JP5031621B2 - アクチュエータ、撮像素子および電子機器 - Google Patents

アクチュエータ、撮像素子および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、ホルダを光軸方向に沿って移動可能に支持する球体を備えたアクチュエータ、撮像装置、および電子機器に関するものである。
近年、携帯電子機器に内蔵されるカメラの小型化、薄型化、および高画質化が進んでいる。このようなカメラには、画質向上のためのオートフォーカス機能が搭載される傾向が多く見受けられる。
オートフォーカス機能としては、一般にボイスコイル方式が広く用いられている。ボイスコイル方式では、アクチュエータ内部において、コイルまたはマグネットを電磁誘導現象により駆動させることによって、光学系を保持したホルダを移動させてオートフォーカスを行っている。このようなオートフォーカスにおいては、ホルダをアクチュエータ内において移動可能に支持することが必要である。
特許文献1には、一対の板バネを用いてホルダを支持するアクチュエータが開示されている。特許文献1に記載のアクチュエータにおいて、一対の平行な板バネは、ホルダの光軸方向の上下に取り付けられ、オートフォーカス時にはホルダの移動に従ってアクチュエータ内で変形する。この板バネの変形によって、ホルダの変位は支持されている。
しかしながら、近年におけるカメラの小型化および薄型化に合わせて、特許文献1に記載のアクチュエータを小型化および薄型化するためには、ホルダを支持する板バネを薄くする必要があり、それによって板バネの強度が低下してしまう。このため、ホルダの姿勢安定性の低下、およびアクチュエータの耐衝撃性能の低下などといった問題が発生する。
また、特許文献2には、付勢部材を用いて移動鏡胴(ホルダ)を支持するレンズ鏡胴(アクチュエータ)が開示されている。特許文献2に記載のアクチュエータにおいては、ホルダと固定鏡胴(支持体)との間に硬球が配され、付勢部材が硬球を介してホルダを光軸と直交する方向に付勢している。したがって、ホルダは硬球と圧接されることによって保持され、かつ硬球を介して光軸方向に円滑に移動できる。
特開2006−50693公報 (2006年2月16日公開) 特開平8−29656公報 (1996年2月2日公開)
しかしながら、特許文献2に記載のアクチュエータのように、付勢部材を用いてホルダを支持するアクチュエータの駆動特性は、付勢部材からホルダに働く与圧に大きく影響を受けてしまう。このため、例えば金型による成形不良を原因として、付勢部材からホルダに働く与圧が最適値からずれてしまった場合には、アクチュエータの駆動安定性の低下を引き起こす可能性がある。
例えば、付勢部材からホルダに働く与圧がアクチュエータの推力よりも大きい場合、アクチュエータの動作は妨げられてしまう。一方、付勢部材からホルダに働く与圧がアクチュエータの推力よりも明らかに小さすぎる場合、ホルダに働く力がホルダの中心から外れてしまう。これにより、ホルダの姿勢安定性は低下し、アクチュエータの駆動安定性は低下してしまう。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化および薄型化に対応し、かつ駆動安定性が向上したアクチュエータを提供することにある。
本発明に係るアクチュエータは、上記の問題を解決するために、光学部材を保持するホルダと、前記ホルダを光軸方向に移動可能に保持する支持体と、前記ホルダと前記支持体との間に配され、かつ前記ホルダを支持する複数個の球体と、前記複数の球体のうち少なくとも1個の球体を介して、前記ホルダを光軸に略垂直な方向に付勢する付勢部材と、前記付勢部材から前記ホルダに働く与圧を調整する与圧調整部材とを備えることをとくちょうとしている。
上記構成によれば、本発明に係るアクチュエータは、光学部材を移動させるために、光学部材を保持するホルダを光軸方向に移動させるものである。ホルダは支持体に移動可能に保持されており、かつ複数の球体に支持されている。
また、複数の球体は、ホルダと支持体との間に配されており、付勢部材は複数の球体のうち少なくとも1個の球体を介して、ホルダを光軸と直交する方向に付勢している。そのため、球体とホルダ、および球体と支持体とは互いに圧接され、ホルダが光軸方向に移動に移動すると、球体はホルダ側面との摩擦によって回転する。この回転によって、球体はホルダおよび支持体と摩擦力を有し、ホルダの光軸方向の移動は球体によって支持される。
ホルダの光軸方向の移動は、付勢部材からホルダに働く与圧に影響を受ける。仮に、付勢部材からホルダに働く与圧が適正範囲から外れると、アクチュエータの駆動は不安定になってしまう。本発明に係るアクチュエータにおいては、与圧調整部材を設けることによって、付勢部材からホルダに働く与圧が適正範囲になるよう調整している。したがって、ホルダに働く与圧は安定し、アクチュエータの駆動安定性を向上させることができる。
また、本発明に係るアクチュエータにおいて、前記付勢部材は弾性部材であることが好ましい。上記構成によれば、付勢部材を高分子材料や板バネなどを用いて構成することによって、付勢部材を撓ませることができるため、与圧調整が容易になる。
さらに、本発明に係るアクチュエータにおいて、前記付勢部材は、前記支持体と一体に形成され、かつ前記支持体との間に空間を有していることが好ましい。
上記構成によれば、付勢部材は支持体の一部として構成されるため、低コストかつ簡単に製造することができ、小型化も容易である。さらに、付勢部材と支持体との間に空間を有するため、与圧調整部材を配置するための空間、または与圧の調整のために付勢部材を撓ませるための空間を確保することができる。
また、本発明に係るアクチュエータにおいて、前記与圧調整部材は、前記付勢部材を、前記光軸に対して略垂直な方向における前記ホルダ側または前記支持体側に撓ませていることが好ましい。
上記構成によれば、仮に付勢部材からホルダに働く与圧が大きすぎる場合には、与圧調整部材は、付勢部材を光軸に対して略垂直な方向における支持体側に撓ませることによって、付勢部材からホルダに働く与圧を減圧し、適正な与圧に調整できる。
一方、付勢部材からホルダに働く与圧が小さすぎる場合には、与圧調整部材は、付勢部材を光軸に対して略垂直な方向におけるホルダ側に撓ませることによって、付勢部材からホルダに働く与圧を加圧し、適正な与圧に調整できる。
したがって、与圧調整部材は、付勢部材からホルダに働く与圧に対し、減圧または加圧のどちらかの調整を行うことによって、適正な与圧に調整することができる。
また、本発明に係るアクチュエータにおいて、前記与圧調整部材は、前記支持体と前記付勢部材との間に設置された、接着剤またはピンであることが好ましい。または、本発明に係るアクチュエータにおいて、前記与圧調整部材は、磁石、または電流の流れるコイルであり、前記支持体および前記付勢部材のそれぞれに設置されていることが好ましい。
上記構成によれば、与圧調整部材は、その種類や量、または配置を選択することによって、付勢部材に対して、光軸に対して略垂直な方向においてホルダ側またはベース側の好ましい方向、または好ましい量の力を加えることができる。したがって、与圧調整部材は、付勢部材を好ましい位置まで撓ませることができる。
また、本発明に係るアクチュエータは、前記ホルダに保持される光学部材と、前記光学部材により撮像面に結像された画像を電気信号に変換する撮像素子とを備えることによって、例えばカメラモジュールなどの撮像機器として機能する。
また、上記撮像機器は、電子機器や自動車など、カメラが搭載される装置全般に適用することが可能となる。
本発明に係るアクチュエータによれば、付勢部材から球体を介してホルダに働く与圧を調整する与圧調整部材を備えるため、ホルダの姿勢は安定に保たれ、その結果、アクチュエータの駆動安定性を向上させることができる。
本発明の第一の実施形態に係るアクチュエータ1について、図1から図12に基づいて説明する。なお、以下の説明では、本発明を実施するために好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の実施形態および図面に限定されるものではない。
(アクチュエータ1の構成)
本実施形態におけるアクチュエータ1の要部構成を、図2から図4を参照して以下に説明する。図2は、アクチュエータ1の要部構成を示す分解斜視図である。図3は、アクチュエータ1の要部構成を示す斜視図である。図4は、アクチュエータ1の要部構成を示す断面図である。
図2から図4に示すように、アクチュエータ1は、上側ガイド(支持体)9、板バネ11、マグネット12、ヨーク13、コイル14、光学部材16を保持するホルダ15、球体17、ベース(支持体)18、および規制部材21を備えている。また、ここでは図示していないが、アクチュエータ1はさらに付勢部材20および与圧調整部材29を備えている。
なお、撮像素子19はアクチュエータ1の構成要素ではないが、アクチュエータ1は、撮像素子19を備えることにより、例えば携帯電話などの電子機器に搭載された撮像機器のオートフォーカスに用いられる。すなわち、アクチュエータ1は、撮像対象となる物体を光学部材16により撮像素子19上に結像する。したがって、本実施形態では、光学部材16が画像を結像する方向を「光軸方向」、この光軸方向において撮像対象となる物体側を「物体側」、および物体側と反対側を「像面側」と定義する。
アクチュエータ1は、オートフォーカスを行うために、光学部材16を保持するホルダ15を駆動させるための磁気回路を有している。この磁気回路は、マグネット12、ヨーク13、およびコイル14によって構成されている。ヨーク13は円筒形状をしており、この内壁には円筒形状のマグネット12が接着剤により固定されている。一方、コイル14は、ホルダ15を内側に収容し、かつ一体的に固定している。コイル14およびホルダ15は、ヨーク13およびマグネット12の円筒形状内に収容されるように配置されている。
上記構成によれば、コイル14に電流が印加されると、マグネット12とコイル14との間に電磁誘導現象が起こり、コイル14に一体的に固定されているホルダ15に対して、光軸方向の推力が発生する。この推力によって、ホルダ15が光軸方向に移動する。なお、ホルダ15に発生する推力は、コイル14に印加される電流量に比例する。
また、ホルダ15は、物体側を上側ガイド9によって移動可能に保持され、像面側をベース18によって移動可能に保持されている。ホルダ15の物体側の面には、板バネ11が配され、ホルダ15の光軸方向の移動量に比例した与圧を与えるようになっている。
また、上側ガイド9の物体側およびベース18の像面側には、それぞれ規制部材21が設置されている。このため、ホルダ15が物体側および像面側いずれの光軸方向に移動しても、それぞれの規制部材21に当接するため、ホルダ15の光軸方向の移動が制限される。
(球体17について)
アクチュエータ1において、ホルダ15の移動は球体17によって支持されている。この球体17について、図4を参照して以下に説明する。
まず、図4に示すように、球体17はホルダ15の物体側および像面側のそれぞれに配置されることが好ましい。そのための構成として、ホルダ15の側面には、上側ガイド9またはベース18と対向する位置に、窪み部15aが形成されている。さらに上側ガイド9およびベース18において窪み部15aと対面する位置には、それぞれ挿通孔9aおよび18aが形成されている。したがって、ホルダ15の物体側および像面側それぞれには、窪み部15aと、挿通孔9aまたは18aとによる間隙が形成される。
球体17は、上記間隙に配置され、後述する付勢部材に付勢されることによって、ホルダ15の側面と、上側ガイド9またはベース18とに確実に接している。そのため、ホルダ15の光軸方向の移動は、ホルダ15との摩擦によって回転する球体17によって支持される。一方、ホルダ15の光軸に略垂直な方向への移動は、球体17によって規制される。
また、球体17は、ホルダ15側面における物体側および像面側それぞれに、少なくとも3個配されていればよい。2個配された構成は、ホルダ15が光軸方向に移動する際に、ホルダ15の位置が不安定となるため好ましくない。
また、球体17の配置は、光軸に略垂直な面内において、ホルダ15の中心と各球体17とを結びかつ隣り合う直線間の角度が、互いに等しくなるようにすることが好ましい。例えば、物体側または像面側に3個の球体17を配す場合、図5に示すように、光軸に略垂直な面内において、ホルダ15の中心と各球体17とを結びかつ隣り合う直線間の角度は、いずれも約120°とする。図5はアクチュエータ1を光軸方向から俯瞰した模式図である。
上記構成によって、球体17は光軸に略垂直な方向においてホルダを挟むように配置されるため、球体17によるホルダ15の支持が偏ることがない。そのため、ホルダ15の光軸方向における移動を、より正確に支持できる。また、3個以上の球体17を配置する場合であっても、上記角度が変わることを除いて同様である。
また、アクチュエータ1における球体17は、強磁界中においてその配置が影響せず、磁気回路による磁束分布に対し影響を与えない材料、すなわち非磁性材料からなることが好ましい。例えば、セラミック、真鍮、ガラス、および非磁性ステンレス鋼などが挙げられる。
(付勢部材20について)
アクチュエータ1において、付勢部材20は、球体17を介してホルダ15を光軸に略垂直な方向に付勢している。この付勢部材20について、図4から図8を参照して以下に説明する。
図4に示すように、付勢部材20は上側ガイド9およびベース18にそれぞれ配置され、それぞれ1個の球体17が配されているのが好ましい。上記構成によって、付勢部材20は、球体17を介してホルダ15を、光軸に対して略垂直な方向に偏りなく付勢することができる。
また、図5に示すように、ベース18に配される付勢部材20はベース18と、上側ガイド9に配される付勢部材20は上側ガイド9と一体的に形成されることが好ましい。さらに、付勢部材20とベース18との間、および付勢部材20と上側ガイド9との間には、空間28が設けられることが好ましい。後述にて詳しく述べるが、空間28には、与圧調整部材29が配置される。また、空間28は、付勢部材20が光軸方向に略垂直な方向においてベース18側に撓むためのスペースともなる。
また、付勢部材20は高分子材料や板バネ等の弾性部材であることが好ましい。
(アクチュエータ1の比較例)
ここで、本発明のアクチュエータ1の比較例として、与圧調整部材29を設けていないアクチュエータを用いて、ホルダ15に働く与圧について図6から図8を参照して以下に説明する。図6、図7(a)および図8(a)はホルダ15を光軸方向から俯瞰した模式図であり、図7(b)および図8(b)は、ホルダ15の重心Gに加わる与圧を用いて形成した力の三角形を示す図である。なお、比較例のアクチュエータにおいて、アクチュエータ1と同じ部材には、同じ部材番号を付している。
比較例のアクチュエータにおいては、球体17が3個配されており、図6に示すようなホルダ15に働く力が発生している。f1は、付勢部材20から球体17を介してホルダ15に加わる力を示しており、f2およびf3は、支持体18から球体17を介してホルダ15に働く反力を示している。なお、Gはホルダ15の重心を示している。
比較例のアクチュエータにおいて、付勢部材20からホルダ15に働く与圧がアクチュエータの推力よりも大きい場合、アクチュエータが動作できないことがある。仮に、付勢部材20のばね定数を1gf/μmとし、球体17のホルダ15との転がり摩擦係数を0.01とした上で、付勢部材20が最適位置より10μm内側に撓んでいるとする。この時、付勢部材20から球体17を介してホルダ15に加わる与圧f1は、最適値よりも10gf余分に加わることになる。f2およびf3も単純に同じ量だけ増分したとすると、球体17からホルダ15に加わる摩擦力は、10gf×3×0.01=0.3gf増分することになる。このため、仮に1ステップごとの推力が0.25gfであるステップ電流を比較例のアクチュエータに対して印加する場合、このアクチュエータは動作することができない。したがって、アクチュエータの安定な駆動を実現するために、各球体17からホルダ15に働く与圧の大きさは必要な範囲に収まっていることが必要となる。
また、比較例のアクチュエータにおいて、付勢部材からホルダに働く与圧がアクチュエータの推力よりも明らかに小さすぎる場合、ホルダに働く力がホルダの中心から外れてしまうことがある。具体的には、図7に示すように、球体17からホルダ15に働く力はそれぞれ違う値となり、ホルダ15の中心には向かなくなってしまう。この状況は特に、アクチュエータの部材を形成する際に余分な突起として形成されるバリが、球体17との摺動面に影響を与える場合において起こりえる。
図7の状況下では、アクチュエータの動作時、力fが大きさと方向を変えながら絶えずホルダ15に働き、アクチュエータの動作特性に影響を及ぼす。そのため、ホルダ15の姿勢安定性は低下してしまう。したがって、図8(b)に示すように、ホルダ15の重心Gに加わる与圧は、光軸周りのモーメントを持たない正三角形を形成するように調整されることが好ましい。
(与圧の範囲)
上述の比較例に対して、本発明に係るアクチュエータ1には、与圧調整部材29が設けられている。そのため、付勢部材20から球体17を介してホルダ15に働く与圧は与圧調整部材29によって調整される。そこで、アクチュエータ1の駆動に最も推力が必要となる場合における、ホルダ15が動作するための与圧の範囲について、図9を参照して以下に説明する。図9は、ホルダ15に働く外力を示す模式図である。なお、アクチュエータ1の駆動に最も推力が必要となる場合とは、アクチュエータ1がホルダ15の重力とは逆向きに駆動する場合であり、ホルダ15に働く推力は、転がり摩擦、ホルダ15の重力、および空気抵抗とは逆向きに働く場合である。
図9に示すように、各球体17からホルダ15に働く与圧をf1、f2、およびf3、ホルダ15の質量をM、重力加速度をg、球体17の転がり摩擦係数をμr、各球体17からホルダ15に働く転がり摩擦力をμr×f1、μr×f2、およびμr×f3、電磁力によるアクチュエータ1の推力をF、空気抵抗をfa、およびホルダ15の加速度をaとする。なお、図9においては、f3およびμr×f3の図示は省略している。
図9において、アクチュエータ1の推力の働いている方向を正の向きとすると、ホルダ15の運動方程式は以下の式(1)に示される。
M×a=F−μr×(f1+f2+f3)−M×g−fa ・・・(1)
式(1)において、アクチュエータ1が駆動するためには、a>0となるため、アクチュエータ1の推力Fは以下の式(2)に示される値となる。
F>μr×(f1+f2+f3)+M×g+fa ・・・(2)
したがって、与圧の範囲は以下の式(3)に示される。
(f1+f2+f3)<(F−M×g−fa)/μr ・・・(3)
例えば、式(3)において、推力Fを0.25gf、ホルダ15の質量を0.1g、転がり摩擦係数μrを0.01と仮定し、空気抵抗faを無視した場合には、与圧の範囲は次の式(4)に示される。
(f1+f2+f3)<15gf ・・・(4)
この時、各球体からホルダ15に働く与圧は最大4gf程度となる。ただし実際には、アクチュエータ1駆動時において球体17と摺動面との間の摩擦係数は、転がり摩擦だけでなく、滑り摩擦を加えた2つが寄与する。一般に、滑り摩擦は転がり摩擦に比べて格段に大きい。そのため、アクチュエータ1が十分な推力を確保しながら安定な駆動を実現するためには、(4)式で示された与圧の範囲はさらに制限される。また、十分な推力を確保してアクチュエータ1を駆動するには、滑り摩擦の割合を示すスリップ率はできるだけ小さい方が好ましい。滑り摩擦を考慮した与圧の範囲については、以下に詳しく説明する。
アクチュエータ1がホルダ15の重力と動方向に駆動する場合、つまり球体17が最も滑りやすい場合における、ホルダ15が動作するための与圧の範囲について、図10を参照して以下に説明する。図10は、ホルダ15に働く外力を示す模式図である。なお、この時の滑り摩擦係数はμsとする。
図10において、まずスリップ率を小さく抑えるためには、以下の式(5)が満たされることが必要である。式(5)を満たすためには、球体17からホルダ15に働く与圧を大きく調節する他に、球体17またはホルダ15の部材を選定することによって、球体17-ホルダ15間の滑り摩擦係数μsを大きくしてもよい。
(f1+f2+f3)>(F+M×g−fa)/μs ・・・(5)
式(5)を満たし、さらに、アクチュエータを駆動するための適切な与圧の範囲の条件である式(3)を満たすようにすると、与圧の範囲は次の式(6)に示される。
(F+M×g−fa)/μs<(f1+f2+f3)<(F−M×g−fa)/μr
・・・(6)
式(6)に示される与圧の範囲を満たすように、球体17からホルダに働く与圧を調節することによって、球体のスリップを回避しながら、アクチュエータ1を駆動することができる。
(与圧調整部材の選択)
本発明に係るアクチュエータ1において、与圧調整部材29は、付勢部材20を光軸に対して略垂直な方向におけるホルダ15側またはベース18側に調整することができればよい。ここで、与圧調整部材29の構成例について、図1、図11および図12を参照して以下に説明する。図1、図11および図12は、与圧調整部材29を示す模式図である。なお、以下の説明では、ベース18に設けられた付勢部材20を用いて説明するが、上側ガイド9に設けられた付勢部材20についても同様である。
まず、与圧調整部材29として接着剤を用いる場合について、図1を参照して説明する。接着剤としては、塗布後に硬化収縮する接着剤を用いる。また、与圧調整部材29の設置方法については、図1に示すように、空間28の一部を埋めるように、付勢部材20およびベース18に接着剤を塗布する。塗布に際しては、接着剤の種類の選定および塗布量の調整を行い、塗布された接着剤が硬化収縮することによって、付勢部材20が調整されるようにする。図1では、与圧調整部材29が設置される前、最適位置よりも光軸に対して略垂直な方向におけるホルダ15側に撓んでいる付勢部材20は、接着剤の効果収縮によって、矢印の方向に撓ませられている。これによって、与圧調整部材29はホルダ15に働く与圧を低減させることができる。
また、与圧調整部材29は、付勢部材20における球体17との摺動面が与圧調整後も与圧調整前と平行となるように、与圧を調整することが好ましい。それによって、アクチュエータ1は安定に駆動することができる。
なお、与圧調整部材29は、接着剤の量を多く調整することによって、ホルダ15に働く与圧を増加することもできる。
次に、与圧調整部材30としてピンを用いる場合について図11を参照して説明する。図11において、与圧調整部材30は両端が引き合う力をもつピンを用いている。また、図11に示すように、与圧調整部材30は空間28に配置され、ピンの両端を付勢部材20およびベース18に接続している。図11では、与圧調整部材30が設置される前、最適位置よりも光軸に対して略垂直な方向におけるホルダ15側に撓んでいる付勢部材20は、ピンの引き合う力によって、矢印の方向に撓ませられている。ホルダ15に働く与圧を低減させることができる。
一方、与圧調整部材30とするピンは、弾性を有するピンを用いることによって、付勢部材20を図11とは逆の方向に撓ませることもできる。この場合、ホルダに働く与圧は増加する。
さらに、与圧調整部材31として磁石を用いる場合について図12を参照して説明する。図12に示すように、与圧調整部材31とする磁石は、付勢部材20およびベース18にそれぞれ設けられる。この時、付勢部材20およびベース18それぞれに設けられた磁石は、お互いに対面する側における引力が働くように配置されている。図12では、与圧調整部材31が設置される前、最適位置よりも光軸方向に対して略垂直な方向におけるホルダ15側に撓んでいる付勢部材20は、磁石間に働く磁力によって矢印の方向に撓ませられている。これによって、与圧調整部材31は、ホルダ15に働く与圧を低減させることができる。
一方、付勢部材20およびベース18それぞれに設けられた磁石について、お互いに対面する側において、反発力が働くように配置した場合には、付勢部材20がホルダ15側に撓むように力が働く。この場合、球体17からホルダ15に働く与圧は増加する。
また、与圧調整部材31として磁石を用いる代わりに、コイルを用いてもよい。例えば、付勢部材20およびベース18それぞれに設けられた磁石は、一方をコイルに換えてもよいし、両方ともコイルに換えてもよい。与圧調整部材31としてコイルを用いる場合には、コイルに電流を流すことによって発生するローレンツ力を利用する。
また、上述では付勢部材20が最適位置からはずれている場合における、与圧調整部材29〜31による調整について説明したが、アクチュエータ1の製造段階において、付勢部材20の加工精度が出ない場合には、故意にホルダ15を強く付勢するよう付勢部材20を設計し、その状態から与圧を調整してもよい。
(撮像装置、および電子機器への利用)
また、アクチュエータ1は、カメラモジュールやその他の電子機器にも搭載されることができる。例えば、撮像素子を有するセンサーを、アクチュエータ1のホルダ15に固定した撮像装置とすることができる。
さらにアクチュエータ1を搭載した撮像装置は、携帯電話や、デジタルスチルカメラやビデオカメラなどの電子機器に搭載して利用することができる。
本実施例においては、本実施形態におけるアクチュエータ1と、その比較例のアクチュエータとの性能の比較を行った。
比較例のアクチュエータの構成は、与圧調整部材を設けていない他は、アクチュエータ1と同様とした。さらに、比較例のアクチュエータは、付勢部材20が最適位置よりもホルダ15側に撓んでいるものを用いた。
アクチュエータ1は、上記比較例と同様に、付勢部材20が最適位置よりもホルダ15側に撓んでいるものに対し、熱硬化性接着剤を与圧調整部材として用いて、ホルダ15に働く与圧を調節したものを用いた。なお、与圧の調整は、空間28の一部を埋めるように接着剤を塗布した後、ヒーターによって80℃で30分間暖め、接着剤を硬化収縮させることによって行った。
比較は、アクチュエータ1および比較例のアクチュエータのそれぞれに対して電流を流し、電流値に対するホルダの変位量を測定することによって行った。電流値については、0.2s毎に5mAずつステップ状に最大80mAまで増加させ、その後0.2s毎に5mAずつステップ状に減少させた。
上記比較について、電流値40mA〜75mAにおける測定結果を図13および図14に示した。図13は、比較例のアクチュエータにおける電流値−変位量を示す図であり、図14は、アクチュエータ1における電流値−変位量を示す図である。なお、図13および図14において、横軸は電流値(mA)を示し、縦軸は変位量(mm)を示している。
図13および図14に示すように、アクチュエータ1のステップ電流に対する変位量は、比較例のアクチュエータのものよりも安定しており、入力電流に対する変位は直線性に優れていた。したがって、アクチュエータ1は、与圧調整部材を備えることによって駆動性が向上していることが確認された。
本発明に係るアクチュエータは、カメラモジュールのオートフォーカスに用いられるアクチュエータとして、幅広く利用できる。
本発明の実施形態に係る与圧調整部材を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るアクチュエータの要部構成を示す分解斜視図である 本発明の実施形態に係るアクチュエータの要部構成を示す斜視図である 本発明の実施形態に係るアクチュエータの要部構成を示す断面図である。 本発明に係る球体の配置の一例を示す図である。 ホルダに働く与圧を示す模式図である。 ホルダに働く与圧を示す模式図である。 ホルダに働く与圧を示す模式図である。 ホルダに働く外力を示す模式図である。 ホルダに働く外力を示す模式図である。 本発明の他の実施形態に係る与圧調整部材を示す模式図である。 本発明の他の実施形態に係る与圧調整部材を示す模式図である。 比較例のアクチュエータにおける電流―変位特性を示す図である。 本発明の実施形態に係るアクチュエータにおける電流―変位特性を示す図である。
符号の説明
9 上側ガイド(支持体)
15 ホルダ
16 光学部材
17 球体
18 ベース(支持体)
20 付勢部材
29〜31 与圧調整部材

Claims (3)

  1. 光学部材を保持するホルダと、
    前記ホルダを光軸方向に移動可能に保持する支持体と、
    前記ホルダと前記支持体との間に配され、かつ前記ホルダを支持する複数個の球体と、
    前記複数の球体のうち少なくとも1個の球体を介して、前記ホルダを光軸に略垂直な方向に付勢する付勢部材と、
    前記付勢部材から前記ホルダに働く与圧を調整する与圧調整部材とを備え
    前記付勢部材は弾性部材であり、
    前記付勢部材は、前記支持体と一体に形成され、かつ前記支持体との間に空間を有しており、
    前記与圧調整部材は、前記付勢部材を、前記光軸に対して略垂直な方向における前記ホルダ側または前記支持体側に撓ませており、
    前記与圧調整部材は、前記支持体と前記付勢部材との間に設置された接着剤、または、前記支持体および前記付勢部材のそれぞれに設置されている磁石または電流の流れるコイルであることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 請求項1に記載のアクチュエータと、
    前記ホルダに保持される光学部材と、
    前記光学部材により撮像面に結像された画像を電気信号に変換する撮像素子とを備えていることを特徴とする撮像機器。
  3. 請求項2に記載の撮像機器を備えていることを特徴とする電子機器。
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