JP2009134022A - アクチュエータ、撮像装置および電子機器 - Google Patents

アクチュエータ、撮像装置および電子機器 Download PDF

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謙一郎 三上
Kyoji Kasuga
恭二 春日
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Abstract

【課題】近年のカメラモジュールの小型化および薄型化に対応する高性能なアクチュエータの動作を実現する。
【解決手段】アクチュエータ1は、光学部材16を保持するホルダ15の移動を、ホルダ15の側面に配置する複数の球体により支持し、また、付勢部材20に接した球体24および25に関し、その位置を、他の複数の球体のうち、最も物体側に配された球体22の重心を通る光軸に垂直な平面(最物体側面)と、最も像面側に配された球体23の重心を通る光軸に垂直な平面(最像面側面)との間に配することにより、ホルダ15に作用する回転モーメントを解消し、ホルダ15の傾きを防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネット、コイル、および磁性体から構成される磁気回路、およびホルダを光軸方向に沿って移動可能に支持する球体を備えたアクチュエータ、撮像装置、および電子機器に関するものである。
近年、携帯電子機器に内蔵される撮像機器(カメラ)は高画質化が図られており、撮像素子の高画素化が進んでいる。このような電子機器においては、カメラモジュールに画質向上のために必要なオートフォーカス機能を搭載する傾向が多く見受けられる。
オートフォーカスを行うためには、一般的にはアクチュエータの内部の光学系を移動させる必要がある。光学系を移動する方式は、ボイスコイル方式が広く用いられている。この方式では、磁気回路による電磁誘導現象によって、コイルもしくはマグネットが駆動する。この駆動によって、光学系を保持したホルダが光軸方向に変位し、オートフォーカスが行われる。
特許文献1に開示されているアクチュエータでは、ホルダの変位を支持するために、一対の平行な板バネがホルダの光軸方向の上下に取り付けられている。ホルダ変位の際、板バネがアクチュエータ内で変形することにより、ホルダの変位は支持される。
特開2006−50693公報(平成18年2月16日公開)
近年、携帯電子機器に内蔵されるカメラの小型化および薄型化の進展に伴い、アクチュエータ自体の小型化および薄型化が要求されている。この要求を満たすためには、アクチュエータにおける磁気回路部分の体積を小さくする必要がある。しかし、磁気回路部分の体積を小さくした場合、磁気回路の効率が低下し、結果として磁気回路における電流あたりの推力が低下してしまうという問題が発生する。
ボイスコイル型アクチュエータにおいて、上記の推力の低下に対応するためには、ホルダを支持する一対の板バネのバネ定数を小さくする必要がある。
一般的に、板バネのバネ定数を小さくする方法としては、バネ部分の長さを長くする、バネ幅を細くする、もしくは、板バネの板厚を薄くするという手法が挙げられる。しかし、バネ部分の長さを長くする方法は、アクチュエータサイズの制約上困難である。また、バネ幅を細くする方法、および板バネの板厚を薄くする方法は、板バネの強度低下につながり、ホルダの姿勢安定性が低下してしまう。したがって、アクチュエータの駆動安定性が損なわれてしまう。
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化および薄型化に対応し、ホルダの姿勢安定性向上が実現されたアクチュエータを提供することにある。
(球体の設置)
本発明に係るアクチュエータは、上記の課題を解決するために、光学部材を保持するホルダと、前記ホルダを光軸方向に移動可能に保持する支持体と、前記ホルダを光軸に垂直な方向に付勢する付勢部材と、前記ホルダと前記支持体との間隙中の、前記光軸方向において互いに離間した位置に配され、かつ、前記ホルダと、前記支持体または付勢部材とに接している複数個の球体とを備え、前記付勢部材は、前記複数の球体のうち少なくとも1個を介して、前記ホルダを付勢し、前記複数の球体のうち最も物体側に配された前記球体の重心を通り、かつ前記光軸に垂直な平面を、最物体側平面とし、前記複数の球体のうち最も像面側に配された前記球体の重心を通り、かつ前記光軸に垂直な平面を、最像面側平面としたとき、前記付勢部材によって付勢された前記球体の重心を通り、かつ前記光軸に垂直な平面は、前記最物体側平面と前記最像面側平面との間にあることを特徴としている。
上記の構成によれば、アクチュエータがオートフォーカスする際、ホルダが光軸方向に移動することによって、光学部材が移動する。ホルダの光軸方向の移動に伴い、球体は、ホルダの側面との摩擦によって、前期間隙内において回転する。この回転により、球体は、ホルダと支持体および付勢部材との間に摩擦力を有する。この摩擦力により、ホルダの光軸方向の移動は、球体を介して支持される。
また、ホルダは、球体を介し、付勢部材により光軸に垂直な方向に付勢される。よって、ホルダの光軸方向における位置は、付勢部材によって支持される。したがって、ホルダは光軸方向に移動可能でありながら、その変位位置が支持される構成である。
上記構成により、本発明に係るアクチュエータは、従来のようにホルダの変位を支持するための一対の板バネを必要としない。よって、アクチュエータを小型化および薄型化しても、板バネの強度は問題とならず、アクチュエータの耐衝撃性を得ることができる。
また、上記球体の配置によれば、付勢部材に配された球体は、最物体側平面と最像面側平面との間に配置されている。それにより、付勢部材に配された球体からホルダに働くモーメントは、ホルダに働く外力による時計回り、および反時計回りいずれの回転方向のモーメントであっても、常に解消する方向に働く。したがって、アクチュエータにおいて、何等かの要因によりホルダに傾きが生じた場合、ホルダの傾きが時計回りのモーメントおよび反時計回りどちらであっても、付勢される球体からホルダの姿勢を復元するようなモーメントが働く。よって、ホルダの姿勢は、常に安定に保たれる。
(付勢された球体が複数の場合)
また、本発明に係るアクチュエータでは、前記付勢部材により付勢される前記球体が複数あり、当該複数の球体は、前記最物体側平面と前記最像面側平面との間に、前記光軸方向において互いに等間隔に離間して配されていることが好ましい。
上記球体の配置によれば、最物体側平面と最像面側平面との間に、付勢部に配された球体は複数配置されている。したがって、上述のように、ホルダに傾きが生じた場合には、複数の付勢される球体からホルダの姿勢を復元するようなモーメントが働く。よって、ホルダの姿勢はさらに安定に保たれ、アクチュエータは常に安定したホルダの移動を実現できる。
(球体の移動制限)
また、本発明に係るアクチュエータでは、前記各球体の光軸方向における移動範囲を制限する規制部材を備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、ホルダの光軸方向の移動に伴い、球体が回転しても、その配置位置がずれることを防ぐことができる。よって、球体は好ましい配置のままに留められ、ホルダの姿勢安定性は維持される。
(撮像機器への利用)
また、本発明に係るアクチュエータは、光学部材により結像された画像を電気信号に変換する撮像素子を備えることにより、たとえばカメラモジュールなどの撮像機器として機能する。
(カメラ搭載装置全般への利用)
また、上記撮像機器は、電子機器や自動車など、カメラが搭載される装置全般に適用することが可能となる。
本発明に係るアクチュエータは、ホルダと支持体との間隙中の、光軸方向において互いに離間した位置に、球体を備えることにより、ホルダの光軸方向の移動を支持する。また、付勢部材に接している球体を、最物体側平面と最像面側平面との間に配置することにより、ホルダに働くモーメントを最小限に抑える。
これにより、ホルダの姿勢は安定に保たれ、その結果、本アクチュエータを備えた各種装置を小型化および薄型化した場合においても、ホルダの姿勢の安定性、およびアクチュエータの耐衝撃性を向上する効果を奏する。
本発明の第一の実施形態に係るアクチュエータ1について、図1から図7に基づいて説明する。なお、以下の説明では、本発明を実施するために好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の実施形態および図面に限定されるものではない。
(アクチュエータ1の構成)
本実施形態におけるアクチュエータ1の要部構成を、図2から図4に示す。図2は、アクチュエータ1の要部構成を示す分解斜視図である。図3は、アクチュエータ1の要部構成を示す斜視図である。図4は、アクチュエータ1の要部構成を示す断面図である。
図2から図4に示すように、アクチュエータ1は、上側ガイド(支持体)9、板バネ(弾性部材)11、マグネット12、ヨーク(磁性体)13、コイル14、光学部材16を保持するホルダ15、球体17、ベース(支持体)18、および規制部材21を備えている。なお、撮像素子17はアクチュエータ20の構成要素ではなく、撮像素子17およびアクチュエータ20によって、1つの撮像機器を構成している。
(光軸方向の定義)
アクチュエータ1は、撮像素子19を備えることにより、たとえば携帯電話などの電子機器に搭載された撮像装置のオートフォーカスに用いられている。すなわち、アクチュエータ1は、撮像対象となる物体を光学部材16により撮像素子19上に結像する。結像された画像は、撮像素子19上により電気信号に変換される。なお、本実施形態では、光学部材が画像を結像する方向を「光軸方向」、この光軸方向において撮像対象となる物体側を「物体側」、および物体側と反対側を「像面側」と定義する。
(オートフォーカスの原理)
オートフォーカスを行うためには、一般にはアクチュエータ1の内部の光学系を移動させることが必要である。そのため、アクチュエータ1は、光学部材16を保持するホルダ15を駆動させるための磁気回路を有する。この磁気回路について図2および図4を参照して以下に説明する。
図2および図4に示すように、アクチュエータ1の磁気回路は、マグネット12、ヨーク13、およびコイル14によって構成されている。ヨーク13は円筒形状であり、ホルダ15はヨーク13の円筒形状内に収容されるように配置されている。ヨーク13の内壁には、円筒形状のマグネット12が接着剤により固定されている。一方、ホルダ15は、コイル14内に収容されるように、コイル14と一体的に固定されている。
上記構成により、コイル14に電流が印加されると、マグネット12とコイル14との間に電磁誘導現象が起きる。この電磁誘導現象により、コイル14に一体的に固定されているホルダ15に対して、光軸方向の推力が発生する。よって、ホルダ15が光軸方向に移動する。なお、ホルダ15に発生する推力は、コイル14に印加される電流量に比例する。
また、ホルダ15と上側ガイド9との間には、板バネ11が配置されている。本実施形態における板バネ11は、ホルダ15の物体側の面に接触し、ホルダ15の光軸方向の移動量に比例した与圧を与えるようになっていればよい。
(ホルダ15の移動範囲)
また、アクチュエータ1において、ホルダ15の光軸方向の移動範囲は、規制部材21によって制限されている。この例について、図4を参照して以下に説明する。図4に示すように、ベース18には、物体側にヨーク13が固定され、像面側に撮像素子19が固定されている。また、上側ガイド9は、ベース18およびヨーク13に固定されている。さらに、規制部材21は、上側ガイド9の物体側、およびベース18の像面側にそれぞれ設置されている。
上記構成により、ホルダ15が物体側、および像面側いずれの光軸方向に移動しても、それぞれの規制部材21に当接する。それにより、ホルダ15の光軸方向の移動が制限される。
(球体17の設置)
また、アクチュエータ1において、ホルダ15は球体17を介して移動する。この球体17の設置について、図4を参照して以下に説明する。
図4に示すように、ホルダ15側面における、上側ガイド9およびベース18と対向する位置にはそれぞれ、窪み部15aが形成されている。上側ガイド9の挿通孔9aと窪み部15aとの内壁により間隙が形成され、また、ベース18の挿通孔18aと窪み部15aとの内壁により間隙が形成される。よって、ホルダの側面には、物体側および像面側にそれぞれ間隙が形成され、それぞれの間隙には球体17が配置される。
上記の構成により、球体17は確実に、上側ガイド9およびベース18と接触し、かつホルダ15側面と接触する。そのため、ホルダ15が光軸方向に移動する際には、球体17は、ホルダ15側面との摩擦により回転する。よって球体17は、この回転による摩擦力によりホルダ15を支持する。したがって、ホルダ15は球体17を介して光軸方向に移動できる。一方、ホルダ15の光軸方向に垂直な方向への移動は、球体17により規制される。
なお、本実施形態に係るアクチュエータ1は、球体17がホルダ15の側面に接する構成であれば、図4の構成に限定されない。
また、アクチュエータ1における、ホルダ15の移動支持の強さは、球体17とホルダ15の側面との間において発生する摩擦力(接触面積)に比例している。それゆえ、球体17とホルダ15の側面との接触面積を適宜設定することにより、アクチュエータ1の磁気回路部分の体積、および磁気回路に印加される電流量に対応した構成を実現できる。
(板バネと球体17との比較)
従来のアクチュエータを小型化および薄型化していくと、ホルダの変位を支持するための板バネの強度が低下し、それに伴い、ホルダの姿勢安定性の低下、およびアクチュエータの耐衝撃性能の低下などといった問題が発生する。
一方、アクチュエータ1は、ホルダの変位を支持するための板バネを使用せずに、球体17を介してホルダ15を保持できる。よって、アクチュエータ1を小型化および薄型化した場合にも、優れたホルダ15の直進性および姿勢安定性が得られる。また間隙に球体17を配置していることから、アクチュエータ1の耐衝撃性を得ることができる。
(球体17の材料および数)
アクチュエータ1における球体17は、強磁界中においてその配置が影響せず、磁気回路による磁束分布に対し影響を与えない材料、すなわち非磁性材料からなることが好ましい。たとえば、セラミック、真鍮、ガラス、および非磁性ステンレス鋼などが挙げられる。
また、アクチュエータ1における球体17は、ホルダ15側面における物体側および像面側それぞれに、少なくとも3個配されていればよい。しかし、2個配された構成は、ホルダ15が光軸方向に移動する際に、ホルダ15の位置が不安定となるため、好ましくない。
(球体17の対象な配置)
また、アクチュエータ1における球体17の配置は、光軸に垂直な面内において、ホルダ15の中心と各球体17とを結びかつ隣り合う直線間の角度が、互いに等しくなるようにすることが好ましい。この例について、図3を参照して以下に説明する。図3の例では、光軸方向に垂直な面内において、物体側に3個の球体17がホルダ15を挟むように配されている。ここで、当該面内において、ホルダ15の中心と各球体17とを結びかつ隣り合う直線間の角度が、いずれも約120°となっている。
このような構成とすることにより、光軸方向に垂直な方向において、球体17によるホルダ15の支持が偏ることがない。そのため、ホルダ15の光軸方向における移動を、をより正確に支持できる。なお、像面側に配された3個の球体17についても、図3と同様に配置することが好ましい。この場合の効果は、物体側に配された場合と同様である。また、3個以上の球体17を配置する際も、上記角度が変わることを除き、同様である。
(付勢部材20への球体17設置)
アクチュエータ1において、ホルダ15は、付勢部材20によって付勢されている。この付勢部材20について、図5を用いて説明する。図5は、アクチュエータ1を物体側から見た俯瞰図である。
図5に示すように、付勢部材20は、ベース8と一体的に構成されている。複数の球体17の内、物体側および像面側の1組の球体は、付勢部材20に配置されている。なお、付勢部材20は、上記1組の球体に対して与圧できる弾性部材であれば、これに限定されない。また、図5における物体側の球体のうち、付勢部材20に配されるものを球体22、それ以外を球体24として示すが、これらは、球体17に含まれる球体である。
上記構成により、付勢部材20は、上記1組の球体17を介して、ホルダ15を光軸方向に対して垂直に付勢する。よって、ホルダ15は、光軸方向に移動可能でありながら、その光軸方向の変位位置が支持される。
(球体17の相対位置の変化)
アクチュエータ1の駆動により、ホルダ15が移動する際、球体17の走行は、「静摩擦により滑らずに回転する」か、もしくは、「動摩擦により表面を滑りながら回転する」という二通りの状況が考えられる。それにより、球体17間の相対位置は、変化する可能性がある。この例について、図6を参照して以下に説明する。図6は、球体22〜25間の相対位置が変化した状況を示す模式図である。なお、球体22〜25は、球体17に含まれる。
図6において、球体22および23は固定部27(上側ガイド9およびベース8)に配されており、球体24および25は付勢部材20に配されている。
また、付勢部材20に配された球体24および25以外の複数の球体うち、球体22は最も物体側に配された球体であり、球体23は最も像面側に配された球体である。ここで、球体22の重心を通り、かつ光軸に垂直な平面を、最物体側平面28とし、球体23の重心を通り、かつ光軸に垂直な平面を、最像面側平面29とする。なお、最物体側平面28および最像面側平面29は、アクチュエータ1に備えられる複数の球体において、各球体の重心を通りかつ光軸に垂直な複数の平面を設定したとき、最も離間した2つの平面に相当する。
図6に示すように、球体22〜25間の相対位置が変化すると、球体22を支点としたホルダ15の反時計回りの回転、もしくは、球体23を支点としたホルダ15の時計回りの回転が起こり、ホルダ15に傾きが生じることがある。以下にその詳細な説明を述べる。
なお、球体22を支点としたホルダ15の時計回りの回転、もしくは、球体23を支点としたホルダ15の反時計回りの回転は、固定部27に配された球体22および23からホルダ15に対して反力が働き、ホルダ15が支持されるために、考慮する必要はない。
(ホルダ15の傾き)
上記に述べたホルダ15の回転について、図7を参照して説明する。図7は、ホルダ15の物体側への変位後、球体25が、最物体側平面28と最像面側平面29との間から外側に外れた状況の一例を模式的に示す図である。図7において、Fは、ホルダ15の重心に働く慣性力と、推力と、重力との合力である。F1〜F4は、球体22〜25がホルダ15に及ぼす力である。f3およびf4は、球体24および25からホルダに働く摩擦力である。なお、図7は一例であるため、ホルダ15に働く外力F、f3およびf4は、図7に示す方向に限らず、光軸に沿って物体側および像面側いずれかの方向に向く可能性がある。
図7の状況における、球体22および23それぞれを支点とした時のホルダ15の回転についてそれぞれ下記に述べる。
まず球体22を支点としたホルダ15の反時計回りの回転は明らかに生じない。一方、球体23を支点としたとき、ホルダ15には時計周り、および反時計回りそれぞれのモーメントが働く。ホルダ15の時計回りのモーメントは、式(1)に示す値となる。
Figure 2009134022
これに対して、ホルダ15の反時計周りのモーメントは、式(2)に示す値となる。
Figure 2009134022
ここで、ホルダ15の時計回りのモーメントが反時計周りのモーメントよりも大きい、つまり式(3)を満たす場合、球体23を支点とした時計周りのモーメントがホルダ15に働き、ホルダ15が光軸に対して傾くことが懸念される。
Figure 2009134022
図7の状況では、球体25からホルダ15に働く力はホルダ15の時計周りの回転を助けるように作用している。したがって、ホルダ15が光軸に沿って駆動せず、オートフォーカスに大きな影響を及ぼす可能性がある。
(回転モーメントを防ぐ球体22〜25の位置)
本発明に係るアクチュエータ1において、付勢部材20に配された球体24および25は、最物体側平面28と最像面側平面29との間に配置されている。よって、付勢部材20に配された球体24および25からホルダ15に働くモーメントは、ホルダ15に働く外力による時計回り、および反時計回りいずれの回転方向モーメントも常に解消する方向に働く。これについて、図8を用いて下記に詳しく説明する。
図8は、本発明に係る球体24および25の配置の一例を示す図である。なお、ホルダ15の位置は、像面側への変位後とする。図8における、球体23を支点としたホルダ15のモーメントを考えると、ホルダ15の時計回りのモーメントは、式(4)に示す値となる。
Figure 2009134022
これに対して、ホルダ15の反時計回りのモーメントは、式(5)に示す値となる。
Figure 2009134022
ここでホルダ15の反時計回りのモーメントが時計周りのモーメントよりも大きい、つまり式(6)を満たす場合となった場合であっても、固定部27に配された球体22からホルダ15に反力が働くため、ホルダ15の反時計回りの回転は生じない。
Figure 2009134022
また、図8においては、球体24、25からホルダ15に働く力によるモーメントが、ホルダ15の球体23を支点とした時計回りの回転を防ぐように働き、ホルダ15の回転を最小限に抑えることを可能としている。
もし仮に、反時計回りのモーメントが時計周りのモーメントよりも小さい、つまり式(7)を満たす状況においては、球体23を支点として、ホルダ15に時計回りの回転が生じる。
Figure 2009134022
しかし、このような状況が考慮される場合には、あらかじめ付勢部材20のバネ定数が大きくなるような設定をしておけば、ホルダ15の時計回りの回転は生じない。
上記構成により、アクチュエータ1において、ホルダ15に何等かの要因により傾きが生じた場合にも、付勢部に配された球体24および25から、ホルダ15に対してその姿勢を復元するモーメントが働くため、ホルダ15の姿勢は常に安定に保たれる。したがって、アクチュエータ1は常に安定したホルダ15の移動を実現できる。
(球体22〜25の移動制限)
アクチュエータ1において、球体22〜25の移動は、規制部材21により制限される。また、この規制部材21以外に、球体22と球体23との間、および球体24と球体25との間に、規制部材30が設けられていてもよい。この例について図1を参照して以下に説明する。図1は、本発明に係る球体22〜25の配置、および規制部材21,30を示す模式図である。
図1に示すように、規制部材21,30は、付勢部材20に接した球体24および25を、最物体側平面28と最像面側平面29との間に常に配置することを可能にしている。これにより、ホルダ15が移動し、球体22〜25が回転しても、その配置位置がずれることは防がれる。よって、球体22〜25は上述の好ましい配置のままに留められ、ホルダ15の安定性は維持される。
なお、規制部材21の構成としては、たとえば、金属板を用いて、アクチュエータ1の上面および下面を覆うことが好ましい。金属板を用いることにより、磁気回路により発生した電磁ノイズを遮蔽することが可能となり、搭載した電子機器の周辺回路への影響を防止する役割も果たすことができる。
規制部材30については、マグネット12から発生する磁束がコイル14を貫くことを妨げない材料であることが好ましい。または、図4に示すように、コイルそのものが規制部材30の役割を果たす構成であってもよい。
(撮像装置、および電子機器への利用)
また、アクチュエータ1は、カメラモジュールやその他の電子機器にも搭載されることができる。たとえば、撮像素子を有するセンサーを、アクチュエータ1のホルダ15に固定した撮像装置とすることができる。
さらにアクチュエータ1を搭載した撮像装置は、携帯電話や、デジタルスチルカメラやビデオカメラなどの電子機器に搭載して利用することができる。
(その他の構成)
なお、本発明を、以下の構成としても実現できる。
(第1の構成)
光学部材を保持するホルダと、
ホルダを光軸方向に移動可能に保持されるベースと、
光軸方向の離間した位置に形成されるホルダとベースの間隙に複数個の球体を配設し、少なくとも1個の球体は、付勢部材により光軸に垂直な方向に付勢され、
この付勢された球体の重心を通り光軸に垂直な平面は、光軸に垂直で他の複数個の球体の重心を通る複数の平面の内、最も離間した1組の平面の内側であることを特徴とするアクチュエータ。
(第2の構成)
光軸方向の離間した位置に設けられ付勢部材により付勢されたそれぞれ1個の球体は、
光軸に垂直で他の複数個の球体の重心を通る複数の平面の内、最も離れている一組の平面から内側に等間隔で配設したことを特徴とする上記第1の構成に係るアクチュエータ。
本発明に係るアクチュエータはカメラモジュールのオートフォーカスに用いられるアクチュエータとして、幅広く利用できる。
本発明に係るアクチュエータにおける球体の配置、および規制部材を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るアクチュエータの要部構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るアクチュエータの要部構成を示す斜視図である 本発明の実施形態に係るアクチュエータの要部構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るアクチュエータを物体側から見た俯瞰図である。 球体間の相対位置が変化した状況を示す模式図である。 ホルダが上昇した後、球体が基準平面の作る空間から外側に外れた状況の一例を模式的に示す図である。 本発明に係る球体の配置の一例を示す図である。
符号の説明
1 アクチュエータ
9 上側ガイド(支持体)
11 板バネ(弾性部材)
12 マグネット
13 ヨーク(磁性体)
14 コイル
15 ホルダ
15a 窪み部
16 光学部材
17、22〜25 球体
18 ベース(支持体)
19 撮像素子
20 付勢部材
21、30 規制部材
27 固定部
28 最物体側面
29 最像面側面

Claims (5)

  1. 光学部材を保持するホルダと、
    前記ホルダを光軸方向に移動可能に保持する支持体と、
    前記ホルダを光軸に垂直な方向に付勢する付勢部材と、
    前記ホルダと前記支持体との間隙中の、前記光軸方向において互いに離間した位置に配され、かつ、前記ホルダと、前記支持体または付勢部材とに接している複数個の球体とを備え、
    前記付勢部材は、前記複数の球体のうち少なくとも1個を介して、前記ホルダを付勢し、
    前記複数の球体のうち最も物体側に配された前記球体の重心を通り、かつ前記光軸に垂直な平面を、最物体側平面とし、
    前記複数の球体のうち最も像面側に配された前記球体の重心を通り、かつ前記光軸に垂直な平面を、最像面側平面としたとき、
    前記付勢部材によって付勢された前記球体の重心を通り、かつ前記光軸に垂直な平面は、前記最物体側平面と前記最像面側平面との間にあることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記付勢部材により付勢される前記球体が複数あり、当該複数の球体は、前記最物体側平面と前記最像面側平面との間に、前記光軸方向において互いに等間隔に離間して配されていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記各球体の光軸方向における移動範囲を制限する規制部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアクチュエータ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のアクチュエータと、前記光学部材により結像された画像を電気信号に変換する撮像素子とを備えていることを特徴とする撮像機器。
  5. 請求項4に記載の撮像機器を備えていることを特徴とする電子機器。
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