JP2009145610A - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規現像剤の受入口と現像剤の流入部が軸方向で一部重なり合うように構成された現像装置において、受入口を塞ぐことなく現像剤に径方向への大きな搬送力を付与すること。
【解決手段】現像剤保持体(R0y)に供給される現像剤を収容する第1現像剤収容室(7)と、受入口(3a)から流入した現像剤が収容される第2現像剤収容室(6a)と、第2現像剤収容室(6a)から第1現像剤収容室(7)に現像剤を流入させる流入部(E3)と、第1現像剤収容室(7)内の現像剤を搬送する第1搬送部材(26)と、第2現像剤収容室(6a)内の現像剤を搬送する第2搬送部材(21)と、を備え、第2搬送部材(21)は、流入部(E3)に対応する位置において第2現像剤収容室(6a)内の現像剤を磁力で保持しながら回転することを特徴とする現像装置(Gy)。
【選択図】図5

Description

本発明は、現像装置および画像形成装置に関する。
従来の電子写真方式の画像形成装置に関する技術として、下記の特許文献1記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開2002−148916号公報には、現像装置(17)内に配置されて現像剤を搬送する現像剤搬送部材において、トナーカートリッジ(44)から供給されるソフトブロッキングした新たなトナーの固まりをトナー供給領域(A)内で解消するために、トナー供給領域(A)に配置された供給オーガ(55)に弾性フィルム(100)を取り付ける技術が記載されている。特許文献1記載の技術では、供給オーガ(55)の回転に伴って弾性フィルム(100)が回転する際に、弾性フィルム(100)がトナー供給領域(A)の壁面を擦って弾性変形をして、トナーにストレスを与えながらトナーの固まりを崩している。
特開2002−148916号公報(「0030」〜「0036」、図5、図6)
本発明は、新規現像剤の受入口と現像剤の流入部が軸方向で一部重なり合うように構成された現像装置において、受入口を塞ぐことなく現像剤に径方向への大きな搬送力を付与することを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の現像装置は、
表面に現像剤を保持して回転する現像剤保持体と、
前記現像剤保持体に供給される現像剤を収容する第1現像剤収容室と、
前記第1現像剤収容室内に配置され、回転して回転軸方向へ前記第1現像剤収容室内の現像剤を搬送する第1現像剤搬送部材と、
前記現像剤保持体の現像剤が保持される現像剤保持領域の両端よりも外側に配置されると共に、新たな現像剤を受け入れる受入口を有し、前記受入口から受け入れた磁性を有する現像剤を収容する第2現像剤収容室と、
前記第2現像剤収容室から前記第1現像剤収容室へ前記現像剤を流入させる流入部と、
螺旋状の軸方向搬送羽根を有し、前記第2現像剤収容室内に配置され、回転して前記受入口から前記流入部へ現像剤を搬送する第2現像剤搬送部材と、
を備え、
前記第1現像剤搬送部材は、重力方向上方、前記第1現像剤収容室側、重力方向下方の順に回転するように回転方向が設定され、
前記受入口と前記流入部とは前記第2現像剤搬送部材の回転軸方向において少なくとも一部が重なり合っており、
前記第2現像剤搬送部材は、前記受入口と前記流入部とが重なり合っている位置と軸方向で重なる位置には、磁性を帯び且つ軸方向よりも径方向への搬送力が大きい径方向搬送部材を有する
ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、
前記径方向搬送部材は、前記第2現像剤搬送部材の回転軸に設けられ径方向に突出し且つ軸方向よりも径方向への搬送力が大きい径方向搬送羽根に支持されることにより、前記径方向搬送羽根を介して前記回転軸に支持されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の現像装置において、
前記径方向搬送部材は、前記現像剤と接触する際に前記径方向搬送部材、前記径方向搬送羽根の順で現像剤と接触するように前記径方向搬送羽根に支持されたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の現像装置において、
前記径方向搬送羽根は、螺旋状の前記軸方向搬送羽根の前記現像剤搬送方向の下流端から回転軸周方向に離れた位置に配置され、且つ、螺旋状の前記軸方向搬送羽根の厚みを構成する内側螺旋および外側螺旋の周方向への仮想延長線上において前記軸方向搬送羽根の前記現像剤搬送方向で前記径方向搬送羽根の下流端が前記内側螺旋の仮想延長線と前記外側螺旋の仮想延長線との間に配置されたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載の現像装置において、
前記径方向搬送羽根は、前記回転軸の軸方向に沿って前記軸方向搬送羽根の搬送方向で前記受入口の下流端よりも上流側から下流側に向かって形成されたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項6に記載の発明の現像装置は、
表面に現像剤を保持して回転する現像剤保持体と、
前記現像剤保持体に供給される現像剤を収容する第1現像剤収容室と、
前記第1現像剤収容室内に配置され、回転して回転軸方向へ前記第1現像剤収容室内の現像剤を搬送する第1現像剤搬送部材と、
前記現像剤保持体の現像剤が保持される現像剤保持領域の両端よりも外側に配置されると共に、新たな現像剤を受け入れる受入口を有し、前記受入口から受け入れた磁性を有する現像剤を収容する第2現像剤収容室と、
前記第2現像剤収容室から前記第1現像剤収容室へ前記現像剤を流入させる流入部と、
螺旋状の軸方向搬送羽根を有し、前記第2現像剤収容室内に配置され、回転して前記受入口から前記流入部へ現像剤を搬送する第2現像剤搬送部材と、
を備え、
前記第2現像剤搬送部材は、前記流入部に対応する位置において前記第2現像剤収容室内の現像剤を磁力で保持しながら回転することを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項7に記載の発明の画像形成装置は、
表面に潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体の潜像を可視像に現像する請求項1ないし6のいずれかに記載の現像装置と、
前記像保持体表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体表面の可視像を定着する定着装置と、
を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、受入口を塞ぐことなく現像剤に径方向への大きな搬送力を付与することができる。
請求項2に記載の発明によれば、現像剤の撹拌性を付与することができると共に、径方向搬送羽根を介して磁石部材を支持し、搬送力を付与することもできる。
請求項3に記載の発明によれば、径方向搬送羽根が先に現像剤に接触するように支持される場合に比べて、現像剤へより大きな径方向への搬送力を付与することができる。
請求項4に記載の発明によれば、径方向搬送羽根が軸方向搬送羽根に接続されている場合に比べて、現像剤の滞留をさらに低減することができると共に、組立性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合比べて、受入口から受け入れた現像剤への軸方向への搬送力の低下を抑制したまま径方向への搬送力を付与することができる。
請求項6に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、受入口を塞ぐことなく現像剤に径方向への大きな搬送力を付与することができる。
請求項7に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、受入口を塞ぐことなく現像剤に径方向への大きな搬送力を付与することができ、現像剤の滞留を低減することができ、滞留した現像剤が凝集し、凝集した現像剤が現像に使用された場合に発生する白抜けのような画像欠陥の発生を低減することができる。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例である実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、画像形成装置Uは自動原稿搬送装置U1と、これを支持し且つ上端に透明な原稿読取り面PGを有する画像形成装置本体U2とを備えている。
前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿給紙部TG1と、原稿給紙部TG1から給紙され前記原稿読取り面PG上の原稿読取位置を通過して搬送される原稿Giが排出される原稿排紙部TG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、利用者が画像形成動作開始等の作動指令信号を入力操作する操作部UIと、露光光学系A等を有している。
前記自動原稿搬送装置U1で原稿読取り面PG上を搬送される原稿または手動で原稿読取り面PG上に置かれた原稿からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、固体撮像素子CCDで赤R、緑G、青Bの電気信号に変換される。
画像情報変換部IPSは、固体撮像素子CCDから入力される前記RGBの電気信号を黒K、イエローY、マゼンタM、シアンCの画像情報に変換して一時的に記憶し、前記画像情報を所定の時期に潜像形成用の画像情報として潜像形成装置駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を所定の時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
前記画像形成装置Uの重力方向中央部に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、Y、M、C、およびKの各色の可視像を形成する装置である。
潜像形成装置LHy〜LHkの各潜像書込光源から出射したY,M,C,Kの潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkは、それぞれ、回転する像保持体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
前記Yの可視像形成装置Uyは、回転する像保持体PRy、帯電器CRy,潜像形成装置LHy、現像装置Gy、転写器T1y、像保持体清掃器CLyを有している。なお、実施例1では、前記像保持体PRy、帯電器CRy、像保持体清掃器CLyが、画像形成装置本体U2に対して一体的に着脱可能な像保持体ユニットとして構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
図1,図2において、前記各像保持体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y、Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールR0y,R0m,R0c,R0kに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定の時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
前記各像保持体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留物、付着物は、像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。清掃された前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
前記像保持体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、中間転写体張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび二次転写領域対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは、前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより構成される中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより回転移動可能に支持されている。
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写部材の一例としての二次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで一次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
前記一次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび二次転写器T2等により、像保持体PRy〜PRkに形成された画像を媒体に転写する実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。
前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、ガイド部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが3段設けられており、前記ガイドレールGRには、給紙容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR3が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR3に収容された媒体の一例としての記録シートSは、媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートSは、媒体搬送路の一例であるシート搬送路SHに沿って媒体搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された転写領域搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。前記シート搬送路SH、シート搬送ロールRa、レジロールRr等によりシート搬送装置SH+Ra+Rrが構成されている。
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写器T2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写器T2により記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。加熱定着された記録シートSは、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhに排出される。
なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
前記ベルトモジュールBMの上方にはイエローY,マゼンタM,シアンC,黒Kの各現像剤を収容する現像剤補給容器の一例としての現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkに収容された現像剤は、前記現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤の消費に応じて前記各現像装置Gy,Gm,Gc,Gkに補給される。なお、実施例1では、現像装置Gy〜Gkに収容される現像剤として、磁性のキャリアと、外添剤が付与されたトナーとを含む二成分現像剤により構成されており、現像剤カートリッジKy〜Kkからは、現像装置Gy〜Gk内の現像剤に比べてキャリアに対するトナーの割合が多い、いわゆる高濃度トナーが補給される。
図1において、前記画像形成装置Uは上側枠体UFと下側枠体LFとを有しており、上側枠体UFには、前記可視像形成装置Uy〜Ukおよび可視像形成装置Uy〜Ukよりも上方に配置された部材、すなわち、ベルトモジュールBM等が支持されている。
また、下側枠体LFには、前記給紙トレイTR1〜TR3を支持するガイドレールGRおよび前記各トレイTR1〜TR3から給紙を行う前記給紙部材、すなわち、ピックアップロールRp,さばきロールRs,シート搬送ロールRa等が支持されている。
(現像装置の説明)
図3は本発明の実施例1の現像装置の説明図であり、図3Aは現像容器カバーが除去された状態の要部断面斜視説明図、図3Bは供給オーガの説明図、図3Cは撹拌オーガの説明図である。
図4は図3AのIV−IV線断面図である。
図5は図3AのV−V線断面図である。
次に、前記本発明の実施例1の現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの説明をするが、各色の現像装置Gy,Gm,Gc,Gkは同様に構成されているため、Y色の現像装置Gyについてのみ詳細な説明をし、その他の色の現像装置Gm,Gc,Gkについては、詳細な説明を省略する。
図2〜図5において、像保持体PRyに対向して配置された現像装置Gyは、現像ロールR0yに供給されるトナー及びキャリアを含む2成分現像剤を収容する現像容器Vを有している。前記現像容器Vは、現像容器本体1と、図4に示すように現像容器本体1の上端を塞ぐ蓋部材の一例としての現像容器カバー2と、図3に示すように現像容器本体1の前端に連結された現像剤給廃棄部材の一例としての現像剤給廃棄筒3とを有している。図4において、実施例1の現像容器Vは、像保持体PRyに対向する現像領域Q2yに対応して、開口V1が形成されており、開放されている。
図2〜図4において、現像容器本体1はその内側に、現像剤保持体収容部の一例としての現像ロール室4と、前記現像ロール室4に隣接する供給現像剤収容室の一例としての供給室6と、現像容器Vの横方向および縦方向の大きさを小型化するために前記供給室6の右斜め下方に隣接して配置された第1現像剤収容室の一例としての撹拌室7とを有している。前記現像ロール室4内には、現像剤保持体の一例としての現像ロールR0yが収容されており、前記現像ロールR0yは外表面の一部が開口V1で像保持体PRy側に露出しており、像保持体PRyに対向して配置されている。前記現像ロールR0yの回転方向上流側には、現像ロールR0y表面の現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材8が設けられている。
なお、図4において、前記現像容器Vの前後両端部には、像保持体PRyに対向する側に、現像ロールR0yと像保持体PRyとの間隔を所定の間隔にするための突き当て部材Va、いわゆるトラッキング部材が支持されている。
図3において、前記供給室6の前側には、前記現像ロールR0yの現像剤が保持される領域である現像剤保持領域ARの前側に配置される第2現像剤収容室の一例として、現像剤給廃棄筒3内部の給廃棄室6aが接続されている。同様に、前記撹拌室7の前側には、現像剤給廃棄筒3内部の補給室7aが接続されている。図3において、前記給廃棄室6aの前端部の上面には、前記現像剤カセットKy,Km,Kc,Kkからの現像剤が補給される受入口の一例としての現像剤補給口3aが形成されている。また、前記給廃棄室6aの後部の下面には、現像剤排出部の一例としての現像剤排出口3bが形成されており、現像剤排出口3bから排出されて落下した廃棄現像剤は図示しない現像剤回収容器に回収される。
図3に示すように、前記現像容器本体1において、前記供給室6と撹拌室7との間には、両端部以外の部分に仕切壁9が形成されている。図3、図4において、前記供給室6及び撹拌室7は、後端部に配置された第1流入部の一例としての上昇流入部E1と、前側に配置された第2流入部の一例としての下降流入部E2において通じており、現像剤が循環可能に構成されている。前記下降流入部E2には、流入量を調整するための開口が形成された開口形成部材11が装着されている。
また、前記現像剤給廃棄筒3において、給廃棄室6aと補給室7aとの間には、仕切壁12が形成されている。したがって、図3に示すように、給廃棄室6aと補給室7aとは、流入部の一例としての補給流入部E3により通じており、給廃棄室6aから補給室7aへ現像剤が流入可能に構成されている。なお、実施例1では、図3Aに示すように、現像剤補給口3aと補給流入部E3とは供給室6の延びる方向において重なり合うように配置されている。
前記供給室6及び撹拌室7とによって循環撹拌室6+7が構成されている。
図3、図4において、前記供給室6内には、現像剤を撹拌しながら搬送する現像剤搬送部材の一例であると共に現像ロールR0yに供給する供給部材の一例としての供給オーガ21が配置されている。
図3A、図3Bにおいて、前記供給オーガ21は、前記現像ロールR0yの軸方向に平行に伸びる第1回転軸22と、前記第1回転軸22の外周に支持された螺旋状の第1搬送羽根23とを有する。第1搬送羽根23は、給廃棄室6aの前端部に対応して配置された軸方向搬送羽根の一例としての補給用逆搬送羽根23aと、給廃棄室6aの中央部から後部に対応して配置された第4搬送部の一例としての廃棄用搬送羽根23bと、給廃棄室3aの後端部から下降流入部E2の前側までに対応して配置された逆搬送部および第3搬送部の一例としての循環用逆搬送羽根23cと、下降流入部E2から供給室6の後端に対応して配置された第1搬送部の一例としての第1主撹拌搬送羽根23dとを有する。
なお、実施例1では、各搬送羽根23a〜23dは、それぞれ、螺旋状に形成されており、第1主撹拌搬送羽根23dの一回転で現像剤が移動する距離、すなわち、軸方向に隣接する羽根どうしの間隔、いわゆる、ピッチは、各搬送羽根23a〜23cよりも大きく設定されている。また、実施例1の供給オーガ21は、図4に示すように上昇流入部E1において、重力方向上方、第2現像剤収容室側、重力方向下方の順に移動し、後述する図5で示す前記補給流入部E3においても同様に移動する。また、実施例1では、前記供給オーガ21は、第1回転軸22と第1搬送羽根23は樹脂により一体形成されているが、軸と搬送羽根を別体で構成して組み立てることも可能である。さらに、実施例1では、前記各搬送羽根23a〜23dは、1つの第1回転軸22に設けられているが、この構成に限定されず、例えば、補給用逆搬送羽根23aとその回転軸、廃棄用搬送羽根23bとその回転軸、循環用逆搬送羽根23cとその回転軸、第1主撹拌搬送羽根23dとその回転軸、というように別体に構成することが可能である。
図3A、図3Cにおいて、前記撹拌室7内には、現像剤を撹拌しながら搬送する第1現像剤搬送部材の一例であると共に現像剤を撹拌する撹拌部材の一例としての撹拌オーガ26が配置されている。前記撹拌オーガ26は、前記現像ロールR0yの軸方向に沿って延びる第2回転軸27と、前記第2回転軸27の外周に支持された螺旋状の第2搬送羽根28とを有する。第2搬送羽根28は、補給室7aに対応して配置された補給用搬送羽根28aと、下降流入部E2から上昇流入部E1の前側までに対応して配置された第2主撹拌搬送羽根28bと、撹拌室7の後端部に配置された逆搬送羽根28cとを有する。
なお、実施例1では、各羽根28a〜28cは、螺旋状に形成されており、第2主撹拌搬送羽根28bのピッチは、各搬送羽根23a〜23cのピッチよりも大きく設定されている。また、図3に示すように、第2主搬送羽根28bの設けられている領域には、所定の間隔をあけて、複数の平板状の撹拌部材28dが第2回転軸28に支持されている。図3Cにおいて、前記逆搬送羽根28cの左側には、撹拌部の一例としての撹拌パドル28eが第2回転軸28に支持されている。前記撹拌部材28dおよび撹拌パドル28eは、第2回転軸28の軸方向に沿った搬送力に比べて、周方向への搬送力が大きくなっており、特に、実施例1では、第2回転軸28に沿った板状の部材により構成されており、前記撹拌部材28dおよび撹拌パドル28eによる軸方向の搬送力はほとんどない。
また、実施例1の撹拌オーガ26も、供給オーガ21と同様に、一体形成されている。さらに、実施例1では、前記各羽根28a〜28cは、1つの第2回転軸27に設けられているが、この構成に限定されず、例えば、補給用搬送羽根28aとその回転軸、第2主撹拌搬送羽根28bとその回転軸、逆搬送羽根28cとその回転軸、というように別体に構成することが可能である。
前記各搬送部材21,26が回転すると、現像剤補給口3aから補給された現像剤は、補給用逆搬送羽根23aと排気用搬送羽根23bにより、補給流入部E3に流入し、補給室7aに搬送される。補給室7aに搬送された現像剤は、補給用搬送羽根28aにより現像容器本体1内の撹拌室7に搬送され、第2主搬送羽根28bにより、第2現像剤搬送方向Yaに搬送される。上昇流入部E1まで搬送された現像剤は、第2主搬送羽根28bと、第2現像剤搬送方向とは逆方向に搬送する逆搬送羽根28cとにより、滞留して現像剤量が増加し、斜め上方の供給室6に流入する。このとき、実施例1では、撹拌室7が前記供給室6の右斜め下方に隣接して配置されているので、撹拌室7に配置された撹拌オーガ26の回転方向が、図4において時計回りの方向、つまり重力方向下方、供給室6に対向する側、重力方向上方の順に回転する方向に設定されており、回転時に第2主搬送羽根28bや逆搬送羽根28cにより左上方、すなわち、供給室6側に寄せて持上げるように搬送され、供給室6への流入が補助されている。
供給室6に流入した現像剤は、第1主搬送羽根23dにより、第2現像剤搬送方向Yaとは逆方向の第1現像剤搬送方向Ybに搬送される。供給室6を搬送される現像剤は、搬送中に現像ロールR0y表面に磁力により付着し、現像に使用される。下降流入部E2まで搬送された現像剤は、第1現像剤搬送方向Ybとは逆方向に現像剤を搬送しようとする循環用逆搬送羽根23cにより、下降流入部E2に滞留し、重力により下降流入部E2を通じて撹拌室7に流入する。この結果、撹拌部材21,26により撹拌室6,7内の現像剤が撹拌されながら循環、搬送される。
また、下降流入部E2の現像剤が多くなると、その一部は、循環用逆搬送羽根23cにより逆方向に搬送しきれず、給廃棄室7a側の廃棄用搬送羽根23bまで流入する場合がある。この場合、循環用逆搬送羽根23cを越えて廃棄用搬送羽根23b側に流入した現像剤は、廃棄用搬送羽根23bにより現像剤排出口3bに搬送されて廃棄される。
(径方向搬送部材の説明)
図6は実施例1の供給オーガの前端部の要部斜視図である。
図3B、図5、図6において、前記補給用逆搬送羽根23aの螺旋の軸方向後端、すなわち第1現像剤搬送方向Ybの上流側端部には、第1回転軸22の軸方向に沿って延びる径方向搬送羽根の一例としてのパドル23eが配置されている。実施例1では、前記パドル23eは、回転軸23eに一体的に形成されており、前記補給用逆搬送羽根23aの螺旋の軸方向後端に連続して形成され且つ軸方向前側に向かって延びている。実施例1では、図3Aに示すように、前記パドル23eの軸方向の長さは、現像剤補給口3aの軸方向の長さよりも短く形成されており、現像剤補給口3aの上方から見た場合に、現像剤補給口3aの一部に重複するようにパドル23eが配置され、残りの一部が塞がれないように配置されている。さらに、実施例1のパドル23eの軸方向の長さは、螺旋状の補給用逆搬送羽根23aの螺旋が一周した場合に軸方向に進む距離、いわゆるピッチに対して、1ピッチの半分以下、すなわち半ピッチ以下の長さに設定されている。
図5、図6において、前記パドル23eには、磁性を帯び、磁力を発生させる磁石部材の一例であって、軸方向よりも径方向への搬送力が大きい径方向搬送部材の一例としての弾性を有する樹脂製のマグネットラバー24が支持されている。前記マグネットラバー24は、供給オーガ21の回転方向に対して、パドル23eの下流側の面に接着手段の一例としての両面テープにより貼付されている。
なお、実施例1では、前記パドル23eおよびマグネットラバー24は、径方向外端が給廃棄室6aの壁面に接触しないように長さが設定されていると共に、マグネットラバー24の磁界により吸着された現像剤により構成されるマグネットブラシMBが壁面に接触するように磁力および位置が設定されている。
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、現像装置Gy〜Gkの作動に伴って各オーガ21、26が回転すると、上昇流入部E1において供給室6側に持上げるように搬送される。
これに伴い、前記補給流入部E3においても、下方の補給室7aから上方の給廃棄室6aに向けて撹拌オーガ26により持上げられる方向の力を受ける。すなわち、現像剤補給口3aから補給された新たな現像剤は、重力により下方の補給室7a側に移動しようとすると共に、撹拌オーガ26により逆方向の力を受けており、補給流入部E3において、現像剤の搬送が効率的に行われず、現像剤の詰まりが発生することがあった。また、壁面に接触する薄膜状の崩し部材を供給オーガに設けた場合には、薄膜状の崩し部材と壁面との間で現像剤が擦れて、いわゆるストレスを受け、トナーが劣化したり、塊状になって形成される画像に白抜けのような画像欠陥が発生することもあった。さらに、回転位置によっては薄膜状の崩し部材が開口部を塞ぐ場合があり、新規現像剤の補給を阻害したり、現像剤の搬送性を落とすこともあった。
実施例1では、現像剤補給口3aに対応して設けられたパドル23eとマグネットラバー24が、供給オーガ21の回転に伴い、図5に示すように、上方から撹拌室7側、下方の順に通過するように回転し、供給室6の給廃棄室6aの現像剤を撹拌室7の補給室7a側に送り込む搬送力を現像剤に付与する。このとき、図5に示すように、マグネットラバー24には、マグネットラバー24の撹拌室7側に二成分現像剤が付着して、いわゆるマグネットブラシMBを形成する。このマグネットブラシMBは、マグネットラバー24の回転に伴ってマグネットラバー24やパドル23eの回転半径の内側だけでなく、回転半径の外側の現像剤も巻き込むようして撹拌室7側に現像剤を送り込む力を作用させる。すなわち、パドル23eやマグネットラバー24の回転半径の外側である補給流入部E3内にもマグネットブラシMBが進入して、撹拌室7側へ現像剤を搬送する力が付与される。すなわち、給廃棄室6aから補給室7a側に現像剤が円滑に搬送され、補給流入部E3における現像剤の滞留や詰まり、あるいは、滞留した現像剤が固まって、現像に使用されることによる画像の白抜け等の画像欠陥が防止される。
なお、前記マグネットラバー24の磁力で吸着した現像剤は、給廃棄室6aの壁面に接触しても弾性フィルムのように機械的にこすりつけられず、磁力で吸着された現像剤が離れるだけであり、現像剤へのストレスは低減されている。また、現像剤補給口3aから現像剤が補給された場合には、マグネットブラシMBを形成していた現像剤は補給されてきた現像剤からの圧力で磁力から離れてマグネットブラシMBから離脱し、新たな現像剤の補給が阻害されることが低減されている。
また、実施例1では、供給オーガ21の回転時に前記補給用逆搬送羽根23aでは、螺旋の後側の面で現像剤を第1現像剤搬送方向Ybとは逆方向である後方に搬送しており、パドル23eは補給用逆搬送羽根23aの後端から前方に延びている。すなわち、補給用逆搬送羽根23aの現像剤を搬送する側面とは逆側の側面にパドル23eが設けられている。現像剤を搬送する側面に設けられた場合には搬送される現像剤がパドル23eにより撹拌されて軸方向への搬送が妨げられるが、実施例1では、補給用逆搬送羽根23aの現像剤を搬送する側面とは逆側の側面に配置されたパドル23eは補給用逆搬送羽根23aによる搬送を妨げることなく、補給用逆搬送羽根23aによる搬送性能が低下しないように維持されている。特に、実施例1では、前側に延びるパドル23eの軸方向の長さが、半ピッチ以下に設定されており、補給用逆搬送羽根23aの螺旋が一周した位置までパドル23eが延びておらず、補給用逆搬送羽根23aの前側で搬送性能が低下することも防止されている。
さらに、パドル23eおよびマグネットラバー24の軸方向の長さは、現像剤補給口3aの長さよりも短く設定されている。したがって、現像剤補給口3aから多くの新規現像剤が補給された場合に、現像剤補給口3aの長さよりも長く形成されていると、パドル23e等により径方向に撹拌する力が多くなって現像剤補給口3aで現像剤が滞留して詰まる可能性があるが、実施例1では現像剤補給口3aに対してパドル23e等が設けられていない部分があることで、新規現像剤の補給量が多い場合でも、現像剤の詰まりが防止されている。
また、実施例1では、マグネットラバー24が、供給オーガ21の回転方向の下流側に配置されており、マグネットラバー24が回転方向上流側に配置されている場合に比べて、供給オーガ21の回転時に、マグネットブラシMBにより、より広範囲の現像剤を崩した後で、パドル23eが通過して、パドル23eにより補給室7a側に現像剤が効率的に押し込まれるものと考察される。
次に、本発明の実施例2の説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図7は実施例2の第1搬送部材の要部拡大斜視図である。
図8は実施例2の磁石部材および撹拌部材の要部説明図であり、図8Aは図7のVIIIA−VIIIA線断面図、図8Bは補給用逆搬送羽根と磁石部材及び撹拌部材との位置関係の説明図である。
図7、図8において、実施例2の現像装置Gy〜Gkでは、パドル23eおよびマグネットラバー24が、供給オーガ21の補給用逆搬送羽根23a′の後端から離隔した位置に配置されており、補給用逆搬送羽根23a′とパドル23eおよびマグネットラバー24との間には、隙間25が形成されている。図8Bにおいて、実施例2では、補給用逆搬送羽根23a′の厚みの外側を構成する外側螺旋41と、厚みの内側を構成する内側螺旋42とに対して、外側螺旋41および内側螺旋42のそれぞれの螺旋の仮想延長線41a,42aに対して、前記パドル23eおよびマグネットラバー24の後端は、外側仮想延長線41aと内側仮想延長線42aとの間に位置するように配置されている。
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の画像形成装置Uでは、マグネットラバー24により形成されるマグネットブラシMBにより、現像剤補給口3aから補給された現像剤に、搬送力が付与され、給廃棄室6aから補給室7a側に効率的に搬送される。また、実施例2では、前記パドル23eおよびマグネットラバー24の後端は、外側仮想延長線41aと内側仮想延長線42aとの間に位置するように配置されており、補給用逆搬送羽根23a′により軸方向に搬送される現像剤を撹拌して搬送性能を低下させることなく、給廃棄室6aから補給室7aに向かう搬送力が付与される。
さらに、図8Aに示すように、実施例2では、補給用逆搬送羽根23a′とパドル23eとの間に形成された隙間25を利用して、マグネットラバー24が貼り付けられる。すなわち、磁性材料により構成された治具JGにマグネットラバー24を、マグネットラバー24の磁力により吸着する。このとき、マグネットラバー24のパドル23e側の面には、両面テープを貼付または接着剤を塗布しておく。そして、治具JGを補給用逆搬送羽根23a′とパドル23eとの間に形成された隙間25に進入させて、治具JGと第1回転軸22とを相対的に周方向に移動させることで、マグネットラバー24が両面テープでパドル23eに貼り付けられる。したがって、補給用逆搬送羽根23aとパドル23eとが連続して形成されている場合に比べて、マグネットラバー24をパドル23eに装着する作業が円滑に実行される。
(磁石部材の効果を確認する実験)
次に、実施例1、2の構成における効果を確認するための実験を行った。
実験は、温度28度、湿度85%の環境下で実験を行った。実験は、現像剤補給口3aから現像剤を供給する搬送部材の駆動と駆動停止の比率を、0.1:0.9、0.2:0.8、0.3:0.7、0.4:0.6、0.5:0.5、0.6:0.4、0.7:0.3としてそれぞれ実験を行い、補給流入部E3で現像剤の詰まりが発生したか否かを目視で確認した。なお、前記駆動と駆動停止の比率が0.1:0.9の場合を、以下、0.1on/0.9offと記載し、その他の比率の場合も同様に記載する。
(比較例1)
比較例1では、実施例1の構成の供給オーガ21において、マグネットラバー24が除去された構成、すなわち、マグネットラバー24が設けられていない構成のオーガを使用して実験を行った。
(実験例1)
実験例1では、実施例1の構成の供給オーガ21において、マグネットラバー24を実施例1とは異なり、パドル23eの回転方向上流側の側面に貼付したオーガを使用して実験を行った。
(実験例2)
実験例2では、実施例1の構成の供給オーガ21を使用して実験を行った。
(比較例2)
比較例2では、比較例1のマグネットラバー24が除去された構成において、パドル23eから周方向に180度位相がずれた位置にパドル23eを追加した構成のオーガを使用して実験を行った。
(実験例3)
実験例3では、比較例2の周方向に180度の位相をあけて配置された2つのパドル23eの両方にマグネットラバー24を貼付した構成のオーガを使用した。なお、マグネットラバー24は、実施例1と同様に、パドル23eの供給オーガ21の回転方向の前側、すなわち回転方向下流側の側面に貼付した。
(比較例3)
比較例3では、比較例1のマグネットラバー24が除去された構成において、パドル23eの軸方向の長さを延長して、螺旋状の補給用逆搬送羽根23aの螺旋の1ピッチ分の長さとした構成のオーガを使用した。
(実験例4)
実験例4では、実施例2の構成の供給オーガ21を使用して実験を行った。
(実験結果)
図9は磁石部材の効果を確認する実験の実験結果の説明図である。
図9において、比較例1に示すように、パドル23eを設けるだけでは搬送性が不足し、詰まりが発生するのに対し、実験例1、2に示すように、マグネットラバー24を設けてマグブラシを形成することで、搬送性が向上し、詰まりが改善することが確認された。
実験例1、実験例2より、マグネットラバー24を回転方向の前側、即ち、パドル23eが通過する軌跡の前側にマグブラシを形成する実験例2の方が、後側にマグブラシを形成する実験例1の場合に比べて、搬送性能が向上し、詰まりを改善する機能が高いことが確認された。なお、実験装置が実際に市場で使用される場合の最大値、いわゆるスペック値は0.5on/0.5offであり、0.4on/0.6off以下の場合は使用される場合があるが、0.6on/0.4off以上は実際には使用されず、0.6on/0.4off以上が使用上の余裕、安全率を示すこととなる。よって、実験例2の場合には実際の使用に十分に耐えうることが確認された。
また、比較例2のようにパドル23eの数を増やしたり、比較例3のようにパドル23eの長さを長くしたりしても、搬送性や詰まりの改善に対してはあまりこうかがなく、パドル23eの数を増やしたものにマグネットラバー24を設けた場合に搬送性が向上し詰まりが改善することが確認された。
実験例4において、補給用逆搬送羽根23a′とパドル23eおよびマグネットラバー24とを離した場合には、0.7on/0.3offでも詰まりが発生せず、最も高い安全率を確保しつつ、マグネットラバー24を貼り付ける組立性も向上している。
次に、本発明の実施例3の説明を行うが、この実施例3の説明において、前記実施例1、2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1、2と相違しているが、他の点では前記実施例1、2と同様に構成されている。
図10は、実施例3の磁石部材の説明図であり、実施例2の図7に対応する図である。
図10において、実施例3の現像装置Gy〜Gkでは、第1回転軸22の軸上に、磁石部材装着用の突起23fが一体的に形成されており、前記突起23fには、樹脂製の磁石により構成された磁石部材の一例としてのマグネットパドル24′に形成された装着用の溝部24a′が嵌った状態で固定支持される。したがって、実施例3では、実施例1,2のようにパドル23eにマグネットラバー24を貼り付けた構成に変えて、マグネットパドル24′が回転軸22に支持されている。なお、実施例3のマグネットパドル24′が装着される位置は、実施例2のパドル23eの位置と同様の位置に設定されている。
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の画像形成装置Uでは、供給オーガ21の回転に伴ってマグネットパドル24′が一体的に回転し、マグネットパドル24′の磁力により吸着された現像剤により形成されるマグブラシで搬送力が付与される。したがって、実施例1、2と同様に、新たに補給された現像剤に補給室7a側に搬送する搬送力が付与され、補給流入部E3等での詰まりが低減される。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置としての複写機を例示したが、これに限定されず、FAXやプリンタあるいはこれらすべてまたは複数の機能を備えた複合機とすることも可能である。また、4色分の像保持体PRy〜PRkおよび現像装置Gy〜Gk、潜像形成装置LHy〜LHkを有する画像形成装置を例示したが、これに限定されず、単色の画像形成装置や、像保持体および潜像形成装置が1つで4つの現像装置が回転して順次像保持体に対向する回転式の画像形成装置にも適用可能である。また、いわゆるLEDアレイにより構成された潜像形成装置に限定されず、回転多面鏡を使用する潜像形成装置等の従来公知の潜像形成装置を使用可能である。
(H02)前記実施例において、磁石部材24,24′を第1回転軸22の軸方向に沿って配置し、軸方向への搬送力を持たせない構成としたが、この構成に限定されず、パドル23eやマグネットパドル24′を傾斜させて軸方向への搬送力を付与するように構成することも可能である。
(H03)前記実施例1,2において、マグネットラバー24はパドル23eに設けることが望ましいが、搬送羽根23aに設けることも可能である。
(H04)前記実施例において、実験結果から、パドル23eを配置する位置やマグネットラバー24を配置する位置は実施例2の位置であることが望ましいが、設計や仕様、安全率の設定等に応じて、配置位置や長さ、傾斜角度等を適宜変更可能である。
(H05)前記実施例において、パドル23eやマグネットラバー24、マグネットパドル24′を、現像剤補給光3aや補給流入部E3に対応する位置に配置する場合を例示したが、配置する場所はこの位置に限定されず、現像剤を搬送する方向とは逆側の方向に搬送する力を受ける任意の位置、例えば、下降流入部E2のような場所に配置することも可能である。
(H06)前記実施例において、供給室6と撹拌室7が重力方向および水平方向に対してずれて配置されている循環撹拌室6+7の場合を例示したが、これに限定されず、第1撹拌室と第2撹拌室が重力方向に沿って並んだ縦型の循環撹拌室や、水平方向に並んで配置された横型の循環撹拌室の場合にも適用可能である。
(H07)前記実施例において、磁石部材の一例として樹脂製のマグネットラバー24やマグネットパドル24′を例示したが、材料は樹脂製に限定されず、採用可能な任意の材料を使用可能である。
(H08)前記実施例において、現像剤補給口3aと補給流入部E3とは供給室6の延びる方向において、現像剤補給口3aが補給流入部E3の内側に重なり合うように配置される場合を例示したが、この構成に限定されず、供給オーガ21の軸方向にずれた位置に配置されて少なくとも一部が重なり合うように構成されている場合にも適用可能であり、重なり合っていない場合にも適用可能である。
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。 図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。 図3は本発明の実施例1の現像装置の説明図であり、図3Aは現像容器カバーが除去された状態の要部断面斜視説明図、図3Bは供給オーガの説明図、図3Cは撹拌オーガの説明図である。 図4は図3AのIV−IV線断面図である。 図5は図3AのV−V線断面図である。 図6は実施例1の供給オーガの前端部の要部斜視図である。 図7は実施例2の第1搬送部材の要部拡大斜視図である。 図8は実施例2の磁石部材および撹拌部材の要部説明図であり、図8Aは図7のVIIIA−VIIIA線断面図、図8Bは補給用逆搬送羽根と磁石部材及び撹拌部材との位置関係の説明図である。 図9は磁石部材の効果を確認する実験の実験結果の説明図である。 図10は、実施例3の磁石部材の説明図であり、実施例2の図7に対応する図である。
符号の説明
3a…受入口、
7…第1現像剤収容室、
6a…第2現像剤収容室、
22…回転軸、
26…第1現像剤搬送部材、
23a,23a′…軸方向搬送羽根、
23e…径方向搬送羽根、
24,24′…径方向搬送部材、
41…外側螺旋、
41a,42a…仮想延長線、
42…内側螺旋、
E3…流入部、
F…定着装置、
Gy,Gm,Gc,Gk…現像装置、
PRy,PRm,PRc,PRk…像保持体、
R0y,R0m,R0c,R0k…現像剤保持体、
S…媒体、
T1+T2+B…転写装置、
U…画像形成装置。

Claims (7)

  1. 表面に現像剤を保持して回転する現像剤保持体と、
    前記現像剤保持体に供給される現像剤を収容する第1現像剤収容室と、
    前記第1現像剤収容室内に配置され、回転して回転軸方向へ前記第1現像剤収容室内の現像剤を搬送する第1現像剤搬送部材と、
    前記現像剤保持体の現像剤が保持される現像剤保持領域の両端よりも外側に配置されると共に、新たな現像剤を受け入れる受入口を有し、前記受入口から受け入れた磁性を有する現像剤を収容する第2現像剤収容室と、
    前記第2現像剤収容室から前記第1現像剤収容室へ前記現像剤を流入させる流入部と、
    螺旋状の軸方向搬送羽根を有し、前記第2現像剤収容室内に配置され、回転して前記受入口から前記流入部へ現像剤を搬送する第2現像剤搬送部材と、
    を備え、
    前記第1現像剤搬送部材は、重力方向上方、前記第1現像剤収容室側、重力方向下方の順に回転するように回転方向が設定され、
    前記受入口と前記流入部とは前記第2現像剤搬送部材の回転軸方向において少なくとも一部が重なり合っており、
    前記第2現像剤搬送部材は、前記受入口と前記流入部とが重なり合っている位置と軸方向で重なる位置には、磁性を帯び且つ軸方向よりも径方向への搬送力が大きい径方向搬送部材を有する
    ことを特徴とする現像装置。
  2. 前記径方向搬送部材は、前記第2現像剤搬送部材の回転軸に設けられ径方向に突出し且つ軸方向よりも径方向への搬送力が大きい径方向搬送羽根に支持されることにより、前記径方向搬送羽根を介して前記回転軸に支持されたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記径方向搬送部材は、前記現像剤と接触する際に前記径方向搬送部材、前記径方向搬送羽根の順で現像剤と接触するように前記径方向搬送羽根に支持されたことを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
  4. 前記径方向搬送羽根は、螺旋状の前記軸方向搬送羽根の前記現像剤搬送方向の下流端から回転軸周方向に離れた位置に配置され、且つ、螺旋状の前記軸方向搬送羽根の厚みを構成する内側螺旋および外側螺旋の周方向への仮想延長線上において前記軸方向搬送羽根の前記現像剤搬送方向で前記径方向搬送羽根の下流端が前記内側螺旋の仮想延長線と前記外側螺旋の仮想延長線との間に配置されたことを特徴とする請求項2または3に記載の現像装置。
  5. 前記径方向搬送羽根は、前記回転軸の軸方向に沿って前記軸方向搬送羽根の搬送方向で前記受入口の下流端よりも上流側から下流側に向かって形成されたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の現像装置。
  6. 表面に現像剤を保持して回転する現像剤保持体と、
    前記現像剤保持体に供給される現像剤を収容する第1現像剤収容室と、
    前記第1現像剤収容室内に配置され、回転して回転軸方向へ前記第1現像剤収容室内の現像剤を搬送する第1現像剤搬送部材と、
    前記現像剤保持体の現像剤が保持される現像剤保持領域の両端よりも外側に配置されると共に、新たな現像剤を受け入れる受入口を有し、前記受入口から受け入れた磁性を有する現像剤を収容する第2現像剤収容室と、
    前記第2現像剤収容室から前記第1現像剤収容室へ前記現像剤を流入させる流入部と、
    螺旋状の軸方向搬送羽根を有し、前記第2現像剤収容室内に配置され、回転して前記受入口から前記流入部へ現像剤を搬送する第2現像剤搬送部材と、
    を備え、
    前記第2現像剤搬送部材は、前記流入部に対応する位置において前記第2現像剤収容室内の現像剤を磁力で保持しながら回転することを特徴とする現像装置。
  7. 表面に潜像が形成される像保持体と、
    前記像保持体の潜像を可視像に現像する請求項1ないし6のいずれかに記載の現像装置と、
    前記像保持体表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
    前記媒体表面の可視像を定着する定着装置と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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