JP2009138134A - ポリウレタンフォーム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオール成分として、ポリエステルポリオールと、鎖末端エチレンオキサイド単位の含有量が100%であるポリエーテルポリオールとを含むポリウレタンフォーム。反応性の低いポリエステルポリオールと反応性の高い末端EOポリエーテルポリオールとを使用し、両者の反応速度差を利用して発泡により形成される気泡の連通化を図る。これにより、独立気泡率が低く、成形後の収縮の問題のないポリウレタンフォームを得ることができる。
【選択図】なし
Description
して用いる完全水発泡のポリウレタンフォームが提案された(例えば、特開2000−256434号公報)。
しかしながら、ポリエステルポリオールを使用した際の独立気泡率のコントロール方法は、未だ確立されていない。
本発明においては、ポリウレタンフォーム原料のポリオール成分として、ポリエステルポリオールと、末端EOポリエーテルポリオールとを併用し、さらに好ましくは、ポリマーポリオールを併用する。
なお、各ポリオールは、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いる末端EOポリエーテルポリオールは、活性水素を2個以上含有する化合物を開始剤として、炭素数が3以上のアルキレンオキサイドを付加させて、更に末端にエチレンオキサイドを付加させたポリエーテルポリオール、或いは、活性水素を2個以上有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイドのみを付加させたポリエーテルポリオールである。この「炭素数3以上のアルキレンオキサイド」としては、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられる。本発明においては、プロピレンオキサイドが好ましい。
(1):活性水素を2個以上有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイドと炭素数が3以上のアルキレンオキサイドの混合物をランダムに付加させた、ポリエーテルポリオール
(2):活性水素を2個以上有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイドのみを付加させたポリエーテルポリオール
(3):活性水素を2個以上有する化合物を開始剤として、炭素数が3以上のアルキレンオキサイドを付加させて、更に末端にエチレンオキサイドを付加させたポリエーテルポリオール
とが存在するが、本発明においては、上記(2)或いは(3)の末端にエチレンオキサイドのみを有するポリエーテルポリオールを用いる。本発明では、この末端にエチレンオキサイドのみを有するポリエーテルポリオールを、鎖末端エチレンオキサイド単位の含有量が100%であるポリエーテルポリオール(以下、「末端EOポリエーテルポリオール」と称す。)と称す。
なお、本発明において「鎖末端エチレンオキサイド単位の含有量が100%」であるとは、全てのポリエーテルポリオール分子の末端に対する鎖末端エチレンオキサイドの占める割合が100%であることを意味する。
本発明に用いるポリエステルポリオールとしては、フタル酸系ポリエステルポリオール、特に、無水フタル酸(o−フタル酸)以外のフタル酸、即ち、m−フタル酸(イソフタル酸)及び/又はp−フタル酸(テレフタル酸)並びにこれらの誘導体を主成分とするフタル酸系ポリエステルポリオールが好ましい。
ポリマーポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオールにポリスチレン、ポリアクリロニトリル、又はアクリロニトリル−スチレン共重合体等のポリマー成分をグラフト共重合させたポリマーポリオール等が挙げられる。ポリエーテルポリオール(ポリアルキレンオキシド)の原料となるアルキレンオキシドとしてはプロピレンオキシドを含むことが好ましく、プロピレンオキシド単独のもの、又はプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを共に含むものであることが特に好ましい。また、上記ポリマーポリオール中に占める上記のようなグラフトポリマー成分の割合としては通常5〜50重量%である。
本発明に用いるポリイソシアネート成分としては、公知の各種多官能性の脂肪族、脂環族および芳香族のイソシアネートを用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、オルトトルイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げることができ、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<発泡剤>
本発明において、発泡剤として好ましくは水を用いる。水の配合量は常用量で良く、通常、全ポリオール成分100重量部に対し1〜10重量部、特に1〜7重量部である。
触媒としては、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス−(ジメチルアミノエチル)エーテル、テトラメチルプロピレンジアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルベンジルアミン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等のポリウレタンフォームの製造に用いる通常のアミン触媒を使用することができる。
難燃剤としては、汎用の難燃剤を使用することができ、例えば非ハロゲン系リン酸エステル、含ハロゲンリン酸エステル、非ハロゲン縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル等を挙げることができるが、中でも非ハロゲン系リン酸エステルを主成分とする難燃剤を使用することが、ポリウレタン発泡原液の粘度を低く抑え、攪拌効率の向上や得られる成形体の均質性向上、スプレー工法への適用をより容易に行なう等の観点から好適である。
整泡剤としては、通常、ポリウレタンフォームに使用されるシリコーン系等の整泡剤が使用され、その配合量は、全ポリオール成分100重量部に対し0.1〜7重量部、特に0.5〜5重量部とすることができる。
本発明に係るポリウレタンフォーム原料は、上記ポリオール、ポリイソシアネート、触媒、整泡剤、難燃剤、発泡剤以外に、通常、ポリウレタンフォームの製造に用いられる各種の添加剤を含んでいても良い。このような添加剤としては、顔料等の着色剤、炭酸カルシウム等の充填材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、カーボンブラック等の導電性物質、抗菌剤などが挙げられる。
本発明のポリウレタンフォームは、上述のようなポリウレタンフォーム原料を用いて、常法に従って製造することができる。
[物性]
本発明のポリウレタンフォームは、好ましくは、以下の物性を有する。
本発明のポリウレタンフォームのコア密度は、35〜45kg/m3程度であることが好ましい。密度が大き過ぎるものは材料の使用量が多くなり、コストや施工時間がかかりすぎることになり好ましくなく、小さ過ぎるものは樹脂骨格の強度が不足し、経時収縮が大きくなる。
本発明のポリウレタンフォーム独立気泡率は、20〜40%程度であることが好ましい。独立気泡率が高いと経時収縮が大きくなる。独立気泡率が極端に低いと、フォームの強度が低下してJIS A9526に示される規格値が満たせない場合がある。
(アクリロニトリルと酢酸ビニルとを共重合させて得られる粉体成分を
1.4重量%含む。アクリロニトリルと酢酸ビニルの構成比率1:3)
水酸基価:380mg−KOH/g
粘度:1400mPa・s(25℃)
ポリオールB:日立化成(株)製p−フタル酸ベースポリエステルポリオール「SV
165」
水酸基価:200mg−KOH/g
粘度:820mPa・s(25℃)
p−フタル酸含量:62.5重量%
ポリオールC:三井化学(株)製ポリエーテルポリオール「GR−11」
EO/PO=100/0
水酸基価450mg−KOH/g
粘度:1200mPa・s(25℃)
難燃剤A:大八化学(株)製「TMCPP」(トリスモノクロロプロピルホスフェー
ト)
難燃剤B:大八化学(株)製「TEP」(トリエチルホスフェート)
整泡剤:東レダウコーニング(株)製「SH193」(ジメチルシロキサンとポリエー
テルのブロックコポリマー)
触媒A:(株)花王製「カオライザーNo.1」(N,N,N',N'−テトラメチルヘキ
サンジアミン)
触媒B:(株)花王製「カオライザーNo.3」(N,N,N',N'',N''−ペンタメチ
ルジエチレントリアミン)
触媒C:東ソー(株)製「TOYOCAT−DM70」(3級アミン類エチレングリコ
ール溶液)
触媒D:日本化学産業(株)製「プキャット25」(成分1:2−エチルヘキシル酸ビ
スマス(ビスマスとして25重量%)、成分2:オクチル酸(20重量%))
触媒E:日本化学産業(株)製「プキャット15G」(オクチル酸カリウムのジエチレ
ングリコール溶液(カリウム濃度15重量%))
MDI:住友バイエルウレタン(株)製「44V20」
表1に示す配合にてポリウレタン原料を調製した。調製に際しては、まず(B)成分以外の各成分からなるポリオール配合液を調製した。ポリオール配合液の調製は、まず(A)成分と(C)成分を混合し、次いで(F)成分を混合し、ついで(E)成分を混合し、最後に(D)成分を混合して調製した。
上記ポリオール配合液とポリイソシアネートとの攪拌混合開始後、攪拌した原料(茶色)が白色化し発泡が始まった時間を泡化開始時間(クリームタイム)として記録した。
JIS A9526に準じて測定した。
JIS A9526に準じて測定した。
Claims (7)
- ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、触媒及び発泡剤を含むポリウレタンフォーム原料を発泡させて得られるポリウレタンフォームにおいて、
該ポリオール成分が、ポリエステルポリオールと、鎖末端エチレンオキサイド単位の含有量が100%であるポリエーテルポリオール(以下、「末端EOポリエーテルポリオール」と称す。)とを含むことを特徴とするポリウレタンフォーム。 - 請求項1において、該ポリオール成分が、更に、ポリマーポリオールを含むことを特徴とするポリウレタンフォーム。
- 請求項1又は2において、該ポリオール成分が該末端EOポリエーテルポリオールを1〜20重量%含むことを特徴とするポリウレタンフォーム。
- 請求項2又は3において、該ポリオール成分が該ポリマーポリオールを10〜50重量%含むことを特徴とするポリウレタンフォーム。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、該発泡剤が水であることを特徴とするポリウレタンフォーム。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、該ポリウレタンフォーム原料が、更に、難燃剤を含むことを特徴とするポリウレタンフォーム。
- 請求項1ないし6のいずれか1項において、液温40〜45℃で発泡させて得られることを特徴とするポリウレタンフォーム。
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