JP2009138877A - 変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】変速機1は、ディファレンシャルギヤG18と、ケースと、を備えている。ケースは、ディファレンシャルギヤG18を回転可能に収容する第2ケース本体29aと、第2ケース本体29a内に設けられ潤滑油の泡がディファレンシャルギヤG18に付着するのを抑制する第1仕切板22と、を有している。第1仕切板22は、ディファレンシャルギヤG18の回転方向に延びており、回転方向の前方側に配置された第2端部を有している。第2端部は、第1ケース内に潤滑油が溜められている場合に潤滑油に浸漬されるように設けられている。
【選択図】図2
Description
本発明の課題は、変速機において潤滑性能の安定化を図ることにある。
この変速機では、回転方向の前方側に配置された前方端部が潤滑油に浸漬されるように設けられている。このため、第1部材により潤滑油の泡が第1回転部材に接触するのを抑制できるため、潤滑油の泡が第1回転部材により再度撹拌されるのを抑制でき、潤滑油が貯留される領域での潤滑油の泡の滞留時間を長く確保できる。これにより、この変速機では、潤滑油の泡の消滅を促進することができ、潤滑性能の安定化を図ることができる。
<変速機の全体構成>
図1および図2を用いて変速機1について説明する。図1は変速機1の概略構成図である。図2は図1のV−V断面図である。図1ではギヤの配列が分かりやすいように各シャフトの配置を2次元的に表現している。
変速機1は、6段変速が可能な、FF(Front Engine Front Drive)車用の手動変速機である。具体的には図1に示すように、変速機1は主に、ケース2と、入力シャフト3と、メインシャフト4と、ディファレンシャル5と、リバースシャフト7と、複数のギヤG1〜G18と、複数のシンクロ機構S1〜S4と、から構成されている。
ケース2は、第1ケース21と、第1ケース21に固定された第2ケース29と、を有している。第1ケース21と第2ケース29とによりギヤ室28が形成されている。図2に示すように、ギヤ室28の下部には潤滑油が溜められている。
メインシャフト4は、入力シャフト3に入力された動力をディファレンシャル5に出力するためのシャフトであり、回転軸A2を中心に回転可能なようにケース2により支持されている。メインシャフト4は第1メインギヤG11および第2メインギヤG12を回転可能に支持している。メインシャフト4には第3〜第6メインギヤG13〜G16が固定されている。第1〜第6メインギヤG11〜G16はそれぞれ第1〜第6入力ギヤG1〜G6と噛み合っている。
ディファレンシャル5は、ディファレンシャルケース51と、ディファレンシャルギヤG18と、を有している。ディファレンシャルギヤG18は、ディファレンシャルケース51に固定されており、回転軸A3を中心に回転可能である。
リバースシャフト7は、後進用の第1後進ギヤG8および第2後進ギヤG9を、回転軸A4を中心に回転可能なように支持している。第1後進ギヤG8には第4シンクロ機構S4が設けられている。第4シンクロ機構S4は第1後進ギヤG8と第2後進ギヤG9とを連結可能である。第2後進ギヤG9はメインシャフト4に固定された第3後進ギヤG10と噛み合っている。
メインシャフト4の端部にはディファレンシャルギヤG18と噛み合う第7メインギヤG17が設けられている。メインシャフト4に入力された動力は第7メインギヤG17を介してディファレンシャルギヤG18に伝達される。
ケース2には、潤滑油の泡を考慮した構造が採用されている。ここでは、図2〜図5を用いて第7メインギヤG17およびディファレンシャルギヤG18を例に、この構造について説明する。図3は図2の部分拡大図である。図4は図2のX−X断面図である。図5は各部の寸法関係を示している。図2および図3において、線OL1は潤滑油の静的油面(第7メインギヤG17およびディファレンシャルギヤG18が回転していない停止状態での油面)を示している。図2および図3において、線OL2は潤滑油の動的油面(第7メインギヤG17およびディファレンシャルギヤG18が回転している運転状態での油面)を示している。
図3に示すように、第2ケース29は、第2ケース本体29aと、ディファレンシャルギヤG18の下方に配置された第1仕切板22と、第7メインギヤG17の概ね下方に配置された第2仕切板23と、を有している。第1仕切板22および第2仕切板23は、第2ケース本体29aと一体成形されている。第1ケース21および第2ケース本体29aにより、各部を収容するケース本体が形成されている。第2ケース本体29aの下部には、潤滑油が溜まっている部分としてケース下部29dが形成されている。
第1仕切板22はディファレンシャルギヤG18とケース下部29dとの間の空間を仕切っており、第2仕切板23は第7メインギヤG17とケース下部29dとの間の空間を仕切っている。具体的には、第1仕切板22および第2仕切板23の下方には、潤滑油の泡を滞留させるための第1空間B1が広がっている。第1仕切板22とディファレンシャルギヤG18との間には、ディファレンシャルギヤG18の回転方向(以下、第1回転方向)に延びる第2空間B2が形成されている。第2仕切板23と第7メインギヤG17との間には、第7メインギヤG17の回転方向(以下、第2回転方向)に延びる第3空間B3が形成されている。
図3に示すように、第1仕切板22は、ディファレンシャルギヤG18と第2ケース本体29a(より詳細には、ケース下部29d)との半径方向間に配置された概ね板状の部材であり、ディファレンシャルギヤG18の外周部に沿って第1回転方向に延びている。第1仕切板22は、ディファレンシャルギヤG18および第7メインギヤG17の噛み合い領域Eに対してディファレンシャルギヤG18の第1回転方向前方に設けられている。第1仕切板22は、ディファレンシャルギヤG18および第7メインギヤG17の噛み合い接線TよりもディファレンシャルギヤG18の第1回転方向前方(図3では噛み合い接線Tの右側)に配置されている。
図4に示すように、第1仕切板22は、側方内壁面29cからディファレンシャルギヤG18の軸方向(図4の左右方向)に延びている。第1仕切板22の軸方向の端部は、ディファレンシャルギヤG18よりもケース2側(図4の左方向)に突出している。このため、ディファレンシャルギヤG18の外周部の一部は、第1仕切板22に覆われている。
図3に示すように、第1曲面24eおよび第1端面24cにより第1端部24aは鋭角に形成されている。第1曲面24eおよび第2端面25cにより第2端部25bは鋭角に形成されている。第1端部24aは、ディファレンシャルギヤG18に付着した泡を削ぎ中間通路C3(後述)および第1空間B1に導く機能を有している。
図3に示すように、第2仕切板23は、第7メインギヤG17と第2ケース本体29a(より詳細には、ケース下部29d)との半径方向間に配置された概ね板状の部材であり、第7メインギヤG17の外周部に沿って第2回転方向に延びている。第2仕切板23は、噛み合い領域Eに対して第7メインギヤG17の第2回転方向前方に設けられている。第2仕切板23は、噛み合い接線Tよりも第7メインギヤG17の第2回転方向前方(図3では噛み合い接線Tの左側)に配置されている。
第1仕切板22と同様に、第2仕切板23の軸方向の端部は第7メインギヤG17よりもエンジンと反対側に突出している。このため、第7メインギヤG17の外周部の一部は、第2仕切板23に覆われている。
図3に示すように、第2曲面26eおよび第3端面26cにより第3端部26aは鋭角に形成されている。第2曲面26eおよび第4端面27cにより第4端部27bは鋭角に形成されている。第3端部26aは、第7メインギヤG17に付着した泡を削ぎ中間通路C3(後述)に導く機能を有している。
図3に示すように、第1空間B1は、第1仕切板22とケース下部29dとの間および第2仕切板23とケース下部29dとの間に形成されている。ケース下部29dには、下方に窪んだ凹部29bが形成されている。凹部29bは、第1仕切板22および第2仕切板23とともに第1空間B1を形成している。凹部29bがない場合に比べて、凹部29bにより第1空間B1の容積が大きくなっている。
図3に示すように、第1仕切板22とディファレンシャルギヤG18との間には、第2空間B2が形成されている。第2仕切板23と第7メインギヤG17との間には、第3空間B3が形成されている。第2空間B2および第3空間B3は第1および第2回転方向に延びる概ね円弧状の空間である。例えば、第2空間B2および第3空間B3の容積は第1空間B1の容積に比べて大幅に小さい。
第1仕切板22の第1回転方向の中央付近には、第2空間B2内の潤滑油の泡を第1空間B1へ導く第2誘導部24fが設けられている。具体的には、第2誘導部24fは、第1空間B1と第2空間B2とを接続する第1通路C1を有している。第1通路C1は、ディファレンシャルギヤG18の接線方向に沿って延びるスリットである。ディファレンシャルギヤG18の軸方向から見た場合に、第1通路C1は、ディファレンシャルギヤG18の第1回転方向前方側へいくにしたがってディファレンシャルギヤG18から離れるように形成されている。
第1部分24には第1通路面24dが形成されている。第2部分25には第2通路面25dが形成されている。第1通路面24dおよび第2通路面25dにより、第1通路C1が形成されている。
第1仕切板22の第1回転方向の中央付近には、第1回転方向後方に延びる誘導促進部としての第1中央端部25aと、第1回転方向前方に延びる第2中央端部24bと、が形成されている。第1中央端部25aは、第1通路C1に潤滑油の泡が流れ込むのを促進する部分であり、第1通路C1と同様に第2誘導部24fに含まれている。第2中央端部24bは潤滑油に浸漬されている。
第1通路C1と同様に、第2通路C2は側方内壁面29cまで軸方向に延びている。このため、第2仕切板23は、第2通路C2により2つの第3および第4部分26,27に分割されているとも言える。
第3部分26には第3通路面26dが形成されている。第4部分27には第4通路面27dが形成されている。第3通路面26dおよび第4通路面27dにより、第2通路C2が形成されている。
図3に示すように、第4部分27は第3部分26よりもディファレンシャルギヤG18に近接して配置されている。より詳細には、第4部分27の第3中央端部27aは、第3部分26の第1端部24aよりも第7メインギヤG17に近接して配置されている。第4部分27は第7メインギヤG17に対向するように配置された第4曲面27eを有している。第3曲面25eと第7メインギヤG17との半径方向の隙間は、第2曲面26eと第7メインギヤG17との半径方向の隙間に比べて小さい。このため、第3部分26と第7メインギヤG17との間を流れてきた潤滑油の泡が、第3中央端部27aにより第2通路C2へ導かれやすくなっている。また、第4曲面27eおよび第4通路面27dにより第3中央端部27aが鋭角に形成されているため、第3中央端部27aは、第7メインギヤG17に付着した泡を削ぎ第2通路C2に導く機能を有している。
図3に示すように、第1仕切板22および第2仕切板23の間には、噛み合い領域Eから概ね下方へ延びる中間通路C3が形成されている。より詳細には、中間通路C3は、第1端面24cと第3端面26cとの間に形成されており、噛み合い接線Tを含む空間である。中間通路C3により、第1空間B1と第2空間B2とが接続されており、第1空間B1と第3空間B3とが接続されている。
図5に示すように、中間通路C3の幅L1(第1端面24cと第3端面26cとの間の距離)は、第1仕切板22とディファレンシャルギヤG18の歯の先端との間の隙間寸法L2および第2仕切板23と第7メインギヤG17の歯の先端との間の隙間寸法L3よりも大きい。このため、噛み合い領域Eから落下する潤滑油や泡は第2空間B2および第3空間よりも中間通路C3を介して第1空間B1に流れ込みやすくなっている。
ここで、中間通路C3の幅L1は、中間通路C3の最小通路幅、すなわち、第1端面24cと第3端面26cとの間の最小幅を意味している。
第2部分25とディファレンシャルギヤG18の歯の先端と間の隙間寸法L6は、隙間寸法L2よりも小さい。このため、第2空間B2から第1通路C1へ潤滑油の泡が流れ込みやすくなっている。第4部分27と第7メインギヤG17の歯の先端との間の隙間寸法L7は、隙間寸法L3よりも小さい。このため、第3空間B3から第2通路C2へ潤滑油の泡が流れ込みやすくなっている。
また、第2空間B2の隙間寸法L2は、ディファレンシャルギヤG18の歯の高さL4よりも小さい。第3空間B3の隙間寸法L3は、第7メインギヤG17の歯の高さL5よりも小さい。
図3に示すように、変速機1の停止状態では、第1仕切板22および第2仕切板23の一部は、静的油面OL1よりも下方に位置し、潤滑油に浸漬されている。言い換えると、第1仕切板22の第1端部24aおよび第2仕切板23の第3端部26aは、静的油面OL1よりも上方に位置している。変速機1の運転状態では、ディファレンシャルギヤG18の回転の影響で、例えば油面が静的油面OL1から動的油面OL2に変化する。
この場合、第1仕切板22および第2仕切板23の一部は、動的油面OL2よりも下方に位置し、潤滑油に浸漬されている。ディファレンシャルギヤG18の回転速度によっては、第2仕切板23が動的油面OL2よりも上方に位置する場合も考えられるが、この場合でも潤滑油の泡が第7メインギヤG17に接触するのを抑制するという第2仕切板23の主な機能は損なわれない。つまり、第1仕切板22および第2仕切板23の一部が静的油面OL1よりも下方に位置していれば、第1仕切板22および第2仕切板23はその機能を発揮し得る。
変速機1の動作について説明する。
例えば、第1速走行時では、第1シンクロ機構S1により第1入力ギヤG1と入力シャフト3とが連結されている。このとき、第1入力ギヤG1および第1メインギヤG11のギヤ比に応じた回転速度でメインシャフト4が回転する。この結果、ディファレンシャルギヤG18および第7メインギヤG17のギヤ比に応じた回転速度でディファレンシャルギヤG18が回転する。第1速と同様に、第2〜第6速の場合も第1〜第3シンクロ機構S1〜S3により使用するギヤが切り換えられる。このように、第1〜第3シンクロ機構S1〜S3を切り換えることで、変速機1において6段変速が可能となる。
<潤滑油の挙動>
図2および図3に示すように、ディファレンシャルギヤG18の一部は、ギヤ室28の下部に溜まった潤滑油に接触している。このため、ディファレンシャルギヤG18が回転すると、ディファレンシャルギヤG18の歯(図示せず)により潤滑油が掻き上げられ、潤滑油の泡が発生する。潤滑油の油面は動的油面OL2となる。
ディファレンシャルギヤG18に付着したまま泡が第2空間B2へ入り込もうとする場合、隙間寸法L2が歯の高さL4よりも小さく第1端部24aが鋭角に形成されているため、第1端部24aによりディファレンシャルギヤG18から泡が削ぎ落とされる。削ぎ落とされた泡は、第1端面24cに沿って中間通路C3に向かって流れる。
同様に、第7メインギヤG17に付着したまま泡が第3空間B3へ入り込もうとする場合、隙間寸法L3が歯の高さL5よりも小さく第3端部26aが鋭角に形成されているため、第3端部26aにより第7メインギヤG17から泡が削ぎ落とされる。削ぎ落とされた泡は、第3端面26cに沿って中間通路C3に向かって流れる。
同様に、第3端部26aにより削ぎ落とされず第3空間B3に流れ込んだ泡は、第3中央端部27aにより削ぎ落とされ、あるいは遠心力の作用により半径方向外側へ移動し、第2通路C2に流れ込む。このとき、第2通路C2が第7メインギヤG17の接線方向に延びているため、泡が第2通路C2に流れ込みやすい。
こうして、ディファレンシャルギヤG18の回転により発生した泡の大部分は、第1〜第3通路C1〜C3を通って第1空間B1へ流れ込む。
このように、この変速機1では、第1仕切板22および第2仕切板23により潤滑油の泡の消滅が促進され、従来の変速機に比べてケース2内の泡の量が大幅に少なくなる。
変速機1の特徴は以下の通りである。
(1)
この変速機1では、第1仕切板22および第2仕切板23により潤滑油の泡がディファレンシャルギヤG18および第7メインギヤG17に接触するのを抑制できる。より具体的には、第1仕切板22の第2端部25bあるいは第2中央端部24bが、第1回転方向の前方側に配置されており、潤滑油に浸漬されるように設けられている。このため、潤滑油の泡が第1仕切板22によりディファレンシャルギヤG18に接触するのを抑制でき、潤滑油が貯留される領域(より詳細には、第1空間B1)での潤滑油の泡の滞留時間を長く確保できる。
また、第2仕切板23の第4中央端部26bが第2回転方向の前方側に配置されており、潤滑油に浸漬されるように設けられている。このため、潤滑油の泡が第2仕切板23により第7メインギヤG17に接触するのを抑制でき、潤滑油が貯留される領域(より詳細には、第1空間B1)での潤滑油の泡の滞留時間を長く確保できる。
また、この変速機1では、第1仕切板22および第2仕切板23が潤滑油に浸漬されているため、油面が変動しても泡がディファレンシャルギヤG18および第7メインギヤG17に近づいて接触するのを確実に抑制できる。
さらに、第1仕切板22および第2仕切板23により、必要最小限の範囲で潤滑油の泡がディファレンシャルギヤG18および第7メインギヤG17に接触するのを抑制でき、変速機1の重量の増大を抑制しつつ、潤滑性能の安定化を図ることができる。
この変速機1では、第1仕切板22が第1曲面24eを有しているため、第1仕切板22とディファレンシャルギヤG18との間で潤滑油が円滑に流れる。これにより、第1仕切板22による回転抵抗の増大を抑制できる。
また、第2仕切板23が第2曲面26eを有しているため、第2仕切板23と第7メインギヤG17との間で潤滑油が円滑に流れる。これにより、第2仕切板23による回転抵抗の増大を抑制できる。
この変速機1では、第1仕切板22が第1端部24aを有しているため、ディファレンシャルギヤG18に付着した泡が第1端部24aにより削ぎ落とされ中間通路C3に流れ込む。これにより、ディファレンシャルギヤG18に付着した泡をより確実に第1空間B1に導くことができる。特に、第1端部24aがディファレンシャルギヤG18に近接して配置されている場合、あるいは、第1端部24aが鋭角に形成されている場合には、泡を削ぎ落とす効果が高まる。
また、第2仕切板23が第2端部25bを有しているため、第7メインギヤG17に付着した泡が第3端部26aにより削ぎ落とされ中間通路C3に流れ込む。これにより、ディファレンシャルギヤG18に付着した泡をより確実に第1空間B1へ導くことができる。特に、第3端部26aが第7メインギヤG17に近接して配置されている場合、あるいは、第3端部26aが鋭角に形成されている場合には、泡を削ぎ落とす効果が高まる。
この変速機1では、第1仕切板22が第1通路C1を含む第2誘導部24fを有しているため、第2空間B2に入り込んだ泡が遠心力などの作用により第1通路C1を通って第1空間B1に流れ込みやすくなる。これにより、ディファレンシャルギヤG18に付着した泡をより確実に第1空間B1に導くことができる。
また、第2仕切板23が第2通路C2を有しているため、第3空間B3に入り込んだ泡が遠心力などの作用により第2通路C2を通って第1空間B1に流れ込みやすくなる。これにより、第7メインギヤG17に付着した泡をより確実に第1空間B1に導くことができる。
この変速機1では、ディファレンシャルギヤG18の軸方向から見た場合に、第1通路C1が第1回転方向前方側へいくにしたがってディファレンシャルギヤG18から離れるように形成されている。このため、第2空間B2を第1回転方向前方側へ流れる潤滑油の泡が第1通路C1に流れ込みやすくなり、第1通路C1に流れ込んだ泡が第1空間B1へ導かれやすくなる。
また、第7メインギヤG17の軸方向から見た場合に、第2通路C2が第2回転方向前方側へいくにしたがって第7メインギヤG17から離れるように形成されている。このため、第2空間B2を第2回転方向前方側へ流れる潤滑油の泡が第2通路C2に流れ込みやすくなり、第2通路C2に流れ込んだ泡が第1空間B1へ導かれやすくなる。
(6)
この変速機1では、第1仕切板22が第1中央端部25aを有しているため、第2空間B2に流れ込んだ泡が第1通路C1へ導かれやすくなる。これにより、ディファレンシャルギヤG18に付着した泡をより確実に第1空間B1に導くことができる。
また、第2仕切板23が第3中央端部27aを有しているため、第3空間B3に流れ込んだ泡が第2通路C2に導かれやすくなる。これにより、第7メインギヤG17に付着した泡をより確実に第1空間B1に導くことができる。
この変速機1では、第1中央端部25aが第1部分24よりもディファレンシャルギヤG18に近接して配置されているため、第1部分24とディファレンシャルギヤG18との間を第1回転方向前方側へ流れる潤滑油の泡が、第1中央端部25aによりさらに第1通路C1へ導かれやすくなる。
また、第3中央端部27aが第3部分26よりも第7メインギヤG17に近接して配置されているため、第3部分26と第7メインギヤG17との間を第2回転方向前方側へ流れる潤滑油の泡が、第3中央端部27aによりさらに第2通路C2へ導かれやすくなる。
(8)
この変速機1では、ディファレンシャルギヤG18の軸方向から見た場合に、第1仕切板22の第1端部24aとケース下部29dとの間の距離L8が第2空間B2の隙間寸法L2よりも大きいため、第2空間B2よりも第1空間B1へ潤滑油の泡が流れ込むやすくなる。
また、第7メインギヤG17の軸方向から見た場合に、第2仕切板23の第3端部26aとケース下部29dとの間の距離L9が第3空間B3の隙間寸法L3よりも大きいため、第3空間B3よりも第1空間B1へ潤滑油の泡が流れ込みやすくなる。
この変速機1では、ケース下部29dが第1空間B1を形成し第1仕切板22と反対側に窪んだ凹部29bを有しているため、凹部29bにより第1空間B1を広げることができる。このため、第1空間B1での泡の滞留時間を延ばすことができ、泡の消滅をさらに促進できる。
(10)
この変速機1では、噛み合い接線Tを含む空間である中間通路C3が設けられているため、噛み合い領域Eから遠心力などの作用により下方へ落下する潤滑油および泡を第1空間B1に導きやすくなる。また、中間通路C3の幅L1が第2空間B2の隙間寸法L2および第3空間B3の隙間寸法L3よりも大きいため、第2空間B2および第3空間B3よりも中間通路C3に泡が流れ込みやすくなる。
この変速機1では、第1仕切板22および第2仕切板23が第2ケース本体29aと一体成形されているため、製造コストの増大を抑制できる。
(12)
ディファレンシャルギヤG18は径が大きいため、同じ回転速度であれば、他のギヤに比べて歯の移動速度が比較的速い。また、ディファレンシャルギヤG18は潤滑油に浸漬されている部分が他のギヤに比べて多く、潤滑油を掻き上げる量が多い。このため、ディファレンシャルギヤG18周辺では潤滑油の泡が発生しやすい。
この変速機1では、ディファレンシャルギヤG18に対して第1仕切板22が設けられているため、高い泡消滅効果が期待できる。
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
(A)
前述の実施形態では、第1仕切板22および第2仕切板23がディファレンシャルギヤG18および第7メインギヤG17に対して設けられているが、他のギヤに対して設けられていてもよい。また、第1仕切板22および第2仕切板23を設ける対象はギヤに限られず、潤滑油を撹拌し潤滑性能を高めるために設けられた回転部材であってもよい。
(B)
第1仕切板22および第2仕切板23の形状および配置は前述の実施形態に限定されない。例えば、第1通路C1がディファレンシャルギヤG18の接線方向に沿って延びていなくても、第1空間B1と第2空間B2とを接続していれば、第1通路C1により泡が第1空間B1へ導かれるという効果は得られる。第2通路C2についても第1通路C1と同様である。
また、第2通路C2が第1通路C1および第2通路C2がない場合でも、潤滑油の泡がディファレンシャルギヤG18および第7メインギヤG17に接触するのを抑制できる。
第1仕切板22および第2仕切板23は、第2ケース本体29aと別体の部材であってもよい。また、第1仕切板22および第2仕切板23は、第1ケース21側に設けられていてもよい。
(D)
第1仕切板22および第2仕切板23は、FF車用の手動変速機だけでなく、FR(Front Engine Rear Drive)車用の手動変速機にも適用可能である。
前述の実施形態では、第1仕切板22および第2仕切板23が設けられているが、例えば第1仕切板22のみが設けられている場合であっても、潤滑油の泡の消滅を抑制する効果は得られる。
(F)
中間通路C3の幅L1が第2空間B2の隙間寸法L2および第3空間B3の隙間寸法L3以上であれば、中間通路C3により泡が噛み合い領域Eから第1空間B1へ導かれる効果が得られる。
2 ケース
21 第1ケース(ケース本体)
22 第1仕切板(第1部材)
23 第2仕切板(第2部材)
24a 第1端部(第1誘導部)
25b 第2端部(前方端部)
25a 第1中央端部(誘導促進部)
24b 第2中央端部
24e 第1曲面
24f 第2誘導部
29 第2ケース
29a 第2ケース本体(ケース本体)
29b 凹部
3 入力シャフト
4 メインシャフト
5 ディファレンシャル
7 リバースシャフト
B1 第1空間
B2 第2空間
B3 第3空間
C1 第1通路
C2 第2通路
C3 中間通路
G17 第7メインギヤ(第2ギヤ)
G18 ディファレンシャルギヤ(第1回転部材、第1ギヤ)
T 噛み合い接線
E 噛み合い領域
L1 中間通路C3の幅
L2 第2空間B2の隙間寸法
L3 第3空間B3の隙間寸法
Claims (15)
- 第1回転部材と、
前記第1回転部材を回転可能に収容するケース本体と、前記ケース本体内に設けられた部材であって前記第1回転部材の回転方向に延び潤滑油の泡が前記第1回転部材に接触するのを抑制する第1部材と、を有するケースと、を備え、
前記第1部材は、前記回転方向の前方側に配置された前方端部を有しており、
前記前方端部は、前記ケース本体内に潤滑油が溜められている場合に前記潤滑油に浸漬されるように設けられている、
変速機。 - 前記第1部材は、前記第1回転部材と半径方向に対向して配置され前記回転方向に延びる第1曲面を有している、
請求項1に記載の変速機。 - 前記第1部材は、前記第1回転部材に付着した泡の少なくとも一部を前記第1部材の前記第1回転部材と反対側に形成された空間へ導く第1誘導部を有している、
請求項1または2に記載の変速機。 - 前記第1部材と前記ケース本体との間には、第1空間が形成されており、
前記第1部材と前記第1回転部材との間には、第2空間が形成されており、
前記第1部材は、前記第2空間内の前記潤滑油の泡の少なくとも一部を前記第1空間へ導く第2誘導部を有している、
請求項3に記載の変速機。 - 前記第2誘導部は、前記第1空間と前記第2空間とを接続する第1通路を有している、
請求項4に記載の変速機。 - 前記第1回転部材の軸方向から見た場合に、前記第1通路は、前記第1回転部材の回転方向前方側へいくにしたがって前記第1回転部材から離れるように形成されている、
請求項5に記載の変速機。 - 前記第2誘導部は、前記第2空間内の前記潤滑油の泡の少なくとも一部を前記第1空間へ誘導する誘導促進部を有している、
請求項4から6のいずれかに記載の変速機。 - 前記第1部材は、前記第1誘導部を有する第1部分と、前記誘導促進部を有する第2部分と、を有しており、
前記誘導促進部は、前記第1部分よりも前記第1回転部材に近接して配置されている、
請求項7に記載の変速機。 - 前記第1誘導部と前記ケース本体との間の距離は、前記第1誘導部と前記第1回転部材との間の隙間よりも大きい、
請求項4から8のいずれかに記載の変速機。 - 前記ケース本体は、前記第1空間を形成し前記第1部材と反対側に窪んだ凹部を有している、
請求項4から9のいずれかに記載の変速機。 - 前記ケース本体に回転可能に収容され前記第1回転部材としての前記第1ギヤと噛み合う第2ギヤをさらに備え、
前記ケースは、前記ケース本体内に設けられ前記潤滑油の泡が前記第2ギヤに接触するのを抑制する第2部材を有している、
請求項1から10のいずれかに記載の変速機。 - 前記第1および第2部材の間には、前記第1および第2ギヤの噛み合い接線を含む中間通路が形成されている、
請求項11に記載の変速機。 - 前記中間通路の幅は、前記第1部材と前記第1回転部材との半径方向間の隙間寸法よりも大きい、
請求項12に記載の変速機。 - 前記第1部材は、前記ケース本体と一体成形されている、
請求項1から13のいずれかに記載の変速機。 - 前記第1回転部材は、ディファレンシャルギヤである、
請求項1から14のいずれかに記載の変速機。
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JP2006090351A (ja) * | 2004-09-21 | 2006-04-06 | Jatco Ltd | 自動変速機における油分割構造 |
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