JP2009149939A - 液体材料ガスの供給方法及び液体材料ガス供給システム - Google Patents

液体材料ガスの供給方法及び液体材料ガス供給システム Download PDF

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Abstract

【課題】液化材料及び配管系を通流するガス流量に応じて温度制御することにより、液体材料ガスの再液化を防止することが可能な液体材料ガスの供給方法を提供する。
【解決手段】タンク11に貯蔵した液体材料ガスを気化させ、配管22及びマスフローコントローラ23が配置された配管系を介して供給する液体材料ガスの供給方法であって、タンク11に貯蔵した液体材料ガスにつき、液体材料ガス温度制御設定値SP1を設定し、液体材料ガス温度T1を測定し、液体材料ガス温度制御設定値SP1に基づいて液体材料ガス温度T1をフィードバックによる加熱制御する第一制御工程と、測定された液体材料ガス温度T1を入力し、液体材料ガス温度T1に所定値を加算した配管系温度制御設定値SP2を設定し、配管系温度T2を測定し、配管系温度制御設定値SP2に基づいて配管系温度T2をフィードバックによる加熱制御する第二制御工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体材料ガスの供給方法に関し、特に、タンクに貯蔵する液体材料ガスを気化させ、配管及びマスフローコントローラが配置された配管系を介して供給する液体材料ガスの供給方法に関する。
産業界において、液体材料ガスを気化した状態で使用することがあり、気化した状態でガスが供給されることが、例えば、成膜装置において作られた製造物の品質を安定させる要因となる。従って、気化したガスが再液化して供給されることがないようにする必要がある。
そこで、例えば特許文献1のように、液体材料ガス貯蔵シリンダからマスフローコントローラに至る配管、並びにマスフローコントローラからプロセス・チャンバに至る配管、すなわち液体材料ガス供給配管の全域を断熱することで、液体材料ガスを気化した状態で供給する方法が開示されている。
また、例えば特許文献2のように、気化したガスがマスフローコントローラを通流する間に、再液化するのを防ぐために、マスフローコントローラ自体を加温する方法が開示されている。
上記のように成膜装置において作られた製造物は高価である。そのため、品質が安定せず、歩留まりが低下することが、製造者にとって最も避けたいことである。液体材料ガスが気化した状態から再液化する要因の一つとして空調の影響などで、配管系が冷却され、配管内の温度が低下することがある。このような再液化する要因を鑑みて、品質を安定させる要因である「液体材料ガスを気化した状態で供給する」ことを確実にするため、液体材料ガスを貯蔵するタンク、タンクから遮断弁までの配管及びその間に介挿された弁(配管系)を液体材料ガスが気化する温度よりも更に非常に高い温度に保つように加熱することが行われている。例えば、図3に示す液体材料ガス供給システムでは、液体材料ガス(例えばヘキサメチルジシロキサン)を貯蔵するタンク91を、タンク用ヒーター92によって1次圧を確保すると共に液体材料ガスが気化する温度以上(例えば60℃以上)を保つように加熱する。これと共に、タンク91から遮断弁93までの配管、並びにその間に介挿された弁を、加熱機構94によって、液体材料ガスが気化する温度よりも更に高い温度、例えば80℃程度を保つように加熱することがある。
特開平10−012556号公報 特開平06−214658号公報
このように、液体材料ガスが気化する温度よりも更に高い温度を保つことは、確かに、液体材料ガスを気化した状態で供給することを確実にする。しかし、タンク91の出口から遮断弁93までの配管系を80℃程度の高い温度で加熱するため、この配管系に介挿された弁が、特許文献1や特許文献2に開示されたようにマスフローコントローラである場合、次のような問題が起こる。マスフローコントローラに内蔵される電子回路は、使用環境温度の上限が大抵40℃以下である。このため、高温下で使用されることにより、電子回路の劣化速度が速くなる。例えば、マスフローコントローラに搭載される電解コンデンサは、温度が10℃上昇すると2倍の速度で劣化が進む。このように、配管系をマスフローコントローラの使用環境温度の上限を超える高温を保つことは、電子回路ひいてはマスフローコントローラの寿命が短くなるという問題があった。
また、成膜装置において作られた製造物が高価であることからこの製造を確実にするために、配管系を液体材料ガスが気化する温度よりも更に高い80℃程度に保つように加熱し続けることになる。従って、前記製造物の製造が確実になる一方で、加熱に要する電力等のエネルギー消費が多い傾向となっていた。
本発明は、このような従来の事情を考慮してなされたものであって、その目的は、タンクに貯蔵された液体材料ガスを気化する温度制御を行う一方で、前記タンクに貯蔵された液体材料ガスの温度に対しプラスの偏差を持った配管系温度制御設定値を制御目標値として温度制御することにより、液体材料ガスの再液化を防止することが可能な液体材料ガスの供給方法を提供することにある。
本発明に係る液体材料ガスの供給方法の一態様は、タンクに貯蔵した液体材料ガスを気化させ、配管及びマスフローコントローラが配置された配管系を介して供給する液体材料ガスの供給方法であって、前記タンクに貯蔵した液体材料ガスにつき、液体材料ガス温度制御設定値を設定し、前記液体材料ガス温度を測定し、前記液体材料ガス温度制御設定値に基づいて前記液体材料ガス温度をフィードバックによる加熱制御する第一制御工程と、前記測定された液体材料ガス温度を入力し、前記液体材料ガス温度に所定値を加算した配管系温度制御設定値を設定し、配管系温度を測定し、前記配管系温度制御設定値に基づいて前記配管系温度をフィードバックによる加熱制御する第二制御工程と、を備える。このように、タンクに貯蔵された液体材料ガスの前記液体材料ガス温度に所定値を加算した前記配管系温度制御設定値に基づいて前記配管系温度を制御することで、従来のように前記液体材料ガス温度制御設定値に比べて更に非常に高い温度を前記配管系温度制御設定値として配管系温度を制御することなく、タンク内で気化したガスを再液化させることなくチャンバーへ供給することができるとともに、配管系に配置された電子回路基板の劣化を抑制し、省エネルギーを図ることができる。
前記液体材料ガス温度は、タンク表面を測定したタンク表面温度を代替値として用いることにより、前記液体材料ガス温度を測定するための検出器(温度検出器)を前記タンク内に施工することができない場合においても、比較的簡易な施工によってタンク表面に検出器を施工することができ、前記液体材料ガス温度の代替値であるタンク表面温度を測定することができる。
前記配管系温度は、配管表面を測定した配管表面温度を代替値として用いることにより、前記配管系温度(配管内の液体材料ガスの温度)を測定するための検出器を前記配管内に施工することができない場合においても、比較的簡易な施工によって配管表面に検出器を施工することができ、前記配管系温度の代替値である配管表面温度を測定することができる。
また、本発明に係る液体材料ガスの供給方法の一態様において、前記液体材料ガス温度が前記液体材料ガス温度制御設定値より低くなった場合と、前記配管系温度が前記配管系温度制御設定値より低くなった場合との少なくとも一つが発生すると、アラームを発報することが好ましい。これにより、管理者へ液体材料ガス温度制御と配管系温度制御とのいずれかに異常が発生したことを通知することができる。
本発明に係る液体材料ガスの供給方法の一態様において、前記マスフローコントローラは、センサ部分が流路に晒された熱式流量センサを用いることが好ましい。これにより、圧力損失を抑制することが可能となり、従来のキャピラリー方式を用いた場合と比較して液体材料ガスの必要蒸気圧を低減することができるため、省エネルギーを更に図ることができる。
本発明に係る液体材料ガスの供給システムの一態様は、タンクに貯蔵した液体材料ガスを気化させ、配管及びマスフローコントローラが配置された配管系を介して供給する液体材料ガスの供給システムであって、液体材料ガス温度を制御する第一制御ループと、前記配管系の温度を制御する第二制御ループとを備え、前記第一制御ループは、前記タンクを加熱する第一ヒーターと、前記液体材料ガス温度を測定する第一検出部と、前記液体材料ガス温度を制御する液体材料ガス温度制御設定値を設定し、前記液体材料ガス温度制御設定値と前記液体材料ガス温度とに基づいて前記第一ヒーターを制御する第一温度制御部と、前記第二制御ループは、配管系温度を測定する第二検出部と、前記配管系を加熱する第二ヒーターと、前記第一検出部が測定した液体材料ガス温度を入力し、前記液体材料ガス温度に所定値を加算した配管系温度制御設定値を設定し、前記配管系温度制御設定値と前記配管系温度とに基づいて、前記第二ヒーターを制御する第二温度制御部と、を備える。
本発明によれば、液化材料と配管系を温度制御することにより、液体材料ガスの再液化を防止することが可能な液体材料ガスの供給方法を提供することができる。これにより、配管系に配置される電子回路、例えば、マスフローコントローラなどに搭載される電子回路の劣化を抑制することができる。また、配管系を適切な温度に保つことにより、省エネルギーを実現することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態にかかる液体材料ガス供給システムの構成例を示す図である。液体材料ガス供給システムは、タンクに貯蔵した液体材料ガスの液体材料ガス温度を制御する第一制御ループと、配管系温度を制御する第二制御ループとの二つのフィードバック制御を行う。第一制御ループには、タンク(液体材料貯蔵タンク)11、タンク用ヒーター(第一ヒーター)12、第一検出器(第一検出部)13、及び、第一温度制御部31が含まれる。第二制御ループには、配管系ヒーター21、配管22、マスフローコントローラ23、遮断弁24〜26、第二検出器(第二検出部)28、及び、第二温度制御部32が含まれる。液体材料ガス供給システムは、第一制御ループと第二制御ループのフィードバックによる加熱制御によりチャンバー41へ気化したガスを供給する。
タンク11は、液体材料ガスを貯蔵する。液体材料ガスは、常温常圧において、液体である物質である。液体材料ガスは、加温または減圧することによってガス化(気化)するものである。タンク11は、液体である液体材料ガスを気化させて、チャンバー41へ気化ガスを供給する供給源となっている。タンク用ヒーター12は、第一温度制御部31の制御のもとで、タンク11を加熱する。第一検出器13は、液体の状態の液体材料ガス温度を測定する。第一検出器13が測定する温度を液体材料ガス温度T1とする。測定された液体材料ガス温度T1は、第一温度制御部31へ通知される。第一検出器13を複数設置して複数の温度が測定される場合、最も高い温度を液体材料ガス温度T1としても良い。
なお、前記液体材料ガス温度T1は、タンク11表面を測定したタンク表面温度を代替値として用いても良い。前記液体材料ガス温度を測定するための第一検出器13を前記タンク11内に施工することができない場合がある。しかし、この場合においても比較的簡易な施工によってタンク表面に第一検出器13を施工することができるので、前記液体材料ガス温度の代替値であるタンク表面温度を測定することができる。
第一温度制御部31は、液体材料ガス温度を制御する液体材料ガス温度制御設定値SP(Set Point)1を設定し、液体材料ガス温度制御設定値SP1と液体材料ガス温度T1とに基づいてタンク用ヒーター12を制御し、液体材料ガス温度をフィードバック制御する。液体材料ガス温度制御設定値SP1は、液体材料ガスは、流量制御に必要な蒸気圧を生じさせる温度に設定される。必要な蒸気圧を生じさせる温度は、必要なガス供給量とマスフローコントローラを含む配管系の圧力抵抗とに応じて決まる。なお、マスフローコントローラ23は、その性質上、流量を制御するために、ガスの差圧の下限が仕様で決められている。前記必要なガス供給量と前記配管系の圧力抵抗とを鑑みた前記必要な蒸気圧は、このガスの差圧の下限を考慮に入れて求められる。
配管系ヒーター21は、第二温度制御部32の制御のもとで、配管系を加熱する。配管系ヒーター21は、例えば、ヒーター部分と断熱部材(断熱ジャケット)とから構成される。配管系は、少なくとも、配管22とマスフローコントローラ23とを含み、遮断弁等その他の構成要素を含む場合であってもよい。以下の説明では、配管系は、タンク11出口からチャンバー41の直前に配置される遮断弁26までの各構成要素とし、具体的には、配管22、マスフローコントローラ23、及び遮断弁24〜26を含む。配管22は、タンク11からマスフローコントローラ23までの配管と、マスフローコントローラ23から遮断弁26までの配管とから構成される。図1は、配管系に配置される要素の一例を示したものであり、これに限られることはなく、その一部であってもよいし、他の要素が追加されていてもよい。
第二検出器28は、配管内のガス温度を測定する。第二検出器28が測定する温度を配管系温度T2とする。なお、第二検出器28を配管内に配置することができない等の事情がある場合、配管系温度T2として、配管系の各構成要素に捲設した配管系ヒーター21の配管外周表面の温度、あるいは、断熱部材内部の温度などの代替値を使っても良い。第二検出器28を配管内に配置することができない場合においても比較的簡易な施工によって配管外周表面に第二検出器28を施工することができるので、前記配管内のガス温度の代替値である配管表面温度を測定することができる。
マスフローコントローラ23は、熱式のフローセンサと流量制御部(例えばソレノイド弁)を備えたもので、流量制御部を駆動する制御回路を搭載した電子回路基板を内蔵している。マスフローコントローラ23は、例えば、特開2007−087294に記載されているものを用いることができる。
第二温度制御部32は、配管系温度T2を制御する配管系温度制御設定値SP2を設定し、配管系温度制御設定値SP2と配管系温度T2とに基づいて配管系ヒーター21を制御して、配管系温度T2をフィードバック制御する。第二温度制御部32は、第一検出器13が測定した液体材料ガス温度を入力し、液体材料ガス温度に所定値(正の数値)を加算して配管系温度制御設定値SP2を設定する。また、第二温度制御部32は、配管系温度T2の制御開始後、液体材料ガス温度に連動させて配管系温度制御設定値SP2を調整する。
続いて、本実施形態の液体材料ガスの供給方法の動作について説明する。図2は、本実施形態の液体材料ガス供給システムの動作例を示すフローチャートである。図2では、左側に、第一制御ループで行うタンクの温度制御(第一制御工程)を示し、右側に、第二制御ループで行う配管系の温度制御(第二制御工程)を示す。以下の説明では、液体材料ガス温度T1、液体材料ガス温度制御設定値SP1、配管系温度T2、及び、配管系温度制御設定値SP2を用いて説明する。
まず、液体材料ガスを貯蔵するタンク11の温度制御について説明する。液体材料ガス温度制御設定値SP1を設定する(S51)。例えば、液体材料ガスがヘキサメチルジシロキサンだとすると、T1は、必要な蒸気圧を確保する条件を満足するものとして、例えば、液体材料ガス温度制御設定値SP1を20℃と設定し、T1≧20℃に制御される。設定された液体材料ガス温度制御設定値SP1は、第一温度制御部31へ設定される。
第一検出器13は、液体材料ガス温度T1を測定し、第一温度制御部31へ通知する(S52)。第一温度制御部31は、液体材料ガス温度T1が設定された液体材料ガス温度制御設定値SP1以上の場合(S53でYes)、タンク用ヒーターをOFFにし(S54)、液体材料ガス温度T1が液体材料ガス温度制御設定値SP1未満の場合(S53でNo)、タンク用ヒーターをONにする(S55)。第一制御ループは、ステップS52からS55を繰り返す。これにより、第一温度制御部31は、液体材料ガス温度T1が液体材料ガス温度制御設定値SP1以上になるようにフィードバック制御を実施する。また、第一検出器13が測定した液体材料ガス温度T1は、第二温度制御部32へ定期的に通知される。このようにして、タンク11を加熱して、タンク11内に貯蔵された液体材料ガスを気化させる温度制御を実行する。
次に、配管系(タンク11の出口〜遮断弁26までの、配管含む区間)の温度制御について説明する。タンク11の出口〜遮断弁26の配管系を、第二温度制御部32によって温度制御する。配管系ヒーター21は、例えば、配管用ヒーター等を配管系に捲設し加熱して、タンクから送り出された気化ガスをチャンバー41でプロセス処理されるまで再液化させないために、液体材料ガスを気化させたままにする温度制御を実行する。
まず、液体材料ガス温度T1に基づいて配管系温度制御設定値SP2を設定する(S61)。具体的には、液体材料ガス温度T1よりも一定温度(ΔT)高くなるように、温度制御の目標値となる配管系温度制御設定値SP2をSP2=T1+ΔTとして設定する。このように、配管系温度T2は、ΔTを用いて偏差温度制御が行われる。偏差温度制御をする理由は、気化したガスは、諸々の要因によって、配管の内部の温度が低下することで再液化することが懸念されるが、再液化させないための条件として配管系温度T2>液体材料ガス温度T1の関係が成り立つことである。このため、配管系温度制御設定値SP2はT1にプラスの偏差を加算したものとしたことにある。液体材料ガス温度T1は、第一温度制御部31から第二温度制御部32へ液体材料ガス温度T1の測定に応じて(例えば定期的に)通知されている。
例えば、液体材料ガス温度T1に対し、偏差ΔTを+5℃とすると、SP2=T1+ΔT=T1+5℃となる。上述したような液体材料ガスがヘキサメチルジシロキサンとすると、T1≧20℃なので、SP2≧25℃の関係が成り立つ。配管系温度T2は、T2≧SP2、ここではT2≧25℃となるように制御される。なお、配管系温度T2はマスフローコントローラ直近の温度が測定されることが好ましい。
第二検出器28は、配管系温度T2を測定し、第二温度制御部32へ通知する(S62)。第二温度制御部32は、配管系温度T2が配管系温度制御設定値SP2以上の場合(S63でYes)、配管系ヒーターをOFFにし(S64)、配管系温度T2が配管系温度制御設定値SP2未満の場合(S63でNo)、配管系ヒーターをONにする(S65)。第二制御ループは、ステップS62〜S65を繰り返す。これにより、第二温度制御部32は、配管系温度T2が配管系温度制御設定値SP2以上になるようにフィードバック制御する。配管系温度T2の温度制御が実施され、T2>T1且つT1≧SP1且つT2≧T1+ΔTに維持されると、チャンバー41へのガスの供給が可能となる。
また、第二温度制御部32は、液体材料ガス温度T1の変動を検出すると、配管系温度制御設定値SP2を再計算して調整し、新たな配管系温度制御設定値SP2を再設定する。第二温度制御部32は、液体材料ガス温度T1の変動を検出すると、配管系温度制御設定値SP2を調整する。
このように、本実施形態によれば、液化材料ガスの沸点及び配管系に通流するガスの流量に応じて液体材料ガス温度T1を設定し、第二温度制御部32によって液体材料ガス温度T1に連動させて配管系温度制御設定値SP2を設定・調整することにより、気化した状態の液体材料ガスを再液化させずにチャンバー41へ供給することができる。これにより、成膜装置において作られた製造物の品質を安定させることができる。また、従来のように、例えば、液体材料ガス温度を60℃、配管系温度を80℃に保つような沸点に比して更に高温の加熱を行わなくとも、気化した状態の液体材料ガスを再液化させずにチャンバー41へ供給することができる。これにより、マスフローコントローラ23に内蔵された電子回路基板について、熱による故障や寿命の低下を防止することができる。さらに、加熱に要するエネルギーを削減し、従来に比べて省エネルギーを実現できる。
また、第一温度制御部31は、液体材料ガス温度T1が液体材料ガス温度制御設定値SP1より高い場合(例えばタンクが設置されている室内の室内温度がSP1よりも高い場合に起こり得る)、タンク用ヒーター12がタンク11を加熱することを停止するように制御することもできる。これにより、更にエネルギーの消費を削減することができる。
(実施形態2)
実施形態1の温度制御において、液体材料ガスの供給システムは、更にアラーム発報機能を備えていてもよい。例えば、第一温度制御部31は、液体材料ガス温度T1が液体材料ガス温度制御設定値SP1未満になった場合(T1<SP1)にアラームを発報する。また、第二温度制御部32は、配管系温度T2が配管系温度制御設定値SP2未満になった場合(T2<SP2)にアラームを発報する。あるいは、配管系ヒーター21は、液体材料ガス温度制御設定値SP1に偏差ΔTを加算した温度未満になったとき(SP2<SP1+ΔT)にアラームを発報するようにしてもよい。このように、タンク11あるいは配管系の環境が大きく変化した場合に、管理者へアラームを通知することができる。これにより、周囲の環境等が大きく変化する場合に、気化ガスの再液化を抑制することが可能になる。なお、上記条件に該当しアラームを発報する事象が発生してから直ぐにアラームを発報せずに、任意で設けたディレイをもってアラームを発報しても良い。
(実施形態3)
上記各実施形態において、例えば、配管系に配置するマスフローコントローラ23には、熱式流量センサを用いることができる。この熱式流量センサには、次の二つのタイプのいずれかを採用することができる。第一のタイプの熱式流量センサ(MEMSフローセンサ方式)は、被測定流体が通流する流路(マスフローコントローラ内に設けられたもの)にセンサの検出面が晒されている構成を採る。第二のタイプの熱式流量センサは、被測定流体が通流するメイン流路から分岐させた流量計測定用の導管の外周にセンサを巻きつけた構成をとる。第二のタイプの熱式流量センサ(キャピラリ方式)の場合、導管へ被測定流体を流すために、メイン流路にオリフィスを設けて、導管の流入口と流出口の圧力差を大きくすることになる。このため、第一のタイプの熱式流量センサに比べて圧力損失が大きくなる。
圧力と温度とは比例関係にあるため、必要な圧力が低いと、液体材料ガス温度制御設定値SP1を低くすることができる。これは、液体材料ガス温度T1を低くすることにつながり、さらには配管系温度制御設定値SP2を低くすることになる。
このように、熱式流量センサのうち、第一のタイプを採用することにより、圧力損失を抑えることができるため、配管系の流量を減少させることができる。すなわち、第一のタイプの熱式流量センサを用いることにより第二のタイプの熱式流量センサを用いる場合に比べて配管系温度制御設定値SP2をより低くすることが可能になる。これにより、エネルギーの消費を削減しつつ、液体材料ガスの安定した供給が可能となる。
なお、第一のタイプの熱式流量センサとして、例えば、特開2007−248221号公報に開示されているように測温抵抗体を使ったセンサを用いることができる。また、例えば、特開2000−292234号公報に開示されているようにサーモパイルを使ったセンサを用いても良い。
(その他の実施形態)
実施形態1では、第二検出器28が配管系温度T2を一箇所測定する場合を説明したが、配管系温度T2を複数箇所測定してもよい。第二検出器28は、例えば、配管系の各構成要素近傍の温度を測定する場合であってもよい。この場合、第二温度制御部32は、検出した温度のうち最低の温度が配管系温度制御設定値SP2以上になるように温度制御を行う。これにより、配管系の場所により温度が異なる場合にも、測定した最低温度に基づいて温度制御を実施することができる。このため、より安定して気化したガスを再液化させることなく、チャンバー41に供給することができる。
さらに、第二温度制御部32は、配管系を複数に分割して温度制御を実施してもよい。第二検出器28を複数のセンサから構成し、分割した配管系毎にセンサを配置して分割した配管系毎に温度制御する。これにより、分割した配管系毎に加熱することになり、省エネルギーを実現することができる。
以上のように、本発明に係る好適な実施形態では、タンク11、タンク11からマスフローコントローラ23までの配管、電子回路基板を内蔵するマスフローコントローラ23、マスフローコントローラ23から遮断弁24までの配管、遮断弁26から構成される液体材料ガス供給システムにおいて、供給源であるタンク11の液体材料ガス温度T1の温度制御行う第一温度制御部31と、配管系を通流するガスのガス温度を、ΔTの偏差をもたせて、液体材料ガス温度T1よりもΔTだけ高い温度で制御する第二温度制御部32とを備える。
このように、第二温度制御部32がタンクの温度調節における液体材料ガス温度T1よりも一定温度高くなるように偏差ΔTをもたせ、タンクの出口から遮断弁までの温度調節における配管系温度制御設定値SP2(=T1+ΔT)で温度制御を実行することによって、気化した状態の液体材料ガスを再液化させずにチャンバー41へ供給することができる。液体材料ガス及び配管系を通流するガス流量に応じてタンク及び配管系の温度を制御することにより、マスフローコントローラ23に搭載される電子回路基板等が高温により劣化することを抑制するとともに、省エネルギーを実現する。更に、配管系温度制御設定値SP2を液体材料ガス温度と連動させることにより、液体材料ガスの温度変化を配管系の温度制御へ反映することが可能になり、安定して気化ガスをチャンバー41に供給することが可能になる。
なお、本発明は上記に示す実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲において、上記実施形態の各要素を、当業者であれば容易に考えうる内容に変更、追加、変換することが可能である。
本発明の実施形態にかかる液体材料ガス供給システムの構成例を示す図である。 本実施形態の液体材料ガス供給システムの動作例を示すフローチャートである。 従来の液体材料ガス供給システムの構成例を示す図である。
符号の説明
11 タンク
12 タンク用ヒーター(第一ヒーター)
13 第一検出器
21 配管系ヒーター(第二ヒーター)
22 配管
23 マスフローコントローラ
24〜26 遮断弁
28 第二検出器
31 第一温度制御部
32 第二温度制御部
41 チャンバー

Claims (10)

  1. タンクに貯蔵した液体材料ガスを気化させ、配管及びマスフローコントローラが配置された配管系を介して供給する液体材料ガスの供給方法であって、
    前記タンクに貯蔵した液体材料ガスにつき、液体材料ガス温度制御設定値を設定し、前記液体材料ガス温度を測定し、前記液体材料ガス温度制御設定値に基づいて前記液体材料ガス温度をフィードバックによる加熱制御する第一制御工程と、
    前記測定された液体材料ガス温度を入力し、前記液体材料ガス温度に所定値を加算した配管系温度制御設定値を設定し、配管系温度を測定し、前記配管系温度制御設定値に基づいて前記配管系温度をフィードバックによる加熱制御する第二制御工程と、を備える液体材料ガスの供給方法。
  2. 前記液体材料ガス温度は、タンク表面を測定したタンク表面温度を代替値として用いるものであることを特徴とする請求項1記載の液体材料ガスの供給方法。
  3. 前記配管系温度は、配管表面を測定した配管表面温度を代替値として用いるものであることを特徴とする請求項1または2記載の液体材料ガスの供給方法。
  4. 前記液体材料ガス温度が前記液体材料ガス温度制御設定値より低くなった場合と、前記配管系温度が前記配管系温度制御設定値より低くなった場合との少なくとも一つが発生すると、アラームを発報することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体材料ガスの供給方法。
  5. 前記マスフローコントローラは、センサ部分が流路に晒された熱式流量センサを用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体材料ガスの供給方法。
  6. タンクに貯蔵した液体材料ガスを気化させ、配管及びマスフローコントローラが配置された配管系を介して供給する液体材料ガスの供給システムであって、
    液体材料ガス温度を制御する第一制御ループと、前記配管系の温度を制御する第二制御ループとを備え、
    前記第一制御ループは、
    前記タンクを加熱する第一ヒーターと、
    前記液体材料ガス温度を測定する第一検出部と、
    前記液体材料ガス温度を制御する液体材料ガス温度制御設定値を設定し、前記液体材料ガス温度制御設定値と前記液体材料ガス温度とに基づいて前記第一ヒーターを制御する第一温度制御部と、
    前記第二制御ループは、
    配管系温度を測定する第二検出部と、
    前記配管系を加熱する第二ヒーターと、
    前記第一検出部が測定した液体材料ガス温度を入力し、前記液体材料ガス温度に所定値を加算した配管系温度制御設定値を設定し、前記配管系温度制御設定値と前記配管系温度とに基づいて、前記第二ヒーターを制御する第二温度制御部と、を備える液体材料ガスの供給システム。
  7. 前記液体材料ガス温度は、タンク表面を測定したタンク表面温度を代替値として用いるものであることを特徴とする請求項6記載の液体材料ガスの供給システム。
  8. 前記配管系温度は、配管表面を測定した配管表面温度を代替値として用いるものであることを特徴とする請求項6または7記載の液体材料ガスの供給システム。
  9. 前記第一温度制御部と前記第二温度制御部との少なくともいずれかは、前記液体材料ガス温度が前記液体材料ガス温度制御設定値より低くなった場合と、前記配管系温度が前記配管系温度制御設定値より低くなった場合との少なくとも一つが発生すると、アラームを発報することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の液体材料ガスの供給システム。
  10. 前記マスフローコントローラは、センサ部分が流路に晒された熱式流量センサを用いることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の液体材料ガスの供給システム。
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