JP2009139530A - 光学物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性の良好な防汚層を有する光学物品の製造方法を提供する。
【解決手段】基材200の上に反射防止層を形成することと、ペレット59を用いた真空蒸着法により、反射防止層に重ねて防汚層を形成することとを有する製造方法を提供する。ペレット59は、フッ素含有有機ケイ素化合物を含む防汚溶液に触媒を添加し、活性状態のフッ素含有有機ケイ素化合物を含む防汚溶液を含浸した後、触媒の蒸発温度以上、フッ素含有有機ケイ素化合物の蒸発温度未満の温度範囲内で加熱処理されたものである。反応活性が適当な状態となったフッ素含有有機ケイ素化合物を含む防汚溶液をペレット内に固定することができ、拭き耐久性の高い防汚層を成膜できる。
【選択図】図1
【解決手段】基材200の上に反射防止層を形成することと、ペレット59を用いた真空蒸着法により、反射防止層に重ねて防汚層を形成することとを有する製造方法を提供する。ペレット59は、フッ素含有有機ケイ素化合物を含む防汚溶液に触媒を添加し、活性状態のフッ素含有有機ケイ素化合物を含む防汚溶液を含浸した後、触媒の蒸発温度以上、フッ素含有有機ケイ素化合物の蒸発温度未満の温度範囲内で加熱処理されたものである。反応活性が適当な状態となったフッ素含有有機ケイ素化合物を含む防汚溶液をペレット内に固定することができ、拭き耐久性の高い防汚層を成膜できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガラスあるいはプラスチックなどの基材の上に、反射防止層および防汚層を備えた光学物品の製造方法に関するものである。
特許文献1には、真空蒸着によって基板表面に反射防止膜(反射防止層)を形成後、酸素もしくはアルゴンを導入してプラズマ処理を行い、その後、フッ素含有有機ケイ素化合物を真空蒸着して防汚層を形成する、防汚性光学物品の製造方法が開示されている。
特開2005−301208号公報
防汚剤(防汚溶液)を真空蒸着方式で基板に成膜して防汚層を形成する場合、基板表面(反射防止層の表面)と防汚剤(防汚剤分子)との間に化学結合が形成され、これにより、防汚剤分子は基板表面(反射防止層の表面)に固定される。しかしながら、反応性が低い防汚剤では、基板表面(反射防止層の表面)に防汚剤分子が十分に固定されず、防汚層の耐久性が劣る場合がある。
また、基板表面(反射防止層の表面)に防汚剤分子が配向しない、あるいは配向し難いため、良好な防汚性能が発現し難い場合もある。基板側では、プラズマ処理などの手法で活性基を生じさせることが可能であるが、このようにしても、反応相手側である防汚剤の反応性が劣る場合には、良好な効果が得られ難い。
本発明の一態様は、基材の上に有機または無機の反射防止層を形成することと、ペレットを用いた真空蒸着法により、反射防止層に重ねて防汚層を形成することとを有する光学物品の製造方法である。この製造方法において、ペレットは、フッ素含有有機ケイ素化合物を含む防汚溶液に触媒を添加し、活性状態のフッ素含有有機ケイ素化合物を含む防汚溶液を含浸した後、触媒の蒸発温度以上、フッ素含有有機ケイ素化合物の蒸発温度未満の温度範囲内で加熱処理されたものである。
この製造方法によれば、ペレットに含浸する防汚溶液(防汚剤、防汚剤溶液)には触媒を添加する。このため、防汚溶液に含まれるフッ素含有有機ケイ素化合物は活性状態となる、すなわち、フッ素含有有機ケイ素化合物の反応(加水分解)を進行させることができる。また、活性状態のフッ素含有有機ケイ素化合物を含む防汚溶液をペレットに含浸した後、触媒の蒸発温度以上、フッ素含有有機ケイ素化合物の蒸発温度未満の温度範囲内で加熱処理する。このため、フッ素含有有機ケイ素化合物の反応活性が適当な状態で、触媒のみが除去される。したがって、反応活性が適当な状態となったフッ素含有有機ケイ素化合物を含む防汚溶液をペレット内に固定することができる。防汚剤であるフッ素含有有機ケイ素化合物の分子を触媒作用により成膜に適した状態にし、その状態でペレット内に固定化できるため、そのペレットを用い、安定した、例えば、接触角が十分に大きく、拭き耐久性の高い防汚層を成膜できる。
防汚層を形成するフッ素含有有機ケイ素化合物(含フッ素シラン化合物)は、下記の一般式(1)〜(3)により表わされるフッ素含有有機ケイ素化合物のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
F3C−(CF2)s−(CH2)t−Si−(R)3-u(O−R)u ・・・(3)
ただし、上記一般式(3)中において、Rは、炭素数1以上のアルキル基を表す。sは、1〜11の整数を表す。tは、1〜4の整数を表す。uは、1〜3の整数を表す。
ただし、上記一般式(3)中において、Rは、炭素数1以上のアルキル基を表す。sは、1〜11の整数を表す。tは、1〜4の整数を表す。uは、1〜3の整数を表す。
なお、上記一般式(1)中のRf1は、通常、有機含フッ素ポリマーを構成するパーフルオロアルキル基であれば、特に限定されず、例えば、炭素数1〜16の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基を挙げることができる。好ましくは、CF3−、C2F5−、C3F7−である。
上記一般式(1)中のXが臭素またはヨウ素である場合には、上記一般式(1)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物のラジカル反応性が高くなるので、化学結合により他の化合物と結合させるのには好都合である。上記一般式(1)中のYとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などを挙げることができる。これらは、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
上記一般式(1)中のR1が加水分解可能な置換基である場合、加水分解可能な置換基としては特に限定されず、好ましいものとしては、例えば、ハロゲン、−OR11、−OCOR11、−OC(R11)=C(R12)2、−ON=C(R11)2、−ON=CR13などを挙げることができる。ただし、R11は、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、R12は、水素または炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R13は、炭素数3〜6の2価の脂肪族炭化水素基を表す。より好ましくは、上記一般式(1)中のR1は、塩素、−OCH3、−OC2H5である。上記一般式(1)中のR2は、水素または1価の炭化水素基を表す。上記1価の炭化水素基としては、特に限定されず、好ましいものとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などを挙げることができる。上記1価の炭化水素基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
上記一般式(1)中のa、b、c、d、eは、フッ素含有有機ケイ素化合物の主骨格を構成するパーフルオロポリエーテル鎖の繰り返し単位数を表し、それぞれ独立して、0または1以上の整数であり、a+b+c+d+eが1以上であれば特に限定されないが、それぞれ独立して、0〜200であることが好ましい。さらに、上記一般式(1)のフッ素含有有機ケイ素化合物の分子量を考慮すれば、a、b、c、d、eは、より好ましくは、それぞれ独立して、0〜50である。a+b+c+d+eは、好ましくは、1〜100である。また、a、b、c、d、eで括られた各繰り返し単位の存在順序は、一般式(1)中においてはこの順に記載したが、通常のパーフルオロポリエーテル鎖の構成によって、これらの各繰り返し単位の結合順序は、この順に限定されるものではない。
上記一般式(1)中のfは、パーフルオロポリエーテル鎖を構成する炭素とこれに結合するケイ素との間に存在するアルキレン基の炭素数を表し、0、1または2である。上記一般式(1)中のgは、ケイ素に結合する置換基R1の結合数を表し、1、2または3である。置換基R1が結合していない部分には、当該ケイ素にはR2が結合する。上記一般式(1)中のhは、1以上の整数を表し、特に上限はないが、1〜10の整数であることが好ましい。上記一般式(1)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物の分子量は、5×102〜1×105が好ましい。5×102未満では、防汚性能に関する効果を発揮し難く、1×105を超えると加工性に乏しくなる。より好ましくは、1×103〜1×104である。
上記一般式(2)中のRf2は、式:−(CkF2k)O−(式中、kは1〜6、好ましくは1〜4の整数である)で表される単位を含み、分岐を有しない直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造からなる2価の基である。なお、上記一般式(2)中のpがそれぞれ0である場合、一般式(2)中の酸素(酸素原子)に結合するRf2の末端は、酸素(酸素原子)ではない。上記一般式(2)中のRf2としては、例えば、下記一般式で示されるものが挙げられる。ただし、Rf2は、下記に例示されるものに限定されない。
−CF2CF2O(CF2CF2CF2O)vCF2CF2−
(式中、vは1以上、好ましくは1〜50、より好ましくは10〜40の整数である。)
−CF2(OC2F4)v’−(OCF2)v’’−
(式中、v’およびv’’は、それぞれ、1以上、好ましくは1〜50、より好ましくは10〜40の整数であり、かつv’とv’’との和は、10〜100、好ましくは20〜90、より好ましくは40〜80の整数であり、この式中の繰り返し単位の(OC2F4)、および(OCF2)の配列はランダムである。)
−CF2CF2O(CF2CF2CF2O)vCF2CF2−
(式中、vは1以上、好ましくは1〜50、より好ましくは10〜40の整数である。)
−CF2(OC2F4)v’−(OCF2)v’’−
(式中、v’およびv’’は、それぞれ、1以上、好ましくは1〜50、より好ましくは10〜40の整数であり、かつv’とv’’との和は、10〜100、好ましくは20〜90、より好ましくは40〜80の整数であり、この式中の繰り返し単位の(OC2F4)、および(OCF2)の配列はランダムである。)
上記一般式(2)中のR3は、炭素数1〜8、好ましくは1〜3の1価の炭化水素基であり、例えば、以下のようなものが挙げられる。メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基またはシクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基またはフェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基またはベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基またはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基。これらの中でもメチル基が好適である。
上記一般式(2)中のWが加水分解性基である場合、例えば、以下のようなものが挙げられる。メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基などのアルコキシアルコキシ基またはアリロキシ基、イソプロペノキシなどのアルケニルオキシ基またはアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシロキシ基またはジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基、シクロペンノキシム基、シクロヘキサノキシム基などのケトオキシム基またはN−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基などのアミノ基またはN−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基などのアミド基またはN,N−ジメチルアミノオキシ基、N,N−ジエチルアミノオキシ基などのアミノオキシ基。
また、上記一般式(2)中のWがハロゲン(ハロゲン原子)である場合、例えば、以下のようなものが挙げられる。塩素(塩素原子)、臭素(臭素原子)、ヨウ素(ヨウ素原子)など。これらの中でも、Wとしては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基および塩素(塩素原子)が好適である。
上記の一般式(2)中のpは0〜2の整数であり、1であることが好ましい。また、上記の一般式(2)中のnは1〜5の整数であり、3であることが好ましい。上記の一般式(2)中のmおよびrは、それぞれ独立して2または3であり、加水分解及び縮合反応性および被膜の密着性の観点から、3であることが好ましい。
上記一般式(2)で表されるパーフルオロポリアルキレンエーテル変性シラン(パーフルオロポリアルキレンエーテル変性シランの加水分解縮合物)の分子量は、特に制限されないが、安定性、取扱い易さなどの点から、数平均分子量で5×102〜2×104が好ましく、1×103〜1×104がさらに好ましい。
上記一般式(3)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物としては、例えば、以下のようなパーフルオロアルキルアルキレンアルコキシシラン化合物が挙げられる。
CF3(CF2)4CH2CH2Si(OC2H5)3、
CF3(CF2)4CH2CH2SiCH3(OC2H5)2、
CF3(CF2)7CH2CH2Si(OC2H5)3、
CF3CF2CH2CH2Si(OC3H7)3、
CF3(CF2)2CH2CH2Si(OC3H7)3、
CF3(CF2)4CH2CH2SiCH3(OC3H7)2、
CF3(CF2)5CH2CH2SiCH3(OC3H7)2、
CF3(CF2)7CH2CH2SiCH3(OC3H7)2
CF3(CF2)4CH2CH2Si(OC2H5)3、
CF3(CF2)4CH2CH2SiCH3(OC2H5)2、
CF3(CF2)7CH2CH2Si(OC2H5)3、
CF3CF2CH2CH2Si(OC3H7)3、
CF3(CF2)2CH2CH2Si(OC3H7)3、
CF3(CF2)4CH2CH2SiCH3(OC3H7)2、
CF3(CF2)5CH2CH2SiCH3(OC3H7)2、
CF3(CF2)7CH2CH2SiCH3(OC3H7)2
本発明の製造方法においては、触媒を含む防汚溶液を含浸したペレットを触媒の蒸発温度以上、防汚剤であるフッ素含有有機ケイ素化合物の蒸発温度未満の温度範囲内で加熱処理する。このため、触媒作用の最適な地点で防汚剤分子をペレット内に固定化できる。例えば、ペレット内に触媒が残存していると、防汚剤分子同士が自己縮合を始めてしまい、そのような状態の防汚剤を基板に蒸着しても所定の性能が得られなくなってしまう。本発明の方法では、反応活性が最適な状態で防汚剤をペレット内に固定できるので、安定した成膜が可能である。例えば、本発明の一態様にかかる製造方法は、上記一般式(3)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物を用いる場合、一般式(3)のRが炭素数2以上のアルキル基である場合に、特に好適である。これは、特に上記一般式(3)のRの炭素数が増加するほど、反応性が低くなるためである。
防汚層を形成するための防汚溶液に含めることが可能な溶剤としては、フッ素含有有機化合物(含フッ素有機化合物)から成る溶剤で、例えば、以下のようなものが挙げられる。パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタンなどのフッ素変性脂肪族炭化水素系溶剤、1,3−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどのフッ素変性芳香族炭化水素系溶剤、メチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)などのフッ素変性エーテル系溶剤、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリペンチルアミンなどのフッ素変性アルキルアミン系溶剤、石油ベンジン。含フッ素有機化合物からなる溶剤は、これらのうちの1種を単独で使用してもよく、また、2種以上を組み合わせて使用することもできる。これらのなかでも、変性シランの溶解性、塗布対象面の濡れ性などの点で、フッ素変性された溶剤が好ましく、特に、1,3−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼン、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、あるいはパーフルオロトリブチルアミンが好ましい。
触媒としては、例えば、硬化の促進に用いられる硬化触媒と呼ばれる触媒を用いることができる。具体的には、触媒としては、エステル交換触媒を用いることができる。エステル交換触媒の具体例としては、例えば、チタン化合物、スズ化合物、鉛化合物、ジルコニウム化合物、モリブデン化合物、およびイッテルビウム化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物が挙げられる。
触媒として機能するチタン化合物の例としては、TiX1 3、Ti(OAc)3、Ti(OMe)3、Ti(OEt)3、Ti(OBu)3、Ti(OPh)3、TiX1 4、Ti(OAc)4、Ti(OMe)4、Ti(OEt)4、Ti(OBu)4、Ti(OPh)4などが挙げられる。ただし、Acはアセチル基、Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、Phはフェニル基、X1はハロゲン(ハロゲン原子)を表す。
触媒として機能するスズ化合物の例としては、Ph4Sn、Sn(OAc)4、Bu2Sn(OAc)2、Me3SnOAc、Et3SnOAc、Bu3SnOAc、Ph3SnOAcなどのスズのアセトキシ錯体、Sn(OMe)4、Sn(OEt)4、Sn(OPh)4、Bu2Sn(OMe)2、Ph2Sn(OMe)2、Bu2Sn(OEt)2、Ph2Sn(OPh)2、Et3SnOMe、Ph3SnOMeなどのスズのアルコキシまたはアリールオキシ錯体、Me3Sn(OCOPh)、Bu2SnO、BuSnO(OH)、Et3SnOH、Ph3SnOH、Bu2SnCl2などが挙げられる。ただし、Acはアセチル基、Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、Phはフェニル基を表す。
この製造方法において、フッ素含有有機ケイ素化合物を100重量部としたときの触媒の添加量は0.01〜10重量部であることが好ましい。より好ましくは、フッ素含有有機ケイ素化合物を100重量部としたときの触媒の添加量は0.1〜5重量部であり、特に好ましくは、0.2〜4重量部である。
また、この製造方法において、防汚溶液は、ペレットに含浸する前に、触媒の添加後、2時間〜16時間攪拌したものであることが望ましい。攪拌時間が2時間未満、例えば0.5時間程度であると、形成される防汚層は、初期の時点において十分な接触角が得られるという効果が得られ難い。これは、フッ素含有有機ケイ素化合物の加水分解が不足しているためであると考えられる。攪拌時間が16時間を超えると、例えば、20時間では、初期接触角の向上が得られ難いことが認められる。
この製造方法において、防汚溶液は、ペレットに含浸する前に、触媒の添加後、2時間〜12時間攪拌したものであることがさらに好ましい。攪拌時間が12時間を超えると、例えば、16時間程度であると、形成される防汚層の初期の時点において、十分な接触角が得られるという効果はあるが、耐久性の向上という効果は若干不足し易い。これは、フッ素含有有機ケイ素化合物の自己縮合が進み、反射防止層とフッ素含有有機ケイ素化合物との間に化学結合が阻害されるためであると考えられる。
この製造方法では、反射防止層の上に耐久性の良好な防汚層を形成することができる。有機系の反射防止層の一例は、(4)成分と、(5)成分とを含有する組成物から形成されるものである。
(4)一般式:R4 iR5 jSiX2 4-i-jで表される有機ケイ素化合物
(ただし、上記式(4)中において、R4は重合可能な反応基を有する有機基を表す。R5は炭素数1〜6の炭化水素基を表す。X2は加水分解性基を表す。iおよびjは、少なくとも一方は1であり、他方は0または1である。)
(5)シリカ系微粒子
(4)一般式:R4 iR5 jSiX2 4-i-jで表される有機ケイ素化合物
(ただし、上記式(4)中において、R4は重合可能な反応基を有する有機基を表す。R5は炭素数1〜6の炭化水素基を表す。X2は加水分解性基を表す。iおよびjは、少なくとも一方は1であり、他方は0または1である。)
(5)シリカ系微粒子
この有機系の反射防止層を形成する(4)成分の有機ケイ素化合物のR4は、重合可能な反応基を有する有機基であり、例えば、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基、アミノ基などが挙げられる。(4)成分の有機ケイ素化合物のR5は、炭素数1〜6の炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基などが挙げられる。(4)成分の有機ケイ素化合物のX2は、加水分解可能な官能基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基などのアルコキシ基、クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基、アシルオキシ基などが挙げられる。
(4)成分の有機ケイ素化合物の具体的な例は、以下のようなものである。テトラメトキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトシキ)シラン、アリルトリアルコキシシラン、アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルジアルコキシメチルシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン。
この有機系の反射防止層を形成する(5)成分のシリカ系微粒子の具体的な例は、平均粒径1nm〜100nmの微粒子のシリカを、例えば水、アルコール系溶剤、もしくはその他の有機溶剤にコロイド状に分散させたシリカゾルである。このシリカ系微粒子は、内部空洞(隙間)を有するものが望ましい。内部空洞を有するシリカ系微粒子を用いることによって、反射防止層の屈折率を低下させることができ、基材または基材の上に形成された層(例えばハードコート層)との屈折率の差を大きくして、反射防止効果を高めることができる。シリカ系微粒子の内部空洞内にシリカよりも屈折率が低い気体または溶剤が包含されることにより、空洞のないシリカ系微粒子よりも屈折率が低減されるため、反射防止層の低屈折率化が達成される。
なお、有機系の反射防止層を形成するための組成物は、(4)成分および(5)成分の他に、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂などの各種樹脂や、これらの樹脂原料となるメタアクリレート類、アクリレート類、エポキシ類、ビニル類などの各種モノマーを含んでいてもよい。屈折率を低減する機能を有するものとしては、フッ素含有の各種ポリマー、またはフッ素含有の各種モノマーが挙げられる。したがって、反射防止層を形成するための組成物は、フッ素含有の各種ポリマー、またはフッ素含有の各種モノマーを含んでいてもよい。フッ素含有ポリマーは、フッ素含有ビニルモノマーを重合して得られるポリマーが好ましく、さらに他の成分と共重合可能な官能基を有することが好ましい。
有機系の反射防止層を形成するための組成物は、溶剤を含んでいてもよい。すなわち、反射防止層を形成するための組成物は、塗布液とするために、必要に応じ、溶剤に希釈して用いることができる。溶剤としては、例えば、水、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族類などの溶剤が挙げられる。さらに、反射防止層を形成するための組成物は、必要に応じて、少量の硬化触媒、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ヒンダートアミン・ヒンダートフェノールなどの光安定剤、分散染料・油溶染料・蛍光染料・顔料などを添加し、コーティング液としての塗布性の向上や、硬化後の被膜性能を改良することもできる。
無機物からなる単層または多層の反射防止層は、例えば、イオンプレーティング、真空蒸着、スパッタリングなどのいわゆるPVD法によって施すことができる。無機の反射防止層の一例としては、基材または基材の上に形成された層(例えばハードコート層)などよりも低屈折率の無機層と、低屈折率の無機層よりも高屈折率の無機層とを複数積層させたものが挙げられる。無機系の反射防止層を形成する際に使用できる無機物としては、例えば、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化セリウム(CeO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、フッ化マグネシウム(MgF2)などの酸化物あるいはフッ化物などが挙げられる。無機物からなる多層の反射防止層は、具体的には、SiO2、MgF2などの材料から構成される低屈折率層と、ZrO2、Ta2O5、TiO2、CeO2、Y2O3などの材料から構成される高屈折率層とを積層させたものである。
(実施例1)
図1は、成膜装置50の概略構成を示している。この成膜装置50は、支持装置80に搭載された基材(ワーク)200の表面に真空蒸着法により無機の多層構成の反射防止層を形成するとともに、反射防止層に重ねて真空蒸着法により防汚層を形成することができる。
図1は、成膜装置50の概略構成を示している。この成膜装置50は、支持装置80に搭載された基材(ワーク)200の表面に真空蒸着法により無機の多層構成の反射防止層を形成するとともに、反射防止層に重ねて真空蒸着法により防汚層を形成することができる。
図2は、本発明の製造方法で得られる光学物品の一例を模式的に示している。以下では、光学物品100aとして、例えば、メガネ用のレンズを形成するための基材200aを例として説明する。
支持装置80は、上方に凸に湾曲した円盤状のドーム81を備えており、このドーム81には、同心円状に複数の基材200aが配列できるようになっている。この成膜装置50では、ドーム81を回転させながら、反射防止層105aを成膜し、プラズマ処理を行い、その後、防汚層106を成膜する。本例では、基材200aは、プラスチック製のレンズ本体(レンズ基材、レンズ、プラスチックレンズ)101の上にハードコート層103が形成されたものである。レンズ本体101がガラス製の場合には、ハードコート層103が省略される場合もある。この場合には、ガラス製のレンズ本体101が基材200aとなる。レンズ本体101とハードコート層103との間には、プライマー層102(図9参照)を形成してもよい。
成膜装置50は、支持装置80が内部を通過可能な3つのチャンバーCH1、CH2およびCH3を備えている。各々のチャンバーCH1〜CH3は相互に密封できるようになっており、各チャンバーCH1〜CH3の内圧は、真空生成装置52、53および54によりそれぞれ制御されるようになっている。
チャンバーCH1は、エントランス(ゲートチャンバー、第1のチャンバー)であり、外部から支持装置80を導入した後、一定の時間、一定の圧力以下にチャンバーCH1の内部を保持することにより、脱ガスを行うことができる。チャンバーCH1には、ロータリポンプ52a、ルーツポンプ52bおよびクライオポンプ52cを備えた真空生成装置52が設けられている。
チャンバーCH2は、反射防止層(AR層)105aを成膜するための第2のチャンバーである。このため、このチャンバーCH2の内部には、AR蒸着源55aおよび55bと、AR蒸着源55aおよび55bを蒸着させる電子銃56と、蒸着量を調整するための開閉可能なシャッタ57とが設けられている。反射防止層105aは、例えば、二酸化ケイ素SiO2を主成分とする低屈折率のサブレイヤと、他の組成からなる高屈折率のサブレイヤ、例えば、TiO2、Nb2O3、Ta2O5、ZrO2の1つまたは複数が積層された構造が採用される。このため、チャンバーCH2内には、少なくとも2つの蒸着源55aおよび55bと、それらを加熱溶融するための少なくとも2つの電子銃56とが用意されている。チャンバーCH2は、ロータリポンプ53a、ルーツポンプ53bおよびクライオポンプ53cを備えた真空生成装置53により適当な圧力に保持される。
また、チャンバーCH2には、高周波プラズマ発生装置69が設けられている。詳しくは、チャンバーCH2には、高周波プラズマを発生するためのRFコイル60が収納されている。RFコイル60を、マッチングボックス61を介して高周波発振器62と接続することにより、チャンバーCH2内に、所定の周波数で、所定の出力のプラズマを発生させることができるようになっている。さらに、チャンバーCH2は、このチャンバーCH2内の雰囲気を制御するオートプレッシャーコントローラ65とマスフローコントローラ66とが接続されている。マスフローコントローラ66には、酸素ガス63とアルゴンガス64の供給源が接続されており、チャンバーCH2内の雰囲気をそれらのガスが100%または適当な比率となるように制御できる。
チャンバーCH3は、反射防止層105aの上にフッ素含有有機ケイ素化合物を蒸着することにより、防汚層106を成膜するための第3のチャンバーである。このため、このチャンバーCH3の内部には、フッ素含有有機ケイ素化合物が含浸された蒸着源(ペレット)59と、加熱ヒータ(ハロゲンランプ)68と、補正板67とが設けられている。チャンバーCH3は、ロータリポンプ54a、ルーツポンプ54bおよびターボ分子ポンプ54cを備えた真空生成装置54により適当な圧力に保持される。
次に、本発明の第1の実施形態にかかるレンズ100aの製造方法について説明する。
まず、基材200aとして、プラスチックレンズ(セイコーエプソン株式会社製:商品名「セイコースーパーソブリン」)101にハードコート層103が形成されたものを用意した。
ハードコート層103は、例えば、以下のように形成した。まず、ハードコート層を塗布により形成するためのコーティング液HC1を調製する。メタノール78gと、ブチルセロソルブ100.3gと、メタノール分散ルチル型酸化チタン複合ゾル(触媒化成工業株式会社製、固形分濃度20重量%、商品名「オプトレイク1120Z」)1380.9gと、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン289.9gとを混合した。この混合液に、0.05N塩酸水溶液80.1gを攪拌しながら滴下し、さらに4時間攪拌後一昼夜熟成させた。この液に、過塩素酸マグネシウム4.4gと、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー株式会社)製、商品名「L−7001」)0.6gと、ヒンダードアミン系光安定剤(三共株式会社製、商品名「サノールLS−770」)2.3gとを添加した。さらに、4時間攪拌した後、一昼夜熟成させて、コーティング液HC1とした。
このコーティング液HC1を、浸漬法(引き上げ速度25cm/分)により、プラスチックレンズ101に塗布し、さらに、80℃で30分間、加熱・硬化処理し、さらに、120℃で180分間、加熱・硬化処理した。このようにして、膜厚2.2μm、屈折率1.67のハードコート層103を形成した。
基材200a(プラスチックレンズ101にハードコート層103が形成されたもの)を支持装置80にセットし、チャンバーCH1において脱ガスした。その後、支持装置80をチャンバーCH2に移動させ、チャンバーCH2において、SiO2層104a、104cおよび104eと、ZrO2層104bおよび104dとを交互に蒸着し、これらの層104a〜104eからなる無機系の反射防止層105aを形成した。この反射防止層105aの最上層104eは、SiO2層である。
引き続き、チャンバーCH2内に酸素ガス(100%)を導入し、圧力を4.0×10-2Paに制御しつつ、高周波プラズマ発生装置69を用いてプラズマを発生させた。プラズマの発生条件は、13.56MHz、0.4kWであり、0.5分間処理を行った。このようにすることにより、反射防止層105aの表面(最上層104eの表面)には、シラノール基が生成される。
その後、支持装置80をチャンバーCH3に移動させ、蒸着源(ペレット)59を用いた真空蒸着法により、反射防止層105aに重ねて防汚層106を形成した。蒸着源(ペレット)59としては、フッ素含有有機ケイ素化合物である、CF3(CF2)7CH2CH2Si(OC2H5)3が含浸されたものを用いた。
ここでペレット59の製造方法について詳しく説明する。まず、フッ素含有有機ケイ素化合物、本例では、CF3(CF2)7CH2CH2Si(OC2H5)3に、触媒として、Bu2Sn(OAc)2を、対固形分で0.2%となるように添加した。さらに、フッ素系溶剤(住友スリーエム株式会社製:商品名「ノベックHFE−7200」)により希釈して、固形部分濃度が3%の防汚溶液TLを調製した。その後(触媒添加後)、この防汚溶液TLを、ペレット59に含浸する前に、常温で2時間攪拌した。攪拌後、多孔質セラミック製のペレット59に防汚溶液TLを1g含浸(滴下)した。この際、目的とする固形分量が得られるように滴下量を設定する。防汚溶液TLを含浸させたペレット59をオーブンに投入して、90℃で20分加熱処理(乾燥)させた。これにより、触媒と溶媒とが蒸発するため、触媒効果も停止する。触媒が残っていると、フッ素含有有機ケイ素化合物同士の自己縮合が始まってしまい、反射防止層105aの上に蒸着しても、所定の性能が得られなくなるおそれがある。このような方法により生成したペレット59をチャンバーCH3にセットして減圧する。減圧後、ペレット59を加熱して、真空蒸着法により、反射防止層105aに重ねて防汚層106を形成(蒸着)した。
防汚層106の成膜中は、加熱ヒータ(ハロゲンランプ)68を使用し、蒸着源であるペレット59を600℃に加熱して、フッ素含有有機ケイ素化合物を蒸発させた、蒸着時間は3分とした。防汚層106を形成した後、支持装置80をチャンバーCH3から取り出し、片面に反射防止層105aおよび防汚層106が形成された基材(ワーク)200aを反転させて、支持装置80にセットした。上記と同様の処理を行うことにより、もう一方の面にも、反射防止層105aおよび防汚層106を成膜した。これにより、光学物品(メガネ用のレンズ)100aが形成された。
図3は、防汚溶液TLに添加した触媒Bu2Sn(OAc3)2の熱分析結果を示す図である。上述したように、Acはアセチル基である。図4は、防汚溶液TLに含有するフッ素含有有機ケイ素化合物(一般式(3)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物の一種)であるCF3(CF2)7CH2CH2Si(OC2H5)3の熱分析結果を示す図である。図5は、同様に防汚溶液TLに含有することができるフッ素含有有機ケイ素化合物(一般式(2)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物(信越化学工業株式会社製:商品名「KY−130」))の熱分析結果を示す図である。
フッ素含有有機ケイ素化合物を活性状態とする触媒は、一般に、フッ素含有有機ケイ素化合物よりも蒸発温度が低い。例えば、Bu2Sn(OAc)2は、90℃程度あるいはそれ以下の温度で蒸発する。この温度に対し、フッ素含有有機ケイ素化合物の蒸発温度は十分に高く、例えば、CF3(CF2)7CH2CH2Si(OC2H5)3は、250℃程度で蒸発し、一般式(2)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物(信越化学工業株式会社製:商品名「KY−130」)は、450℃程度で蒸発する。したがって、防汚溶液TLを90℃程度の温度で熱処理することは、防汚溶液TLに含まれる触媒に対しては蒸発温度以上の温度で熱処理し、防汚溶液TLに含まれるフッ素含有有機ケイ素化合物については蒸発温度未満の温度で熱処理することになる。防汚溶液(防汚剤溶液)TLに触媒を添加して一定時間放置して(攪拌して)反応を進行させ、ペレットに滴下後、触媒の蒸発温度以上で、防汚剤であるフッ素含有有機ケイ素化合物の蒸発温度より低い温度である90℃程度で加熱処理することにより、溶媒と触媒とを選択的に除去でき、ペレットに、反応活性が最適な状態の防汚剤を固定できる。
たとえば、ペレット内に触媒が残存していると、防汚剤分子同士が自己縮合を始めてしまい、基板に蒸着しても所定の性能が得られなくなってしまう。したがって、触媒を添加したフッ素含有有機ケイ素化合物を含み、触媒を添加した防汚溶液TLを常温で2時間程度攪拌することによりフッ素含有有機ケイ素化合物を活性化し、その後、90℃程度で加熱することにより触媒を除去する。
さらに、本例の製造方法においては、触媒を含む防汚溶液TLをペレット59に含浸させ、その後、ペレット59の状態で、90℃程度で加熱する。したがって、防汚溶液TLを、ペレット59に含浸させた少量の溶液単位で温度管理し、溶液TLに含まれるフッ素含有有機ケイ素化合物の反応活性を制御できる。このため、ペレット59に含浸させた防汚溶液TLを比較的短時間で精度良く加熱でき、所望の状態のフッ素含有有機ケイ素化合物を含んだペレット59を提供できる。
(比較例1)
上記実施例1において製造されたメガネ用のレンズ100aと比較するため、比較用のレンズを製造した。製造に際しては、上記実施例1とほぼ同様の方法を採用し、ペレット59に含浸する防汚溶液に触媒を添加しなかった。その他は、上記実施例1と同様の方法で、プラスチックレンズ101の上に、ハードコート層103、反射防止層105a、防汚層106を形成した。
上記実施例1において製造されたメガネ用のレンズ100aと比較するため、比較用のレンズを製造した。製造に際しては、上記実施例1とほぼ同様の方法を採用し、ペレット59に含浸する防汚溶液に触媒を添加しなかった。その他は、上記実施例1と同様の方法で、プラスチックレンズ101の上に、ハードコート層103、反射防止層105a、防汚層106を形成した。
図6は、実施例1において製造されたメガネ用レンズと、比較例1において製造されたメガネ用レンズとにおける接触角の測定結果を示している。接触角の測定には、接触角計(協和科学株式会社製:商品名「CA−D型」)を使用し、液滴法による純水の接触角を測定した。
図6に示すように、実施例1において製造されたメガネ用レンズのサンプル1−1および1−2では、接触角が100°を越えており、十分な撥水性が得られることがわかった。これは、ペレット59内のフッ素含有有機ケイ素化合物の反応(加水分解)が適度に進行しており、反射防止層105aの表面に、フッ素含有有機ケイ素化合物が良好に固定されたためであると考えられる。また、フッ素含有有機ケイ素化合物分子(防汚剤分子)が表面で十分に配向しているためであると考えられる。
これに対し、比較例1において製造されたメガネ用レンズのサンプル2−1および2−2では、接触角が100°以下であり、サンプル1−1および1−2は撥水性が向上していることがわかった。サンプル2−1および2−2においては、ペレット59内のフッ素含有有機ケイ素化合物の反応(加水分解)が良好に進んでいないとともに、フッ素含有有機ケイ素化合物分子が表面で十分に配向していないため、サンプル1−1および1−2のような撥水性が得られないと考えられる。
反射防止層105aの表面に防汚層106を形成する場合、良好な接触角を得るためには、防汚剤分子(フッ素含有有機ケイ素化合物)の−CF3が表面に位置する垂直配向が理想的である。実施例1のサンプル1−1および1−2では、垂直配向あるいはそれに近い配向状態になり、接触角が向上したと考えられる。それに対し、比較例1のサンプル2−1および2−2では、−CF2−や−(OC2H5)3が表面にランダムに出ている結果、接触角の向上が見られなかったと考えられる。
図7は、実施例1において製造されたメガネ用レンズのサンプル1−3および比較例1において製造されたメガネ用レンズのサンプル2−3おける拭き耐久試験結果を示している。この拭き耐久試験では、木綿布を用い、レンズ100aの凸面を、荷重をかけながら5000往復させた。所定の往復回数毎に、接触角を測定した。接触角の測定方法は、上述の通りである。
実施例1のサンプル1−3では、拭き回数による接触角の低下幅が小さく、良好な拭き耐久性があることがわかった。これに対し、比較例1のサンプル2−3では、拭き回数による接触角の低下幅が大きく、サンプル1−3では拭き耐久性が向上していることがわかった。これは、サンプル2−3では、反射防止層105aの表面と防汚層106との間の化学結合が、サンプル1−3に比較し十分ではなく、実施例1の製造方法により反射防止層105aの表面と防汚層106との間の化学結合が向上することを示唆している。
図8は、実施例1において製造されたメガネ用レンズのサンプル1−4から1−9における触媒の添加後の攪拌時間と、初期および払拭後の接触角の測定結果とを示している。
図8の純水接触角の測定結果から、攪拌時間は2時間〜16時間が特に有効であることがわかった。さらに、攪拌時間は2時間〜12時間がいっそう有効であることがわかった。作業性(製造時間)を考慮した場合、攪拌時間は2時間が最も有効である。サンプル1−4より、攪拌時間が0.5時間あるいはそれ以下の場合、フッ素含有有機ケイ素化合物の加水分解の進行が不十分になり易く、初期の時点での接触角の向上が見られない。また、攪拌時間が20時間あるいはそれ以上の場合、フッ素含有有機ケイ素化合物の自己縮合が過剰に発生し易くなり、初期の時点での接触角の向上が得られにくい。また、攪拌時間が16時間以上のサンプル1−8では、初期接触角が向上するという効果は得られるが、攪拌時間が12時間以下のサンプルと比較し拭き耐久性が向上するという効果は得られにくい。なお、CF3(CF2)7CH2CH2Si(OC2H5)3の場合、攪拌時間は2時間〜16時間が好ましいが、他のフッ素含有有機ケイ素化合物の場合、適当な攪拌時間は、多少前後する可能性がある。
このように、触媒により適度に活性化された防汚剤を蒸着源であるペレット59に固定して蒸着により防汚層を成膜することにより、反射防止層105aの表面と防汚層106との間の化学結合を向上でき、拭き耐久性の高い防汚層106を備えた光学物品を提供できる。そして、触媒による防汚剤の活性化度は、攪拌時間(放置時間)と、その後の加熱処理により制御できる。
(実施例2)
図9は、本発明の製造方法で得られる光学物品の他の例を模式的に示している。ここでは、光学物品100bとして、例えば、メガネ用のレンズを形成する場合を例にとって説明する。本発明の製造方法は、有機系の反射防止層105bを用いた場合にも有効である。実施例1は、反射防止層として無機系の反射防止層105aを形成している基材200aを用いたが、以下では、有機系の反射防止層105bを形成している基材200bを用いた場合を例にとって説明する。すなわち、この例では、基材(ワーク)200bとして、プラスチックレンズ(セイコーエプソン株式会社製:商品名「セイコースーパーソブリン」)101の表面にプライマー層102が形成され、このプライマー層102の上にハードコート層103が形成されたものを用意した。
図9は、本発明の製造方法で得られる光学物品の他の例を模式的に示している。ここでは、光学物品100bとして、例えば、メガネ用のレンズを形成する場合を例にとって説明する。本発明の製造方法は、有機系の反射防止層105bを用いた場合にも有効である。実施例1は、反射防止層として無機系の反射防止層105aを形成している基材200aを用いたが、以下では、有機系の反射防止層105bを形成している基材200bを用いた場合を例にとって説明する。すなわち、この例では、基材(ワーク)200bとして、プラスチックレンズ(セイコーエプソン株式会社製:商品名「セイコースーパーソブリン」)101の表面にプライマー層102が形成され、このプライマー層102の上にハードコート層103が形成されたものを用意した。
プライマー層は、例えば、以下のように形成した。まず、プライマー層102を塗布により形成するためのコーティング液P1を調製した。まず、メタノール626.2gと、市販の水性エマルジョンポリウレタン(日華化学株式会社製、商品名「ネオステッカー700」、固形分濃度37重量%)221.8gとを混合した。その後、メタノール分散二酸化チタン−五酸化アンチモン−二酸化ケイ素複合微粒子ゾル(触媒化成工業株式会社製、固形分濃度20重量%)309.6gと、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー株式会社製、商品名「L−7604」)0.25gとを混合した。そして十分に攪拌して、プライマー層用の塗布液P1とした。
このコーティング液P1を、プラスチックレンズ(セイコーエプソン株式会社製:商品名「セイコースーパーソブリン」)101上に、浸漬法(引き上げ速度15cm/分)にて塗布し、100℃で20分間、加熱・硬化処理して、プラスチックレンズ101上に膜厚1.0μm、屈折率1.67のプライマー層102を形成した。ハードコート層103の形成方法は、実施例1と同じである。
次に、ハードコート層103の上に、有機系の反射防止層105bを形成した。(CH3O)3Si−C2H4−C6H12−C2H4−Si(OCH3)3で表される構造のフッ素含有有機ケイ素化合物(フッ素含有シラン化合物)47.8重量部(0.08モル)に、有機溶剤としてメタノール312.4重量部と、フッ素を含有しない有機ケイ素化合物(シラン化合物)であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン4.7重量部(0.02モル)を加えた。さらに、0.1規定の塩酸水溶液36重量部を加えて混合した後、設定温度が25℃の恒温槽内で2時間攪拌して、固形分比率が10重量%のシリコーンレジンを得た。
このシリコーンレジンに、内部に空洞を有するシリカ微粒子としての中空シリカ−イソプロパノール分散ゾル(触媒化成工業株式会社製:固形分比率20重量%、平均粒子径35nm、外郭厚み8nm)を加えた。このとき、シリコーンレジンと中空シリカの固形分比率が70:30となるように配合した。分散媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテル935重量部を加えて希釈し、固形分が3重量%の組成物を得た。
この組成物に、アルミニウム(Al(III))を中心金属とする金属錯塩としてのアルミニウムのアセチルアセトン(Al(acac)3)を固形分比率が3重量%となるように加えた後、4時間攪拌した。これにより、有機系の反射防止層を形成するためのコーティング組成物(反射防止処理液)を得た。
上記において準備しておいた基材200b(プラスチックレンズ101の表面にプライマー層102およびハードコート層103が形成されたもの)にプラズマ処理を行った。その後、得られた反射防止処理液をハードコート層103の表面に、乾燥膜厚が100nmとなるように、スピナー法を用いて塗布した。さらに、125℃に保たれた恒温槽内に2時間投入して、塗布された反射防止処理液の硬化を行い、反射防止層105bが形成された基材200bを得た。
反射防止層105bが形成された基材200bを、図1の成膜装置50を用いて、防汚止層106を形成した。すなわち、成膜装置50の支持装置80に基材200bをセットし、チャンバーCH1で脱ガスした後、チャンバーCH3に移動して、防汚層106を形成した。防汚層106を形成する方法は、実施例1において説明した方法と同じである。このようにして製造されたメガネ用レンズ100bのサンプルは、実施例1において製造されたサンプルと同様の接触角と、拭き耐久性とを示すことが確認された。したがって、有機系の反射防止膜(反射防止層)を備えた光学物品に対しても、本発明は有効であり、耐久性の良好な防汚層を有する光学物品を提供できる。
このように、防汚溶液TLに触媒を添加して一定時間放置して(攪拌して)反応を進行させ、ペレット59に滴下後、触媒の蒸発温度以上に加熱することによって溶媒と触媒を除去する。これにより、反応活性が最適な状態で防汚剤をペレット59に固定し、そのペレット59を蒸着源とし、防汚層を蒸着することにより、下地層である反射防止層と化学結合の高い防汚層を形成できる。したがって、耐久性および防汚能力の高い防汚層を備えた光学物品を提供できる。
本発明は、また、下地層と結合力の高い防汚層を形成できるので、防汚層を安定して成膜するために有効である。特に炭素数の大きな防汚剤、例えば、上記一般式(3)で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物においてRが炭素数2以上のアルキル基である場合に、反応性が低くなることを補完し、結合力の高く、防汚性能の高い層を形成できる。
本発明が適用できる光学物品は、メガネ用レンズに限定されない。たとえば、他の光学機器用レンズ、液晶などの表示板、DVDなどの光記録媒体、光が透過または反射する他の物品が含まれる。
59 防汚層蒸着源(ペレット)、 100a、100b レンズ(光学物品)
101 レンズ本体、 105a、105b 反射防止層
106 防汚層、 200a、200b 基材
101 レンズ本体、 105a、105b 反射防止層
106 防汚層、 200a、200b 基材
Claims (4)
- 基材の上に有機または無機の反射防止層を形成することと、
ペレットを用いた真空蒸着法により、前記反射防止層に重ねて防汚層を形成することとを有する光学物品の製造方法であって、
前記ペレットは、
フッ素含有有機ケイ素化合物を含む防汚溶液に触媒を添加し、活性状態の前記フッ素含有有機ケイ素化合物を含む前記防汚溶液を含浸した後、
前記触媒の蒸発温度以上、前記フッ素含有有機ケイ素化合物の蒸発温度未満の温度範囲内で加熱処理されたものである、光学物品の製造方法。 - 請求項1において、前記フッ素含有有機ケイ素化合物は、下記の一般式(1)〜(3)により表わされるフッ素含有有機ケイ素化合物のうちの少なくとも1つを含む、光学物品の製造方法。
F3C−(CF2)s−(CH2)t−Si−(R)3-u(O−R)u ・・・(3)
ただし、上記一般式(3)中において、Rは、炭素数1以上のアルキル基を表す。sは、1〜11の整数を表す。tは、1〜4の整数を表す。uは、1〜3の整数を表す。 - 請求項1または2において、前記フッ素含有有機ケイ素化合物を100重量部としたときの前記触媒の添加量は、0.01〜10重量部である、光学物品の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記防汚溶液は、前記ペレットに含浸する前に、前記触媒の添加後、2時間〜12時間攪拌したものである、光学物品の製造方法。
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