JP2009136845A - 充填液 - Google Patents

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Abstract

【課題】導体パターン形成用インクとの置換性に優れる充填液を提供すること。
【解決手段】本発明の充填液は、インクジェット方式による導体パターンの形成に用いられ、金属粒子が水系分散媒に分散した導体パターン形成用インクを吐出する液滴吐出装置を保管する際に、該液滴吐出装置内を充填する充填液であって、前記水系分散媒と、糖アルコールAと、界面活性剤Aとを含むことを特徴とする。充填液は、導体パターン形成用インク中に含まれる糖アルコールBと同種のものを含むのが好ましい。充填液中に含まれる界面活性剤Aは、導体パターン形成用インク中に含まれる界面活性剤Bを構成する成分の少なくとも一部を含むものであるのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、充填液に関するものである。
電子部品が実装される回路基板(配線基板)として、セラミックスで構成された基板(セラミックス基板)上に、金属材料で構成された配線が形成されたセラミックス回路基板が、広く用いられている。このようなセラミックス回路基板では、基板(セラミックス基板)自体が、多機能性材料で構成されているため、多層化による内装部品の形成、寸法の安定性等の点で有利である。
そして、このようなセラミックス回路基板は、セラミックス粒子とバインダーとを含む材料で構成されたセラミックス成形体上に、形成すべき配線(導体パターン)に対応するパターンで、金属粒子を含む組成物を付与し、その後、当該組成物が付与されたセラミックス成形体に対し、脱脂、焼結処理を施すことにより製造されている。
セラミックス成形体上へのパターン形成の方法としては、スクリーン印刷法が広く用いられている。その一方で、近年、配線の微細化(例えば、線幅:60μm以下の配線)、狭ピッチ化による回路基板の高密度化が求められているが、スクリーン印刷法では、配線の微細化、狭ピッチ化に不利であり、上記のような要求に応えるのが困難である。
そこで、近年、セラミックス成形体上へのパターン形成の方法として、液滴吐出ヘッドから金属粒子を含む液体材料(導体パターン形成用インク)を液滴状に吐出する液滴吐出法、いわゆるインクジェット法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。インクジェット法を用いることにより、配線の微細化、狭ピッチ化を図ることができる。
ところで、導体パターンの形成に用いる液滴吐出装置(液滴吐出ヘッド)内のインク流路には、その未使用(保管)時において、通常、その内部の乾燥を防ぐ目的で、水が充填されている。そして、内部の水と、導体パターン形成用インクとを置換することにより、導体パターン形成用インクの吐出が可能となる。しかしながら、充填液として水を用いた場合、以下のような問題があった。すなわち、インク流路に水が充填されている状態においてはその内部の乾燥が抑制されているが、インク流路内は水との親和性が低いため、液滴吐出装置から水を抜いてから導体パターン形成用インクを充填するまでの間に、液滴吐出装置内部(特に液滴吐出ヘッドの吐出部近傍)が乾燥してしまう場合がある。このように内部が乾燥すると、導体パターン形成用インクの充填の際に気泡が混入してしまい、導体パターン形成用インクの吐出量が不安定となり、吐出安定性が低下するといった問題が生じてしまう。さらに、水は表面張力が高いため、細部においては完全に充填することが困難であり、水自体の充填不良を発生しやすく、吐出不良のリスクをさらに高めてしまう。また、液滴吐出装置内から水を抜いても、水は部分的に残留する。そして、導体パターン形成用インクを充填した際に、この残留した水と導体パターン形成用インクとが混合する。ところで、導体パターン形成用インク中には、金属粒子の分散性を高めるために、通常、界面活性剤が添加されている。上記のように、部分的に残留した水と導体パターン形成用インクとが混合した場合、部分的に界面活性剤の濃度が低下する。その結果、部分的に金属粒子の分散性が低下して凝集等が生じ、導体パターン形成用インクの吐出不良が生じる場合がある。また、水を抜かずに、導体パターン形成用インクで水を押し出しながら、導体パターン形成用インクを充填することも考えられるが、水と導体パターン形成用インクとの界面近傍において、上記のような界面活性剤の濃度が低い部位が生じてしまい、結果として、導体パターン形成用インクの吐出不良が生じてしまう。
特開2007−84387号公報
本発明の目的は、導体パターン形成用インクとの置換性に優れる充填液を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の充填液は、インクジェット方式による導体パターンの形成に用いられ、金属粒子が水系分散媒に分散した導体パターン形成用インクを吐出する液滴吐出装置を保管する際に、該液滴吐出装置内を充填する充填液であって、
前記水系分散媒と、糖アルコールAと、界面活性剤Aとを含むことを特徴とする。
これにより、導体パターン形成用インクとの置換性に優れる充填液を提供することができる。
本発明の充填液では、前記導体パターン形成用インクは、糖アルコールBを含み、
充填液中に含まれる前記糖アルコールAは、前記導体パターン形成用インク中に含まれる前記糖アルコールBと同種のものを含むことが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドの吐出部の乾燥を防止するとともに、導体パターン形成用インクとの置換性を特に優れたものとすることができる。
本発明の充填液では、前記導体パターン形成用インクは、界面活性剤Bを含み、
充填液中に含まれる前記界面活性剤Aは、前記導体パターン形成用インク中に含まれる前記界面活性剤Bを構成する成分の少なくとも一部を含むものであることが好ましい。
これにより、導体パターン形成用インクと置換する際に、金属粒子の分散性の低下を防止することができる。
本発明の充填液では、前記糖アルコールAは、キシリトールおよび/またはソルビトールを含むことが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドの吐出部の乾燥をより効果的に防止するとともに、導体パターン形成用インクとの置換性を特に優れたものとすることができる。
本発明の充填液では、充填液中における前記糖アルコールAの含有量は、3〜25wt%であることが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドの吐出部の乾燥をより効果的に防止するとともに、導体パターン形成用インクとの置換性を特に優れたものとすることができる。
本発明の充填液では、前記界面活性剤Aの親水親油バランス(HLB)は、8〜16であることが好ましい。
これにより、液滴吐出装置の内壁面の親液性を向上させることができ、導体パターン形成用インクを容易に充填することができる。
本発明の充填液では、前記界面活性剤Aは、アセチレングリコール系化合物を含むことが好ましい。
これにより、液滴吐出装置の内壁面の親液性を向上させることができ、導体パターン形成用インクをより容易に充填することができる。
本発明の充填液では、前記アセチレングリコール系化合物は、アセチレン基を中心に左右対称の構造を有するものであることが好ましい。
これにより、より少ない添加量で液滴吐出装置の内壁面の親液性を向上させることができ、導体パターン形成用インクをより容易に充填することができる。
本発明の充填液では、充填液中における前記界面活性剤Aの含有量は、0.05〜5wt%であることが好ましい。
これにより、液滴吐出装置の内壁面の親液性をより効果的に向上させることができ、導体パターン形成用インクをより容易に充填することができる。
本発明の充填液では、COOH基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COOH基の数がOH基の数と同数またはCOOH基の数がOH基の数よりも多いヒドロキシ酸またはその塩を含むことが好ましい。
これにより、液滴吐出装置の内壁面の親液性を向上させることができ、導体パターン形成用インクを容易に充填することができる。
本発明の充填液では、COOH基とSH基とを合わせて2個以上有するメルカプト酸またはその塩を含むことが好ましい。
これにより、液滴吐出装置の内壁面の親液性を向上させることができ、導体パターン形成用インクを容易に充填することができる。
本発明の充填液では、前記充填液の表面張力は、20〜50dyn/cmであって、
充填液の表面張力は前記導体パターン形成用インクの表面張力以下であることが好ましい。
これにより、液滴吐出装置内への充填液の充填不良を防止するとともに、内壁面の親液性を向上させることができ、導体パターン形成用インクを容易に充填することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《充填液》
本発明の充填液は、導体パターンの形成に用いられる液滴吐出装置を長期にわたって休止させる際や、液滴吐出装置の保管、運搬の際に、該液滴装置内を充填するものであり、特に、後述するような導体パターン形成用インク(以下単にインクともいう)を吐出する液滴吐出装置内に充填することにより、保管液として機能するものである。
ところで、導体パターンの形成に用いる液滴吐出装置(液滴吐出ヘッド)内のインク流露には、その未使用(保管)時において、通常、その内部の乾燥を防ぐ目的で、水が充填されている。そして、内部の水と、導体パターン形成用インクとを置換することにより、導体パターン形成用インクの吐出が可能となる。しかしながら、充填液として水を用いた場合、以下のような問題があった。すなわち、インク流路に水が充填されている状態においてはその内部の乾燥が抑制されているが、インク流路内は水との親和性が低いため、液滴吐出装置から水を抜く処理を施してから導体パターン形成用インクを充填するまでの間に、液滴吐出装置内部(特に液滴吐出ヘッドの吐出部近傍)が乾燥してしまう場合がある。このように内部が乾燥すると、導体パターン形成用インクの充填の際に気泡が混入してしまい、導体パターン形成用インクの吐出量が不安定となり、吐出安定性が低下するといった問題が生じてしまう。さらに、水は表面張力が高いため、細部においては完全に充填することが困難であり、水自体の充填不良を発生しやすく、吐出不良のリスクをさらに高めてしまう。また、液滴吐出装置内から水を抜いても、水は部分的に残留する。そして、導体パターン形成用インクを充填した際に、この残留した水と導体パターン形成用インクとが混合する。ところで、導体パターン形成用インク中には、金属粒子の分散性を高めるために、通常、界面活性剤が添加されている。上記のように、部分的に残留した水と導体パターン形成用インクとが混合した場合、部分的に界面活性剤の濃度が低下する。その結果、部分的に金属粒子の分散性が低下して凝集等が生じ、導体パターン形成用インクの吐出不良が生じる場合がある。また、水を抜かずに、導体パターン形成用インクで水を押し出しながら、導体パターン形成用インクを充填することも考えられるが、水と導体パターン形成用インクとの界面近傍において、上記のような界面活性剤の濃度が低い部位が生じてしまい、結果として、導体パターン形成用インクの吐出不良が生じてしまう。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、液滴吐出装置の充填液として、水系分散媒中に、糖アルコールと界面活性剤とが分散(溶解)したものを用いることにより、上記問題を解決することができることを見出した。
本発明の充填液は、水系分散媒と、糖アルコールAと、界面活性剤Aとを含む。このように、充填液は、界面活性剤Aを含むことにより、液滴吐出装置のインク流路の内壁面を親液化することができる。これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、充填液中に界面活性剤Aを含むことにより、充填液と、インク流路の内壁面との親和性が高くなり、充填液を液滴吐出装置から抜く処理を行った後も、インク流路の内壁の表面に充填液の膜が形成される。このように膜が形成されることにより、インク流路の内壁面が親液化される。このようにインク流路内が親液化されることにより、インク流路内に導体パターン形成用インクを充填する際に気泡が混入するのを防止することができるとともに、導体パターン形成用インクを容易に充填することができる。また、充填液をインクによって押し出して充填する場合、インクと充填液とが部分的に混合しても、その混合液中における界面活性剤の濃度が極端に薄くなることが防止されるため、金属粒子の部分的な凝集を防止することができる。その結果、充填したインクの吐出安定性を高いものとすることができる。また、充填液は、糖アルコールAを含むことにより、保管時における液滴吐出ヘッドの吐出部付近の乾燥を効果的に防止することができる。また、インクとの置換性に優れたものとなり、充填したインクと素早く混合、置換することができる。また、充填液中に糖アルコールAを含むことにより、上述したようなインク流路の内壁の表面に充填液で構成された親液性の膜は、その乾燥が抑制されたものとなる。このため、インク流路内から充填液を抜く処理を行った後も比較的長時間、インク流路内の親液性を保持することができ、インクの充填を容易に行うことができる。また、このような充填液は、インクとの置換性に優れているため、インクを用いて、インク流路内にある充填液を容易に除去することができる。
これに対し、充填液が界面活性剤Aを含まない場合、上述したような効果は十分に得られない。すなわち、界面活性剤を含まない充填液を用いた場合、インク流路の内壁面の親液性を向上させることができず、インクを充填する際に気泡が混入してしまう場合がある。その結果、インクの吐出安定性が低下してしまう場合がある。また、通常、インクには界面活性剤(分散剤)が含まれており、このインクと、インク流路内に部分的に残存した、界面活性剤が含まれていない充填液とが混合された際に、これらの混合液中で界面活性剤の濃度が低くなる。これにより、混合液中の金属粒子の分散安定性が低下し、金属粒子による凝集体の発生、インク流路内への金属粒子等の付着が発生しやすくなる。その結果、インクの吐出不良が生じる場合がある。
また、充填液が糖アルコールAを含まない場合、上述したような効果は十分に得られない。すなわち、糖アルコールAを含まない充填液を用いた場合、充填液を液滴吐出装置から抜く処理と行った後にインク流路がすぐに乾燥してしまい、インクを充填する際に、インク内に気泡が混入してしまう可能性がある。また、後述するように乾燥抑制剤としての糖アルコールBが含まれているインクを使用する場合、以下のような問題がある。すなわち、糖アルコールAを含まない充填液をインク流路から抜く処理を行った後にインクを充填する場合、インク流路内に残存する充填液とインクとが混合され、インク中の糖アルコールBの濃度が低下してしまう。このようにインク中の糖アルコールBの濃度が低下すると、液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の液滴の吐出部付近において、インクの水系分散媒の揮発により金属粒子が析出してしまい、その結果、吐出部の目詰まり等が発生してしまう。
以下、充填液を構成する各成分について、詳細に説明する。
[水系分散媒]
まず、水系分散媒について説明する。
本発明において、「水系分散媒」とは、水および/または水との相溶性に優れる液体(例えば、25℃における水100gに対する溶解度が30g以上の液体)で構成されたもののことを指す。このように、水系分散媒は、水および/または水との相溶性に優れる液体で構成されたものであるが、主として水で構成されたものであるのが好ましく、特に、水の含有率が70wt%以上のものであるのが好ましく、90wt%以上のものであるのがより好ましい。
また、充填液中に含まれる水系分散媒は、後述する導体パターン形成用インクを構成する水系分散媒とほぼ同じ組成のものであるのが好ましい。これより、インクとの置換性が特に優れたものとなり、インクと素早く混合、置換することができる。
水系分散媒の具体例としては、例えば、水、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロパンジオール等のアルコール系溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒、ピリジン、ピラジン、ピロール等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、アセトアルデヒド等のアルデヒド系溶媒等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、充填液中における水系分散媒の含有量は、95〜65wt%であることが好ましく、85〜75wt%であることがより好ましい。これにより、洗浄液の粘度を好適なものとすることができ、充填液としての特性をより高いものとすることができる。
[糖アルコールA]
充填液に含まれる糖アルコールAは、液滴吐出ヘッドの吐出部付近の乾燥を防止するとともに、インク流路から充填液を抜く処理を施した後にインク流路が乾燥するのを防止する機能を有している。これにより、インクを充填する際に、気泡の混入を防止することができる。また、インクとの置換性が特に優れたものとなり、インクと素早く混合、置換することができる。
糖アルコールAとしては、例えば、グリセリン、トレイトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、スレイトール、グリトール、タリトール、ガラクチトール、アリトール、アルトリトール、ドルシトール、イディトール、グリセリン(グリセロール)、イノシトール、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、ツラニトール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。上述した中でも、糖アルコールAとしては、キシリトールおよび/またはソルビトールを用いるのが好ましい。これにより、インク流路が乾燥するのをより効果的に防止することができるとともに、インクとの置換性をより高いものとすることができる。また、インクの充填をより容易なものとすることができる。
また、糖アルコールAとして、キシリトールおよび/またはソルビトールを用いる場合、充填液中にマルチトール、ラクチトールの少なくともいずれか一方を含んでいるのが好ましい。ところで、キシリトール、ソルビトールは、インク流路内の乾燥を防止する効果に特に優れた成分であるが、これら成分は、結晶化しやすい性質を有している。そこで、キシリトール、ソルビトールとともにマルチトール、ラクチトールの少なくともいずれか一方を用いることにより、キシリトール、ソルビトールが結晶化して析出するのを効果的に防止することができるとともに、インク流路が乾燥するのをより効果的に防止することができる。
また、充填液に含まれる糖アルコールAは、後述するような導体パターン形成用インク中に含まれる糖アルコールBと同種のものを含んでいるのが好ましい。これにより、インクとの置換性がさらに向上し、インクの充填をさらに容易なものとすることができる。
充填液中に含まれる糖アルコールAの含有量は、3〜25wt%であるのが好ましく、5〜20wt%であるのがより好ましい。これにより、インク流路が乾燥するのをより効果的に防止することができるとともに、インクとの置換性をより効果的に高いものとすることができる。また、インクの充填をより容易なものとすることができる。
[界面活性剤A]
前述したように本発明の充填液中には、界面活性剤Aが含まれている。これにより、液滴吐出装置のインク流路の内壁面を親液化することができ、インク流路内に導体パターン形成用インクを充填する際に気泡が混入するのを防止することができる。その結果、インクを安定して吐出することができる。また、インクとの置換性に優れたものとすることができ、導体パターン形成用インクを容易に充填することができる。
充填液に用いることのできる界面活性剤Aとしては、特に限定されないが、後述するインクに含まれる界面活性剤Bを構成する成分の少なくとも一部を含むことが好ましい。これにより、インクとの置換性をより効果的に高いものとすることができ、インクの充填をさらに容易なものとすることができる。また、インクによって液滴吐出装置の流路、液滴吐出ヘッドを置換した際に、微量に充填液が残存した場合であっても、インクの粘度等の物性の変化を極めて少ないものとすることができる。
また、上述したように、充填液に用いることのできる界面活性剤としては、特に限定されないが、アセチレングリコール系化合物を含むものを用いるのが好ましい。これにより、インクとの置換性をさらに向上させることができる。また、液滴吐出装置のインク流路の内壁面をより効果的に親液化することができ、インク流路内に導体パターン形成用インクを充填する際に気泡が混入するのをより確実に防止することができる。
また、アセチレングリコール系化合物は、アセチレン基を中心に左右対称の構造を有するものであるのが好ましい。これにより、より少量の添加量で液滴吐出装置のインク流路の内壁面をより効果的に親液化することができる。
このようなアセチレングリコール系化合物としては、例えば、サーフィノール104シリーズ(104E、104H、104PG−50、104PA等)、サーフィノール400シリーズ(420、465、485等)、オルフィンシリーズ(EXP4036、EXP4001、E1010等)(「サーフィノール」および「オルフィン」は、日信化学工業株式会社の商品名)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、充填液に含まれる界面活性剤Aとしては、その親水親油バランス(HLB)が8〜16のものを用いるのが好ましく、9〜14のものを用いるのがより好ましい。これにより、液滴吐出装置のインク流路の内壁面をより確実に親液化することができ、導体パターン形成用インクをより容易に充填することができる。
また、充填液における界面活性剤Aの含有量は、0.05〜5wt%であることが好ましく、0.5〜2wt%であることがより好ましい。これにより、液滴吐出装置のインク流路の内壁面をより効率よく親液化することができ、導体パターン形成用インクをより容易に充填することができる。
[その他の成分]
また、洗浄剤は、上記成分以外の化合物を含んでいてもよい。
また、このような化合物としては、例えば、COOH基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COOH基の数がOH基と同じか、それよりも多いヒドロキシ酸またはその塩が挙げられる。このような化合物は、金属表面に付着しやすく、付着することにより表面の親液性を向上させることができる成分である。これにより、インクを充填する際に、気泡が混入するのをより効果的に防止することができ、また、インクをより容易に充填することができる。
このような化合物としては、具体的には、例えば、クエン酸、りんご酸、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、クエン酸三アンモニウム、りんご酸二ナトリウム、タンニン酸、ガロタンニン酸、五倍子タンニン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記成分以外の化合物としては、COOH基とSH基とを合わせて2個以上有するメルカプト酸またはその塩を含むものであるのが好ましい。このような化合物は、金属表面に付着しやすく、付着することにより表面の親液性を向上させることができる成分である。これにより、インクを充填する際に、気泡が混入するのをより効果的に防止することができ、また、インクをより容易に充填することができる。
このような化合物としては、例えば、例えば、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、チオジプロピオン酸、メルカプトコハク酸、チオ酢酸、メルカプト酢酸ナトリウム、メルカプトプロピオン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ナトリウム、メルカプトコハク酸二ナトリウム、メルカプト酢酸カリウム、メルカプトプロピオン酸カリウム、チオジプロピオン酸カリウム、メルカプトコハク酸二カリウム等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述したような充填液は、後述する導体パターン形成用インクより25℃での表面張力が低いものであることが好ましい。これにより、充填時において、液滴吐出装置内に好適に充填液が行き渡すことができる。このため、充填不良の発生が特に少ないものとなる。
25℃における充填液の表面張力は、特に限定されないが、例えば、20〜50dyn/cmであるのが好ましく、20〜40dyn/cmであるのがより好ましい。これにより、充填時において、液滴吐出装置内に好適に充填液が行き渡すことができる。また、充填液が微量に残存した場合であっても、後述するインクの表面張力への影響を極めて少ないものとすることができる。なお、本明細書において、表面張力は、JIS K 3362に準拠して測定される値を採用することができる。
以下、上述したような充填液が好適に用いられる、導体パターン形成用インクについて説明する。
《導体パターン形成用インク》
上述したような充填液が好適に用いられる、導体パターン形成用インクは、基材上に導体パターンを形成するのに用いるインクであり、特に、液滴吐出法によって導体パターンを形成するのに用いるインクである。
導体パターンが形成される基材は、いかなるものであってもよいが、本実施形態では、基材としてセラミックスを主として構成されたセラミックス基板を用いることとする。また、本実施形態では、セラミックスとバインダーとを含む材料で構成されたシート状のセラミックス成形体(セラミックスグリーンシート)に導体パターン形成用インクを付与するものとして説明する。なお、セラミックス成形体およびセラミックス成形体に付与されたインクは、後述するように焼結処理され、それぞれセラミックス基板および導体パターンとなる。
以下、本発明の充填液が好適に用いられる、導体パターン形成用インクの好適な実施形態について説明する。なお、本実施形態では、金属粒子を水系分散媒に分散してなる分散液として、銀粒子が分散した分散液を用いた場合について代表的に説明する。
導体パターン形成用インク(以下、単にインクともいう)は、水系分散媒と、水系分散媒に分散した銀粒子と、ポリグリセリン骨格を有するポリグリセリン化合物と、糖アルコールBと、界面活性剤Bとを含む。
[水系分散媒]
まず、水系分散媒について説明する。
水系分散媒は、前述した充填液を構成する水系分散媒とほぼ同等の組成を有するものを用いる。これにより、充填液との置換性が向上し、インクの充填を容易に行うことができる。
導体パターン形成用インク中における水系分散媒の含有量は、25〜60wt%であることが好ましく、30〜50wt%であることがより好ましい。これにより、インクの粘度を好適なものとしつつ、水系分散媒の揮発による粘度の変化を少ないものとすることができる。
[銀粒子]
次に、銀粒子(金属粒子)について説明する。
銀粒子は、形成される導体パターンの主成分であり、導体パターンに導電性を付与する成分である。
また、銀粒子は、インク中において分散している。
銀粒子の平均粒径は、1〜100nmであるのが好ましく、10〜30nmであるのがより好ましい。これにより、インクの吐出性をより高いものとすることができるとともに、微細な導体パターンを容易に形成することができる。
また、インク中に含まれる銀粒子(後述する分散剤が表面に吸着していない銀粒子)の含有量は、0.5〜60wt%であるのが好ましく、10〜45wt%であるのがより好ましい。これにより、導体パターンの断線をより効果的に防止することができ、より信頼性の高い導体パターンを提供することができる。
また、銀粒子(金属粒子)は、その表面に分散剤が付着した銀コロイド粒子(金属コロイド粒子)として、水系分散媒中に分散していることが好ましい。これにより、銀粒子の水系分散媒への分散性が特に優れたものとなり、インクの液滴吐出性が特に優れたものとなる。
分散剤は、COOH基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COOH基の数がOH基と同じか、それよりも多いヒドロキシ酸またはその塩を含むことが好ましい。これらの分散剤は、銀粒子の表面に吸着してコロイド粒子を形成し、分散剤中に存在するCOOH基の電気的反発力によって銀コロイド粒子を水溶液中に均一に分散させてコロイド液を安定化する働きを有する。このように、銀コロイド粒子が安定してインク中に存在することにより、より容易に微細な導体パターンを形成することができる。また、インクによって形成されたパターン(前駆体)において銀粒子が均一に分布し、クラック、断線等が発生しにくいものとなる。これに対して、分散剤中のCOOH基とOH基の数が3個未満であったり、COOH基の数がOH基の数よりも少ないと、銀コロイド粒子の分散性が十分に得られない場合がある。
このような分散剤としては、例えば、クエン酸、りんご酸、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、クエン酸三アンモニウム、りんご酸二ナトリウム、タンニン酸、ガロタンニン酸、五倍子タンニン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
または、分散剤は、COOH基とSH基とを合わせて2個以上有するメルカプト酸またはその塩を含んでいてもよい。これらの分散剤は、メルカプト基が銀微粒子の表面に吸着してコロイド粒子を形成し、分散剤中に存在するCOOH基の電気的反発力によってコロイド粒子を水溶液中に均一に分散させてコロイド液を安定化する働きを有する。このように、銀コロイド粒子が安定してインク中に存在することにより、より容易に微細な導体パターンを形成することができる。また、インクによって形成されたパターン(前駆体)において銀粒子が均一に分布し、クラック、断線等が発生しにくいものとなる。これに対して、分散剤中のCOOH基とSH基の数が2個未満すなわち片方のみであると、銀コロイド粒子の分散性が十分に得られない場合がある。
このような分散剤としては、例えば、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、チオジプロピオン酸、メルカプトコハク酸、チオ酢酸、メルカプト酢酸ナトリウム、メルカプトプロピオン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ナトリウム、メルカプトコハク酸二ナトリウム、メルカプト酢酸カリウム、メルカプトプロピオン酸カリウム、チオジプロピオン酸カリウム、メルカプトコハク酸二カリウム等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
インク中における銀コロイド粒子の含有量は、1〜60wt%程度であるのが好ましく、10〜50wt%程度であるのがより好ましい。銀コロイド粒子の含有量が前記下限値未満であると、銀の含有量が少なく、導体パターンを形成した際、比較的厚い膜を形成する場合に、複数回重ね塗りする必要が生じる。一方、銀コロイド粒子の含有量が前記上限値を超えると、銀の含有量が多くなり、分散性が低下し、これを防ぐためには攪拌の頻度が高くなる。
また、銀コロイド粒子の熱重量分析における500℃までの加熱減量は、1〜25wt%程度が好ましい。コロイド粒子(固形分)を500℃まで加熱すると、表面に付着した分散剤、後述する還元剤(残留還元剤)等が酸化分解され、大部分のものはガス化されて消失する。残留還元剤の量は、僅かであると考えられるので、500℃までの加熱による減量は、銀コロイド粒子中の分散剤の量にほぼ相当すると考えてよい。
加熱減量が1wt%未満であると、銀粒子に対する分散剤の量が少なく、銀粒子の充分な分散性が低下する。一方、25wt%を超えると、銀粒子に対する残留分散剤の量が多なり、導体パターンの比抵抗が高くなる。但し、比抵抗は、導体パターンの形成後に加熱焼結して有機分を分解消失させることである程度改善することができる。そのため、より高温で焼結されるセラミックス基板等に有効である。
なお、銀コロイド粒子の形成については、後に詳述する。
[糖アルコールB]
導体パターン形成用インクには、糖アルコールBが含まれている。
糖アルコールは、保湿性に優れた成分であり、導体パターン形成用インクの水系分散媒の揮発を防止することに寄与することのできる成分である。すなわち、糖アルコールは乾燥抑制剤として機能する成分である。このため、導体パターン形成用インクに糖アルコールBが含まれていることにより、所定期間保存した場合であっても、導体パターン形成用インク中に含まれる分散媒の揮発を防止することができ、インクの粘度が高くなることを防止できる。このため、導体パターン形成用インクは、長期にわたって、吐出安定性が優れたものとなる。また、吐出待機時や長時間連続して吐出した際に、液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の液滴の吐出部付近において水系分散媒が揮発するのを抑制することができる。これにより、液滴吐出ヘッド付近での金属粒子の析出を防止することができ、液滴吐出ヘッドから安定して吐出することができる。その結果、所望の形状で、かつ、信頼性の高い導体パターンを容易に形成することができる。
また、導体パターン形成用インクによって形成されたパターンを乾燥(脱分散媒)する際に、水系分散媒が揮発とともに、糖アルコールの濃度が上昇する。これにより、導体パターンの前駆体の粘度が上昇するため、前駆体を構成するインクの不本意な部位への流れ出しがより確実に防止される。その結果、形成される導体パターンをより高い精度で所望の形状とすることができる。
導体パターン形成用インク中に含まれる糖アルコールBとしては、特に限定されず、前述した充填液の項で挙げたものを用いることができる。上述した中でも、キシリトール、ソルビトールは、乾燥抑制剤としての機能が特に優れていることから、導体パターン形成用インクの構成成分として好適に用いることができる。
また、キシリトールおよび/またはソルビトールとともに、マルチトール、ラクチトールの少なくともいずれか一方を用いた場合、キシリトール、ソルビトールが結晶化するのを効果的に防止することができる。
導体パターン形成用インク中における銀粒子:100重量部に対する糖アルコールBの含有量X(B)は、4〜55重量部であることが好ましく、5〜35重量部であることがより好ましい。これにより、導体パターン形成用インクの水系分散媒の揮発をより確実に防止することができ、より長期にわたって導体パターン形成用インクの液滴の吐出性を特に優れたものとすることができる。
また、導体パターン形成用インク中における糖アルコールBの含有量は、1〜15wt%であるのが好ましく、2〜10wt%であるのがより好ましい。これにより、導体パターン形成用インクの水系分散媒の揮発をより確実に抑制することができ、導体パターン形成用インクは、より長期にわたって液滴の吐出性に特に優れたものとなる。これに対し、インク中に含まれる糖アルコールの含有量が前記下限値未満であると、インクの組成によってはインクの保湿性を十分に高くすることができない場合がある。一方、前記上限値を超えると、銀粒子に対する糖アルコールの量が多なりすぎ、焼結時に残存しやすくなる。その結果として、導体パターンの比抵抗が高くなる。比抵抗は、焼結時間や焼結環境の制御によりある程度改善することができる。また、糖アルコールは一定温度にて急激に分解除去されるため、焼結時の温度条件によっては、急激な体積収縮を発生してクラックが発生する場合があり、導通不良の原因となる場合がある。
[ポリグリセリン化合物]
ポリグリセリン化合物は、導体パターン形成用インクによって形成されたパターン(後に詳述する導体パターンの前駆体)を乾燥(脱分散媒)した際に、パターンにクラックが発生するのを防止する機能を有するものである。これは、以下のように考えられる。導体パターン形成用インク中にポリグリセリン化合物が含まれることにより、銀粒子(金属粒子)の間に高分子鎖が存在することとなり、ポリグリセリン化合物が銀粒子同士の距離を保つことができる。さらに、ポリグリセリン化合物は比較的沸点が高いため、水系分散媒の除去時においては除去されず、銀粒子の周囲に付着する。以上により、水系分散媒除去時において、ポリグリセリン化合物が銀粒子を包み込んだ状態が長く続き、水系分散媒の揮発による急激な体積収縮が避けられるとともに銀の粒成長(凝集)が妨げられる結果、パターン中のクラックの発生が抑制されると考えられる。
また、ポリグリセリン化合物は、導体パターンを形成する際の焼結時において、断線が発生するのを防止することができる。これは、以下のように考えられる。ポリグリセリン化合物は、比較的沸点あるいは分解温度が高い。このため、導体パターン形成用インクから導体パターンを形成する過程において、水系分散媒が蒸発した後に、ポリグリセリン化合物を、蒸発或いは熱(酸化)分解させることが可能である。
また、ポリグリセリン化合物が蒸発或いは熱(酸化)分解するまでは、銀粒子の周囲にポリグリセリン化合物が存在し、銀粒子同士の接近と凝集とを抑制することができ、ポリグリセリン化合物が分解した後には、より均一に銀粒子同士を接合させることができる。
さらに、焼結時においてパターン中の銀粒子(金属粒子)の間に高分子鎖(ポリグリセリン化合物)が存在することとなり、ポリグリセリン化合物が銀粒子同士の距離を保つことができる。また、このポリグリセリン化合物は、適度な流動性を有している。このため、ポリグリセリン化合物を含むことにより、導体パターンの前駆体は、セラミックス成形体の温度変化による膨張・収縮への追従性が良好となる。
以上より、形成された導体パターンに断線が生じることを防止することができると考えられる。
また、ポリグリセリン化合物は、前述した糖アルコールが結晶化するのを防止する機能を有している。このため、インクが糖アルコールを含んでいても、後述する導体パターン形成時においても糖アルコールの結晶化が防止され、形成された導体パターンが損傷することを防止することができる。これは、糖アルコールと、ポリグリセリン化合物が互いに多くの水酸基を含み、親和性が高いため、糖アルコールの複数の分子間にポリグリセリン化合物が侵入することができ、この侵入したポリグリセリン化合物によって糖アルコールの結晶化が妨げられると考えられる。
また、前述したように糖アルコールとポリグリセリン化合物とは、親和性が高い。加えて、糖アルコールは、比較的分子量が小さい化合物である。このため、焼結時において、糖アルコールは、ポリグリセリン化合物の分子鎖の中に侵入し、水系分散媒が除去された後であっても、ポリグリセリン化合物の流動性が高いものとして保たれる。この結果、焼結時において、クラック、断線等が発生することを防止することができ、形成される導体パターンは、信頼性の高いものとなる。すなわち、焼結時において、導体パターンが形成する際に、その前駆体であるパターンは収縮するが、このような場合であっても、パターンが一定の流動性を有することにより、パターンにクラック、断線が発生することを防止することができる。また、パターンが形成されたセラミックス成形体も、焼結時において、膨張、収縮するが、パターンが一定の流動性を有することにより、パターンにクラック、断線が発生することを防止することができる。
また、このようなポリグリセリン化合物を含むことにより、インクの粘度をより適度なものとすることができ、インクジェットヘッドからの吐出安定性をより効果的に向上させることができる。また、成膜性も向上させることができる。
ポリグリセリン化合物としては、ポリグリセリン、ポリグリセリンエステル等のポリグリセリン骨格を有するポリグリセリン化合物が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、ポリグリセリンエステルとしては、例えば、ポリグリセリンのモノステアレート、トリステアレート、テトラステアレート、モノオレエート、ペンタオレエート、モノラウレート、モノカプリレート、ポリシノレート、セスキステアレート、デカオレエート、セスキオレエート等が挙げられる。
上述した中でも、ポリグリセリンを用いるのが好ましい。これにより、断線、クラックの発生をより確実に防止することができるとともに、糖アルコールの結晶化をより確実に防止することができる。さらに、ポリグリセリンは、水系分散媒への溶解度も高いので、好適に用いることができる。
また、ポリグリセリン化合物としては、その重量平均分子量が300〜3000であるものを用いるのが好ましく、400〜600であるものを用いるのがより好ましい。これにより、導体パターン形成用インクによって形成されたパターンを乾燥した際に、クラックの発生をより確実に防止することができる。また、導体パターン形成時において、糖アルコールが結晶化することをより確実に防止することができる。また、ポリグリセリン化合物と糖アルコールとの親和性が十分に高いものとなり、焼結時において、インクによって形成されたパターンは、より長期にわたって流動性を維持することができ、セラミック成形体の温度変化による収縮、膨張への追従性が特に優れたものとなる。これに対し、ポリグリセリン化合物の重量平均分子量が前記下限値未満であると、水系分散媒を除去する際にポリグリセリン化合物が分解しやすい傾向があり、クラック、糖アルコールの結晶化の発生を防止する効果が小さくなる。また、ポリグリセリン化合物の重量平均分子量が前記上限値を超えると、排除体積効果等によりインク中への溶解性、分散性が低下する場合がある。
また、インク中にポリグリセリン化合物の含有量は、5〜20wt%であるのが好ましく、6〜19wt%であるのがより好ましい。これにより、クラックの発生をより効果的に防止することができる。これに対して、ポリグリセリン化合物の含有量が前記下限値未満であると、上記分子量が下限値を下回った場合には、クラックの発生を防止する効果が小さくなる場合がある。また、ポリグリセリン化合物の含有量が前記上限値を超えると、前記分子量が上限値を超えた場合には、ポリグリセリン化合物のインク中への分散性が低下する場合があり、インクの粘度を十分に低いものとすることが困難な場合がある。
[界面活性剤B]
また、導体パターン形成用インクには、上記成分の他、界面活性剤(界面活性剤B)が含まれている。この界面活性剤Bは、金属粒子の分散性を向上させる機能を有する成分である。
導体パターン形成用インク中に含まれる界面活性剤Bとしては、特に限定されないが、アセチレングリコール系化合物を用いるのが好ましい。このアセチレングリコール系化合物は、金属粒子の分散性を向上させるとともに、導体パターン形成用インクとセラミックス成形体との接触角を所定の範囲に調整する機能を有する成分である。また、アセチレングリコール系化合物は、少ない添加量で、導体パターン形成用インクとセラミックス成形体との接触角を所定の範囲に調整することができる。また、吐出した液滴内に気泡が混入した場合であっても、速やかに気泡を除去することができる。
このように、導体パターン形成用インクとセラミックス成形体との接触角を所定の範囲に調整することにより、より微細な導体パターンを形成することができる。
上記化合物は、具体的には、導体パターン形成用インクとセラミックス成形体との接触角が40〜80°(より好ましくは50〜80°)に調整する機能を有するものである。接触角が小さすぎると、微細な線幅の導体パターンを形成するのが困難となる場合がある。一方、接触角が大きすぎると、吐出条件等によっては、均一な線幅の導体パターンを形成するのが困難となる場合がある。また、着弾した液滴とセラミックス成形体との接触面積が小さくなりすぎてしまい、着弾した液滴が着弾位置からずれてしまう場合がある。
また、アセチレングリコール系化合物は、アセチレン基を中心に左右対称の構造を有するものであるのが好ましい。これにより、より少ない添加量で導体パターン形成用インクとセラミックス成形体との接触角を所定の範囲に調整することができる。
このようなアセチレングリコール系化合物としては、例えば、サーフィノール104シリーズ(104E、104H、104PG−50、104PA等)、サーフィノール400シリーズ(420、465、485等)、オルフィンシリーズ(EXP4036、EXP4001、E1010等)(「サーフィノール」および「オルフィン」は、日信化学工業株式会社の商品名)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、インク中には、HLB値が異なる2種以上のアセチレングリコール系化合物を含んでいるのが好ましい。導体パターン形成用インクとセラミックス成形体との接触角を所定の範囲により容易に調整することができる。
特に、インク中に含まれる2種以上のアセチレングリコール系化合物のうち、最もHLB値が高いアセチレングリコール系化合物のHLB値と、最もHLB値が低いアセチレングリコール系化合物のHLB値との差が、4〜12であるのが好ましく、5〜10であるのがより好ましい。これにより、より少ないアセチレングリコール系化合物の添加量で、導体パターン形成用インクとセラミックス成形体との接触角を所定の範囲により容易に調整することができる。
インク中に2種以上のアセチレングリコール系化合物を含むものを用いる場合、最もHLB値の高いアセチレングリコール系化合物のHLB値は、8〜16であるのが好ましく、9〜14であるのがより好ましい。
また、インク中に2種以上のアセチレングリコール系化合物を含むものを用いる場合、最もHLB値の低いアセチレングリコール系化合物のHLB値は、2〜7であるのが好ましく、3〜5であるのがより好ましい。
インク中に含まれるアセチレングリコール系化合物の含有量は、0.001〜1wt%であるのが好ましく、0.01〜0.5wt%であるのがより好ましい。これにより、導体パターン形成用インクとセラミックス成形体との接触角をより効果的に所定の範囲に調整することができる。
[その他の成分]
導体パターン形成用インクは、上記以外の成分を含んでいてもよい。
例えば、導体パターン形成用インクは、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール等の多価アルコールを含んでいてもよい。
また、ポリエチレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール#200(重量平均分子量200)、ポリエチレングリコール#300(重量平均分子量300)、ポリエチレングリコール#400(平均分子量400)、ポリエチレングリコール#600(重量平均分子量600)、ポリエチレングリコール#1000(重量平均分子量1000)、ポリエチレングリコール#1500(重量平均分子量1500)、ポリエチレングリコール#1540(重量平均分子量1540)、ポリエチレングリコール#2000(重量平均分子量2000)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
《液滴吐出装置》
次に、本発明の充填液が適用される液滴吐出装置の一例について説明する。
インクジェット方式による導体パターン形成用インクの吐出は、例えば図1に示すインクジェット装置(液滴吐出装置)50、および、図2に示すインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)70を用いることにより行うことができる。以下に、インクジェット装置50およびインクジェットヘッド70について説明する。
図1は、インクジェット装置50の斜視図である。図1において、X方向はベース52の左右方向であり、Y方向は前後方向であり、Z方向は上下方向である。
インクジェット装置50は、インクジェットヘッド(以下、単にヘッドと呼ぶ)70と、基材S(本実施形態ではセラミックスグリーンシート7)を載置するテーブル46とを有している。なお、インクジェット装置50の動作は、制御装置53により制御されるようになっている。
基材Sを載置するテーブル46は、第1移動手段54によりY方向に移動および位置決め可能とされ、モータ44によりθz方向に揺動および位置決め可能とされている。
一方、ヘッド70は、第2移動手段(図示せず)によりX方向に移動および位置決め可能とされ、リニアモータ62によりZ方向に移動および位置決め可能とされている。また、ヘッド70は、モータ64,66,68により、それぞれα,β,γ方向に揺動および位置決め可能とされている。このような構成のもとにインクジェット装置50は、ヘッド70のインク吐出面70Pと、テーブル46上の基材Sとの相対的な位置および姿勢を、正確にコントロールできるようになっている。
また、テーブル46の裏面には、ラバーヒータ(図示せず)が配設されている。テーブル46上に載置されたセラミックスグリーンシート7は、その上面全体がラバーヒータにて所定の温度に加熱されるようになっている。
ヘッド70は、図2に示すように、インクジェット方式(液滴吐出方式)によってインクをノズル(吐出部)91から吐出するものである。
液滴吐出方式として、圧電体素子としてのピエゾ素子を用いてインクを吐出させるピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式など、公知の種々の技術を適用することができる。このうちピエゾ方式は、インクに熱を加えないため、材料の組成に影響を与えないなどの利点を有する。そこで、図2に示すヘッド70には、前述したピエゾ方式が採用されている。
ヘッド70のヘッド本体90には、リザーバ95およびリザーバ95から分岐された複数のインク室93が形成されている。リザーバ95は、各インク室93に導体パターン形成用インク10(以下単にインク10とも言う)を供給するための流路になっている。
また、ヘッド本体90の下端面には、インク吐出面を構成するノズルプレート(図示せず)が装着されている。このノズルプレートには、インク10を吐出する複数のノズル91が、各インク室93に対応して開口されている。そして、各インク室93から対応するノズル91に向かって、インク流路が形成されている。一方、ヘッド本体90の上端面には、振動板94が装着されている。この振動板94は、各インク室93の壁面を構成している。その振動板94の外側には、各インク室93に対応してピエゾ素子92が設けられている。ピエゾ素子92は、水晶等の圧電材料を一対の電極(不図示)で挟持したものである。その一対の電極は、駆動回路99に接続されている。
そして、駆動回路99からピエゾ素子92に電気信号を入力すると、ピエゾ素子92が膨張変形または収縮変形する。ピエゾ素子92が収縮変形すると、インク室93の圧力が低下して、リザーバ95からインク室93にインク10が流入する。また、ピエゾ素子92が膨張変形すると、インク室93の圧力が増加して、ノズル91からインク10が吐出される。なお、印加電圧を変化させることにより、ピエゾ素子92の変形量を制御することができる。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子92の変形速度を制御することができる。すなわち、ピエゾ素子92への印加電圧を制御することにより、インク10の吐出条件を制御し得るようになっている。
したがって、このようなヘッド70を備えたインクジェット装置50を用いることにより、インク10を、セラミックスグリーンシート7上の所望する場所に所望の量、精度良く吐出し、配することができる。
上述したようなインクジェット装置を長期にわたって休止する際や、インクジェット装置の保管、運搬の際に、そのインクの流路内に、上述したような本発明の充填液を充填することにより、インク流路内が乾燥するのを防止する。
《導体パターン形成用インクの製造方法》
次に、上述したような導体パターン形成用インクの製造方法の一例について説明する。
本実施形態では導体パターン形成用インクは、銀コロイド粒子が水系分散媒中に分散したコロイド液であるとして説明する。
本実施形態のインクを製造する際には、まず、上記分散剤と、還元剤とを溶解した水溶液を調製する。
分散剤の配合量としては、出発物質である硝酸銀のような銀塩中の銀と分散剤とのモル比が1:1〜1:100程度となるように配合することが好ましい。銀塩に対する分散剤のモル比が大きくなると、銀粒子の粒径が小さくなって導体パターン形成後の粒子同士の接触点が増えるため、体積抵抗値の低い被膜を得ることができる。
還元剤は、出発物質である硝酸銀(AgNO3−)のような銀塩中のAgイオンを還元して銀粒子を生成するという働きを有する。
還元剤としては、特に限定されず、例えば、ヒドラジン、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン系;水酸化ホウ素ナトリウム、水素ガス、ヨウ化水素等の水素化合物系;一酸化炭素、亜硫酸次亜リン酸等の酸化物系、Fe(II)化合物、Sn(II)化合物等の低原子価金属塩系、D−グルコースのような糖類、ホルムアルデヒド等の有機化合物系、あるいは上記の分散剤として挙げたヒドロキシ酸であるクエン酸、りんご酸や、ヒドロキシ酸塩であるクエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、クエン酸三アンモニウム、りんご酸二ナトリウムやタンニン酸等が挙げられる。中でも、タンニン酸や、ヒドロキシ酸は還元剤として機能すると同時に分散剤としての効果を発揮するため好適に用いることができる。あるいは、金属表面で安定した結合を形成する分散剤として上記に挙げたメルカプト酸であるメルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、チオジプロピオン酸、メルカプトコハク酸、チオ酢酸やメルカプト酸塩であるメルカプト酢酸ナトリウム、メルカプトプロピオン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ナトリウム、メルカプトコハク酸ナトリウム、メルカプト酢酸カリウム、メルカプトプロピオン酸カリウム、チオジプロピオン酸カリウム、メルカプトコハク酸カリウム等を好適に用いることができる。これらの分散剤や還元剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの化合物を使用する際には、光や熱を加えて還元反応を促進させてもよい。
また、還元剤の配合量としては、上記出発物質である銀塩を完全に還元できる量が必要であるが、過剰な還元剤は不純物として銀コロイド液中に残存してしまい、成膜後の導電性を悪化させる等の原因となるため、必要最小限の量が好ましい。具体的な配合量としては、上記銀塩と還元剤とのモル比が1:1〜1:3程度である。
本実施形態において、分散剤と還元剤とを溶解して水溶液を調製した後、この水溶液のpHを6〜12に調整することが好ましい。
これは、以下のような理由による。例えば、分散剤であるクエン酸三ナトリウムと還元剤である硫酸第一鉄とを混合した場合、全体の濃度にもよるがpHは大体4〜5程度と、上記したpH6を下回る。このとき存在する水素イオンは、下記反応式(1)で表される反応の平衡を右辺に移動させ、COOHの量が多くなる。したがって、その後、銀塩溶液を滴下して得られる銀粒子表面の電気的反発力が減少し、銀粒子(コロイド粒子)の分散性が低下してしまう。
−COO+H → −COOH…(1)
そこで、分散剤と還元剤とを溶解して水溶液を調製した後、この水溶液にアルカリ性の化合物を添加し、水素イオン濃度を低下させる。
添加するアルカリ性の化合物としては、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水等を用いることができる。これらの中では、少量で容易にpHを調整できる水酸化ナトリウムが好ましい。
なお、アルカリ性の化合物の添加量が多すぎて、pHが10を超えると、鉄イオンのような残存している還元剤のイオンの水酸化物の沈殿が起こりやすくなる。
次に、本実施形態のインクの製造工程では、調製した分散剤と還元剤とが溶解した水溶液に銀塩を含む水溶液を滴下する。
銀塩としては、特に限定されず、例えば、酢酸銀、炭酸銀、酸化銀、硫酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、硫化銀、クロム酸銀、硝酸銀、二クロム酸銀等を用いることができる。これらの中では、水への溶解度が大きい硝酸銀が好ましい。
また、銀塩の量は、目的とするコロイド粒子の含有量、および、還元剤により還元される割合を考慮して定められるが、例えば、硝酸銀の場合、水溶液100重量部に対して15〜70重量部程度とするのが好ましい。
銀塩水溶液は、上記銀塩を純水に溶かすことにより調製し、調製した銀塩の水溶液を徐々に前述した分散剤と還元剤とが溶解した水溶液中に滴下する。
この工程において、銀塩は還元剤により銀粒子に還元され、さらに、該銀粒子の表面に分散剤が吸着して銀コロイド粒子が形成される。これにより、銀コロイド粒子が水溶液中にコロイド状に分散した水溶液が得られる。
得られた溶液中には、コロイド粒子のほかに、還元剤の残留物や分散剤が存在しており、液全体のイオン濃度が高くなっている。このような状態の液は、凝析が起こり、沈殿しやすい。そこで、このような水溶液中の余分なイオンを取り除いてイオン濃度を低下させるために、洗浄を行うことが望ましい。
洗浄の方法としては、例えば、得られたコロイド粒子を含む水溶液を一定期間静置し、生じた上澄み液を取り除いた上で、純水を加えて再度攪拌し、さらに一定期間静置して生じた上澄み液を取り除く工程を幾度が繰り返す方法、上記静置の代わりに遠心分離を行う方法、限外濾過等でイオンを取り除く方法等を挙げることができる。
あるいは、次のような方法で洗浄を行ってもよい。溶液を製造した後に溶液のpHを5以下の酸性の領域に調整し、上記反応式(1)の反応の平衡を右辺に移動させることで銀粒子表面の電気的反発力を減少させ、積極的に金属コロイド粒子を凝集させた状態で洗浄を行い、塩類や溶媒を除去することができる。メルカプト酸のような低分子量の硫黄化合物を分散剤として粒子表面に有する金属コロイド粒子であれば金属表面で安定した結合を形成するため、凝集した金属コロイド粒子は、溶液のpHを6以上のアルカリ性の領域に再調整することにより、容易に再分散し、分散安定性に優れた金属コロイド液を得ることができる。
本実施形態のインクの製造過程では、上記工程の後、必要により銀コロイド粒子が分散した水溶液に水酸化アルカリ金属水溶液を添加し、最終的なpHを6〜11に調整することが好ましい。
これは、還元後に洗浄を行ったため、電解質イオンであるナトリウム濃度が減少している場合があり、このような状態の溶液では、下記反応式(2)で表される反応の平衡が右辺へ移動する。このままでは、銀コロイドの電気的反発力が減少して銀粒子の分散性が低下するため、適当量の水酸化アルカリを添加することにより、反応式(2)の平衡を左辺に移動させ、銀コロイドを安定化させるのである。
−COONa+HO → −COOH+Na+OH…(2)
このときに使用する上記水酸化アルカリ金属としては、例えば、最初にpHを調整する際に用いた化合物と同様の化合物を挙げることができる。
pHが6未満では、反応式(2)の平衡が右辺に移動するため、コロイド粒子が不安定化し、一方、pHが11を超えると、鉄イオンのような残存しているイオンの水酸化塩の沈殿が起こりやすくなるため好ましくない。ただし、予め鉄イオン等を取り除いておけば、pHが11を超えても大きな問題はない。
なお、ナトリウムイオン等の陽イオンは水酸化物の形で加えるのが好ましい。これは、水の自己プロトリシスを利用できるため最も効果的にナトリウムイオン等の陽イオンを水溶液中に加えることができるからである。
以上のようにして得られた銀コロイド粒子が分散した水溶液に、前述したような糖アルコール等の他の成分を添加することにより、導体パターン形成用インクを得る。
《導体パターン》
次に、導体パターンについて説明する。
本実施形態の導体パターンは、上述したようなインクジェット装置を用いて、上記インクをセラミックス成形体上に付与した後、加熱することにより形成される薄膜状の導体パターンであって、銀粒子が相互に結合されてなり、少なくとも導体パターン表面において銀粒子同士が隙間なく結合している。
特に、当該導体パターンは、上記のような導体パターン形成用インクを用いて形成されるので、吐出不良による断線や隣接する導体パターン同士の接触等が防止されるとともに、クラック、断線等がなく、均質なものとなり、特に信頼性が高いものとなる。
本実施形態の導体パターンは、上記インクを液滴吐出法によりセラミックス成形体上に付与し、パターン(前駆体)を形成した後、乾燥(脱水系分散媒)させ、その後、焼結することにより形成される。
乾燥条件としては、例えば、40〜100℃で行うのが好ましく、50〜70℃で行うのがより好ましい。このような条件とすることにより、乾燥した際に、クラックが発生するのをより効果的に防止することができる。また、焼結は、160℃以上で20分以上加熱すればよい。なお、このパターンの焼結は、セラミックス成形体の脱脂、焼結とともに行うことができる。
導体パターンの比抵抗は、20μΩcm未満であることが好ましく、15μΩcm以下であることがより好ましい。このときの比抵抗は、インクの付与後、160℃で加熱、乾燥した後の比抵抗をいう。上記比抵抗が20μΩcm以上になると、導電性が要求される用途、すなわち回路基板上に形成する電極等に用いることが困難となる。
また、本実施形態の導体パターンを形成する際には、液滴吐出方法によりインクを付与してから予備加熱して水等の分散媒を蒸発させ、予備加熱後の膜の上に再度インクを付与する、といった工程を繰り返し行うことで、厚膜の導体パターンを形成することもできる。
水等の分散媒を蒸発させた後のインクには、上述したようなポリグリセリン化合物と銀コロイド粒子が残存しているので、形成されたパターンが完全に乾燥しない状態でもパターンが流失してしまうおそれがない。従って、一旦、インクを付与して乾燥してから長時間放置し、その後、再度インクを付与することが可能になる。
また、上述したようなポリグリセリン化合物は、化学的、物理的に安定な化合物であるので、インクを付与して乾燥してから長時間放置してもインクが変質するおそれがなく、再度インクを付与することが可能になり、均質なパターンを形成できる。これにより、導体パターン自体が多層構造になるおそれがなく、層間同士の間の比抵抗が上昇して導体パターン全体の比抵抗が増大するおそれがない。
上記の工程を経ることによって、本実施形態の導体パターンは、従来のインクによって形成された導体パターンに比べて厚く形成することができる。より具体的には5μm以上の厚みのものを形成することができる。本実施形態の導体パターンは上記インクにより形成されるものであるので、5μm以上の厚膜に形成してもクラックの発生が少なく、低比抵抗の導体パターンを構成することができる。なお、厚みの上限については特に規定する必要はないが、過剰に厚くなると水系分散媒やポリグリセリン化合物の除去が難しくなって比抵抗が増大するおそれがあるので、100μm以下程度にするのが良い。
更に、本実施形態の導体パターンは、上述したような基板に対する密着性が良好である。
なお、上記のような導体パターンは、携帯電話やPDA等の移動通話機器の高周波モジュール、インターポーザー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、加速度センサー、弾性表面波素子、アンテナや櫛歯電極等の異形電極、その他各種計測装置等の電子部品等に適用することができる。
《配線基板およびその製造方法》
次に、導体パターン形成用インクによって形成された導体パターンを有する配線基板(セラミックス回路基板)およびその製造方法の一例について説明する。
本実施形態に係る配線基板は、各種の電子機器に用いられる電子部品となるもので、各種配線や電極等からなる回路パターン、積層セラミックスコンデンサ、積層インダクター、LCフィルタ、複合高周波部品等を基板に形成してなるものである。
図3は、本発明の配線基板(セラミックス回路基板)の一例を示す縦断面図、図4は、図3に示す配線基板(セラミックス回路基板)の製造方法の、概略の工程を示す説明図、図5は、図3の配線基板(セラミックス回路基板)の、製造工程説明図、図4は、インクジェット装置(液滴吐出装置)の概略構成を示す斜視図、図5は、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)の概略構成を説明するための模式図である。
図3に示すように、セラミックス回路基板(配線基板)1は、セラミックス基板2が多数(例えば10枚から20枚程度)積層されてなる積層基板3と、この積層基板3の最外層、すなわち一方の側の表面に形成された、微細配線等からなる回路4とを有して形成されたものである。
積層基板3は、積層されたセラミックス基板2、2間に、導体パターン形成用インク(以下、単にインクと記す)により形成された回路(導体パターン)5を備えている。
また、これら回路5には、これに接続するコンタクト(ビア)6が形成されている。このような構成によって回路5は、上下に配置された回路5、5間が、コンタクト6によって導通したものとなっている。なお、回路4も、回路5と同様に、上記導体パターン形成用インクにより形成されたものとなっている。
次に、セラミックス回路基板1の製造方法を、図4の概略工程図を参照して説明する。
まず、原料粉体として、平均粒径が1〜2μm程度のアルミナ(Al)や酸化チタン(TiO)等からなるセラミックス粉末と、平均粒径が1〜2μm程度のホウ珪酸ガラス等からなるガラス粉末とを用意し、これらを適宜な混合比、例えば1:1の重量比で混合する。
次に、得られた混合粉末に適宜なバインダー(結合剤)や可塑剤、有機溶剤(分散剤)等を加え、混合・撹拌することにより、スラリーを得る。ここで、バインダーとしては、ポリビニルブチラールが好適に用いられるが、これは水に不溶であり、かつ、いわゆる油系の有機溶媒に溶解しあるいは膨潤し易いものである。
次に、得られたスラリーを、ドクターブレード、リバースコーター等を用いてPETフィルム上にシート状に形成し、製品の製造条件に応じて数μm〜数百μm厚のシートに成形し、その後、ロールに巻き取る。
続いて、製品の用途に合わせて切断し、さらに所定寸法のシートに裁断する。本実施形態では、例えば1辺の長さを200mmとする正方形状に裁断する。
次に、必要に応じて所定の位置に、COレーザー、YAGレーザー、機械式パンチ等によって孔開けを行うことでスルーホールを形成する。
そして、このスルーホールに、金属粒子が分散した厚膜導電ペーストを充填することにより、コンタクト6となるべき部位を形成する。さらに、厚膜導電ペーストをスクリーン印刷によって所定の位置に端子部(図示せず)を形成する。このようにしてコンタクト、端子部までを形成することにより、セラミックグリーンシート(セラミックス成形体)7を得る。なお、厚膜導電ペーストとしては、本発明の導体パターン形成用インクを用いることができる。
以上のようにして得られたセラミックスグリーンシート7の一方の側の表面に、導体パターンとなる回路5の前駆体を、前記コンタクトに連続した状態に形成する。すなわち、図5(a)に示すようにセラミックスグリーンシート7上に、導体パターン形成用インク10を、図1に示すようなインクジェット装置50により付与し、前記回路5となる前駆体11を形成する。
前駆体11の形成の際、セラミックスグリーンシート7に着弾したインク10は、その表面側から水系分散媒の少なくとも一部が蒸発する。このとき、セラミックスグリーンシート7は、インクジェット装置50のテーブル46の裏面に設けられたラバーヒータにより加熱されているので、水系分散媒の蒸発が促進される。そして、セラミックスグリーンシート7に着弾したインク10は、乾燥とともにその表面の外縁から増粘し、つまり、中央部に比べて外周部における固形分(粒子)濃度が速く飽和濃度に達することから表面の外縁から増粘していく。外縁の増粘したインク10は、セラミックスグリーンシート7の面方向に沿う自身の濡れ広がりを停止するため、着弾径しいては線幅の制御が容易になる。
この加熱温度は、前述した乾燥条件と同様となっている。
このようにして前駆体11を形成したら、同様の工程により、前駆体11を形成したセラミックスグリーンシート7を必要枚数、例えば10枚から20枚程度作製する。
次いで、これらセラミックスグリーンシート7からPETフィルムを剥がし、図4に示すようにこれらを積層する。このとき、積層するセラミックスグリーンシート7については、上下に重ねられるセラミックスグリーンシート7間で、それぞれの前駆体11が必要に応じてコンタクト6を介して接続するように配置する。その後、セラミックスグリーンシート7を構成するバインダーのガラス転移点以上に加熱しつつ、各セラミックスグリーンシート7同士を圧着する。これにより、積層体12を得る。
このようにして積層体12を形成したら、例えば、ベルト炉などによって加熱処理する。これにより、各セラミックスグリーンシート7は焼結されることで、図5(b)に示すようにセラミックス基板2(本発明の配線基板)となり、また、前駆体11は、これを構成する銀コロイド粒子が焼結して配線パターンや電極パターンからなる回路(導体パターン)5となる。そして、このように積層体12が加熱処理されることで、この積層体12は図3に示した積層基板3となる。
ここで、積層体12の加熱温度としては、セラミックスグリーンシート7中に含まれるガラスの軟化点以上とするのが好ましく、具体的には、600℃以上900℃以下とするのが好ましい。また、加熱条件としては、適宜な速度で温度を上昇させ、かつ下降させるようにし、さらに、最大加熱温度、すなわち前記の600℃以上900℃以下の温度では、その温度に応じて適宜な時間保持するようにする。
このようにガラスの軟化点以上の温度、すなわち前記温度範囲にまで加熱温度を上げることにより、得られるセラミックス基板2のガラス成分を軟化させることができる。したがって、その後常温にまで冷却し、ガラス成分を硬化させることにより、積層基板3を構成する各セラミックス基板2と回路(導体パターン)5との間がより強固に固着するようになる。
また、このような温度範囲で加熱することにより、得られるセラミックス基板2は、900°以下の温度で焼結されて形成された、低温焼結セラミックス(LTCC)となる。
ここで、セラミックスグリーンシート7上に配されたインク10中の金属は、加熱処理によって互いに融着し、連続することによって導電性を示すようになる。
このような加熱処理によって回路5は、セラミックス基板2中のコンタクト6に直接接続させられ、導通させられて形成されたものとなる。ここで、この回路5が単にセラミックス基板2上に載っているだけでは、セラミックス基板2に対する機械的な接続強度が確保されず、したがって衝撃等によって破損してしまうおそれがある。しかしながら、本実施形態では、前述したようにセラミックスグリーンシート7中のガラスを一旦軟化させ、その後硬化させることにより、回路5をセラミックス基板2に対し強固に固着させている。したがって、形成された回路5は、機械的にも高い強度を有するものとなる。
なお、このような加熱処理により、回路4についても前記回路5と同時に形成することができ、これによってセラミックス回路基板1を得ることができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、充填液は、液滴吐出装置を洗浄する洗浄液として用いてもよい。
また、前述した実施形態では、金属粒子を溶媒に分散してなる分散液として、コロイド液を用いる場合について説明したが、コロイド液でなくてもよい。
また、前述した実施形態では、導体パターン形成用インクは、銀粒子が分散したものとして説明したが、銀以外のものであってもよい。金属粒子に含まれる金属としては、例えば、銀、銅、パラジウム、白金、金、または、これらの合金等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。金属粒子が合金である場合、前記金属が主とするもので、多の金属を含む合金であってもよい。また、上記金属同士が任意の割合で混ざった合金であってもよい。また、混合粒子(例えば、銀粒子と銅粒子とパラジウム粒子とが任意の比率で存在するもの)が液中に分散したものであってもよい。これら金属は、抵抗率が小さく、かつ、加熱処理によって酸化されない安定なものであるから、これらの金属を用いることにより、低抵抗で安定な導体パターンを形成することが可能になる。
また、前述した実施形態では、セラミックス成形体に導体パターン形成用インクを付与し、焼結することにより、セラミックス基板と導体パターンを形成するものとして説明したが、これら以外の基板を用いてもよい。導体パターンの形成に用いられる基板としては、基板としては特に限定されず、例えば、セラミックス焼結体、アルミナ焼結体、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ガラスエポキシ樹脂、ガラス等からなる基板等が挙げられる。また、セラミックス基板に直接導体パターン形成用インクを付与するものであってもよい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
[1]充填液および導体パターン形成用インクの調製
各実施例および各比較例における導体パターン形成用インクは、以下のようにして製造した。
(実施例1)
[充填液の調製]
イオン交換水と、糖アルコールAとしてのキシリトールと、界面活性剤AとしてのオルフィンEXP4036(日信化学工業社製、アセチレン基を中心に左右対称の構造を有するアセチレングリコール系化合物を80wt%含有)とを表1に示す配合量で混合することにより、充填液を得た。
[導体パターン形成用インクの調製]
10N−NaOH水溶液を3mL添加してアルカリ性にした水50mLに、クエン酸3ナトリウム2水和物17g、タンニン酸0.36gを溶解した。得られた溶液に対して3.87mol/L硝酸銀水溶液3mLを添加し、2時間攪拌を行い銀コロイド液を得た。得られた銀コロイド液に対し、導電率が30μS/cm以下になるまで透析することで脱塩を行った。透析後、3000rpm、10分の条件で遠心分離を行うことで、粗大金属コロイド粒子を除去した。
この銀コロイド液に、糖アルコールBとしてのキシリトールと、重量平均分子量500のポリグリセリンと、界面活性剤Bとしてのサーフィノール104PG50(日信化学工業社製)およびオルフィンEXP4036(日信化学工業社製)とを添加した。このときの銀コロイド液のpHが6〜11の範囲にないときは、1N−NaOH水溶液を用いて銀コロイド液のpHを6〜11に調整した。さらに濃度調整用のイオン交換水を添加して調整し、導体パターン形成用インクとした。なお、各成分の配合量を表2に示す。
(実施例2)
糖アルコールA、糖アルコールBとしてソルビトールを用いた以外は、前記実施例1と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
(実施例3)
糖アルコールA、糖アルコールBとして、キシリトールおよびマルチトールを用いた以外は、前記実施例1と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
(実施例4)
糖アルコールA、糖アルコールBとして、キシリトールおよびラクチトールを用いた以外は、前記実施例1と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
(実施例5)
糖アルコールA、糖アルコールBとして、ソルビトールおよびマルチトールを用いた以外は、前記実施例1と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
(実施例6)
糖アルコールA、糖アルコールBとして、ソルビトールおよびラクチトールを用いた以外は、前記実施例1と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
(実施例7〜9)
糖アルコールAの含有量を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして洗浄液および導体パターン形成用インクを調製した。
(実施例10〜12)
界面活性剤Aの含有量を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
(実施例13〜15)
界面活性剤Aの含有量を表1に示すように変更した以外は、前記実施例3と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
(実施例16)
界面活性剤Aとして、オルフィンEXP4001(日信化学工業社製、アセチレン基を中心に左右対称の構造を有するアセチレングリコール系化合物を80wt%含有)を用いた前記実施例1と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
(実施例17〜19)
界面活性剤Aとして、サーフィノール104PG50(日信化学工業社製、アセチレン基を中心に左右対称の構造を有するアセチレングリコール系化合物を50wt%含有)を用い、その含有量を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
(実施例20)
充填液を以下のように調製した以外は、前記実施例1と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
[充填液の調製]
イオン交換水と、糖アルコールAとしてのキシリトールと、界面活性剤AとしてのオルフィンEXP4036(日信化学工業社製、アセチレン基を中心に左右対称の構造を有するアセチレングリコール系化合物を80wt%含有)と、クエン酸3ナトリウム2水和物とを表1に示す配合量で混合することにより、充填液を得た。
(実施例21)
クエン酸3ナトリウム2水和物の代わりに、メルカプト酢酸を用いた以外は、前記実施例16と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
(実施例22)
導体パターン形成用インクを以下のように調製した以外は、前記実施例1と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
50mmol/Lの濃度の硝酸銀水溶液:1000mLを撹拌しながら、低分子量の硫黄化合物としてメルカプト酢酸:3.0gを添加した後、26wt%アンモニア水にて水溶液のpHを10.0に調整した。室温下、この水溶液に還元剤として400mmol/Lの濃度の水素化ホウ素ナトリウム水溶液:50mLを急速に添加することにより還元反応を行いメルカプト酢酸を粒子表面に有する銀コロイド粒子を溶液中で生成させた。
こうして得られたコロイド溶液を20wt%硝酸を用いてpHを3.0に調整し、銀コロイド粒子を沈降させた後、真空濾過器で濾別し、濾液の電気伝導度が10.0μS/cm以下になるまで水洗して、銀コロイド粒子の湿ケーキを得た。
この銀コロイド粒子の湿ケーキを濃度が10wt%になるように水に添加し、撹拌しながら26wt%アンモニア水にてpHを9.0に調整して再分散させて、さらに濃縮して銀コロイド液を得た。
以下、実施例1と同様にして導体パターン形成用インクを調製した。
(比較例1)
充填液の調製において糖アルコールAを添加しなかった以外は、前記実施例1と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
(比較例2)
充填液の調製において界面活性剤Aを添加しなかった以外は、前記実施例1と同様にして充填液および導体パターン形成用インクを調製した。
表1に各実施例および各比較例の充填液の組成、表2の各実施例および各比較例の導体パターン形成用インクの組成を示す。なお、表中、キシリトールをXY、ソルビトールをSB、マルチトールをML、ラクチトールをRAと示した。また、オルフィンEXP4036を4036、オルフィンEXP4001を4001、サーフィノール104PG50を104と示した。
また、表中には、各実施例および各比較例で得られた充填液および導体パターン形成用インクの粘度および表面張力の値を合わせて示した。なお、「粘度」の欄には、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定された25℃における粘度を示し、「表面張力」の欄には、JIS K 3362に準拠して測定される25℃における表面張力を示した。
Figure 2009136845
Figure 2009136845
[2]充填液の置換性評価1
図1、図2に示すようなインクジェット装置を構成するインクジェットヘッドのインク流路内に各実施例および各比較例で得られた充填し、当該インクジェットヘッドを室温25℃、相対湿度50%、クラス100のクリーンルーム内に24時間放置した。
次に、上記インクジェットヘッドを用いて、図1、図2に示すようなインクジェット装置を組み立て、インクジェットヘッド内の充填液を排出した。
充填液を排出した後、5分間放置し、各実施例および各比較例の導体パターン形成用インクをインクジェットヘッド内に充填した。その後、インクジェットヘッドのノズルから、10000発(10000滴)の液滴の連続吐出を行った。インクジェットヘッドのノズルから吐出された液滴の総重量を求め、ノズルから吐出された液滴の平均吐出量の差の絶対値ΔW[ng]を求めた。このΔWの、液滴の目標吐出量W[ng]に対する比率(ΔW/W)を求め、以下の4段階の基準に従い、評価した。ΔW/Wの値が小さいほど、液滴吐出量の安定性に優れていると言える。すなわち、気泡の混入等の不具合が無く、インクの充填が好適に行われたと考えられる。
A:ΔW/Wの値が、0.020未満。
B:ΔW/Wの値が、0.020以上、0.420未満。
C:ΔW/Wの値が、0.420以上、0.720未満。
D:ΔW/Wの値が、0.720以上。
[3]充填液の置換性評価2
図1、図2に示すようなインクジェット装置を構成するインクジェットヘッドのインク流路内に各実施例および各比較例で得られた充填し、当該インクジェットヘッドを室温25℃、相対湿度50%、クラス100のクリーンルーム内に24時間放置した。
次に、上記インクジェットヘッドを用いて、図1、図2に示すようなインクジェット装置を組み立てた後、インクジェット装置のインクの流路に同じインクを再び充填した。充填は、インクの流路内に、導体パターン形成用インクを1.0ml/minの流速で、300秒間流すことによって行った。
その後、インクジェットヘッドのノズルから、10000発(10000滴)の液滴の連続吐出を行った。インクジェットヘッドのノズルから吐出された液滴の総重量を求め、ノズルから吐出された液滴の平均吐出量の差の絶対値ΔW[ng]を求めた。このΔWの、液滴の目標吐出量W[ng]に対する比率(ΔW/W)を求め、以下の4段階の基準に従い、評価した。ΔW/Wの値が小さいほど、液滴吐出量の安定性に優れていると言える。すなわち、インク中の銀粒子の凝集等の不具合が生じずに、インクの充填が好適に行われたと考えられる。
A:ΔW/Wの値が、0.020未満。
B:ΔW/Wの値が、0.020以上、0.420未満。
C:ΔW/Wの値が、0.420以上、0.720未満。
D:ΔW/Wの値が、0.720以上。
これらの結果を表3に示す。
Figure 2009136845
表3から明らかなように、本発明の充填液は、導体パターン形成用インクとの置換性に優れていた。これに対し、各比較例では、満足な結果が得られなかった。
インクジェット装置の概略構成を示す斜視図である。 インクジェットヘッドの概略構成を説明するための模式図である。 本発明の配線基板(セラミックス回路基板)の一例を示す縦断面図である。 図3に示す配線基板(セラミックス回路基板)の製造方法の、概略の工程を示す説明図である。 図3の配線基板(セラミックス回路基板)の、製造工程説明図である。
符号の説明
1…セラミックス回路基板(配線基板) 2…セラミックス基板 3…積層基板 4、5…回路(導体パターン) 6…コンタクト 7…セラミックスグリーンシート 10…導体パターン形成用インク(インク) 11…前駆体 12…積層体 44…モータ 46…テーブル 50…インクジェット装置(液滴吐出装置) 52…ベース 53…制御装置 54…第1移動手段 62…リニアモータ 64、66、68…モータ 70…インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド、ヘッド) 70P…インク吐出面 90…ヘッド本体 91…ノズル(突出部) 92…ピエゾ素子 93…インク室 94…振動板 95…リザーバ 99…駆動回路 S…基材

Claims (12)

  1. インクジェット方式による導体パターンの形成に用いられ、金属粒子が水系分散媒に分散した導体パターン形成用インクを吐出する液滴吐出装置を保管する際に、該液滴吐出装置内を充填する充填液であって、
    前記水系分散媒と、糖アルコールAと、界面活性剤Aとを含むことを特徴とする充填液。
  2. 前記導体パターン形成用インクは、糖アルコールBを含み、
    充填液中に含まれる前記糖アルコールAは、前記導体パターン形成用インク中に含まれる前記糖アルコールBと同種のものを含む請求項1に記載の充填液。
  3. 前記導体パターン形成用インクは、界面活性剤Bを含み、
    充填液中に含まれる前記界面活性剤Aは、前記導体パターン形成用インク中に含まれる前記界面活性剤Bを構成する成分の少なくとも一部を含むものである請求項1または2に記載の充填液。
  4. 前記糖アルコールAは、キシリトールおよび/またはソルビトールを含む請求項1ないし3のいずれかに記載の充填液。
  5. 充填液中における前記糖アルコールAの含有量は、3〜25wt%である請求項1ないし4のいずれかに記載の充填液。
  6. 前記界面活性剤Aの親水親油バランス(HLB)は、8〜16である請求項1ないし5のいずれかに記載の充填液。
  7. 前記界面活性剤Aは、アセチレングリコール系化合物を含む請求項1ないし6のいずれかに記載の充填液。
  8. 前記アセチレングリコール系化合物は、アセチレン基を中心に左右対称の構造を有するものである請求項7に記載の充填液。
  9. 充填液中における前記界面活性剤Aの含有量は、0.05〜5wt%である請求項1ないし8のいずれかに記載の充填液。
  10. COOH基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COOH基の数がOH基の数と同数またはCOOH基の数がOH基の数よりも多いヒドロキシ酸またはその塩を含む請求項1ないし9のいずれかに記載の充填液。
  11. COOH基とSH基とを合わせて2個以上有するメルカプト酸またはその塩を含む請求項1ないし10のいずれかに記載の充填液。
  12. 前記充填液の表面張力は、20〜50dyn/cmであって、
    充填液の表面張力は前記導体パターン形成用インクの表面張力以下である請求項1ないし11のいずれかに記載の充填液。
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