JP3202266B2 - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルの製造方法

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JP3202266B2 JP20930191A JP20930191A JP3202266B2 JP 3202266 B2 JP3202266 B2 JP 3202266B2 JP 20930191 A JP20930191 A JP 20930191A JP 20930191 A JP20930191 A JP 20930191A JP 3202266 B2 JP3202266 B2 JP 3202266B2
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伸介 入井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感圧複写シート等に用
いられるマイクロカプセルの製造方法に関し、特に均一
な粒度分布が得られるマイクロカプセルの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】感圧複写シートは、別々のウエブ上に2
種の塗工層を形成したシートを組み合わせて記録を得る
ものである。その一方は、塩基性ロイコ染料等の発色剤
を溶解した疎水性液体を内包するマイクロカプセル含有
層である。もう一方は顕色剤含有層で、カプセル層と相
対した別のウエブ上に形成される。そして、外圧により
カプセルを破壊し内部の疎水性液体を流出させて、顕色
剤と反応させることにより発色像が得られる。青、赤、
黒色等の色相は、染料種類により選択される。
【0003】また、基紙表面に呈色剤含有層を、そして
裏面にマイクロカプセル含有層を各々塗布した中用紙
を、上用紙と下用紙の間に必要な枚数だけ挿入すること
により多数枚の複写も得ることができる。また、感圧複
写シートの一種に上記のマイクロカプセルと呈色剤を積
層又は混合層として形成した所謂単体感圧複写シートも
用いられている。
【0004】マイクロカプセルの製造においては平均粒
子径を一定の値に調整しているが、基準の粒径より大き
いマイクロカプセルが多く含まれると、取扱上のコスレ
等によりカプセルが壊れ顕色剤含有層上に発色汚れを生
じる欠点があった。逆に、マイクロカプセルの粒径が小
さいと、発色性能が悪くなるため、目標粒径に対し、大
多数のカプセル径が均一である事が望ましい。
【0005】そして疎水性液体の分散工程は、マイクロ
カプセルの粒径分布を決定する段階であるため、最も重
要な工程である。従来より、カプセル粒径分布を均一に
する試みが、特開昭56−147627号、特開昭58
−40142号、特開昭58−202034号、特開昭
59−87036号、特開平2−160579号公報等
に提案がされている。
【0006】これらの提案は、乳化器と呼ばれる分散器
を用いるもので、分散器は、4〜5枚の羽根刃を有する
ローター(1)と、ローターと合致する略円錐状のくぼ
みを有し、羽根と相対する穴(2)を数箇所設けたステ
ーター(3)により構成されていた(図4参照)。そし
て、ローター(1)を回転させる事によりローター
(1)とステーター(3)間の隙間で剪断力を発生させ
て疎水性液体を親水性液体中に乳化分散させていた。
【0007】この様な方法には2種類有り、一つはバッ
チ式と呼ばれる方法で、ローターとステーターがタンク
内にセットされ、ローターをモーターにより回転する方
式である。タンク中の混合液を、一定時間分散させる事
により、乳化を行っていた。バッチ式では、液の循環を
促進させる為に、ステーターに渦巻ポンプ内部の羽根と
同様の角度とひねりを加え、数100 l/min の流量を確
保し、循環分散を行っていた。
【0008】一方、連続式は図4に例示するものであ
り、ローター(1)とステーター(3)をタンク内の液
中に入れるのではなく、ローター(1)とステーター
(3)を円筒中に入れ、配管にて分散する混合液を分散
器に導入し、分散乳化を行う方法である。この場合、分
散効率を上げる為に、数組のローターと、ステーターの
セットを円筒中に入れ、しかも剪断回数を上げる為に循
環ラインを設ける事も一般に行われ、しかもバッチ式と
同様に渦巻ポンプ羽根状のひねりを加え、数100リッ
トル/分の流量を確保し、剪断回数を上げている。しか
しながら、この様な手段をとっても、液に対する剪断回
数は均一にならないため、粒径分布が広く、目標粒径に
対し、数%〜数100 %の広い範囲で粒径が分布するマイ
クロカプセルしか得られなかった。
【0009】これは、分散器の剪断回数が被分散液に対
し、少ない事に起因しており、他方、分散液中の別の部
位は、循環することにより何回も剪断力が加わり、目標
粒径よりも、非常に細かい粒径が発生する。この為、目
標粒径は各粒径の平均値で管理するしか方法はなく、従
来法では感圧記録シートの品質の安定性に問題があっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感圧複写シ
ートのマイクロカプセル造粒工程に関し、カプセル粒径
を均一化し、発色性能を安定化させ、大粒径のマイクロ
カプセルによるヨゴレ発生、及び少粒径のマイクロカプ
セルによる発色能の低下のない極めて安定した発色性能
を有するマイクロカプセルの製造方法を提供するもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、円筒状で内壁
に突起状の刃を有し、冷媒を通過せしめるジャケット構
造を有するステーターと、その内部にあり外壁に突起状
の刃を有する円筒状のローターを有し、前記ローターを
回転させることにより、ステーターとローターの間隔を
通過する液体に剪断力を与える分散器により、分散器内
部を冷却しながら疎水性液体を親水性液体中に乳化分散
し、その乳化分散された疎水性液滴を内包する壁膜を形
成するマイクロカプセルの製造方法である。
【0012】また本発明は、円筒状で内壁に突起状の刃
を有するステーターと、その内部にあり外壁に突起状の
刃を有する円筒状のローターを有し、前記ローターを回
転させることにより、ステーターとローターの間隔を通
過する液体に剪断力を与える分散器により、発色剤を含
有する疎水性液体を親水性液体中に乳化分散し、その乳
化分散された疎水性液滴を内包する壁膜を形成する感圧
複写シート用マイクロカプセルの製造方法である。
【0013】
【0014】
【0015】
【作用】マイクロカプセル化法には種々の方法がある
が、中でも合成樹脂壁膜を有するマイクロカプセルは、
カプセル強度やカプセル調製の容易さ等から好ましい。
壁膜を形成する樹脂としては、例えばアミノアルデヒド
樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド
樹脂等が例示できる。
【0016】アミノアルデヒド樹脂壁膜を有するカプセ
ルは、例えば、尿素、チオ尿素、アルキル尿素、エチレ
ン尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミ
ン、グアニジン、ビウレット、シアナミド等の少なくと
も1種のアミン類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミ
ン、グルタールアルデヒド、グリオキザール、フルフラ
ール等の少なくとも1種のアルデヒド類あるいはそれら
を縮合して得られる初期縮合物等を使用したin-situ 重
合法によって製造される。
【0017】ポリウレタン樹脂やポリウレア樹脂壁膜カ
プセルは、例えば、多価イソシアネートと水、多価イソ
シアネートとポリオール、イソチオシアネートと水、イ
ソチオシアネートとポリオール、多価イソシアネートと
ポリアミン、イソチオシアネートとポリアミン等を使用
した界面重合法によって製造される。また、ポリアミド
樹脂壁膜カプセルは、酸クロライドとアミン等の界面重
合法によって製造される。
【0018】本発明の分散方法は、上記の様な壁膜のカ
プセル化等に適用できるが、分散に要する時間が極めて
短いため、長時間の分散でカプセル品質が変化し易い界
面重合法カプセル化に特に有用である。例えばポリウレ
タン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレアウレタン樹脂壁
膜カプセルの製造法では、ロイコ染料等の発色剤を溶解
した疎水性液体と多価イソシアネートの混合液を、乳化
剤を含有する親水性液体に加え、予備攪拌した後本発明
の分散器に投入する。
【0019】或いは、ロイコ染料等を溶解した疎水性液
体と多価イソシアネートの混合液と、乳化剤を含有する
親水性液体の2種を本発明で用いる分散器にそれぞれ一
定量同時に投入しても良い。しかるに、造粒工程では、
この2液を均一にしかも目標粒径、例えば3〜20μの
範囲に大多数の粒子が入るように分散、乳化する事が最
も大切である。しかし、従来の大容量の液流をロータ
ー、ステーター間に投入し、剪断力により分散する方法
(図4)では、液に対し分散させる力が非常に粗く、液
の分散乳化では、粒径を均一にすることが出来なかっ
た。その為、通過回数を多くし、均一化する為に循環方
式がとられていたが、その結果、粒度分布は細かい粒径
から極めて大きな粒径迄広く分布し、均一な粒径に乳化
することが出来なかった。
【0020】本発明では、循環により剪断回数を増やす
ことは通常必要ない。以下に図1を使って説明する。比
較的小容量の2液を造粒分散器に、例えば下部より連続
的に投入し、液はローターの遠心力によりステーター
(4)内壁に均一な液膜を形成する。しかも液膜は連続
的に注入される液圧により順次上方向へステーター内壁
に沿い進行する。ステーター内壁には、例えば角錘台状
の刃が一定間隔で多数配設され、しかも好ましくはその
刃と一定の隙間を保つ様にローター(5)外周に配設さ
れた刃の間を通過する事になる。図2は、ローター
(5)をステーター(4)から抜き出した状態を示すも
のであり、この図2では突起刃を一部省略して記載して
いる。
【0021】刃の形状は角錘台に限らず、円錘台、及び
多角錘等をも含むものとする。ステーター及びローター
刃間の隙間を通過する液は、ローターが円周方向に高速
で回転している為にステーターとローターに配設される
刃により剪断力がかかり、例えば下部より上部に行く際
に順次緻密に分散される。粒径のコントロールは、通過
流量を増減させるか、若しくは剪断回数を増減させる目
的でローター回転数を変化させる事で正確に行える。ス
テーターの突起状の刃とローターの突起状刃の間隔は図
3に示すが、好ましくは間隔が0.1〜1.0mm、よ
り好ましくは0.3〜1.0mm程度である。
【0022】ローター外周の速度は5〜25m/sec
程度が好ましく、より好ましくは10〜20m/sec
程度である。このようにして本発明では粒径を容易に制
御可能であり、目標粒径への調整は簡単である。また、
この分散器では、構造上通過液に対し単位容積当たりの
剪断回数が同一になるから、粒径は大多数が均一になる
特徴を有している。分散中に高温になれば内部の疎水性
液体が活性化し、粒径が細かくなる性質があるが、冷却
を行うと、更に粒径のコントロールが容易になる。
【0023】ステーター部に冷却用ジャケット(6)を
有する態様が温度を調整するために好ましく、ステータ
ー内壁の刃が冷却表面積を増大させている事から、冷却
効率が高い。本発明では、分散、乳化の工程で粒径を均
一にコントロールできるため、大粒径のカプセルによる
ヨゴレ発色や、少粒径による発色の低下等もなくなり、
発色性能が安定した感圧複写シートが得られる。
【0024】感圧複写シート用のカプセル粒径は、膜材
や、膜厚等により一概には言えないが、合成樹脂膜の場
合、例えば3〜20μ程度である。感圧複写紙の場合目
標の平均粒子径に対し、±20%以内に収まる割合が、
65%程度以上が好ましい。このためには、周速、刃の
間隔、流量等を適宜調整するのが好ましい。
【0025】発色剤としては、特に限定しないが、トリ
フェニルメタン・フタリド系、フルオラン系、フェノチ
アジン系、フェノキシジン系、ローダミンラクタム系、
トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、スピロピ
ラン系、インドリルフタリド系等の塩基性ロイコ染料等
が例示できる。疎水性液体としては、例えば綿実油、水
素化ターフェニル、水素化ターフェニル誘導体、アルキ
ルビフェニル、アルキルナフタレン、ジアリールアルカ
ン、灯油、パラフィン、ナフテン油、フタル酸エステル
などの二塩基酸エステル等、天然又は合成の疎水性液体
の一種以上が使用される。
【0026】また親水性媒体中に含有させる乳化剤とし
ては、各種のアニオン、ノニオン、カチオン、又は両性
水溶性高分子が使用される。アニオン性高分子として
は、例えば−COO- ,−SO3 - ,−OPO3 --基等
を有するアラビアガム、カラジーナン、アルギン酸ソー
ダ、ペクチン酸、トラガカントガム、アーモンドガム、
寒天等の天然高分子、カルボキシメチルセルロース、硫
酸化セルロース、硫酸化メチルセルロース、カルボキシ
ジメチル化澱粉、リン酸化澱粉、リグニンスルホン酸等
の半合成高分子、無水マレイン酸系(加水分解したもの
も含む)共重合体、アクリル酸系、メタクリル酸系或い
はクロトン酸系の重合体及び共重合体、ビニルベンゼン
スルホン酸系或いは2−アクリルアミド−2−メチル−
プロパンスルホン酸系の重合体及び共重合体、およびか
かる重合体、共重合体の部分アミド又は部分エステル化
物、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン酸
変性ポリビニルアルコール、リン酸変性ポリビニルアル
コール等の合成高分子等が挙げられる。
【0027】更に具体的には、無水マレイン酸系(加水
分解したものも含む)共重合体としては、メチルビニル
エーテル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マ
レイン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体、メタクリルアミド−無水マレイン酸共重合体、イソ
ブチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられ、アク
リル酸系共重合体、メタクリル酸系共重合体或いはクロ
トン酸系共重合体としては、アクリル酸メチル−アクリ
ル酸共重合体(以下”共重合体”は略す)アクリル酸エ
チル−アクリル酸、アクリル酸メチル−メタクリル酸、
メタクリル酸メチル−アクリル酸、メタクリル酸メチル
−メタクリル酸、アクリル酸メチル−アクリルアミド−
アクリル酸、アクリロニトリル−アクリル酸、アクリロ
ニトリル−メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレー
ト−アクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート−メ
タクリル酸、酢酸ビニル−アクリル酸、酢酸ビニル−メ
タクリル酸、アクリルアミド−アクリル酸、アクリルア
ミド−メタクリル酸、メタクリルアミド−アクリル酸、
メタクリルアミド−メタクリル酸、酢酸ビニル−クロト
ン酸等の共重合体が挙げられ、ビニルベンゼンスルホン
酸系、或いは2−アクリルアミド−2−メチル−プロパ
ンスルホン酸系共重合体としては、アクリル酸メチル−
ビニルベンゼンスルホン酸(又はその塩)共重合体、酢
酸ビニル−ビニルベンゼンスルホン酸共重合体、アクリ
ルアミド−ビニルベンゼンスルホン酸共重合体、アクリ
ロイルモルホリン−ビニルベンゼンスルホン酸共重合
体、ビニルピロリドン−ビニルベンゼンスルホン酸共重
合体、ビニルピロリドン−2−アクリルアミド−2−メ
チル−プロパンスルホン酸共重合体等が挙げられる。
【0028】ノニオン性高分子としては、例えば−OH
基を有するヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ース、プルラン、可溶性澱粉、酸化澱粉等の半合成高分
子やポリビニルアルコール等の合成高分子等が挙げら
れ、カチオン性高分子としては、例えばカチオン変性ポ
リビニルアルコール等が挙げられる。また、両性高分子
としては、例えばゼラチン等が挙げられる。
【0029】形成されたマイクロカプセル分散液より、
マイクロカプセル含有塗料を調製する際には、必要によ
りデンプン類、ポリビニルアルコール類、セルロース誘
導体類、カルボン酸系ポリマー類等の水溶性高分子やア
クリル酸エステル系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ス
チレン−ブタジエン系、天然ゴム系等のラテックス等の
バインダーが使用される。また、デンプン粒子やセルロ
ース粉末等のカプセル保護剤等を添加することもでき
る。支持体としては紙、フィルム、合成紙等が使用され
る。
【0030】自己発色型感圧複写紙を製造する場合の呈
色剤としては、アタパルジャイト、酸性白土、活性白土
等の粘土物質、フェノール樹脂及び芳香族カルボン酸の
金属塩等が例示できる。カプセル含有層は、エアナイフ
コーター、ブレードコーター等の塗工機や、印刷方式等
で形成される。以上は、本発明の効果がわかり易いよう
に感圧複写シートを得る場合で説明したが、これに限定
されず、例えばトナー、染料、医薬品、香料、化粧品、
接着剤、農薬、燃料、液晶、界面活性剤用等の各種マイ
クロカプセルの製造方法としても応用できることは、い
うまでもない。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明するが、勿論これらに限定されるものではない、なお
特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ重量部
及び重量%を示す。
【0032】実施例1 ジイソプロピルナフタレン(商品名:K−113,呉羽
化学社製)に、発色剤としてクリスタルバイオレットラ
クトン5%、壁膜剤としてポリメチレンポリフェニルイ
ソシアネート(商品名:ミリオネートMR300,日本
ポリウレタン工業社製)5%、イソシアヌレート環を有
するヘキサメチレンジイソシアネートの三量体(商品
名:コロネートEH,日本ポリウレタン工業社製)5%
を各々溶解した。
【0033】この疎水性液体をポリビニルアルコール
(商品名:PVA−117,クラレ社製)の4%水溶液
に加え、プロペラミキサーで予備攪拌した。疎水性液体
とポリビニルアルコール水溶液の比率は100:150
とした。次にこの液を図1の構造を有する分散器(商品
名:トルネード,浅田鉄工社製)に投入した。この時の
条件は、流量10リットル/分、ローター回転数2000RP
M(外周速度18.8m/sec)、ローター刃とステ
ーター刃の間隔0.5 mmであり、パス回数は1回とし
た。
【0034】得られた乳化液をコールターマルチサイザ
(コールター社製)で測定したところ、平均粒径は8.1
μであり、粒径差が±20%以内に収まる割合は77%であ
った。乳化分散液100 部(不揮発分)にジエチレントリ
アミン1部を加え、ミキサーで攪拌しながら80℃まで加
温し、3時間反応させた後、室温まで温度を下げてカプ
セル化を終了した。
【0035】かくして得られたマイクロカプセル分散液
100 部(不揮発分)に、小麦デンプン80部とカルボキシ
変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス15部(固
形分)を加え、固形分濃度が20%になるように調製した
カプセル含有塗布液を得た。この塗布液を40g/m2
の原紙に乾燥重量が4g/m2 となるように塗布乾燥し
て上用紙を作成した。
【0036】実施例2 実施例1と同様の疎水性液体と親水性液体を、流量比が
100:150となるように図1の構造を有する円筒分
散乳化器に同時に投入した。この時の条件は、流量5 リ
ットル/分、回転数1500RPM(外周速度14m/se
c)、刃の間隔0.5 mmでパス回数は1回とした。
【0037】得られた乳化液をコールターマルチサイザ
ーで測定したところ、平均粒径は7.9 μで、粒径差が±
20%以内に収まる割合は72%であった。以下、実施
例1と同様にして上用紙を作成した。
【0038】実施例3 α−メチルスチレン−無水マレイン酸共重合体の5%水
溶液(pH4.5 )と発色剤としてクリスタルバイオレット
ラクトン5%を溶解したジイソプロピルナフタレンを流
量比が150:100となるように図1の構造を有する
円筒分散乳化器に同時に投入した。
【0039】この時の条件は、流量10リットル/分、回
転数2200RPM(外周速度20.7m/sec)、ロー
ター刃とステーター刃の間隔は0.3 mmでパス回数は1
回とした。得られた乳化液をコールターマルチサイザー
(コールター社製)で測定したところ平均粒径は7.3 μ
で、粒径差が±20%以内に収まる割合は75%であっ
た。
【0040】この乳化分散液に市販のメラミン−ホルム
アルデヒド初期縮合物の30%水溶液50部を加え、7
0℃で攪拌を続けながら2時間反応させた後、室温まで
温度を下げてメラミン−ホルムアルデヒド樹脂壁膜カプ
セルを調製した。以下、実施例1と同様にして上用紙を
作成した。
【0041】比較例1 実施例1と同様の予備攪拌液を、図4と同様の円錐状の
ローターとステーターを2組ではなく1組み有し、また
連続式ではなくバッチ式の分散乳化器(製品名:T.K
ホモミクサー,特殊機化工業社製)を用いて平均粒径が
8.1 μとなるまでバッチ乳化した。
【0042】この乳化液の粒径差が8.1 μの±20%以
内に収まる割合は、56%であった。以下、実施例1と同
様に処理して上用紙を作成した。
【0043】比較例2 実施例1と同様の予備攪拌液を図4の構造を有する連続
式分散乳化器(製品名:T.Kパイプラインホモミクサ
ー,特殊機化工業社製)を用いて平均粒径が8.1 μとな
るまで循環系で連続乳化した。即ち、図4の矢印に従っ
て分散乳化器で処理した液を分散乳化器は循環させて送
液しながら、一部の液を外部に取り出して乳化を行っ
た。
【0044】8.1 μの±20%以内に収まる割合は、49
%であった。以下、実施例1と同様に処理して上用紙を
作成した。かくして得られた上用紙と下用紙を用いて以
下に記載するような方法で性能比較テストを行い、その
結果を表1に記載した。
【0045】〔下用紙の作成〕水酸化アルミニウム65
部、酸化亜鉛20部、3,5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸亜鉛とα−メチルスチレン−スチレン共
重合体との混融物(混融比80/20)15部、ポリビ
ニルアルコール水溶液5部(固形分)及び水300部を
ボールミで24時間粉砕して得た分散液に、カルボキシ
変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス20部
(固形分)を加えて調製した呈色剤塗液を40g/m2
の原紙に乾燥重量が5g/m2 となるように塗布乾燥
後、キャレンダー処理して下用紙を得た。
【0046】(1)発色性 上用紙のカプセル塗布面と下用紙の顕色剤塗布面が対向
するように上用紙と下用紙を重ね合わせ、400kg/
cm2 の荷重をかけて得られた発色像の濃度をマクベス
濃度計(商品名:RD−914型,フィルタービジュア
ル)で測定した。数値が高いほど濃度が高い。
【0047】(2)耐コスレ性 発色性テストと同様に上用紙と下用紙を重ね合わせ、1
kg/cm2 の荷重をかけた状態で10回コスリ合わ
せ、顕色剤塗布面の発色汚れの程度を判定した。○;殆
ど汚れていない △;かなり汚れている ×;著し
く汚れている
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
の方法で得られたマイクロカプセルからは発色性に優
れ、且つ発色汚れが生じ難い優れた感圧複写シートが得
られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で用いる分散器の一例を示す断
面図である。
【図2】図2は、本発明で用いる分散器の一例の構成を
説明するためローターを取り外した説明図である。ロー
ターの外壁とステーターの内壁の全面に突起状刃がある
例であるが、刃は一部省略して記載した。
【図3】図3はステーターとローターの軸方向の部分断
面図である。
【図4】従来の連続乳化器の一例を示したものである。
【符号の説明】
1 ローター 2 穴 3 ステーター 4 ステーター 5 ローター 6 冷却用ジャケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 雅敏 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神 崎製紙株式会社 神崎工場内 (72)発明者 高谷 季明 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神 崎製紙株式会社 神崎工場内 (56)参考文献 特開 昭59−26129(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 13/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状で内壁に突起状の刃を有し、冷媒を
    通過せしめるジャケット構造を有するステーターと、そ
    の内部にあり外壁に突起状の刃を有する円筒状のロータ
    ーを有し、前記ローターを回転させることにより、ステ
    ーターとローターの間隔を通過する液体に剪断力を与え
    る分散器により、分散器内部を冷却しながら疎水性液体
    を親水性液体中に乳化分散し、その乳化分散された疎水
    性液滴を内包する壁膜を形成するマイクロカプセルの製
    造方法。
  2. 【請求項2】円筒状で内壁に突起状の刃を有するステー
    ターと、その内部にあり外壁に突起状の刃を有する円筒
    状のローターを有し、前記ローターを回転させることに
    より、ステーターとローターの間隔を通過する液体に剪
    断力を与える分散器により、発色剤を含有する疎水性液
    体を親水性液体中に乳化分散し、その乳化分散された疎
    水性液滴を内包する壁膜を形成する感圧複写シート用
    イクロカプセルの製造方法。
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