JP2890391B2 - マイクロカプセル並びに該マイクロカプセルを用いた感圧複写紙 - Google Patents

マイクロカプセル並びに該マイクロカプセルを用いた感圧複写紙

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JP2890391B2 JP6183129A JP18312994A JP2890391B2 JP 2890391 B2 JP2890391 B2 JP 2890391B2 JP 6183129 A JP6183129 A JP 6183129A JP 18312994 A JP18312994 A JP 18312994A JP 2890391 B2 JP2890391 B2 JP 2890391B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロカプセル、並び
に該マイクロカプセルを用いた感圧複写紙の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロカプセルは、芯物質を微分散さ
せた後、芯物質の周りを壁膜で被覆したものであり、不
安定な物質や液状物質などを壁膜で保護し安定に保持す
ることに適している。マイクロカプセルの内包物となる
いわゆる芯物質としては、医薬品、農薬、香料、接着
剤、染料、液晶、示温剤、接着剤などが知られており、
マイクロカプセルはこれら芯物質の保持、放出制御、液
体の粉体化、表面改質などの目的で広く利用されてい
る。その中で、工業的に大規模に利用され最も良く知ら
れている用途は、感圧複写紙の分野である。
【0003】感圧複写紙は、1種または2種以上の電子
供与性発色剤溶液を内包するマイクロカプセルを原紙の
下表面に塗布した上用紙と、電子受容性顕色剤を原紙の
上表面に塗布した下用紙とで構成されている。上用紙と
下用紙を丁合し、上用紙に筆圧または印字圧を加えると
マイクロカプセルが破壊して、発色剤溶液が下用紙の顕
色剤表面に放出される。その結果、化学反応の生起によ
り複写像が得られる。多枚数複写を必要とする場合は、
電子供与性発色剤溶液を内包するマイクロカプセルと、
電子受容性顕色剤とを各々原紙の下表面と上表面に塗布
した中用紙を追加丁合すればよい。また、自己発色型感
圧複写紙は、電子供与性発色剤溶液を内包するマイクロ
カプセルと、電子受容性顕色剤を原紙の同一面上に塗布
したもので、筆圧または印字圧により複写像が得られ
る。
【0004】マイクロカプセルの製造法としては、コア
セルベーション法、インサイチュー重合法、界面重合法
などが知られている。コアセルベーション法はゼラチ
ン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロースなどの
水溶性高分子の相分離現象を利用したカプセル化法であ
るが、この方法は製造時間が長く、工程が複雑でしかも
低濃度のカプセル分散液しか得られず、また天然高分子
材料を用いるため品質の安定性、腐敗性などに問題があ
る。インサイチュー法は主に尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂などの合成高分子
をカプセル膜として利用する方法であり、カプセル分散
液中に未反応モノマー、殊にホルムアルデヒドが残留
し、その除去処理工程が必要であった。界面重合法は、
多価イソシアネートと、水、多価アミン類あるいは多価
アルコールとを反応させて得られるポリウレア/ポリウ
レタン膜を利用する方法であって、製造工程が簡単で、
かつ高濃度カプセルが得られるなどの長所を有してお
り、近年注目されてきた。ここで、ポリウレア/ポリウ
レタン膜とは多価イソシアネートと、水、多価アミン類
より生ずるポリウレア化学構造と多価イソシアネートと
多価アルコールより生ずるポリウレタン化学構造をカプ
セル膜として利用するもので、それらの複合化合構造膜
のことである。
【0005】しかしながら、従来知られている界面重合
法によるマイクロカプセルは、カプセル壁膜が薄く、し
かも膜質が多孔質であるため耐溶剤性、耐熱性が不十分
であるという欠点があった。特開昭48−49509に
は多価イソシアネートと多価アミンまたは多価アミン付
加物よりなるマイクロカプセル、特開昭49−3771
0には多価イソシアネートと多価ヒドロキシル化合物及
び多価アミンまたは多価アミン付加物よりなるマイクロ
カプセル、特開昭49−39579には多価イソシアネ
ートと多価ヒドロキシル化合物よりなるマイクロカプセ
ルの記載があるが、いずれも耐溶剤性や耐熱性が不十分
であった。
【0006】マイクロカプセルの耐溶剤性が不十分な場
合は、有機溶剤との接触または有機溶剤雰囲気下におい
て内包物が抽出されてしまい、芯物質の保持ができな
い。また、耐熱性が不十分な場合は、高温の環境下でマ
イクロカプセルの内包物が蒸発してしまい、芯物質の保
持ができなくなる。
【0007】このような欠点を有するマイクロカプセル
を、例えば感圧複写紙用のマイクロカプセルとして用い
た場合、感圧複写紙の製造乾燥工程中や帳票の印刷工程
中、あるいは製品の通常の取扱いやその輸送、保管中
に、マイクロカプセルの破壊や内包物の漏逸により予期
せぬ発色汚染を生じたり、著しくその商品価値を低下さ
せてしまうという問題があった。
【0008】一方、感圧複写紙においては、油性芯物質
としてパラフィンを含有するマイクロカプセルの利用
が、脱芳香族溶剤化や経済性の面から徐々に進行しつつ
あるものの、反面、発色剤である染料の再結晶化を引き
起こしやすく、パラフィンを用いるに当たっては、技術
的に克服すべき面が多々あった。特に、壁膜が多価イソ
シアネート化合物とポリオールとの高分子化合物からな
るマイクロカプセルにパラフィンを用いる場合には、多
価イソシアネート化合物とポリオールの高分子生成反応
と染料の再結晶化との双方の適当なバランスをとること
が難しかった。例えば、染料の再結晶化を防止するため
高温下で工程を進めると、多価イソシアネート化合物と
ポリオールの高分子生成反応が逆に速く進行してしま
い、生成した高分子化合物のため水中油滴型エマルジョ
ンの調製が不能となり、マイクロカプセルが得られなか
った。また、多価イソシアネート化合物とポリオールと
の高分子生成反応の速度を遅らせるために低温下で工程
を進めると、パラフィンの影響で染料の再結晶化を起こ
しやすく、この場合も水中油滴型エマルジョンの調製が
不能となり、マイクロカプセルを得ることができなかっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、界
面重合法により製造される耐溶剤性、耐熱性に優れたマ
イクロカプセルを提供すること、並びにパラフィンを含
有する該マイクロカプセルを用いて、耐溶剤性、耐熱性
に優れた汚染の少ない感圧複写紙を提供することを課題
とした。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、マイクロカプ
セルの主たる壁膜を、多価イソシアネート化合物とペン
タエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物よりな
るポリオールとの高分子化合物から構成することによ
り、上記課題を解決したものである。
【0011】すなわち、本発明は、油性芯物質と、油性
芯物質を包被する壁膜が主として多価イソシアネート化
合物とポリオールとを反応させて得られる高分子化合物
からなるマイクロカプセルにおいて、該ポリオールが下
記一般式(1)で表されるペンタエリスリトールのアル
キレンオキサイド付加物であることを特徴とするマイク
ロカプセルに関する。
【0012】
【化2】 (式中、R1 〜R8 は水素またはメチル基を表し、m、
n、o、pはそれぞれ1〜25の整数を表す。)
【0013】本発明で用いられるペンタエリスリトール
のアルキレンオキサイド付加物よりなるポリオールは、
ペンタエリスリトールを出発物質としたエチレンオキサ
イド、あるいはプロピレンオキサイドを鎖延長剤とした
重合物により得られる。一般式(1)において、R1
8 は水素またはメチル基を表すが、材料入手性の面か
ら、メチル基であるものの方が使用し易い。
【0014】本発明で用いられるペンタエリスリトール
のアルキレンオキサイド付加物の重合度の範囲は、m、
n、o、pの合計で4〜100程度が好ましく、特に、
m、n、o、pの合計で4〜20のものが耐溶剤性にお
いて優れており、より望ましい。
【0015】本発明で用いられるペンタエリスリトール
のアルキレンオキサイド付加物よりなるポリオールの分
子量については、分子量が大きすぎると生成した高分子
膜の架橋密度が低すぎてしまい、耐熱性、耐溶剤性が劣
るマイクロカプセルしか得られないため、上限としては
10000程度が好ましく、より好ましくは1000程
度である。
【0016】本発明で用いられるペンタエリスリトール
のアルキレンオキサイド付加物よりなるポリオールの使
用量は、多価イソシアネート使用重量に対し0.1〜5
0重量%、好ましくは1〜30重量%である。
【0017】本発明で用いられる多価イソシアネート
は、芳香族多価イソシアネート及び脂肪族多価イソシア
ネートを単独あるいは併用して使用することができる
が、本発明においては併用して用いることが望ましい。
芳香族多価イソシアネートの具体例としては、特開昭5
7−140638、同64−72886号公報に記載の
ジフェニールメタン−4,4´ジイソシアネート、ポリ
メチレンポリフェニルジイソシアネート、3−3´ジメ
チルジフェニールメタンジイソシアネート、特開昭61
−120633号公報記載の2−6トリレンジイソシア
ネートなどの化合物が知られている。脂肪族多価イソシ
アネートの具体例としては、特開昭60−227828
号公報記載のヘキサメチレンジイソシアネート、プロピ
レン−1,2ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジ
イソシアネート、1.1.1.−トリメチロールプロパンとト
リレンジイソシアネート3分子付加体化合物、1.1.1 ト
リメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネー
ト3分子付加体化合物、特開昭55−159990号公
報記載のヘキサメチレンジイソシアネート3分子のビュ
レット化合物類、トリレンジイソシアネートやヘキサメ
チレンジイソシアネート3分子のイソシアヌレート化合
物類が知られているが、本発明はこれらの多価イソシア
ネートに限定されるものではない。
【0018】本発明では、多価イソシアネートとペンタ
エリスリトールのアルキレンオキサイド付加物よりなる
ポリオールの他に、マイクロカプセルの壁膜として、多
価ヒドロキシル化合物や多価アミンを併用することもで
きる。多価ヒドロキシル化合物の例としては、脂肪族ま
たは芳香族多価アルコール、ポリエーテルポリオール、
ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオ
ールが挙げられる。また、多価アミンとは、分子中に2
個以上のアミノ基を有する化合物で、親水性を有するも
のをいう。多価アミンの例としては、脂肪族多価アミ
ン、芳香族多価アミン、脂環式多価アミン、複素環型多
価アミンが挙げられる。
【0019】本発明のマイクロカプセルは、次の2工程
により構成される界面重合法により製造される。(1)
乳化工程:油性芯物質を保護コロイド剤や界面活性剤を
含んだ水溶液中に乳化分散したオイルインウオーター
(O/W)型エマルジョンを得る。(2)反応工程:加
熱または超音波などのエネルギー付与により化学反応を
促進させ油性芯物質の周囲に高分子膜を生成させる。こ
のとき、油性芯物質の親水性が強すぎると満足したO/
W型エマルジョンが得られず、カプセル粒径設計や成膜
化に悪影響を与える。
【0020】本発明のマイクロカプセル製造に当たり、
乳化分散させるための親水性物質としては、保護コロイ
ドや界面活性剤の水溶液が用いられる。例えば、ポリビ
ニルアルコール、アラビアゴム、ゼラチン、カルボキシ
メチルセルロース、カゼイン、エチレン無水マレイン酸
共重合体などが、単独または混合水溶液として利用でき
る。界面活性剤としては、公知のアニオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性
剤を用いることができる。
【0021】マイクロカプセルの体積平均粒径として
は、2〜10μmが好ましく、より好ましくは4〜8μ
mである。
【0022】本発明で用いられる油性芯物質としては、
フェニルキシリルエタン、フェニルキシリルメタン、フ
ェニルエチルフェニルエタン、フェニルブチルフェニル
メタン、フェニルブチルフェニルエタンなどのジアリー
ルアルカン系化合物、モノイソプロピルナフタレン、ジ
イソプロピルナフタレン、モノブチルナフタレン、ジブ
チルナフタレンなどのアルキルナフタレン系化合物、モ
ノイソプロピルビフェニール、ジイソプロピルビフェニ
ール、モノブチルビフェニールなどのアルキルビフェニ
ール系化合物、部分水素化ターフェニール系化合物、ア
ルキルベンゼン系化合物、トリアリールジメタン系化合
物、フェニレンオキサイド系化合物、ジアリールアルキ
レン系化合物、インダン系化合物、ケロシン、またはパ
ラフィンなどを挙げることができ、これらを単独または
併用することができる。特に、パラフィンを混合して用
いると、マイクロカプセルの耐熱性、耐溶剤性が著しく
向上する。
【0023】本発明で用いられるパラフィンとは、ノル
マルパラフィン、イソパラフィンなどの脂肪族炭化水素
であり、一部に脂環式炭化水素、アルキルベンゼンが含
まれていてもよい。パラフィンの好ましい炭素数は8〜
16の炭化水素類で、より好ましくは炭素数10〜14
の炭化水素類である。パラフィンの使用量は、油性芯物
質の5〜70%であり、好ましくは15〜30%程度で
ある。
【0024】本発明のペンタエリスリトールのアルキレ
ンオキサイド付加物よりなるポリオールを使用したマイ
クロカプセルは、感圧複写紙用マイクロカプセルとして
利用することができる。
【0025】この場合の油性芯物質としては、ジアリー
ルアルカン系化合物、アルキルナフタレン系化合物、ま
たはアルキルビフェニール系化合物から選ばれる少なく
とも1種以上と、パラフィンとを混合した疎水性媒体中
に、電子供与性発色剤を含有させたものを用いる。
【0026】本発明で用いられるペンタエリスリトール
のアルキレンオキサイド付加物よりなるポリオールは、
広い範囲で高分子生成反応と再結晶化のバランスをとり
やすく、感圧複写紙用マイクロカプセルの製造に好適で
ある。また、芳香族多価イソシアネートに由来するマイ
クロカプセルスラリーの着色も抑えられる。さらに、耐
熱性、耐溶剤性に優れているマイクロカプセルを使用す
ることにより、汚染の少ない感圧複写紙を得ることがで
きる。
【0027】感圧複写紙用マイクロカプセルに含有され
る電子供与性発色剤としては、トリフェニルメタンフタ
リド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系
化合物、インドリルフタリド系化合物、インドリルアザ
フタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、スピロ
ピラン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフ
ェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物などに分類
されるこの分野で公知の化合物を挙げることができ、い
ずれも使用可能である。これらの使用量は、油性芯物質
に対し0.5〜20%、好ましくは1〜10%程度であ
る。
【0028】本発明における感圧複写紙は、従来知られ
ている一般的な方法で製造され、支持体には通常紙が用
いられる。
【0029】
【作用】マイクロカプセルの壁膜が、多価イソシアネー
トとペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加
物よりなるポリオールから形成されることにより、耐熱
性、及び耐溶剤が改善される理由は明らかではないが、
上記カプセル化の乳化工程において十分な親水性と疎水
性のバランスが得られ、並びに反応工程においては架橋
密度の高いカプセル壁膜樹脂が得られるためと考えられ
る。
【0030】また、本発明のマイクロカプセルを感圧複
写紙用マイクロカプセルとして利用した場合、パラフィ
ンの存在下で壁膜樹脂成分が析出しやすくなり、耐熱及
び耐溶剤適性のある膜が得られるため、感圧複写紙の耐
熱性、耐溶剤性が著しく向上すると推定される。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。尚、部及び%
は、重量部及び重量%を表す。
【0032】[実施例1]ジアリールアルカンを主成分
とする溶剤(日本石油化学社製、ハイゾールSAS−2
96)58gとパラフィン24gの混合溶剤に、電子供
与性発色剤としてクリスタルバイオレットラクトン(C
VL)3gを100℃で加熱溶解した。さらに、ペンタ
エリスリトールのアルキレンオキサイド付加物よりなる
ポリオールとして商品名「PE−450」(三井東圧社
製、m,n,o,pの合計8、分子量500)3g、脂
肪族多価イソシアネートとしてヘキサメチレンジイソシ
アネートのビュレット体(住友バイエルウレタン社製、
商品名「スミジュール N−3200」)4g、芳香族
多価イソシアネートとしてジフェニルメタンジイソシア
ネート(日本ポリウレタン社製、商品名「MR−30
0」)4gを、60℃で添加溶解し、油性芯物質1次溶
液とした。次に、10gのポリビニルアルコールを19
0gの水に溶解し、2次溶液を調製した。2次溶液を激
しく撹拌しながら上記1次溶液を注ぎ、水中油滴型エマ
ルジョンを形成させた。油滴の粒径が7μmになったと
ころで撹拌を止め、次いで系の温度を徐々に80℃に昇
温し、3時間保温した。油性芯物質液滴の周りにカプセ
ル壁膜が形成され、油性芯物質を被覆するマイクロカプ
セルが得られた。
【0033】[実施例2]実施例1において、ペンタエ
リスリトールのアルキレンオキサイド付加物よりなるポ
リオールとして商品名「PE−250」(三井東圧社
製、m,n,o,pの合計15、分子量900)3gを
用いた以外は、実施例1と同様にしてマイクロカプセル
を得た。
【0034】[実施例3]実施例1において、ジアリー
ルアルカンを主成分とする溶剤の代わりにアルキルナフ
タレンを主成分とする溶剤(呉羽化学製、KMC−11
3)58gを用い、電子供与性発色剤として2−アニリ
ノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソペンチルア
ミノフルオラン5gを用い、脂肪族多価イソシアネート
としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレ
ート体(住友バイエルウレタン社製、商品名「スミジュ
ール N−3500」)4g、芳香族多価イソシアネー
トとしてジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリ
ウレタン社製、商品名「MR−200」)4gを用いた
以外は、実施例1と同様にマイクロカプセルを調製し
た。油性芯物質液滴の周りにカプセル壁膜が形成され、
油性液滴を被覆するマイクロカプセル得られた。
【0035】[実施例4]実施例3において、アルキル
ナフタレンを主成分とする溶剤の代わりにアルキルビフ
ェニールを主成分とする溶剤(呉羽化学製、KMC−5
00)58gを用い、ペンタエリスリトールのアルキレ
ンオキサイド付加物よりなるポリオールとして商品名
「PE−600」(三井東圧社製、m,n,o,pの合
計5、分子量370)6gを用いた以外は、実施例3と
同様にしてマイクロカプセルを得た。
【0036】[実施例5]実施例1において、ジアリー
ルアルカンを主成分とする溶剤の代わりにアルキルビフ
ェニール主成分とする溶剤(呉羽化学製、KMC−50
0)58gを用い、ペンタエリスリトールのアルキレン
オキサイド付加物よりなるポリオールとして商品名「E
P−3043」(三井東圧社製、m,n,o,pの合計
100、分子量5000)6gを用いた以外は、実施例
1と同様にしてマイクロカプセルを得た。
【0037】[比較例1〜5]実施例1〜5において用
いたペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加
物よりなるポリオールを使用しないで、各実施例と同様
にマイクロカプセルを調製した。
【0038】[比較例6]実施例1においてパラフィン
24gを使用せずアルキルナフタレンを主成分とする溶
剤(呉羽化学製、KMC−113)24gを用いた以外
は、実施例1と同様にマイクロカプセルの調製を行っ
た。
【0039】<感圧複写紙試料の作成>上記のようにし
て得られたマイクロカプセルスラリー150部に、でん
ぷん粒子20部を添加し、濃度が12%になるように水
を加えて試験用塗料を得た。この塗料を12番メイヤー
バーにて40g/m2 の原紙に固形分3.5g/m2
なるように塗布し、発色性、汚染性及び耐熱試験用の上
用紙試料とした。また、この塗料を下用紙(日本製紙
製、NW−40B)の顕色剤塗布面に同様に塗布し、耐
溶剤試験用の試料とした。試験結果を表1及び表2に示
す。
【0040】<発色性試験>発色試験用上用紙と下用紙
(日本製紙製、NW−40B)を塗布面同士が対向する
ように組み合わせ、20Kg/cm2 の荷重カレンダー
に通紙し、発色させ1時間後に発色濃度をマクベス濃度
計にて測定した。
【0041】<汚染性試験>汚染性試験用上用紙と上記
下用紙を塗布面同士が対向するように組み合わせ、4K
g/cm2 荷重をかけて3回擦り合わせ、下用紙塗布面
の発色汚れをハンター式濃度計を用い測定した(数値が
小さいほど汚れが少ない)。
【0042】<耐熱試験>耐熱試験用上用紙と上記下用
紙を塗布面同士が対向するように組み合わせ、80g/
cm2 の荷重をのせ105℃のオーブン中に16時間放
置し、下用紙塗布面の耐熱汚染性をハンター式濃度計で
測定した(数値が小さいほど汚れが少ない)。
【0043】<耐溶剤試験>耐溶剤試験用試験紙を20
℃雰囲気下メチルセロソルブ(βオキシエチルメチルエ
ーテル)飽和蒸気中に1時間放置し、塗布面の発色汚れ
をハンター式濃度計で測定した(数値が小さいほど汚れ
が少ない)。
【0044】[実施例6]電子供与性発色剤に代えて、
L−メントール10gを疎水性媒体中に含有させた以外
は、実施例3と同様にしてマイクロカプセルを調製し
た。油性芯物質液滴の周りにカプセル壁膜が形成され、
油性芯物質を被覆するマイクロカプセルが得られた。
【0045】[比較例7]実施例1において用いたペン
タエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物よりな
るポリオール3gの代わりに、ペンタエリスリトール3
gを用いたが、油性芯物質に十分に分散せず、マイクロ
カプセル化できなかった。
【0046】[比較例8]実施例1において用いたペン
タエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物よりな
るポリオール3gの代わりに、トリメチロールプロパン
を出発物質とするポリオール(分子量300、水酸基価
550)3gを用いたが、油性芯物質に十分に分散せ
ず、マイクロカプセル化できなかった。
【0047】[比較例9]実施例1において用いたペン
タエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物よりな
るポリオールを使用せず、エチレンジアミンを出発物質
としたポリオール(三井東圧社製、商品名「AE−30
0」分子量400、水酸基価300)を用いた以外は、
実施例1と同様にマイクロカプセルの調製を行ったが、
イソシアネートとポリオールの樹脂化反応が速すぎるた
め水中油滴型エマルジョンが得られず、マイクロカプセ
ル化できなかった。
【0048】
【表1】
【表2】
【0049】表1及び表2から、本発明のマイクロカプ
セルを用いた実施例1〜5の感圧複写紙は、比較例1〜
6の感圧複写紙よりも、耐熱性及び耐溶剤において優れ
ていることが示される。また、実施例6では香料を含有
したマイクロカプセルが得られた。また、ペンタエリス
リトールのアルキレンオキサイド付加物よりなるポリオ
ールの代わりに、ペンタエリスリトールや出発物質が異
なるポリオールを使用した比較例7〜9では、マイクロ
カプセルが得られなかった。
【0050】
【発明の効果】本発明によって、有機溶剤との接触また
は有機溶剤雰囲気下において内包物が抽出されてしまっ
たり、高温の環境下でマイクロカプセルの内包物が蒸発
してしまい、芯物質の保持ができなくなるなどの、界面
重合法によるマイクロカプセル製造上の問題点を克服
し、耐溶剤性及び耐熱性が著しく向上したマイクロカプ
セルを得ることができる。
【0051】また、感圧複写紙用マイクロカプセルとし
て、油性芯物質としてパラフィンを含有する本発明のマ
イクロカプセルを使用することにより、耐熱性、耐溶剤
性に優れた汚染の少ない感圧複写紙を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−175388(JP,A) 特開 平6−362(JP,A) 特開 平5−184909(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/165 B01J 3/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油性芯物質と、油性芯物質を包被する壁
    膜が主として多価イソシアネート化合物とポリオールと
    を反応させて得られる高分子化合物からなるマイクロカ
    プセルにおいて、該ポリオールが下記一般式(1)で表
    されるペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付
    加物であり、かつ油性芯物質がパラフィンを一成分とし
    て含有することを特徴とするマイクロカプセル。 【化1】 (式中、R1 〜R8 は水素またはメチル基を表し、m、
    n、o、pはそれぞれ1〜25の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 求項1記載の感圧複写紙用マイクロカ
    プセル。
  3. 【請求項3】 ジアリールアルカン系化合物、アルキル
    ナフタレン系化合物、またはアルキルビフェニール系化
    合物から選ばれる少なくとも1種以上とパラフィンとを
    混合した疎水性媒体中に電子供与性発色剤を含有した油
    性芯物質を用いた請求項2記載のマイクロカプセルを、
    支持体上に塗布した感圧複写紙。
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