JP2009132844A - 化学蓄熱材成形体及びその製造方法 - Google Patents

化学蓄熱材成形体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粉体の化学蓄熱材間に隙間が形成された化学蓄熱材成形体、及び該化学蓄熱材成形体の製造方法を得る。
【解決手段】化学蓄熱反応部10は、粉体化学蓄熱材12に粘土鉱物であるセピオライト16を所定の割合で混合して成形して得た一次粒子11を、さらにセピオライト16と混合して成形、焼成することで構成されている。これにより、化学蓄熱反応部10は、粉体化学蓄熱材12間に細孔14が形成された多孔質構造体である一次粒子11間に、反応物、反応生成物の移動経路を成す隙間15が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、化学蓄熱材を成形した化学蓄熱材成形体、及びその製造方法に関する。
粒径0.3mm〜4mmの範囲の結晶性の石灰石を850℃〜1100℃の範囲で所定時間加熱した後に、該石灰石を500℃〜600℃の範囲で所定時間加熱することで、表面から内部に向かう多数の気孔が形成された生石灰を得る技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、内部空間の10〜60容量%の割合で粉体化学蓄熱材を収容したカプセルを、反応器又は反応塔に充填する技術が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。さらに、溢汪管を具備した複数の蒸発皿を有する蒸発器と、冷媒液管流器と、凝縮器と、吸着剤容器と、これらを連通する連通管とを有する化学蓄熱型冷凍装置が知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開平1−225686号公報 特公平6−80395号公報 特公平6−80394号公報 特開平7−332788号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、それ自体に気孔が形成された生石灰を粉体のまま化学蓄熱材として用いた場合、作動中、水和反応と脱水反応とが繰り返される。このため、この化学蓄熱材の粉体は、体積膨張、収縮の繰り返しによって他の粉体と擦れ合い、微粉化してしまい、蓄熱システムとしての反応性が低下する問題があった。また、特許文献2、3の構成では、カプセルの採用による熱伝導抵抗の増加や伝熱経路の複雑化によって、化学蓄熱材の発熱反応による熱を効率良く取り出すことができず、さらに蓄熱反応における熱を効率良く供給することができない問題があった。一方、特許文献4の構成は、複数の蒸発皿を用いることで蒸発器での冷媒の蒸発面積を確保することができるものの、熱交換面積が少なく、伝熱律束を起こす原因となる。
本発明は、上記事実を考慮して、蓄熱、放熱のための反応性と伝熱性とを両立することができる化学蓄熱材成形体、及び該化学蓄熱材成形体の製造方法を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、粉体の化学蓄熱材を一次成形して得た一次粒子に、所定の割合で粘土鉱物を混合して二次成形した成形体を焼成して成る。
請求項1記載の化学蓄熱材成形体では、粉体状の化学蓄熱材が成形された一次粒子は、粉体(化学蓄熱材)間に隙間が形成された多孔質構造体として形成されており、かつ、該一次粒子が粘土鉱物を介して構造化されている。このため、本化学蓄熱材成形体では、一次粒子間にも隙間が形成されている。これにより、本化学蓄熱材成形体は、一次粒子内の化学蓄熱材間の隙間、一次粒子同士の隙間を有するので、蓄熱又は放熱に供される反応物を導入するための流路、蓄熱若しくは放熱により生じた反応生成物を排出するための流路が構造的に確保される。この流路は、化学蓄熱材成形体の内部に形成されているので、化学蓄熱材成形体による伝熱性を阻害することはない。
また、本化学蓄熱材成形体では、一次粒子に所定の割合で粘土鉱物が混合されているので、換言すれば、多孔質の粘土鉱物の骨格中に一次粒子が分散保持されるので、上記した多孔質構造体としての強度が高く、該多孔質構造体としての構造が安定して維持され易い。
このように、請求項1記載の化学蓄熱材成形体では、蓄熱、放熱のための反応性と伝熱性とを両立することができる。
請求項2記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、粉体の化学蓄熱材が成形されて成る一次粒子と粘土鉱物とを含み、前記一次粒子間に隙間が形成されている。
請求項2記載の化学蓄熱材成形体では、粉体状の化学蓄熱材が成形された一次粒子は、粉体(化学蓄熱材)間に隙間が形成された多孔質構造体として形成されており、かつ、該一次粒子が粘土鉱物を介して構造化されている。さらに、本化学蓄熱材成形体では、一次粒子間に隙間が形成されている。これにより、本化学蓄熱材成形体は、一次粒子内の化学蓄熱材間の隙間、一次粒子同士の隙間を有するので、蓄熱又は放熱に供される反応物を導入するための流路、蓄熱若しくは放熱により生じた反応生成物を排出するための流路が構造的に確保される。この流路は、化学蓄熱材成形体の内部に形成されているので、化学蓄熱材成形体による伝熱性を阻害することはない。
また、本化学蓄熱材成形体では、一次粒子に所定の割合で粘土鉱物が混合されているので、換言すれば、多孔質の粘土鉱物の骨格中に一次粒子が分散保持されるので、上記した構造体としての強度が高く、該構造が安定して維持され易い。
このように、請求項2記載の化学蓄熱材成形体では、蓄熱、放熱のための反応性と伝熱性とを両立することができる。
請求項3記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項1又は請求項2記載の化学蓄熱材成形体において、前記一次粒子を構成する前記化学蓄熱材の粒子間距離と、前記一次粒子同士の粒子間距離とが異なる。
請求項3記載の化学蓄熱材成形体では、一次粒子内での化学蓄熱材の粒子間距離(隙間の大きさ)と、一次粒子同士の粒子間距離(隙間の大きさ)とが異なるため、小さい方の粒子間距離で化学蓄熱材の充填密度を確保し、大きい方の粒子間距離で反応物、反応生成物の流路を確保することができる。
請求項4記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項3記載の化学蓄熱材成形体において、前記一次粒子を構成する前記化学蓄熱材の粒子間距離は、前記一次粒子同士の粒子間距離よりも小さい。
請求項4記載の化学蓄熱材成形体では、一次粒子(一次成形)で化学蓄熱材の充填密度が確保され、一次粒子同士の隙間(二次成形)で反応物、反応生成物の流路が確保される。
請求項5記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体において、前記一次粒子は、長粒状を成している。
請求項5記載の化学蓄熱材成形体では、一次粒子が長粒状に形成されているので、一次粒子同士の粒子間距離を大きく設定することができる。また、長粒状の一次粒子のアスペクト比によって、一次粒子同士の粒子間距離を構造的に制御(調整)することができる。
請求項6記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項1〜請求項5の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体において、前記一次粒子は、粉体の化学蓄熱材に所定の割合で粘土鉱物を混練したものを焼成して成る。
請求項6記載の化学蓄熱材成形体では、一次粒子は、化学蓄熱材に所定の割合で粘土鉱物が混練されているので、換言すれば、多孔質の粘土鉱物の骨格中に化学蓄熱材が分散保持されるので、上記した多孔質構造体としての強度が高く、該多孔体としての構造が安定して維持され易い。
請求項7記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項1〜請求項6の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体において、前記粘土鉱物として、層リボン構造を有する粘土鉱物が用いられている。
請求項7記載の化学蓄熱材成形体では、一次粒子に混合される粘土鉱物及び一次粒子を得るために粉体の化学蓄熱材に混練される粘土鉱物の少なくとも一方が、多孔質で比表面積が大きい層リボン構造の繊維状形態を有するため、その繊維質、可塑性によって、一次粒子及び/又は粉体の化学蓄熱材を良好に組織化、構造化させることができる。
請求項8記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項7記載の化学蓄熱材成形体において、前記層リボン構造を有する粘土鉱物として、セピオライト又はパリゴルスカイトが用いられている。
請求項8記載の化学蓄熱材成形体では、粘土鉱物の少なくとも一部が層リボン構造を有するセピオライト又はパリゴルスカイト(アタパルジャイト)であるため、その繊維質、可塑性によって、一次粒子及び/又は粉体の化学蓄熱材を良好に組織化、構造化させることができる。
請求項9記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項1〜請求項6の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体において、前記粘土鉱物として、ベントナイトが用いられている。
請求項9記載の化学蓄熱材成形体では、一次粒子に混合される粘土鉱物及び一次粒子を得るために粉体の化学蓄熱材に混練される粘土鉱物の少なくとも一方として、接着力の強い粘土鉱物であるベントナイトを用いるため、この接着力によって、一次粒子及び/又は粉体の化学蓄熱材を良好に組織化、構造化させることができる。
請求項10記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項1〜請求項9の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体において、前記粘土鉱物は、前記化学蓄熱材の粒子径よりも細い繊維状を成している。
請求項10記載の化学蓄熱材成形体では、一次粒子に混合される粘土鉱物及び一次粒子を得るために粉体の化学蓄熱材に混練される粘土鉱物の少なくとも一方が、微細な繊維径を有する繊維状を成すため、少量の粘土鉱物を用いて一次粒子及び/又は粉体の化学蓄熱材の組織化、構造化を果たすことが可能である。これにより、化学蓄熱材成形体における質量当たり、体積当たりの化学蓄熱材の占有量が大きくすることができる。
請求項11記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、粉体の化学蓄熱材を成形して成り、前記化学蓄熱材の第1の粒子間距離と、該第1の粒子間距離よりも大きい第2の粒子間距離とを有する。
請求項11記載の化学蓄熱材成形体では、化学蓄熱材の第1の粒子間距離(範囲)と第2の粒子間距離(範囲)とが異なるため、相対的に小さい第1の粒子間距離で化学蓄熱材の充填密度を確保し、相対的に大きい第2の粒子間距離で反応物、反応生成物の流路を確保することができる。したがって、本化学蓄熱材成形体では、化学蓄熱材の高充填密度を確保しつつ、蓄熱又は放熱に供される反応物を導入するための流路、蓄熱若しくは放熱により生じた反応生成物を排出するための流路が構造的に確保される。この流路は、化学蓄熱材成形体の内部に形成されているので、化学蓄熱材成形体による伝熱性を阻害することはない。
このように、請求項11記載の化学蓄熱材成形体では、蓄熱、放熱のための反応性と伝熱性とを両立することができる。このような化学蓄熱材成形体として、例えば、粉体の化学蓄熱材が成形されて成る一次粒子間に隙間が形成されている構造を採ることができる。この構成では、一次粒子を構成する化学蓄熱材の粒子間距離を第1の粒子間距離とし、一次粒子同士の粒子間距離を第2の粒子間距離とすることができる。なお、化学蓄熱材を粘土鉱物の多孔質構造に分散させて一次粒子を構成しても良く、一次粒子を粘土鉱物の多孔質構造に分散させて本化学蓄熱材成形体を構成しても良い。
請求項12記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項1〜請求項11の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体において、前記化学蓄熱材は、微細なクラックを有する。
請求項12記載の化学蓄熱材成形体では、微細なクラックを有する化学蓄熱材の比表面積が大きいので、蓄熱、放熱反応における反応速度向上を示す。これにより、蓄熱、放熱の効率を向上することができる。
請求項13記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項1〜請求項12の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体において、前記化学蓄熱材として、脱水反応に伴い吸熱し、水和反応に伴い放熱する水和反応系化学蓄熱材が用いられている。
請求項13記載の化学蓄熱材成形体では、水和反応、脱水(逆水和)反応に伴い水和反応系化学蓄熱材が体積膨張、収縮を繰り返すが、粘土鉱物を用いた構造における化学蓄熱材の組織化や隙間の形成によって、該化学蓄熱材の微粉化が効果的に抑制又は防止される。
請求項14記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項1〜請求項13の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体において、脱水反応に伴い酸化され、水和反応に伴い水酸化される水和反応系化学蓄熱材が用いられている。
請求項14記載の化学蓄熱材成形体では、水和反応、脱水(逆水和)反応に伴い水和反応系化学蓄熱材が体積膨張、収縮を繰り返すが、粘土鉱物を用いた構造における化学蓄熱材の組織化や隙間の形成によって、該化学蓄熱材の微粉化が効果的に抑制又は防止される。
請求項15記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項14記載の化学蓄熱材成形体において、前記水和反応系化学蓄熱材は、無機化合物である。
請求項15記載の化学蓄熱材成形体では、化学蓄熱材として無機化合物を用いるので、蓄熱、放熱反応(水和、脱水)に対する材料安定性が高い。このため、長期に亘り安定した蓄熱効果を得ることができる。
請求項16記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項15記載の化学蓄熱材成形体において、前記無機化合物は、アルカリ土類金属化合物である。
請求項16記載の化学蓄熱材成形体では、アルカリ土類金属化合物(水酸化物)を用いるため、換言すれば、環境負荷の小さい材料を用いるため、製造、使用、リサイクルを含めた安全性の確保が容易になる。また、粘土鉱物としてセピオライトを用いる構成では、水酸化物のアルカリ性が粘土鉱物(特に、上記した)との反応によるガラス化を助けるため、多孔質構造体の強度向上に寄与する。
請求項17記載の発明に係る化学蓄熱材成形体は、請求項14〜請求項16の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体において、前記一次粒子と、前記粘土鉱物としてのセピオライトとを混合して所定の形状に成形したものを、350℃〜500℃の温度で焼成して成る。
請求項17記載の化学蓄熱材成形体は、水和反応系化学蓄熱材とセピオライトとが混合されている成形体を焼成することで、セピオライトが焼結されて、多孔質構造体として構成されている。無機化合物である水和反応系化学蓄熱材は、350℃〜500℃の温度で焼成されることで、マイクロクラックが生じ、比表面積が大きくなる。この大きな比表面積は、蓄熱、放熱反応における反応速度向上に寄与するので、本化学蓄熱材成形体では、蓄熱、放熱の効率を向上することができる。
また、セピオライトの焼結温度が350℃〜400℃であるため、セピオライトの焼結と化学蓄熱材へのマイクロクラック生成とが同時に進行する。換言すれば、セピオライトの焼結と化学蓄熱材へのマイクロクラック生成とが、互いに悪影響を与えることがない。そして、セピオライトに分散保持された化学蓄熱材は、マイクロクラックにより微粉化することが抑制される。
請求項18記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、粉体の化学蓄熱材を所定形状に成形して成る一次粒子を得る一次粒子製造工程と、前記一次粒子に所定の割合で粘土鉱物を混合する混合工程と、前記混合工程で混合された前記一次粒子と前記粘土鉱物との混合物を所定の形状に成形する成形工程と、前記成形工程で成形された前記一次粒子と前記粘土鉱物との混合物を焼成する焼成工程と、を含む。
請求項18記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、一次粒子製造工程で化学蓄熱材を成形して一次粒子を製造し、その後混合工程に移行する。混合工程では、一次粒子に所定の割合で粘土鉱物を混合し、その後、成形工程に移行する。成形工程では、一次粒子と粘土鉱物との混合物を所定の形状に成形し、その後、焼成工程に移行する。焼成工程では、成形工程で成形された一次粒子と粘土鉱物との混合物を加熱により焼成する。これにより、一次粒子内の化学蓄熱材間に隙間が形成されると共に、一次粒子同士の間にも隙間が形成され、かつ全体として所定形状を有する化学蓄熱材成形体が形成される。
そして、本化学蓄熱材成形体の製造方法では、一次粒子内、一次粒子間のそれぞれに構造的に隙間が形成された化学蓄熱材成形体を得ることができる。この化学蓄熱材成形体では、流路を通じた反応物の導入、多孔質構造体の細孔を通じた拡散、放出、流路を通じた反応生成物の排出が果たされ、蓄熱、放熱のための反応性が良好である。しかも、この流路は、化学蓄熱材成形体の内部に形成されているので、化学蓄熱材成形体による伝熱性を阻害することはない。
このように、請求項18記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、蓄熱、放熱のための反応性と伝熱性とを両立することができる化学蓄熱材成形体を得ることができる。また、本化学蓄熱材成形体の製造方法では、一次粒子に所定の割合で粘土鉱物を混合するため、多孔質の粘土鉱物の骨格中に一次粒子を分散保持させることができる。このため、本化学蓄熱材成形体の製造方法で製造された化学蓄熱材成形体は、上記した多孔体としての強度が高く、該多孔体としての構造が安定して維持され易い。
請求項19記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、請求項18記載の化学蓄熱材成形体の製造方法において、前記一次粒子製造工程は、粉体の化学蓄熱材に所定の割合で粘土鉱物を混練する混練工程と、前記混合工程で混合された前記化学蓄熱材と前記粘土鉱物との混合物を所定の形状に成形する一次成形工程と、を含む。
請求項19記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、一次粒子製造工程の一次混合工程において粉体の化学蓄熱材に所定の割合で粘土鉱物を混練するため、多孔質の粘土鉱物の骨格中に化学蓄熱材を分散保持させた一次粒子を得ることができる。このため、本化学蓄熱材成形体の製造方法で製造された一次粒子は、上記した多孔体としての強度が高く、該多孔体としての構造が安定して維持され易い。
請求項20記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、請求項19記載の化学蓄熱材成形体の製造方法において、前記一次粒子製造工程は、前記成形工程で成形された前記化学蓄熱材と前記粘土鉱物との混練物を焼成する一次焼成工程をさらに含む。
請求項20記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、一次粒子製造工程の一次焼成工程において一次成形された上記混練物を焼成するため、混合工程で一次粒子の形状が維持されやすい。このため、一次粒子の寸法形状による該一次粒子間距離の制御精度が良好である。
請求項21記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、請求項20記載の化学蓄熱材成形体の製造方法において、前記化学蓄熱材として、脱水反応に伴い酸化され、水和反応に伴い水酸化される水和反応系化学蓄熱材が用いられており、前記混練工程では、水酸化物の状態である前記化学蓄熱材を前記粘土鉱物と混練し、前記一次焼成工程では、前記水酸化物の状態である前記化学蓄熱材の脱水反応が生じない温度で行われる。
請求項21記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、一次粒子製造工程の混練工程において、水酸化物の状態の化学蓄熱材を粘土鉱物と混練するため、該混練の際のバインダとして水を用いることができる。しかも、一次焼成工程で水酸化物である化学蓄熱材の脱水反応が生じないので、一次粒子製造工程で製造された一次粒子の化学蓄熱材は、水酸化物である状態に維持される。このため、一次粒子を粘土鉱物と混合する混合工程においても、該混合の際のバインダとして水を用いることができる。
請求項22記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、請求項18〜請求項21の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体の製造方法において、前記粘土鉱物として、層リボン構造を有する粘土鉱物を用いる。
請求項22記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、一次粒子に混練される粘土鉱物及び一次粒子を得るために粉体の化学蓄熱材に混練される粘土鉱物の少なくとも一方が、多孔質で比表面積が大きい繊維状形態を成すため、その繊維質、可塑性を利用して、一次粒子及び/又は粉体の化学蓄熱材を良好に組織化、構造化することができる。
請求項23記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、請求項22記載の化学蓄熱材成形体の製造方法において、前記層リボン構造を有する粘土鉱物として、セピオライト又はパリゴルスカイトを用いる。
請求項23記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、粘土鉱物の少なくとも一部として層リボン構造を有するセピオライト又はパリゴルスカイト(アタパルジャイト)を用いるため、その繊維質、可塑性を利用して、一次粒子及び/又は粉体の化学蓄熱材を良好に組織化、構造化することができる。
請求項24記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、請求項18〜請求項21の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体の製造方法において、前記粘土鉱物として、ベントナイトを用いる。
請求項24記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、一次粒子に混練される粘土鉱物及び一次粒子を得るために粉体の化学蓄熱材に混練される粘土鉱物の少なくとも一方として、接着力の強い粘土鉱物であるベントナイトを用いるため、この接着力によって、一次粒子及び/又は粉体の化学蓄熱材を良好に組織化、構造化することができる。
請求項25記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、請求項18〜請求項24の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体の製造方法において、前記混練工程では、前記化学蓄熱材の粒子径よりも細い繊維状を成す前記粘土鉱物を用いる。
請求項25記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、一次粒子に混練される粘土鉱物及び一次粒子を得るために粉体の化学蓄熱材に混練される粘土鉱物の少なくとも一方が、微細な繊維径を有する繊維状を成すため、少量の粘土鉱物を混練工程又は混合工程で混練又は混合することにより一次粒子及び/又は粉体の化学蓄熱材の組織化、構造化を果たすことができる。これにより、質量当たり、体積当たりの化学蓄熱材の占有量が大きい化学蓄熱材成形体を得ることが可能になる。
請求項26記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、請求項18〜請求項25の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体の製造方法において、前記化学蓄熱材として、脱水反応に伴い吸熱し、水和反応に伴い放熱する水和反応系化学蓄熱材が用いられており、前記混練工程では、水和状態の前記化学蓄熱材を前記粘土鉱物と混練する。
請求項26記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、混練工程において、水和状態の化学蓄熱材を粘土鉱物と混練するため、脱水状態の化学蓄熱材を用いる場合に懸念される水との反応が生じることがない。このため、混練工程において、該混練の際のバインダとして水を用いることができる。
請求項27記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、請求項18〜請求項26の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体の製造方法において、前記化学蓄熱材として、脱水反応に伴い酸化され、水和反応に伴い水酸化される水和反応系化学蓄熱材が用いられており、前記混練工程では、水酸化物の状態である前記化学蓄熱材を前記粘土鉱物と混練する。
請求項27記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、混練工程において、水酸化物の状態の化学蓄熱材を粘土鉱物と混練するため、該混練の際のバインダとして水を用いることができる。
請求項28記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、請求項27記載の化学蓄熱材成形体の製造方法において、前記水和反応系化学蓄熱材は、無機化合物である。
請求項28記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、化学蓄熱材として無機化合物を用いるので、製造された化学蓄熱材成形体は、蓄熱、放熱反応(水和、脱水)に対する材料安定性が高い。このため、長期に亘り安定した蓄熱効果を得ることができる。
請求項29記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、請求項28記載の化学蓄熱材成形体の製造方法において、前記無機化合物は、アルカリ土類金属化合物である。
請求項29記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、アルカリ土類金属化合物(水酸化物)を用いるため、製造時の安全性の確保が容易になる。また、製品(化学蓄熱材成形体)の使用時、リサイクル時を含め、安全性の確保が容易になる。また、粘土鉱物としてセピオライトを用いる構成では、水酸化物のアルカリ性が粘土鉱物(特に、上記した)との反応によるガラス化を助けるため、多孔質構造体の強度向上に寄与する。
請求項30記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、請求項27〜請求項29の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体の製造方法において、前記焼成工程では、前記水和系化学蓄熱材が脱水状態とされる温度で前記混合物を焼成する。
請求項30記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、焼成工程での焼成後に水和系化学蓄熱材が脱水されているので、該化学蓄熱材の比表面積の調整が容易になる。
27記載の発明に係る化学蓄熱材成形体の製造方法は、請求項30記載の化学蓄熱材成形体の製造方法において、前記焼成工程では、前記化学蓄熱材に微細なクラックが形成される温度で焼成する。
請求項31記載の化学蓄熱材成形体の製造方法では、焼成工程での焼成によって粘土鉱物が化学蓄熱材と共に構造化される(結晶性が確保される)のに伴って、化学蓄熱材に微細なクラックが形成される。これにより、多孔質構造体として形成される化学蓄熱材成形体における化学蓄熱材の比表面積を大きくすることができ、蓄熱効率の向上に寄与する。なお、粘土鉱物の焼成温度と、水和反応系化学蓄熱材の脱水温度とが近いことが好ましく、このような組み合わせとして、例えばアルカリ土類金属化合物(脱水温度400℃〜450℃)とセピオライト(焼成温度350℃以上)との組み合わせを挙げることができる。
以上説明したように本発明に係る化学蓄熱材成形体は、粉体の化学蓄熱材間に隙間が形成されるという優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る化学蓄熱材成形体としての化学蓄熱反応部10、及びその製造方法について、図1〜図3に基づいて説明する。
図1には、化学蓄熱反応部10の模式的な断面図が示されている。この図に示される如く、化学蓄熱反応部10は、多数の一次粒子11が組織化、構造化されることで構成されている。これら多数の一次粒子11は、それぞれ後述する如く粉体化学蓄熱材12の多孔質構造体として構成されている。
具体的には、図2に模式的な断面図にて示される如く、一次粒子11は、多数の粉体化学蓄熱材12が組織化、構造化されたものであって、該多数の粉体化学蓄熱材12間には細孔14が形成されている。したがって、この実施形態に係る化学蓄熱反応部10は、上記の通り多孔質構造体(多孔体)として把握され、かつ細孔14の内面に粉体化学蓄熱材12が露出して構成されているものとして把握されるものである。
この一次粒子11は、多数の粉体化学蓄熱材12に絡まるように粘土鉱物であるセピオライト16が多数の粉体化学蓄熱材12間に介在している。換言すれば、一次粒子11は、多孔質を成すセピオライト16の骨格中に多数の粉体化学蓄熱材12が分散保持された構造として把握される。これにより、一次粒子11では、多数の粉体化学蓄熱材12間に細孔14が形成された多孔質構造体として構造がセピオライト16によって保持(補強)されるようになっている。
この実施形態では、粉体化学蓄熱材12は、水酸化カルシウム(Ca(OH))とされており、脱水に伴って蓄熱(吸熱)し、水和(水酸化カルシウムへの復原)に伴って放熱(発熱)する構成とされている。すなわち、多数の粉体化学蓄熱材12は、以下に示す反応で蓄熱、放熱を可逆的に繰り返し得る構成とされている
Ca(OH) ⇔ CaO + H
この式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、
Ca(OH) + Q → CaO + H
CaO + HO → Ca(OH) + Q
となる。
セピオライト16は、層リボン構造の粘土鉱物、より具体的には輝石に似た単鎖が複数本結合して四面体リボンを形成している粘土鉱物の1つとして把握される。セピオライト16は、例えば、MgSi1230(OH)(OH・8HOの化学式で表すことができる含水マグネシウム珪酸塩であり、それ自体が多孔質でありかつ比表面積が大きい繊維状を成している。なお、この実施形態では、上記化学式で表されるものの変種についてもセピオライト16に含まれるものとしている。
そして、化学蓄熱反応部10は、図1に示される如く、多数の一次粒子11間に隙間15が形成されている。隙間15は、一次粒子11の粒子間距離を代表寸法とする空間として把握することができ、粉体化学蓄熱材12の粒子間距離を代表寸法とする空間である細孔14に対し十分に大とされている。この実施形態では、粉体化学蓄熱材12の平均粒子間距離は略10μm、一次粒子11の平均粒子間距離は略1〜2mmとされている。
また、図1に示される如く、一次粒子11は、径方向の寸法D11に対し長さ方向の寸法L11が大きい長粒状を成している。この実施形態では、例えば、D11≒1〜3mm、L11≒2〜5mmとされている。
そして、化学蓄熱反応部10では、多数の一次粒子11に絡まるように粘土鉱物であるセピオライト16が多数の一次粒子11間に介在している。換言すれば、化学蓄熱反応部10は、多孔質を成すセピオライト16の骨格中に多数の一次粒子11が分散保持された構造として把握される。これにより、化学蓄熱反応部10では、一次多孔質構造体である一次粒子11間に隙間15が形成された二次多孔質構造体としての構造がセピオライト16によって保持(補強)されるようになっている。
したがって、化学蓄熱反応部10では、隙間15は、蓄熱の際に反応生成物としての水蒸気を排出し、放熱の際に反応物としての水蒸気を供給するための流路(パス)として機能する。一方、細孔14は、隙間15を通じて供給された水蒸気を各粉体化学蓄熱材12に拡散(透過)により導き、又は各粉体化学蓄熱材12で生成された水蒸気を拡散(透過)により隙間15に導く拡散路として機能するようになっている。
以上説明した化学蓄熱反応部10は、粉体化学蓄熱材12が水酸化カルシウムの状態で熱が供給されると、該熱を反応熱として粉体化学蓄熱材12が酸化されるようになっている。すなわち、化学蓄熱反応部10では、粉体化学蓄熱材12は、細孔14を通じて又は直接的に隙間15から水蒸気を排出しつつ脱水反応により酸化カルシウムとされ、上記反応熱相当の熱を蓄熱する構成とされている。一方、化学蓄熱反応部10は、酸化カルシウムの状態の粉体化学蓄熱材12に対し、隙間15から直接的又は細孔14を通じて(拡散により)水蒸気が供給されると、粉体化学蓄熱材12は、水和反応により水酸化されつつ放熱するようになっている。
この化学蓄熱反応部10は、この実施形態では略板状に形成されており、例えば、第1流体の流路と第2流体の流路とを隔てる隔壁内面に固着されて、熱交換型蓄熱装置を構成する用途に用いられる。また例えば、化学蓄熱反応部10は、内燃機関の排気管に設けられた触媒コンバータに内蔵され、内燃機関の運転時に排気ガスの排気熱を蓄熱し、内燃機関の低温始動時に水蒸気が供給されることで触媒コンバータを早期に(短時間で)暖機するためのホットプローブ等の用途に用いられる。
以下、化学蓄熱反応部10の製造方法について説明する。
図3には、化学蓄熱反応部10の製造方法が模式的に示されている。化学蓄熱反応部10を製造するにあたっては、先ず、一次粒子製造工程にて一次粒子11を製造する。具体的には、図3(A)に示される如く、原料である粉体化学蓄熱材12、セピオライト16を用意する。
粉体化学蓄熱材12としては、例えば平均粒子径D=10μm(レーザー回析式測定法、島津製作所製SALD−2000Aによる)のものが用いられ、セピオライト16としては、水に懸濁した場合の繊維径が粉体化学蓄熱材12の平均粒子径Dよりも小さい繊維状を成すものが用いられている。具体的には、セピオライト16は、その線径(繊維径)が1μm以下、その長さ(繊維長)が200μm以下のものを用いることが望ましい。この実施形態では、線径が略0.01μmで長さが略数十μmのトルコ産のセピオライトを用いている。なお、トルコ産のセピオライトに代えて、例えば線径が略0.1μmで長さが略100μmのスペイン産のセピオライトを用いることもできる。また、この実施形態では、粉体化学蓄熱材12に対するセピオライト16の混合比は、例えば5〜10質量%程度とされている。
次いで、一次混合工程に移行する。一次混合工程では、図3(B)に示される如く、粉体化学蓄熱材12とセピオライト16とを、バインダとしての水と共に混合容器18に容れて均一に混合する。次いで、混練工程に移行する。混練工程では、図3(C)に示される如く、粉体化学蓄熱材12とセピオライト16との混合物を混練機19に入れ、バインダとしての水を徐々に加えながら練り込み(混練し)増粘化させる。これにより、粉体化学蓄熱材12とセピオライト16との混練物Mが生成される。この混練物Mは、全体として粘土状態を示す。また、この実施形態では、滑剤、バインダとして有機系バインダ(例えば、CMC(カルボキシルメチルセルロール)等)を混合、混練する。この有機系バインダは、後述する400℃以上での焼成工程において消失し、成形品中には残留しない。この有機系バインダは、のりの働きを示し、構造体成形時における精度、密度の向上に効果を示す。
次いで、図3(D)に示される一次成形工程に移行する。一次成形工程では、上記の通り混練工程で増粘化された粉体化学蓄熱材12とセピオライト16との混練物M1を押し出し型20に移し、押し出し成形する。これにより、上記混練物M1は、一次粒子11として形成される。
そして、一次粒子11の製造後、化学蓄熱反応部10の製造方法では、一次粒子11を用いて二次成形体である10を得る二次工程に移行する。具体的には、図3(E)に示される如く、原料である一次粒子11、セピオライト16を用意する。次いで、二次混合工程に移行する。二次混合工程では、図3(F)に示される如く、一次粒子11とセピオライト16とを、バインダとしての水と共に混合容器24に容れ、図3(G)に示される如く、該一次粒子11とセピオライト16との混合物M2を攪拌混合する。
次いで、図3(H)に示される二次成形工程に移行する。二次成形工程では、上記の通り二次混合工程で増粘化された一次粒子11とセピオライト16との混合物M2を成形機26(例えばプレス機)に移し、所定寸法の板状に成形する。これにより、上記混合物M2は、所定厚みの板状を成す二次成形体Pとして形成される。
次いで、図3(I)に示される焼成工程に移行する。焼成工程では、二次成形体Pを焼成炉22に容れ、所定の温度で所定の時間だけ二次成形体Pを焼成する。これにより、上記した所定形状の化学蓄熱反応部10が形成される。すなわち、化学蓄熱反応部10の製造が完了する。この焼成工程での焼成温度は、350℃〜500℃の範囲内とされている。
この焼成温度は、粉体化学蓄熱材12すなわち水酸化カルシウムの脱水温度(脱水温度は、雰囲気水蒸気圧力により異なるが、略400℃〜450℃)以上であるため、粉体化学蓄熱材12は、製造直後には、酸化カルシウムの状態で化学蓄熱反応部10を構成している。すなわち、化学蓄熱反応部10は、製造時点で、水分(水蒸気)の供給により放熱可能な蓄熱状態とされている。
また、焼成工程における400℃〜500℃の範囲の焼成温度は、粉体化学蓄熱材12にマイクロクラックが形成される温度であり、これにより、化学蓄熱反応部10を構成する多数の粉体化学蓄熱材12は、それぞれ図2に示される如く、マイクロクラックを有する。これにより、粉体化学蓄熱材12は、焼成工程を経ることで比表面積が増大されている。
ここで、化学蓄熱反応部10では、内部に隙間15が形成されているので、蓄熱時に生成される水蒸気の排出経路、放熱時に要求される水蒸気の供給経路が確保される。すなわち、化学蓄熱反応部10では、多数の粉体化学蓄熱材12間に細孔14が形成されている多孔質構造体の内部に細孔14よりも大きな隙間15が形成されているので、全体として粉体化学蓄熱材12の充填度の高い多孔質構造体を形成しながら、隙間15を通じて水蒸気の速やかな排出、供給が可能とされている。
このため、化学蓄熱反応部10では、粉体化学蓄熱材12の高充填度(高密度)による単位体積、質量当たりの蓄熱容量の確保(向上)と、放熱、蓄熱反応に要求される排出水蒸気、供給水蒸気の移動速度の確保との両立が図られる。例えば、単に粉体化学蓄熱材を充填した化学蓄熱反応部では、該粉体化学蓄熱材の充填度を高くすることができるものの十分な水蒸気の排出及び供給がなされず、粉体化学蓄熱材の充填度に基づく蓄熱容量に対する蓄熱量が小さくなってしまう。一方、反応に十分な水蒸気の移動を確保することができるサイズの細孔を多数の粉体化学蓄熱材間に略均等に設ける構成では、充填度すなわち蓄熱容量が低下してしまう。これに対して化学蓄熱反応部10では、上記の如く多孔質構造体の内部に隙間15が形成されているので、粉体化学蓄熱材12の充填度と水蒸気移動速度とのトレードオフが解消され、高充填度の粉体化学蓄熱材12の利用率を高めることが実現される。
そして、化学蓄熱反応部10は、多数の一次粒子11を、該一次粒子11間に隙間15が形成されるように構造化した二次多孔質構造体であるため、粉体化学蓄熱材12の粒子間距離(細孔14)が小さい一次粒子11によって粉体化学蓄熱材12の充填度を増し、一次粒子11の粒子間距離を大きくする二次成形によって水蒸気の流路である隙間15を得ることができる。
これにより、化学蓄熱反応部10は、比較的大きな構造中に隙間15を形成して、内部まで略均一に水蒸気の供給、排出経路を確保することができる。例えば一次成形(粉体化学蓄熱材12を直接的に組織化、構造化する工程)のみで比較的大きな化学蓄熱反応部を成形した場合、粉体化学蓄熱材12の充填度は確保することができるものの、表面から離れた内部に水蒸気を導き又は内部から水蒸気を輩出させる経路が不足し、蓄熱(脱水)反応及び放熱(水和)反応の律束(以下、拡散律束という)が生じてしまう。これに対して化学蓄熱反応部10では、一次成形で得た一次粒子11を二次成形するため、上記の通り内部まで略均一に隙間15を形成することができ、大きな構造体において拡散律束を防止又は著しく抑制することができる。
また、化学蓄熱反応部10では、長粒状の一次粒子11を用いるため、該一次粒子11のアスペクト比(L11/D11)によって、一次粒子11の粒子間距離(隙間15の大きさ)を設定することができる。例えば、アスペクト比を大きくすることで隙間15を大きくすることができ、アスペクト比を小さくすることで隙間15を小さくすることができる。このため、一次粒子11では、その寸法形状や適用装置に応じた水蒸気流通に伴う圧力損失を設定し得る。
また、化学蓄熱反応部10の製造方法では、多孔質でかつ比表面積が大きいセピオライト16を混練工程で所定の割合で粉体化学蓄熱材12に混練するため、該セピオライト16の揺変性(チキソトロピ)によって、該セピオライト16を粉体化学蓄熱材12及び水と共に撹拌することで増粘効果を呈する。これにより、粉体化学蓄熱材12をベースとした一次粒子11の成形をより高精度、高密度で行うことができる。
これにより、セピオライト16の繊維質(結晶化後の多孔質)を利用した粉体化学蓄熱材12の組織化、セピオライト16の可塑性を利用した多数の粉体化学蓄熱材12の構造化が果たされる。すなわち、粉体化学蓄熱材12に所定割合でセピオライト16を混練することで、多数の粉体化学蓄熱材12間に、蓄熱、放熱に伴う水蒸気を拡散させるための細孔14を形成しつつ、多数の粉体化学蓄熱材12を組織化、構造化して、1つの構造体である一次粒子11を得ることが実現された。
さらに、化学蓄熱反応部10の製造方法では、多孔質でかつ比表面積が大きいセピオライト16を二次混合工程で所定の割合で一次粒子11に混合するため、該セピオライト16の揺変性(チキソトロピ)によって、該セピオライト16を一次粒子11及び水と共に撹拌することで増粘効果を呈する。これにより、一次粒子11をベースとした混合物M2の成形を行うことができる。
これにより、セピオライト16の繊維質(結晶化後の多孔質)を利用した一次粒子11の組織化、セピオライト16の可塑性を利用した多数の一次粒子11の構造化が果たされる。すなわち、一次粒子11に所定割合でセピオライト16を混合することで、多数の一次粒子11間に、蓄熱、放熱に伴う水蒸気を放出又は導入するための隙間15を形成しつつ、多数の一次粒子11を組織化、構造化して、1つの構造体である化学蓄熱反応部10を得ることが実現された。
そして、以上のように製造された化学蓄熱反応部10は、多数の粉体化学蓄熱材12が互いの間に細孔14が形成されるように組織化、構造化されているので、粉体化学蓄熱材12の水和、脱水反応に伴う体積膨張、収縮が他の粉体化学蓄熱材12に干渉することが防止又は著しく抑制される。このため、粉体化学蓄熱材12の体積膨張、収縮に起因する微粉化が防止され、換言すれば、粉体化学蓄熱材12に対する水蒸気の放出、導入が滞ることがなくなり、蓄熱、放熱の反応性の低下が防止又は著しく抑制される。
さらに、化学蓄熱反応部10では、比表面積が大きく多孔質であるセピオライト16の吸着性によって、余剰の水蒸気がセピオライト16(の微孔)に吸着される。これにより、例えば、化学蓄熱反応部10が適用された蓄熱システムが停止されている低温状態の場合(粉体化学蓄熱材12が酸化カルシウムである場合)に該粉体化学蓄熱材12が吸水して化学蓄熱反応部10内が液水化されることが防止又は抑制される。
またここで、化学蓄熱反応部10の製造方法では、水に懸濁した状態で粉体化学蓄熱材12の平均粒子径Dよりも繊維径が微細な繊維状を成すセピオライト16を用いるため、少量のセピオライト16で粉体化学蓄熱材12間に細孔14が形成された多孔質構造体を補強した化学蓄熱反応部10を得ることができる。したがって、化学蓄熱反応部10は、単位質量、単位体積当たりに占める粉体化学蓄熱材12の量を多くすることができる。すなわち、蓄熱容量の大きい化学蓄熱反応部10を得ることができる。しかも、化学蓄熱反応部10では、粉体化学蓄熱材12自体が化学蓄熱反応部10の主要構造を成しているので、伝熱経路が単純で蓄熱効率、蓄熱した熱の利用効率が高い。
さらに、化学蓄熱反応部10では、粉体化学蓄熱材12として無機化合物である水酸化カルシウムを用いているため、蓄熱、放熱反応(水和、脱水)に対する材料安定性が高い。特に、水酸化カルシウムは、水酸化マグネシウム等に対しても可逆性が高い(ほぼ100%の水和、脱水反応を有する)ため、長期間に亘り安定した蓄熱効果を得ることができる。また、水酸化カルシウムは、水酸化マグネシウム等に対して不純物に対する感度が低いので、この点でも長期安定運低に寄与する。また特に、粉体化学蓄熱材12としてアルカリ土類金属化合物である水酸化カルシウムを用いているため、換言すれば、環境負荷の小さい材料を用いるため、化学蓄熱反応部10の製造、使用、リサイクルを含めた安全性の確保が容易になる。
さらにここで、化学蓄熱反応部10の製造方法では、水酸化物である水酸化カルシウムの粉体を用いるため、混練工程で粉体化学蓄熱材12とセピオライト16とを混練、増粘させるためのバインダとして水を用いることができる。これにより、簡単かつ安価な方法で化学蓄熱反応部10を得ることができる。例えば、酸化カルシウムを出発物質とした場合には、該酸化カルシウムは水に反応するために水(水を含む液体)をバインダとして用いることができない。また例えば、炭酸カルシウムを出発原料として粉体化学蓄熱材12(水酸化カルシウム)を得る場合には、脱炭酸工程で950℃〜1000℃程度の高温焼成が要求される。
これに対して化学蓄熱反応部10の製造方法では、上記の通り炭酸カルシウムを出発原料としているため、水をバインダとしてセピオライト16と混練することで増粘効果が得られ、成形性が向上する。また、焼成温度を低くすることができるため、使用材料、工程(製造装置の材料等を含む)の自由度が増す。さらに、化学蓄熱材複合物成形体10では、アルカリ性の水酸化カルシウムをセピオライトに混練するため、セピオライトはアルカリと僅かに反応にしてガラス質へと変化する。このため、ガラス化したセピオライト16と粉体化学蓄熱材12との混練物M1を焼結して成る焼結構造体である化学蓄熱材複合物成形体10は、その強度が向上される。
一方、化学蓄熱反応部10の製造方法では、焼成温度として400℃〜500℃を採用しているので、粉体化学蓄熱材12、セピオライト16の構造化(固定化)を図りつつ、粉体化学蓄熱材12の脱水反応を進行させることができる。そして、400℃〜500℃の焼成温度によって、粉体化学蓄熱材12にマイクロクラックが形成されるので、化学蓄熱反応部10の製造方法では、粉体化学蓄熱材12の組織化、構造化と比表面積の増大とを同時に果たすことができる。
なお、酸化カルシウムとなった粉体化学蓄熱材12にマイクロクラックを生じさせる焼成温度としては、450℃程度が最も好ましい。焼成温度が400℃以下では、マイクロクラックの生成が少なく、500℃以上では、粉体化学蓄熱材12の割れの確率が高くなること及びシンタリングにより粉体化学蓄熱材12の比表面積が減少することが確かめられている。なお、この温度範囲は、酸化カルシウムの他に、例えば酸化マグネシウム(水酸化マグネシウムが脱水されたもの)についても、マイクロクラックを生じさせる焼成温度として用いることができる。なお、水酸化マグネシウムの脱水温度は、雰囲気水蒸気圧力により異なるが、水酸化カルシウムの脱水温度よりも若干低い略350℃〜400℃)である。
また、上記した化学蓄熱反応部10の製造方法では、一次成形工程で形成された一次粒子11を用いて二次成形を行う例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図4に示される如く、一次粒子製造工程における一次成形工程(図4(D)参照)の後に、図4(E)に示す如き一次焼成工程を行うようにしても良い。すなわち、一次成形工程で得たペレットP1を、焼成炉22で焼成するようにしても良い。これにより、二次成形では焼成(硬化)された一次粒子11を用いることになるため、二次混合工程、二次成形工程において一次粒子11の形状が維持され易い。したがって、一次粒子11の寸法形状(アスペクト比)による隙間15の寸法調整(制御)の精度が高くなる。
ここで、一次焼成工程は、水酸化物である粉体化学蓄熱材12の脱水反応が生じない温度、時間で行うことが望ましい。このため、水酸化カルシウムである粉体化学蓄熱材12の場合、一次焼成温度は、300℃以下とすることが望ましい。これにより、一次焼成工程を経た一次粒子11の粉体化学蓄熱材12は水酸化カルシウムである状態が維持されるので、二次混合工程においてもバインダとして水を用いることができる。これにより、一次粒子製造工程に一次焼成工程を含む場合においても、簡単かつ安価な方法で化学蓄熱反応部10を得ることができる。
なお、上記した実施形態では、粘土鉱物として層リボン構造を有する粘土鉱物としてのセピオライトを用いた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、層リボン構造を有する粘土鉱物であるパリゴルスカイト(アタパルジャイト)を用いても良く、層リボン構造を有する粘土鉱物には属しないベントナイトを用いても良い。なお、ベントナイトについて補足すると、ベントナイトは、層リボン構造を有する粘土鉱物と比較して接着力が強い粘土鉱物であり、強固な多孔質構造体を得ることができ、また、例えば金属壁への接合強度を向上することに寄与する。このベントナイトを用いた化学蓄熱材複合物成形体10においても、多数の粉体化学蓄熱材12間に細孔14が形成された多孔質構造体を成す。一方、層リボン構造を有する粘土鉱物は、ベントナイトと比較してシンタリング(緻密化)が少ないメリットがある。特に、セピオライトは、上記の通り粉体化学蓄熱材12の脱水温度(マイクロクラックが生成される温度)と近い温度で焼結され、該温度ではシンタリングによる比表面積の減少が少ない(マイクロクラックによる比表面積の増加が上回る)メリットがある。化学蓄熱材複合物成形体10の製造に用いる粘土鉱物は、これらのメリットを考慮して用途等に応じて決めれば良い。
また、上記した実施形態では、粉体化学蓄熱材12として水和系化学蓄熱材である水酸化カルシウム(Ca(OH))を用いた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、アルカリ土類金属の無機化合物である水酸化マグネシウム(Mg(OH))を粉体化学蓄熱材12として用いても良い。同様に、アルカリ土類金属の無機化合物であるBa(OH)やBa(OH)・HOを粉体化学蓄熱材12として用いても良く、アルカリ土類金属以外の無機化合物であるLiOH・HO、Al・3HO等を粉体化学蓄熱材12として用いても良い。さらに、水和、脱水反応により発熱、蓄熱する水和形の粉体化学蓄熱材12に代えて、他の反応を利用した粉体化学蓄熱材12を用いても良い。
さらに、上記した実施形態では、一次粒子11を長粒状に形成した例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、薄板状や細長状等の各種形状に形成することができることはいうまでもない。
本発明の実施形態に係る化学蓄熱材複合物成形体の内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る化学蓄熱材複合物成形体の内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る化学蓄熱材複合物成形体の製造方法を模式的に示す図であって、(A)は一次粒子の原料を示す図、(B)は各原料及びバインダの混合状態を示す図、(C)は混練工程を示す図、(D)は一次成形工程を示す図である。 本発明の実施形態に係る化学蓄熱材複合物成形体の製造方法を模式的に示す図であって、(E)は二次成形体の原料を示す図、(F)は各原料及びバインダの混合状態を示す図、(G)は二次混合工程を示す図、(H)は二次成形工程を示す図、(I)は焼成工程を示す図である。 本発明の実施形態に係る化学蓄熱材複合物成形体の製造方法における一次粒子製造工程の変形例を模式的に示す図であって、(A)は一次粒子の原料を示す図、(B)は各原料及びバインダの混合状態を示す図、(C)は一次混合工程を示す図、(D)は一次成形工程を示す図、(E)は一次焼成工程を示す図である。
符号の説明
10 化学蓄熱反応部(化学蓄熱材成形体)
11 一次粒子
12 粉体化学蓄熱材(化学蓄熱材)
14 細孔(化学蓄熱材の粒子間距離)
15 隙間(一次粒子の粒子間距離)
16 セピオライト(粘土鉱物)
M1 混練物(化学蓄熱材と粘土鉱物との混合物)
M2 混合物(一次粒子と粘土鉱物との混合物)

Claims (31)

  1. 粉体の化学蓄熱材を一次成形して得た一次粒子に、所定の割合で粘土鉱物を混合して二次成形した成形体を焼成して成る化学蓄熱材成形体。
  2. 粉体の化学蓄熱材が成形されて成る一次粒子と粘土鉱物とを含み、前記一次粒子間に隙間が形成されている化学蓄熱材成形体。
  3. 前記一次粒子を構成する前記化学蓄熱材の粒子間距離と、前記一次粒子同士の粒子間距離とが異なる請求項1又は請求項2記載の化学蓄熱材成形体。
  4. 前記一次粒子を構成する前記化学蓄熱材の粒子間距離は、前記一次粒子同士の粒子間距離よりも小さい請求項3記載の化学蓄熱材成形体。
  5. 前記一次粒子は、長粒状を成している請求項1〜請求項4の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体。
  6. 前記一次粒子は、粉体の化学蓄熱材に所定の割合で粘土鉱物を混練したものを焼成して成る請求項1〜請求項5の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体。
  7. 前記粘土鉱物として、層リボン構造を有する粘土鉱物が用いられている請求項1〜請求項6の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体。
  8. 前記層リボン構造を有する粘土鉱物として、セピオライト又はパリゴルスカイトが用いられている請求項7記載の化学蓄熱材成形体。
  9. 前記粘土鉱物として、ベントナイトが用いられている請求項1〜請求項6の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体。
  10. 前記粘土鉱物は、前記化学蓄熱材の粒子径よりも細い繊維状を成している請求項1〜請求項9の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体。
  11. 粉体の化学蓄熱材を成形して成り、前記化学蓄熱材の第1の粒子間距離と、該第1の粒子間距離よりも大きい第2の粒子間距離とを有する化学蓄熱材成形体。
  12. 前記化学蓄熱材は、微細なクラックを有する請求項1〜請求項11の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体。
  13. 前記化学蓄熱材として、脱水反応に伴い吸熱し、水和反応に伴い放熱する水和反応系化学蓄熱材が用いられている請求項1〜請求項12の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体。
  14. 前記化学蓄熱材として、脱水反応に伴い酸化され、水和反応に伴い水酸化される水和反応系化学蓄熱材が用いられている請求項1〜請求項13の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体。
  15. 前記水和反応系化学蓄熱材は、無機化合物である請求項14記載の化学蓄熱材成形体。
  16. 前記無機化合物は、アルカリ土類金属化合物である請求項15記載の化学蓄熱材成形体。
  17. 前記一次粒子と、前記粘土鉱物としてのセピオライトとを混合して所定の形状に成形したものを、350℃〜500℃の温度で焼成して成る請求項14〜請求項16の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体。
  18. 粉体の化学蓄熱材を所定形状に成形して成る一次粒子を得る一次粒子製造工程と、
    前記一次粒子に所定の割合で粘土鉱物を混合する混合工程と、
    前記混合工程で混合された前記一次粒子と前記粘土鉱物との混合物を所定の形状に成形する成形工程と、
    前記成形工程で成形された前記一次粒子と前記粘土鉱物との混合物を焼成する焼成工程と、
    を含む化学蓄熱材成形体の製造方法。
  19. 前記一次粒子製造工程は、
    粉体の化学蓄熱材に所定の割合で粘土鉱物を混練する混練工程と、
    前記混練工程で混練された前記化学蓄熱材と前記粘土鉱物との混練物を所定の形状に成形する一次成形工程と、
    を含む請求項18記載の化学蓄熱材成形体の製造方法。
  20. 前記一次粒子製造工程は、前記成形工程で成形された前記化学蓄熱材と前記粘土鉱物との混練物を焼成する一次焼成工程をさらに含む請求項19記載の化学蓄熱材成形体の製造方法。
  21. 前記化学蓄熱材として、脱水反応に伴い酸化され、水和反応に伴い水酸化される水和反応系化学蓄熱材が用いられており、
    前記混練工程では、水酸化物の状態である前記化学蓄熱材を前記粘土鉱物と混練し、
    前記一次焼成工程では、前記水酸化物の状態である前記化学蓄熱材の脱水反応が生じない温度で行われる請求項20記載の化学蓄熱材成形体の製造方法。
  22. 前記粘土鉱物として、層リボン構造を有する粘土鉱物を用いる請求項18〜請求項21の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体の製造方法。
  23. 前記層リボン構造を有する粘土鉱物として、セピオライト又はパリゴルスカイトを用いる請求項22記載の化学蓄熱材成形体の製造方法。
  24. 前記粘土鉱物として、ベントナイトを用いる請求項18〜請求項21の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体の製造方法。
  25. 前記混練工程では、前記化学蓄熱材の粒子径よりも細い繊維状を成す前記粘土鉱物を用いる請求項18〜請求項24の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体の製造方法。
  26. 前記化学蓄熱材として、脱水反応に伴い吸熱し、水和反応に伴い放熱する水和反応系化学蓄熱材が用いられており、
    前記混練工程では、水和状態の前記化学蓄熱材を前記粘土鉱物と混練する請求項18〜請求項25の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体の製造方法。
  27. 前記化学蓄熱材として、脱水反応に伴い酸化され、水和反応に伴い水酸化される水和反応系化学蓄熱材が用いられており、
    前記混練工程では、水酸化物の状態である前記化学蓄熱材を前記粘土鉱物と混練する請求項18〜請求項26の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体の製造方法。
  28. 前記水和反応系化学蓄熱材は、無機化合物である請求項27記載の化学蓄熱材成形体の製造方法。
  29. 前記無機化合物は、アルカリ土類金属化合物である請求項28記載の化学蓄熱材成形体の製造方法。
  30. 前記焼成工程では、前記水和系化学蓄熱材が脱水状態とされる温度で前記混合物を焼成する請求項27〜請求項29の何れか1項記載の化学蓄熱材成形体の製造方法。
  31. 前記焼成工程では、前記化学蓄熱材に微細なクラックが形成される温度で焼成する請求項30記載の化学蓄熱材成形体の製造方法。
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