JP5076868B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、近年、セラミックス成形体上へのパターン形成の方法として、液体吐出ヘッドから金属粒子を含む液体材料(導体パターン形成用インク)を液滴状に吐出する液滴吐出法、いわゆるインクジェット法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明の配線基板の製造方法は、液滴吐出法により、水系分散媒と水系分散媒に分散した金属粒子と糖アルコールとを含む導体パターン形成用インクを、セラミックス粒子とバインダーとを含む材料で構成されたセラミックス成形体上に、所定のパターンで付与するインク付与工程と、
前記パターンが形成された前記セラミックス成形体を、複数枚加温下で圧着することにより積層して積層体を形成する積層体形成工程と、
前記積層体を焼結することにより、セラミックス基板と導体パターンとを有する配線基板を形成する焼結工程とを有し、
前記糖アルコールの融点は、前記セラミックス成形体に含まれるバインダーのガラス転移温度よりも高いものであり、
前記積層体形成工程での前記セラミックス成形体の温度は、前記バインダーのガラス転移温度より高く、前記糖アルコールの融点より低いものであることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い導体パターンを備えた配線基板の製造方法を提供することができる。
これにより、信頼性の特に高い導体パターンを備えた配線基板の製造方法を提供することができる。
本発明の配線基板の製造方法では、前記インク付与工程は、前記セラミックス成形体を、40〜80℃に加温するものであることが好ましい。
これにより、より微細なパターンを容易に形成することができ、より信頼性の高い導体パターンを製造することができる。
前記セラミックス成形体は、導体パターン形成用インクが付与された状態で積層されて焼結されるものであり、
水系分散媒と、水系分散媒に分散した金属粒子と、糖アルコールとを含み、
前記糖アルコールの融点は、前記セラミックス成形体に含まれる前記バインダーのガラス転移温度よりも高いことを特徴とする。
これにより、液滴の吐出安定性に優れ、信頼性の高い導体パターンを形成できる導体パターン形成用インクを提供することができる。
これにより、導体パターン形成用インクの保水性を特に優れたものとしつつ、糖アルコールが結晶として析出することをより確実に防止でき、形成する導体パターンでの断線、クラックの発生をより確実に防止することができる。
これにより、液滴の吐出安定性を特に優れたものとすることができ、形成される導体パターンの信頼性を特に高いものとすることができる。
本発明の導体パターン形成用インクでは、前記糖アルコールとして、二糖由来の糖アルコールを含むものであることが好ましい。
これにより、糖アルコールが結晶として析出することをより確実に防止でき、形成する導体パターンでの断線、クラックの発生をより確実に防止することができる。
これにより、糖アルコールが結晶として析出することをより確実に防止でき、形成する導体パターンでの断線、クラックの発生をより確実に防止することができる。
本発明の導体パターン形成用インクでは、導体パターン形成用インクは、ポリグリセリン化合物を含むものであることが好ましい。
これにより、糖アルコールが結晶として析出することをより確実に防止でき、形成する導体パターンでの断線、クラックの発生をより確実に防止することができる。
これにより、糖アルコールが結晶として析出することをより確実に防止でき、形成する導体パターンでの断線、クラックの発生をより確実に防止することができる。
本発明の導体パターン形成用インクでは、前記セラミックス成形体の前記バインダーは、ポリビニルブチラールを含むものであることが好ましい。
ポリビニルブチラールは、本発明の導体パターン形成用インクと適度な親和性を有するため、所望の形状のパターンをより正確に形成することができ、形成される導体パターンは、信頼性の特に高いものとなる。
これにより、信頼性の高い導体パターンを提供することができる。
本発明の配線基板は、本発明の導体パターンが備えられてなることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い配線基板を提供することができる。
本発明の配線基板は、本発明の配線基板の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
これにより、信頼性の高い配線基板を提供することができる。
まず、本発明の配線基板の製造方法に先立ち、配線基板の製造に用いられる導体パターン形成用インクおよび導体パターン形成用インクの製造方法について説明する。
《導体パターン形成用インク》
本発明の導体パターン形成用インクは、セラミックス基板上に導体パターンを形成するのに用いるインクであり、特に、液滴吐出法によって導体パターンを形成するのに用いるインクである。また、本実施形態では、セラミックスとバインダーとを含む材料で構成されたシート状のセラミックス成形体(セラミックスグリーンシート)に導体パターン形成用インクを付与するものとして説明する。なお、セラミックス成形体およびセラミックス成形体に付与されたインクのパターン(前駆体)は、後述するように焼結処理され、それぞれセラミックス基板および導体パターンとなる。
導体パターン形成用インク(以下、単にインクともいう)は、水系分散媒と、水系分散媒に分散した銀粒子と、糖アルコールとを含むものである。
[水系分散媒]
まず、水系分散媒について説明する。
本発明において、「水系分散媒」とは、水および/または水との相溶性に優れる液体(例えば、25℃における水100gに対する溶解度が30g以上の液体)で構成されたもののことを指す。このように、水系分散媒は、水および/または水との相溶性に優れる液体で構成されたものであるが、主として水で構成されたものであるのが好ましく、特に、水の含有率が70wt%以上のものであるのが好ましく、90wt%以上のものであるのがより好ましい。
また、導体パターン形成用インク中における水系分散媒の含有量は、25〜60wt%であることが好ましく、30〜50wt%であることがより好ましい。これにより、インクの粘度を好適なものとしつつ、分散媒の揮発による粘度の変化を少ないものとすることができる。
次に、銀粒子(金属粒子)について説明する。
銀粒子は、形成される導体パターンの主成分であり、導体パターンに導電性を付与する成分である。
また、銀粒子は、インク中において分散している。
また、インク中に含まれる銀粒子(分散剤が表面に吸着していない銀粒子)の含有量は、0.5〜60wt%であるのが好ましく、10〜45wt%であるのがより好ましい。これにより、導体パターンの断線をより効果的に防止することができ、より信頼性の高い導体パターンを提供することができる。
また、銀粒子(金属粒子)は、その表面に分散剤が付着した銀コロイド粒子(金属コロイド粒子)として、水系分散媒中に分散していることが好ましい。これにより、銀粒子の水系分散媒への分散性が特に優れたものとなり、インクの液滴吐出性が特に優れたものとなる。
また、分散剤は、COOH基とSH基とを合わせて2個以上有するメルカプト酸またはその塩を含んでいてもよい。これらの分散剤は、メルカプト基が銀微粒子の表面に吸着してコロイド粒子を形成し、分散剤中に存在するCOOH基の電気的反発力によってコロイド粒子を水溶液中に均一に分散させてコロイド液を安定化する働きを有する。このように、銀コロイド粒子が安定してインク中に存在することにより、より容易に微細な導体パターンを形成することができる。また、インクによって形成されたパターン(前駆体)において銀粒子が均一に分布し、クラック、断線等が発生しにくいものとなる。これに対して、分散剤中のCOOH基とSH基の数が2個未満すなわち片方のみであると、銀コロイド粒子の分散性が十分に得られない場合がある。
なお、銀コロイド粒子の形成については、後に詳述する。
本発明の導体パターン形成用インクには、糖アルコールが含まれている。
糖アルコールは、糖類のアルデヒド基およびケトン基を還元して得られるものである。
ところで、従来の導体パターン形成用インクを用いてパターンを形成した場合、吐出部付近で水系分散媒が揮発しやすく、液滴の吐出が不安定なものとなってしまう。このため、均一な膜厚、線幅のパターンを形成するのが難しいものであった。この結果、セラミックス成形体の積層時や焼結時において、パターンの薄い部分等からクラック等が発生し、形成される導体パターンは、クラック、断線等が多く信頼性の劣るものであった。
また、糖アルコールは、分子量あたりの酸素数が多いため、雰囲気が糖アルコールの分解温度に達すると、容易に分解して除去される。このため、導体パターンを形成する際には、パターンの温度を糖アルコールの分解温度よりも高くすることで、導体パターン内から糖アルコールを確実に除去(酸化分解)することができる。
このため、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは、圧着時において、糖アルコールが溶融し、引き続く工程までの間に冷却されたセラミックス成形体中において、糖アルコールが結晶として析出しており、析出した結晶が前駆体に損傷を与えていることをさらに見出した。
また、本明細書中において、糖アルコールの融点は、例えば、JIS K0064に準拠して測定することができる。また、本明細書中において、バインダー等の成分のガラス転移温度は、JIS K7121に準拠して測定することができる。
また、上述した中でも、糖アルコールは、単糖由来の糖アルコールとして、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトールおよびイノシトールから選択される1種または2種以上を含むことが好ましい。これらの糖アルコールは、インク中においては特に保湿性に優れるものであり、導体パターン形成用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
特に、導体パターン形成用インクは、糖アルコールとして、単糖由来の糖アルコールと、二糖由来の糖アルコールとが含まれる場合、保水性が特に優れたものとなるとともに、糖アルコールが特に結晶化して析出しにくいものとなる。この結果、導体パターン形成用インクは、液滴の吐出安定性が特に優れたものとなり、均一な膜圧、線幅のパターンを形成することができる。また、形成される導体パターンは、クラック断線等がより確実に防止された信頼性の高いものとなる。
また、導体パターン形成用インク中における糖アルコールの含有量は、3〜20wt%であるのが好ましく、5〜15wt%であるのがより好ましい。これにより、導体パターン形成用インクの水系分散媒の揮発をより確実に抑制することができ、導体パターン形成用インクは、より長期にわたって液滴の吐出安定性が特に優れたものとなる。これに対し、インク中に含まれる糖アルコールの含有量が前記下限値未満であると、インクの組成によってはインクの保湿性を十分に高くすることができない場合がある。一方、前記上限値を超えると、銀粒子に対する糖アルコールの量が多なりすぎ、焼結時に残存しやすくなる。その結果として、導体パターンの比抵抗が高くなる。但し、比抵抗は、焼結時間や焼結環境の制御によりある程度改善することができる。
また、導体パターン形成用インクは、有機バインダーを含んでいてもよい。有機バインダーは、導体パターン形成用インクによって形成されたパターンにおいて、銀粒子の凝集を防止するものである。すなわち、形成されたパターンにおいて、有機バインダーは、銀粒子同士の間に存在することで銀粒子同士が凝集して、パターンの一部に亀裂(クラック)が生じることを防止できる。また、焼結時においては、有機バインダーは、分解されて除去されることができ、パターン中の銀粒子同士は、結合して導体パターンを形成する。以上により、有機バインダーを含んだ導体パターン形成用インクを用いた場合、クラック、断線が発生することをより確実に防止しつつ、容易に所望の形状の導体パターンを形成することができる。
ポリグリセリン化合物は、導体パターン形成用インクによって形成されたパターン(後に詳述する導体パターンの前駆体)を乾燥(脱分散媒)した際に、パターンにクラックが発生するのを特に好適に防止することができる。これは、以下のように考えられる。導体パターン形成用インク中にポリグリセリン化合物が含まれることにより、銀粒子(金属粒子)の間に高分子鎖が存在することとなり、ポリグリセリン化合物が銀粒子同士の距離を保つことができる。さらに、ポリグリセリン化合物は比較的沸点が高いため、水系分散媒の除去時においては除去されず、銀粒子の周囲に付着する。以上により、水系分散媒除去時において、ポリグリセリン化合物が銀粒子を包み込んだ状態が長く続き、水系分散媒の揮発による急激な体積収縮が避けられるとともに銀の粒成長(凝集)が妨げられる結果、パターン中のクラックの発生が抑制されると考えられる。
さらに、焼結時においてパターン中の銀粒子(金属粒子)の間に高分子鎖(ポリグリセリン化合物)が存在することとなり、ポリグリセリン化合物が銀粒子同士の距離を保つことができる。また、このポリグリセリン化合物は、適度な流動性を有している。このため、ポリグリセリン化合物を含むことにより、導体パターンの前駆体は、セラミックス成形体の温度変化による膨張・収縮への追従性が優れたものとなる。
また、さらに、ポリグリセリン化合物と糖アルコールとは、親和性が高いものである。このため、有機バインダーがポリグリセリン化合物含むものである場合、セラミックス成形体の積層時において、糖アルコールが結晶化することがより確実に防止される。
なお、ポリグリセリン化合物は、分子中に比較的多量の酸素原子を含むため、焼結時において、分解温度以上の雰囲気下に置かれることにより、容易かつ確実に分解してパターン中から除去される。
また、導体パターン形成用インクには、上記成分の他、アセチレングリコール系化合物が含まれていてもよい。アセチレングリコール系化合物は、導体パターン形成用インクとセラミックス成形体との接触角を所定の範囲に調整する機能を有するものである。また、アセチレングリコール系化合物は、少ない添加量で、導体パターン形成用インクとセラミックス成形体との接触角を所定の範囲に調整することができる。また、吐出した液滴内に気泡が混入した場合であっても、速やかに気泡を除去することができる。
上記化合物は、具体的には、導体パターン形成用インクとセラミックス成形体との接触角が40〜90°(より好ましくは50〜80°)に調整する機能を有するものである。接触角が小さすぎると、微細な線幅の導体パターンを形成するのが困難となる場合がある。一方、接触角が大きすぎると、吐出条件等によっては、均一な線幅の導体パターンを形成するのが困難となる場合がある。また、着弾した液滴とセラミックス成形体との接触面積が小さくなりすぎてしまい、着弾した液滴が着弾位置からずれてしまう場合がある。
特に、インク中に含まれる2種以上のアセチレングリコール系化合物のうち、最もHLB値が高いアセチレングリコール系化合物のHLB値と、最もHLB値が低いアセチレングリコール系化合物のHLB値との差が、4〜12であるのが好ましく、5〜10であるのがより好ましい。これにより、より少ないアセチレングリコール系化合物の添加量で、導体パターン形成用インクとセラミックス成形体との接触角を所定の範囲により容易に調整することができる。
また、インク中に2種以上のアセチレングリコール系化合物を含むものを用いる場合、最もHLB値の低いアセチレングリコール系化合物のHLB値は、2〜7であるのが好ましく、3〜5であるのがより好ましい。
また、導体パターン形成用インクには、上記成分の他、1,3−プロパンジオールが含まれていてもよい。これにより、インクジェットヘッドの吐出部付近における水系分散媒の揮発をより効果的に抑制することができるとともに、インクの粘度をより適度なものとすることができ、吐出安定性がさらに向上する。
なお、導体パターン形成用インクの構成成分は、上記成分に限定されず、上記以外の成分を含んでいてもよい。
例えば、導体パターン形成用インクは、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコールを含んでいてもよい。
次に、上述したような導体パターン形成用インクの製造方法の一例について説明する。
本実施形態では導体パターン形成用インクは、銀コロイド粒子が水系分散媒中に分散したコロイド液であるとして説明する。
本実施形態のインクを製造する際には、まず、上記分散剤と、還元剤とを溶解した水溶液を調製する。
還元剤は、出発物質である硝酸銀(Ag+NO3−)のような銀塩中のAg+イオンを還元して銀粒子を生成するという働きを有する。
本実施形態において、分散剤と還元剤とを溶解して水溶液を調製した後、この水溶液のpHを6〜12に調整することが好ましい。
−COO−+H+ → −COOH…(1)
添加するアルカリ性の化合物としては、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水等を用いることができる。これらの中では、少量で容易にpHを調整できる水酸化ナトリウムが好ましい。
なお、アルカリ性の化合物の添加量が多すぎて、pHが12を超えると、鉄イオンのような残存している還元剤のイオンの水酸化物の沈殿が起こりやすくなる。
銀塩としては、特に限定されず、例えば、酢酸銀、炭酸銀、酸化銀、硫酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、硫化銀、クロム酸銀、硝酸銀、二クロム酸銀等を用いることができる。これらの中では、水への溶解度が大きい硝酸銀が好ましい。
銀塩水溶液は、上記銀塩を純水に溶かすことにより調製し、調製した銀塩の水溶液を徐々に前述した分散剤と還元剤とが溶解した水溶液中に滴下する。
得られた溶液中には、コロイド粒子のほかに、還元剤の残留物や分散剤が存在しており、液全体のイオン濃度が高くなっている。このような状態の液は、凝析が起こり、沈殿しやすい。そこで、このような水溶液中の余分なイオンを取り除いてイオン濃度を低下させるために、洗浄を行うことが望ましい。
あるいは、次のような方法で洗浄を行ってもよい。溶液を製造した後に溶液のpHを5以下の酸性の領域に調整し、上記反応式(1)の反応の平衡を右辺に移動させることで銀粒子表面の電気的反発力を減少させ、積極的に金属コロイド粒子を凝集させた状態で洗浄を行い、塩類や溶媒を除去することができる。メルカプト酸のような低分子量の硫黄化合物を分散剤として粒子表面に有する金属コロイド粒子であれば金属表面で安定した結合を形成するため、凝集した金属コロイド粒子は、溶液のpHを6以上のアルカリ性の領域に再調整することにより、容易に再分散し、分散安定性に優れた金属コロイド液を得ることができる。
これは、還元後に洗浄を行ったため、電解質イオンであるナトリウム濃度が減少している場合があり、このような状態の溶液では、下記反応式(2)で表される反応の平衡が右辺へ移動する。このままでは、銀コロイドの電気的反発力が減少して銀粒子の分散性が低下するため、適当量の水酸化アルカリを添加することにより、反応式(2)の平衡を左辺に移動させ、銀コロイドを安定化させるのである。
−COO−Na++H2O → −COOH+Na++OH−…(2)
pHが6未満では、反応式(2)の平衡が右辺に移動するため、コロイド粒子が不安定化し、一方、pHが11を超えると、鉄イオンのような残存しているイオンの水酸化塩の沈殿が起こりやすくなるため好ましくない。ただし、予め鉄イオン等を取り除いておけば、pHが11を超えても大きな問題はない。
なお、ナトリウムイオン等の陽イオンは水酸化物の形で加えるのが好ましい。これは、水の自己プロトリシスを利用できるため最も効果的にナトリウムイオン等の陽イオンを水溶液中に加えることができるからである。
なお、糖アルコール等の他の成分の添加時期は、特に限定されず、銀コロイド粒子の形成後ならいつでもよい。
次に、本発明の配線基板(セラミックス回路基板)の製造方法および導体パターンの形成方法について説明する。
図1は、本発明の配線基板(セラミックス回路基板)の製造方法の概略の工程を示す説明図、図2は、本発明の配線基板(セラミックス回路基板)の製造工程説明図、図4は、インクジェット装置(液滴吐出装置)の概略構成を示す斜視図、図5は、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)の概略構成を説明するための模式図である。
[セラミックス成形体準備工程]
まず、セラミックス成形体を準備する。
原料粉体として、平均粒径が1〜2μm程度のアルミナ(Al2O3)や酸化チタン(TiO2)等からなるセラミックス粉末と、平均粒径が1〜2μm程度のホウ珪酸ガラス等からなるガラス粉末とを用意し、これらを適宜な混合比、例えば1:1の重量比で混合する。
バインダーは、上述したような糖アルコールの融点よりもガラス転移温度が低いものであれば特に限定されず、例えば、ポリビニルブチラール、アクリル系、セルロース系等のバインダー樹脂を用いることができる。
ないが、ポリビニルブチラールを含むことが好ましい。ポリビニルブチラールは、本発明の導体パターン形成用インクと適度な親和性を有するため、所望の形状のパターンをより正確に形成することができる。また、ポリビニルブチラールは、水に不溶であり、かつ、いわゆる油系の有機溶媒に溶解しあるいは膨潤し易いものである。
また、バインダーのガラス転移温度は、上述したような糖アルコールの融点よりも低ければよいが、25〜95℃であることが好ましく、30〜85℃であることがより好ましい。これにより、セラミックス成形体が不用意に変形して導体パターンに損傷を与えたり、複数の導体パターン間での導通が不良になることを確実に防止することができる。また、焼結時において、より確実にバインダーは分解して除去されることができる。
続いて、製品の用途に合わせて切断し、さらに所定寸法のシートに裁断する。本実施形態では、例えば1辺の長さを200mmとする正方形状に裁断する。
以上のようにして得られたセラミックスグリーンシート7の一方の側の表面に、本発明における導体パターンとなる回路5の前駆体を、前記コンタクト6に連続した状態に形成する(インク付与工程)。すなわち、図2(a)に示すようにセラミックスグリーンシート7上に、前述したような導体パターン形成用インク(以下単にインクともいう)10を液滴吐出(インクジェット)法により付与し、前記回路5となる前駆体11を形成する。
図3は、インクジェット装置50の斜視図である。図3において、X方向はベース52の左右方向であり、Y方向は前後方向であり、Z方向は上下方向である。
基板Sを載置するテーブル46は、第1移動手段54によりY方向に移動および位置決め可能とされ、モータ44によりθz方向に揺動および位置決め可能とされている。
セラミックスグリーンシート7に着弾したインク10は、その表面側から水系分散媒の少なくとも一部が蒸発する。このとき、セラミックスグリーンシート7は加熱されているので、水系分散媒の蒸発が促進される。そして、セラミックスグリーンシート7に着弾したインク10は、乾燥とともにその表面の外縁から増粘し、つまり、中央部に比べて外周部における固形分(粒子)濃度が速く飽和濃度に達することから表面の外縁から増粘していく。外縁の増粘したインク10は、セラミックスグリーンシート7の面方向に沿う自身の濡れ広がりを停止するため、着弾径しいては線幅の制御が特に容易になる。
液滴吐出法として、圧電体素子としてのピエゾ素子を用いてインクを吐出させるピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式など、公知の種々の技術を適用することができる。このうちピエゾ方式は、インクに熱を加えないため、材料の組成に影響を与えないなどの利点を有する。そこで、図4に示すヘッド70には、前述したピエゾ方式が採用されている。
また、ヘッド本体90の下端面には、インク吐出面を構成するノズルプレート(図示せず)が装着されている。このノズルプレートには、インク10を吐出する複数のノズル91が、各インク室93に対応して開口されている。そして、各インク室93から対応するノズル91に向かって、インク流路が形成されている。一方、ヘッド本体90の上端面には、振動板94が装着されている。この振動板94は、各インク室93の壁面を構成している。その振動板94の外側には、各インク室93に対応してピエゾ素子92が設けられている。ピエゾ素子92は、水晶等の圧電材料を一対の電極(図示せず)で挟持したものである。その一対の電極は、駆動回路99に接続されている。
このように、ノズルプレート96の表面がフルオロアルキルシラン化合物を含む撥液膜を有することにより、インクとノズルプレート96との親和性を適度なものとすることができ、インクのノズルプレート96への接触角をより容易に上述したようなものとすることができる。これにより、インクは吐出部91からより好適に液切れしやすいものとなり、また、インクの液滴量を特に調整しやすいものとなる。また、このような撥液膜を有することにより、ノズルプレート96は、耐摩耗性、耐候性に特に優れたものとなる。
以上より、このようなノズルプレート96を用いたインクジェット装置は、特に長期にわたってインクの液滴の吐出性が特に安定したものとなる。
そして、駆動回路99からピエゾ素子92に電気信号を入力すると、ピエゾ素子92が膨張変形または収縮変形する。ピエゾ素子92が収縮変形すると、インク室93の圧力が低下して、リザーバ95からインク室93にインク10が流入する。また、ピエゾ素子92が膨張変形すると、インク室93の圧力が増加して、ノズル91からインク10が吐出される。なお、印加電圧を変化させることにより、ピエゾ素子92の変形量を制御することができる。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子92の変形速度を制御することができる。すなわち、ピエゾ素子92への印加電圧を制御することにより、インク10の吐出条件を制御し得るようになっている。
特に、本発明の導体パターン形成用インクには、糖アルコールが含まれている。このため、上述したようにセラミックグリーンシートを加温した場合であっても、前駆体11中に水系分散媒が完全に除去することが防止され、適度に水系分散媒が保持された状態となる。
次に、セラミックスグリーンシート上に形成された前駆体11から水系分散媒を除去する。
乾燥条件としては、例えば、40〜80℃で行うのが好ましく、50〜70℃で行うのがより好ましい。このような条件とすることにより、乾燥した際に、クラックが発生するのをより効果的に防止することができる。
このようにして前駆体11を形成したら、同様の工程により、前駆体11を形成したセラミックスグリーンシート7を必要枚数、例えば10枚から20枚程度作製する。
次いで、これらセラミックスグリーンシートからPETフィルムを剥がし、図2に示すようにこれらを積層する。このとき、積層するセラミックスグリーンシート7については、上下に重ねられるセラミックスグリーンシート7間で、それぞれの前駆体11が必要に応じてコンタクト6を介して接続するように配置する。
ところで、本工程では、積層時におけるセラミックスグリーンシート(セラミックス成形体)の温度は、バインダーのガラス転移温度より高く、インクに含まれている糖アルコールの融点より低いものである。これにより、糖アルコールが溶融して積層後に結晶化することを防止しつつ、複数のセラミックスグリーンシート7同士を強固に密着させることができる。すなわち、セラミックスグリーンシート7に含まれるバインダーは、ガラス転移温度より高く加温されることで、わずかに軟化し、隣接するセラミックスグリーンシート7に含まれるバインダーと接合される。一方で、パターン中に含まれる糖アルコールは、融点よりも低い温度に加温されているため、前駆体11中で分散した状態を維持でき、溶融して、さらに結晶化することがない。このため、積層されるセラミックスグリーンシート7間で前駆体11が損傷することが防止される。
これに対し、積層時におけるセラミックスグリーンシート7の温度がバインダーのガラス転移温度以下だと、セラミックスグリーンシート7同士が密着できないものとなってしまう。この結果、セラミックスグリーンシート7間での剥離等が起きやすく、これにともない、形成される導体パターンが断線しやすい。
また、セラミックスグリーンシート7のバインダーのガラス転移温度をTG[℃]、糖アルコールの融点をTS[℃]、積層時におけるセラミックスグリーンシート7の温度をTP[℃]としたとき、本発明の配線基板の製造方法では、TG<TP<TSの関係を満足するものであればよいが、TG+2<TP<TS−2の関係を満足することが好ましく、TG+4<TP<TS−4の関係を満足することがより好ましく上述したような効果をより顕著に得ることができる。
また、このような場合、圧着時における静水圧は、250〜400kgf/m2であることが好ましい。
このようにして積層体12を形成したら、例えば、ベルト炉などによって加熱し、焼結処理する。これにより、各セラミックスグリーンシート7は焼成されることで、図2(b)に示すようにセラミックス基板2(本発明の配線基板)となり、また、前駆体11は、これを構成する銀コロイド粒子が焼結して配線パターンや電極パターンからなる回路(導体パターン)5となる。そして、このように積層体12が加熱処理されることで、この積層体12は後述する図5に示した積層基板3となる。
ここで、セラミックスグリーンシート7上に配されたインク10中の金属は、加熱処理によって互いに融着し、連続することによって導電性を示すようになる。
このような加熱処理によって回路5は、セラミックス基板2中のコンタクト6に直接接続させられ、導通させられて形成されたものとなる。ここで、この回路5が単にセラミックス基板2上に載っているだけでは、セラミックス基板2に対する機械的な接続強度が確保されず、したがって衝撃等によって破損してしまうおそれがある。しかしながら、本実施形態では、前述したようにセラミックスグリーンシート7中のガラスを一旦軟化させ、その後硬化させることにより、回路5をセラミックス基板2に対し強固に固着させている。したがって、形成された回路5は、機械的にも高い強度を有するものとなる。
このようなセラミックス回路基板1の製造方法にあっては、特に積層基板3を構成する各セラミックス基板2の製造に際して、前述したようなインク10(本発明の導体パターン形成用インク)をセラミックスグリーンシート7に対して配しているので、この導体パターン形成用インク10をセラミックスグリーンシート7上に所望のパターン状で良好に配置することができ、したがって高精度の導体パターン(回路)5を形成することができる。
本発明の導体パターンは、上述したような導体パターン形成用インクを用いて形成される薄膜状の導体パターンであって、銀粒子が相互に結合されてなり、少なくとも導体パターン表面において前記銀粒子同士が隙間なく結合しており、かつ比抵抗が20μΩcm未満のものである。
導体パターンの比抵抗は、20μΩcm未満であることが好ましく、15μΩcm以下であることがより好ましい。上記比抵抗が20μΩcm以上になると、導電性が要求される用途、すなわち回路基板上に形成する電極等に用いることが困難となる。
次に、上述したような方法によって得られる本発明の配線基板について説明する。
図5は、本発明の配線基板(セラミックス回路基板)の一例を示す縦断面図である。
図5に示すように、セラミックス回路基板(配線基板)1は、セラミックス基板2が多数(例えば10枚から20枚程度)積層されてなる積層基板3と、この積層基板3の最外層、すなわち一方または両方の側の表面に形成された、微細配線等からなる回路4とを有して形成されたものである。
また、これら回路5には、これに接続するコンタクト(ビア)6が形成されている。このような構成によって回路5は、上下に配置された回路5、5間が、コンタクト6によって導通したものとなっている。なお、回路4も、回路5と同様に、本発明の導体パターン形成用インクにより形成されたものとなっている。
なお、このような配線基板は、携帯電話やPDA等の移動通話機器の高周波モジュール、インターポーザー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、加速度センサー、弾性表面波素子、アンテナや櫛歯電極等の異形電極、その他各種計測装置等の電子部品等に適用することができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前述した実施形態では、金属粒子を溶媒に分散してなる分散液として、コロイド液を用いる場合について説明したが、コロイド液でなくてもよい。
[1]導体パターン形成用インクの調製
導体パターン形成用インク(インク)1〜15は、以下のようにして製造した。
10N−NaOH水溶液を3mL添加してアルカリ性にした水50mLに、クエン酸3ナトリウム2水和物17g、タンニン酸0.36gを溶解した。得られた溶液に対して3.87mol/L硝酸銀水溶液3mLを添加し、2時間攪拌を行い銀コロイド液を得た。得られた銀コロイド液に対し、導電率が30μS/cm以下になるまで透析することで脱塩を行った。透析後、3000rpm、10分の条件で遠心分離を行うことで、粗大金属コロイド粒子を除去した。
50mmol/Lの濃度の硝酸銀水溶液:1000mlを撹拌しながら、低分子量の硫黄化合物としてメルカプト酢酸:3.0gを添加した後、アンモニア水(26wt%)にて水溶液のpHを10.0に調整した。室温下、この水溶液に還元剤として400mmol/Lの濃度の水素化ホウ素ナトリウム水溶液:50mlを急速に添加することにより還元反応を行いメルカプト酢酸を粒子表面に有する銀コロイド粒子を溶液中で生成させた。
この銀コロイド粒子の湿ケーキを濃度が10%になるように水に添加し、撹拌しながらアンモニア水(26wt%)にてpHを9.0に調整して再分散させて、さらに濃縮して、銀コロイド液を得た。
[2]液滴吐出安定性評価
上述のようにしてえら得れた導体パターン形成用インク1〜16を製造直後にそれぞれ図3、4に示すようなインクジェット装置に投入した。まず、上記導体パターン形成用インクを搭載した上記インクジェット装置を用いて描画を行い、インクが安定して吐出されることを確認した。次に、インクジェット装置を、インクジェットヘッドを描画位置から外した待機状態で室温25℃、相対湿度50%、クラス100のクリーンルーム環境下に7日間放置した。次に、インクジェット装置の電源を入れて、上記のようにして得られたセラミックスグリーンシート20枚に対してベタパターンの描画を行った。インクの吐出が不安定になった場合は、インクジェット装置に搭載されている所定のクリーニング機能を用い、吐出の安定した状態に復帰させた。以上の操作を行い、下記評価基準により吐出安定性を評価した。
B:描画中に目詰まりが発生し、インクの吐出が安定するまでに2回以内のクリーニング動作を要する。(実用上問題なし。)
C:描画中に目詰まりが発生し、インクの吐出が安定するまでに3回以上のクリーニング動作を要する。(実用可能。)
D:描画中に目詰まりが発生し、クリーニング動作によっても回復しない。(実用不可。)
表1に各導体パターン形成用インクの組成および吐出安定性評価の結果を示す。なお、表中、各材料の含有量は、導体パターン形成用インク中における含有量を示し、また、表中、「ポリグリセリン」は、ポリグリセリン#500(平均重量分子量:462)、「ポリエチレングリコール」は、ポリエチレングリコール#500(平均重量分子量:500)を用いた。また、表中、「PVB」は、ポリビニルブチラールのことを示し、各ポリビニルブチラールのガラス転移温度は、ポリビニルブチラールに可塑剤を添加することにより、表のような温度に調節した。また、表中「G−41H」は、アクリル系のバインダ樹脂(日新化成社製)を示す。また、表中、糖アルコールの融点は、EXSTAR6000 DSC(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いてJIS K0064に準拠して測定した。また、バインダーのガラス転移温度は、EXSTAR6000 DSC(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)JIS K7121に準拠して測定した。
(実施例1)
まず、以下のようにしてセラミックスグリーンシート(セラミックス成形体)を用意した(セラミックス成形体準備工程)。
平均粒径が1〜2μm程度のアルミナ(Al2O3)と酸化チタン(TiO2)等からなるセラミックス粉末と、平均粒径が1〜2μm程度のホウ珪酸ガラス等からなるガラス粉末とを1:1の重量比で混合し、バインダー(結合剤)としてポリビニルブチラール(PVB)、可塑剤としてジブチルフタレートを加え、混合・撹拌することにより得たスラリーを、ドクターブレードでPETフィルム上にシート状に形成したものをセラミックスグリーンシートとし、1辺の長さを200mmとする正方形状に裁断したものを使用した。
次に、上記セラミックスグリーンシートを60℃まで昇温し、保持した。各吐出ノズルからそれぞれ1滴当り15ngの液滴を順次吐出し、線幅が50μm、厚み15μm、長さが10.0cmのライン(前駆体)を20本描画した(インク付与工程)。各ライン間の距離は、5mmとした。
上記のようにして、ラインが形成されたセラミックスグリーンシートを第1のセラミックスグリーンシートとした。この第1のセラミックスグリーンシートを各インクにつき、20枚ずつ作成した。また、各シートについて、クラックがあるか否かを確認した。この結果を表2に示した。なお、表2には、第1のセラミックスグリーンシートのうち、ラインにクラックの入っていない良品の数を示した。
この端子部が形成されたセラミックスグリーンシートを第2のセラミックスグリーンシートとした。
次に、生の積層体を、静水圧プレス法により、90℃の温水下で、350kg/cm2の圧力で30秒間プレスし、積層体を得た(積層体形成工程)。すなわち、このとき、生の積層体中での各セラミックスグリーンシートは、90℃の環境下で圧着された。
冷却後、各セラミックス回路基板について、20本の導体パターン上に形成された端子部間にテスタをあて、それぞれ導通の有無を確認し、導通率が100%であったものを良品とした。なお、導通率は、各セラミックス回路基板中にある導通のあった導体パターンの数を、形成した導体パターンの数(20本)で除したものとした。
表2に示すように用いるインク、バインダーの種類、インク付与工程でのセラミックスグリーンシートの温度、積層体形成時でのセラミックスグリーンシートの温度を表2に示す以外は実施例1と同様にしてセラミックス回路基板(配線基板)を得た。
(比較例1、2)
表2に示すように用いるインク、バインダーの種類、インク付与工程でのセラミックスグリーンシートの温度、積層体形成時でのセラミックスグリーンシートの温度を表2に示す以外は実施例1と同様にしてセラミックス回路基板(配線基板)を得た。
これらの結果およびを表2に示す。
また、表2に示すように各実施例では、断線等が防止され、導通率の高い導体パターンが得られた。すなわち、信頼性の高い配線基板が得られた。
これに対し、各比較例では、満足な結果が得られなかった。
また、インク中における銀コロイド粒子の含有量を20wt%、30wt%に変更したところ、上記と同様の結果が得られた。
Claims (3)
- 液滴吐出法により、水系分散媒と水系分散媒に分散した金属粒子と糖アルコールとを含む導体パターン形成用インクを、セラミックス粒子とバインダーとを含む材料で構成されたセラミックス成形体上に、所定のパターンで付与するインク付与工程と、
前記パターンが形成された前記セラミックス成形体を、複数枚加温下で圧着することにより積層して積層体を形成する積層体形成工程と、
前記積層体を焼結することにより、セラミックス基板と導体パターンとを有する配線基板を形成する焼結工程とを有し、
前記糖アルコールの融点は、前記セラミックス成形体に含まれるバインダーのガラス転移温度よりも高いものであり、
前記積層体形成工程での前記セラミックス成形体の温度は、前記バインダーのガラス転移温度より高く、前記糖アルコールの融点より低いものであることを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記積層体形成工程は、静水圧プレス法により、複数枚の前記セラミックス成形体を圧着するものである請求項1に記載の配線基板の製造方法。
- 前記インク付与工程は、前記セラミックス成形体を、40〜80℃に加温するものである請求項1または2に記載の配線基板の製造方法。
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