク用基板を得ることができる。プレス成形は、例えば平面状のプレス面を有するグラファイト製のモールドを用意し、不活性ガス雰囲気のもとで石英ガラスの結晶化温度以上に昇温した状態でモールドを介して加圧した後に冷却することにより行われる。このようなプレス成形方法として、特開2004−307266号公報に記載された方法などを用いることができる。プレス成形された石英ガラス基板には、上述の研磨工程S12、洗浄工程S13、および検査工程S14が施される。
1;1a,1b 照明系
2 撮像系
11 ハロゲンランプ
12 楕円鏡
13 集光光学系
30 基板
2 撮像系
11 ハロゲンランプ
12 楕円鏡
13 集光光学系
30 基板
Claims (6)
- 基板の異物を検査する基板検査装置において、
前記基板を照明する照明系と、
前記照明系により照明された前記基板上の領域を暗視野観察する撮像系と、
前記撮像系の透過視野背景および反射視野背景のうちの少なくとも一方に配置された低反射遮光部材とを備えていることを特徴とする基板検査装置。 - 前記低反射遮光部材は、波長が500nm〜700nmの範囲の光に対して0.5%以下の反射率を有することを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
- 前記低反射遮光部材は、微細な凹凸を有するシリコン表面を有することを特徴とする請求項2に記載の基板検査装置。
- 前記基板は、光透過性を有し、
前記低反射遮光部材は、前記透過視野背景および前記反射視野背景の双方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板検査装置。 - 前記低反射遮光部材は、前記透過視野背景の全体および前記反射視野背景の全体を覆うように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の基板検査装置。
- マスク用基板の製造方法において、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板検査装置を用いて、前記マスク用基板の異物を検査する検査工程を含むことを特徴とする製造方法。
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JP2007328912A JP2009150772A (ja) | 2007-12-20 | 2007-12-20 | 基板検査装置、およびマスク用基板の製造方法 |
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2007
- 2007-12-20 JP JP2007328912A patent/JP2009150772A/ja active Pending
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