図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことができるようになっている。画像形成装置100は、プリンタとして用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。これは画像形成装置100がファクシミリとして用いられる場合も同様である。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体としてのシートの両面に画像形成可能な両面画像形成装置でもある。
画像形成装置100は、上下方向において中央位置を占める本体101と、本体101の上側に位置し原稿を読み取るスキャナとしての読取装置21および原稿を積載され積載された原稿を読取装置21に向けて送り出すADFといわれる自動原稿給紙装置22と、本体101の下側に位置し感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと中間転写ベルト11との間に向けて搬送されるシートを積載した給紙テーブルとしてのシート給送装置23とを有している。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な複数の像担持体としての感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを並設したタンデム構造を採用したタンデム型の画像形成装置である。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、同一径であり、画像形成装置100の本体101の内部のほぼ中央部に配設された無端ベルトである被転写体たる中間転写体としての中間転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に、等間隔で並んでいる。
中間転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら図中時計方向である矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する中間転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、シートに一括転写されるようになっている。このように画像形成装置100は中間転写方式言い換えると間接転写方式を採用している。
中間転写ベルト11に対する重畳転写は、中間転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、中間転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、中間転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKのそれぞれに対向する位置に配設された転写チャージャたる第1の転写手段としての1次転写装置である1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの真下の位置すなわち転写位置にて行われる。
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、A1方向の上流側からこの順で並設されている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成するための、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
画像形成装置100は、4つの画像ステーション60Y、60M、60C、60BKによって構成される画像形成部としての作像部60と、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの下方に対向して配設され、中間転写ベルト11を備えた中間転写ユニットとしての転写ベルトユニット10と、中間転写ベルト11に対向して配設され中間転写ベルト11に当接し、中間転写ベルト11への当接位置において中間転写ベルト11と同方向に回転して中間転写ベルト11上のトナー像をシートに転写する第2の転写手段としての2次転写装置である2次転写ローラ17と、2次転写ローラ17によって中間転写ベルト11上のトナー像を転写されたシートを搬送する搬送装置76と、中間転写ベルト11に対向して配設されトナー像がシートに転写された後の中間転写ベルト11上をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置14とを有している。
画像形成装置100はまた、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKの上方に対向して配設された書き込み手段である光書き込み装置としての書込みユニットである露光装置たる光走査装置8と、シート給送装置23から搬送されてきたシートを、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、中間転写ベルト11と2次転写ローラ17との間の転写部に向けて繰り出すレジストローラ対13と、シートの先端がレジストローラ対13に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、搬送装置76によって搬送されてきたシートが進入し、シートにトナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、定着済みのシートを本体101外に排出する排紙経路と再度レジストローラ対13に向けて搬送する反転経路とを備えシートを何れかの経路に搬送する排紙ユニット79と、排紙ユニット79が一方の面に画像を形成されたシートを反転経路に搬送した場合に、そのシートをスイッチバックして反転させ、再度、レジストローラ対13に向けて搬送する再給紙ユニットとしてのシート反転装置である両面ユニット96とを有している。
画像形成装置100はまた、本体101外部に配設され画像形成済みのシートを積載する排紙トレイ75と、図1における本体101の右側面に配設された手差し給紙装置33と、画像形成装置100の操作を行う図示しない操作パネルと、画像形成装置100全体の動作を制御する図示しない制御手段とを有している。
転写ベルトユニット10は、中間転写ベルト11の他に、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、中間転写ベルト11を巻き掛けられた、駆動ローラ72、転写入口ローラ73およびテンションローラ74と、図示しない駆動手段とを有している。
転写ベルトユニット10は、駆動手段により、図1において駆動ローラ72を中心に反時計方向に揺動することで、中間転写ベルト11に対する感光体ドラム20BKの当接状態を維持したまま、感光体ドラム20Y、20M、20Cを中間転写ベルト11から離間させることができるようになっている。
図1に示す状態は、フルカラー画像形成を行う場合であり、黒色の単色画像形成を行う場合に、感光体ドラム20Y、20M、20Cを中間転写ベルト11から離間させる。駆動手段の作動は制御手段により行われる。
画像形成装置100は中間転写ベルトクリーニング装置14を備えているので、原則的には、黒色の単色画像形成を行う場合にも、黒色の残留トナーが、中間転写ベルト11から感光体ドラム20Y、20M、20Cに転移して感光体ドラム20Y、20M、20Cを汚染することはないため、感光体ドラム20Y、20M、20Cを中間転写ベルト11から離間させる必要はないが、何らかの原因で中間転写ベルトクリーニング装置14をもっても残留トナーを完全に除去し得ない場合を考慮して、黒色の単色画像形成を行う場合に、感光体ドラム20Y、20M、20Cを中間転写ベルト11から離間させるようにしている。黒色のトナーは目立ちやすく、感光体ドラム20Y、20M、20Cに付着した場合に画像に与える影響が大きいためである。
同様の理由により、黒色の画像形成を行う感光体ドラム20BKは、A1方向において他の感光体ドラム20Y、20M、20Cよりも下流側に配設されている。フルカラー画像形成を行う場合には中間転写ベルト11と感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKとを当接させた状態に維持するため、黒色のトナーが中間転写ベルト11を介して感光体ドラム20Y、20M、20Cに付着することを防止ないし抑制するには、感光体ドラム20BKをA1方向における最下流位置に配設し、かつ中間転写ベルト11への転写を最後に行うのが最も好ましいからである。
搬送装置76は、シートを搬送する無端状の搬送ベルト5と、搬送ベルト5を巻き掛けた駆動ローラ15及び従動ローラ16とを有している。
2次転写ローラ17は、転写入口ローラ73に対向し、転写入り口ローラ73との間で中間転写ベルト11に圧接している。2次転写ローラ17は非接触のチャージャを採用した構成であっても良いし、搬送装置76の従動ローラ16と共通の部材として用いられシートを定着装置6に向けて搬送する転写搬送ユニットを構成するものであっても良い。
光走査装置8は、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの表面によって構成された被走査面をそれぞれ走査して露光し、静電潜像を形成するための、画像信号に基づくレーザービームとしての図示しないレーザー光を発する図示しない発光源と、発光源によって発せられたレーザー光をその回転により走査する図示しないポリゴンミラーと、ポリゴンミラーを回転駆動する図示しないポリゴンモータと、ポリゴンミラーによって走査されたレーザー光を感光体ドラム20Y、20M、20C、20B上に結像させ走査する図示しない多数の光学素子とを有している。
定着装置6は、熱源を内部に有する加熱ローラ62と、加熱ローラ62に巻き掛けられた定着ベルト64と、加熱ローラ62とともに定着ベルト64を巻き掛けた定着ローラ65と、定着ローラ65との間で定着ベルト64を圧接する加圧ローラ63とを有しており、トナー像を担持したシートを定着ベルト64と加圧ローラ63との圧接部である定着部に通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像をシートの表面に定着するようになっている。
排紙ユニット79は、定着装置6から搬送されてきた定着済みのシートを、両面ユニット96に向けて搬送する搬送ローラ97と、本体101外に排出する排紙ローラ98と、定着済みのシートを搬送ローラ97のある排紙経路に導いて本体101外に排出するか、排紙ローラ98のある反転経路に導いて両面ユニット96に進入させるかを切り換える切換爪94とを備えている。
両面ユニット96は、排紙ユニット79から搬送されてきた、一方の面に画像形成されたシートを一旦積載するトレイ92と、トレイ92上のシートをスイッチバックさせる反転ローラ93と、反転ローラ93によってスイッチバックされたシートをレジストローラ13に向けて送り出す給紙ローラ95等を有している。
シート給送装置23は、多数枚のシートを積載した給紙カセット25を有するペーパーバンク26と、給紙カセット25に積載されたシートのうち最上位のシートの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ24と、給送ローラ24により繰り出されたシートを1枚ずつ分離する分離ローラ27と、給紙ローラ24及び分離ローラ27により送り出されたシートをレジストローラ対13に向けて搬送する搬送ローラ28と、搬送ローラ28によって搬送されるシートが通過する給紙路29とを有している。
給紙路29はシート給送装置23から本体101内に連続するように設けられており、本体101内の給紙路29にも搬送ローラ28が配設されている。
シート給送装置23は、給送ローラ24が図中反時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ27が作用することにより、最上位のシートを給紙路29内に導き、搬送ローラ28の回転によりレジストローラ対13に向けて給送し、搬送されたシートがレジストローラ対13に突き当てて止められるようになっている。
手差し給紙装置33は、シートを積載する手差しトレイ34と、手差しトレイ34に積載されたシートのうち最上位のシートの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ35と、給送ローラ35により繰り出されたシートを1枚ずつ分離する分離ローラ36と、手差しトレイ34上にシートが載置されたことを検知する用紙センサとを有している。
手差し給紙装置33は、給送ローラ35が図中時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ36が作用することにより、最上位のシートを本体101側の給紙路29内に導くとともにレジストローラ対13に向けて給送し、搬送されたシートがレジストローラ対13に突き当てて止められるようになっている。
読取装置21は、原稿を載置するコンタクトガラス21a、コンタクトガラス21aに載置された原稿に光を照射する図示しない光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する図示しない第1の反射体を備え図1における左右方向に走行する第1走行体21b、第1走行体21bの反射体によって反射された光を反射する図示しない第2の反射体を備えた第2走行体21c、第2走行体21cからの光を結像するための結像レンズ21d、結像レンズ21dを経た光を受け原稿の内容を読み取る読み取りセンサ21e等を備えている。
自動原稿給紙装置22は原稿を載置する原稿台22aを有し、読取装置21に対して回動自在であって、上方に向けて回動したときコンタクトガラス21aを露出させるようになっている。画像形成装置100を用いて複写を行うときには、原稿を自動原稿給送装置22の原稿台22aにセットするか、自動原稿給送装置22を上方に向けて回動して手動でコンタクトガラス21a上に原稿を載置してから自動原稿給送装置22を閉じて原稿をコンタクトガラス21aに押圧する。
操作パネルは、複写等を開始するためのスタートボタン、複写枚数等を入力するためのテンキー、フルカラー画像形成を行うか黒色の単色画像形成を行うか等の画像形成モードを選択するモード選択キー等を備えている。
制御手段は、CPU、記憶手段としてのメモリ等を備えている。
画像ステーション60Y、60C、60M、60BKについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、他の画像ステーションの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーションの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像ステーションの構成に付し、詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にY、C、M、Kが付されたものはそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
図2に示すように、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図中反時計方向であるその回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12Yとクリーニング手段としてのクリーニング装置40Yと、帯電手段である帯電ユニットとしての帯電装置30Yと、現像手段としての現像ユニットである現像装置50Yと、図示しない除電手段としての除電装置とを有している。
感光体ドラム20Yと、クリーニング装置40Yと、帯電装置30Yと、現像装置50Yと、除電装置とは一体化されており、プロセスカートリッジ95Yを構成している。プロセスカートリッジ95Yは本体101に固定された図示しないガイドレールに沿って本体101に対して引き出し自在であるとともに、本体101に押し込むことが可能であり、本体101に対して着脱自在に設置されている。
プロセスカートリッジ95Yは、本体101に押し込むと、画像形成に適した所定の位置に装填され、位置決めされるようになっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことができるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。
プロセスカートリッジ95Yは、感光体ドラム20Yと、クリーニング装置40Yと、帯電装置30Yと、現像装置50Yと、除電装置とのうち、少なくとも感光体ドラム20Yと現像装置50Yが一体化されることによって構成され、本体101に着脱自在に設置されるユニットである。
感光体ドラム20Yは、アルミ等の素管の表面に感光性を発揮する有機感光層が形成されたものであり、図示しない駆動手段によってB1方向に回転駆動されるようになっている。
帯電装置30Yは、感光体ドラム20Yの表面に当接して従動回転する帯電ローラ31Yと、帯電ローラ31Yに当接し従動回転するクリーニングローラ32Yとを有している。帯電ローラ31Yには、直流に交流成分のバイアスを重畳印加する図示しない電圧印加手段が接続されており、感光体ドラム20Yと対向する帯電領域において、感光体ドラム20Yの表面を除電すると同時に、所定の極性に帯電するようになっている。
クリーニングローラ32Yは帯電ローラ31Yに従動回転することで帯電ローラ31Yをクリーニングするようになっている。
このように、本形態では、接触ローラを用いた帯電システムを採用しているが、帯電システムは、近接ローラを用いたものであっても良いし、スコロトロン方式等の非接触型を採用したものであっても良い。
1次転写ローラ12Yは、本体101に回転自在に支持され1次転写ローラ12Yの回転中心となる軸37Yを有している。1次転写ローラ12Yには、図示しない電源を備えたバイアス印加手段とバイアス制御手段とによって1次転写に適した所定の電圧が印加されるようになっている。
図1に示した光走査装置8は、図2に示すように、感光体ドラム20Yにおける帯電領域と現像領域との間の領域に、画像情報に応じて光変調されたレーザー光Lを照射して帯電ローラ31Yにより帯電された後の感光体ドラム20Yの表面を露光し、現像装置50Yによってイエロートナー像として可視像化される静電潜像を形成するようになっている。
クリーニング装置40Yは、感光体ドラム20Yに対向する部分に開口部を有するクリーニングケース43Yと、感光体ドラム20Yに当接し感光体ドラム20Y上の残留トナー、キャリア、紙粉等の不要物を掻き取ってクリーニングする回転ブラシとしてのブラシローラ45Yと、感光体ドラム20Yの回転方向B1において、ブラシローラ45Yよりも下流側の位置で感光体ドラム20Yに当接し感光体ドラム20Y上の不要物を掻き取ってクリーニングするためのブレードとしてのクリーニングブレード41Yとを有している。
クリーニング装置40Yはまた、クリーニングケース43Yに回転自在に支持され、ブラシローラ45Y、クリーニングブレード41Yによって掻き取られ、また除去されることによって生じた廃トナー等の不要物を図示しない廃トナータンクに向けて搬送するための図示しない廃トナー経路の一部を構成する排出スクリュ42Yを有している。
現像装置50Yは、感光体ドラム20Yに対向する部分に開口部を有する現像ケース55Yと、かかる開口部から感光体ドラム20Yに臨むよう一部が露出し感光体ドラム20Yに近接対向して配設されトナーとキャリアとを含む2成分現像剤(以下、現像剤という)を担持する現像剤担持体としての現像ローラ51Yと、現像ローラ51Y上の現像剤を一定の高さに規制する規制部材としてのドクタである現像ブレード52Yとを有している。
現像装置50Yはまた、現像ケース55Yの下部に互いに対向するように配設され、互いに逆方向に回転駆動されることで現像剤を攪拌するとともに現像ローラ51Yに現像剤を供給するための現像剤供給部材としての第1搬送スクリュ53Y及び第2攪拌スクリュ54Yと、第1搬送スクリュ53Yと第2搬送スクリュ54Yとの間に設けられた仕切り壁57Yと、仕切り壁57Yによって仕切られ第1搬送スクリュ53Y、第2搬送スクリュ54Yをそれぞれ収容した現像剤収容器としての現像剤収容部を構成する第1収容室58Y、第2収容室59Yとを有している。
現像装置50Yはまた、イエロー色のトナーを蓄えるトナーホッパー80Yと、現像装置50Y内の、特に第2収容室59Yにおいて搬送される現像剤の表面部の流れを堰き止める現像剤堰き止め手段としての現像剤堰き止め装置86Yと、トナーホッパー80Yと第2収容室59Yとを連通させる、現像ケース55Yに穿設されたトナー補給口87Yと、現像装置50Y内において現像剤を攪拌する攪拌装置99Yと、現像剤中のトナー濃度を測定する図5に示すトナー濃度検知装置56Yとを有している。
現像装置50Yはまた、直流成分の現像バイアスを印加する図示しないバイアス印加手段と、現像ローラ51Yを駆動する図示しない現像駆動手段と、第1搬送スクリュ53Yと第2搬送スクリュ54Yとを互いに逆方向に回転駆動する図示しない搬送駆動手段と、トナーをトナーホッパー80Yから第2収容室59Yに補給する図示しないトナー補給手段等を有している。
現像ローラ51Yは、磁界発生手段としてのマグネットローラ81Yと、マグネットローラ81Yを内包し現像駆動手段により図中時計方向であるC1方向に駆動される非磁性の現像スリーブ82Yとを有している。
マグネットローラ81Yは、図示を省略するが、現像ケース55Yに固定されたプラスチックローラと、プラスチックローラ84Yに埋め込まれた複数の磁極を形成する複数の磁石であるマグネットブロックとを有している。
現像スリーブ82Yは、現像ケース55Y及びマグネットローラ81Yに回転自在に支持されている。現像スリーブ82Yは、バイアス印加手段により感光体ドラム20Yとの間に適当な大きさの現像バイアスを印加される。現像領域における現像スリーブ82Yと感光体ドラム20Yとのギャップすなわち現像ギャップは、0.3±0.05mmとなるように設定されている。
現像ブレード52Yは、SUS材料で形成されている。現像スリーブ82Yと現像ブレード52Yとのギャップすなわちドクターギャップは、0.5±0.04mmとなるように設定されている。
図2又は図3に示すように、第1搬送スクリュ53Y、第2搬送スクリュ54Yは、現像ローラ51Yの幅方向言い換えると現像ローラ51Yの長手方向である、図2における紙面に垂直な方向、図3における左右方向に延在するように配設されている。
第1搬送スクリュ53Y、第2攪拌スクリュ54Yはそれぞれ、搬送駆動手段による回転駆動作用を受けて回転する軸部53aY、54aYと、軸部53aY、54aYの周面上に突設した態様で一体的に成型され、軸部53aY、54aYの回転によって現像剤を攪拌しながら搬送する羽根部53bY、54bYとを有している。羽根部53bY、54bYはスパイラル状をなしているが、軸部53aY、54aYに対して傾斜した斜板状をなしているものであっても良い。
第1搬送スクリュ53Yは、現像ローラ51Yに隣接するように現像ローラ51Yと対向配置されており、搬送駆動手段によって回転駆動されることで、第1収容室58Y内の現像剤を、図2における紙面手前側から奥側へ、図3における左方へと搬送しながら現像ローラ51Yに供給する。第1搬送スクリュ53Yによって第1収容室58Y内の端部付近まで搬送された現像剤は、仕切り壁57Y端部に形成された図3に示す開口部88Yを通って第2収容室59Y内に進入し、第2搬送スクリュ54Yに受け渡される。
第2搬送スクリュ54Yは、第1搬送スクリュ53Yを挟んで現像ローラ51Yと逆側に配設されており、第2収容室59Y内において、搬送駆動手段によって回転駆動されることで第1収容室58Yから送られてくる現像剤を第1搬送スクリュ53Yとは逆方向に搬送する。第2搬送スクリュ54Yによって第2収容室59Y内の端部付近まで搬送された現像剤は、仕切り壁57Y端部に形成された図3に示す開口部89Yを通って第1収容室58Y内に進入し、第1搬送スクリュ53Yに受け渡される。
このとき、トナーホッパー80Yからトナー補給口87Yを介してトナーが補給された場合には、第2搬送スクリュ54Yは、補給されたこの新規トナーを現像剤中に攪拌混合しながら搬送を行う。これにより、補給されたトナーは、現像装置50Y内の現像剤全体に徐々に広がっていく。その過程で、供給されたトナーは、現像剤中のキャリアや他のトナーとの摩擦によって帯電される。
第1搬送スクリュ53Yと現像ローラ51Yとの対向領域において、第1搬送スクリュ53Yによって搬送されている現像剤は、マグネットローラ81Yによって汲み上げられて現像ローラ51Y表面に担持される。
現像ブレード52Yによって現像剤の担持量を規制され層厚を規制された現像ローラ51Yは、その回転及びバイアス印加手段による現像バイアスにより、現像ローラ51Yと感光体ドラム20Yとの間の現像領域に、現像ブレード52Yによって量を適量とされた現像剤を運ぶ。
現像領域においては、現像剤がマグネットローラ81Yによって現像スリーブ82Y上に穂立ちして磁気ブラシを形成し、バイアス印可手段によるバイアスにより、現像剤中の、特に磁気ブラシ先端部のトナーに現像ポテンシャルが作用し、磁性キャリアの表面からトナーが感光体ドラム20Yの表面に形成された静電潜像に静電的に移行して、静電潜像をイエロートナー像として可視像化するようになっている。なお、現像ブレード52Yによる規制によっても、トナーの帯電が促進される。
現像によりイエロートナーを消費した現像剤は、現像ローラ51Yの回転に伴って現像装置50Y内に戻される。
本形態では、バイアス印加手段により直流成分の現像バイアスを印加しているが、現像バイアスは、交流成分であっても良いし、直流成分に交流成分を重畳したものであっても良い。
このように、現像装置50Yにおいては、第1搬送スクリュ53Y及び第2搬送スクリュ54Yによって攪拌搬送された現像剤は、マグネットローラ81Yの磁力により汲み上げられて現像スリーブ82Yに担持され、感光体ドラム20Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体ドラム20Y上の潜像にトナーが供給されて現像が行われる。現像後のトナーを消費した現像剤は、現像スリーブ82Y表面から第1収容室58Y内に解放され、第1搬送スクリュ53Y及び第2搬送スクリュ54Yにより第1収容室58Y、第2収容室59Y内の現像剤と攪拌され、再び現像スリーブ82Y表面に汲み上げられるというサイクルを繰り返す。マグネットブロックはこのようなサイクルを繰り返すように配設されている。
このようなサイクルにおいて、現像剤中のトナーが消費されるため、トナー濃度が低下する。トナー濃度の低下はトナー濃度検知装置56Yによって検知される。トナー濃度検知装置56Yの詳細については後述するが、トナー濃度検知装置56Yによってトナー濃度の低下が検知されると、制御手段は、トナー補給手段を駆動し、トナーホッパー80Yから、トナーを第2収容室59Yに供給する。
このようにして、現像剤中のトナー濃度は、約4〜11重量%の所定の範囲内となるように制御され、キャリアに対するトナーの混合比率が常に適正値に保たれ、高品質の画像を得るのに寄与する。
現像剤堰き止め装置86Yは、第2収容室59Yにおいて搬送される現像剤の表面部に当接し同現像剤の流れを堰き止める現像剤堰き止め部材としての堰き止め部材18Yと、堰き止め部材18Yを上下方向にスライド自在に支持した支持部材19Yとを有している。
図4に示すように、堰き止め部材18Yは、厚さ0.2mmの樹脂製であり、現像剤の表面部に当接し、現像剤の表面位置に応じて上下方向に変位する。同図において、(a)、(b)、(c)は、この順で、現像剤が少なくなっている。現像剤の体積は、トナー濃度の増減、温湿度等の環境、経時変化等によって増減するものである。
図5に示すように、堰き止め部材18Yの現像剤に当接する側の端部は、支持部材19Yによって垂直方向に支持された平板状の本体18aYに対して屈曲した傾斜部18bYを有している。傾斜部18bYは、現像剤の搬送方向下流側に向けて沿うように、本体18aYに対して45度の角度で傾斜しており、堰き止め部材18Yは、この傾斜部18Ybにおいて、現像剤を受け流すように現像剤に当接している。よって、堰き止め部材18Yは、現像剤の搬送により上方に変位する方向の分力を受け、その自重、支持部材19Yとの摩擦力等とのバランスにより、上下方向に変位するようになっている。
このようにして、図4に示したように、現像剤の表面位置に応じて、堰き止め部材18Yは上下動する。
ここで、トナーホッパー80Yから第2収容室59Yに供給されたトナートナーは、すでに述べたように、第2搬送スクリュ54Y等の攪拌搬送作用により、既存の現像剤中に分散していく。しかしながら、トナーとキャリアとの比重の違いによって、既存の現像剤と混ざらずに、供給されたトナーが現像剤表面を搬送される、いわゆる上滑りが生じる場合がある。上滑りを生じたトナーは、十分に攪拌されていないため、帯電不良となる割合が多く、帯電不良のトナーは画像の濃度ムラや非画像部の地汚れ、トナー飛散の原因となる場合がある。
同図において、黒い太線は、かかる上滑りを生じている状態のトナーを示しているが、同図に示されているように、現像剤の搬送方向において堰き止め部材18Yの下流側においては、上滑りは解消されている。これは、上滑りを生じ現像剤の表面部を占めているトナーが、堰き止め部材18Yによって堰き止められ、徐々にそれよりも下方に位置する現像剤と混合されながら搬送されていくためである。
堰き止め部材18Yは、支持部材19Yによって上下方向に変位自在に支持され、現像剤表面の高さの変化に追従して変位するようになっているため、現像剤の体積すなわち現像剤の表面位置にかかわらず、現像剤の表面部に対して一定の姿勢、状態で現像剤に接触し、かかる上滑りトナーの混合機能を常時一定に作用させ、安定して現像剤の混合を行う。
また、かかる混合作用を効果的に発揮するように、堰き止め部材18Yは、第2搬送スクリュ54Yに対向するように、第2搬送スクリュ54Yの上方に設けられているが、堰き止め部材18Yの配設位置言い換えると現像剤の堰き止め位置はさらに、図5に示されているように、軸部54aY上の羽根部54bYの非配設位置に対応した位置となっており、図4(c)に示したような、現像剤の表面位置が低いときでも、羽根部54bYに干渉することがないようになっている。
また、堰き止め部材18Yは、現像剤表面より上の空間も仕切っているので、トナー飛散の抑止機能も果たしている。
これに関連して、現像剤堰き止め装置86Yは、図3に示されているように、現像剤の搬送方向における、トナー補給口87Yの配設位置すなわちトナーの補給位置の上流側及び下流側の近傍に配設されている。現像剤の搬送方向における上流側の現像剤堰き止め装置86Yは、主に、トナー飛散抑止のために設けられている。本形態では、各現像剤堰き止め装置86Yの構成は互いに同じであるが、現像剤の搬送方向における上流側の現像剤堰き止め装置86Yは、その堰き止め部材18Yの形状等を、トナー飛散抑止機能の高いものとしても良い。
堰き止め部材18Yは、現像剤搬送方向の上流側、下流側の何れに用いられるものであっても、その形状、厚さ等は、現像剤の搬送速度、トナーの最大補給量等の条件や現像剤の比重などの特性に応じて、図6の(a)ないし(g)に示すように、様々に変更可能である。
同図において(a)は本形態の形状であり、(b)は(a)に比して傾斜部の角度が小さく上方への変位作用を受けにくいが攪拌作用の大きいもの、(c)は(a)に比して傾斜部の角度が大きく上方への変位作用を受けやすいもの、(d)は(a)に比して傾斜部の先端にさらに本体と平行な部分を設け攪拌作用を大きくしたもの、(e)は(a)に比して厚みを厚くし傾斜部を傾斜面として備えているもの、(f)は(e)に比して傾斜面が湾曲面となっているもの、(g)は(e)に比して現像剤搬送方向上流側に平板部を突設したものである。
堰き止め部材18Yの材質は、上述の樹脂製に限らず、トナーの帯電との関係を考慮して導電性を有する金属製、例えばアルミニウム製であっても良い。
トナー濃度検知装置56Yは、現像剤の体積が、トナー濃度の増減によって増減し変動することを利用したものである。上述のように、現像剤の体積は、トナー濃度の増減のみならず、温湿度等の環境、経時変化等によっても増減するが、現像剤は、現像剤の流れに逆らおうとする作用を生じる堰き止め部材18Yの重さによって軽く加圧されているため、堰き止め部材18Yの位置変動は、トナー濃度の増減以外の影響は受けにくくなっている。そのため、堰き止め部材18Yの上下方向における位置を検知すればトナー濃度が検知される。
そこで、トナー濃度検知装置56Yは、現像剤堰き止め装置86Yと、堰き止め部材18Yの上下方向における位置を検知する位置検知手段としての位置検出センサ85Yと、位置検出センサ85Yが検知した堰き止め部材18Yの位置から現像剤のトナー濃度を判別し測定するトナー濃度測定手段91Yとを有している。
位置検出センサ85Yは、堰き止め部材18Yの上端位置を検出することで堰き止め部材18Yの上下方向における位置を検出するものである。位置検出センサ85Yは、光学式の反射型センサである。位置検出センサ85はその他、堰き止め部材18Yの位置変動を検知できるものであれば、渦電流式、接触式など、堰き止め部材18Yの形状、材質に応じて種々のタイプのものが使用可能である。
トナー濃度測定手段91Yは、制御手段の機能の一部として実現されている。
なお、トナー濃度検知装置は、現像剤堰き止め装置86Yを備えず、現像剤の透磁率によりトナー濃度を測定する透磁率センサであっても良い。この場合、その出力を電圧Voutとして取り出し、制御手段に入力して、電圧Voutの大きさにより、トナー濃度を判別するようにすることができる。
トナーと磁性のキャリアとを含む現像剤において、トナー濃度が低いとキャリアの比率が増加するため透磁率が高くなり、トナー濃度が高いとキャリアの比率が低下するため透磁率が低くなることから、トナー濃度の低下と電圧Voutの上昇とはほぼ正比例の関係にある。
よって、トナー濃度検知装置からの出力電圧Voutに基づいて制御手段がトナー濃度の低下を認識したときに、制御手段が、出力電圧Voutが所定の大きさに回復するまで、トナー補給手段を駆動し、トナーホッパー80Yから、トナーを第2収容室59Yに供給するように構成することで、現像剤中のトナー濃度が、所定の範囲内となるように制御可能となるものである。
この場合、透磁率センサの配置位置は、例えば図5において破線で示した位置とすることができる。この位置は、現像剤搬送方向においてトナーの補給位置より下流側であり、また、同方向において第2搬送スクリュ54Yの下流側端部付近であるから、トナー濃度の検知精度がより向上する。
このようなトナー濃度検知装置は、上述のトナー濃度検知装置56Yとともに用いるようにしてもよい。また、トナー濃度検知装置は、現像装置50Yで現像する画素数によりトナー消費量を求め、トナー濃度を算出するものであっても良い。
攪拌装置99Yは、現像剤堰き止め装置86Y又はトナー濃度検知装置56Yの他、少なくとも第1搬送スクリュ53Y及び第2攪拌スクリュ54Yを有している。攪拌装置99Yは、他に、現像ケース55Y、仕切り壁57Y、第1収容室58Y、第2収容室59Yを有している。
図7(a)に、本形態の構成の現像装置50Yにトナーを補給して同現像装置50Y単体で駆動したときのトナー濃度の変化の様子を示す。同図(b)は本形態の構成の現像装置50Yから堰き止め部材18Yを取り外した状態におけるトナー濃度の変化の様子を示している。
トナー濃度は、トナー補給の直後に、上述の透磁率センサを、現像剤搬送方向においてトナー補給口87Yよりも下流側に配設して測定したものであり、トナー濃度は、かかる透磁率センサの出力電圧として検知されている。同図から分かるように、堰き止め部材18Yを取り外した場合における出力電圧の変化の最大値は1.26[V]であるのに対し、堰き止め部材18Yを用いた場合における出力電圧の変化の最大値は0.88[V]となっており、堰き止め部材18Yを用いることで、トナー濃度の変動が約30%減少している。
また、測定の際に、現像ケース55Y上部の一部を取り外し、補給トナーと既存の現像剤との攪拌状態を目視にて観察したところ、現像剤搬送方向における堰き止め部材18Yの下流側では、補給トナーの上滑りや攪拌のムラがなく、攪拌状態が良好であることが確認された。
図8に、現像装置50Yの別の構成例を示す。上述の構成と同様の構成には同じ符号を付して適宜説明を省略する。
同図に示した現像装置50Yにおいては、第1搬送スクリュ53Y、第2攪拌スクリュ54Yが上下方向に並設され、第1搬送スクリュ53Y、第2攪拌スクリュ54Yがともに現像ローラ51Yに隣接するように配置されており、この点が主に上述の構成と相違している。
この現像装置50Yにおいては、第1攪拌スクリュ53Yによって搬送された現像剤が、落下する態様で、第1収容室58Yから、上述の開口部88Yと同様の図示しない開口部を経て、第2収容室59Yに移動するとともに、第2攪拌スクリュ54Yによって攪拌搬送された現像剤は、押し上げられる態様で、第2収容室59Yから、上述の開口部89Yと同様の図示しない開口部を経て、第1収容室58Yに移動し、このようにして現像剤の循環が行われる。
また、この現像装置50Yにおいては、第2収容室59Yに移動する現像剤には、現像ローラ51Yから離脱し第1収容室58Yを経ずに直接第2収容室59Yに移動する現像剤が含まれる。そのため、第2収容室59Y内の現像剤量は、現像剤搬送方向下流側ほど多くなっている。この現像装置50Yにおける図示しないトナー補給口の配置位置は、上述のトナー補給口87Yと同様に、補給トナーの攪拌時間、距離を稼ぐために現像剤搬送方向において第2収容室59Yの比較的上流位置に対応した位置であるため、トナーの補給位置は、現像剤の比較的少ない位置となっており、トナー補給位置近傍ではキャリアに対するトナー量が多くなって上滑りが発生しやすい状態となっている。
しかしながら、この現像装置50Yにおいても、現像剤堰き止め装置86Yを備えていることにより、現像剤搬送方向における堰き止め部材18Yよりも下流側においては、上滑りが防止ないし抑制され、攪拌状態が良好となっている。このことは、目視による観察によって確認された。
このような構成の画像形成装置100において、複写を行うときには、上述のように自動原稿給紙装置22に原稿をセットするか、コンタクトガラス21a上に原稿を載置した状態で、操作パネルのスタートボタンを押下する。画像形成装置100をプリンタとして使用する場合には、画像形成装置100に接続したPC等の外部入力装置において画像形成を行う画像データを選択、入力等したうえで画像形成開始の操作を行う。
複写を行う場合であって、原稿を自動原稿給紙装置22にセットした場合には、セットした原稿がコンタクトガラス21a上に送り出されてから読取装置21による原稿の読み取りが行われ、また、原稿をコンタクトガラス21a上に載置したときにはスタートボタンの押下によって読取装置21による原稿の読み取りが行われ、画像データが生成される。
原稿の読み取りに際しては、第1走行体21b、第2走行体21cが走行し、光源からの光が原稿に向けて照射され、原稿面からの反射光が第1の反射体により第2走行体21cの方向に反射され、これが第2の反射体によって180度方向を変えて結像レンズ21dを通って読み取りセンサ21eに入射し、読み取りセンサ21eによって原稿の内容が読み取られる。
生成された画像データ又は入力された画像データに基づいて、上述の構成の画像ステーション60Y、60M、60C、60BKが作動する。
画像ステーション60Yにおいては、感光体ドラム20Yは、B1方向への回転に伴い、帯電ローラ31Yにより表面を一様に帯電され、光走査装置8からのレーザー光Lの露光走査によりイエロー色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置50Yによりイエロー色のトナーにより現像され、現像により得られたイエロー色のトナー像を1次転写ローラ12YによりA1方向に移動する中間転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナーを含む不要物をクリーニング装置40Yにより除去されて除電装置、帯電ローラ31Yによる次の除電、帯電に供される。
かかる現像の際、現像装置50Yにおいては、トナーの上滑りが防止ないし抑制されていることにより、トナーが良好に帯電しており、感光体ドラム20Yの現像が濃度ムラなく良好に行われる。また、トナー飛散も防止ないし抑制されていることから、地汚れ等が防止ないし抑制された良好な現像が行われる。連続して画像形成を行う場合も同様である。これらのことは、連続画像形成中に装置を止めて現像装置50Y内の現像剤の状態を目視確認した。
他の感光体ドラム20C、20M、20BKにおいても同様に各色のトナー像が形成等され、形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ12C、12M、12BKにより、A1方向に移動する中間転写ベルト11上の同じ位置に順次1次転写され、フルカラーの合成カラー画像が形成される。中間転写ベルト11上に重ね合わされたトナー像は、中間転写ベルト11のA1方向の回転に伴い、2次転写ローラ17との対向位置である2次転写ニップまで移動し、シートに2次転写される。
中間転写ベルト11と2次転写ローラ17との間に搬送されてきたシートは、シート給送装置23の1つの給送ローラ24が選択されこの回転によって対応する給紙カセット25から繰り出されてフィードされたものであるか、または、手差し給紙装置33の給送ローラ35の回転によって手差しトレイ34から繰り出されてフィードされたものであるか、または、両面ユニット96から給紙ローラ95によって繰り出されてフィードされたものであるかの何れかであって、レジストローラ対13によって、センサによる検出信号に基づいて、中間転写ベルト11上のトナー像の先端部が2次転写ローラ17に対向するタイミングで送り出されたものである。
シートは、すべての色のトナー像を転写され、担持すると、搬送装置76に搬送されて定着装置6に進入し、定着ベルト64と加圧ローラ63との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を定着され、シート上にカラー画像が形成される。定着装置6を通過した定着済みのシートは、切換爪94の態位に応じて、排紙ローラ98を経て排紙トレイ75上にスタックされるか、または搬送ローラ97を経て両面ユニット96に進入して両面画像形成に備える。一方、2次転写を終えた中間転写ベルト11は、中間転写ベルトクリーニング装置14によってこれに残留する残留トナー等を除去されてクリーニングされ、次の画像形成に備える。シート上の画像を目視確認したところ、画像濃度ムラのない良好な画像が形成されていた。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、現像剤堰き止め部材、現像剤堰き止め装置は、必要に応じて、現像剤の搬送方向における、トナーの補給位置よりも上流側、下流側の何れか一方にのみ配設しても良い。
本発明にかかるトナー濃度測定装置、攪拌装置は、画像形成装置内において現像装置以外の部分に配設されても良い。例えば、トナーホッパー等のトナーの収納部やトナーの攪拌搬送を行う部分を現像装置から分離した構成では、現像剤の攪拌搬送部分に本発明にかかるトナー濃度測定装置、攪拌装置を適用可能である。
本発明は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することができる。
いずれのタイプの画像形成装置でも、中間転写体を用いず、各色のトナー像をシート等に直接転写する直接転写方式を採用しても良い。すなわち被転写体はシートであっても良い。この場合、複数の像担持体上のトナー像は、直接、シートに転写される。
中間転写体はベルト状に限らずドラム状であってもよい。
画像形成装置は、モノカラー画像のみを形成可能なものであっても良い。
画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機でなく、これらの単体であっても良いし、その他、複写機とプリンタとの複合機等の他の組み合わせの複合機であっても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。