JP2009132337A - 車両用ブレーキ装置及び鞍乗り型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイワイヤ式の車両用ブレーキ装置及びこれを備えた鞍乗り型車両において、液路切り替え手段及び液圧発生手段のユニット化による小型化を図ると共にレイアウト自由度の向上を図る。
【解決手段】ブレーキ操作手段の作動により別途液圧を発生するパワーユニット46と、前記ブレーキ操作手段、パワーユニット46及び車輪制動手段の間の液圧経路を切り替えるコントロールユニット50Rとを備え、前記パワーユニット46及びコントロールユニット50Rは、互いに着脱可能な結合部77,78をそれぞれ有し、該各結合部77,78を介して、前記パワーユニット46及びコントロールユニット50Rが互いに一体化される。
【選択図】図7

Description

この発明は、バイワイヤ式の車両用ブレーキ装置及びこれを備えた鞍乗り型車両に関する。
従来、自動二輪車等の鞍乗り型車両に多用される液圧式のブレーキ装置の中には、運転者の操作により液圧を発生するブレーキ操作手段(マスターシリンダ)と、液圧の供給により車輪の回転を制動する車輪制動手段(ブレーキキャリパ)との間に、液圧経路の連通状態を切り替える液路切り替え手段を有し、該液路切り替え手段によりブレーキ操作手段と車輪制動手段との連通を遮断すると共に、前記ブレーキ操作手段の作動量を電気的に検出し、該検出値に基づいて液圧発生手段を駆動制御し、前記検出値に相当する液圧を別途発生させてこれを前記車輪制動手段に供給し、もって車輪の制動力を発生させる所謂バイワイヤ式のものがある。
このようなブレーキ装置において、前記液路切り替え手段と液圧発生手段とを一体のユニットとして有するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−117076号公報
ところで、上記従来の技術においては、前記液路切り替え手段と液圧発生手段とをユニット化することで小型化を図っているものの、ユニット全体のサイズ及び形状が固定的であり、一定の配置空間が必要となるため、レイアウト自由度が制限され、複数車種間での共用化を図り難いという課題がある。
そこでこの発明は、バイワイヤ式の車両用ブレーキ装置及びこれを備えた鞍乗り型車両において、液路切り替え手段及び液圧発生手段のユニット化による小型化を図ると共にレイアウト自由度の向上を図ることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、運転者の操作により液圧を発生するブレーキ操作手段(例えば実施例の前後マスターシリンダ25,82)と、液圧の供給により車輪(例えば実施例の前後輪102,111)の回転を制動する車輪制動手段(例えば実施例の前後ブレーキキャリパ56,92)と、前記ブレーキ操作手段の作動により別途液圧を発生する液圧発生手段(例えば実施例のパワーユニット46)と、前記ブレーキ操作手段、液圧発生手段及び車輪制動手段の間の液圧経路を切り替える液路切り替え手段(例えば実施例のコントロールユニット50F,50R)とを備えた車両用ブレーキ装置(例えば実施例のブレーキ装置10)において、前記液圧発生手段及び液路切り替え手段は、互いに着脱可能な結合部(例えば実施例の結合部77,78)をそれぞれ有し、該各結合部を介して、前記液圧発生手段及び液路切り替え手段が互いに一体化されることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記液圧発生手段は、回転軸(例えば実施例の回転軸60a)を有するモータ(例えば実施例の電動モータ60)と、該モータの回転力によりピストン(例えば実施例のピストン74)をストロークさせて液圧を発生させる液圧シリンダ(例えば実施例の液圧シリンダ67)とを有してなり、前記モータの軸方向は、扁平な箱体状をなす前記液路切り替え手段の厚さ方向(例えば実施例の厚さ方向T)と直交するように配置されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記液圧シリンダのストローク軸線(例えば実施例のストローク軸線C2)及びモータの回転軸線(例えば実施例の回転軸線C1)が互いに平行に配置され、前記液圧シリンダ及びモータが前記液路切り替え手段の厚さ方向の幅(例えば実施例の幅H)内に配置されることを特徴とする。
請求項4記載した発明は、前記液路切り替え手段は、液圧経路を切り替える棒状の複数の切り替え弁(例えば実施例の電磁バルブ31,43,47)を有し、該各切り替え弁は、扁平な箱体状をなす前記液路切り替え手段の厚さ方向(例えば実施例の厚さ方向T)に沿うように配置されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記液圧発生手段及び液路切り替え手段の各接続口(例えば実施例の連通ポート67a,69a)に接続されてこれらの間を液圧伝達可能に連通する液圧管(例えば実施例の連通管95)を備え、該液圧管が扁平な箱体状をなす前記液路切り替え手段の厚さ方向(例えば実施例の厚さ方向T)の幅(例えば実施例の幅H)内に配置されることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記液圧発生手段及び液路切り替え手段は、前記各結合部において車体取り付け部材(例えば実施例の中央支持ステー87)に一体的に取り付けられることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、ヘッドパイプ(例えば実施例のヘッドパイプ106)から後方に延びる左右一対のメインフレーム(例えば実施例のメインフレーム107)と、該左右メインフレームの後端部に連なる左右一対のピボットフレーム(例えば実施例のピボットフレーム108)とを備える車体(例えば実施例の車体フレーム105)を構成すると共に、運転者の操作により液圧を発生するブレーキ操作手段(例えば実施例の前後マスターシリンダ25,82)と、液圧の供給により車輪(例えば実施例の前後輪102,111)の回転を制動する車輪制動手段(例えば実施例の前後ブレーキキャリパ56,92)と、前記ブレーキ操作手段の作動により別途液圧を発生する液圧発生手段(例えば実施例のパワーユニット46)と、前記ブレーキ操作手段、液圧発生手段及び車輪制動手段の間の液圧経路を切り替える液路切り替え手段(例えば実施例のコントロールユニット50F,50R)とを備えるブレーキ装置(例えば実施例のブレーキ装置10)を構成する鞍乗り型車両(例えば実施例の自動二輪車101)において、前記液圧発生手段及び液路切り替え手段は、互いに着脱可能な結合部(例えば実施例の結合部77,78)をそれぞれ有し、該各結合部を介して、前記液圧発生手段及び液路切り替え手段が互いに一体化され、かつ該液圧発生手段及び液路切り替え手段が、前記左右ピボットフレームの間に左右に並んで配置されることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、液圧発生手段及び液路切り替え手段を前記結合部を介して互いに一体化することで、これらのユニット化による小型化を図ると共に、車体に対する着脱を容易にできる。
また、液圧発生手段及び液路切り替え手段が互いに着脱可能な結合部をそれぞれ有し、該各結合部を介して液圧発生手段及び液路切り替え手段が互いに一体化されることで、各結合部を直接結合したり中間部材を介在させる等により、液圧発生手段及び液路切り替え手段の一ユニットとしての形状変更が可能となり、レイアウト自由度を向上させて複数車種間での共用化を容易にできる。
請求項2に記載した発明によれば、液圧発生手段におけるモータの長手方向である軸方向と液路切り替え手段の厚さ方向(最も幅の小さい方向)とが直交するように配置されることとなり、液圧発生手段及び液路切り替え手段からなるユニットの厚さの増加を抑えてこれらをよりコンパクトに配置できる。
請求項3に記載した発明によれば、液圧発生手段における所定の長さを要する液圧シリンダ及びモータが、液路切り替え手段の厚さ方向の幅内に配置されることとなり、液圧発生手段及び液路切り替え手段からなるユニットの厚さの増加を抑えてこれらをよりコンパクトに配置できる。
請求項4に記載した発明によれば、複数の切り替え弁の配置自由度を高めて液路切り替え手段の小型化を図ることができる。
請求項5に記載した発明によれば、液圧管の延長や短縮により液圧発生手段及び液路切り替え手段からなるユニットの形状変更を容易にできる。また、前記液圧管が液路切り替え手段の厚さ方向の幅内に配置されることで、液圧発生手段及び液路切り替え手段からなるユニットの厚さの増加を抑えてこれらをよりコンパクトに配置できる。
請求項6に記載した発明によれば、各結合部において車体取り付け部材を共に結合することが可能となり、液圧発生手段及び液路切り替え手段の車体への取り付け構造を簡素化できる。
請求項7に記載した発明によれば、液圧発生手段及び液路切り替え手段を前記結合部を介して互いに一体化することで、これらのユニット化による小型化を図ると共に、車体に対する着脱を容易にできる。
また、液圧発生手段及び液路切り替え手段が互いに着脱可能な結合部をそれぞれ有し、該各結合部を介して液圧発生手段及び液路切り替え手段が互いに一体化されることで、各結合部を直接結合したり中間部材を介在させる等により、液圧発生手段及び液路切り替え手段の一ユニットとしての形状変更が可能となり、レイアウト自由度を向上させて複数車種間での共用化を容易にできる。
さらに、液圧発生手段及び液路切り替え手段が車体の左右ピボットフレーム間に左右に並んで配置されることで、液圧発生手段及び液路切り替え手段を目立たなくすると共にマスの集中を図ることができる。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印FRは車両前方を、矢印LHは車両左方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
図1に示すように、自動二輪車(鞍乗り型車両)101の前輪102を軸支する左右フロントフォーク103の上部は、ステアリングステム104を介して車体フレーム105前端部のヘッドパイプ106に操舵可能に枢支される。ヘッドパイプ106からは左右メインフレーム107が斜め下後方に延び、その後端部が車体中央部において左右ピボットフレーム108の上端部に連なる。車体フレーム105の内側には、自動二輪車101の原動機であるエンジン(内燃機関)Eが懸架される。車体フレーム105の左右ピボットフレーム108には、後輪111を懸架するスイングアーム式リアサスペンション110が取り付けられる。
スイングアーム式リアサスペンション110は、後端部に後輪111を軸支するスイングアーム112の前端部を、左右ピボットフレーム108の上下中間部に、左右方向に沿うピボット軸113を介して上下揺動可能に支持し、このスイングアーム112の前部上側に設けられたアーム上支持部114と、左右ピボットフレーム108の下部(ピボット軸113よりも下方の部位)に設けられたフレーム下支持部115との間に跨ってリンク機構116を取り付け、これらスイングアーム112及びリンク機構116の作動により、スイングアーム112の前端側に配置したクッションユニット117をストロークさせて、路面からの反力を吸収、減衰する。なお、図中符号111aは後輪車軸を示す。
クッションユニット117は、ロッド状のダンパーをコイルスプリング内に挿通した基本構成を有し、スイングアーム112の基端側において、その中心軸線(ストローク軸線)を概ね上下方向に沿わせるように配置される。クッションユニット117の上端部は、スイングアーム112の前記アーム上支持部114に連結され、クッションユニット117の下端部は、左右ピボットフレーム108の下部間に渡るロアクロスメンバ118に設けられた前記フレーム下支持部115に連結される。なお、クッションユニット117の上部後側には、前記ダンパー内の作動油や圧縮ガス等を封入する円筒状のサブタンク117aが左右方向に沿って配置される。
ここで、クッションユニット117の上端部がスイングアーム112に取り付けられると共に、下端部がピボット軸113よりも下方位置で車体フレーム105に取り付けられることで、クッションユニット117のストローク時の荷重が車体フレーム105のピボット軸113よりも上方の部位に入力されることがなく、左右ピボットフレーム108の上部間(ピボット軸113よりも上方の部位間)に渡るアッパクロスメンバ119を小型化でき、車体中央部に比較的大型の部品を配置し易くされる。
図2を併せて参照し、フロントフォーク103又はステアリングステム104には、前輪操舵用のバーハンドル104aが取り付けられ、該バーハンドル104aの右グリップ部には、主に前輪制動用の液圧(油圧)を発生させる前マスターシリンダ25及びこれを作動させるブレーキレバー(ブレーキ操作子)21が取り付けられる。前輪102のハブ部両側には左右前ブレーキディスク55がそれぞれ一体回転可能に取り付けられ、これら左右前ブレーキディスク55をそれぞれ挟圧して前輪制動力を発生させる左右前ブレーキキャリパ(ホイールシリンダ)56が、左右フロントフォーク103の下部にそれぞれ取り付けられる。これら左右前ブレーキディスク55及び前ブレーキキャリパ56により、自動二輪車101の前ディスクブレーキ42が構成される。
一方、左右ピボットフレーム108の後方には、それぞれ左右ステップ(不図示)が取り付けられ、これらの内の右ステップには、主に後輪制動用の液圧(油圧)を発生させる後マスターシリンダ82及びこれを作動させるブレーキペダル(ブレーキ操作子)22が取り付けられる。後輪111のハブ部右側には後ブレーキディスク91が一体回転可能に取り付けられ、この後ブレーキディスク91を挟圧して後輪制動力を発生させる後ブレーキキャリパ(ホイールシリンダ)92が、スイングアーム112の後部右側に取り付けられる。これら後ブレーキディスク91及び後ブレーキキャリパ92により、自動二輪車101の後ディスクブレーキ84が構成される。
ここで、自動二輪車101は、前後マスターシリンダ25,82で発生した液圧を前後ブレーキキャリパ56,92に直接供給せず、前後マスターシリンダ25,82の作動量(液圧発生量)を電気的に検出し、その検出値に基づいて後述のパワーユニット46を駆動制御して、前記検出値に相当する液圧を発生させると共にこれを前後ブレーキキャリパ56,92に供給して前後輪102,111の制動力を発生させる所謂バイワイヤ式のブレーキ装置10を構成する。
ブレーキ装置10は、自動二輪車101の前輪102を制動する前輪ブレーキ装置11と、自動二輪車101の後輪111を制動する後輪ブレーキ装置12と、これらの前輪ブレーキ装置11及び後輪ブレーキ装置12における液圧経路に設けた複数の電磁バルブ31,43,47の開閉等を制御する制御部13と、各ブレーキ装置11,12並びに制御部13への給電用のバッテリ14とを有してなり、前輪ブレーキ装置11の前記ブレーキレバー21の操作量(前マスターシリンダ25の作動量)、及び後輪ブレーキ装置12の前記ブレーキペダル22の操作量(後マスターシリンダ82の作動量)をそれぞれ電気的に検出し、これらの検出量に応じた液圧を前記パワーユニット46により発生して前輪102及び後輪111を独立又は連動して制動させる。
以下、前輪ブレーキ装置11を例に説明を行うが、特に記載がなければ後輪ブレーキ装置12も同様の基本構成を有するものとする。
図2に示すように、前輪ブレーキ装置11は、前記ブレーキレバー21及び前マスターシリンダ25と、この前マスターシリンダ25内に出入りするブレーキフルード(作動油)を貯留する前リザーバタンク26と、前マスターシリンダ25にブレーキ配管27を介して接続されるストロークシミュレータ28と、ブレーキ配管27の途中に設けられる第一電磁バルブ31と、この第一電磁バルブ31を迂回するようにブレーキ配管27に設けられるバイパス配管32と、このバイパス通路32の途中に設けられる一方向弁33と、前マスターシリンダ25に接続される第一圧力センサ35と、バイパス配管32に接続される第二圧カセンサ36と、ブレーキ配管27にブレーキ配管41を介して接続される前記前ブレーキキャリパ56と、ブレーキ配管41の途中に設けられる第二電磁バルブ43と、ブレーキ配管41にブレーキ配管44を介して接続されるパワーユニット46と、ブレーキ配管44の途中に設けられる第三電磁バルブ47と、この第三電磁バルブ47を迂回するようにブレーキ配管44に接続されるバイパス配管48と、このバイパス通路48の途中に設けられる一方向弁51と、バイパス配管48に接続される第三圧カセンサ52とを有してなる。なお、図中符号14A,14Bは制御部13とバッテリ14とを接続する導線を示す。
ストロークシミュレータ28は、ブレーキレバー21の操作量(前マスターシリンダ25の液圧発生量)に応じて擬似的な反力を発生させ、ブレーキレバー21を操作する運転者の手にバイワイヤ式ではない通常の液圧式ブレーキ装置のブレーキレバーの操作時と同様の操作感覚を付与する。
第一電磁バルブ31は、通常時は圧縮コイルばね31aの弾性力で閉じる(ブレーキ配管27を遮断する)常閉型のバルブであり、制御部13からの制御信号を導線31Aを介して受けることで、圧縮コイルばね31aの弾性力に抗して開作動する(ブレーキ配管27を開通する)。
バイパス配管32及び一方向弁33は、ストロークシミュレータ28に発生したブレーキ液の残圧を逃がすもので、一方向弁33は、ストロークシミュレータ28側から前マスターシリンダ25側へのブレーキ液の流れのみを許容する。
第一圧カセンサ35は、ブレーキ配管27を介して前マスターシリンダ25内の圧力を検出するもので、制御部13に導線35Aを介して接続される。
第二圧カセンサ36は、バイパス配管32を介してストロークシミュレータ28内の圧力を検出するもので、制御部13に導線36Aを介して接続される。
前ディスクブレーキ42の前ブレーキキャリパ56には、前記ブレーキ配管41が接続される。また、図中符号58は前ブレーキディスク55の回転速度ひいては前輪102の回転速度を検出する前車輪速センサを示し、該前車輪速センサ58が制御部13に導線58Aを介して接続される。
第二電磁バルブ43は、通常時は圧縮コイルばね43aの弾性力で開く(ブレーキ配管41を開通する)常開型のバルブであり、制御部13からの制御信号を導線43Aを介して受けることで、圧縮コイルばね43aの弾性力に抗して閉作動する(ブレーキ配管41を遮断する)。
パワーユニット46は、電動モータ60と、この電動モータ60の回転軸60aに取り付けられる第一ギヤ61と、この第一ギヤ61に噛み合う第二ギヤ62と、この第二ギヤ62に取付けられるボールネジ機構71と、このボールネジ機構71の作動によりストロークしてブレーキ液圧を発生させる液圧シリンダ67とを有してなる。なお、図中符号60A,60Bは電動モータ60に通電するために制御部13と電動モータ60とを接続する導線を示す。
液圧シリンダ67は、シリンダ本体73と、このシリンダ本体73内に移動自在に挿入されると共に一端にボールネジ機構71のストローク部材66が押し当てられるピストン74と、このピストン74の他端及びシリンダ本体73の底部の間に配置される圧縮コイルばね76とを有してなる。シリンダ本体74の底部にはブレーキ配管44が接続される。
第三電磁バルブ47は、通常時は圧縮コイルばね47aの弾性力で閉じる(ブレーキ配管44を遮断する)常閉型のバルブであり、制御部13からの制御信号を導線47Aを介して受けることで、圧縮コイルばね47aの弾性力に抗して開作動する(ブレーキ配管44を開通する)。
バイパス配管48及び一方向弁51は、パワーユニット46のシリンダ本体73内に発生したブレーキ液の残圧を逃がすもので、一方向弁51は、パワーユニット46側からブレーキキャリパ56側へのブレーキ液の流れのみを許容する。
第三圧カセンサ52は、シリンダ本体73内の液圧を検出するもので、制御部13に導線52Aを介して接続される。
制御部13は、第一圧カセンサ35、第二圧カセンサ36、及び第三圧カセンサ52からの検出信号、並びに前車輪速センサ58からの検出信号等に基づいて、第一電磁バルブ31、第二電磁バルブ43、及び第三電磁バルブ47の開閉、並びに電動モータ60の駆動を制御する。
なお、後輪ブレーキ装置12は、前輪ブレーキ装置11に対し、ブレーキレバー21に代えてブレーキペダル22を、前マスターシリンダ25に代えて後マスターシリンダ82を、前リザーバタンク26に代えて後リザーバタンク83を、前ディスクブレーキ42に代えて後ディスクブレーキ84を、前車輪速センサ58に代えて後車輪速センサ86をそれぞれ設けた点を主に異なる。後車輪速センサ86は後ブレーキディスク91の回転速度ひいては後輪111の回転速度を検出するもので、制御部13に導線86Aを介して接続される。
ここで、前輪ブレーキ装置11においては、各配管27,32,41,44,48、各電磁バルブ31,43,47、各圧力センサ35,36,52、一方向弁33,51、及びストロークシミュレータ28を有してなる液路切り替え部49Fが構成される。この液路切り替え部49Fは、制御部13の一部である制御基板13Fにより作動制御される。この制御基板13Fと液路切り替え部49Fとを主に、前輪ブレーキ装置11のコントロールユニット50Fが構成される。
なお、後輪ブレーキ装置12においても、前輪ブレーキ装置11と同様の液路切り替え部49Rが構成され、かつ該液路切り替え部49Rと制御部13の制御基板13Rとを主にコントロールユニット50Rが構成される。
次に、上記ブレーキ装置10の作用について図3〜5を参照して説明する。なお、図3〜5において、ブレーキ液圧が発生している部分、電気信号が流れている部分、及び通電されている部分は太線で示す。また、以下の説明は前輪ブレーキ装置11を例に説明するが、特に記載がなければ後輪ブレーキ装置12も同様の作用を奏するものとする。
まず、図3を参照し、自動二輪車101のイグニッションスイッチがOFFの場合(例えば自動二輪車101が停止しているか自動二輪車101が運転者によって移動されている場合)、あるいは自動二輪車101のイグニッションスイッチがONでかつ前車輪速センサ58が検出した前輪102の回転速度がゼロ又は所定値未満の場合(すなわち制御部13によって自動二輪車101が停止又は停止同様と判断される場合)には、第一電磁バルブ31は閉じ、第二電磁バルブ43は開き、第三電磁バルブ47は閉じた状態となる。
このときブレーキレバー21が操作され前マスターシリンダ25に液圧が発生すると、この液圧が図中太線で示す経路に伝わる。すなわち、前マスターシリンダ25で発生した液圧は、前ディスクブレーキ42の前ブレーキキャリパ56に伝わり、該前ブレーキキャリパ56で前ブレーキディスク55が挟圧されて前輪102の回転が制動される。つまり、前マスターシリンダ25で発生した液圧により前輪102が直接制動される。なお、図中太線で示す導線36A,58Aは、イグニッションスイッチがONの場合を示す。
このように、自動二輪車101のイグニッションスイッチがOFFの場合あるいは自動二輪車101が停止している(又は停止同様)と判断される場合には、バイワイヤ式のブレーキ装置10であっても前マスターシリンダ25で発生した液圧により直接前輪102を制動させることができ、パワーユニット46により液圧を発生させて前輪102を制動する場合と比べて該パワーユニット46の駆動による電力消費を抑えることができる。
次に、図4を参照し、自動二輪車101のイグニッションスイッチがONでかつ自動二輪車101が走行を開始して前車輪速センサ58が検出する速度が所定値以上となった場合には、制御部13からの開弁信号により第一電磁バルブ31が開作動し、該第一電磁バルブ31を介して前マスターシリンダ25とストロークシミュレータ28とが連通する。
この状態でブレーキレバー21が操作され前マスターシリンダ25に液圧が発生すると、この液圧がストロークシミュレータ28に伝わって該ストロークシミュレータ28をストロークさせ、前マスターシリンダ25の作動量に応じた所定の擬似反力を発生させる。ストロークシミュレータ28内の液圧は第二圧カセンサ36で検出され、その圧力信号が導線36Aを介して制御部13に送られる。
そして、第二圧カセンサ36が検出する液圧が所定値以上になると、図5に示すように、制御部から第二電磁バルブ43に閉弁信号が送られると共に、第三電磁バルブ47に開弁信号が送られ、その結果、第二電磁バルブ43が閉じて前マスターシリンダ25と前ディスクブレーキ42との連通が遮断されると共に、第三電磁バルブ47が開いてパワーユニット46と前ディスクブレーキ42とが連通する。
さらに、制御部13内に備えるモータ駆動部(不図示)から電動モータ60に給電がなされ、その結果、電動モータ60が駆動しピストン74が作動して液圧シリンダ67に液圧が発生すると、この液圧が前ディスクブレーキ42の前ブレーキキャリパ56に伝わり、前輪102の回転が制動される。すなわち、前マスターシリンダ25と前ディスクブレーキ42との間に電気的制御を介したバイワイヤ式のブレーキ動作が行われる。このとき、ストロークシミュレータ28は引き続き作動する。
なお、ブレーキレバー21の操作時には、前マスターシリンダ25が発生する液圧すなわち前輪ブレーキ装置11側の第二圧カセンサ36が検出する液圧に基づき、上述した前輪ブレーキ装置11と同様の作用が後輪ブレーキ装置12にも生じ、後ディスクブレーキ84による後輪111の制動が前輪102の制動に連動してなされる。
一方、ブレーキペダル22の操作時には、後マスターシリンダ82が発生する液圧すなわち後輪ブレーキ装置12側の第二圧カセンサ36が検出する液圧に基づき、前ディスクブレーキ42による前輪102の制動が後輪111の制動に連動してなされる。
ここで、図6,7に示すように、自動二輪車101の左右ピボットフレーム108間(車体中央部)には、例えば後輪ブレーキ装置12用のコントロールユニット50R及びパワーユニット46が、互いに左右に並ぶように配置される。なお、図7中符号CSは車体左右中心面を示す。
コントロールユニット50Rの液路切り替え部49Rは、前記各配管27,32,41,44,48が穿設された扁平状の本体53に、各電磁バルブ31,43,47及び圧力センサ35,36,52等を取り付けてなる。液路切り替え部49Rの本体53の一側面には、これに沿うように同じく扁平状をなすコントロールケース54がボルト等の手段により一体的に取り付けられる。コントロールケース54内には、これに沿うように前記制御基板13Rが収容される。
図8を併せて参照し、液路切り替え部49R及びコントロールケース54が一体に結合されることで、扁平な箱体状(略直方体形状)をなすコントロールユニット50Rが構成される。以下、コントロールユニット50Rの箱体形状における最も幅の小さい方向(小幅方向)を厚さ方向Tとする。液路切り替え部49R及びコントロールケース54は、前記厚さ方向Tで互いに重なるように結合される。
液路切り替え部49Rの本体53には、略棒状をなす各電磁バルブ31,43,47及び圧力センサ35,36,52が、コントロールケース54側の面からそれぞれ前記厚さ方向Tに沿うように差し込まれて取り付けられる。このとき、各電磁バルブ31,43,47及び圧力センサ35,36,52は、前記厚さ方向Tに沿う矢視(図7に示す矢視)で互いに重なることなく液路切り替え部49Rの広範囲に渡るように適宜散らばって配置される。各電磁バルブ31,43,47及び圧力センサ35,36,52の一端側はコントロールケース54側に突出し、該一端側がコントロールケース54内の制御基板13Rに電気的に接続される。
コントロールユニット50Rは、左右ピボットフレーム108間において、コントロールケース54側の面を前面、液路切り替え部49R側の面を後面とし、かつ外周の四面を上下及び左右方向に沿わせ、さらにコントロールケース54側の前面がやや上方を仰ぐように側面視でやや傾斜した状態に配置される。以下、上記車載状態での向きを基準にコントロールユニット50Rの説明を行う。
液路切り替え部49Rの上面には、後マスターシリンダ82から延びる入ブレーキホースの先端ジョイント82aを前記厚さ方向Tに直交するボルト63aにより取り付ける入ポート63、及び後ブレーキキャリパ92に向けて延びる出ブレーキホースの基端ジョイント92aを前記厚さ方向Tに直交するボルト64aにより取り付ける出ポート64が、互いに左右に並ぶように設けられる。また、液路切り替え部49Rの右内側には、前記ストロークシミュレータ28がそのストローク方向を上下方向に沿わせるように配設される。なお、各ポート63,64はエア抜きを行うために上方に開口して設けられる。
なお、図中符号54aは前記制御基板13Rに前記前車輪速センサ58及びイグニッションスイッチ等を通信可能に接続するべくコントロールケース54の左側に設けたコネクタを、符号65aはストロークシミュレータ28用に液路切り替え部49Rの上面右側に設けた内圧調整ノズルを、符合65bは各配管内のエア抜き用に液路切り替え部49Rの下面に設けた一対のブリーダをそれぞれ示す。
一方、パワーユニット46は、前記電動モータ60及び液圧シリンダ67を、その回転軸線C1及びストローク軸線C2を互いに平行にして一体的に並設してなる。
パワーユニット46は、左右ピボットフレーム108間において、電動モータ60及び液圧シリンダ67の各軸線C1,C2をその上側がやや後側に位置するように上下方向に対してやや傾斜させた状態に配置される。以下、上記車載状態での向きを基準にパワーユニット46の説明を行う。
図9を併せて参照し、液圧シリンダ67の下端部には、前記ボールネジ機構71及び各ギヤ61,26を収容するギヤケース68が一体的に設けられる。ギヤケース68は液圧シリンダ67の下端部から斜め右前方に延出し、該延出部分の上方には電動モータ60の下端部がボルト等の手段により一体的に取り付けられる。すなわち、電動モータ60は、液圧シリンダ67の斜め右前方に隣接するように配置される。
なお、図中符号67aは液圧シリンダ67と液路切り替え部49Rとの間に渡る連通管(外部配管)95の一端側を接続するべく液圧シリンダ67の側部に凸設された連通ポートを、符合67bは液圧シリンダ67内のエア抜き用に該液圧シリンダ67の上端部に設けられたブリーダをそれぞれ示す。
ここで、図7,8に示すように、コントロールユニット50R及びパワーユニット46は、互いに着脱可能な結合部77,78をそれぞれ有し、該各結合部77,78を介して、コントロールユニット50R及びパワーユニット46が互いに一体化(ユニット化)される。
コントロールユニット50Rの結合部77は、液路切り替え部49Rの右側面(左右内側の面、パワーユニット46側の面)から右方に突設されるもので、前記厚さ方向Tと直交する壁状とされ、例えば液路切り替え部49Rの本体53と一体形成される。
一方、パワーユニット46の結合部78は、液圧シリンダ67の左側面(左右内側の面、コントロールユニット50R側の面)から左方に突設されるもので、前記結合部77に後方から重なる(すなわち前記厚さ方向Tと直交する)壁状とされ、例えば液圧シリンダ67のシリンダ本体73と一体形成される。
結合部78の上下には例えばネジ孔が形成され、該各ネジ孔に結合部77の上下を前記厚さ方向Tに沿って貫通した一対のボルト79を螺着し締め込むことで、各結合部77,78が互いに前後に重なった状態で一体的に結合され、もってコントロールユニット50R及びパワーユニット46が互いに一体的に結合される。このとき、液圧シリンダ67は液路切り替え部49Rの右方に隣接し、前記連通管95の長さの短縮に寄与する。
また、コントロールユニット50R及びパワーユニット46を一体に結合した状態で、電動モータ60及び液圧シリンダ67の各軸線C1,C2は前記厚さ方向Tと略直交し、かつ電動モータ60及び液圧シリンダ67はコントロールユニット50Rにおける前記厚さ方向Tでの幅H内に収まるように配置される(図8参照)。なお、前記「厚さ方向Tと略直交する」とは、電動モータ60及び液圧シリンダ67が前記幅H内に収まる範囲内で90°±αを含む概念である。
またここで、図6〜8に示すように、コントロールユニット50R及びパワーユニット46は、自動二輪車101の車体(車体フレーム105)に対して、中央支持ステー87及び側部支持ステー88を介して取り付けられる。
中央支持ステー87は、車体左右中心面CS近傍において上下に延在する帯状をなし、その下部は前記上下一対のボルト79により例えばコントロールユニット50Rの結合部77の前面に一体的に結合(共締め)され、中央支持ステー87の上端部は前記アッパクロスメンバ119の前面にボルト87aにより一体的に結合される。
一方、側部支持ステー88は左右に延在する帯状をなし、その左右内側の端部が例えばパワーユニット46のギヤケース68の前部右側にボルト89により一体的に結合され、側部支持ステー88の左右外側の端部が右ピボットフレーム108の前面にボルト88aにより一体的に結合される。
これら各支持ステー87,88を介して、コントロールユニット50R及びパワーユニット46が車体フレーム105に支持される。
なお、前述したスイングアーム式リアサスペンション110の構造上、左右ピボットフレーム108間には比較的大型の部品であるコントロールユニット50R及びパワーユニット46をも配置し易く、かつ自動二輪車101のマスの集中も図られる。
前記連通管95は前記ブレーキ配管44の一部を構成するもので、図7,8に示すように、連通間95の液圧シリンダ67側のジョイント95aは、前記連通ポート67aに前記厚さ方向Tに概ね沿うボルト96aにより取り付けられる。
連通管95は、液圧シリンダ67の連通ポート67aから斜め下左方に向けて延び、液路切り替え部49Rの下面高さにおいて斜め後左方に屈曲して、液路切り替え部49Rの下面左側に設けた連通ポート69aに至る。連通管95における液路切り替え部49R側のジョイント95bは、前記連通ポート69aに前記厚さ方向Tと直交するボルト96bにより取り付けられる。
連通管95は、前記厚さ方向Tに沿う前面視(図7に示す矢視)において、コントロールユニット50R及びパワーユニット46を結合する上下一対のボルト79の間を斜めに直線的に横断するように延びる。これにより、各ボルト79の作業性への影響を抑えると共に、連通管95の長さを抑えて液損低減及びユニット全体の小型化を図っている。
また、連通管95は、電動モータ60及び液圧シリンダ67と同様、コントロールユニット50Rにおける前記厚さ方向Tでの幅H内に収まるように配置される(図8参照)。換言すれば、コントロールユニット50R及びパワーユニット46を結合してなる一ユニットは、左右ピボットフレーム108、アッパクロスメンバ119、及びスイングアーム112の前端部で囲まれる横長かつ前後幅を抑えた略直方体状の空間内に概ね収まるように設けられている。
ところで、コントロールユニット50R及びパワーユニット46は、通常は前記各支持ステー87,88の変更程度で他の車両にも搭載可能であるが、車両によってはコントロールユニット50R及びパワーユニット46を前述の如く一ユニット化した際の配置空間を確保できない場合がある。
この場合、例えば前記ボルト79を取り外して各結合部77,78同士を分離させてこれらの間にカラーやブラケット等を介設することで、コントロールユニット50R及びパワーユニット46間の相対位置をずらし、ユニット全体の形状を配置空間に合わせて変更することが可能であり、変則的な配置スペースであってもこれを有効利用してコントロールユニット50R及びパワーユニット46を車載することが可能である。
なお、上記実施例では後輪ブレーキ装置12のコントロールユニット50R及びパワーユニット46を左右ピボットフレーム108間に搭載した例を説明したが、これが前輪ブレーキ装置11のコントロールユニット50F及びパワーユニット46であってもよい。また、各ブレーキ装置11,12が上記実施例と同様の機能を有するコントロールユニット及びパワーユニットを共有する構成とし、これらが左右ピボットフレーム108間に搭載される構成としてもよい。
以上説明したように、上記実施例における車両用ブレーキ装置10は、運転者の操作により液圧を発生する後マスターシリンダ82と、液圧の供給により後輪111の回転を制動する後ブレーキキャリパ92と、前記後マスターシリンダ82の作動により別途液圧を発生するパワーユニット46と、前記後マスターシリンダ82、パワーユニット46及び後ブレーキキャリパ92の間の液圧経路を切り替えるコントロールユニット50Rとを備えるものであって、前記パワーユニット46及びコントロールユニット50Rは、互いに着脱可能な結合部77,78をそれぞれ有し、該各結合部77,78を介して、前記パワーユニット46及びコントロールユニット50Rが互いに一体化されるものである。
この構成によれば、パワーユニット46及びコントロールユニット50Rを前記結合部77,78を介して互いに一体化することで、これらのユニット化による小型化を図ると共に、車体に対する着脱を容易にできる。
また、パワーユニット46及びコントロールユニット50Rが互いに着脱可能な結合部77,78をそれぞれ有し、該各結合部77,78を介してパワーユニット46及びコントロールユニット50Rが互いに一体化されることで、各結合部77,78を直接結合したり中間部材を介在させる等により、パワーユニット46及びコントロールユニット50Rの一ユニットとしての形状変更が可能となり、レイアウト自由度を向上させて複数車種間での共用化を容易にできる。
また、上記ブレーキ装置10においては、前記パワーユニット46は、回転軸60aを有する電動モータ60と、該電動モータ60の回転力によりピストン74をストロークさせて液圧を発生させる液圧シリンダ67とを有してなり、前記電動モータ60の軸方向は、扁平な箱体状をなす前記コントロールユニット50Rの厚さ方向Tと直交するように配置されることで、パワーユニット46における電動モータ60の長手方向である軸方向とコントロールユニット50Rの厚さ方向Tとが直交するように配置されることとなり、パワーユニット46及びコントロールユニット50Rからなるユニットの嵩の増加を抑えてこれらをよりコンパクトに配置できる。
さらに、上記ブレーキ装置10は、前記液圧シリンダ67のストローク軸線C2及び電動モータ60の回転軸線C1が互いに平行に配置され、前記液圧シリンダ67及び電動モータ60が前記コントロールユニット50Rの厚さ方向Tの幅H内に配置されることで、パワーユニット46における所定の長さを要する液圧シリンダ67及び電動モータ60が、コントロールユニット50Rの厚さ方向Tの幅H内に配置されることとなり、パワーユニット46及びコントロールユニット50Rからなるユニットの嵩の増加を抑えてこれらをよりコンパクトに配置できる。
さらにまた、上記ブレーキ装置10においては、前記コントロールユニット50Rは、液圧経路を切り替える棒状の複数の電磁バルブ31,43,47を有し、該各電磁バルブ31,43,47は、扁平な箱体状をなす前記コントロールユニット50Rの厚さ方向Tに沿うように配置されることで、複数の電磁バルブ31,43,47の配置自由度を高めてコントロールユニット50Rの小型化を図ることができる。
また、上記ブレーキ装置10においては、前記パワーユニット46及びコントロールユニット50Rの各連通ポート67a,69aに接続されてこれらの間を液圧伝達可能に連通する連通管95を備え、該連通管95が扁平な箱体状をなす前記コントロールユニット50Rの厚さ方向Tの幅H内に配置されることで、連通管95の延長や短縮によりパワーユニット46及びコントロールユニット50Rからなるユニットの形状変更を容易にできる。また、前記連通管95がコントロールユニット50Rの厚さ方向Tの幅H内に配置されることで、パワーユニット46及びコントロールユニット50Rからなるユニットの嵩の増加を抑えてこれらをよりコンパクトに配置できる。
しかも、上記ブレーキ装置10は、前記パワーユニット46及びコントロールユニット50Rは、前記各結合部77,78において中央支持ステー87に一体的に取り付けられることで、各結合部77,78において中央支持ステー87を共に結合する(共締めする)ことが可能となり、パワーユニット46及びコントロールユニット50Rの車体への取り付け構造を簡素化できる。
そして、上記実施例における自動二輪車101は、ヘッドパイプ106から後方に延びる左右一対のメインフレーム107と、該左右メインフレーム107の後端部に連なる左右一対のピボットフレーム108とを備える車体フレーム105を構成すると共に、運転者の操作により液圧を発生する後マスターシリンダ82と、液圧の供給により後輪111の回転を制動する後ブレーキキャリパ92と、前記後マスターシリンダ82の作動により別途液圧を発生するパワーユニット46と、前記後マスターシリンダ82、パワーユニット46及び後ブレーキキャリパ92の間の液圧経路を切り替えるコントロールユニット50Rとを備えるブレーキ装置10を構成するものであって、前記パワーユニット46及びコントロールユニット50Rは、互いに着脱可能な結合部77,78をそれぞれ有し、該各結合部77,78を介して、前記パワーユニット46及びコントロールユニット50Rが互いに一体化され、かつ該パワーユニット46及びコントロールユニット50Rが、前記左右ピボットフレーム108の間に左右に並んで配置されるものである。
この構成によれば、パワーユニット46及びコントロールユニット50Rを前記結合部77,78を介して互いに一体化することで、これらのユニット化による小型化を図ると共に、車体に対する着脱を容易にできる。
また、パワーユニット46及びコントロールユニット50Rが互いに着脱可能な結合部77,78をそれぞれ有し、該各結合部77,78を介してパワーユニット46及びコントロールユニット50Rが互いに一体化されることで、各結合部77,78を直接結合したり中間部材を介在させる等により、パワーユニット46及びコントロールユニット50Rの一ユニットとしての形状変更が可能となり、レイアウト自由度を向上させて複数車種間での共用化を容易にできる。
さらに、パワーユニット46及びコントロールユニット50Rが車体フレーム105の左右ピボットフレーム108間に左右に並んで配置されることで、パワーユニット46及びコントロールユニット50Rを目立たなくすると共にマスの集中を図ることができる。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば各結合部77,78の形状、数量及び配置等、さらにはコントロールユニット50R,50R及びパワーユニット46を車体に支持する部材の形状、数量及び配置等は様々である。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、三輪又は四輪の鞍乗り型車両にも適用できることはもちろん、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
この発明の実施例における自動二輪車の左側面図である。 上記自動二輪車のブレーキ装置の構成図である。 上記ブレーキ装置の第一作用説明図である。 上記ブレーキ装置の第二作用説明図である。 上記ブレーキ装置の第三作用説明図である。 上記ブレーキ装置のコントロールユニット及びパワーユニットの車載状態を示す左側面図である。 図6のA矢視図である。 図7のB矢視図である。 上記パワーユニットの軸線に沿う断面図である。
符号の説明
10 ブレーキ装置(車両用ブレーキ装置)
25,82 前後マスターシリンダ(ブレーキ操作手段)
31,43,47 電磁バルブ(切り替え弁)
46 パワーユニット(液圧発生手段)
50F,50R コントロールユニット(液路切り替え手段)
T 厚さ方向
H 幅
56,92 前後ブレーキキャリパ(車輪制動手段)
60 電動モータ(モータ)
C1 回転軸線
60a 回転軸
67 液圧シリンダ
C2 ストローク軸線
74 ピストン
67a,69a 連通ポート(接続口)
77,78 結合部
87 中央支持ステー(車体取り付け部材)
95 連通管(液圧管)
101 自動二輪車(鞍乗り型車両)
102,111 前後輪(車輪)
105 車体フレーム(車体)
106 ヘッドパイプ
107 メインフレーム
108 ピボットフレーム


Claims (7)

  1. 運転者の操作により液圧を発生するブレーキ操作手段と、液圧の供給により車輪の回転を制動する車輪制動手段と、前記ブレーキ操作手段の作動により別途液圧を発生する液圧発生手段と、前記ブレーキ操作手段、液圧発生手段及び車輪制動手段の間の液圧経路を切り替える液路切り替え手段とを備えた車両用ブレーキ装置において、
    前記液圧発生手段及び液路切り替え手段は、互いに着脱可能な結合部をそれぞれ有し、該各結合部を介して、前記液圧発生手段及び液路切り替え手段が互いに一体化されることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 前記液圧発生手段は、回転軸を有するモータと、該モータの回転力によりピストンをストロークさせて液圧を発生させる液圧シリンダとを有してなり、前記モータの軸方向は、扁平な箱体状をなす前記液路切り替え手段の厚さ方向と直交するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
  3. 前記液圧シリンダのストローク軸線及びモータの回転軸線が互いに平行に配置され、前記液圧シリンダ及びモータが前記液路切り替え手段の厚さ方向の幅内に配置されることを特徴とする請求項2に記載の車両用ブレーキ装置。
  4. 前記液路切り替え手段は、液圧経路を切り替える棒状の複数の切り替え弁を有し、該各切り替え弁は、扁平な箱体状をなす前記液路切り替え手段の厚さ方向に沿うように配置されることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の車両用ブレーキ装置。
  5. 前記液圧発生手段及び液路切り替え手段の各接続口に接続されてこれらの間を液圧伝達可能に連通する液圧管を備え、該液圧管が扁平な箱体状をなす前記液路切り替え手段の厚さ方向の幅内に配置されることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の車両用ブレーキ装置。
  6. 前記液圧発生手段及び液路切り替え手段は、前記各結合部において車体取り付け部材に一体的に取り付けられることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の車両用ブレーキ装置。
  7. ヘッドパイプから後方に延びる左右一対のメインフレームと、該左右メインフレームの後端部に連なる左右一対のピボットフレームとを備える車体を構成すると共に、
    運転者の操作により液圧を発生するブレーキ操作手段と、液圧の供給により車輪の回転を制動する車輪制動手段と、前記ブレーキ操作手段の作動により別途液圧を発生する液圧発生手段と、前記ブレーキ操作手段、液圧発生手段及び車輪制動手段の間の液圧経路を切り替える液路切り替え手段とを備えるブレーキ装置を構成する鞍乗り型車両において、
    前記液圧発生手段及び液路切り替え手段は、互いに着脱可能な結合部をそれぞれ有し、該各結合部を介して、前記液圧発生手段及び液路切り替え手段が互いに一体化され、かつ該液圧発生手段及び液路切り替え手段が、前記左右ピボットフレームの間に左右に並んで配置されることを特徴とする鞍乗り型車両。

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