JP2003160475A - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルの製造方法

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JP2003160475A JP2001362536A JP2001362536A JP2003160475A JP 2003160475 A JP2003160475 A JP 2003160475A JP 2001362536 A JP2001362536 A JP 2001362536A JP 2001362536 A JP2001362536 A JP 2001362536A JP 2003160475 A JP2003160475 A JP 2003160475A
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智正 宇佐美
Koichi Fujita
浩一 藤田
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和広 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子径や粒径分布の制御が可能なマイクロカ
プセルの製造方法を提供する。 【解決手段】 一定サイズの孔が開いたスクリーン版を
用いてスクリーン印刷を行うことにより油相を受容体上
に転移させ、当該受容体から油相を水相中に分離し一定
体積の油相滴を得る。そして、この油相滴を既知の処方
でマイクロカプセル化する。これにより、油相の粒子径
が一定であって、粒径分布の幅が狭いマイクロカプセル
を製造することができるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロカプセル
の製造方法に関し、特にマイクロカプセルの粒子径や粒
径分布の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロカプセルは、主として天然ある
いは合成高分子で形成される壁膜と、芯物質(あるいは
核物質)と呼ばれる中身からなり、その粒径がマイクロ
メートルオーダーの領域とされる微小な容器である。
尚、用語の由来通り、マイクロメートルのサイズに限ら
れるものではなく、製法原理が同じならばミリメートル
オーダーやナノメートルオーダーの領域のものもマイク
ロカプセルと呼ばれている。
【0003】このようなマイクロカプセルでは、壁膜に
よって芯物質を外部環境から保護することができ、また
壁膜により芯物質を外部環境に放出する速度を調整する
ことが可能であることから、感圧複写紙、感熱紙等の工
業分野、薬や人工細胞等の医薬、薬学分野、コピー食品
や香辛料等の食品分野で広く利用されており、界面重合
法、In−Situ法、相分離法、液中乾燥法等、多く
の製法が知られている。
【0004】ところで、マイクロカプセルの粒子径につ
いては、当該カプセルからの芯物質の放出速度、分散
性、また生体内に投与した場合の体内分布や代謝速度を
はじめとして、マイクロカプセルを崩壊させるために必
要な力等に関してマイクロカプセルの応用面で大きな影
響を与えることが知られており、従って、粒子径や粒径
分布の制御が必要とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術では、芯物質(特に、液体の芯物質)をもつものに
ついて、粒子径や粒径分布を完全に制御することができ
ないか、あるいは制御が非常に難しいという問題があ
る。
【0006】その理由については、例えば、液体の芯物
質をもつマイクロカプセルの作成において、先ず、芯物
質あるいは当該芯物質と壁膜材の全部又は一部(以下、
これを「油相」と呼ぶ。)を、それと混和しない液体
(以下、これを「水相」と呼ぶ。)に加えて撹拌分散
し、油相滴を作る必要があるが、このときの油相の粘度
や撹拌速度等の条件による影響を被り易く、粒子径や粒
径分布を完全に制御することができず、バラツキが生じ
てしまうことに起因している。そして、この段階で得ら
れた油相の粒子径が完成したマイクロカプセルの粒子径
に大きな影響を及ぼすために、完成後のマイクロカプセ
ルについても粒子径や粒径分布にバラツキが生じてしま
うことになる。
【0007】そこで、本発明は、粒子径や粒径分布の制
御が可能なマイクロカプセルの製造方法を提供すること
を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、スクリーン印
刷においてインクが紙へ転移する量がスクリーンの孔の
大きさにより変えられる点及びインクや版材、スキージ
を摺動するときの条件が一定ならば、同じ印刷物が多量
に複製できる点に着目し、スクリーン印刷によって油相
を受容体に転移させ、油相と混和せずかつ水を主成分と
する液体に、転移後の受容体を浸して、油相成分(油相
滴)を当該受容体から分離してマイクロカプセル化する
ものである。
【0009】即ち、本発明では、一定サイズの孔が開い
たスクリーン版を用いてスクリーン印刷を行うことによ
り油相を受容体上に転移させ、当該受容体から油相を水
相中に分離して一定体積の油相滴を得た後、さらにこの
油相滴を既知のマイクロカプセル化の処方を用いてマイ
クロカプセル化することで、油相の粒子径が一定化し、
粒径分布の幅が狭いマイクロカプセルを製造することが
できる。そして、スクリーン版に形成する孔のサイズ
(孔径)を変えることで粒子径を自在に変えることがで
きる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係るマイクロカプセルの
製造方法では、油相を受容体に転移させる工程におい
て、スクリーン印刷の技術を用いる。
【0011】例えば、一定の粒子径を持つカプセルを製
造する為に、図1に示すような、一定の大きさの孔1、
1、…が開いたスクリーン版2を用意する(一定の孔径
Dをもって一定のピッチPで格子状に配列された多数の
円孔が形成されたスクリーン等。)。その際、各孔のサ
イズは目的とするマイクロカプセルのサイズに合わせて
適宜に選択する。尚、ある孔とこれに隣接する孔の形成
間隔(図の「P」を参照)については、受容体に油相を
転移したときに油相が滲んでも触れることのない間隔を
もって各孔が形成されていることが必要である。つま
り、転移した油相が広がったとしても、互いに触れ合う
ことのない間隔が必要であり、油相の量や粘度等の条件
によって油相の広がり具合が変わることを考慮して孔の
形成間隔を規定することが望ましい。
【0012】スクリーン版2に油相を載せてスキージを
摺動させると、スクリーン版2に開けられた各孔1を通
り、一定の間隔で一定量の油相が受容体に転移し、図2
のようになる。
【0013】例えば、受容体として水溶性高分子3を用
いる場合に、当該受容体を水相に浸すと、水溶性高分子
が溶解を始め、受容体上の油相4、4、…が支えを失っ
て受容体から分離し、油相の表面張力により球形となり
油相滴となる。このように、水相については、油相と混
和しない、水を主成分とする液体であって、これに転移
後の受容体を浸すことで、油相を受容体から分離するこ
とができる。
【0014】受容体から分離された油相滴をマイクロカ
プセル化する方法としては、既知の方法を用いることが
可能である。例えば、高分子壁膜材として、ポリウレタ
ン、ポリウレア、ポリウレタン・ポリウレア、ポリエス
テル、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹
脂、メラミン樹脂、ゼラチン等を用いる界面重合法、I
n−Situ法、相分離法、液中乾燥法等が挙げられ
る。
【0015】好ましい例として、ポリウレアを壁膜材と
する界面重合法を用いた場合(当該方法によるカプセル
を、以下、「ポリウレアカプセル」という。)について
説明する。
【0016】ポリウレアカプセルの製法の概略を示すと
次のようになる。
【0017】先ず、保護コロイドとして水溶性高分子を
含む水相中にポリイソシアネートを含む油相滴をつく
る。これだけでも水相中の水とポリイソシアネートが反
応し、その結果としてポリウレアの壁膜を形成するが、
マイクロカプセルの品質を向上させるために、普通はこ
こにポリアミンを加える。
【0018】ポリイソシアネートの具体例としては、ノ
ルボルネンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−
トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシ
アネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジ
フエニルメタン−4,4−ジイソシアネート、3,3’
−ジメトキシ−4,4’−ビフエニル−ジイソシアネー
ト、3,3’−ジメチルジフエニルメタン−4,4’−
ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネ
ート、4,4’−ジフエニルプロパンジイソシアネー
ト、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン
−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,
2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジ
イソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート類、
4,4’,4’’−トリフエニルメタントリイソシアネ
ート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等の
トリイソシアネート類、4,4’−ジメチルジフエニル
メタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等
の、テトライソシアネート類が挙げられる。
【0019】さらには、ポリイソシアネートとポリオー
ルの付加物、例えば、トルイレンジイソシアネートとト
リメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソ
シアネートとトリメチロールプロパンの付加物等、イソ
シアーヌレート型ポリイソシアネート、ビュウレット型
ポリイソシアネート、アダクト型ポリイソシアネート等
を用いることもできる。
【0020】ポリアミンの具体例としてはエチレンジア
ミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン、キシリレンジアミン、p−フエニレンジアミン、m
−フエニレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラ
ジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−ヒドロキシト
リメチレンジアミン等が挙げられる。
【0021】水相に用いる水溶性高分子の具体例として
は、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げら
れる。
【0022】尚、受容体として用いる水溶性高分子につ
いては、水に対する溶解性の高いものが好ましく、具体
例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピドリ
ドン、デキストリン、でんぷん等が挙げられる。
【0023】マイクロカプセルの壁膜の形成方法には、
芯物質等の周りに壁膜を付ける方法と、油相内の壁材と
水相内の壁材とを反応させて壁膜を形成する方法とが挙
げられ、後者では壁材の全部を油相に含める方法と、壁
材の一部分を油相に含める方法が挙げられるが、本発明
に関する限り、それらの如何を問わずに適用が可能であ
る。
【0024】また、受容体として水溶性の高分子フィル
ムを用いる場合には、これに油相をスクリーン印刷で転
写させた後で、当該フィルムを溶解させることで油相を
受容体から分離することができる。尚、高分子フィルム
が水に溶けるまでの所要時間や水溶液の濃度(高分子が
溶けることで水溶液の高分子濃度が増す。)等を考慮し
た場合に、できるだけ薄膜のフィルムであることが好ま
しい。また、水に溶かすことのできる水溶性高分子の量
については条件に応じた限界が当然に存在するので、水
溶性高分子の使用量を極力少なくすることが好ましい
が、水溶性高分子自体を取り扱い易くするには、ある程
度の強度を必要とするので、厚みの決定にあたっては、
それらの要因を吟味して行うことが好ましい。
【0025】尚、取り扱い上の強度を必要とする場合に
おいて、水溶性高分子の塗布層を支持体上に設けた構成
の受容体を用いる形態が挙げられる。つまり、水溶性高
分子自体の強度を問題にすることなく、支持体によって
必要な取り扱い強度を得ることが可能となり、水溶性高
分子の膜を薄くすることができる(よって、単位面積当
たりの、水溶性高分子の使用量を少なくすることができ
る。)。
【0026】支持体として用いることができる媒体の具
体例としては、紙、プラスチックフィルム、ラミネート
紙、合成紙等が挙げられる。また、水溶性高分子の塗布
層を支持体に形成するには、機械的な方法として各種の
コータ(エアドクタコータ、ブレードコータ、スクイズ
コータ、グラビアコータ、バーコータ等)を用いること
ができる。
【0027】尚、上記のように本発明ではスクリーン印
刷を用いるが、当該印刷が可能な粘度については1乃至
数10Pa・sの範囲であり、また、本発明において好
適なカプセルサイズとしては、0.01乃至5mm程度
の範囲である。そして、本発明に係る芯物質としては、
液体に限らず、固体や微粒子(酸化チタン等)を用いる
ことが可能である。
【0028】
【実施例】本発明に係る製造方法を用いて、光硬化剤を
内包するポリウレアカプセルを作成する場合の各実施例
について以下に説明する。 (1)実施例1について ・スクリーン版 紗はインチ80メッシュで線径71μm、膜厚は520
μmのスクリーン版に直径1.6mmの孔を開けたも
の。
【0029】・受容体 クラリア#3500 膜厚35μm(クラレ製ビニロン
フィルム) ・油相 酢酸エチル1gにp−メトキシフェノール0.01g
(熱重合禁止剤)、NKエステルTMPT(新中村化学
製光硬化樹脂)2g、イルガキュア651(チバ・スペ
シャルティ・ケミカルズ製光重合開始剤)0.1g、ア
エロジルR972(日本アエロジル製シリカ)0.15
g、バーノックD−750(大日本インキ化学工業製の
ポリイソシアネートとポリオールの付加物)1.25
g、バーノックDN−950(大日本インキ化学工業製
ポリイソシアネートとポリオールの付加物)1.25g
を加よく撹拌した。
【0030】・スクリーン印刷工程 上記受容体の上にセットした上記スクリーン版に油相を
載せてスキージを摺動させ、受容体に油相を転移させ
た。
【0031】・反応工程 PVA−217EE(クラレ製ポリビニルアルコール)
5wt%(重量百分率)水溶液500gに油相を転移し
た受容体を浸し、油相滴が受容体から分離したら(1分
程度)ジエチレントリアミン10wt%を10g加え5
0゜Cに保ちながら攪拌装置(スリーワンモーター:新
東科学製)を用いて150rpm(毎分回転数)で攪拌
しながら3時間反応させた。
【0032】・洗浄、濾過、乾燥工程 上記反応系の温度を室温まで下げてから、数回の水洗浄
工程により不要物(ポリビニルアルコール等。)を洗い
流した後、濾過して常温で数日間(3日程度)、乾燥風
にあてて乾燥させた。
【0033】・結果 完成したマイクロカプセルをフルイにかけ粒径を調べる
と、平均粒径が0.90mm、標準偏差0.06であっ
た。
【0034】(2)実施例2について 受容体として、PVP K−15(アイエスピーリミテ
ッド製ポリビニルピドリドン)を連量90Kgの上質紙
上に乾燥後塗布量が11g/m2になるよう塗布したも
のを用い、それ以外の条件や手順等については上記実施
例1と同様にしてポリウレアカプセルを作成した。
【0035】完成したマイクロカプセルをフルイにかけ
粒径を調べると、平均粒径が0.95mm、標準偏差
0.06であった。
【0036】(3)実施例3について 上記実施例2で用いたスクリーン版の孔のサイズを1.
0mmに変更し、それ以外の条件や手順等については上
記実施例2と同様にしてポリウレアカプセルを作成し
た。
【0037】完成したマイクロカプセルをフルイにかけ
粒径を調べると、平均粒径が0.50mm、標準偏差
0.05であった。
【0038】(4)実施例4について 上記実施例2で用いたスクリーン版の孔のサイズを2.
0mmに変更し、それ以外の条件や手順等については上
記実施例2と同様にしてポリウレアカプセルを作成し
た。
【0039】完成したマイクロカプセルをフルイにかけ
粒径を調べると、平均粒径が0.97mm、標準偏差
0.07であった。
【0040】(5)実施例5について 上記実施例2で用いたスクリーン版の孔のサイズを3.
0mmに変更し、それ以外の条件や手順等については上
記実施例1と同様にしてポリウレアカプセルを作成し
た。
【0041】完成したマイクロカプセルをフルイにかけ
粒径を調べると、平均粒径が1.29mm、標準偏差
0.07であった。
【0042】上記(1)乃至(5)の各実施例に対して
下記に示す比較例を設定した。
【0043】比較例について ・油相 実施例1と同様に作成した。
【0044】・乳化 PVA−217EE(クラレ製ポリビニルアルコール)
5wt%水溶液500gに上記油相を加え攪拌装置(ス
リーワンモーター:新東科学製)を用い200rpmで
5分間撹拌して乳化した。
【0045】・反応工程 ジエチレントリアミン10wt%を10g加え、50゜
Cに保ちながら回転数を150rpmにして攪拌しなが
ら3時間反応させた。
【0046】・洗浄、濾過、乾燥工程 上記反応系の温度を室温まで下げてから、数回の水洗浄
工程により不要物(ポリビニルアルコール等。)を洗い
流した後、濾過して常温で数日間(3日程度)、乾燥風
にあてて乾燥させた。
【0047】・結果 完成したマイクロカプセルをフルイにかけ粒径を調べる
と、平均粒径が0.8mm、標準偏差0.32であっ
た。
【0048】従って、前記した各実施例と上記比較例か
ら明らかなように、実施例1乃至5において粒径のバラ
ツキが小さいことが分かる。
【0049】尚、各実施例により得られた結果からは、
スクリーン版の孔サイズと、マイクロカプセルの平均粒
径とが比例関係にないが、孔径あるいは孔部の体積を変
化させること以外の条件を一定に整えて、マイクロカプ
セルの平均粒径がどのように変化するかについての実験
データを収集することにより、所望の平均粒径に対して
スクリーン版の孔サイズを決定することができる。ま
た、孔サイズが一定であってバラツキ等のない理想状態
では、マイクロカプセルの粒径分布について広がりのな
い単分散となる筈であるが、実際には、スクリーン印刷
での転移量の誤差や、反応中のカプセル同士の凝集等に
より分散の度合いが変化するので、各種要因に配慮して
粒径分布を制御する必要がある。
【0050】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、請求項1に係る発明によれば、一定サイズの孔が開
いたスクリーン版を用いたスクリーン印刷によって油相
を受容体上に転移させ、当該受容体から油相を水相中に
分離して一定体積の油相滴を得た後に、さらにこの油相
滴をマイクロカプセル化することで、マイクロカプセル
に係る粒子径の均一化を実現することができる。特に、
液体の芯物質をもつマイクロカプセルの製造において有
効である。
【0051】請求項2に係る発明によれば、受容体とし
て水溶性高分子フィルムを用いることにより、当該フィ
ルムに油相を容易に転写してこれを溶解させることで油
相を水相中に分離することができる。
【0052】請求項3に係る発明によれば、支持体を用
いることで取り扱い強度を増すことができるとともに、
水溶性高分子の膜厚を薄くすることができ、その使用量
が少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクリーン版の一例を示す説明図である。
【図2】水溶性高分子及びその上の油相を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1…孔、2…スクリーン版、3…水溶性高分子、4…油
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 和広 埼玉県所沢市南永井667番地の1 株式会 社ビーエフ所沢工場内 Fターム(参考) 4C076 AA61 GG21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロカプセルの芯物質又は芯物質及
    び壁膜材の全部若しくは一部を、スクリーン印刷によっ
    て受容体に転移させる工程と、 上記芯物質又は芯物質及び壁膜材の全部若しくは一部と
    混和せず、かつ水を主成分とする液体に、上記転移後の
    受容体を浸し、芯物質又は芯物質及び壁膜材の全部若し
    くは一部を当該受容体から分離してマイクロカプセル化
    する工程とを有することを特徴とするマイクロカプセル
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 受容体として水溶性高分子フィルムを用
    いたことを特徴とする請求項1に記載のマイクロカプセ
    ルの製造方法。
  3. 【請求項3】 受容体が水溶性高分子の塗布層を支持体
    上に設けたものであることを特徴とする請求項1に記載
    のマイクロカプセルの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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