JP2009280053A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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裕司 嶋田
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Abstract

【課題】トルクチューブから発生するノイズを抑制することで車室内の静穏性を向上させる車両用動力伝達装置を提供する。
【解決手段】車両において、高い剛性を有する円筒形形状のトルクチューブ13が減速機12とトランスアクスル14とを連結する形で設けられるとともに、減速機12やトランスアクスル14に内装される変速機17や差動機からは振動が伝達される。またトルクチューブ13は、その筒内にシャフト25を保持するために設置された2つのベアリング23によって区画された各区間S1〜S3に、それぞれ高い剛性を有する振動抑制部材31,33,32が内接するかたちで設置されている。そして変速機17などから伝達される振動を要因としてトルクチューブ13の周方向に生じる2次モードの共振が四角筒状に形成された振動抑制部材31,32により、同1次モードの共振が三角筒状に形成された振動抑制部材33によりそれぞれ抑制される。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンの駆動力を駆動輪へ伝達する車両用動力伝達装置に関する。
フロントエンジン・リヤドライブ車(FR車)では、エンジンとディファレンシャルギヤとの間にプロペラシャフトが設けられ、エンジンの駆動力は、このプロペラシャフトの回転に変換された後にディファレンシャルギヤへ伝達される。このプロペラシャフトを含む動力伝達装置では、その高剛性化を図るために、例えば特許文献1に記載ように、前記プロペラシャフトが内挿されるトルクチューブによりフロント側ギヤハウジングとリア側ギヤハウジングとの間が連結され、エンジンからディファレンシャルギヤまでが結合された1つの剛性体で構成されている。
上記トルクチューブは、その内部に上記シャフトを挿通させるために円筒状に形成されており、また該シャフトの回転力が伝達されたトランスアクスルからの反力に抗するための剛性を有している。それゆえに、上記トルクチューブは、その軸方向と直交する面内において円環状をなし、その曲げ剛性や内径に応じたリングとしての固有振動数を有している。一方で、上記フロント側ギヤやリア側ギヤからは、それらを構成する歯車の噛み合わせによるギヤノイズが、各ハウジングを介して上記トルクチューブへ伝播する。そのため、ギヤノイズのなかで上記固有振動数に相当する振動は、上記トルクチューブの周方向における共振により増幅されて大きなノイズとなり、トルクチューブから発生した大きなノイズがボディーを透過して車室内に侵入して車室内の静穏性を低下させてしまう。
ところで、エンジンの駆動力が駆動軸を介して伝達される動力伝達系では、巻き込み防止を図るために、上記駆動軸の周囲を安全カバーで覆う技術が知られており、こうした安全カバーにおいても高速回転する駆動軸からの振動の伝播により大きなノイズを発生する問題がある。特許文献2では、こうしたノイズを低減すべく駆動軸の周囲を軸方向へ摺動可能な1対の内側カバー部材と外側カバー部材とで覆う構成において、内側カバー部材の断面を円形断面とし、外側カバー部材の断面を多角形断面とし、この多角形断面の内接円の直径よりも内側カバー部材の円形断面の直径の方を僅かに大きくしている。これにより、内外カバー部材間では少なくとも3点が圧着するため、内外側カバー部材間の接触点が多くとれ、それゆえにカバー部材の振動を抑制できる。また、特許文献3では、駆動軸の周囲を軸方向へ摺動可能な1対の内側カバー部材と外側カバー部材とで覆う構成において、内側及び外側のカバー部材の断面を互いに略相似形に形成するとともに、周方向の少なくとも一部に形状が急激に変化する部分を設けている。これにより、形状が急激に変化する部分で内外のカバー部材が相対回転不能に嵌合するため、カバー部材の振動を抑制できる。
特開2005−306056号公報 特開平10−203187号公報 特開平10−203186号公報
しかしながら、特許文献2や特許文献3の技術では、シャフトの周囲を覆う管の内周面あるいは外周面に単なる不動点を設ける構成であるため、無秩序な振動を抑える効果はあり得るものの、固有振動の制振を図る上では、振動モードに応じた制振を得難いばかりか、振動次数に即した不動点を形成することでかえって振動を助長する虞がある。リングとしての固有振動数を有する上記トルクチューブにおいては、剛性比例型の振動減衰に基づ
いて低次の振動モード、いわば変形の波数が2となる1次モードの振動や変形の波数が3となる2次モードの振動がノイズ発生の主たる要因となる。そのため、トルクチューブを有する動力伝達装置では、そのノイズレベルの低減を図る上で、こうした振動モードの次数に即する制振構造が強く要望される。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、トルクチューブから発生するノイズを抑制することで車室内の静穏性を向上させる車両用動力伝達装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、車両の駆動輪を回転駆動させる車軸に設けられたギヤ装置と前記車両に搭載された駆動源との間を前記車両の長手方向に沿って連結して前記駆動源からの駆動力を受けることにより前記長手方向に沿う軸心を中心に回転して前記駆動力を前記ギヤ装置へ伝達するシャフトと、前記シャフトが回動可能に挿通支持される円筒状を成して前記駆動源から前記ギヤ装置までを1つの剛性体とする態様で前記駆動源と前記ギヤ装置とを連結するトルクチューブとを備えた車両用動力伝達装置であって、前記長手方向から見た断面形状が正多角形である正多角筒状に形成されて前記トルクチューブに内接あるいは外接するとともに、前記トルクチューブの連結先から伝達される振動に基づいて該トルクチューブの周方向にて誘起される振動の振動モードの次数をn次(nは自然数)とすると前記正多角形の角数がn+2である振動抑制部材を備えたことをその要旨とする。
断面円形のトルクチューブにおいてn次モードの共振が誘起される場合、該トルクチューブの周方向に沿う外周面上、すなわち1つのリング上にはn+1個の波が等配される。一方、上述の構成によれば、断面正n+2角形の振動抑制部材がトルクチューブに内接あるいは外接することから、上記1つのリング上にはn+2個の不動点(抑制点)が等配される。それゆえトルクチューブの連結先から伝達される振動により同トルクチューブの周方向にてn次モードの共振が誘起される場合には、上記n+2個の抑制点が同リング上にて変位し難いために同共振の振幅が各抑制点により縮小される。これにより、共振周波数を含む振動が駆動源あるいはギヤ装置からトルクチューブに伝達される場合であっても、振動抑制部材がトルクチューブにて誘起される共振を抑制して大きな音(ノイズ)の発生を抑制する。すなわち、トルクチューブにおいて車内に伝播されるような大きな音(ノズル)の発生が抑制され、車室内の静粛性が維持されるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用動力伝達装置において、前記n次の振動が前記ギヤ装置と前記駆動源との少なくとも一方に含まれる変速機により誘起されることをその要旨とする。
前記ギヤ装置や前記駆動源に含まれる変速機では、複数のギヤ比や回転速度、出力トルクなどを要因として広い周波数範囲で大きな振動が生じうる。上述の構成によれば、こうした変速機からの振動がトルクチューブに伝達される場合であれ、n次モードの共振が振動抑制部材によって抑制される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両用動力伝達装置において、前記振動モードが2次以下の低次の振動モードであり、前記振動抑制部材の断面形状の角数が4以下の正多角形であることをその要旨とする。
このような構成によれば、車両において特に大きなノイズの原因となる低次の振動モードを好適に抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用動力伝達装置において、前記振動抑制部材は、前記トルクチューブとの間に弾性部材を介して当接するものであることをその要旨とする。
このような構成によれば、弾性部材の弾性力による自由度によって振動抑制部材のトルクチューブへの配設が容易になる。また、弾性部材によってトルクチューブと振動抑制部材との間でノイズを生じさせるおそれも低減される。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用動力伝達装置において、前記トルクチューブには、複数の前記振動抑制部材が内接あるいは外接し、複数の前記振動抑制部材は、前記断面形状の角数が異なる正多角筒であることをその要旨とする。
トルクチューブに複数の断面形状の角数の異なる正多角筒状の振動抑制部材を設けることにより、トルクチューブに生じる共振をその振動モードに応じてより好適に抑制するようにすることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車両用動力伝達装置において、前記トルクチューブの筒内には前記シャフトを回転可能に支持するベアリングが設けられ、該ベアリングを境界として前記長手方向に区画された該トルクチューブの各区間に前記複数の正多角筒の各々が設けられることをその要旨とする。
このような構成によれば、ベアリングを境界として区画されるトルクチューブの区間に対して振動抑制部材を設けて振動の抑制を図ることができる。すなわち、ベアリングに区画されたトルクチューブの各区間に各別に生ずる振動であっても各別に抑制することができる。
以下、本発明を具体化した車両用動力伝達装置についての一実施形態を図1〜図8に従って説明する。図1には、このような車両用動力伝達装置を備えた車両の概略構成を示し、図2には、図1のA−A線における断面構造を示す。
図1に示すように、車両10には、駆動力を出力するエンジン11に接続された減速機12と、駆動輪16を伝達された駆動力により回転駆動させる車軸15に設けられたトランスアクスル14と、それら減速機12とトランスアクスル14とを接続するトルクチューブ13とが設けられている。
減速機12は、そのフランジ内に設けられた伝達機構がその入力軸に受けたエンジン11からの駆動力を所定の回転速度、出力トルク等に変換してその出力軸から出力する。トルクチューブ13は、円筒状に形成されているとともに高い剛性を有し、車両10の長手方向に延びるその両端の各フランジ21(図2参照)に形成された複数の止め穴22(図3参照)を通じて減速機12とトランスアクスル14とを接続している。すなわちトルクチューブ13は、減速機12側のフランジ21が止め穴22を挿通された図示しないボルトによって減速機12のハウジングに固定され、トランスアクスル14側のフランジ21が止め穴22を挿通された図示しないボルトによってトランスアクスル14のハウジングに固定されている。これにより、減速機12のハウジング、トランスアクスル14のハウジング及びそれらを連結するトルクチューブ13からなる1つの剛性体が構成されるようになっている。
トルクチューブ13は、円筒状をなす形状と高い剛性とに基づいてその周方向にて固有
振動数を有しており、例えば減速機12やトランスアクスル14からの振動を要因として固有周波数の振動が誘起される場合には、その固有周波数の振動に共振して周方向にて大きな変形が生じるものとなっている。トルクチューブ13にはその筒内にリング状のベアリング23が嵌合されるかたちで2つ設置され、それら2つのベアリング23の中央には軸状のシャフト25が挿通保持されている。すなわちシャフト25は、2つのベアリング23に保持される態様にてトルクチューブ13に内挿されている。またそのシャフト25は、減速機12側の基端部が同減速機12の出力軸に接続され、トランスアクスル14側の先端部が同トランスアクスル14の入力軸に連結されており、減速機12から出力される駆動力が同シャフト25における軸芯を中心とした回転運動とされてトランスアクスル14に伝達される。トランスアクスル14には、変速機17と差動機18とが設けられている。
変速機17は、その入力軸(トランスアクスル14の入力軸)に伝達される駆動力を任意の回転速度、出力トルク等に変換して出力し、差動機18に入力させる。すなわち変速機17は、異なるギヤ比のギヤの組み合わせ(ギヤ組)を複数備え、それら複数のギヤ組から選択された駆動力の変換に用いるギヤ比を有する一つのギヤ組により入力された回転運動を当該ギヤ組に基づく所定の回転速度、出力トルク等に変換して出力する。このため変速機17においては、各ギヤ組がギヤ歯を噛み合わせるときに生じさせるそれぞれの振動が、それぞれのギヤ比の相違などを要因として異なるパターンとなることや、回転速度や出力トルクなどの変化により変化することともあいまって、上記固有周波数を含む広い範囲の周波数において生じうるものとなっている。また一方、変速機17において選択されていないギヤ組にあっても、他から伝達される振動などを要因としてそれらのギヤ歯の噛み合いなどから振動を生じさせている。差動機18には2つの車軸15が連結されており、差動機18は変速機17から入力された駆動力を両車軸15にそれぞれ分けて伝達し、それら各車軸15は差動機18によって分けて伝達されたそれぞれの駆動力をそれぞれの駆動輪16にそれぞれ伝達する。すなわちトルクチューブ13には、その基端部を通じて減速機12の内部のギヤなどにより生じた振動が伝達され、その先端部を通じてトランスアクスル14に内装されている変速機17や差動機18のギヤなどにより生じた振動が伝達される。特に変速機17からは、上述のように広範囲な周波数の振動が伝達されうる。
トルクチューブ13は、その筒内に設置されたに2つのベアリング23によって3つの区間S1,S2,S3に区分されている。すなわち、区間S1はトルクチューブ13において減速機12側の位置に区画されており、区間S3はトルクチューブ13においてトランスアクスル14側の位置に区画されており、区間S2はトルクチューブ13において前記区間S1と前記区間S3との間の位置に区画されている。このことによりトルクチューブ13において、区間S1の位置は連結されている減速機12とあいまって、区間S3の位置は連結されているトランスアクスル14とあいまって、それぞれ区間S2の位置よりも高い剛性を有するようになっている。
トルクチューブ13の内部であって区間S1の略中間位置には振動抑制部材31が配設されており、また区間S2の略中間位置には振動抑制部材33が配設されており、さらに区間S3の略中間位置には振動抑制部材32が配設されている。
各振動抑制部材31,32は、図4(a)に示すように、金属などの高い剛性を有する材料により正四角筒状にそれぞれ形成されており、図4(b)に示すように、その筒内にシャフト25がそれぞれ挿通されている。各振動抑制部材31,32は、トルクチューブ13の長手方向から見た断面である正四角形の4つの頂点がトルクチューブ13の内周面と当接するように同トルクチューブ13内へ圧入されている。すなわち、各振動抑制部材31,32が圧入されたトルクチューブ13の区間S1、S3においては、振動抑制部材
31,32とトルクチューブ13とがトルクチューブ13の周方向に等配された4つの点(抑制点)で当接する。
また、振動抑制部材33は、図5(a)に示すように、金属などの高い剛性を有する材料により正三角筒状に形成されており、図5(b)に示すように、その筒内にはシャフト25が挿通されている。振動抑制部材33は、トルクチューブ13の長手方向から見た断面である正三角形の3つの頂点がトルクチューブ13の内周面に当接するように同トルクチューブ13内へ圧入されている。すなわち、振動抑制部材33が圧入されたトルクチューブ13の区間S2においては、振動抑制部材33とトルクチューブ13とがトルクチューブ13の周方向に等配された3つの点(抑制点)で当接する。
次に、図6及び図7を参照して、上記振動抑制部材31〜33が抑制する振動について説明する。図6は、図2におけるトルクチューブ13のC−C断面構造を模式化した図であり、図7は、図2におけるトルクチューブ13のB−B線断面構造を模式化した図である。図8はトルクチューブ13から発生するノイズの音圧に関してその周波数依存性を示すグラフである。
一般に、トルクチューブ13が固有振動数にて共振して大きく変形する場合には、その変形を要因とする大きな音(ノイズ)がトルクチューブ13から発生して該音(ノイズ)が車内に伝播することで車内の静穏性が低下してしまう。このような大きな音(ノイズ)を発生させるトルクチューブ13の振動の態様としては、剛性比例型の振動減衰に基づいて生じる低次の振動モードによる振動が知られている。この低次の振動モードのうち、特に、1次モードの振動及び2次モードの振動がトルクチューブ13に大きな変形を生じさせて大きなノイズを発生させる主たる要因となっている。
ここで、1次モードの振動とは、断面円形のトルクチューブ13(図6参照)がその周方向における変形の波数を2にする断面横長の楕円状への変形と断面縦長の楕円状への変形とを交互に繰り返す振動である。また2次モードの振動とは、断面円形のトルクチューブ13(図7参照)がその周方向における変形の波数を3にする断面上向きの略三角形状への変形と断面下向きの略三角形状への変形とを交互に繰り返す振動である。本実施形態においては、上記振動モードの次数をn次(nは自然数)とし、上記1次モードの固有振動数に相当する周波数をf1、2次モードの固有振動数に相当する周波数をf2とする。
図8のグラフL1(破線)に示すように、上記振動抑制部材31〜33が圧入されていないトルクチューブ13においては、上記1次モードの共振が要因となる大きな音圧のノイズが周波数f1にて発生する、また上記2次モードの共振が要因となる大きな音圧のノイズが周波数f2にて発生する。上記2次モードの共振が要因となるノイズは、剛性比例型の減衰に従って比較的に高い剛性からなる区間あるいは振動源に近い区間、すなわち区間S1,S3で発生し、また上記1次モードの共振が要因となるノイズは、比較的に低い剛性からなる区間あるいは振動源から遠い区間、すなわち区間S2で発生する。
一方、上記振動抑制部材31〜33が圧入されたトルクチューブ13の内周面には、各区間S1〜S3で誘起される共振の波数であるn+1よりも1だけ大きい、すなわちn+2個の抑制点が周方向に等配されている。例えば振動抑制部材31,32が圧入されたトルクチューブ13においては、各区間S1,S3で誘起される2次モードの波数である3よりも1だけ大きい4個の抑制点が形成されている。また、振動抑制部材33が圧入されたトルクチューブ13においては、各区間S2で誘起される1次モードの波数である2よりも1だけ大きい3個の抑制点が形成されている。それゆえ、各区間S1〜S3においては、誘起される共振の節の位置と抑制点とが異なり、かつ誘起される共振の腹付近と抑制点とが重なることから、共振の振幅が各抑制点で縮小されて、これによりノイズの発生が
抑制される。また、仮に区間S1〜S3において1つの節が1つの抑制点と重複する場合であっても、同区間S1〜S3で誘起される各共振は、その波数と抑制点の数とが1だけ違うゆえ他の節の位置と他の抑制点とが確実に異なることから、その振幅の縮小によりノイズの発生が抑制される。すなわち、トルクチューブ13に生じる振動モードがn次モードのときには、振動を抑制する部材としては正n+2角形形状の部材を適用するようにすることで、トルクチューブ13に生ずるn次モードの共振を好適に抑制することができるようになる。
そのため、上記振動抑制部材31〜33が圧入されたトルクチューブ13においては、区間S2に生じる1次モードの振動が同区間S2に圧入された各振動抑制部材33により抑制されて、各区間S1,S3に生じる2次モードの振動が各同区間S1,S3に圧入された各振動抑制部材31,32により抑制される。その結果、トルクチューブ13に生じる周波数f1の共振(1次モード)や周波数f2の共振(2次モード)が抑制されて、図8のグラフL2(実線)に示すように、トルクチューブ13から生じる大きな音(ノイズ)の発生も抑制される。なお、前述したように各振動抑制部材31,33,32は高い剛性を有しているが、その剛性は、1次モード又は2次モードの振動によりトルクチューブ13がその周方向に変形するときに生ずる押圧力で振動しない剛性である。
以上説明したように、本実施形態の車両用動力伝達装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)断面正三角形または断面正四角形からなる各振動抑制部材31〜33をトルクチューブ13にそれぞれ内接させて、トルクチューブ13長手方向断面の各リング上には3個または4個の不動点(抑制点)が等配されるようにした。それゆえトルクチューブ13の周方向にてn次モードの共振が誘起される場合には、上記n+2個の抑制点が同リング上にて変位し難いために同共振の振幅が各抑制点により縮小される。これにより、共振周波数を含む振動が減速機12やトランスアクスル14(変速機17及び差動機18)からトルクチューブ13に伝達される場合であっても、各振動抑制部材31〜33がトルクチューブにて誘起される共振をそれぞれ抑制して大きな音(ノイズ)の発生を抑制することができる。すなわち、トルクチューブ13において車内に伝播されるような大きな音(ノズル)の発生が抑制され、車室内の静粛性が維持されるようになる。
(2)トルクチューブ13において、1次モードの振動が生じ易い区間S2には正三角筒状の振動抑制部材33を配設した。このことにより、トルクチューブ13の区間S2に生じる車両10において特に大きなノイズの原因となる低次の振動モードとしての1次モードの共振をその振動モードに応じて抑制することができるようになる。
(3)また、トルクチューブ13において、2次モードの振動が生じ易いトルクチューブの各区間S1,S3には正四角筒状の振動抑制部材31,32をそれぞれ配設した。このことにより、トルクチューブ13の各区間S1,S3に各別に生じる、車両10において特に大きなノイズの原因となる低次の振動モードとしての2次モードの共振をその振動モードに応じて各別に抑制することができるようになる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のような態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、トルクチューブ13にはベアリング23が2つ設けられたが、これに限らず、トルクチューブに設けられるベアリングの数は2つ以外でもよく、もしくはベアリングが設けられなくてもよい。
・また、全ての区間S1,S2,S3にそれぞれ振動抑制部材31,33,32が設けられたが、振動抑制部材は、各区間に1つよりも多く設けられてもよいし、一部の区間には設けなくてもよい。また、挿入される振動抑制部材の長さも任意であり、トルクチュー
ブに誘起される振動に応じたかたちで配設することができる。
・上記実施形態では、各振動抑制部材31,32,33をトルクチューブ13に圧入したが、これに限らず振動抑制部材とトルクチューブとの接触個所に弾性部材としてのゴムやプラスチックなどを挟むようにしてもよい。この構成によれば、トルクチューブの共振を抑制する振動抑制部材の機械的特性の選択範囲を拡張できるようになるとともに、振動抑制部材をトルクチューブに設置する場合における自由度も向上させる事ができるようになる。
・上記実施形態では、各振動抑制部材31,32,33は板状の部材から構成された。しかしこれに限らず、振動抑制部材を構成する部材としては、振動抑制部材をトルクチューブに当接させる三角形状もしくは四角形状の構造に形成することができるものであればよい。例えば、振動抑制部材を柱状の部材を組み合わせて構成するような場合には、振動抑制部材を軽量化することができる。
・上記実施形態では、各振動抑制部材31,32,33はトルクチューブ13に圧入により設置された。しかしこれに限らず、振動抑制部材は、トルクチューブに溶接などで固定連結されても、嵌め込みにより設置されてもよい。すなわち振動抑制部材がトルクチューブに生じる振動を抑制できるように設置されるのであれば、その設置の方法には制限はない。これにより、トルクチューブに生じる振動に適合する多様な方法による振動抑制部材の設置を行えるようになる。
・上記実施形態では、各振動抑制部材31,32,33をトルクチューブ13に内接させるように配置させたが、これに限らず、振動抑制部材をトルクチューブに外接させるように配置してもよい。この構成によれば、振動抑制部材をトルクチューブに外接させることで、トルクチューブの共振を抑制するための振動抑制部材の剛性を内接による場合に対して変更させることができることから振動抑制部材の材料選択範囲を拡張することができる。
・上記実施形態では、トルクチューブ13がフロントエンジン・リヤドライブ車(FR車)に設けられたが、これに限らず、トルクチューブとしてはエンジンの駆動力がシャフトによって車両長手方向に伝達される構造の車両、例えば4輪駆動車に備えられてもよい。
・上記実施形態では、エンジン11には減速機12が接続されたが、これに限らず、エンジン11に接続される機構としては、その他の機構、例えば変速機やクラッチなどを備えるような構成でもよい。また、トランスアクスル14が変速機17及び差動機18を有して構成されたが、これに限らず、トランスアクスル14としては差動機のみや、例えばクラッチなどその他の機構も備えるような構成であってもよい。すなわち、この動力伝達装置を多様な構造のパワートレインに適用することができる。
本実施形態における車両用動力伝達装置を備えた車両の概略平面図。 同実施形態における車両用動力伝達装置の断面構造を示す部分断面図。 同実施形態における車両用動力伝達装置の正面構成を示す正面図。 同実施形態における四角筒状の振動抑制部材を示す図であって、(a)は斜視構造を示す斜視図、(b)は車両用動力伝達装置における配置状態を示す模式図。 同実施形態における三角筒状の振動抑制部材を示す図であって、(a)は斜視構造を示す斜視図、(b)は車両用動力伝達装置における配置状態を示す模式図。 車両のトルクチューブ周方向に生じる1次モードの振動の状態を示す図。 車両のトルクチューブ周方向に生じる2次モードの振動の状態を示す図。 同実施形態における車両用動力伝達装置が各周波数に対して発生するノイズの音圧を示すグラフ。
符号の説明
10…車両、11…駆動源を構成するエンジン、12…駆動源を構成する減速機、13…トルクチューブ、14…ギヤ装置を構成するトランスアクスル、15…車軸、16…駆動輪、17…ギヤ装置を構成する変速機、18…ギヤ装置を構成する差動機、21…フランジ、22…止め穴、23…ベアリング、25…シャフト、31,32,33…振動抑制部材。

Claims (6)

  1. 車両の駆動輪を回転駆動させる車軸に設けられたギヤ装置と前記車両に搭載された駆動源との間を前記車両の長手方向に沿って連結して前記駆動源からの駆動力を受けることにより前記長手方向に沿う軸心を中心に回転して前記駆動力を前記ギヤ装置へ伝達するシャフトと、
    前記シャフトが回動可能に挿通支持される円筒状を成して前記駆動源から前記ギヤ装置までを1つの剛性体とする態様で前記駆動源と前記ギヤ装置とを連結するトルクチューブとを備えた車両用動力伝達装置であって、
    前記長手方向から見た断面形状が正多角形である正多角筒状に形成されて前記トルクチューブに内接あるいは外接するとともに、前記トルクチューブの連結先から伝達される振動に基づいて該トルクチューブの周方向にて誘起される振動の振動モードの次数をn次(nは自然数)とすると前記正多角形の角数がn+2である振動抑制部材を備えたことを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記n次の振動が前記ギヤ装置と前記駆動源との少なくとも一方に含まれる変速機により誘起される請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記振動モードが2次以下の低次の振動モードであり、
    前記振動抑制部材の断面形状の角数が4以下の正多角形である請求項1または2に記載の車両用動力伝達装置。
  4. 前記振動抑制部材は、前記トルクチューブとの間に弾性部材を介して当接するものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用動力伝達装置。
  5. 前記トルクチューブには、複数の前記振動抑制部材が内接あるいは外接し、
    複数の前記振動抑制部材は、前記断面形状の角数が異なる正多角筒である請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用動力伝達装置。
  6. 前記トルクチューブの筒内には前記シャフトを回転可能に支持するベアリングが設けられ、該ベアリングを境界として前記長手方向に区画された該トルクチューブの各区間に前記複数の正多角筒の各々が設けられる請求項5に記載の車両用動力伝達装置。
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