JP2009148676A - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒形の撹拌槽と、この攪拌槽と同心にて外径が攪拌槽内径より僅かに小さい回転羽根と、この回転羽根を端部に有する高速回転可能なシャフトとを備え、シャフトを高速回転させて回転羽根を高速回転させることにより、攪拌槽に導入された被処理液を攪拌槽の内周面に沿って薄膜円筒状に高速回転させながら攪拌する高速攪拌装置であって、前記回転羽根が、回転羽根の円筒体の周面に小孔を多数貫通して設けた多孔円筒部分を外周側に有し、当該多孔円筒部の中央にてアームでボスと一体的にしてホイール状に形成されており、該高速撹拌装置により、疎水性液体を親水性液体中に乳化分散し、その乳化分散された疎水性液体の周囲に皮膜を形成することによりマイクロカプセルを製造する。
【選択図】なし
Description
具体例としては、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、などのイソシアネート単量体が挙げられる。また、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートなどのイソシアネートオリゴマーまたはイソシアネートポリマーも用いることができる。更に、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物、ヘキサメチレンジイソイアネートのビュレット付加物、イソシアネート単量体、イソシアネートオリゴマーまたはイソシアネートポリマーのポリオール変性体やカルボジイミド変性体等が挙げられる。これらは組み合わせて用いることもできる。芳香族イソシアネートを用いた場合、熱的または化学的に安定なマイクロカプセル皮膜樹脂を得ることができる。一方、脂肪族系イソシアネートを用いると高温多湿条件下での保管時に黄変しにくいマイクロカプセル皮膜樹脂を得ることができる。多価イソシアネート化合物は、芯物質に対し1〜50質量%の範囲で添加される。
薄膜旋回型高速ミキサー(プライミクス社製、商品名:TKフィルミックスFM−80−50型)を用いてバッチ式での蓄熱材マイクロカプセル用乳化分散液の作製を行った。ラウリル酸ラウリル120部、ラウリン酸アマイド1.2部及びトリレンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製、商品名:コスモネートT−80)9部を均一に溶解した溶液をポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:ポバール117)の7%水溶液150部中に加え、50℃にて周速20m/分で30秒間高速攪拌して体積平均粒子径が4.0μmの乳化分散液を調製した。この乳化液にトリエチレンテトラミンの15%水溶液30部を加えて、80℃にて2時間加熱攪拌を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。
ラウリル酸ラウリルをミリスチン酸ラウリルに、ラウリン酸アマイド1.2部をN−ラウリルラウリン酸アマイド2.4部とする以外は実施例1と同様にして、体積平均粒子径が2.4μmの乳化分散液を調製した。この乳化液に変性脂肪族アミン(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:JERキュアU)の15%水溶液30部を加えて、80℃にて2時間加熱攪拌を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。
ラウリル酸ラウリルをミリスチン酸ラウリルに、ラウリン酸アマイド1.2部をN−ラウリルラウリン酸アマイド2.4部とする以外は実施例1と同様にして、体積平均粒子径が2.5μmの乳化分散液を調製した。この乳化液に変性脂肪族アミン(ADEKA社製、商品名:アデカハードナーEH−203A)の15%水溶液30部を加えて、80℃にて2時間加熱攪拌を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。
トリレンジイソシアネートをカルボジイミド変性ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製、商品名:コスモネートLL)に、ポリビニルアルコール水溶液をスチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩水溶液に変え、高速攪拌条件を周速30m/分で30秒間とする以外は実施例1と同様にして、体積平均粒子径が3.6μmの乳化分散液を調製した。この乳化液に変性脂肪族アミン(大都産業社製、商品名:ダイトクラールHD−110TP)の15%水溶液30部を加えて、80℃にて2時間加熱攪拌を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。
ラウリル酸ラウリルをミリスチン酸ラウリルに、ラウリン酸アマイド1.2部をN−ラウリルラウリン酸アマイド2.4部に、トリレンジイソシアネートをノルボルナンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製、商品名:コスモネートNBDI)に、ポリビニルアルコール水溶液をスチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩水溶液に変え、高速攪拌条件を周速30m/分で30秒間とする以外は実施例1と同様にして、体積平均粒子径が2.5μmの乳化分散液を調製した。この乳化液に変性脂肪族アミン(ジャパンエポキシレジン(株)社製、商品名:JERキュアTO184)の15%水溶液30部を加えて、80℃にて2時間加熱攪拌を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。
ポリビニルアルコールをスチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩水溶液に変え、高速攪拌条件を周速25m/分、乳化時間15秒とすること以外は実施例1と同様にして体積平均粒子径3.6μmの乳化分散液を調整した。この乳化液にトリエチレンテトラミンの15%水溶液を実施例1と同様の比率になるように加えて、80℃にて2時間加熱攪拌を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。
トリレンジイソシアネートをカルボジイミド変性ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(コスモネートLL)に、ポリビニルアルコール水溶液をスチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩水溶液に変え、高速攪拌条件を周速25m/分、乳化時間15秒とすること以外は実施例1と同様にして体積平均粒子径3.5μmの乳化分散液を調整した。この乳化液に変性脂肪族アミン(ADEKA社製、商品名:アデカハードナーEH−427)の15%水溶液を実施例1と同様の比率になるように加えて、80℃にて2時間加熱攪拌を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。
実施例7と同様にして、連続式乳化による乳化分散液の調製を行った。体積平均粒子径は3.4μmであった。この乳化液にN−(2−ヒドロキシプロピル)トリエチレンテトラミンの15%水溶液を実施例1と同様の比率になるように加えて、80℃にて2時間加熱攪拌を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。
高速攪拌条件を周速25m/分、乳化時間15秒とすること以外は実施例1と同様にして、連続式乳化による乳化分散液の調製を行った。体積平均粒子径は3.3μmであった。この乳化液にN−(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミンの15%水溶液を実施例1と同様の比率になるように加えて、80℃にて2時間加熱攪拌を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。
高速攪拌条件を周速35m/分、乳化時間15秒とすること以外は実施例5と同様にして、連続式乳化による乳化分散液の調製を行った。体積平均粒子径は2.5μmであった。この乳化液に変性脂肪族アミン(JERキュアTO−184)の15%水溶液30部を加えて、80℃にて2時間加熱攪拌を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。
ラウリル酸ラウリル、ラウリン酸アマイド、トリレンジイソシアネート及びスチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩水溶液の添加比率は実施例3と同様にして、ローター、ステーター配管組み込み型のパイプラインミキサー型連続式乳化機(プライミクス社製、商品名:TKホモミックラインフローFL−100型)を用いて、回転数7000rpm、出口送液量70kg/時の条件で、体積平均粒子径が3.9μmの乳化分散液の調製を行った。この乳化液を実施例3と同様に処理して蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。
パイプラインミキサー型連続式乳化機にラウリル酸ラウリル、ラウリン酸アマイド、トリレンジイソシアネート及びポリビニルアルコールを供給する前に、羽根刃ローターとステーターを組み合わせたバッチ式の乳化分散機(プライミクス社製、商品名:TKホモミキサー)を用いて予備分散を行い、連続式乳化機に回転数7000rpm、出口送液量66kg/時の条件で供給した以外は比較例1と同様にして、体積平均粒子径が3.7μmの乳化分散液の調製を行った。この乳化液を実施例3と同様に処理して蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。なお、この乳化液作製においては、2台の乳化分散機を使ったために液ロスが大きく、また、準備や清掃に多大な労力を要し、時間当たりの生産性としては非常に効率の悪い作業であった。
バッチ式の乳化分散機(TKホモミキサー)を用いて、回転数9000rpmで10分間攪拌乳化して、体積平均粒子径が4.0μmの乳化分散液を作製した以外は実施例1と同様にして、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。
粒度分布測定結果で、小粒径側から測定した場合の粒子体積が20%、50%、80%の時の粒径値をD20、D50、D80として、(D80−D20)/D50の計算値により粒度分布の広がりの目安とし、評価した。数値が小さい方が粒度分布が狭く、均一な粒度分布を有していることを表し、数値が大きい方が粒度分布が広く、粗大粒子や極微小粒子が多く存在することを表す。
蓄熱材マイクロカプセル分散液2gを底面内径5cmのアルミカップに採取し、恒温乾燥機中で100℃、2時間加熱して得た乾燥物(質量W1)を、更に200℃で3時間加熱してその質量W2を測定した。熱減率(%)=(W1−W2)/W1×100を計算して耐熱性の指標とした。芯物質が同じであれば、熱減率が小さい方がマイクロカプセルの耐熱性が優れていることを表す。
実施例1で使用した薄膜旋回型高速ミキサーを用いて、連続式乳化分散によりノーカーボン感圧複写紙用発色剤マイクロカプセル用の乳化分散液を作製した。フェニルキシリルエタンを主成分とする溶剤(日本石油化学社製、商品名:ハイゾールSAS−296)にクリスタルバイオレットラクトン(CVL)を3%、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名:MR−300)を4%、ビュレット体を有するヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(住友バイエルウレタン社製、商品名:スミジュールN−3200)を4%溶解した疎水性液体とスチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩の5%水溶液を質量比が1:1となるように薄膜旋回型高速ミキサーに供給し、30℃にて周速30m/分、乳化時間15秒の条件で連続式乳化を行い、体積平均粒子径が6.7μmの乳化分散液を得た。この乳化分散液200部に変性脂肪族アミン(JERキュアTO−184)の10%水溶液10部を添加して、攪拌しながら80℃まで昇温して3時間反応させた後、室温まで温度を下げて発色剤マイクロカプセル分散液を得た。
スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩の代わりにポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:ポバール217)を用い、周速を25m/分、乳化時間10秒とする以外は実施例11と同様にして、体積平均粒子径が6.0μmの乳化分散液を得た。この乳化分散液200部にトリエチレンテトラミンの10%水溶液10部を添加して、攪拌しながら80℃まで昇温して3時間反応させた後、室温まで温度を下げて発色剤マイクロカプセル分散液を得た。
フェニルキシリルエタンを主成分とする溶剤(ハイゾールSAS−296)にクリスタルバイオレットラクトン(CVL)を3%、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(MR−300)を4%、ビュレット体を有するヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(スミジュールN−3200)を4%溶解した疎水性液体114部をポリビニルアルコール(ポバール217)の5%水溶液136部に加えて、薄膜旋回型高速ミキサーを用いて、30℃にて周速25m/分、乳化時間15秒の条件でバッチ式乳化を行い、体積平均粒子径が6.0μmの乳化分散液を得た。この乳化分散液に、トリエチレンテトラミンの10%水溶液12.5部を加えて、攪拌しながら80℃まで昇温して3時間反応させた後、室温まで温度を下げて発色剤マイクロカプセル分散液を得た。
フェニルキシリルエタンを主成分とする溶剤(ハイゾールSAS−296)にクリスタルバイオレットラクトン(CVL)を3%溶解した疎水性液体とスチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩の5%水溶液を質量比が1:1となるように薄膜旋回型高速ミキサーに供給し、60℃にて周速30m/分、乳化時間10秒の条件で連続式乳化を行い、体積平均粒子径が6.6μmの乳化分散液を得た。この乳化分散液200部に、メラミン粉末10部に37%ホルムアルデヒド水溶液19.3部と水30部を加えて加熱溶解したメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液を加えて、攪拌しながら80℃まで昇温して3時間反応させた後、室温まで温度を下げて発色剤マイクロカプセル分散液を得た。
実施例8と同様の配合比率で、バッチ式の乳化分散機(TKホモミキサー)を用い、回転数9000rpmで体積平均粒子径が6.0μmの乳化分散液を作製しようとしたが、乳化開始から2分後に約10μmとなった以降は小粒径化が進まず、乳化分散液の作製を断念した。これは、小粒径化よりも早くイソシアネートの反応が進み、乳化途中で皮膜が形成されてしまったためと思われる。
パイプラインミキサー型の連続式乳化機(TKホモミックラインフローFL−100型)を用いて、実施例14と同様の添加比率で、回転数6000rpm、出口送液量70kg/時の条件で、体積平均粒子径が6.0μmの乳化分散液の調製を行った。この乳化液を実施例14と同様に処理して発色剤マイクロカプセルの分散液を得た。
実施例11〜14及び比較例5で得られた発色剤マイクロカプセル分散液100部に、澱粉粒子20部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:ポバール110)10%水溶液20部を加え、メイヤーバーで坪量が40g/m2の原紙に固形分として3.5g/m2となるように塗工してノーカーボン感圧複写紙上用紙を作製した。
「発色性試験」
作製した上用紙と市販のノーカーボン感圧複写紙下用紙(三菱製紙社製、商品名:三菱NCR紙N−40下)を組み合わせ、カレンダーロールに20kg/cm2の荷重を掛けて通紙し、発色させた。マクベス濃度計にて発色濃度を測定した。数値の大きい方が発色濃度が高く良好なことを表す。
「汚染性試験」
作製した上用紙と市販のノーカーボン感圧複写紙下用紙(三菱NCR紙N−40下)を組み合わせ、4kg/cm2の荷重を掛けて3回擦り合わせた。下用紙表面の発色汚れの程度を目視で判定した。判定基準は、○:ほとんど汚れ無し、△:やや汚れあり、×:汚れあり、とした。○、△は実用可能なレベルである。
2 攪拌槽
4 外槽
6 温度調節媒体用配管
8 回転羽根
10 シャフト
11 開口部
12 堰板
13 排出管
14 上部容器
15 温度調節用媒体室
16 蓋
17、18 供給管
19、20 弁
24 多孔円筒部
26 アーム
28 ボス
30 小孔
32 連通孔
Claims (4)
- 円筒形の撹拌槽と、この攪拌槽と同心にて外径が攪拌槽内径より僅かに小さい回転羽根と、この回転羽根を端部に有する高速回転可能なシャフトとを備え、シャフトを高速回転させて回転羽根を高速回転させることにより、攪拌槽に導入された被処理液を攪拌槽の内周面に沿って薄膜円筒状に高速回転させながら攪拌する高速攪拌装置であって、前記回転羽根が、回転羽根の円筒体の周面に小孔を多数貫通して設けた多孔円筒部分を外周側に有し、当該多孔円筒部の中央にてアームでボスと一体的にしてホイール状に形成された構造を有しており、該高速撹拌装置により疎水性液体を親水性液体中に乳化分散した後、疎水性液体の周囲に皮膜を形成することを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。
- 皮膜が、多価イソシアネートと多価アミンとの反応を利用したポリウレア樹脂あるいはポリウレタンウレア樹脂である請求項1記載のマイクロカプセルの製造方法。
- 疎水性液体が、蓄熱材である請求項1または2記載のマイクロカプセルの製造方法。
- 疎水性液体が、電子供与性発色剤を含有し、マイクロカプセルがノーカーボン感圧複写紙用である請求項1または2記載のマイクロカプセルの製造方法。
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