JP2009133433A - ダンパ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きく異なる複数の共振周波数でそれぞれ制振効果を発揮できるコンパクトなダンパ装置を提供し、振動騒音を低減し得る車両用動力伝達装置を提供する。
【解決手段】トーショナルダンパ11、12の質量体21、26が対応する弾性体を取り囲む環状をなし、ダンパ11の質量体21が、コンパニオンフランジ15に対し回転方向に変位するときに弾性体をせん断変形させ、回転方向以外に変位するときに弾性体の一部を圧縮変形させる第1傾斜面部を有し、トーショナルダンパ12の質量体26が、フランジ15に対し中心軸線方向に変位するときに弾性体をせん断変形させ、中心軸線方向以外に変位するときに弾性体の一部を圧縮変形させる複数の第2傾斜面部を有し、質量体21、26およびフランジ15のうち少なくとも1つが、第1傾斜面部および複数の第2傾斜面部に対向する第1対向面部24a、24bおよび複数の第2対向面部29a、29bを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、質量体と弾性体を備えたダンパ装置、特に特性の異なる複数のトーショナルダンパを同一の回転体に支持させるように構成されたダンパ装置に関する。
共振周波数において動吸振による制振効果を発揮するダンパ装置の1つとして、質量体と弾性体を用いてねじり(捩り)振動を抑制するトーショナルダンパが知られており、例えば車両のディファレンシャル装置等の動力伝達装置における回転入力部に使用されている。
この種のダンパ装置としては、例えば同心的に配置された径の異なる2つの環状の質量体と軸部との間に径の異なる2つの環状の弾性体を充填・結合して単一円板状のトーショナルダンパを構成し、それぞれ質量体および弾性体からなる内外2つの環状慣性体の連成振動によって2つの固有振動を得るようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ハブの外周に第1のエラストマーリングを介して支持される第1の振動リングに対しその外方のプーリを一体結合して制振に要する慣性質量を確保するとともに、その内部空間に第2のエラストマーリングを介して第2の振動リングを支持させ、内外2重のダンパ構成としたものがある(例えば、特許文献2参照)。
あるいは、対向するテーパ状のスライドハブに内周部をテーパ状にした第1、第2の質量体をそれぞれテーパ状の弾性体を介して装着し、スライドハブを軸方向に相対変位させることで弾性体の圧縮量を変化させ、固有振動数を調節できるようにしたものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、車両のディファレンシャル装置において、加速時と減速時では最終減速歯車部分での噛合い騒音を惹起するねじり振動周波数が異なる点に着目し、共振周波数の異なる2つのトーショナルダンパをディファレンシャル装置の入力部のフランジ外周に同心的に配設したものがある(例えば、特許文献4参照)。
実開昭61−109941号公報 実開平2−72835号公報 実開平6−69486号公報 実開昭62−200033号公報
しかしながら、上述のような従来のダンパ装置にあっては、制振効果を発揮する共振周波数を複数の大きく異なる周波数に設定したコンパクトなダンパ装置とすることが困難であった。
例えば、後輪駆動車の騒音・振動のうちリヤディファレンシャル装置の回転入力部の共振に伴う車室側でのうなり音を低減することは難易度の高い課題であり、その回転入力部の共振を惹起する強制力(その強制力による終減速歯車の噛合い点での加振振幅に対してディファレンシャル装置の回転入力部に生じる周期的な応答変位の振幅比を示す噛合い点動剛性)を抑えるためにリヤディファレンシャル装置の回転入力部のフランジに従来のトーショナルダンパを装着することが有効ではあるものの、このうなり音の確実な低減には回転入力部の曲げ共振を抑えることが必要になる。
ところが、ねじり共振に対して制振効果を発揮するダンパ装置の共振周波数と前後こじり共振に対して制振効果を発揮するダンパ装置の共振周波数とが大きく離れてしまう(例えば数百Hz程度)ことが多く、従来のトーショナルダンパを用いるのでは、ディファレンシャル装置の入力部という限られた設置スペース内で共振周波数の大きく離れた2つの共振に対する制振効果を両立させ得るコンパクトなダンパ装置を提供することは困難であった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、大きく異なる複数の共振周波数でそれぞれ制振効果を発揮することができるコンパクトなダンパ装置を提供し、更にはそのダンパ装置により振動騒音を低減し得る車両用動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明に係るダンパ装置は、上記目的達成のため、(1)それぞれ質量体と該質量体に一体に装着されたゴム弾性を有する弾性体とからなり互いに特性の異なる複数のトーショナルダンパを備え、前記複数のトーショナルダンパが中心軸線回りに回転する回転体に装着されるダンパ装置において、前記複数のトーショナルダンパの前記質量体がそれぞれ対応する前記弾性体を取り囲む環状をなし、前記複数のトーショナルダンパのうちいずれか1つ以上のトーショナルダンパの質量体が、前記回転体に対し前記中心軸線回りの回転方向に変位するときには前記弾性体をせん断変形させ、前記回転体に対し前記回転方向以外の方向に変位するときには前記弾性体の一部を圧縮変形させるように該質量体の周方向に延びる第1傾斜面部を有し、前記複数のトーショナルダンパのうち残りのトーショナルダンパの質量体のいずれか1つ以上が、前記回転体に対し前記中心軸線方向に変位するときには前記弾性体をせん断変形させ、前記回転体に対し前記中心軸線方向以外の方向に変位するときには前記弾性体の一部を圧縮変形させるように該質量体の周方向に離間しつつ軸方向に延びる複数の第2傾斜面部を有し、前記複数のトーショナルダンパの質量体および前記回転体のうち少なくとも1つが、前記第1傾斜面部および前記第2傾斜面部にそれぞれ対向する第1対向面部および複数の第2対向面部を有することを特徴とする。
この構成により、第1傾斜面部を有する質量体とその質量体に一体に装着された弾性体とからなるトーショナルダンパは、ねじり方向の振動入力については弾性体がせん断変形し、前後のこじり方向の振動入力等に対しては弾性体の圧縮を伴うことから、その第1傾斜面部の角度や数を適宜設定することで、ねじり共振周波数を維持しつつ、前後こじり等の共振周波数をチューニングできるものとなる。一方、第2傾斜面部を有する質量体とその質量体に一体に装着された弾性体とからなるトーショナルダンパは、回転中心軸線方向の振動入力や前後のこじり等に対しては弾性体がせん断変形し、ねじり振動に対しては弾性体の圧縮を伴うことから、その第2傾斜面部の角度や数を適宜設定することで、前後こじり振動等の共振周波数を維持しつつ、ねじり共振周波数をチューニングすることができるものとなる。したがって、これらのトーショナルダンパを組み合わせ、大きく異なる複数の共振周波数でそれぞれ制振効果を発揮し得るコンパクトなダンパ装置が実現できる。
上記(1)に記載の構成を有するダンパ装置においては、(2)前記複数のトーショナルダンパが前記回転体の径方向に積層され、前記複数のトーショナルダンパのうち内側のトーショナルダンパの質量体が、前記第1傾斜面部および前記第2傾斜面部のうちいずれか一方を内周側に、前記第1傾斜面部および前記第2傾斜面部のうちいずれか他方の傾斜面部に対応する前記第1対向面部または前記第2対向面部を外周側に、それぞれ有しているのが好ましい。
この構成により、複数のトーショナルダンパが回転体の径方向に積層されるので、軸長の短いコンパクトなダンパ装置となる。
上記(1)に記載の構成を有するダンパ装置においては、(3)前記複数のトーショナルダンパが前記回転体の前記回転中心軸線方向に隣り合うように並列配置され、前記回転体が前記第1対向面部および前記第2対向面部を有しているのがよい。
この構成により、複数のトーショナルダンパが回転体の回転中心軸線方向に隣り合うように配置されるので、半径の小さいコンパクトなダンパ装置となる。
上記(1)〜(3)に記載のダンパ装置は、(4)前記複数のトーショナルダンパのうちいずれか1つ以上のトーショナルダンパの質量体が、前記第1傾斜面部を形成するよう該質量体の径方向に突出して周方向に延在する第1凸部を有し、前記複数のトーショナルダンパのうち残りのトーショナルダンパの質量体のいずれか1つ以上が、前記複数の第2傾斜面部を形成するよう該質量体の周方向に離間しつつ軸方向に延びる複数の第2凸部を有し、前記複数のトーショナルダンパの質量体および前記回転体のうち少なくとも1つが、前記第1対向面部および前記複数の第2対向面部を形成するよう前記第1凸部および前記第2凸部にそれぞれ対応する凹状をなす第1対向凹部および複数の第2対向凹部を有しているのが好ましい。
この構成により、周方向に延在する第1凸部とそれに対応する第1対向凹部との間に弾性体を有するトーショナルダンパは、軸方向への振動入力や前後のこじり等に対する弾性体の剛性を、その第1凸部および第1対向凹部の数や第1傾斜面の角度等を適宜設定して広範囲の値から選定することができ、ねじり共振周波数を維持しつつ、前後のこじり等に対する共振周波数をねじり共振周波数に対し十分に離れた周波数にチューニングできるものとなる。一方、周方向に離間しつつ軸方向に延びる複数の第2凸部とそれに対応する第2対向凹部との間に弾性体を有するトーショナルダンパは、回転方向の加振力に対する弾性体の剛性を、第2凸部および第2対向凹部の数や第2傾斜面の角度等を適宜設定して広範囲の値から選定することができ、前後こじり等の共振周波数を維持しつつ、ねじり共振周波数を前後こじり等の共振周波数に対し十分に離れた周波数にチューニングすることができるものとなる。したがって、共振周波数が大きく離れる複数の共振に対して制振効果を発揮し得るコンパクトなダンパ装置が実現できる。
上記(1)〜(3)に記載のダンパ装置は、あるいは、(5)前記複数のトーショナルダンパのうちいずれか1つ以上のトーショナルダンパの質量体が、前記第1傾斜面部を形成するよう該質量体の径方向に凹んで周方向に延在する第1凹部を有し、前記複数のトーショナルダンパのうち残りのトーショナルダンパの質量体のいずれか1つ以上が、前記複数の第2傾斜面部を形成するよう該質量体の周方向に離間しつつ軸方向に延びる複数の第2凹部を有し、前記複数のトーショナルダンパの質量体および前記回転体のうち少なくとも1つが、前記第1対向面部および前記複数の第2対向面部を形成するよう前記第1凹部および前記第2凹部にそれぞれ対応する凸状をなす第1対向凸部および複数の第2対向凸部を有しているものであっても好ましい。
この構成により、周方向に延在する第1凹部とそれに対応する第1対向凸部との間に弾性体を有するトーショナルダンパは、前後のこじり等に対する弾性体の剛性を、第1凹部および第1対向凸部の数とそれらの傾斜面角度等を適宜設定して広範囲の値から選定することができ、ねじり共振周波数を維持しつつ、前後のこじり等に対する共振周波数をねじり共振周波数に対し十分に離れた周波数にチューニングできるものとなる。一方、周方向に離間しつつ軸方向に延びる複数の第2凹部とそれに対応する第2対向凸部との間に弾性体を有するトーショナルダンパは、回転方向の加振力に対する弾性体の剛性を、第2凹部および第2対向凸部の数やそれらの傾斜面角度等を適宜設定して広範囲の値から選定することができ、前後のこじり等に対する共振周波数を維持しつつ、ねじり共振周波数をこじり等の共振周波数に対し十分に離れた周波数にチューニングできるものとなる。したがって、共振周波数が大きく離れる複数の共振に対して制振効果を発揮し得るコンパクトなダンパ装置が実現できる。
本発明に係る動力伝達装置は、上記目的達成のため、(1)〜(5)のいずれかに記載のダンパ装置と、ケースと、前記ケースに回転自在に支持され回転動力を入力する駆動側歯車軸と、前記ケースに収納され、前記駆動側歯車軸に噛合し減速回転する従動側歯車軸と、前記従動側歯車軸により回転駆動される出力軸と、前記駆動側歯車軸の入力軸端部に装着された前記回転体と、を備えたものである。
この構成により、回転動力を入力する駆動側歯車軸の噛合い点の強制力による共振と、その駆動側歯車軸の曲げを伴う前後こじり振動の共振といったような、周波数が大きく離れる複数の共振に対して、ダンパ装置による制振効果を発揮させ、制振性能に優れた動力伝達を提供することができる。
上記(6)に記載の動力伝達装置は、(7)前記複数のトーショナルダンパのうち前記第1傾斜面部を有する質量体と該質量体に一体に装着された弾性体とからなる第1特性のトーショナルダンパの共振周波数が、前記駆動側歯車軸のねじり共振周波数の近傍値に設定され、前記複数のトーショナルダンパのうち前記第2傾斜面部を有する質量体と該質量体に一体に装着された弾性体とからなる第2特性のトーショナルダンパの共振周波数が、前記駆動側歯車軸の曲げ共振周波数の近傍値に設定されていることを特徴とする。
この構成により、駆動側歯車軸と従動側歯車軸との噛合い点での強制力によって駆動側歯車軸の入力軸端部近傍のケースに生じる振動のピークが駆動側歯車軸のねじり共振周波数により決定付けられるところ、第1特性のトーショナルダンパの共振周波数をその近傍値に設定することで、その振動のピークを抑えることができる。また、第2特性のトーショナルダンパの共振周波数が、駆動側歯車軸の入力軸端部における駆動側歯車軸の曲げ共振周波数の近傍値に設定されることで、駆動側歯車軸の入力軸端部近傍のケースの振動感度で決定付けられる動力伝達装置の振動ピークを抑えることができる。
本発明によれば、周方向に延びる第1傾斜面部を有する質量体とその質量体に一体に装着された弾性体とから、ねじり共振周波数を維持しつつ前後こじり等の共振周波数をチューニングできるトーショナルダンパを構成するとともに、軸方向に延びる第2傾斜面部を有する質量体とその質量体に一体に装着された弾性体とから、前後こじり振動等の共振周波数を維持しつつねじり共振周波数をチューニングすることができるトーショナルダンパを構成し、これらのトーショナルダンパを組み合わせたダンパ装置としているので、大きく異なる複数の共振周波数でそれぞれ制振効果を発揮することができるコンパクトなダンパ装置を提供することができる。さらに、そのダンパ装置により振動騒音を低減し得る車両用動力伝達装置を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るダンパ装置を装着した動力伝達装置の側面断面図であり、図2はそのダンパ装置の部分拡大斜視断面図、図3はそのダンパ装置の部分拡大側面断面図、図4はそのダンパ装置の部分拡大正面図である。本実施形態は、本発明のダンパ装置を後輪駆動車のリヤディファレンシャル装置に適用したものである。
まず、構成について説明する。
図1に示すように、ダンパ装置10は、半径方向の内外に積層された特性の異なる複数種のトーショナルダンパ11、12を備えており、これらトーショナルダンパ11、12は中心軸線回りに回転する回転体であるコンパニオンフランジ15に同心的に支持されるよう装着されている。
コンパニオンフランジ15は、後述する後輪駆動車のリヤディファレンシャル装置1の回転入力部に固定されており、複数のボルト穴15hに結合するボルトによって図示しないプロペラシャフト側のフレキシブルジョイントあるいはコンパニオンフランジに同心的に締結されている。すなわち、コンパニオンフランジ15は、プロペラシャフトからの回転動力を入力するとき、回転するようになっている。
リヤディファレンシャル装置1は、ディファレンシャルキャリヤケース2(本発明にいうケース)と、そのディファレンシャルキャリヤケース2の先端部から車両前方側に向かって突出する外端部3a(入力軸端部)およびかさ歯車3cが装着された内端部3bを有するドライブピニオン3(駆動側歯車軸)と、そのドライブピニオン3のかさ歯車3cに噛合する大径のかさ歯車であるリングギヤ4と、リングギヤ4に一体に結合されるとともに車両左右方向を軸方向とする筒状のディファレンシャルハウジング5と、ディファレンシャルハウジング5の中央部に嵌着されたシャフト5aにより回転自在に支持されたピニオン6a、6bと、これらピニオン6a、6bに噛合する左右のサイドギヤ7a、7bと、これらサイドギヤ7a、7bに回転方向一体に結合された左右のアクスル軸8a、8bとを有しており、ドライブピニオン3は2組の円錐ころ軸受9a、9bを介してディファレンシャルキャリヤケース2により回転可能に支持され、図示しないプロペラシャフトからの回転動力を入力するようになっている。
リングギヤ4およびディファレンシャルハウジング5は、ディファレンシャルキャリヤケース2内に収納され、ドライブピニオン3に噛合し減速回転する従動側歯車軸を構成しており、リングギヤ4の減速回転によりディファレンシャルハウジング5を回転させてシャフト5aと共にピニオン6a、6bおよびサイドギヤ7a、7bを回転させ、左右のアクスル軸8a、8b(出力軸)に回転駆動力を伝達する。また、一対のピニオン6a、6bがシャフト5aに対し回転自在であることで、サイドギヤ7a、7bが相対回転可能であり、車両旋回時の差動が可能となるようになっている。なお、円錐ころ軸受9a、9bは、互いに小径側で対向するように一定の間隔を隔てて配置されており、ディファレンシャルキャリヤケース2内に形成された油路2aを通して供給される潤滑油によって潤滑されるようになっている。
プロペラシャフト側に結合されるコンパニオンフランジ15は、スプライン結合等によりドライブピニオン3の外端部3aに回転方向一体に嵌合するとともに、ナット等の締結部材3nによってドライブピニオン3の外端部3aに一体に締結・固定されている。また、コンパニオンフランジ15の内端部が前方側の円錐ころ軸受9aの内輪部分に当接するとともに、締結部材3nの設定トルクでの締め付けによりドライブピニオン3が前方側に一定の力で引き寄せられることで、ドライブピニオン3が、円錐ころ軸受9a、9bの内輪と一体になって、ディファレンシャルキャリヤケース2に対し設定された位置に所要の姿勢で回転自在に支持されている。
図2から図4に示すように、トーショナルダンパ11は、環状質量体21と、その環状質量体21に一体に装着されたゴム弾性を有する環状弾性体22とからなり、その外方側のトーショナルダンパ12は、環状質量体26とその環状質量体26に一体に装着されたゴム弾性を有する環状弾性体27とからなる。なお、図2では、環状弾性体22、27を除いてコンパニオンフランジ15および環状質量体21の外周面形状をそれぞれ部分的に示している。環状弾性体22、27は、それぞれゴムもしくはエラストマーからなる。
複数のトーショナルダンパ11、12の環状質量体21、26は、それぞれ対応する環状弾性体22、27を取り囲む円環状をなしている。また、トーショナルダンパ11、12のうちいずれか1つ以上のトーショナルダンパ、例えばトーショナルダンパ11の環状質量体21は、コンパニオンフランジ15に対し中心軸線回りの回転方向に変位するときには環状弾性体22をせん断変形させ、コンパニオンフランジ15に対し回転方向以外の方向に変位するときには環状弾性体22の一部を圧縮変形させるように、その環状質量体21の周方向に延びる一対の第1傾斜面部23a、23bを有している(図3参照)。
また、複数のトーショナルダンパ11、12のうち残りのトーショナルダンパのいずれか1つ以上、例えばトーショナルダンパ12の環状質量体26は、コンパニオンフランジ15に対しその中心軸線方向に変位するときには環状弾性体27をせん断変形させ、コンパニオンフランジ15に対し中心軸線方向以外の方向に変位するときには環状弾性体27の一部を圧縮変形させるように、その環状質量体26の周方向に離間しつつ軸方向に延びる複数対の第2傾斜面部28a、28bを有している(図4参照)。そして、複数のトーショナルダンパ11、12の環状質量体21、26およびコンパニオンフランジ15のうち少なくとも1つは、第1傾斜面部23a、23bおよび第2傾斜面部28a、28bにそれぞれ平行に対向(対面)する一対の第1対向面部24a、24bおよび複数対の第2対向面部29a、29bを有している。
さらに、複数のトーショナルダンパ11、12は、コンパニオンフランジ15の径方向に積層されており、複数のトーショナルダンパ11、12のうち内側のトーショナルダンパ11の環状質量体21が、第1傾斜面部23a、23bおよび第2傾斜面部28a、28bのうちいずれか一方である第1傾斜面部23a、23bを内周側に、いずれか他方の傾斜面部である第2傾斜面部28a、28bに対応する第2対向面部29a、29bを外周側に、それぞれ有している。
本実施形態においては、複数のトーショナルダンパ11、12のうちいずれか1つ以上のトーショナルダンパ、例えばトーショナルダンパ11の環状質量体21が、一対の第1傾斜面部23a、23bを形成するようその環状質量体21の径方向内側に突出して周方向に延在する環状の第1凸部23を有しており、複数のトーショナルダンパ11、12のうち残りのトーショナルダンパの環状質量体のいずれか1つ以上、例えばトーショナルダンパ12の環状質量体26が、複数対の第2傾斜面部28a、28bを形成するようその環状質量体26の周方向等間隔に離間しつつ軸方向に延びる複数の平行な第2凸部28を有している。そして、複数のトーショナルダンパ11、12の環状質量体21、26およびコンパニオンフランジ15のうち少なくとも1つは、第1対向面部24a、24bおよび複数の第2対向面部29a、29bを形成するように、第1凸部23および第2凸部28に対応する凹状をなす第1対向凹部24および複数の第2対向凹部29を有している。
なお、環状の第1凸部23および第1対向凹部24は、それぞれ必ずしも1本である必要はなく複数本設けられてもよい。また、複数の第2凸部28および第2対向凹部29は、コンパニオンフランジ15の回転中心軸線、すなわちドライブピニオン3の回転中心軸線に対して平行であるのがよいが、湾曲したり多少の傾斜角をなしながらその回転中心軸線方向に延びたりしていてもよい。すなわち、複数の第2凸部28についていう、軸方向に延びるとは、ドライブピニオン3やコンパニオンフランジ15の回転中心軸線と平行な直線方向に延びるという意味に限定するものではない。
一方、複数のトーショナルダンパ11、12のうち第1傾斜面部23a、23bを有する環状質量体21とこの環状質量体21に一体に装着された環状弾性体22とからなる第1特性のトーショナルダンパ11は、そのねじり共振の共振周波数が、ドライブピニオン3のねじり共振周波数の近傍値に設定されている。ドライブピニオン3のねじれは、プロペラシャフトからの回転動力を外端部3aに入力しつつ、ドライブピニオン3とリングギヤ4との噛合い点Pmにおいてリングギヤ4からの反力を受けるドライブピニオン3の軸のねじれである。また、複数のトーショナルダンパ11、12のうち第2傾斜面部28a、28bを有する環状質量体26とその環状質量体26に一体に装着された環状弾性体27とからなる第2特性のトーショナルダンパ12は、その前後こじり共振の共振周波数が、ドライブピニオン3の曲げ共振周波数の近傍値に設定されている。ここで、前後こじり共振とは、トーショナルダンパ12の中心を通る車両左右方向の仮想軸線回りにピッチングするようにコンパニオンフランジ15およびドライブピニオン3の外端部3aを前後にこじる方向の共振現象であり、専らドライブピニオン3の曲げ共振によって惹起される。
次に、作用を説明する。
上述のように構成された本実施形態においては、車両に搭載された原動機から出力され変速機により変速された回転動力が、プロペラシャフトを介してドライブピニオン3の外端部3aに入力されると、ドライブピニオン3に噛合するリングギヤ4の減速回転によりディファレンシャルハウジング5が回転し、その内部のシャフト5aと共にピニオン6a、6bおよびサイドギヤ7a、7bが回転し、左右のアクスル軸8a、8b(出力軸)に回転駆動力が伝達される。また、車両旋回時に左右のアクスル軸8a、8bに回転角度(角速度)の差が生じるときには、一対のピニオン6a、6bを介して差動可能に結合されたサイドギヤ7a、7bが相対回転する。
このような車両の走行駆動状態においては、ドライブピニオン3がその外端部3aに入力される回転動力を受けつつリングギヤ4との噛合い点からは反力を受け、その反力は、ドライブピニオン3およびリングギヤ4の回転に伴い、更には入力される回転動力およびアクスル軸8a、8b側からの反力トルクの変化に伴って変動する。また、車両の走行状態に応じ、プロペラシャフト側の曲げ振動によって、あるいはサスペンションジオメトリの変化等によって、ドライブピニオン3には曲げ方向の振動も入力され、その外端部3aに装着されたコンパニオンフランジ15を前後にこじるような振動も生じる。したがって、リヤディファレンシャル装置1においては、ドライブピニオン3が装着された先端部側で振動が生じ易く、その先端部での共振が車体側に伝わっていわゆるデフうなり音を生じることがある。
リヤディファレンシャル装置1の回転入力部の共振を惹起する強制力の1つは、ドライブピニオン3とリングギヤ4の噛合い点を加振(強制力)してドライブピニオン3の外端部3a近傍のケースに生じる周期的な応答変位を生じさせるものであり、その強制力は、ドライブピニオン3およびリングギヤ4の噛合い点での加振振幅に対してリヤディファレンシャル装置1の回転入力部に生じる周期的な応答変位の振幅比を示す噛合い点動剛性で把握することができる。そして、この強制力を抑えるためには、コンパニオンフランジ15あるいはその近傍に、そのねじり共振の共振周波数がドライブピニオン3のねじり共振周波数の近傍値に設定されたトーショナルダンパ11を装着することが有効である。
すなわち、ドライブピニオン3とリングギヤ4との噛合い点からの加振によりドライブピニオン3の外端部3a近傍のケースに生じる周期的な応答変位を生じさせる強制力のピークが、ドライブピニオン3を含むドライブラインのねじり共振周波数により決定付けられるところ、共振周波数においてねじり共振を制振する第1特性のトーショナルダンパ11の共振周波数をドライブピニオン3を含むドライブラインのねじり共振周波数の近傍値に設定することで、その強制力のピークを抑えることができる。
また、リヤディファレンシャル装置1の回転入力部の振動感度、すなわち、ドライブピニオン3の外端部3a近傍のディファレンシャルキャリヤケース2の振動感度により決定付けられるリヤディファレンシャル装置1の振動のピークは、ドライブピニオン3の外端部3aにおけるドライブピニオン3の曲げ共振によっても惹起されるが、この共振に対して、第2特性のトーショナルダンパ12の共振周波数が、ドライブピニオン3の外端部3aのこじり振動に起因するドライブピニオン3の曲げ共振周波数の近傍値に設定されることで、ドライブピニオン3の外端部3a近傍のディファレンシャルキャリヤケース2の振動感度で決定付けられるリヤディファレンシャル装置1の振動ピークを有効に抑えることができる。
図5は、一般的なリヤディファレンシャル装置の先端部の振動レベル[dB]を縦軸とし、横軸をその周波数[Hz]として示す振動特性図である。この振動特性図中、周波数fa付近のピークは、専らドライブピニオン3とリングギヤ4の噛合い点強制力に起因するものであり、周波数fb付近のピークは、専らドライブピニオン3の外端部3aにおけるドライブピニオン3の曲げ共振に起因するものである。
図6は、デフ先端部の振動感度の周波数特性図である。同図中、リヤディファレンシャル装置1の回転入力部近傍(ここでは、単にデフ先端部ともいう)の振動感度により決定付けられる周波数fb付近の振動のピークに対し設定される、第2特性のトーショナルダンパ12のこじり共振周波数を黒丸印で示し、その第2特性のトーショナルダンパ12のねじり共振周波数を黒三角印で示している。
図6に示すように、黒丸印で示した第2特性のトーショナルダンパ12のこじり共振周波数は、ドライブピニオン3およびリングギヤ4側の共振に対するデフ先端部の振動感度のピークが重なる周波数fb付近に設定され、第2特性のトーショナルダンパ12のねじり共振周波数は黒三角印で示されるようにリングギヤ4側の振動に対応するデフ先端部の振動感度が若干低下する周波数付近に設定されている。
なお、図7中の太線がドライブピニオン3側の振動に対するデフ先端部の振動感度を、同図中の細い線がリングギヤ4側の振動に対応するデフ先端部の振動感度を、それぞれ示している。
図7においては、共振周波数においてねじり共振を制振する第1特性のトーショナルダンパ11のねじり共振周波数が三角印で示され、トーショナルダンパ11のこじり共振周波数が丸印で示されている。また、同図中の太線がドライブピニオン3側のコンプライアンスを、同図中の細い線がリングギヤ4側の振動に対応するコンプライアンスを、それぞれ示している。
同図に示すように、第1特性のトーショナルダンパ11のねじり共振周波数は、リヤディファレンシャル装置1の周波数fa付近のピークを決定付けるドライブピニオン3側のねじり共振周波数fcの近傍値に設定されており、トーショナルダンパ11のこじり共振周波数は、ドライブピニオン3のねじり共振周波数fcよりも高い周波数、例えばfcからfbの間に設定されている。
本実施形態において、トーショナルダンパ11は、ねじり方向については環状弾性体22がせん断変形し、前後のこじりに対しては環状弾性体22の圧縮を伴うことになるから、第1凸部23の数やその第1傾斜面部23a、23bの傾斜角度を適宜設定することで、ねじり共振周波数を維持しつつ、前後こじりの共振周波数をチューニングできるものとなる。また、トーショナルダンパ12は、前後のこじり方向については環状弾性体27がせん断変形し、ねじりに対しては環状弾性体27の圧縮を伴うことから、第2凸部28の数やその第2傾斜面部28a、28bの傾斜角度を適宜設定することで、前後こじり共振周波数を維持しつつ、ねじり共振周波数をチューニングすることができるものとなる。
したがって、図6から図8に示すように、トーショナルダンパ11、12の共振周波数をそれぞれねじり共振とこじり共振という共振周波数が大きく異なる場合の制振に寄与する周波数に設定することができるとともに、一方はねじり共振の制振に効果的な共振周波数fcとし、他方はこの共振周波数fcから例えば数百Hz程度離れたこじり共振の制振に効果的な周波数fd若しくはfbとして、それぞれの制振効果を発揮させることができる。しかも、これらトーショナルダンパ11、12をコンパニオンフランジ15の径方向に積層しているので、軸長の短いコンパクトなダンパ装置となる。その結果、リヤディファレンシャル装置1の入力部という限られた設置スペース内で、共振周波数が大きく異なる複数の共振を狙い値としても、それぞれの制振効果を両立させることができる、コンパクトなダンパ装置を実現できる。
このように、本実施形態のダンパ装置10によれば、第1傾斜面部23a、23bを有する環状質量体21とその環状質量体21に一体に装着された環状弾性体22とから、ねじり共振周波数を維持しつつ前後こじり等の共振周波数をチューニングできるトーショナルダンパ11を構成するとともに、第2傾斜面部28a、28bを有する環状質量体26とその環状質量体26に一体に装着された環状弾性体27とから、前後こじり振動等の共振周波数を維持しつつねじり共振周波数をチューニングすることができるトーショナルダンパ12を構成し、これらのトーショナルダンパ11、12を内外に積層し組み合わせたダンパ装置10としているので、共振周波数が大きく異なる複数の共振現象に対しても確実に制振効果を発揮することができる、コンパクトなダンパ装置が実現できる。
また、トーショナルダンパ11は、前後のこじりに対する環状弾性体22の剛性を広範囲の値から例えば高剛性に選定することができ、ねじり共振周波数を維持しつつ、前後こじり共振周波数をねじり共振周波数に対し十分に離れた周波数にチューニングできる特性を有し、トーショナルダンパ12は、回転方向の加振力に対する環状弾性体27の剛性を広範囲の値から例えば高剛性に選定することができ、前後こじり共振周波数を維持しつつ、ねじり共振周波数を前後こじり共振周波数に対し十分に離れた周波数にチューニングすることができる特性を有しているので、複数の共振周波数の組合せによっても、より大きく離れる複数の共振を狙い値として、それぞれの制振効果を両立させ得るコンパクトなダンパ装置を実現できる。
(第2の実施の形態)
図9は本発明の第2の実施の形態に係るダンパ装置の部分拡大斜視断面図、図10はそのダンパ装置の部分拡大側面断面図、図11はそのダンパ装置の部分拡大正面図である。なお、本実施形態のダンパ装置も上述の実施形態と同様な後輪駆動車のリヤディファレンシャル装置の入力部に装着されるものであるので、図9〜図11中に図示しない上述の構成と同様な構成については、図1〜図8中のそれらと同様な符号を用いて説明する。
本実施形態のダンパ装置30は、複数のトーショナルダンパ31、32をコンパニオンフランジ15の外周に半径方向内外に積層したものであり、複数のトーショナルダンパ31、32の環状質量体41、46は、それぞれ対応する環状弾性体42、47を取り囲む円環状をなしている。
また、トーショナルダンパ31、32のうちいずれか1つ以上のトーショナルダンパ、例えばトーショナルダンパ32の環状質量体46は、コンパニオンフランジ15に対し中心軸線回りの回転方向に変位するときには環状弾性体47をせん断変形させ、コンパニオンフランジ15に対し回転方向以外の方向に変位するときには環状弾性体47の一部を圧縮変形させるように、その環状質量体46の周方向に延びる一対の第1傾斜面部43a、43bを有している(図10参照)。
また、複数のトーショナルダンパ31、32のうち残りのトーショナルダンパのいずれか1つ以上、例えばトーショナルダンパ31の環状質量体41は、コンパニオンフランジ15に対しその中心軸線方向に変位するときには環状弾性体42をせん断変形させ、コンパニオンフランジ15に対し中心軸線方向以外の方向に変位するときには環状弾性体42の一部を圧縮変形させるように、その環状質量体41の周方向に離間しつつ軸方向に延びる複数対の第2傾斜面部48a、48bを有している(図4参照)。そして、複数のトーショナルダンパ31、32の環状質量体41、46およびコンパニオンフランジ15のうち少なくとも1つは、第1傾斜面部43a、43bおよび第2傾斜面部48a、48bにそれぞれ対向する一対の第1対向面部44a、44bおよび複数対の第2対向面部49a、49bを有している。
さらに、複数のトーショナルダンパ31、32は、コンパニオンフランジ15の径方向に積層されており、複数のトーショナルダンパ31、32のうち内側のトーショナルダンパ31の環状質量体41が、第1傾斜面部43a、43bおよび第2傾斜面部48a、48bのうちいずれか一方である第1傾斜面部43a、43bを内周側に、いずれか他方の傾斜面部である第2傾斜面部48a、48bに対応する第2対向面部49a、49bを外周側に、それぞれ有している。
また、複数のトーショナルダンパ31、32のうちいずれか1つ以上のトーショナルダンパ、例えばトーショナルダンパ32の環状質量体46が、一対の第1傾斜面部43a、43bを形成するようその環状質量体46の径方向内側に突出して周方向に延在する環状の第1凸部43を有しており、複数のトーショナルダンパ31、32のうち残りのトーショナルダンパの環状質量体のいずれか1つ以上、例えばトーショナルダンパ31の環状質量体41が、複数対の第2傾斜面部48a、48bを形成するようその環状質量体41の周方向等間隔に離間しつつ軸方向に延びる複数の平行な第2凸部48を有している。そして、複数のトーショナルダンパ31、32の環状質量体41、46およびコンパニオンフランジ15のうち少なくとも1つは、第1対向面部44a、44bおよび複数の第2対向面部49a、49bを形成するように、第1凸部43および第2凸部48にそれぞれ対応する凹状をなす第1対向凹部44および複数の第2対向凹部49を有している。
本実施形態においては、複数のトーショナルダンパ31、32のうち第1傾斜面部43a、43bを有する環状質量体46とこの環状質量体46に一体に装着された環状弾性体47とからなる外側のトーショナルダンパ32のねじり共振の共振周波数が、ドライブピニオン3のねじり共振周波数の近傍値に設定されている。なお、上述の第1の実施の形態では、ねじり方向については環状慣性体21より外側の環状弾性体27および環状質量体26も慣性質量となる構成であったが、本実施形態では、環状質量体46の質量と環状弾性体47の弾性によってダンパ装置30のねじり共振特性が決定される。
また、複数のトーショナルダンパ31、32のうち第2傾斜面部48a、48bを有する環状質量体41とその環状質量体41に一体に装着された環状弾性体42とからなる内側のトーショナルダンパ31の前後こじり共振の共振周波数が、ドライブピニオン3の曲げ共振周波数の近傍値に設定されている。この場合、内側のトーショナルダンパ31の前後こじり方向の振動時には外側のトーショナルダンパ31も慣性質量となる。
本実施形態においても、第1傾斜面部43a、43bを有する環状質量体46とその環状質量体46に一体に装着された環状弾性体47とから、ねじり共振周波数を維持しつつ前後こじり等の共振周波数をチューニングできるトーショナルダンパ32を構成するとともに、第2傾斜面部48a、48bを有する環状質量体41とその環状質量体41に一体に装着された環状弾性体42とから、前後こじり振動等の共振周波数を維持しつつねじり共振周波数をチューニングすることができるトーショナルダンパ31を構成し、これらのトーショナルダンパ31、32を内外に積層し組み合わせたダンパ装置30としているので、上述の実施形態とほぼ同様に、大きく異なる複数の共振周波数でそれぞれ確実に制振効果を発揮することができるコンパクトなダンパ装置が提供できる。
また、本実施形態では、上述の第1の実施の形態とは、ねじり共振周波数を狙い値とする第1特性のトーショナルダンパとこじり共振周波数を狙い値とする第1特性のトーショナルダンパとを内外逆に配置しているので、上述の第1の実施の形態とは、異なる共振周波数設定ができる。
なお、上述の第1、第2の実施の形態では、環状質量体側から環状弾性体側に突出する凸部を設けて慣性質量を大きくする構成としていたが、環状弾性体側から環状質量体側に突出する凸部を弾性体側に設けて慣性質量側には凹部を形成し、環状質量体の質量を小さくすることもできる。
すなわち、複数のトーショナルダンパのうちいずれか1つ以上のトーショナルダンパの環状質量体が、第1傾斜面部を形成するよう該環状質量体の径方向に凹んで周方向に延在する第1凹部を有し、複数のトーショナルダンパのうち残りのトーショナルダンパの環状質量体のいずれか1つ以上が、複数の第2傾斜面部を形成するよう該環状質量体の周方向に離間しつつ軸方向に延びる複数の第2凹部を有し、複数のトーショナルダンパの環状質量体およびコンパニオンフランジ15のうち少なくとも1つが、第1対向面部および複数の第2対向面部を形成するよう第1凹部および第2凹部にそれぞれ対応する凸状をなす第1対向凸部および複数の第2対向凸部を有しているように構成することもできる。
その場合にも、周方向に延在する第1凹部とそれに対応する第1対向凸部との間に環状弾性体を有するトーショナルダンパは、前後のこじりに対する環状弾性体の剛性を広範囲の値から例えば高剛性に選定することができるので、ねじり共振周波数を維持しつつ、前後のこじりに対する共振周波数をねじり共振周波数に対し十分に離れた周波数にチューニングできるものとなり、周方向に離間しつつ軸方向に延びる複数の第2凹部とそれに対応する第2対向凸部との間に環状弾性体を有するトーショナルダンパは、回転方向の加振力に対する環状弾性体の剛性を広範囲の値から例えば高剛性に選定することができるので、前後こじり共振周波数を維持しつつ、ねじり共振周波数を前後こじり共振周波数に対し十分に離れた周波数にチューニングすることができるものとなる。したがって、共振周波数が大きく離れる複数の共振を狙い値としてもそれぞれの制振効果を両立させ得るコンパクトなダンパ装置を実現できる。
さらに、上述の各実施形態では、特性の異なる複数のトーショナルダンパとして、ねじり共振周波数を維持しつつ前後こじり等の共振周波数をチューニングできる第1特性のトーショナルダンパと、前後こじり振動等の共振周波数を維持しつつねじり共振周波数をチューニングすることができる第2特性のトーショナルダンパという、2つのトーショナルダンパを内外に積層した構成としていたが、以下の実施形態に示すように、特性の異なる複数のトーショナルダンパは必ずしも積層する必要はなく、3つ以上の特性の異なるトーショナルダンパを組み合わせた構成とすることもできる。
(第3の実施の形態)
図12は本発明の第3の実施の形態に係るダンパ装置の部分拡大斜視断面図である。
なお、本実施形態のダンパ装置50も上述の第1の実施形態と同様な後輪駆動車のリヤディファレンシャル装置の入力部に装着されるものであるので、図12中に図示しない上述と同様な構成については、図1〜図8中のそれらと同様な符号を用いて説明する。
図12に示すように、本実施形態のダンパ装置50は、ねじり共振周波数を維持しつつ前後こじり等の共振周波数をチューニングできる第1特性のトーショナルダンパ51と、前後こじり振動等の共振周波数を維持しつつねじり共振周波数をチューニングすることができる第2特性のトーショナルダンパ52とを、コンパニオンフランジ15の回転中心軸線方向に隣り合うように、コンパニオンフランジ15の外周に軸方向に一定の間隔をあけて並列配置したものである。
複数のトーショナルダンパ51、52の環状質量体61、66は、それぞれ対応する環状弾性体62、67を取り囲む円環状をなしている。また、トーショナルダンパ51、52のうちいずれか1つ以上のトーショナルダンパ、例えばトーショナルダンパ51の環状質量体61は、コンパニオンフランジ15に対し中心軸線回りの回転方向に変位するときには環状弾性体62をせん断変形させ、コンパニオンフランジ15に対し回転方向以外の方向に変位するときには環状弾性体62の一部を圧縮変形させるようになっている。一方、複数のトーショナルダンパ51、52のうち残りのトーショナルダンパのいずれか1つ以上、例えばトーショナルダンパ52の環状質量体66は、コンパニオンフランジ15に対しその中心軸線方向に変位するときには環状弾性体67をせん断変形させ、コンパニオンフランジ15に対し中心軸線方向以外の方向に変位するときには環状弾性体67の一部を圧縮変形させるようになっている。
コンパニオンフランジ15は、トーショナルダンパ51の環状質量体61の内周側に延在する環状の第1凸部63に対向する第1の対向凹部64を有し、第1凸部63の両側の第1傾斜面部63a、63bと第1の対向凹部64の一対の第1対向面部64a、64bとが環状弾性体62を挟んで対向している。また、詳細を図示しないが、トーショナルダンパ52の環状質量体66が、複数対の第2傾斜面部(符号なし)を形成するようその環状質量体66の周方向等間隔に離間しつつ軸方向に延びる複数の平行な第2凸部68を有し、コンパニオンフランジ15は、第2傾斜面部に対向する複数対の第2対向面部(符号なし)形成するよう第2凸部68に対向する第2対向凹部69を有している。
本実施形態においては、複数のトーショナルダンパ51、52のうち軸方向一方側のトーショナルダンパ51のねじり共振の共振周波数が、ドライブピニオン3のねじり共振周波数の近傍値に設定されている。また、複数のトーショナルダンパ51、52のうち軸方向他方側のトーショナルダンパ52の前後こじり共振の共振周波数が、ドライブピニオン3の曲げ共振周波数の近傍値に設定されている。なお、上述の第1の実施の形態では、ねじり方向およびこじり方向のそれぞれについて、環状質量体の質量と環状弾性体の弾性によってダンパ装置50の共振特性が決定されることになる。
本実施形態においても、ねじり共振周波数を維持しつつ前後こじり等の共振周波数をチューニングできるトーショナルダンパ51と、前後こじり振動等の共振周波数を維持しつつねじり共振周波数をチューニングすることができるトーショナルダンパ51とを構成して、これらのトーショナルダンパ51、52を組み合わせたダンパ装置50としているので、上述の実施形態とほぼ同様に、大きく異なる複数の共振周波数でそれぞれ確実に制振効果を発揮させることができる。また、複数のトーショナルダンパ51、52がコンパニオンフランジ15の回転中心軸線方向に隣り合うように配置されるので、半径の小さいコンパクトなダンパ装置が実現できる。
(第4の実施の形態)
図13は本発明の第4の実施の形態に係るダンパ装置の部分拡大斜視断面図である。
図13に示すように、本実施形態のダンパ装置70は、第1の実施の形態のダンパ装置10の外周にさらに軸方向の共振を制振する第3特性のトーショナルダンパ73を積層したものである。
このダンパ装置70は、特性の異なる複数のトーショナルダンパ11、12、73をコンパニオンフランジ15の外周に半径方向内外に3層に積層したものであり、複数のトーショナルダンパ11、12、73の環状質量体21、26、81は、それぞれ対応する環状弾性体22、27、82を取り囲む円環状をなしている。
また、トーショナルダンパ11、12、73のうちいずれか1つ以上のトーショナルダンパ、例えばトーショナルダンパ73の環状質量体81は、コンパニオンフランジ15に対し中心軸線回りの回転方向に変位するときにも、コンパニオンフランジ15に対し回転方向以外の方向に変位するときにも、環状弾性体82の一部を圧縮変形させるように、その環状質量体81の内周側で周方向に延びる環状の第1凸部83(一対の第1傾斜面部;符号なし)と、その環状質量体81の周方向に離間しつつ軸方向に延びる複数の平行な第2凸部88(複数対の第2傾斜面部;符号なし)とを有している。また、環状弾性体82は内方側の環状弾性体22、27に対して十分に肉厚になっており、軸直角方向に柔軟な特性が得られるようになされている。
本実施形態のトーショナルダンパ73は、コンパニオンフランジ15およびドライブピニオン3の軸直角方向の振動に対するトーショナルダンパ73の共振周波数が、コンパニオンフランジ15およびドライブピニオン3の軸直角方向(半径方向)の共振周波数の近傍値に設定されているとともに、その共振周波数を維持しながら、第1凸部83および第2凸部88の数やその傾斜面角度を適宜設定することで、ねじり共振周波数およびこじり共振周波数をチューニングすることができるようになっている。
本実施形態においても、ねじり共振周波数を維持しつつ前後こじり等の共振周波数をチューニングできるトーショナルダンパ11と、前後こじり振動等の共振周波数を維持しつつねじり共振周波数をチューニングすることができるトーショナルダンパ12と、軸直角方向の共振周波数を維持しつつねじり共振周波数およびこじり共振周波数をチューニング可能なトーショナルダンパ73とを構成し、これらのトーショナルダンパ11、12、73を内外に積層し組み合わせたダンパ装置70としているので、上述の実施形態とほぼ同様に、大きく異なる複数の共振周波数でそれぞれ確実に制振効果を発揮することができるコンパクトなダンパ装置が実現できる。
また、本実施形態では、上述の第1、第2の実施の形態とは、ダンパ特性の異なるトーショナルダンパ73を設けているので、例えば350Hz付近のねじり共振周波数と、600Hz付近のこじり共振周波数との間に、トーショナルダンパ73の軸直角方向の共振周波数を設定するといったことができ、より有効な制振効果を発揮させることができる。
なお、ねじり共振周波数を維持しつつ前後こじり共振周波数をチューニングできるトーショナルダンパ(例えば第3実施形態のトーショナルダンパ51)と、軸直角方向の共振周波数を維持しつつねじり共振周波数およびこじり共振周波数をチューニング可能な第4の実施の形態のトーショナルダンパ73とを内外に積層し、あるいは軸方向に隣り合うように組み合わせたダンパ装置や、前後こじり共振周波数を維持しつつねじり共振周波数をチューニングできるトーショナルダンパ(例えば第3実施形態のトーショナルダンパ52)と、軸直角方向の共振周波数を維持しつつねじり共振周波数およびこじり共振周波数をチューニング可能な第4の実施の形態のトーショナルダンパ73とを内外に積層し、あるいは軸方向に隣り合うように組み合わせたダンパ装置を構成することもでき、そのようにしても、上述の実施形態とほぼ同様に、大きく異なる複数の共振周波数でそれぞれ確実に制振効果を発揮することができるコンパクトなダンパ装置が実現できる。
以上説明したように、本発明に係るダンパ装置は、第1傾斜面部を有する質量体とその質量体に一体に装着された弾性体とから、ねじり共振周波数を維持しつつ前後こじり等の共振周波数をチューニングできるトーショナルダンパを構成するとともに、第2傾斜面部を有する質量体とその質量体に一体に装着された弾性体とから、前後こじり振動等の共振周波数を維持しつつねじり共振周波数をチューニングすることができるトーショナルダンパを構成し、これらのトーショナルダンパを組み合わせたダンパ装置としているので、大きく異なる複数の共振周波数でそれぞれ確実に制振効果を発揮することができるコンパクトなダンパ装置が実現できるという効果を奏するものであり、質量体と弾性体を備えたダンパ装置、特に特性の異なる複数のトーショナルダンパを同一の回転体に支持させるように構成されたダンパ装置全般に有用である。
本発明の第1の実施の形態に係るダンパ装置を装着した動力伝達装置の側面断面図である。 第1の実施の形態に係るダンパ装置の部分拡大斜視断面図である。 第1の実施の形態に係るダンパ装置の部分拡大側面断面図である。 第1の実施の形態に係るダンパ装置の部分拡大正面図である。 一般的なリヤディファレンシャル装置の先端部の振動レベルを縦軸とし、横軸をその周波数として示す振動特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係るダンパ装置の第2特性のトーショナルダンパのこじり共振周波数の設定値を黒丸印で示す、ディファレンシャル装置の先端部の振動感度の周波数特性図である。 第1の実施の形態に係るダンパ装置の第1特性のトーショナルダンパのねじり共振周波数の設定値を下向き三角印で示す、ディファレンシャル装置の噛合い点コンプライアンスの周波数特性図である。 第1の実施の形態に係るダンパ装置の第1特性のトーショナルダンパおよび第2特性のトーショナルダンパのそれぞれ共振周波数の設定条件を説明する説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るダンパ装置の部分拡大斜視断面図である。 第2の実施の形態に係るダンパ装置の部分拡大側面断面図である。 第2の実施の形態に係るダンパ装置の部分拡大正面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るダンパ装置の部分拡大側面断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るダンパ装置の部分拡大斜視断面図である。
符号の説明
1 リヤディファレンシャル装置
2 ディファレンシャルキャリヤケース(ケース)
3 ドライブピニオン(駆動側歯車軸)
3a 外端部(入力軸端部)
3c かさ歯車
4 リングギヤ(従動側歯車軸)
8a、8b アクスル軸(出力軸)
9a、9b 円錐ころ軸受
10、30、50、70 ダンパ装置
11、32、51 トーショナルダンパ(第1特性のトーショナルダンパ)
12、31、52 トーショナルダンパ(第2特性のトーショナルダンパ)
15 コンパニオンフランジ(回転体)
21、26、41、46、61、66、81 環状質量体(質量体)
22、27、42、47、62、67、82 環状弾性体
23、43、63、83 第1凸部
24、44、64 第1対向凹部
28、48、68、88 第2凸部
29、49、69 第2対向凹部
73 トーショナルダンパ(第3特性のトーショナルダンパ)

Claims (7)

  1. それぞれ質量体と該質量体に一体に装着されたゴム弾性を有する弾性体とからなり互いに特性の異なる複数のトーショナルダンパを備え、前記複数のトーショナルダンパが中心軸線回りに回転する回転体に装着されるダンパ装置において、
    前記複数のトーショナルダンパの前記質量体がそれぞれ対応する前記弾性体を取り囲む環状をなし、
    前記複数のトーショナルダンパのうちいずれか1つ以上のトーショナルダンパの質量体が、前記回転体に対し前記中心軸線回りの回転方向に変位するときには前記弾性体をせん断変形させ、前記回転体に対し前記回転方向以外の方向に変位するときには前記弾性体の一部を圧縮変形させるように該質量体の周方向に延びる第1傾斜面部を有し、
    前記複数のトーショナルダンパのうち残りのトーショナルダンパの質量体のいずれか1つ以上が、前記回転体に対し前記中心軸線方向に変位するときには前記弾性体をせん断変形させ、前記回転体に対し前記中心軸線方向以外の方向に変位するときには前記弾性体の一部を圧縮変形させるように該質量体の周方向に離間しつつ軸方向に延びる複数の第2傾斜面部を有し、
    前記複数のトーショナルダンパの質量体および前記回転体のうち少なくとも1つが、前記第1傾斜面部および前記第2傾斜面部にそれぞれ対向する第1対向面部および複数の第2対向面部を有することを特徴とするダンパ装置。
  2. 前記複数のトーショナルダンパが前記回転体の径方向に積層され、
    前記複数のトーショナルダンパのうち内側のトーショナルダンパの質量体が、前記第1傾斜面部および前記第2傾斜面部のうちいずれか一方を内周側に、前記第1傾斜面部および前記第2傾斜面部のうちいずれか他方の傾斜面部に対応する前記第1対向面部または前記第2対向面部を外周側に、それぞれ有していることを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
  3. 前記複数のトーショナルダンパが前記回転体の前記回転中心軸線方向に隣り合うように並列配置され、
    前記回転体が前記第1対向面部および前記第2対向面部を有していることを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
  4. 前記複数のトーショナルダンパのうちいずれか1つ以上のトーショナルダンパの質量体が、前記第1傾斜面部を形成するよう該質量体の径方向に突出して周方向に延在する第1凸部を有し、
    前記複数のトーショナルダンパのうち残りのトーショナルダンパの質量体のいずれか1つ以上が、前記複数の第2傾斜面部を形成するよう該質量体の周方向に離間しつつ軸方向に延びる複数の第2凸部を有し、
    前記複数のトーショナルダンパの質量体および前記回転体のうち少なくとも1つが、前記第1対向面部および前記複数の第2対向面部を形成するよう前記第1凸部および前記第2凸部にそれぞれ対応する凹状をなす第1対向凹部および複数の第2対向凹部を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1の請求項に記載のダンパ装置。
  5. 前記複数のトーショナルダンパのうちいずれか1つ以上のトーショナルダンパの質量体が、前記第1傾斜面部を形成するよう該質量体の径方向に凹んで周方向に延在する第1凹部を有し、
    前記複数のトーショナルダンパのうち残りのトーショナルダンパの質量体のいずれか1つ以上が、前記複数の第2傾斜面部を形成するよう該質量体の周方向に離間しつつ軸方向に延びる複数の第2凹部を有し、
    前記複数のトーショナルダンパの質量体および前記回転体のうち少なくとも1つが、前記第1対向面部および前記複数の第2対向面部を形成するよう前記第1凹部および前記第2凹部にそれぞれ対応する凸状をなす第1対向凸部および複数の第2対向凸部を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1の請求項に記載のダンパ装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちいずれか1の請求項に記載のダンパ装置と、
    ケースと、
    前記ケースに回転自在に支持され回転動力を入力する駆動側歯車軸と、
    前記ケースに収納され、前記駆動側歯車軸に噛合し減速回転する従動側歯車軸と、
    前記従動側歯車軸により回転駆動される出力軸と、
    前記駆動側歯車軸の入力軸端部に装着された前記回転体と、を備えた動力伝達装置。
  7. 前記複数のトーショナルダンパのうち前記第1傾斜面部を有する質量体と該質量体に一体に装着された弾性体とからなる第1特性のトーショナルダンパの共振周波数が、前記駆動側歯車軸のねじり共振周波数の近傍値に設定され、
    前記複数のトーショナルダンパのうち前記第2傾斜面部を有する質量体と該質量体に一体に装着された弾性体とからなる第2特性のトーショナルダンパの共振周波数が、前記駆動側歯車軸の曲げ共振周波数の近傍値に設定されていることを特徴とする請求項6に記載の動力伝達装置。
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