JP2009137908A - 歯磨剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】(A)塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物に、(B)キサンタンガムと、(C)ベタイン型両性界面活性剤と、(D)ラウリル硫酸ナトリウムとを配合してなり、(D)/(C)の質量比が0.3〜300であることを特徴とする歯磨剤組成物。
【効果】本発明の歯磨剤組成物は、塩化ナトリウム由来の優れた歯肉引き締め感を有し、かつ発泡性及び泡の持続性に優れ、しかも、苦味もなく使用感も良好であるもので、更に塩味を緩和することもできる。
【選択図】なし

Description

本発明は、塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物に関し、更に詳述すると、歯肉引き締め感に優れ、かつ発泡性及び泡持続性に優れ、使用感も良好な歯磨剤組成物に関する。
歯周疾患は歯牙を喪失する大きな原因の一つに数えられ、その予防はQOL(Quality of Life)の向上にもつながるものと期待されている。歯周疾患の予防には血行促進による代謝の活性化が有効であることから、塩化ナトリウムやビタミンE又はその誘導体、生薬等が、歯磨剤組成物、洗口剤組成物をはじめとする口腔用組成物に配合されている。中でも塩化ナトリウムは、歯肉引き締め実感が高いことから広く用いられている。
一方、歯磨剤組成物には、洗浄効果を高めたり、泡立ちを豊かにすることによって良好な使用感を与える目的で、発泡剤が配合されている。発泡剤としては、機能と安全性の高さからアルキル硫酸ナトリウムが一般的に使用され、中でも味がよいことからラウリル硫酸ナトリウムが用いられている。
しかしながら、歯磨剤組成物に塩化ナトリウムを、特に高濃度に配合すると、塩析効果などによって上記したラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤の機能が著しく損なわれ、歯磨剤組成物の発泡性が低下して泡の持続性に劣るという課題があった。
塩化ナトリウム含有歯磨剤組成物の低発泡性を改善するための試みとして、例えばアルキル硫酸ナトリウムとHLB12以上のノニオン性界面活性剤とN−アシルグルタミン酸塩を組み合わせる技術(特許文献1)が提案されている。しかし、この塩化ナトリウム含有歯磨剤組成物は、泡立ち性に優れるものの、泡の持続性が悪いという問題があった。
また、泡立量を高め、泡の持続性を高める技術としては、キサンタンガム、アルギン酸塩、アニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤を配合し、アニオン界面活性剤を多く配合することで、泡立性を高めた技術(特許文献2)が提案され、キサンタンガムとポリオキシエチレン(7)ミリスチルスルホコハク酸とミリスチル硫酸ナトリウムを組み合わせた組成等が記載されている。しかし、この技術では十分な発泡量が得られず、またポリオキシエチレン(7)ミリスチルスルホコハク酸に由来する苦味を生じるという問題もあり、発泡性の改善技術としては満足し難いものであった。
口腔用組成物に塩化ナトリウムを配合した技術として、本出願人は、タウリン含有歯磨組成物に塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムから選ばれる水溶性中性塩を配合することで、タウリンの結晶析出及び変色が抑制され、使用感を良好とした技術(特許文献3)を提案しており、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム、粘結剤としてキサンタンガムを配合した組成が記載されている。しかし、この塩化ナトリウム含有の歯磨組成物では、ラウリル硫酸ナトリウム及びキサンタンガムを配合すると発生した泡を持続させることはできるが発泡量については十分とは言い難く、ラウリル硫酸ナトリウムを多く配合すれば発泡性はわずかながら改善できるが、この場合は口腔粘膜刺激性が生じる可能性があるという問題があった。
また、本出願人は、アルキル硫酸塩と、ラウロイルサルコシン塩とポリオキシエチレンアルキルエーテルと、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム又は塩化カリウムを併用することで、練製剤の表面肌荒れが抑制され、液分離安定性、起泡性に優れた歯磨剤組成物を特願2006−299880号に提案したが、この歯磨剤組成物は、使用時の泡立ちは良好であるが、泡の持続性については改善の余地があった。
ところで、塩化ナトリウム等の塩類含有口腔用組成物は、使用に際して塩味が残るなどして嗜好性に劣るという問題があり、特に塩化ナトリウムを多量に含有する歯磨剤組成物は塩味が強いため、塩味が苦手な人には受け入れられ難くなる。塩味を緩和するため、本出願人は塩化ナトリウム等の塩を配合した口腔用組成物に、セルロース系高分子を配合することで後味を改善できること(特許文献4参照)を提案している。しかし、この口腔用組成物は、泡立ち及び泡の持続性については満足できるものではなかった。
このように従来の技術では、塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物において、塩化ナトリウム由来の優れた歯肉引き締め感を発揮すると共に、優れた発泡性及び泡の持続性を兼ね備え、使用感も良好とすることは難しかった。
特開平10−291921号公報 特開2006−347987号公報 特開2003−183141号公報 特開2000−178151号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、塩化ナトリウム由来の歯肉引き締め感に優れ、かつ発泡性及び泡の持続性に優れ、更に塩辛味が緩和されて使用感の良好な、塩化ナトリウム含有の歯磨剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物に、(B)キサンタンガムと、(C)ベタイン型両性界面活性剤と、(D)ラウリル硫酸ナトリウムとを組み合わせ、かつ(D)/(C)が質量比で0.3〜300となるように配合することにより、優れた歯肉引き締め感を発揮する上、使用時の泡立ちに優れ、かつ泡の持続性に優れ、しかも、苦味が感じられることもなく使用感の良好な歯磨剤組成物が得られること、更に(E)炭酸水素ナトリウム又は硫酸ナトリウムを配合することにより、塩辛味を緩和することもできることを見出した。
本発明においては、上記(A)〜(D)成分を組み合わせ配合し、(D)/(C)が0.3〜300の比率で配合することで、(C)ベタイン型両性界面活性剤及び(D)ラウリル硫酸ナトリウムが混合分散された界面活性剤混合物によって発生した泡が、(B)キサンタンガムの高分子ネットワークによって保持されることで、良好な発泡性と泡の持続性を確保でき、しかも上記ベタイン型両性界面活性剤由来の苦味が生じることもなく、これにより塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物の上記課題を解決できるものと推定できる。
また、本発明において、歯肉の引き締め感は、塩化ナトリウムの浸透圧によって歯肉に滞留する余分な水分が脱水されることによって得られると推定されるが、更に、(E)成分として炭酸水素ナトリウム又は硫酸ナトリウムを配合すると、特に上記(A)成分/(E)成分の質量比が0.25〜4となるように配合すると、上記優れた特性を有する上、塩辛味が緩和され、塩化ナトリウムの配合量を減らさなくとも、良好な使用感の歯磨剤組成物が得られる。本発明によれば、(A)〜(D)成分を配合した上記歯磨剤組成物に、更に(E)炭酸水素ナトリウム又は硫酸ナトリウムを配合することにより、塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物の上記起泡性に関する課題を解決でき、しかも、塩味を緩和することもできるものである。
従って、本発明は、(A)塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物に、(B)キサンタンガムと、(C)ベタイン型両性界面活性剤と、(D)ラウリル硫酸ナトリウムとを配合してなり、(D)/(C)の質量比が0.3〜300であることを特徴とする歯磨剤組成物を提供する。
本発明の歯磨剤組成物は、塩化ナトリウム由来の優れた歯肉引き締め感を有し、かつ発泡性及び泡の持続性に優れ、しかも、苦味もなく使用感も良好であるもので、更に塩味を緩和することもできる。
以下、本発明について詳細に説明すると、本発明の歯磨剤組成物は、練歯磨、液状歯磨等の歯磨剤、特に練歯磨剤として調製できるもので、(A)塩化ナトリウム、(B)キサンタンガム、(C)ベタイン型両性界面活性剤、(D)ラウリル硫酸ナトリウムを含有し、更に好ましくは(E)炭酸水素ナトリウム又は硫酸ナトリウムを含有する。
(A)成分の塩化ナトリウムは、歯磨剤に配合し得る規格、例えば旧化粧品原料基準又は医薬部外品原料規格2006などに適合するものが使用可能である。塩化ナトリウムは、日本海水株式会社などから入手できる市販品などを使用することができる。
塩化ナトリウムの配合量は、組成物全体の0.1〜20%(質量%、以下同様)、特に0.5〜15%が好ましい。0.1%未満では歯肉の引き締め感が十分に得られないことがあり、20%を超えると塩辛さを強く感じる場合がある。
(B)成分のキサンタンガムは、炭水化物をキサントモナス属菌(Xanthomonas campestiris)を用いて醗酵させて得られる多糖類で、主としてD−グルコース、D−マンノース及びD−グルクロン酸をベースに構成され、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩も含まれている。
本発明では、キサンタンガムとして、医薬品添加物規格1998「キサンタンガム」の項に定める方法で測定した粘度が、20℃において1000〜2000mPa・s、特に1200〜1800mPa・sとなるものが好ましい。1000mPa・s未満では泡保持力が不十分である場合があり、2000mPa・sを超える場合は曳糸性が悪くなる場合がある。
このようなキサンタンガムとしては、市販品を使用することができ、例えばケルコ社からモナートガムなる商品名で市販されており、モナートガムDA(粘度1300mPa・s)等が好適に使用できる。
キサンタンガムの配合量は、組成物全体の0.1〜2.0%、特に0.2〜1.5%が好ましい。0.1%未満では泡保持力が十分に得られず、2.0%を超えると曳糸性が悪くなる場合がある。
(C)成分のベタイン型両性界面活性剤としては、四級化したベタイン型であれば特に限定はなく、例えば2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(以下、ココアンホ酢酸ナトリウムと略す。)等のイミダゾリン型、ラウリン酸アミドプロピルベタイン(以下、ラウラミドプロピルベタインと略す。)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(以下、コカミドプロピルベタインと略す。)等のアミドプロピルベタイン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(以下、ラウリルベタインと略す。)、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(以下、ステアリルベタインと略す。)等の酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン等が挙げられる。中でも、イミダゾリン型又はアミドプロピルベタイン型の両性界面活性剤が好ましく、特に味の面で2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(ココアンホ酢酸ナトリウム)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(コカミドプロピルベタイン)が好適に使用できる。
ベタイン型両性界面活性剤としては、市販品を使用でき、工業的には20〜40%程度の水溶液として市販されている。例えば、ココアンホ酢酸ナトリウムはエナジコールC−40H(一方社油脂工業社製)、ソフタゾリンCH、ソフタゾリンCL−R(川研ファインケミカル社製)、アンヒトール20YB(花王社製)、コカミドプロピルベタインはTEGO BETAINE CK OK(デグサ社製)、アンヒトール55AB(花王社製)、NIKKOL AM−3130N(日光ケミカルズ社製)、MIRATAINE BET C−30(ローディア日華社製)、ラウラミドプロピルベタインはソフタゾリンLPB(川研ファインケミカル社製)、アンヒトール20AB(花王社製)、ラウリルベタインはアンヒトール20BS、アンヒトール24B(花王社製)、NIKKOL AM−301(日光ケミカルズ社製)、ステアリルベタインはアンヒトール86B(花王社製)、ラウリルヒドロキシスルホベタインはアンヒトール20HD(花王社製)、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタインはソフタゾリンLSE、ソフタゾリンLSE−R(川研ファインケミカル社製)等の商品名で市販されている。
ベタイン型両性界面活性剤の配合量は、純分として組成物全体の0.01〜2.0%、特に0.05〜1.5%が好ましい。0.01%未満では発泡性が十分に得られないことがあり、2.0%を超えると苦味が生じる場合がある。
(D)成分のラウリル硫酸ナトリウムの配合量は、組成物全体の0.5〜3.0%、特に0.5〜2.5%が望ましい。0.5%未満では十分な発泡性が得られず、3.0%を超えると口腔粘膜に刺激を生じる場合がある。なお、ラウリル硫酸ナトリウムは、例えば東邦化学株式会社などから入手することができる市販品を使用できる。
本発明において、(C)成分と(D)成分の配合比は、(D)/(C)の質量比が0.3〜300、好ましくは3〜50、より好ましくは3〜45である。(D)/(C)が0.3未満では苦味が生じる場合があり、300を超えると発泡性及び泡の持続性が十分に得られない場合がある。
本発明の歯磨剤組成物には、更に(E)成分として炭酸水素ナトリウム又は硫酸ナトリウムを配合することができ、これにより歯磨剤の塩辛さを緩和することができる。この場合、炭酸水素ナトリウムと硫酸ナトリウムを併用すると、炭酸水素ナトリウムの自己分解が促進され、二酸化炭素が発生して歯磨チューブが膨張してしまうため、炭酸水素ナトリウム又は硫酸ナトリウムを配合することが望ましい。
なお、硫酸ナトリウムは、通常、無水物又は10水和物として存在するが、いずれのものも使用できる。
炭酸水素ナトリウム又は硫酸ナトリウムを配合する場合、その配合量は、組成物全体の0.1〜20%、特に0.5〜15%が好適である。0.1%未満では塩辛さを抑制する効果が十分でなく、20%超では苦味を生じる場合がある。
更に、(E)成分の炭酸水素ナトリウム又は硫酸ナトリウムを配合する場合、上記(A)成分/(E)成分の質量比が0.25〜4、特に0.25〜1.5となるように配合することが好ましく、0.25に満たないと苦味を生じる場合があり、4を超えると塩辛さを抑制する効果が十分でない。
本発明の歯磨剤組成物には、上記成分に加えて任意成分としてその他の添加剤を配合できる。例えば研磨剤、粘稠剤、(B)成分以外の粘結剤、(C),(D)成分以外の界面活性剤、甘味剤、防腐剤、塩化ナトリウム以外の有効成分、pH調整剤、着色剤、香料等を配合でき、これら成分と水とを混合し、製造できる。
研磨剤としては、シリカゲル、沈降シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート、非晶質無水ケイ酸、第2リン酸カルシウム2水和物、第2リン酸カルシウム無水物、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、第8リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、不溶性メタリン酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ポリメチルメタアクリレート、ナイロンパウダー、シルクパウダー、セルロースパウダー、グルコマンナン等が挙げられる。研磨剤の配合量は、通常、組成物の1〜50%、特に10〜40%である。
粘稠剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、分子量200〜6000のポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、パラチノース、トレハロース等の多価アルコール、糖アルコールなどの1種又は2種以上が使用でき、配合量は通常1〜50%である。
粘結剤としては、(B)成分のキサンタンガムに加え、その他の粘結剤を添加することができ、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、カルボキシビニルポリマー、トラガントガム、グアガム、ヒドロキシプロピルグアガム、タラガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、クインスシードガム、タマリンドガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、セルロース、ジェランガム、ゼラチン、カードラン、アラビアガム、寒天、ペクチン、カゼインナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、プルラン、増粘性シリカ、ビーガム、スメクタイト、ラポナイト、モンモリロナイト、ベントナイト等が挙げられる。配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で、0〜20%が好ましい。
更に、上記他の粘結剤は、(B)成分のキサンタンガムとの合計配合量が組成物全体の0.1〜10%となる範囲が好適である。
界面活性剤としては、必須成分である(C)成分のベタイン型両性界面活性剤、(D)成分のラウリル硫酸ナトリウムに加え、その他の界面活性剤を添加することができる。
例えば、アニオン性界面活性剤としては、オクチル硫酸、デシル硫酸、ミリスチル硫酸、パルミチル硫酸及びステアリル硫酸のナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩等のアルキル硫酸塩、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ミリストイルサルコシンナトリウム等のアシルサルコシンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムが挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、糖アルコール脂肪酸エステル類、多価アルコール脂肪酸エステル、エーテル型又はエステル型の活性剤、脂肪酸アルカノールアミド類などが挙げられ、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンアルキルアミン及びポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、N−アシルグルタメート、N−アシルタウレート等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としてはアルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
これら他の界面活性剤の配合量は、通常、組成物全体の0〜3%であるが、(C)及び(D)成分の界面活性剤と他の界面活性剤との合計配合量が、組成物全体の0.95〜6.5%の範囲となるように配合することが好ましい。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン、タウマチン、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム等が挙げられる。
防腐剤としては、メチルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン類、安息香酸又はその塩、サリチル酸又はそのエステルもしくは塩等が挙げられる。
有効成分としては、塩化ナトリウムに加えて、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第1スズ、フッ化ストロンチウム、フッ化アンモニウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、チモール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、ドデシルジアミノエチルグリシン、ヒノキチオール、フェノール等の殺菌剤、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸等の抗プラスミン剤、ビタミンE及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、シアノコバラミン、β−カロテン、エルゴカルシフェロール、メナジオン、ユビキノン等のビタミン類、グリチルリチン酸塩類、グリチルレチン酸、アラントイン類、オウバク、オウレン、オウゴン、ハマメリス、チョウジ、カミツレ、ラタニア、ミルラ、トウキ、ローズマリー、ベニバナ等の植物抽出物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、アミラーゼ、プロテアーゼ、溶菌酵素、スーパーオキシドジスムターゼ等の酵素、硝酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、炭酸塩、セスキ炭酸塩等の塩類、γ−オリザノール、ジヒドロコレステロール、α−ビサボロール、アズレン、メトキシエチレン、無水マレイン酸共重合体、トリクロロカルバニリド、アラニン、グリシン、プロリン、L−アルギニン、L−アスパラギン酸ナトリウム、トリメチルグリシン、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、ゼオライト、水溶性無機リン酸化合物、乳酸アルミニウムなどを1種又は2種以上配合し得る。上記有効成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
pH調整剤としては、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、リン酸、ピロリン酸、グリセロリン酸、これらのカリウム塩、ナトリウム塩及びアンモニウム塩等の各種塩、水酸化ナトリウム、塩酸等が挙げられる。これらは、組成物のpHが5〜9の範囲となるよう、単独又は2種以上を組み合せて配合することができる。その配合量は、通常、組成物全体の0.01〜2%である。
着色剤としては、赤色2号、赤色3号、赤色225号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、黄色205号、青色1号、青色2号、青色201号、青色204号、緑色3号等の法定色素、ベニバナ色素、クチナシ色素、コチニール色素、アナトー色素、ベンガラ、雲母チタン、酸化チタン等が挙げられる。
香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができ、実施例の香料に限定されない。
本発明の歯磨剤組成物を充填する容器は特に限定されないが、最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる容器に充填することが好ましい。容器としてチューブを用いる場合、その最内層には主に直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル共重合体などが用いられている。これらのうち、柔軟性が高く、また、ヒートシール性に優れていることから、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンが汎用されている。特に、機械的強度・耐熱性・耐寒性に優れ、更に夾雑物付着シール性に優れていて製造適性が高いことから、直鎖状低密度ポリエチレンが好適に使用できる。
本発明に用いる容器としては、例えば、外層から低密度ポリエチレン/エチレン・アクリル酸の共重合体樹脂/アルミニウム/エチレン・アクリル酸の共重合体樹脂/直鎖状低密度ポリエチレン(最内層)、低密度ポリエチレン/エチレン・ビニルアルコールの共重合体/低密度ポリエチレン/エチレン・ビニルアルコールの共重合体/直鎖状低密度ポリエチレン(最内層)、及び低密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/低密度ポリエチレン/ガラス蒸着ポリエチレンテレフタレート/エチレン・メタクリル酸の共重合体樹脂/直鎖状低密度ポリエチレン(最内層)などからなるラミネート層構造を有するものが挙げられる。
直鎖状低密度ポリエチレンは別名リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)ともいい、製法としては、高密度ポリエチレン製造工程において、直鎖状ポリマーにα−オレフィン(例えばブテン−1、ヘキセン−1,4−メチルペンテン、オクテン−1)を共重合させ、短鎖分岐を導入して低密度化したものであり、押出コーティング用の直鎖状低密度ポリエチレンは、密度0.915〜0.938g/cm3のものが一般的に使用される。
最内層の直鎖状低密度ポリエチレンの厚さとしては、特に限定されないが、ヒートシール性及びビタミンE又はその誘導体の安定性の点から25〜100μm程度の厚さのものが好ましい。
ラミネート層全体の厚さとしては、200〜450μmの厚さのものが通常用いられる。ラミネート層全体の厚さが200μm未満では、チューブを熱融着する際に十分なクッション性が得られないためにヒートシール部分にシワが発生して接着が不完全となり、内容物が漏れるおそれがあり、450μmを超えるとチューブが硬くなって絞り出しにくくなる。
このような容器は、例えば、歯磨チューブとして大日本印刷(株)、凸版印刷(株)などの容器包材メーカーから入手することができる。
以下、実験例及び実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において特に断りのない限り、配合量はいずれも質量%である。
[実験例]
表1に示した組成で塩化ナトリウム、キサンタンガム、ベタイン型両性界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウムを配合した歯磨剤組成物を下記方法で調製し、ラミネートチューブに50g充填し、歯みがき時の歯肉の引き締め感、泡立ち、泡の持続性、苦味を下記方法で評価した。
更に、表2に示した組成(炭酸水素ナトリウム又は硫酸ナトリウムを配合組成)の歯磨剤組成物を下記方法で調製し、上記評価に加え、歯みがき時の塩辛味を下記方法で評価した。
以上の結果を表1,2に示す。
試験歯磨剤組成物の調製:
歯磨剤組成物の調製は、精製水にサッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム、70%ソルビット液等の水溶性物質を溶解させた後、別途、プロピレングリコールにキサンタンガム及びその他の粘結剤を分散させた液及びベタイン型両性界面活性剤を加え、撹拌した。その後、香料、研磨剤、ラウリル硫酸ナトリウムを順次加え、更に減圧下(40mmHg)で撹拌し、歯磨剤組成物を得た。
なお、炭酸水素ナトリウム又は硫酸ナトリウムを配合した歯磨剤組成物の調製においては、サッカリンナトリウム等の水溶性物質と同じ精製水に炭酸水素ナトリウム又は硫酸ナトリウムを溶解して配合した。炭酸水素ナトリウムは、旭硝子(株)製の炭酸水素ナトリウム化粧重A上グレードを配合し、無水硫酸ナトリウムは、馬居化成工業(株)製の食品添加物グレードを配合した。
製造にはユニミキサー(POWEREX CORPORATION社製、型式名FM−SR−25)を用いた。
これら歯磨剤組成物の調製に用いた各成分としては、塩化ナトリウム(日本海水(株)、製品名精製さぬき塩)、キサンタンガム(ケルコ社、製品名モナートガムDA)、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(30%水溶液、一方社油脂工業(株)、製品名エナジコールC−40H)、ヤシ油脂肪酸アミド゛プロピルベタイン(30%水溶液、デグサ社より入手、製品名TEGO BETAINE CK OK)、ラウリル硫酸ナトリウム(東邦化学工業(株))を用い、その他、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリオキシエチレン(20)硬化ひまし油、ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル、増粘性シリカ、非晶質無水ケイ酸、フッ化ナトリウム、サッカリンナトリウム、酸化チタン、プロピレングリコール、ソルビット、水は旧化粧品原料基準又は医薬部外品原料規格2006に適合したものを用いた。ソルビットについては、70%水溶液品を用い、歯磨剤組成物を調製した。
香料については、表3に示す香料A〜香料Iを、表4〜9に示すフレーバー組成を用い調製し、配合した。
また、以下の評価において使用したラミネートチューブ(大日本印刷(株)製)は、最外層よりLDPE55/PET12/LDPE20/白LDPE60/EMAA20/AL10/EMAA30/LDPE20/LLDPE30(数値は厚さ(μm)を示す。)、厚さ257μm、直径26mm、充填量50gである。
略号の示すところは以下のとおりである。
LDPE:低密度ポリエチレン
白LDPE:白色低密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン
AL:アルミニウム
PET:ポリエチレンテレフタレート
EMAA:エチレン・メタクリル酸の共重合体樹脂
<評価方法>
専門パネル10名により評価を行った。
歯磨剤1gを歯ブラシ(PCクリニカ歯ブラシ4列、毛のかたさ:ふつう、ライオン株式会社製)に取って口腔内を3分間ブラッシングし、評価を行った。評価基準は以下のとおりである。
(1)歯肉の引き締め感
◎:歯肉がよく引き締まった感じがした
○:歯肉が引き締まった感じがした
△:歯肉がわずかに引き締まった感じがした
×:歯肉が引き締まった感じがしなかった
(2)泡立ち
◎:ブラッシング開始直後から非常によく泡立った
○:ブラッシング開始直後からかなりよく泡立った
△:ブラッシング開始の約30秒後に泡立ち始めた
×:ブラッシングしてもほとんど泡立たなかった
(3)泡の持続性
◎:ブラッシング開始3分後、非常によく泡立っていた
○:ブラッシング開始3分後、かなりよく泡立っていた
△:ブラッシング開始3分後、あまり泡立っていなかった
×:ブラッシング開始3分後、ほとんど泡立っていなかった
(4)苦味
◎:苦味を全く感じなかった
○:苦味をほとんど感じなかった
△:苦味をやや感じた
×:苦味を感じた
(5)塩辛味
◎:塩辛さを全く感じなかった
○:塩辛さをほとんど感じなかった
△:塩辛さをやや感じた
×:塩辛さを感じた
Figure 2009137908
本発明の歯磨剤組成物(実施例1〜11)は、いずれも歯肉引き締め感、発泡性、泡持続性に優れ、苦味のないものであった。また、香料Aの代わりに香料B〜Iを配合しても、同様の結果が得られた。一方、本発明の必須成分のいずれかを欠くか、もしくは必須成分を配合していてもその配合量が本発明の範囲を外れる歯磨剤組成物(比較例1〜6)は、歯肉引き締め感、発泡性、泡持続性、苦味のいずれかの点で十分な効果が発揮されなかった。
Figure 2009137908
本発明の歯磨剤組成物(実施例12〜22)は、いずれも歯肉引き締め感、発泡性、泡持続性に優れ、苦味がなく、しかも塩辛味なく、良好な使用感であった。また、香料Aの代わりに香料B〜Iを配合しても、同様の結果が得られた。
Figure 2009137908
Figure 2009137908
なお、上記表中、部はいずれも質量部である(以下、同様)。
Figure 2009137908

Figure 2009137908

Figure 2009137908

Figure 2009137908
Figure 2009137908

Claims (2)

  1. (A)塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物に、(B)キサンタンガムと、(C)ベタイン型両性界面活性剤と、(D)ラウリル硫酸ナトリウムとを配合してなり、(D)/(C)の質量比が0.3〜300であることを特徴とする歯磨剤組成物。
  2. 更に、(E)炭酸水素ナトリウム又は硫酸ナトリウムを含有することを特徴とする請求項1記載の歯磨剤組成物。
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