JP6543993B2 - 現像装置、可視像形成装置および画像形成装置 - Google Patents

現像装置、可視像形成装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、現像装置、可視像形成装置および画像形成装置に関する。
潜像を可視像に現像する現像装置に関して、以下の特許文献1,2に記載の技術が従来公知である。
特許文献1としての特開2012−159741号公報には、感光体ドラム(100)の右側に対向する現像ロール(320)と、現像ロール(320)に対して重力方向下方で且つ現像ロール(320)よりも右側に配置され螺旋羽根を有する第1の搬送ロール(330)と、前記第1の搬送ロール(330)の右側に配置され螺旋羽根を有する第2の搬送ロール(340)と、を備えた現像装置(300)が記載されている。特許文献1に記載の現像装置(300)では、第1の搬送ロール(330)の上方に、現像ロール(320)から離脱した現像剤を、搬送ロール(330)の軸方向である搬送方向下流側に誘導する複数の板状の誘導部材(400)を配置している。これにより、特許文献1では、現像剤を下流側にずらして落下させ、現像剤の消費に伴って下流側に行くに連れて第1の収容部(311)に収容された現像剤の界面が低くなることを抑制し、感光体ドラム(100)に供給される現像剤の供給量の偏りを低減している。なお、特許文献1では、前記誘導部材(400)は搬送方向に間隔を開けて配置されており、下流側ほど傾斜が急で直立した状態に近くなっている。すなわち、上流側ほど、現像剤が下流側にずれる距離が長く設定されている。また、特許文献1の誘導部材(400)の間隔は、第1の搬送ロール(330)の羽根の間隔に比べて広くなっている。
特許文献2としての特開2009−251197号公報には、現像ローラ(241)の右下に配置された攪拌ローラ(243a)と、攪拌ローラ(243a)の右側に配置された第2の攪拌ローラ(243b)と、第2の攪拌ローラ(243b)の右側に配置された左右一対のトナー攪拌ローラ(244a,244b)と、を有する現像装置(24)が記載されている。ここで、特許文献2では、攪拌ローラ(243a,243b)の上方に、現像ローラ(241)から、第2の攪拌ローラ(243b)とトナー攪拌ローラ(244a)との間に向かって傾斜する板状の流し板(246)が配置されており、現像ローラ(241)上方の層厚規制部材(242)で規制された現像剤を流し板(246)上を滑らせて落下させる構成が記載されている。前記流し板(246)は、現像槽(240)内のトナー濃度に基づいて傾斜角度が制御可能に構成されている。また、前記流し板(246)の上面には傾斜方向に沿った直線状の仕切り板(247)が複数支持されており、前記仕切り板(247)は、軸方向に間隔を空けて配置されている。よって、特許文献2では、感光体(21)に送られる前の余剰現像剤が、第2の攪拌ローラ(243b)よりも現像ローラ(241)から離れた位置に戻される。また、落下する際に、仕切り板(247)で案内された現像剤は軸方向には位置がズレ難くなっている。
特開2012―159741号公報(「0023」〜「0033」、図3〜図7) 特開2009―251197号公報(「0049」〜「0065」、図3、図5)
本発明は、現像剤の搬送方向の下流側に行くにつれて上流との濃度差が大きくなることを、抑制することを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の現像装置は、
現像剤が収容される現像容器と、
前記現像容器内に配置され、表面に現像剤を保持して回転して、潜像が形成された像保持体に対向する現像剤保持体であって、固定された磁石部材と、前記磁石部材の外側に回転可能に支持されて現像剤が保持される回転体と、を有する前記現像剤保持体と、
第1の回転軸と、前記第1の回転軸に支持された搬送羽根と、を有し、前記現像容器内の現像剤を撹拌しながら搬送する第1の搬送部材と、
第2の回転軸と、前記第2の回転軸に支持された搬送羽根と、を有し、前記第1の搬送部材と並行して配置され、前記第1の搬送部材とは逆方向に現像剤を撹拌しながら搬送する第2の搬送部材と、
前記像保持体との対向領域に対応して設定された現像磁極と、前記現像磁極と逆極性で前記現像磁極に対して前記回転体の回転方向の下流側に設定された搬送磁極と、前記搬送磁極と逆極性で前記搬送磁極に対して前記回転体の回転方向の下流側に設定された現像剤の離脱用の磁極と、を有する前記磁石部材と、
を備え、
重力方向の上方からの前記現像剤保持体の射影範囲内に前記第1の搬送部材の第1の回転軸が配置され、
前記現像剤保持体に対して前記像保持体とは反対側において、前記現像剤保持体の外表面に接する重力方向に延びる第1の仮想接線と、前記第1の搬送部材に対して前記像保持体とは反対側において、前記第1の搬送部材の搬送羽根の外端に接する重力方向に延びる第2の仮想接線と、を仮定した場合に、前記第1の仮想接線よりも前記第2の仮想接線の方が水平方向で前記像保持体よりも遠い側に配置され、
前記第1の仮想接線と前記第2の仮想接線との水平方向の距離を第1の距離とし、前記現像剤保持体に対して前記像保持体とは反対側において、前記第1の仮想接線と前記現像容器の内面との水平方向の距離を第2の距離とした場合に、前記第1の距離が前記第2の距離に比べて短く設定され、
前記現像剤保持体に沿って移動する現像剤を誘導する現像剤の誘導部材が、前記現像剤保持体の回転方向に対して前記像保持体との対向領域よりも下流側に配置され、
前記現像剤の誘導部材は、前記現像剤保持体の外表面との間に隙間を介して対向し、
前記現像剤の誘導部材は、前記現像剤保持体の回転方向の下流側に行くにつれて前記第1の搬送部材の搬送方向の下流側に傾斜する傾斜部を有し、
前記現像剤の誘導部材は、前記現像剤の離脱用の磁極が発生させる磁力について、法線方向成分の大きさの極大値の半値幅に対応する前記回転体の上流側の位置と下流側の位置との間に、現像剤が誘導される方向の上流端が配置された
ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、
予め設定された間隔で前記現像剤保持体の軸方向に沿って配置された複数の前記傾斜部を有する前記現像剤の誘導部材、
を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の現像装置において、
前記第1の搬送部材の搬送羽根のピッチに比べて狭い間隔で配置された前記複数の傾斜部、
を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像装置において、
前記現像剤保持体の軸方向に直交する方向に対して傾斜する傾斜角度が20度以上且つ現像剤の安息角の余角の角度以下に設定された前記傾斜部、
を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置において、
前記現像剤保持体の回転方向に対して、前記誘導部材の下流側の端部を塞ぐ閉塞部材、
を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項に記載の現像装置において、
前記第1の搬送部材の回転中心から、前記第1の回転軸の半径以上、水平方向に沿って前記第2の搬送部材側に離れた位置に下端が配置された前記閉塞部材、
を備えたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置において、
前記誘導部材の下端部は、前記現像剤保持体から遠ざかるに連れて下方に伸びている
ことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置において、
前記誘導部材の下端は、前記第1の搬送部材の第1の回転軸方向に垂直な断面において、前記第1の搬送部材の前記搬送羽根が重力方向の上方から下方に移動する側に配置され、且つ、
前記誘導部材の下端は、前記第1の搬送部材の回転時の現像剤の最上面よりも上方に設定された
ことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項9に記載の発明の可視像形成装置は、
像を表面に保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に保持された潜像を可視像に現像する請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項10に記載の発明の画像形成装置は、
像を表面に保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に保持された潜像を可視像に現像する請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置と、
可視像を媒体に転写する転写装置と、
媒体に転写された可視像を媒体に定着させる定着装置と、
を備えたことを特徴とする。
請求項1,9,10に記載の発明によれば、像保持体との対向領域を通過した現像剤を搬送方向に誘導しない場合に比べて、現像剤の搬送方向の下流側に行くにつれて上流との濃度差が大きくなることを、抑制することができる。また、請求項1,9,10に記載の発明によれば、現像剤保持体から離脱した現像剤を誘導することができる。
請求項2に記載の発明によれば、予め設定された間隔で複数の傾斜部が配置されていない場合に比べて、現像剤を搬送方向で偏らせずに第1の搬送部材に戻すことができる。
請求項3に記載の発明によれば、傾斜部の間隔が第1の搬送部材のピッチに比べて広い場合に比べて、搬送方向で現像剤が偏ることを低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、傾斜角度が、20度未満または現像剤の安息角の余角よりも大きい角度の場合に比べて、現像剤を詰まらせずに誘導し易くすることができる
請求項に記載の発明によれば、閉塞部材を有しない場合に比べて、現像剤保持体の回転速度が低速になっても、濃度差を抑制できる。
請求項に記載の発明によれば、閉塞部材の下端が第1の搬送部材の回転中心から回転軸の半径以上水平方向に離れていない場合に比べて、現像剤が現像剤保持体に再度保持されるまでに、第1の搬送部材の搬送方向に搬送される距離を伸ばすことができる。
請求項に記載の発明によれば、前記現像剤保持体に近い側の端部が最下端よりも高くない場合に比べて、最下端を下方に設定でき、現像剤を誘導する距離を伸ばすことができる。
請求項に記載の発明によれば、現像剤の搬送を妨げることが防止される。
図1は実施例1の画像形成装置の説明図である。 図2は実施例1の画像形成装置の要部説明図である。 図3は実施例1の現像装置の説明図である。 図4は図3のIV−IV線断面図である。 図5は実施例1の位置関係の説明図であり、図3に対応する図である。 図6は実施例1の誘導部材の説明図である。 図7は実施例1の誘導部材の位置の説明図であり、図7Aは実施例1の現像剤保持体における磁力の分布の説明図、図7Bは磁力の分布と誘導部材の位置の説明図である。 図8は現像剤の移動の説明図であり、図8Aは誘導フィンを有する場合の説明図、図8Bは誘導フィンを有しない場合の比較の説明図である。 図9は誘導フィンの間隔と現像剤の量の説明図であり、図9Aは実施例1の説明図、図9Bは誘導フィンの間隔がオーガのピッチに比べて広い場合の比較の説明図である。 図10は誘導フィンの間隔と供給室に戻される現像剤の説明図であり、図10Aは実施例1の説明図、図10Bは図10Aの状態から供給オーガが現像剤を搬送した状態を示す説明図、図10Cは誘導フィンの間隔が供給オーガのピッチに比べて広い場合の比較の一例の説明図、図10Dは図10Cの状態から供給オーガが現像剤を搬送した状態を示す説明図である。 図11は実験例1−1と実験例1−2と比較例1−1と比較例1−2の実験結果の説明図であり、図11Aはプロセススピードが126[mm/s]の場合の現像剤の量と濃度差の説明図、図11Bはプロセススピードが63[mm/s]の場合の現像剤の量と濃度差の説明図である。 図12は実験例1−1と実験例1−2と比較例1−1と比較例1−2の実験結果の説明図であり、図12Aは傾斜角度が0度の場合の現像剤の量と濃度差の説明図、図12Bは傾斜角度が40度の場合の現像剤の量と濃度差の説明図である。 図13は実験例2−1と実験例2−2と比較例2−1と比較例2−2の実験結果の説明図である。 図14は実施例2の誘導部材の説明図であり、図14Aは誘導部材の位置の説明図、図14Bは下方から誘導部材を見た場合の説明図である。 図15は実施例3の現像装置の説明図であり、実施例1の図3に対応する図である。 図16は実施例3の誘導部材の要部斜視図である。 図17は実験例3の実験結果の説明図であり、横軸に軸方向の現像剤搬送距離を取った棒グラフである。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例としての実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は実施例1の画像形成装置の説明図である。
図2は実施例1の画像形成装置の要部説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としての複写機Uは、記録部の一例であって、画像記録装置の一例としてのプリンタ部U1を有する。プリンタ部U1の上部には、読取部の一例であって、画像読取装置の一例としてのスキャナ部U2が支持されている。スキャナ部U2の上部には、原稿の搬送装置の一例としてのオートフィーダU3が支持されている。実施例1のスキャナ部U2には、入力部の一例としてのユーザインタフェースUIが支持されている。前記ユーザインタフェースUIは、操作者が入力をして、複写機Uの操作が可能である。
オートフィーダU3の上部には、媒体の収容容器の一例としての原稿トレイTG1が配置されている。原稿トレイTG1には、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容可能である。原稿トレイTG1の下方には、原稿の排出部の一例としての原稿の排紙トレイTG2が形成されている。原稿トレイTG1と原稿の排紙トレイTG2との間には、原稿の搬送路U3aに沿って、原稿の搬送ロールU3bが配置されている。
スキャナ部U2の上面には、透明な原稿台の一例としてのプラテンガラスPGが配置されている。実施例1のスキャナ部U2には、プラテンガラスPGの下方に、読取り用の光学系Aが配置されている。実施例1の読取り用の光学系Aは、プラテンガラスPGの下面に沿って、左右方向に移動可能に支持されている。なお、読取り用の光学系Aは、通常時は、図1に示す初期位置に停止している。
読取り用の光学系Aの右方には、撮像部材の一例としての撮像素子CCDが配置されている。撮像素子CCDには、画像処理部GSが電気的に接続されている。
画像処理部GSは、プリンタ部U1の書込回路DLに電気的に接続されている。書込回路DLは、潜像の形成装置の一例としてのLEDヘッドLHy,LHm,LHc,LHkに電気的に接続されている。
各LEDヘッドLHy〜LHkの上方には、像保持体の一例としての感光体ドラムPRy,PRm,PRc,PRkが配置されている。
各感光体ドラムPRy〜PRkには、帯電器の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRkが対向して配置されている。前記帯電ロールCRy〜CRkには、電源回路Eから帯電電圧が印加される。なお、電源回路Eは、制御部の一例としてのコントローラCにより制御される。前記コントローラCは、画像処理部GSや書込回路DL等との間でも信号の送受信を行って、各種制御を行う。
感光体ドラムPRy〜PRkの回転方向に対して、帯電ロールCRy〜CRkの下流側に設定された書込領域Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、感光体ドラムPRy〜PRkの表面に対して、LEDヘッドLHy〜LHkから書込光が照射される。
感光体ドラムPRy〜PRkの回転方向に対して、書込領域Q1y〜Q1kの下流側に設定された現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kには、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkが感光体ドラムPRy〜PRkの表面に対向して配置されている。感光体ドラムPRy〜PRkと現像装置Gy〜Gkとにより、可視像形成装置の一例としてのプロセスカートリッジPRy+Gy,PRm+Gm,PRc+Gc,PRk+Gkが構成されている。
感光体ドラムPRy〜PRkの回転方向に対して、現像領域Q2y〜Q2kの下流側には、1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kが設定されている。1次転写領域Q3y〜Q3kでは、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触している。また、1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて、中間転写ベルトBを挟んで感光体ドラムPRy〜PRkの反対側には、1次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kが配置されている。
感光体ドラムPRy〜PRkの回転方向に対して、1次転写領域Q3y〜Q3kの下流側には、像保持体の清掃器の一例としてのドラムクリーナCLy,CLm,CLc,CLkが配置されている。
前記感光体ドラムPRy〜PRkの上方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBを有する。中間転写ベルトBは、駆動部材の一例としての駆動ロールRdと、張架部材の一例としてのテンションロールRtと、蛇行補正部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRf、2次転写領域の対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、により回転可能に支持されている。
中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aの反対側には、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されている。前記バックアップロールT2aと2次転写ロールT2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bと中間転写ベルトBとが対向する領域により2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写ロールT1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、感光体ドラムPRy〜PRkに形成された画像を媒体に転写する実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。
中間転写ベルトBの回転方向に対して、2次転写領域Q4の下流側には、中間転写体の清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbが配置されている。
前記ベルトモジュールBMの上方には、現像剤の収容容器の一例としてのカートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各カートリッジKy〜Kkには、現像装置Gy〜Gkに補給される現像剤が収容されている。前記カートリッジKy〜Kkと現像装置Gy〜Gkとの間は、図示しない現像剤の補給装置により接続されている。
プリンタ部U1の下部には、媒体の収容容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR3が配置されている。給紙トレイTR1〜TR3は、案内部材の一例としてのガイドレールGRにより前後方向に着脱可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR3には、媒体の一例としてのシートSが収容されている。
給紙トレイTR1〜TR3の左上方には、媒体の取出部材の一例としてのピックアップロールRpが配置されている。ピックアップロールRpの左方には、捌き部材の一例としての捌きロールRsが配置されている。
各給紙トレイTR1〜TR3の左方には、上方に延びる媒体の搬送路SHが形成されている。搬送路SHには、媒体の搬送部材の一例としての搬送ロールRaが複数配置されている。搬送路SHには、シートSの搬送方向の下流部であり且つ2次転写領域Q4の上流側に、送出部材の一例としてのレジロールRrが配置されている。
2次転写領域Q4の上方には、定着装置Fが配置されている。定着装置Fは、加熱部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧部材の一例としての加圧ロールFpとを有する。加熱ロールFhと加圧ロールFpとの接触領域により、定着領域Q5が構成されている。
定着装置Fの斜め上方には、媒体の搬送部材の一例としての排出ローラRhが配置されている。排出ローラRhの右方には、媒体の排出部の一例としての排出トレイTRhが形成されている。
(画像形成動作の説明)
前記原稿トレイTG1に収容された複数の原稿Giは、プラテンガラスPG上の原稿の読み取り位置を順次通過して、原稿の排紙トレイTG2に排出される。
前記オートフィーダU3を使用して自動的に原稿を搬送して複写を行う場合は、読取り用の光学系Aは初期位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の読み取り位置を順次通過する各原稿Giを露光する。
原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う場合、読取り用の光学系Aが左右方向に移動して、プラテンガラスPG上の原稿が、露光されながら走査される。
原稿Giからの反射光は、読取り用の光学系Aを通って、撮像素子CCDに集光される。前記撮像素子CCDは、撮像面上に集光された原稿の反射光が赤:R、緑:G、青:Bの電気信号に変換される。
画像処理部GSは、撮像素子CCDから入力されるRGBの電気信号を黒:K、イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:Cの画像情報に変換して一時的に記憶する。画像処理部GSは、一時的に記憶した画像情報を予め設定された時期に、潜像形成用の画像情報として書込回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒:Kのみの画像情報が書込回路DLに入力される。
前記書込回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を予め設定された時期に、各色毎に配置されたLEDヘッドLHy〜LHkに出力する。
各感光体ドラムPRy〜PRkの表面は、帯電ロールCRy〜CRkによりに帯電される。LEDヘッドLHy〜LHkは、書込領域Q1y〜Q1kにおいて、感光体ドラムPRy〜PRkの表面に静電潜像を形成する。現像装置Gy〜Gkは、現像領域Q2y〜Q2kにおいて、感光体ドラムPRy〜PRkの表面の静電潜像を、可視像の一例としてのトナー像に現像する。現像装置Gy〜Gkで現像剤が消費されると、消費量に応じて、各カートリッジKy〜Kkから各現像装置Gy〜Gkに現像剤が補給される。
各感光体ドラムPRy〜PRkの表面のトナー像は、1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。各1次転写ロールT1y〜T1kには、電源回路Eから予め設定された時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。したがって、1次転写領域Q3y〜Q3kにおいて、1次転写電圧により、感光体ドラムPRy〜PRkのトナー像は、中間転写ベルトBに順次重ねて転写される。なお、K色の単色の画像の場合は、K色のトナー像のみが、Kの感光体ドラムPRkから中間転写ベルトBに転写される。
前記各感光体ドラムPRy〜PRk上のトナー像は、前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の感光体ドラムPRy〜PRk表面の残留物、付着物は、ドラムクリーナCLy〜CLkで清掃される。清掃された感光体ドラムPRy〜PRkの表面は、帯電ロールCRy〜CRkで再帯電される。
前記各給紙トレイTR1〜TR3のシートSは、予め設定された給紙時期にピックアップロールRpにより取り出される。ピックアップロールRpで取り出されたシートSは、複数枚のシートSが重なった状態で取り出された場合には、捌きロールRsで1枚ずつ分離される。捌きロールRsを通過したシートSは、複数の搬送ロールRaにより、レジロールRrに搬送される。
前記レジロールRrは、中間転写ベルトBの表面のトナー像が2次転写領域Q4に移動する時期に合わせて、シートSを送り出す。
レジロールRrから送り出されたシートSには、2次転写領域Q4を通過する際に、2次転写ロールT2bに印加された2次転写電圧により、中間転写ベルトBの表面のトナー像が転写される。
2次転写領域Q4を通過後の中間転写ベルトBの表面は、ベルトクリーナCLbにより残留トナーが除去されて清掃される。
2次転写領域Q4を通過したシートSは、定着領域Q5を通過する際に、定着装置Fによりトナー像が加熱および加圧されて定着される。
トナー像が定着された記録シートSは、排出ローラRhで排紙トレイTRhに排出される。
(現像装置の説明)
図3は実施例1の現像装置の説明図である。
図4は図3のIV−IV線断面図である。
次に、前記本発明の実施例1の現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの説明をするが、各色の現像装置Gy,Gm,Gc,Gkは同様に構成されているため、Y色の現像装置Gyについてのみ詳細な説明をし、その他の色の現像装置Gm,Gc,Gkについては、詳細な説明を省略する。
図3、図4において、感光体ドラムPRyに対向して配置された現像装置Gyは、トナー及びキャリアとを含む2成分現像剤を収容する現像容器Vを有している。図3において、現像容器Vは、下部の容器本体1を有する。容器本体1の上部には、蓋部材の一例としての容器カバー2が支持されている。容器カバー2は、容器本体1の上面を塞いでいる。
図3、図4において、容器本体1には、内部の左上部に、現像剤の保持体の収容部の一例としての現像ロール室4が形成されている。現像ロール室4の下方には、第1の収容室の一例としての供給室6が形成されている。供給室6は現像ロール室4と接続されている。供給室6の右方には、第2の収容室の一例としての撹拌室7が形成されている。
供給室6と撹拌室7との間は、仕切部材の一例としての仕切壁8で仕切られている。図4において、仕切壁8の前方には、第1の接続部の一例として、供給室6と撹拌室7とを接続する第1流入部8aが形成されている。なお、実施例1では、第1流入部8aは、現像ロール室4の前端よりも前方に配置されている。また、仕切壁8の後方には、第2の接続部の一例として、供給室6と撹拌室7とを接続する第2流入部8bが形成されている。
現像ロール室4には、現像剤の保持体の一例としての現像ロールR0yが収容されている。現像ロールR0yは左上方の外表面の一部が、感光体ドラムPRyに対向して配置されている。現像ロールR0yは、磁石部材の一例としての磁石ロール11を有する。図4において、磁石ロール11は、現像容器Vに回転不能に支持されている。図3、図4において、磁石ロール11の外周には、回転体の一例としての現像スリーブ12が配置されている。現像スリーブ12は、現像容器Vに回転可能に支持されている。現像スリーブ12の後端には、駆動の伝達部材の一例としてのギアG0が支持されている。ギアG0には、駆動源の一例としての図示しないモータから駆動が伝達可能に構成されている。実施例1の現像装置Gyでは、モータから駆動が伝達された場合に、現像スリーブ12は、対向領域の一例としての現像領域Q2yにおいて、感光体ドラムPRyの表面の移動方向と同方向に回転する
現像ロール室4の下方には、層厚の規制部材の一例としてのトリマー13が配置されている。実施例1のトリマー13は、前後方向に延びる円柱状に形成されている。トリマー13は、現像スリーブ12に対して、予め設定された隙間をあけて回転不能な状態で支持されている。
なお、前記磁石ロール11には、現像領域Q2yに対応して、現像磁極S1が設けられている。また、トリマー13に対向する位置には、層厚の規制用の磁極の一例としてのトリミング磁極N2が設けられている。トリミング磁極N2は、現像磁極S1とは逆極性の磁極により構成されている。また、現像スリーブ12の回転方向に対して、現像磁極S1の下流側には、現像磁極S1とは逆極性の搬送磁極N1が設けられている。現像スリーブ12の回転方向に対して、搬送磁極N1の下流側には、現像剤の離脱用の磁極の一例としてのピックオフ磁極S2が設けられている。ピックオフ磁極S2は、搬送磁極N1とは逆極性の磁極により構成されている。現像スリーブ12の回転方向に対して、ピックオフ磁極S2の下流側且つトリミング磁極N2の上流側には、現像剤の吸着用の磁極の一例としてのピックアップ磁極S3が設けられている。ピックアップ磁極S3は、ピックオフ磁極S2とは同極性且つトリミング磁極N2とは逆極性の磁極により構成されている。
図3、図4において、供給室6には、第1の搬送部材の一例としての供給オーガ16が配置されている。供給オーガ16は、前後方向に延びる回転軸16aを有する。回転軸16aの外周には、螺旋状の搬送羽根16bが支持されている。また、回転軸16aの後端には、駆動の伝達部材の一例としてのギアG1が支持されている。
撹拌室7には、第2の搬送部材の一例としての撹拌オーガ17が配置されている。撹拌オーガ17は、供給オーガ16と同様に、回転軸17aと、搬送羽根17bと、ギアG2とを有する。
供給オーガ16のギアG1は、中間のギアG3を介してギアG0と噛み合っている。また、撹拌オーガ17のギアG2は、供給オーガ16のギアG1と噛み合っている。
また、図4において、撹拌室7の後部には、カートリッジKyからの現像剤が補給される補給口7aが形成されている。
(現像装置の機能)
前記構成を備えた現像装置Gy〜Gkでは、画像形成が開始されると、モータが駆動して、現像ロールR0y〜R0kが回転すると共に、各オーガ16,17が回転する。実施例1では、供給オーガ16が回転すると、供給オーガ16は、供給室6の現像剤を、矢印Yaで示すように、第1流入部8aから第2流入部8bに向けて撹拌しながら搬送する。第2流入部8bまで搬送された現像剤は、第2流入部8bを通じて撹拌室7に流入する。撹拌オーガ17が回転すると、撹拌オーガ17は、撹拌室7の現像剤を、矢印Ybで示すように、第2流入部8bから第1流入部8aに向けて撹拌しながら搬送する。第1流入部8aまで搬送された現像剤は、第1流入部8aを通じて供給室6に流入する。よって、供給室6と撹拌室7とによって、循環室6+7が構成されている。
供給室6の現像剤は、ピックアップ磁極S3の磁力で、現像スリーブ12に吸着される。現像スリーブ12に吸着された現像剤は、トリマー13を通過する際に、トリマー13と現像スリーブ12との隙間に対応する予め設定された現像剤のみが通過する。トリマー13を通過した現像剤は、現像領域Q2y〜Q2kにおいて、感光体ドラムPRy〜PRkの潜像を現像する。現像に使用されなかった現像剤は、現像磁極S1と搬送磁極N1との間の磁界や搬送磁極N1とピックオフ磁極S2との間の磁界等で現像スリーブ12の表面に吸着されたまま搬送される。同極性のピックオフ磁極S2とピックアップ磁極S3との間では、現像剤を現像スリーブ12に吸着する磁力が低下する。よって、現像スリーブ12の表面に吸着された現像剤は、ピックオフ磁極S2とピックアップ磁極S3との間で、現像スリーブ12から離脱して、循環室6+7に戻される。なお、実施例1では、現像スリーブ12に吸着する磁力が極小となる位置Q11が、現像スリーブ12の回転中心を通る仮想的な水平線L0に対して上方に設定されている。よって、現像スリーブ12から離脱した現像剤は、現像スリーブ12の外表面に沿って現像スリーブ12から離間する方向に移動し易くなっている。
(現像装置の各部位の説明)
図5は実施例1の位置関係の説明図であり、図3に対応する図である。
図5において、実施例1の現像装置Gyでは、供給オーガ16の回転軸16aは、重力方向上方からの現像ロールR0yの射影範囲A1の内側に配置されている。
図5に示すように、現像ロールR0yに対して感光体ドラムPRyとは反対側において、現像ロールR0yの外表面に接する重力方向に延びる接線を、第1の仮想接線L1と仮定する。また、供給オーガ16に対して感光体ドラムPRyとは反対側において、供給オーガ16の搬送羽根16bの外端に接する重力方向に延びる接線を、第2の仮想接線L2と仮定する。そして、実施例1の現像装置Gyでは、第1の仮想接線L1よりも第2の仮想接線L2の方が水平方向で感光体ドラムPRyよりも遠い側に配置されている。
図5に示すように、第1の仮想接線L1と第2の仮想接線L2との水平方向の距離を第1の距離K1とする。また、現像ロールR0yに対して感光体ドラムPRyとは反対側において、第1の仮想接線L1と現像容器Vの内面との水平方向の距離を第2の距離K2とする。そして、実施例1の現像装置Gyでは、第1の距離K1が第2の距離K2に比べて短く設定されている。
よって、実施例1の現像装置Gyは、現像ロールR0yと供給オーガ16とが水平方向でほぼ重なって配置されている。よって、実施例1の現像装置Gyは、従来に比べて、小型化されている。
図6は実施例1の誘導部材の説明図である。
図5、図6において、現像ロールR0yに対して感光体ドラムPRyの反対側には、誘導部材の一例としての誘導フィン21が配置されている。実施例1の誘導フィン21は、現像容器Vの内面に支持されている。前記誘導フィン21は、傾斜部の一例として、現像容器Vの内面から突出した立ち壁状のフィン部22を複数有する。各フィン部22は、現像ロール16の軸方向に沿って、予め設定された間隔P1を空けて互いに並行に配置されている。フィン部22は、現像ロールR0yの回転方向の下流側に行くにつれて、搬送オーガ16の搬送方向Yaの下流側に傾斜している。すなわち、実施例1のフィン部22は、下方に行くにつれて供給室6の下流側に傾斜している。
なお、図3、図5において、各フィン部22の突出方向の先端は、現像スリーブ12に沿って円弧状に形成され、現像スリーブ12に対して隙間H1を空けて配置されている。特に、実施例1では、前記隙間H1は、トリマー13と現像スリーブ12の外表面との間の隙間H2よりも大きく設定されている。また、軸方向、すなわち、前後方向では、現像スリーブ12の外表面の長さに対応した範囲に、フィン部22が配置されている。なお、実施例1では、フィン部22が、現像スリーブ12の外表面の長さに対応した範囲に設置された構成を例示したが、これに限定されず、現像スリーブ12に比べて広い範囲にフィン部22を配置することも可能である。
図7は実施例1の誘導部材の位置の説明図であり、図7Aは実施例1の現像剤保持体における磁力の分布の説明図、図7Bは磁力の分布と誘導部材の位置の説明図である。
図7Aは実施例1の現像ロールR0yについて、磁石ロール11の各磁極S1〜N2が有する法線方向の磁力の大きさを、径方向の長さとして、現像スリーブ12の回転方向に沿って示したグラフである。すなわち、図7Aにおいて、周方向は、現像スリーブ12上の位置を示す。そして、径方向外側ほど、その位置の磁力の大きさが大きいことを表す。図7において、本願明細書および特許請求の範囲では、ピックオフ磁極S2の極大値T1の位置Q21に対して現像スリーブ12の回転方向の上流側で且つ極大値T1の半分の値T1/2となる位置Q22と、極大値T1の位置Q21に対して現像スリーブ12の回転方向の下流側で且つ極大値T1の半分の値T1/2となる位置Q23と、の間の領域を半値幅Wとして定義する。このとき、図7Bにおいて、実施例1の誘導フィン21は、現像剤が誘導される方向の上流端の一例としての上端22aが、半値幅Wの内側に配置されている。すなわち、上端22aが、現像スリーブ12における半値幅Wの外表面に対向して配置されている。なお、実施例1の誘導フィン21では、現像剤が誘導される方向の下流端の一例としての下端22bが、磁力が極小の位置Q11よりも下方に配置されている。
ここで、図5、図6において、実施例1の誘導フィン21では、フィン部22とフィン部22の間隔P1、いわゆる、ピッチが、供給オーガ16の搬送羽根16bのピッチP2に比べて短く設定されている。また、図6において、各フィン部22が、現像ロールR0yの軸方向に直交する方向に対して傾斜する傾斜角度θ1は、一例として、30度に設定されている。なお、実施例1では、傾斜角度θ1が30度に設定された構成を例示するが、これに限定されず、フィン部22が、現像ロールR0yの回転方向の下流側に行くにつれて、搬送オーガ16の搬送方向Yaの下流側に傾斜していれば、傾斜角度θ1は任意の角度に設定可能である。その上で、傾斜角度θ1としては、20度以上且つ現像剤の安息角に対する余角の角度以下の角度に設定することが望ましい。すなわち、傾斜角度θ1が20度未満の場合、各フィン部22は軸方向に直交する方向に沿った状態に近くなり、現像剤を搬送方向Yaの下流に誘導し難くなる恐れがある。また、傾斜角度θ1が、安息角に対する余角の角度よりも大きい場合、現像剤がフィン部22に沿って堆積する恐れがあり、現像剤の移動が阻害され易くなる恐れがある。
特に、傾斜角度θ1としては、30度以上且つ現像剤の安息角に対する余角の角度以下が望ましい。すなわち、傾斜角度θ1が30度以上の場合、30度未満の場合に比べて、現像剤を搬送方向Yaの下流に誘導する量が大きくなり易い。なお、安息角は、現像剤の種類や、温湿度などの使用環境に基づいて変わる。実施例1では、一例として、安息角が35度の現像剤が使用されている。よって、実施例1では、現像剤の安息角に対する余角は、一例として、直角から35度を引いた55度となる。また、フィン部22の長さλ1は、λ1・(sinθ1)が供給オーガ16のピッチP2に比べて大きくなるように構成されている。すなわち、実施例1では、フィン部22の長さλ1は、λ1>P2/(sinθ1)を満たすように構成されている。
図5において、実施例1の現像装置Gyでは、仕切壁8の上端部に、軸方向に交差する方向に現像剤を誘導する第2の現像剤の誘導部材の一例としてのガイド部材31が配置されている。すなわち、ガイド部材31は、現像ロールR0yに対して、感光体ドラムPRyとは反対側に配置されている。
実施例1のガイド部材31は、上端31aから下方に行くにつれて供給オーガ16の回転軸16aに向けて傾斜する傾斜面32が形成されている。また、ガイド部材31の上端31aは、現像ロールR0yの重力方向の下端33よりも重力方向で下方に配置されている。
また、ガイド部材31の重力方向の下端31bは、供給オーガ16の回転軸16aに対して、上方に配置されている。すなわち、ガイド部材31の下端31bの高さは、供給オーガ16の回転軸16aよりも高い位置に設定されている。なお、実施例1では、下端31bの高さは、供給オーガ16の搬送羽根16bの上端16cよりも低い位置に設定されている。
さらに、実施例1では、ガイド部材31の下端31b、すなわち、傾斜面32の下端31bは、水平方向に対して、第2の仮想接線L2よりも、現像容器Vの内面側に配置されている。
また、実施例1のガイド部材31は、傾斜面32の水平に対する傾斜角θ2が、現像剤の安息角以上90度未満、すなわち、実施例1では、35度以上90度未満に設定されている。
(誘導フィンの機能)
前記構成を備えた実施例1の現像装置Gyでは、オーガ16,17が回転して、循環室6+7内を現像剤が循環しながら搬送される。このとき、供給室6では、供給オーガ16が回転して、現像剤が矢印Ya方向に搬送される。供給室6の現像剤は、一部が、ピックアップ磁極S3の磁力で現像スリーブ12に吸着され、残りは、さらに矢印Ya方向を下流側に搬送される。現像スリーブ12に吸着された現像剤は、現像スリーブ12の回転に伴って、現像スリーブ12と共に回転移動する。この際に、現像領域Q2yを通過して感光体ドラムPRyの潜像を現像すると、現像剤のトナーは消費される。トナーが消費された残りの現像剤は、現像スリーブ12と共にさらに回転移動し、現像ロールR0yの磁力が極小の位置Q11に向かって移動する。前記位置Q11の近傍では、現像スリーブ12に吸着される磁力が弱まって、トナーの消費された現像剤は現像スリーブ12から離脱する。
現像剤は現像スリーブ12から離脱すると、離脱した勢いで、位置Q11の右側に対応して配置され且つ供給室6の上方に配置された誘導フィン21に向かって移動する。ここで、誘導フィン21の各フィン部22は、上端22aよりも下端22bが搬送方向Yaの下流側に配置された状態で傾斜している。よって、誘導フィン21に進入した現像剤は、重力の作用などで下方に移動する際に、フィン部22に沿って搬送方向Yaの下流側に誘導される。したがって、誘導フィン21に進入した現像剤は、離脱した位置に比べて、搬送方向Yaの下流側に移動した状態で誘導フィン21を通過する。よって、実施例1では、現像剤が搬送方向Yaの下流側に移動した状態で供給室6に戻る。なお、実施例1では、誘導フィン21の下方にはガイド部材31が配置されている。前記ガイド部材31は、誘導フィン21から流出して落下する現像剤をガイドして供給室6に戻す。供給室6に戻った現像剤は、上流側から搬送されてくる現像剤などと混ぜられながら搬送方向Yaに搬送される。
なお、実施例1の誘導フィン21の先端22aは、半値幅Wの内側に配置されている。よって、ピックオフ磁極S2の位置が公差でずれることがあっても、誘導フィン21は離脱位置Q11の側方に配置される。よって、実施例1では、公差の影響を受けずに、現像スリーブ12から離脱した現像剤を、誘導フィン21に進入させ易くなっている。また、実施例1では、誘導フィン21は、現像スリーブ12に対して隙間H1を空けて配置されている。よって、誘導フィン21が現像スリーブ12に接触する場合に比べて、現像スリーブ12が摩耗することが抑制されている。特に、実施例1では、隙間H1は、隙間H2よりも広い。よって、実施例1の誘導フィン21は、現像スリーブ12上に保持された現像剤には接触し難くなっている。したがって、実施例1では、現像剤が飛散する現象、いわゆる、クラウドの発生が抑制されている。
ここで、現像スリーブ12に吸着された現像剤は、現像領域Q2yでトナーが消費された後、現像スリーブ12から離脱して供給室6に戻される。供給室6に戻った現像剤は、供給オーガ16で搬送方向Yaの下流側に搬送される。搬送方向Yaの下流側に搬送された現像剤は、再び、現像スリーブ12に吸着される。そして、現像領域Q2yで消費された後、供給室6に戻される。このようにして、現像剤は供給室6の上流から下流に搬送されるまでの間、現像スリーブ12に吸着され、現像領域Q2yでトナーが消費され、供給室6に戻される工程を繰り返す。よって、供給室6の現像剤は搬送方向Yaの下流側に行くほどトナーの消費量が多くなり、上流側と下流側とで、現像剤の濃度に差が生じる。そして、濃度差が大きくなると現像される画像の濃度に差が生じて画質が低下してしまう。
図8は現像剤の移動の説明図であり、図8Aは誘導フィンを有する場合の説明図、図8Bは誘導フィンを有しない場合の比較の説明図である。
すなわち、誘導フィン21を有しない構成では、図8Bに示すように、搬送方向Yaに対して、現像剤が現像スリーブ12に吸着される位置Q031と、現像スリーブ12から離脱した現像剤が供給室6に戻る位置Q032とは、ほとんど変わらない。これに対して、実施例1では、図8Aに示すように、現像スリーブ12から離脱した現像剤は、誘導フィン21に案内されて搬送方向Yaの下流側の位置Q32で供給室6に戻される。よって、実施例1では、現像剤は供給オーガ16だけではなく、誘導フィン21でも、搬送方向Yaの下流側に移送される。したがって、実施例1では、現像剤が供給室6の上流から下流に早く通過し易く、現像スリーブ12に吸着される回数が少なくなる。よって、供給室6の搬送方向Yaの下流側では、消費されたトナー量が結果として少なくなる。したがって、上流側の領域と、下流側の領域との現像剤の濃度の差、すなわち、搬送方向における濃度差が小さくなり易い。よって、実施例1では、現像剤の濃度差が、現像領域の通過後の現像剤を搬送方向に移動させない場合に比べて低減されている。
ここで、特許文献2では、現像スリーブから剥離された現像剤を、軸方向に直交する方向に延びるリブ状の仕切り板で案内している。したがって、特許文献2の仕切り板を用いる場合、搬送方向Yaに対しては、位置が保持されながら案内されてしまう。また、特許文献2の構成は、そもそも、現像スリーブから剥離された現像剤を、供給室ではなく、攪拌室に向けて戻している。よって、供給室では、現像剤が現像スリーブに供給され現像剤が減少しても、減少した位置に対してすぐには現像剤が補給されない。よって、特許文献2の構成では、下流側になるほど現像剤の量、すなわち、嵩が減り易くなってしまう。特に、収容量が少ない小型化された現像装置では、現像剤の減少の影響が顕著となり、搬送方向Yaの下流側では現像剤が不足し、現像不良が生じる恐れがある。したがって、小型化された実施例1の現像装置に対して、特許文献2の構成を適用することは困難である。
また、特許文献1には、搬送方向に現像剤を誘導する板状の部材が記載されている。しかし、特許文献1の誘導する部材は、搬送方向の下流側ほど、傾斜が急で直立に近くなっている。すなわち、特許文献1では、上流側で離脱した現像剤ほど下流側に長い距離移送され、下流側で離脱した現像剤はあまり移送されずに収容室に戻される。よって、特許文献1では、現像領域Q2yを通過してトナーが消費された現像剤は、上流側の領域よりも、供給室の下流側の領域に戻り易くなっている。よって、特許文献1では、下流側の現像剤の濃度が特に薄くなり易い。その上、小型化されて現像剤の収容量が少ない構成では、トナーが消費されて戻った現像剤の影響は相対的に大きく、現像剤の濃度が特に低下し易い。
したがって、特許文献1や2に記載の従来の構成では、小型の現像装置において、搬送方向における現像剤の濃度差を低減することは困難である。
これに対して、実施例1の誘導フィン21では、各フィン部22が傾斜角度θ1で傾斜し且つ間隔がP1で搬送方向Yaに沿って並行に配置されている。よって、実施例1の誘導フィン21は、傾斜角度が配置位置に応じて異なる従来の構成に比べて、現像剤を誘導する量の偏りが少なくなっている。また、実施例1のフィン部22では、搬送方向に対して配置されたフィン部22の数の偏りも少ない。したがって、実施例1では、現像スリーブ12から離脱した現像剤は、軸方向の位置に関わらずに、搬送方向Yaの下流側に移送されて収容室6に戻され易くなっている。よって、実施例1では、特許文献2のようにトナーが消費された現像剤が一部に集中して戻されることが低減されている。したがって、実施例1では、従来の構成に比べて、下流側の現像剤の濃度が低下し過ぎて濃度差が生じることが低減されている。
また、実施例1の傾斜角度θ1は30度に設定されており、現像剤の安息角に対する余角の角度以下である。よって、実施例1では、搬送方向Yaに誘導しつつ、フィン部22では現像剤が堆積し難く、詰まり難くなっている。
図9は誘導フィンの間隔と現像剤の量の説明図であり、図9Aは実施例1の説明図、図9Bは誘導フィンの間隔がオーガのピッチに比べて広い場合の比較の説明図である。
さらに、実施例1では、フィン部22の間隔P1が、供給オーガ16のピッチP2に比べて狭い。
ここで、誘導フィン21のフィン部22とフィン部22との間には、間隔P1に応じた量の現像剤が進入する。また、実施例1では、各フィン部22の下端22bが、進入した現像剤が落下する範囲B1よりも、搬送方向Yaの下流側に配置されている。よって、フィン部22の間に進入した現像剤は、落下する際に、フィン部22に沿って搬送方向Yaに誘導される。そして、誘導された現像剤が、フィン部22の下端22bの位置で、供給室6に戻される。
したがって、フィン部22の間隔P1が広いほど大量の現像剤が進入して、一つのフィン部22で誘導される現像剤の量が増加し易い。その上、間隔P1が広がるほど、現像剤が供給室6に戻される位置も離間し易い。したがって、間隔P1が広いほど、トナーの消費された現像剤が供給室6に対して離散した位置で大量に戻され易くなる。よって、現像剤の濃度が均されるまでに時間が掛かり易く、現像剤の濃度が搬送方向Yaでバラつき易い。
図10は誘導フィンの間隔と供給室に戻される現像剤の説明図であり、図10Aは実施例1の説明図、図10Bは図10Aの状態から供給オーガが現像剤を搬送した状態を示す説明図、図10Cは誘導フィンの間隔が供給オーガのピッチに比べて広い場合の比較の一例の説明図、図10Dは図10Cの状態から供給オーガが現像剤を搬送した状態を示す説明図である。
特に、フィン部22の間隔P1が、供給オーガ16のピッチP2に比べて広い場合には、図10C、図10Dに示すように、搬送羽根16bの一巻き分の間の空間に関し、隣り合う一方の空間16b1,16b2には現像剤が戻され、他方の空間16b2,16b1には現像剤が戻されない状況が発生する。このとき、隣り合う空間16b2,16b1は搬送羽根16bに仕切られており、供給オーガ16が回転しても、仕切られながら移動し易い。よって、空間16b1,16b2同士では現像剤が混ざり難い。したがって、一方の空間16b1,16b2にだけ現像剤が戻されると、隣り合う空間16b2,16b1では、現像剤の嵩や濃度が異なる恐れがある。よって、空間16b1,16b2に応じた長さ、いわゆる、ピッチP2に応じて、現像スリーブ12への吸着不良や、感光体ドラムPRyへの現像不良が生じ、画質が悪化する恐れがある。
これに対して、実施例1では、図9A、図10A、図10Bに示すように、フィン部22の間隔P1が、供給オーガ16のピッチP2に比べて狭い。よって、間隔P1が広過ぎず、現像剤が少量ずつ、多数の位置で供給室6に戻され易い。したがって、トナーの消費された現像剤が分散した状態で戻され易くなっている。よって、搬送方向Yaで濃度がバラつくことが低減されている。
特に、間隔P1がピッチP2に比べて狭い実施例1では、供給オーガ16の一巻き分の空間16b1,16b2それぞれに対して現像剤が戻され易くなっている。したがって、実施例1では、間隔P1がピッチP2よりも大きい場合に比べて、現像剤の嵩や濃度に差が生じ難くなっており、画質も悪化し難くなっている。
なお、図3に示すように、実施例1では、誘導フィン21を通過した現像剤は、水平方向において、供給オーガ16の回転軸16aよりも、現像ロールR0yから離間した側に戻され易くなっている。ここで、実施例1では、供給オーガ16の回転方向は、回転軸16bの軸方向に直交する断面において、現像ロールR0yから離間した側の位置、収容室6の底面に対向する位置、現像ロールR0yに近接した側の位置、現像剤が現像スリーブ12に吸着される位置、の順に回転している。よって、供給室6に戻された直後でトナーが消費された現像剤が、収容室6の現像剤と撹拌される前に現像スリーブ13に供給され難くなっている。
(実験例)
次に、実施例1の効果を確かめる実験を行った。
実験では、富士ゼロックス株式会社製のDocuCentre SC2020のプリンタを実験用に改造して使用した。
(実験例1−1)
実験例1−1では、現像装置Gyを改造して使用した。すなわち、オーガ16,17及び現像ロールR0yの周囲に存在する現像剤の量、いわゆる、Sump量を135[g]とした現像装置Gyと、90[g]とした現像装置Gyの2種類を使用した。また、各現像装置Gyには、誘導フィン21を設けた。誘導フィン21のフィン部22の長さλ1は25[mm]とした。また、フィン部22の間隔P1は10[mm]とした。さらに、フィン部22の傾斜角度θ1は40度とした。そして、現像剤の量の異なる2種類の現像装置Gy毎に、供給室6の濃度差ΔTC[%]を測定した。具体的には、濃度100[%]の画像、いわゆるベタ画像を、A3サイズ用に作成し、記録シートSに対して連続20枚分、印刷した。そして、20枚の印刷後に、現像装置Gyの濃度差ΔTC[%]を測定した。濃度差ΔTC[%]は、供給室6で、搬送方向Yaに離間した予め設定された2つの位置の濃度を測定した。そして、それらの差分を濃度差ΔTC[%]とした。ここで、実験例1では、プロセススピードを126[mm/s]とした。すなわち、記録シートSが転写領域Q4を通過する速度を126[mm/s]とした。さらに、現像ロールR0yの回転速度、すなわち、現像スリーブ12の回転速度を214.2[mm/s]とした。
(実験例1−2)
実験例1−2では、プロセススピードを63[mm/s]とした。すなわち、記録シートSが転写領域Q4を通過する速度を63[mm/s]とし、現像スリーブ12の回転速度を107.1[mm/s]とした。その他の条件、測定方法は実験例1−1と同様に行った。
(比較例1−1)
比較例1−1では、フィン部22の傾斜角度θ1を0度とした。また、比較例1では、現像剤の量を、135[g]、100[g]、85[g]とした3種類の現像装置Gyを使用した。その他の条件、測定方法は実験例1−1と同様に行った。
(比較例1−2)
比較例1−2では、フィン部22の傾斜角度θ1を0度とした。また、比較例2では、現像剤の量を、135[g]、100[g]、85[g]とした3種類の現像装置Gyを使用した。その他の条件、測定方法は実験例1−2と同様に行った。
(実験例1−1,1−2と比較例1−1,1−2の実験結果)
図11は実験例1−1と実験例1−2と比較例1−1と比較例1−2の実験結果の説明図であり、図11Aはプロセススピードが126[mm/s]の場合の現像剤の量と濃度差の説明図、図11Bはプロセススピードが63[mm/s]の場合の現像剤の量と濃度差の説明図である。
図12は実験例1−1と実験例1−2と比較例1−1と比較例1−2の実験結果の説明図であり、図12Aは傾斜角度が0度の場合の現像剤の量と濃度差の説明図、図12Bは傾斜角度が40度の場合の現像剤の量と濃度差の説明図である。
図11、図12において、横軸には現像剤の量[g]をとり、縦軸には濃度差ΔTC[%]をとった。そして、図11、図12では、実験例1−1,1−2、比較例1−1,1−2毎に、現像装置Gyの現像剤の量毎に測定された濃度差ΔTC[%]をプロットして、現像剤の量と濃度差の関係を示した。また、現像剤の量と濃度差の関係を直線で近似して示した。
一般に、現像装置Gy〜Gkでは、現像剤の収容量が大きいほど、トナー消費の影響を受け難く濃度差ΔTC[%]が小さくなり易い。このことは、図11、図12の実験例1−1,1−2および比較例1−1,1−2の近似直線の傾きが負であることからも理解される。つまり、現像剤の量が大きい場合の濃度差ΔTC[%]には、問題が少ない。よって、現像剤の量が小さい場合の濃度差ΔTC[%]は、現像剤の量が大きい場合の濃度差に近い方が望ましく、現像剤の量の変化に対する濃度差ΔTC[%]の変化は小さいことが望ましい。ここで、図11、図12において、傾斜角度θ1が40度でフィン部22が傾斜した実験例1−1,1−2の方が、傾斜角度θ1が0度でフィン部が非傾斜の比較例1−1,1−2よりも、近似直線の傾きが緩やかである。よって、実験例1−1,1−2の方が、比較例1−1,1−2に比べて、現像剤の量の変化に対する濃度差ΔTC[%]の変化が小さいことが確認された。したがって、現像装置Gy〜Gkが小型化されて収容量が少なくなった場合に、傾斜した誘導フィン21を設けた方が、濃度差ΔTC[%]の悪化が抑制されることが確認された。
また、図12において、傾斜した誘導フィン21を設けた場合に、プロセススピードの速い方が濃度差ΔTC[%]が小さくなって良化され易い事が確認された。これは、次のように考えられる。すなわち、プロセススピードが速い場合、現像スリーブ12の回転速度が大きくなる。よって、現像スリーブ12上の現像剤に作用する遠心力が大きくなり、離脱時の現像剤の速度が大きくなり易い。したがって、現像剤が現像スリーブ12を離脱した場合に、誘導フィン21に到達し易く、誘導フィン21に沿って誘導され易くなる。よって、プロセススピードが速い場合には、重力で真下に落ちて供給室6に戻る現像剤よりも、誘導フィン21に誘導されて供給室6に戻る現像剤の割合がさらに多くなって、現像剤の濃度差ΔTC[%]が抑制されるものと考えられる。
(実験例2−1)
実験例2−1では、オーガ16,17及び現像ロールR0yの周囲に存在する現像剤の量を180[g]とした現像装置Gyを使用した。また、前記現像装置Gyには、誘導フィン21を設けた。フィン部22の傾斜角度θ1は50度とした。そして、実験例2−1では、傾斜した誘導フィンが、現像剤の搬送方向Yaの移動距離に与える影響を観測する実験を行った。具体的には、A3ベタ画像の画像形成処理を行って、現像装置Gyを作動させた。この際に、観測部材の一例としてのビデオカメラで、感光体ドラムPRy側から現像スリーブ12上を撮影した。このとき、実験例2−1では、現像スリーブ12に対して、Y色とは異なる色の現像剤を予め設定された位置で添加した。そして、撮影した画像に基づいて、予め設定された時間後に、現像スリーブ12上に現れる混色の現像剤の位置を観測した。すなわち、現像剤を添加した位置と、経過した時間と、混色の現像剤が表れた位置と、に基づいて、現像剤が軸方向に移動した距離を測定した。ここで、実験例2−1では、プロセススピードを126[mm/s]とした。すなわち、記録シートSが転写領域Q4を通過する速度を126[mm/s]とし、現像スリーブ12の回転速度を214.2[mm/s]とした。その他の条件、測定方法は実験例1−1と同様に行った。
(実験例2−2)
実験例2−2では、プロセススピードを63[mm/s]とした。すなわち、記録シートSが転写領域Q4を通過する速度を63[mm/s]とし、現像スリーブ12の回転速度を107.1[mm/s]とした。その他の条件、測定方法は実験例2−1と同様に行った。
(比較例2−1)
比較例2−1では、誘導フィン21の傾斜角度θ1を0度とした。その他の条件、測定方法は実験例2−1と同様に行った。
(比較例2−2)
比較例2−2では、誘導フィン21の傾斜角度θ1を0度とした。その他の条件、評価方法は実験例2−2と同様に行った。
(実験例2−1,2−2と比較例2−1,2−2の実験結果)
図13は実験例2−1と実験例2−2と比較例2−1と比較例2−2の実験結果の説明図である。
図13において、傾斜角度θ1が0度の比較例2−1,2−2では、現像剤の搬送方向Yaの移動距離が10〜11[mm]程度であることが観測された。これに対して、傾斜角度θ1が50度でプロセススピードが63[mm/s]の実験例2−2では、現像剤の搬送方向Yaの移動距離がおよそ12[mm]と観測された。また、傾斜角度θ1が50度でプロセススピードが126[mm/s]の実験例2−1では、現像剤の搬送方向Yaの移動距離が16[mm]前後であることが観測された。よって、傾斜角度θ1が0度の場合よりも、傾斜角度θ1が大きい50度の場合の方が現像剤が搬送方向Yaに移動することが観測された。したがって、誘導フィン21が傾斜している場合に、現像剤は搬送方向Yaに誘導され易い傾向にあることが確認された。
また、傾斜角度θ1が50度の実験例2−1, 2−2において、プロセススピードが63[mm/s]の実験例2−2では、現像剤の移動距離は、およそ12[mm]と観測された。これに対して、プロセススピードが126[mm/s]の実験例2−1では、現像剤の移動距離が12[mm]よりも大きいおよそ16[mm]と観測された。よって、傾斜角度θ1が等しい場合には、プロセススピードの速い方が、現像剤の搬送方向Yaの移動距離が大きいことが確認された。
ここで、実験例1の実験結果では、傾斜角度θ1が大きいほど、プロセススピードが速いほど、搬送方向の現像剤の濃度差ΔTC[%]が低減される傾向にあった。よって、実験例1および実験例2の実験結果より、現像剤が搬送方向に誘導される量が大きいほど、搬送方向の現像剤の濃度差ΔTC[%]が小さくなる傾向にあると考えられる。
なお、実験例2−1,2−2、比較例2−1,2−2では、現像剤の移動距離は、現像スリーブ12上で観測した。よって、誘導フィン21が現像剤を誘導した距離と、供給オーガ16が現像剤を搬送した距離とを合わせた距離が観測されている。よって、比較例2−2により、プロセススピードが63[mm/s]の実験例2−2では、供給オーガ16が現像剤を搬送する距離は10[mm]程度であると考えられる。また、比較例2−1により、プロセススピードが126[mm/s]の実験例2−1では、供給オーガ16が現像剤を搬送する距離は11[mm]程度であると考えられる。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図14は実施例2の誘導部材の説明図であり、図14Aは誘導部材の位置の説明図、図14Bは下方から誘導部材を見た場合の説明図である。
図14において、実施例2の誘導部材の一例としての誘導フィン21′は、現像ロールR0yの側方に替えて、現像ロールR0yの上方に配置されている。実施例2の誘導フィン21′のフィン部22′は、現像スリーブ12に沿って円弧状に形成されている。前記フィン部22′は、現像スリーブ12の外表面に対して隙間H1′を空けて配置されている。また、フィン部22′において、現像剤が誘導される方向における上流端の一例としての左端22a′は、搬送磁極N1の位置に応じて配置されている。実施例2では、現像スリーブ12の回転方向において、現像容器2の開口部2aの下流側で且つ搬送磁極N1の上流側近傍に配置されている。また、現像剤が誘導される方向における下流端の一例としての右端22b′は、ピックオフ磁極S2の位置に対向して配置されている。
ここで、実施例2の前記隙間H1′[mm]は、現像スリーブ12上の現像剤の層厚よりも小さくなるように設定されている。すなわち、トリマー13と現像スリーブ12の外表面との隙間H2に比べて小さく設定されている。特に、実施例2では、現像剤の固め嵩密度をP[g/mm]とし、現像スリーブ12に保持される単位面積当たりの現像剤の設定量をM[g/mm]とした場合に、M/P>H1′を満たす隙間H1′として設定されている。なお、固め嵩密度とは、粉体、すなわち、現像剤を、容器にタッピングを加えながら充填した場合の密度をいう。なお、固め嵩密度に対して、タッピングを行わずに、現像剤を容器にゆるく充填した場合の密度を緩め嵩密度という。
(実施例2の誘導フィンの機能)
前記構成を備えた実施例2の現像装置Gy′では、供給室6から現像スリーブ12に吸着された現像剤は、現像スリーブ12の回転に伴って回転方向の下流側に搬送される。すなわち、現像スリーブ12上に吸着された現像剤は、現像領域Q2yを通過して、搬送磁極N1、ピックオフ磁極S2に向けて搬送される。ここで、実施例2の現像装置Gy′では、搬送磁極N1の上流側からピックオフ磁極S1の位置に対応して、誘導フィン21′が配置されている。よって、実施例2では、現像領域Q2yを通過してトナーが消費された現像剤は、フィン部22′の左端22a′から誘導フィン21に進入する。そして、誘導フィン21を通過した現像剤が離脱位置Q11で現像スリーブ12から離脱し、落下して供給室6に戻る。なお、この際に、落下する現像剤はガイド部材31でガイドされる場合もある。
ここで、実施例2の誘導フィン21′は、回転方向の下流側に進むに連れて、軸方向である搬送方向Yaの下流側に傾斜した復数のフィン部22′を有している。よって、誘導フィン21′に進入した現像剤は、回転方向の下流側に移動する際に、フィン部22′に接触する。そして、回転方向の下流側に移動しようとする現像剤が、フィン部22′に沿って搬送方向Yaの下流側に誘導される。したがって、現像剤が誘導フィン21′を通過した場合、流入した位置に比べて流出した位置の方が搬送方向Yaの下流側となり易い。よって、実施例2では、現像剤は、現像スリーブ12に吸着された位置よりも、搬送方向Yaの下流側で離脱して供給室6に戻り易い。したがって、実施例2でも、実施例1と同様に、トナーの消費された現像剤は搬送方向Yaの下流側に移動した状態で供給室6に戻され易くなっている。よって、実施例2でも、実施例1と同様に、小型の現像装置Gy′において軸方向の現像剤の濃度差ΔTC[%]が低減され易くなっている。
また、実施例2の誘導フィン21′は、現像スリーブ12上の現像剤を搬送方向Yaに誘導する構成である。ここで、実施例1では、誘導フィン21は現像ロールR0yの側方に配置されており、現像スリーブ12から離脱して誘導フィン21に進入した現像剤が誘導される。一般に、プロセススピードが変わって現像スリーブ12の回転速度が変わると、遠心力が変わって、現像剤が現像スリーブ12から離脱する位置や速度などが変わる。よって、離脱した現像剤が誘導フィン21に進入する位置や現像剤の量も変化する。したがって、実施例1では、プロセススピードに応じて、現像剤が搬送方向Yaに誘導される距離や、誘導される現像剤の量自体が変化する場合がある。これに対して、実施例2の誘導フィン21′は、現像スリーブ12上に保持されて回転方向の下流側に移動する現像剤に接触して誘導している。よって、プロセススピードが変化しても、誘導フィン21′に進入する現像剤の量は変わり難い。また、誘導フィン21に進入する軸方向の位置も変わり難く、搬送方向Yaに誘導される距離も変わり難い。すなわち、実施例2では、離脱した現像剤を誘導する場合よりも、広範なプロセススピードに対して、現像剤を搬送方向Yaに誘導する距離や誘導する現像剤の量を安定させ易くなっている。
さらに、実施例2の誘導フィン21′では、隙間H1′が、現像剤の固め嵩密度Pに基づいて設定されている。ここで、実施例2の誘導フィン21′は、現像スリーブ12上の現像剤に接触する必要がある。よって、実施例2では、誘導フィン21′と現像スリーブ12の隙間H1′が、現像スリーブ12上の層厚よりも小さく設定される。特に、実施例2の誘導フィン21′では、隙間H1′が、現像剤の固め嵩密度Pと、現像スリーブ12の単位面積当たりの現像剤の設定量Mとに対して、M/P>H1′を満たしている。すなわち、隙間H1′が、固め嵩密度の場合の層厚を示すM/Pよりも小さく設定されている。一般に、現像スリーブ12上では遠心力などが作用しており、現像剤は固め嵩密度よりも大きな密度で存在する。したがって、隙間H1′が、M/P>H1′を満たす場合、誘導フィン21が現像剤に確実に接触し易くなっている。よって、実施例2では、誘導フィン21′が現像スリーブ12上の現像剤に確実に接触して誘導し易くなっている。
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図15は実施例3の現像装置の説明図であり、実施例1の図3に対応する図である。
図16は実施例3の誘導部材の要部斜視図である。
図15、図16において、実施例3の誘導フィン21″では、現像ロールR0yの回転方向に対して、誘導フィン21″の下流側の端部41には、閉塞部材の一例としての誘導壁42が支持されている。実施例3の誘導壁42は、上下方向および前後方向に延びる板状に形成されている。
誘導壁42の下端42aは、供給オーガ16の回転中心43に対して、回転軸16aの半径44の位置よりも、水平方向に離れた位置に配置されている。
図15において、実施例3の誘導フィン21″の下端部は、現像ロールR0yに近い側の端部46が、最下端47よりも高い位置に設定されている。
また、実施例3の誘導フィン21″の下端47は、図15に示す供給オーガ16の軸方向に垂直な断面において、供給オーガ16の搬送羽根16bが重力方向の上方から下方に移動する側である右側に配置されている。
さらに、実施例3の誘導フィン21″の下端47は、供給オーガ16の回転時の現像剤の最上面48よりも上方に設定されている。
(実施例3の誘導フィンの機能)
前記構成を備えた実施例3の現像装置Gyでは、現像ロールR0yから離脱した現像剤は誘導フィン21″で、供給オーガ16の搬送方向の下流側に案内される。ここで、現像ロールR0yの回転速度が高速になるほど、現像剤に作用する遠心力が強くなる。したがって、現像スリーブ12の回転速度が高速の場合、現像剤が現像スリーブ12から離脱しやすい。
一方、シートSとして、厚紙が使用される場合には、定着不良を低減する等の理由で、シートSの搬送速度が低速となり、連動して現像スリーブ12の回転速度も低速になる。この場合、現像剤に作用する遠心力が弱くなる。よって、現像剤が現像スリーブ12から離脱しにくくなり、現像剤が離脱する位置が、ピックアップ磁極S3に近づく。
よって、誘導壁42が設けられていない場合、現像スリーブ12から離脱した現像剤の落下位置が、現像剤のピックアップ位置に近づく。よって、落下後、供給オーガ16の軸方向に搬送される距離が短い状態で、再吸着される現像剤が増え、平均的な現像剤の搬送距離が短くなりやすい。
これに対して、実施例3では、誘導壁42が設けられており、ピックアップ磁極S3に近い位置で離脱した現像剤も、誘導壁42に下方に案内される。よって、現像剤の落下位置が、現像剤のピックアップ位置から遠くなる。よって、再吸着までに、供給オーガ16の軸方向に搬送されやすくなる。よって、実施例3の構成では、実施例1の構成に比べて、現像剤の搬送方向の上流側と下流側との濃度差が抑制される。
特に、実施例3では、供給オーガ16の回転中心43に対して、回転軸16aの半径44の位置よりも、水平方向に離れた位置に配置されている。すなわち、誘導壁42で案内された現像剤は、供給オーガ16の右側に落下する。供給オーガ16の右側に落下した現像剤は、供給オーガ16の回転に伴って、回転軸16aの右方から下方、左方、上方の順に回転する。よって、再吸着までの間に、供給オーガ16の搬送方向に沿って搬送される距離が長くなりやすい。
また、実施例3では、誘導フィン21″の下端が最下端47よりも左側の端部46が高く形成されている。よって、実施例1のように下端が水平面に沿っている場合に比べて、最下端47がより下方に設置可能になる。したがって、誘導フィン21″が現像剤を誘導可能な距離が長くなる。よって、供給オーガ16の軸方向の下流側に現像剤が誘導される距離が長くなる。よって、最下端47が左側の端部46よりも下方に設定されていない場合に比べて、現像剤の濃度差がさらに抑制されやすくなる。
さらに、実施例3では、誘導フィン21″の下端47は、供給オーガ16の回転時の現像剤の最上面48よりも上方に設定されている。仮に、誘導フィン21″の下端47が、現像剤の最上面48よりも下方に配置した場合、誘導フィン21″が現像剤の搬送を妨げるが、実施例3では、誘導フィン21″が現像剤の搬送を妨げることが防止される。
なお、供給オーガ16の回転時は、供給オーガ16の回転に伴って、現像剤の最上面48は、図15に示すように傾斜する。また、供給オーガ16が回転していない状態では、現像剤の最上面48′は水平に近い状態となるが、供給オーガ16の非回転時の現像剤に誘導フィン21″が接触しても、特に問題は発生しない。ここで、実施例3では、誘導フィン21″の下端47は、供給オーガ16の回転時の最上面48よりも上方であり、且つ、非回転時の最上面48′よりも下方に配置されている。よって、誘導フィン21″の下端47が、非回転時の最上面48′よりも上方に配置される場合に比べて、誘導フィン21″の下端47をより下方に配置することが可能になる。
(実験例3)
実験例3では、実施例3の誘導壁42の効果を確認する実験を行った。
実験例3は、Sump量が90[g]の現像装置Gyを使用した以外は、実験例2と同様の条件で行った。
(実験例3−1)
実験例3−1では、誘導壁42を設け、且つ、フィン部22の角度を50度に設定した。また、プロセススピードを126[mm/s]とした。
(実験例3−2)
実験例3−2では、誘導壁42を設け、且つ、フィン部22の角度を50度に設定した。また、プロセススピードを63[mm/s]とした。
(実験例3−3)
実験例3−3では、実験例2−1と同条件で実験を行った。すなわち、誘導壁42を設けず、且つ、フィン部22の角度を50度に設定した。また、プロセススピードを126[mm/s]とした。
(実験例3−4)
実験例3−4では、実験例2−2と同条件で実験を行った。すなわち、誘導壁42を設けず、且つ、フィン部22の角度を50度に設定した。また、プロセススピードを63[mm/s]とした。
(比較例3−1)
比較例3−1では、比較例2−1と同条件で実験を行った。すなわち、誘導壁42を設けず、且つ、フィン部22の角度を0度に設定した。また、プロセススピードを126[mm/s]とした。
(比較例3−2)
比較例3−2では、比較例2−2と同条件で実験を行った。すなわち、誘導壁42を設けず、且つ、フィン部22の角度を0度に設定した。また、プロセススピードを63[mm/s]とした。
実験結果を図17に示す。
図17は実験例3の実験結果の説明図であり、横軸に軸方向の現像剤搬送距離を取った棒グラフである。
図17において、実験例3−1,3−3を比較すれば、プロセススピードが高速であれば、現像剤の搬送距離はほとんど変わらないことがわかる。すなわち、誘導壁42を設ける効果はほとんどないことがわかる。一方、実験例3−2,3−4を比較すれば、プロセススピードが低速になると、誘導壁42を設けた場合に、現像剤の搬送距離が伸びる効果があることが確認された。また、実験例3−2,3−4、比較例3−1,3−2を比較すれば、実験例2と同様に、誘導フィン21″を設けた場合に、現像剤の搬送距離が向上する効果があるが、誘導壁42を設けることで、さらに効果が高いことが確認された。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H010)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例としての複写機を例示したが、これに限定されず、例えば、プリンタ、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
(H02)前記各実施例において、複写機Uは、4色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、5色以上または3色以下の多色の画像形成装置にも適用可能である。
(H03)前記各実施例においては、各誘導フィン21,21′を別々に設ける構成を例示したがこれに限定されない。誘導フィン21と、誘導フィン21′とを一つの現像装置Gyに設ける構成が可能である。また、その場合には、誘導フィン21と誘導フィン21′とを別体とせずに、一体的とする構成も可能である。
(H04)前記各実施例において、フィン部22,22′の間隔P1は、供給オーガ16のピッチP2に比べて小さい方が望ましいが、これに限定されない。すなわち、フィン部22,22′で誘導される現像剤の量に比べて、供給室6を搬送される現像剤の総量が十分大きい場合には、間隔P1を、ピッチP2に比べて大きい構成も可能である。
(H05)前記各実施例において、傾斜角度θ1としては、20度以上且つ現像剤の安息角に対する余角の角度以下の角度に設定することが望ましいが、これに限定されない。例えば、誘導フィン21,21′に進入した現像剤が、現像スリーブ12から離脱した際の勢いや、現像スリーブ12の搬送力などが加わって、現像剤がフィン部22に堆積しに難くて誘導フィン21内の現像剤の移動が阻害され難い場合には、現像剤の安息角の余角以上に設定する構成も可能である。
(H06)前記実施例1において、誘導フィン21は、上端22aがピックオフ磁極S2の半値幅Wの範囲に配置されていることが望ましいが、外れた範囲に配置された構成も可能である。
(H07)前記実施例1において、誘導フィン21は、現像スリーブ12の外表面に対して空けた隙間H1は、隙間H2に比べて大きくする構成を例示したが、これに限定されず、現像スリーブ12上の現像剤に接触させる構成も可能である。
(H08)前記実施例3において、誘導壁42を上下方向に延びる板状の構成を例示したが、これに限定されない。例えば、上下方向に対して傾斜する誘導壁42とすることも可能である。また、誘導壁42は板状の構成に限定されず、湾曲する曲板状の構成とすることも可能である。
(H09)前記実施例3において、誘導壁42の下端42aは、供給オーガ16の回転中心43から回転軸16aの半径44以上水平方向に離れた位置に配置することが好ましいが、ピックアップ磁極S3の位置等の関係によっては、回転軸16aの真上の位置等、変更が可能である。
(H010)前記実施例3において、誘導フィン21″の下端47を、供給オーガ16の非回転時の最上面48′よりも下方に設定することが望ましいが、これに限定されない。最上面48′よりも上方に設定することも可能である。
11…磁石部材、
12…回転体、
16…第1の搬送部材、
16a,17a…回転軸、
16b,17b…搬送羽根、
17…第2の搬送部材、
21,21′,21″…現像剤の誘導部材、
22,22′…傾斜部、
22a,22a′…上流端、
41…誘導部材の下流側の端部、
42…閉塞部材、
42a…閉塞部材の下端、
43…第1の搬送部材の回転中心、
44…回転軸の半径、
46…誘導部材の現像剤保持体に近い側の端部、
47…誘導部材の下端、
48…現像剤の最上面、
A1…射影範囲、
F…定着装置、
Gy,Gm,Gc,Gk,Gy′,Gm′,Gc′,Gk′…現像装置、
H1,H1′…隙間、
K1…第1の距離、
K2…第2の距離、
L1…第1の仮想接線、
L2…第2の仮想接線、
N1…搬送磁極、
P1…傾斜部の間隔、
P2…第1の搬送部材のピッチ、
PRy,PRm,PRc,PRk…像保持体、
PRy+Gy,PRm+Gm,PRc+Gc,PRk+Gk…可視像形成装置、
Q2y,Q2m,Q2c,Q2k…対向領域、
R0y,R0m,R0c,R0k…現像剤保持体、
S…媒体、
S1…現像磁極、
S2…現像剤の離脱用の磁極、
T1+T2+B…転写装置、
U…画像形成装置、
V…現像容器、
Ya…第1の搬送部材の搬送方向、
θ1…傾斜角度。

Claims (10)

  1. 現像剤が収容される現像容器と、
    前記現像容器内に配置され、表面に現像剤を保持して回転して、潜像が形成された像保持体に対向する現像剤保持体であって、固定された磁石部材と、前記磁石部材の外側に回転可能に支持されて現像剤が保持される回転体と、を有する前記現像剤保持体と、
    第1の回転軸と、前記第1の回転軸に支持された搬送羽根と、を有し、前記現像容器内の現像剤を撹拌しながら搬送する第1の搬送部材と、
    第2の回転軸と、前記第2の回転軸に支持された搬送羽根と、を有し、前記第1の搬送部材と並行して配置され、前記第1の搬送部材とは逆方向に現像剤を撹拌しながら搬送する第2の搬送部材と、
    前記像保持体との対向領域に対応して設定された現像磁極と、前記現像磁極と逆極性で前記現像磁極に対して前記回転体の回転方向の下流側に設定された搬送磁極と、前記搬送磁極と逆極性で前記搬送磁極に対して前記回転体の回転方向の下流側に設定された現像剤の離脱用の磁極と、を有する前記磁石部材と、
    を備え、
    重力方向の上方からの前記現像剤保持体の射影範囲内に前記第1の搬送部材の第1の回転軸が配置され、
    前記現像剤保持体に対して前記像保持体とは反対側において、前記現像剤保持体の外表面に接する重力方向に延びる第1の仮想接線と、前記第1の搬送部材に対して前記像保持体とは反対側において、前記第1の搬送部材の搬送羽根の外端に接する重力方向に延びる第2の仮想接線と、を仮定した場合に、前記第1の仮想接線よりも前記第2の仮想接線の方が水平方向で前記像保持体よりも遠い側に配置され、
    前記第1の仮想接線と前記第2の仮想接線との水平方向の距離を第1の距離とし、前記現像剤保持体に対して前記像保持体とは反対側において、前記第1の仮想接線と前記現像容器の内面との水平方向の距離を第2の距離とした場合に、前記第1の距離が前記第2の距離に比べて短く設定され、
    前記現像剤保持体に沿って移動する現像剤を誘導する現像剤の誘導部材が、前記現像剤保持体の回転方向に対して前記像保持体との対向領域よりも下流側に配置され、
    前記現像剤の誘導部材は、前記現像剤保持体の外表面との間に隙間を介して対向し、
    前記現像剤の誘導部材は、前記現像剤保持体の回転方向の下流側に行くにつれて前記第1の搬送部材の搬送方向の下流側に傾斜する傾斜部を有し、
    前記現像剤の誘導部材は、前記現像剤の離脱用の磁極が発生させる磁力について、法線方向成分の大きさの極大値の半値幅に対応する前記回転体の上流側の位置と下流側の位置との間に、現像剤が誘導される方向の上流端が配置された
    ことを特徴とする現像装置。
  2. 予め設定された間隔で前記現像剤保持体の軸方向に沿って配置された複数の前記傾斜部を有する前記現像剤の誘導部材、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記第1の搬送部材の搬送羽根のピッチに比べて狭い間隔で配置された前記複数の傾斜部、
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
  4. 前記現像剤保持体の軸方向に直交する方向に対して傾斜する傾斜角度が20度以上且つ現像剤の安息角の余角の角度以下に設定された前記傾斜部、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の現像装置。
  5. 前記現像剤保持体の回転方向に対して、前記誘導部材の下流側の端部を塞ぐ閉塞部材、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置。
  6. 前記第1の搬送部材の回転中心から、前記第1の回転軸の半径以上、水平方向に沿って前記第2の搬送部材側に離れた位置に下端が配置された前記閉塞部材、
    を備えたことを特徴とする請求項に記載の現像装置。
  7. 前記誘導部材の下端部は、前記現像剤保持体から遠ざかるに連れて下方に伸びている
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置。
  8. 前記誘導部材の下端は、前記第1の搬送部材の第1の回転軸方向に垂直な断面において、前記第1の搬送部材の前記搬送羽根が重力方向の上方から下方に移動する側に配置され、且つ、
    前記誘導部材の下端は、前記第1の搬送部材の回転時の現像剤の最上面よりも上方に設定された
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置。
  9. 像を表面に保持する像保持体と、
    前記像保持体の表面に保持された潜像を可視像に現像する請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置と、
    を備えたことを特徴とする可視像形成装置。
  10. 像を表面に保持する像保持体と、
    前記像保持体の表面に保持された潜像を可視像に現像する請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置と、
    可視像を媒体に転写する転写装置と、
    媒体に転写された可視像を媒体に定着させる定着装置と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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