JP2009132007A - 液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液滴吐出ヘッドのノズル面を払拭するワイピング部材に付着した高粘度液体等の汚染物質を安定して除去できる液滴吐出装置の提供を課題とする。
【解決手段】液滴を吐出するノズルを有する液滴吐出ヘッド20と、液滴吐出ヘッド20のノズル面21を払拭して清掃するワイピング部材46と、ワイピング部材46の払拭面46Aに付着した汚染物質Gを除去するクリーニング部材52と、を備えた液滴吐出装置10において、クリーニング部材52に、駆動手段58によって回転駆動される回転軸54と、回転軸54の回転によってワイピング部材46の払拭面46Aに摺接し、払拭面46Aに付着している汚染物質Gを除去する少なくとも1枚の羽根部材56と、を備える。
【選択図】図4
【解決手段】液滴を吐出するノズルを有する液滴吐出ヘッド20と、液滴吐出ヘッド20のノズル面21を払拭して清掃するワイピング部材46と、ワイピング部材46の払拭面46Aに付着した汚染物質Gを除去するクリーニング部材52と、を備えた液滴吐出装置10において、クリーニング部材52に、駆動手段58によって回転駆動される回転軸54と、回転軸54の回転によってワイピング部材46の払拭面46Aに摺接し、払拭面46Aに付着している汚染物質Gを除去する少なくとも1枚の羽根部材56と、を備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、液滴を吐出するノズルを有する液滴吐出ヘッドと、液滴吐出ヘッドのノズル面を払拭して清掃するワイピング部材と、ワイピング部材の払拭面に付着した汚染物質を除去するクリーニング部材とを備えた液滴吐出装置に関する。
インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)のノズルからインク滴を吐出して記録用紙(記録媒体)に画像を記録するインクジェット記録装置(液滴吐出装置)は、従来から知られている。このようなインクジェット記録装置には、インクジェット記録ヘッドのノズルからのインク吐出状態を良好に保つために、ノズル面に付着した残留(増粘)インクや異物(紙粉)等を除去するゴム板状のワイパーブレードが備えられることがある。
そして、そのワイパーブレードのワイピング性能を安定した状態に保つために、ワイパーブレードに付着した増粘インクや異物等の汚染物質を除去するブレードクリーナーが備えられることがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。ブレードクリーナーとしては、非ワイピング動作時に、ワイパーブレードに付着した汚染物質を掻き取ったり、ワイパーブレードに接触させて、それに付着している汚染物質を吸収・除去したりするのが一般的である。
しかしながら、近年では、更なる高画質化を目的として、より高粘度のインクを用いることが多く、このような方法では、高粘度の残留インクを払拭しきれない問題があった。すなわち、このような高粘度インクを用いた場合には、ノズル面をワイピング(払拭)したワイパーブレードに、その高粘度インクが固化してこびり付くため、従来の方法では除去し難くなることが多くなっていた。汚染物質を除去しきれなかったワイパーブレードでノズル面のクリーニングを実行すると、ノズル面に悪影響を及ぼし、画質劣化等の問題が生じる。
特許第3603305号公報
特許第3170296号公報
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、液滴吐出ヘッドのノズル面を払拭するワイピング部材に付着した高粘度液体等の汚染物質を安定して除去できる液滴吐出装置を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の液滴吐出装置は、液滴を吐出するノズルを有する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を払拭して清掃するワイピング部材と、前記ワイピング部材の払拭面に付着した汚染物質を除去するクリーニング部材と、を備え、前記クリーニング部材が、駆動手段によって回転駆動される回転軸と、前記回転軸の回転によって前記ワイピング部材の払拭面に摺接し、該払拭面に付着している汚染物質を除去する少なくとも1枚の羽根部材と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、ワイピング部材の払拭面に付着している汚染物質を、その払拭面に回転移動しながら摺接する少なくとも1枚の羽根部材で除去するので、その汚染物質が高粘度液体等であっても安定して除去することができる。
また、請求項2に記載の液滴吐出装置は、請求項1に記載の液滴吐出装置において、汚染物質を除去した前記羽根部材が前記回転軸の回転によって摺接する吸収体を有し、該吸収体で前記羽根部材に付着した汚染物質を吸収して取り除くことを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、ワイピング部材の払拭面から除去した汚染物質が、再びワイピング部材へ付着するような不具合の発生を防止することができる。
また、請求項3に記載の液滴吐出装置は、請求項2に記載の液滴吐出装置において、前記吸収体には、前記羽根部材から汚染物質が取り除かれやすいようにする溶解液が含浸されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、羽根部材を吸収体に摺接させることにより、その羽根部材から汚染物質を速やかに取り除くことができる。
また、請求項4に記載の液滴吐出装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の液滴吐出装置において、前記クリーニング部材と前記ワイピング部材が、前記回転軸と前記払拭面とが平行状態を維持したまま相対的に移動可能に構成されていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、ワイピング部材の払拭面に付着している高粘度液体等の汚染物質を良好に除去することができる。
また、請求項5に記載の液滴吐出装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の液滴吐出装置において、前記クリーニング部材と前記ワイピング部材が、前記羽根部材が前記払拭面側からその裏面側まで相対的に移動可能に構成されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、ワイピング部材の払拭面又はその裏面を羽根部材によって叩くことができる。したがって、ワイピング部材の払拭面に固化してこびり付いている高粘度液体等の汚染物質を良好に除去することができる。
また、請求項6に記載の液滴吐出装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の液滴吐出装置おいて、前記回転軸の回転速度が変更可能に構成されていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、ワイピング部材の払拭面に付着している高粘度液体等の汚染物質を良好に除去することができるとともに、ワイピング部材の寿命(交換するまでの期間)を長くすることができる。
以上のように、本発明によれば、液滴吐出ヘッドのノズル面を払拭するワイピング部材に付着した高粘度液体等の汚染物質を安定して除去できる液滴吐出装置を提供することができる。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。図1、図2では、本発明に係る液滴吐出装置の一例としてのインクジェット記録装置10の概略構成が示されている。したがって、以下において、液滴吐出ヘッドをインクジェット記録ヘッド20とし、液滴吐出ヘッドによって画像が記録される記録媒体を記録用紙Pとして説明をする。
図1、図2で示すように、インクジェット記録装置10は、記録用紙Pが収容される給紙トレイ12と、この給紙トレイ12から供給された記録用紙Pに画像を記録する画像記録部14と、画像記録部14へ記録用紙Pを搬送する搬送手段16と、画像記録部14によって画像が記録された記録用紙Pを収容する排紙トレイ18と、を有している。
画像記録部14は、インクジェット記録ヘッド20を有しており、このインクジェット記録ヘッド20は、複数のノズルが形成されたノズル面21(図3参照)を有している。このノズル面21は、インクジェット記録装置10での画像記録が想定される記録用紙Pの最大幅と同程度か、又はそれ以上の記録可能領域を有している。つまり、このインクジェット記録ヘッド20は、シングルパス印字が可能な所謂Full Width Array(FWA)となっている。
また、インクジェット記録ヘッド20は、記録用紙Pの搬送方向に対して、その上流側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に並設されており、サーマル方式や圧電方式等の公知の手段によって、インク滴が吐出されるように構成されている。なお、そのインクとしては、水性インク、油性インク、溶剤系インク等、各種インクが使用可能であり、インクジェット記録装置10には、各インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kにインクを供給するインクタンク22Y、22M、22C、22Kが配設されている。
更に、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kには、回復装置としてのメンテナンスユニット40Y、40M、40C、40Kがそれぞれ備えられている。このメンテナンスユニット40Y〜40Kは、イエロー(Y)とマゼンタ(M)、シアン(C)とブラック(K)の2組に分かれて、それぞれ印刷時における待機位置(図1参照)と、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kをメンテナンスする実行位置(図2参照)とにラック・ピニオン等の移動機構により移動可能に構成されている。
各メンテナンスユニット40Y〜40Kは、キャップ42やワイパーユニット44(図3参照)等を有しており、各インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kをメンテナンスする際には、各インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kが所定高さ上昇したり、記録用紙Pの搬送方向と直交する幅方向へ移動することにより、各ノズル面21Y〜21Kに対して、メンテナンスユニット40Y〜40Kがそれぞれ対向配置できるようになっている。なお、メンテナンスユニット40については後で詳述する。
一方、給紙トレイ12中の記録用紙Pは、ピックアップローラー24によって1枚ずつ取り出され、搬送ローラー対25によって画像記録部14へ送られる構成になっている。搬送手段16は、記録用紙Pの印刷面をインクジェット記録ヘッド20に対面させるための搬送ベルト30を有しており、この搬送ベルト30は、用紙搬送方向下流側に配置された駆動ローラー26と、用紙搬送方向上流側に配置された従動ローラー28とに張架されて、図示の矢印A方向(反時計方向)に循環駆動(回転)するように構成されている。
また、従動ローラー28の上部には、搬送ベルト30の表面側から、その搬送ベルト30に従動する帯電ローラー32が配設されている。この帯電ローラー32によって搬送ベルト30が帯電される(電荷が与えられる)ことにより、記録用紙Pが搬送ベルト30に静電吸着されて搬送される構成である。なお、搬送ベルト30は、記録用紙Pを静電吸着して保持する構成に限定されるものではなく、記録用紙Pとの摩擦により、或いは記録用紙Pを吸引や粘着などの非静電的手段によって保持する構成にしてもよい。
また、搬送ベルト30の下方には、反転部34が設けられており、両面印刷するときには、複数の搬送ローラー対36により、記録用紙Pが搬送されて、再度インクジェット記録ヘッド20へ供給されるようになっている。そして、排紙トレイ18への搬送路の適宜位置にも、複数の搬送ローラー対38が配設されている。
なお、図示しないが、このインクジェット記録装置10には、画像信号に応じてインク滴の吐出タイミングと使用するノズルを決定し、そのノズルに駆動信号を印加するインクジェット記録ヘッド20の制御手段と、インクジェット記録装置10全体の動作を制御するシステム制御手段が備えられている。
<第1実施例>
以上のような構成のインクジェット記録装置10において、次にメンテナンスユニット40を構成するワイパーユニット44及びクリーニングユニット50について説明する。まず、第1実施例について説明する。図3はメンテナンスユニット40とインクジェット記録ヘッド20を示した概略図である。上記したように、メンテナンスユニット40は、各色のインクジェット記録ヘッド20に対応して複数個(図示のものは4個)配設されている。つまり、ワイパーユニット44及びクリーニングユニット50は、各色のインクジェット記録ヘッド20毎に個別に配設されている。
以上のような構成のインクジェット記録装置10において、次にメンテナンスユニット40を構成するワイパーユニット44及びクリーニングユニット50について説明する。まず、第1実施例について説明する。図3はメンテナンスユニット40とインクジェット記録ヘッド20を示した概略図である。上記したように、メンテナンスユニット40は、各色のインクジェット記録ヘッド20に対応して複数個(図示のものは4個)配設されている。つまり、ワイパーユニット44及びクリーニングユニット50は、各色のインクジェット記録ヘッド20毎に個別に配設されている。
ワイパーユニット44は、ワイピング部材としてのワイパーブレード46を有しており、ワイパーブレード46は、ゴム等の板状弾性体で構成されている。また、ワイパーブレード46の基部は、保持部材としてのホルダー48に保持されており、ワイパーブレード46の先端部は、側面視でインクジェット記録ヘッド20のノズル面21に対して、所定長さLオーバーラップするように構成されている(図3(A)参照)。
したがって、ワイピング動作する際には、インクジェット記録ヘッド20が、記録用紙Pの搬送方向と直交する幅方向(図示の矢印B方向)に移動することによって、ワイパーブレード46が、インクジェット記録ヘッド20のノズル面21に所定の圧力(ノズル面21の撥水処理膜にダメージを与えない程度の圧力)で摺接可能となる構成であり、これによって、ノズル面21を良好にワイピング(払拭)できるようになっている(図3(B)、図3(C)参照)。
また、図4で示すように、ワイパーブレード46は、インクジェット記録ヘッド20のノズル面21をワイピングするときには、先端部を上方に向けた状態でホルダー48に固定されるが、ワイパーブレード46(主にノズル面21に摺接した払拭面46A)をクリーニングするときには、その固定が解除され、下方向(ブレードクリーナー位置)へ180度回動し、先端部が下方に向いた状態でホルダー48に固定される。
ワイパーユニット44の下方には、ワイパーブレード46の主に払拭面46Aに付着した増粘インク(固化した高粘度インク)や異物(紙粉)等の汚染物質Gを除去して、そのワイパーブレード46(払拭面46A)をクリーニングするクリーニングユニット50が設けられている。
クリーニングユニット50は、クリーニング部材52と吸収体60とを備えている。クリーニング部材52は、モーター等の駆動手段58によって、例えば図4で示す矢印C方向へ回転駆動される回転軸54と、回転軸54の回転によってワイパーブレード46の少なくとも払拭面46Aに摺接し、その払拭面46Aに付着している汚染物質Gを除去する少なくとも1枚(図示のものは8枚)の樹脂製のスクレーパー(羽根部材)56と、で構成されている。
吸収体60は、汚染物質Gを除去するスクレーパー56が回転軸54の回転によって移動した際、常にその一部(少なくとも汚染物質Gが付着している先端部)が摺接可能な位置に配設されており、スクレーパー56の先端部に付着した汚染物質Gを吸収して取り除くことができるような発泡ポリウレタン等で構成されている。なお、この吸収体60には、スクレーパー56から汚染物質Gが取り除かれやすいようにするために(スクレーパー56から吸収体60へ汚染物質Gがスムーズに移行するように)、溶解液を含浸させておくことが望ましい。
また、ワイパーブレード46に対するスクレーパー56の位置は、図5で示すように、正面視で回転軸54の中心とワイパーブレード46の先端とを結ぶ仮想直線T1と、ワイパーブレード46の払拭面46A又はその裏面46Bとでなす角度θが90度以下となる位置とされている。これにより、スクレーパー56が払拭面46Aの先端部側(ノズル面21に接触させる側)に確実に摺接可能となる構成である。
すなわち、例えば図6(A)で示すように、角度θが90度よりも大きくなる位置関係にすると、先行のスクレーパー56Aでワイパーブレード46の払拭面46Aの先端部をクリーニングする前に、後続のスクレーパー56Bでワイパーブレード46の払拭面46Aを、スクレーパー56から離隔する方向へ押圧してしまうので、ワイパーブレード46は大きく撓み、ワイパーブレード46の払拭面46Aの先端部をスクレーパー56でクリーニングすることができない(所望とするクリーニング効果が得られない)。したがって、図5で示すような位置関係にしている。
但し、これはスクレーパー56の枚数が、例えば8枚の場合(スクレーパー56同士の間隔が小さい場合)であり、例えば図6(B)で示すように、スクレーパー56が2枚の場合(スクレーパー56同士の間隔が大きい場合)には、角度θが90度より大きくても、ワイパーブレード46の払拭面46Aの先端部にスクレーパー56を摺接させることができ、その先端部をクリーニングすることができる。
何れにしても、ワイパーブレード46の払拭面46Aの先端部におけるクリーニング性能の観点から言えば、ワイパーブレード46(払拭面46Aの先端部)とクリーニング部材52(スクレーパー56)との最も好ましい位置関係は、角度θが90度となる位置関係である。つまり、この位置関係(θ=90°)のときに、ワイパーブレード46に対するスクレーパー56の掻き取り(拭き取り)効率が最良となる。
以上のような構成のインクジェット記録装置10において、次にその作用について説明する。まず、ピックアップローラー24及び搬送ローラー対25により、記録用紙Pを搬送ベルト30上に供給する。搬送ベルト30上に供給され、その搬送ベルト30に吸着保持された記録用紙Pは、インクジェット記録ヘッド20の記録位置へ供給され、その印刷面に画像が記録される。そして、その画像記録終了後、記録用紙Pは搬送ベルト30から剥離され、搬送ローラー対38によって排紙トレイ18へ搬送される。
ここで、インクジェット記録ヘッド20をメンテナンスする際には、まず、そのインクジェット記録ヘッド20を所定高さ上昇させる。すると、メンテナンスユニット40が搬送ベルト30とインクジェット記録ヘッド20との間に配置される(図2参照)。その後、インクジェット記録ヘッド20をキャッピング位置まで下降させ、各キャップ42を各インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kのノズル面21に被せて、所定のメンテナンス動作を行う。
この所定のメンテナンス動作終了後、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kのノズル面21をワイパーユニット44のワイパーブレード46によりワイピング(払拭)して清掃する。そのワイピング動作を、図3を基に説明する。まず、インクジェット記録ヘッド20を所定高さ上昇させて、キャップ42から離脱させる。そして、記録用紙Pの搬送方向と直交する幅方向へ移動させる。
その後、インクジェット記録ヘッド20を所定高さ下降させ、次いで、キャップ42の上方へ配置させるように、上記とは逆方向(矢印B方向)へ移動させる(図3(A)参照)。すると、キャップ42の上記幅方向における側方には、ワイパーブレード46がホルダー48に保持(固定)されて、その先端部をノズル面21に対して、所定長さLオーバーラップさせているので、インクジェット記録ヘッド20の矢印B方向への移動により、そのノズル面21が、ワイパーブレード46の先端部を含む払拭面46Aによってワイピングされる(図3(B)、図3(C)参照)。
こうして、インクジェット記録ヘッド20のノズル面21がワイパーブレード46によってワイピングされたら、図4(A)で示すように、そのワイパーブレード46は、ホルダー48に保持されたまま、その固定が解除され、180度下方向へ回動する。すると、クリーニングユニット50のクリーニング部材52がワイパーブレード46の払拭面46Aに対向し、そのクリーニング部材52のスクレーパー56により、その払拭面46Aがクリーニングされる。
すなわち、図3で示す駆動手段58により回転軸54が回転することにより、図4(B)で示すように、複数枚(例えば8枚)のスクレーパー56が、順次ワイパーブレード46の基部側から先端部側へ向かって(矢印C方向に)回転移動し、その払拭面46A(先端部を含む)に対して繰り返し摺接する。これにより、図4(C)で示すように、ワイパーブレード46の払拭面46Aに付着している汚染物質Gが、そのスクレーパー56によって掻き取られて除去される。
スクレーパー56によってワイパーブレード46の払拭面46Aから除去され、そのスクレーパー56に付着した汚染物質Gは、図4(D)で示すように、スクレーパー56が順次回転移動して吸収体60に摺接することにより、その吸収体60に吸収されて取り除かれる。吸収体60には、汚染物質Gを溶解する溶解液が含浸されているので、スクレーパー56に付着した汚染物質Gは、速やかに吸収体60によって吸収・除去される。したがって、ワイパーブレード46の払拭面46Aから除去された汚染物質Gが、再びワイパーブレード46へ付着するような不具合も発生しない。
こうして、クリーニング部材52により払拭面46Aがクリーニングされたワイパーブレード46は、上方向(上記とは逆方向)に180度回動して再度固定され、図3及び図4(A)で示す状態に戻る。つまり、このワイパーブレード46は、再度ノズル面21に対するワイピングが実行可能な状態となる。そして、このとき、ワイパーブレード46には、汚染物質Gが一切残留していないので、ワイパーブレード46が、ノズル面21を再度ワイピングしても、画質劣化を生じさせるような悪影響を及ぼすおそれはない。
一方、インクジェット記録ヘッド20は、キャッピング位置の前段階である、キャップ42とは当接しないキャッピング待機位置へと更に下降移動し、予備吐出をキャップ42内へ実施する。そして、このインクジェット記録装置10は、印字命令があれば、印字を実行し、印字命令が無ければ、キャッピング動作を行い、インクジェット記録ヘッド20をキャッピングした状態で終了する。
<第2実施例>
次に、ワイパーユニット44及びクリーニングユニット50の第2実施例について説明する。なお、上記第1実施例と同等の内容(作用を含む)については、適宜その説明を省略する。この第2実施例では、図7で示すように、クリーニング部材52でワイパーブレード46をクリーニングする際、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)は固定とし、ワイパーブレード46(ワイパーユニット44)は、ラック・ピニオン等の昇降機構により、回転軸54と払拭面46Aとが平行状態を維持したまま昇降移動(上下動)するように構成している。
次に、ワイパーユニット44及びクリーニングユニット50の第2実施例について説明する。なお、上記第1実施例と同等の内容(作用を含む)については、適宜その説明を省略する。この第2実施例では、図7で示すように、クリーニング部材52でワイパーブレード46をクリーニングする際、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)は固定とし、ワイパーブレード46(ワイパーユニット44)は、ラック・ピニオン等の昇降機構により、回転軸54と払拭面46Aとが平行状態を維持したまま昇降移動(上下動)するように構成している。
このような構成にすれば、ワイパーブレード46の払拭面46Aに対するスクレーパー56の掻き取り面積を広範囲とすることができ、払拭面46A全体に対して均一なクリーニングが可能となる。なお、このときのスクレーパー56の回転方向は、上記第1実施例と同様に、ワイパーブレード46の基部から先端部へ向かう方向(矢印C方向)である。また、クリーニング部材52に対するワイパーブレード46の上昇範囲は、図7(C)で示すように、ワイパーブレード46の先端部がスクレーパー56から離脱しない(少なくとも接触状態を維持する)範囲である。
また、ワイパーブレード46は固定とし、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)が、ラック・ピニオン等の昇降機構により、回転軸54と払拭面46Aとが平行状態を維持したまま昇降移動(上下動)するように構成してもよく、更には、ワイパーブレード46(ワイパーユニット44)及びクリーニング部材52(クリーニングユニット50)が、ラック・ピニオン等の昇降機構により、それぞれ上下逆方向に共に回転軸54と払拭面46Aとが平行状態を維持したまま移動するように構成してもよい。何れにしても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
<第3実施例>
次に、ワイパーユニット44及びクリーニングユニット50の第3実施例について説明する。なお、上記第1実施例と同等の内容(作用を含む)については、適宜その説明を省略する。この第3実施例は、上記第2実施例において、スクレーパー56の回転方向を、ワイパーブレード46やクリーニング部材52の昇降移動方向に応じて変化させる構成にしている。
次に、ワイパーユニット44及びクリーニングユニット50の第3実施例について説明する。なお、上記第1実施例と同等の内容(作用を含む)については、適宜その説明を省略する。この第3実施例は、上記第2実施例において、スクレーパー56の回転方向を、ワイパーブレード46やクリーニング部材52の昇降移動方向に応じて変化させる構成にしている。
すなわち、図8で示すように、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)は固定とし、ワイパーブレード46(ワイパーユニット44)が、ラック・ピニオン等の昇降機構により、回転軸54と払拭面46Aとが平行状態を維持したまま下降した場合には、スクレーパー56の回転方向を、ワイパーブレード46の先端部から基部へ向かう方向(矢印D方向)とし、ワイパーブレード46(ワイパーユニット44)が、ラック・ピニオン等の昇降機構により、回転軸54と払拭面46Aとが平行状態を維持したまま上昇した場合には、スクレーパー56の回転方向を、ワイパーブレード46の基部から先端部へ向かう方向(矢印C方向)としている。
このように、ワイパーブレード46の払拭面46Aに摺接させるときのスクレーパー56の回転方向を、ワイパーブレード46の移動方向とは逆方向にすると、即ちクリーニング部材52とワイパーブレード46の相対移動時に生じるスクレーパー56の従属回転方向とは逆方向に、スクレーパー56を回転駆動させるようにすると、ワイパーブレード46に対するスクレーパー56の掻き取り性能をより一層向上させることができる(より効果的にクリーニングすることができる)。
なお、図8ではクリーニング部材52(クリーニングユニット50)を固定とし、ワイパーブレード46(ワイパーユニット44)を昇降移動(上下動)させたが、図9で示すように、ワイパーブレード46(ワイパーユニット44)は固定とし、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)が、ラック・ピニオン等の昇降機構により、回転軸54と払拭面46Aとが平行状態を維持したまま昇降移動(上下動)するように構成しても同様である。
すなわち、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)を上昇させるときには、ワイパーブレード46の基部から先端部へ向かう方向(矢印C方向)にスクレーパー56を回転させ、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)を下降させるときには、ワイパーブレード46の先端部から基部へ向かう方向(矢印D方向)にスクレーパー56を回転させるようにする。
これによれば、上記と同様に、クリーニング部材52とワイパーブレード46の相対移動時に生じるスクレーパー56の従属回転方向とは逆方向に、スクレーパー56を回転駆動させることになるため、ワイパーブレード46に対するスクレーパー56の掻き取り性能をより一層向上させることができる(より効果的にクリーニングすることができる)。
なお、ワイパーブレード46(ワイパーユニット44)とクリーニング部材52(クリーニングユニット50)を共に相対的に逆方向になるように、ラック・ピニオン等の昇降機構により昇降移動(上下動)させても、同様の効果が得られることは言うまでもない。また、クリーニング部材52とワイパーブレード46との相対的な移動範囲は、上記第2実施例と同様に、ワイパーブレード46の先端部がスクレーパー56から離脱しない(少なくとも接触状態を維持する)範囲である。
<第4実施例>
次に、ワイパーユニット44及びクリーニングユニット50の第4実施例について説明する。なお、上記第1実施例と同等の内容(作用を含む)については、適宜その説明を省略する。この第4実施例では、図10で示すように、ワイパーブレード46を180度下方向へ回動させずに、上方に向かって立設したままホルダー48(ワイパーユニット44)を下降させ、その後、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)を、記録用紙Pの搬送方向と直交する幅方向へ、図示しないアクチュエーターによって移動させて、スクレーパー56をワイパーブレード46に接触させる構成にしている。
次に、ワイパーユニット44及びクリーニングユニット50の第4実施例について説明する。なお、上記第1実施例と同等の内容(作用を含む)については、適宜その説明を省略する。この第4実施例では、図10で示すように、ワイパーブレード46を180度下方向へ回動させずに、上方に向かって立設したままホルダー48(ワイパーユニット44)を下降させ、その後、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)を、記録用紙Pの搬送方向と直交する幅方向へ、図示しないアクチュエーターによって移動させて、スクレーパー56をワイパーブレード46に接触させる構成にしている。
このような構成にしても、上記と同様にワイパーブレード46の払拭面46Aを良好にクリーニングすることができる。なお、ワイパーブレード46が昇降移動可能に構成されることから、上記第2実施例と同様に、ワイパーブレード46を昇降移動させながら、スクレーパー56で汚染物質Gを掻き取る構成にしてもよい。このときのスクレーパー56の回転方向は、ワイパーブレード46の基部から先端部へ向かう方向(矢印C方向)である。
また、上記第3実施例と同様に、ワイパーブレード46の昇降移動方向によって、スクレーパー56の回転方向を変化させるように構成してもよい。すなわち、図11(A)で示すように、ワイパーブレード46を上昇させるときには、ワイパーブレード46の先端部から基部へ向かう方向(矢印D方向)にスクレーパー56を回転させ、図11(B)で示すように、ワイパーブレード46を下降させるときには、ワイパーブレード46の基部から先端部へ向かう方向(矢印C方向)にスクレーパー56を回転させる。
何れにしても、クリーニング部材52に対するワイパーブレード46の下降範囲は、図11(C)で示すように、ワイパーブレード46の先端部がスクレーパー56から離脱しない(少なくとも接触状態を維持する)範囲である。また、上記第3実施例と同様に、ワイパーブレード46(ワイパーユニット44)を固定とし、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)を昇降移動させたり、ワイパーブレード46(ワイパーユニット44)とクリーニング部材52(クリーニングユニット50)を共に相対的に逆方向に昇降移動させるように構成しても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
<第5実施例>
次に、ワイパーユニット44及びクリーニングユニット50の第5実施例について説明する。なお、上記第1実施例と同等の内容(作用を含む)については、適宜その説明を省略する。この第5実施例では、図12で示すように、クリーニング部材52の回転軸54の回転速度を、経過時間によって、少なくとも1段階変更可能に構成している。クリーニング部材52において、一般にスクレーパー56の回転速度が速い方が、汚染物質Gに対する掻き取り性能が高い。しかし、この場合は、ワイパーブレード46の寿命(交換するまでの期間)を短くする要因となってしまう。
次に、ワイパーユニット44及びクリーニングユニット50の第5実施例について説明する。なお、上記第1実施例と同等の内容(作用を含む)については、適宜その説明を省略する。この第5実施例では、図12で示すように、クリーニング部材52の回転軸54の回転速度を、経過時間によって、少なくとも1段階変更可能に構成している。クリーニング部材52において、一般にスクレーパー56の回転速度が速い方が、汚染物質Gに対する掻き取り性能が高い。しかし、この場合は、ワイパーブレード46の寿命(交換するまでの期間)を短くする要因となってしまう。
そのため、この第5実施例では、スクレーパー56の回転速度を変更可能に構成することで、ワイパーブレード46の寿命(交換するまでの期間)を長くするようにし、汚染物質Gの掻き取り性能がより効果的なものとなるようにしている。具体的に説明すると、まず、ワイパーブレード46のクリーニング命令が出ると(S1)、上記したシステム制御手段により、前回のワイパーブレード46に対するクリーニング実施後からの経過時間や、インクジェット記録装置10自体が停止している経過時間等が算出される(S2)。
そして、それら経過時間が、所定のX時間以上であるか否かが判断され(S3)、X時間未満であれば、通常通り、ワイパーブレード46に対するクリーニングが実施される(S4)。一方、経過時間がX時間以上であれば、スクレーパー56の回転を速めるように駆動手段58に指令が行き、通常よりも速い回転速度で回転軸54が回転し、その回転速度で回転するスクレーパー56により、ワイパーブレード46がクリーニングされる(S5)。なお、そのクリーニング終了後、経過時間はリセットされる(S6)。
スクレーパー56は、通常の回転速度であれば、ワイパーブレード46を掻き取る(拭き取る)ように摺接するが、回転速度を速めると、ワイパーブレード46を叩くように摺接する。したがって、経過時間がX時間以上とされ、ワイパーブレード46にこびり付いてしまった汚染物質Gでも、良好に掻き取る(叩き落とす)ことができる。
なお、システム制御手段により、経過時間を検知するのではなく、手動でスイッチを切り替えることにより、スクレーパー56(回転軸54)の回転速度を変更できるように構成してもよい。また、経過時間を把握する手段としては、ワイパーブレード46に対するクリーニング部材52のクリーニング実施回数をカウントした履歴等も含まれる。
<第6実施例>
最後に、ワイパーユニット44及びクリーニングユニット50の第6実施例について説明する。なお、上記第1実施例と同等の内容(作用を含む)については、適宜その説明を省略する。この第6実施例では、180度下方向に回動したワイパーブレード46に対して、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)の位置を、記録用紙Pの搬送方向と直交する幅方向及び上下方向に、相対的に変更可能に構成している。
最後に、ワイパーユニット44及びクリーニングユニット50の第6実施例について説明する。なお、上記第1実施例と同等の内容(作用を含む)については、適宜その説明を省略する。この第6実施例では、180度下方向に回動したワイパーブレード46に対して、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)の位置を、記録用紙Pの搬送方向と直交する幅方向及び上下方向に、相対的に変更可能に構成している。
すなわち、図13で示すように、スクレーパー56が、ワイパーブレード46の払拭面46A側から、その裏面46B側までの所定範囲内で、適切な位置に配置されるように、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)又はワイパーブレード46(ワイパーユニット44)、或いはクリーニング部材52(クリーニングユニット50)及びワイパーブレード46(ワイパーユニット44)の両方が、図示しない移動機構よって相対的に、ワイパーブレード46の先端部を乗り越えて移動可能となるように構成されている。
このような構成にすると、例えば図13(A)で示すように、ワイパーブレード46の厚さ方向の仮想中心線T2の直下に、少なくともワイパーブレード46の先端部にスクレーパー56が当たるようにした状態で、クリーニング部材52の回転軸54の中心を配置することができるので、ワイパーブレード46の払拭面46A又はその裏面46Bをスクレーパー56によって叩くことが極めて良好にできるようになる。
したがって、ワイパーブレード46にこびり付いた汚染物質G、特に固まりやすく、膜をはりやすい汚染物質Gを効果的に(叩き落として)除去することができ、ワイパーブレード46に対するクリーニング性能を向上させることができる。なお、このような位置にスクレーパー56(回転軸54)が配置される場合は、そのスクレーパー56の回転方向はどちらでも構わない。
また、上記したように、図13(A)で示す位置が、ワイパーブレード46をスクレーパー56で叩く上で最良な位置であるが、例えば図13(B)、図13(C)で示すような位置に、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)を配置しても、ワイパーブレード46の払拭面46A又はその裏面46Bをスクレーパー56で良好に叩くことが可能となる。
つまり、ワイパーブレード46をスクレーパー56で叩くには、ワイパーブレード46の先端面を通る仮想水平線T3よりも、回転軸54が下方向位置に配置されることであり、このような位置でワイパーブレード46の少なくとも先端部(払拭面46A又はその裏面46B)にスクレーパー56が当たるようにクリーニング部材52(クリーニングユニット50)を配置すれば、ワイパーブレード46の払拭面46A又はその裏面46Bをスクレーパー56で叩くことが良好にできる。
なお、ワイパーブレード46を叩くときのスクレーパー56の回転方向は、ワイパーブレード46の基部側から先端部側に向かう方向である。したがって、ワイパーブレード46に対して、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)が払拭面46A側又はその裏面46B側のどちらに存在するかによって、その回転方向が逆になる。
すなわち、図13(B)で示すように、ワイパーブレード46の裏面46B側にクリーニング部材52(クリーニングユニット50)が配置されている場合は、矢印D方向にスクレーパー56は回転し、図13(C)で示すように、ワイパーブレード46の払拭面46A側にクリーニング部材52(クリーニングユニット50)が配置されている場合は、矢印C方向にスクレーパー56は回転するが、どちらもワイパーブレード46の基部側から先端部側に向かう方向である。
ここで、第6実施例の作用を、図14で示すフローチャートを基に説明する。まず、ワイパーブレード46のクリーニング命令が出ると(S1)、上記したシステム制御手段により、前回のワイパーブレード46に対するクリーニング実施後からの経過時間や、インクジェット記録装置10自体が停止している経過時間等が算出される(S2)。そして、それら経過時間が、所定のY時間以上であるか否かが判断され(S3)、Y時間未満であれば、通常通り、ワイパーブレード46に対するクリーニングが実施される(S4)。
一方、経過時間がY時間以上であれば、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)及びワイパーブレード46(ワイパーユニット44)の少なくとも一方を記録用紙Pの搬送方向と直交する幅方向及び上下方向に移動させ、図13(A)や図13(B)又は図13(C)で示す位置(叩きモード位置)に配置して、ワイパーブレード46の払拭面46A又はその裏面46Bをスクレーパー56で叩く。すなわち、スクレーパー56を回転させ、ワイパーブレード46にこびり付いている固まりやすい、或いは膜をはりやすい汚染物質Gを叩いて落とす(S5)。
ワイパーブレード46に対するクリーニング部材52の叩きモード終了後は、汚染物質Gの残滓がワイパーブレード46に付着する可能性があるので、通常モード位置に、クリーニング部材52(クリーニングユニット50)及びワイパーブレード46(ワイパーユニット44)の少なくとも一方(動かした方)が戻され、ワイパーブレード46に対する通常のクリーニングが実施される(S6)。そして、そのクリーニング終了後に、経過時間がリセットされる(S7)。
また、この叩きモードと通常モードの切り替えは、システム制御手段により、経過時間を検知するのではなく、手動でスイッチを切り替えることによって実行できるように構成してもよい。更に、上記第5実施例のように、回転軸54(スクレーパー56)の回転速度を変更して、ワイパーブレード46を叩くように構成してもよい。また、経過時間を把握する手段としては、ワイパーブレード46に対するクリーニング部材52のクリーニング実施回数をカウントした履歴等も含まれる。
また、クリーニング部材52のスクレーパー56は、図3〜図11及び図13で示す形状に限定されるものではなく、例えば図15で示す形状等にしてもよい。すなわち、スクレーパー56の先端部57を、先端に行くに従って、その直径が大きくなる円錐台形状に形成してもよい。このような形状にすると、ワイパーブレード46に付着した(こびり付いた)汚染物質Gをより一層確実に掻き取ることができ、ワイパーブレード46に対するクリーニング性能をより一層向上させることができる。
以上、何れにしても、本発明に係るインクジェット記録装置10によれば、インクジェット記録ヘッド20のノズル面21に対するワイパーブレード46のワイピング後において、そのワイパーブレード46に付着している増粘インク(固化した高粘度インク)や異物(紙粉)等の汚染物質Gを、クリーニング部材52のスクレーパー56で安定して除去することができる。
したがって、インクジェット記録ヘッド20のノズル面21に対するワイピング動作前において、ワイパーブレード46は、常にクリーンな状態に保たれ、その状態でノズル面21をワイピング(払拭)することができる。よって、除去した汚染物質Gがノズル面21へ再付着するなどのノズル面21への悪影響を極めて低減することができ、それによる画質劣化の発生を防止することができる。
また、スクレーパー56で除去した汚染物質Gは、その回転方向下流側に配置された吸収体60によってスクレーパー56から取り除かれるため、インクジェット記録装置10内に汚染物質Gが飛散するなどの不具合の発生も防止することができる。なお、本実施例では、吸収体60に汚染物質Gを溶解する溶解液を含浸させておく構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばスクレーパー56に溶解液を塗布する図示しない塗布装置等を別途設ける構成にしてもよい。
また、本実施例では、ワイパーブレード46を固定とし、インクジェット記録ヘッド20を記録用紙Pの搬送方向と直交する幅方向へ移動させて、ノズル面21をワイピングする構成にしたが、これに限定されるものではなく、インクジェット記録ヘッド20を固定とし、ワイパーブレード46を図示しないボールネジ等の移動手段により、記録用紙Pの搬送方向と直交する幅方向へ移動させて、ノズル面21をワイピングする構成にしてもよい。
また、本発明に係るインクジェット記録装置10は、複写機、プリンター複合機、ワークステーション等の出力機器として用いられる記録装置等、記録用紙P上への文字や画像の記録に用いられるものに限定されるものではなく、例えば、高分子フィルムやガラス上に着色インクを吐出して行うディスプレイ用のカラーフィルターの作製等にも適用可能である。
すなわち、「記録媒体」は、記録用紙Pに限定されるものではなく、例えば、OHPシートや配線パターン等が形成される基板なども含まれる。そして、「画像」は、一般的な画像(文字、絵、写真など)のみならず、インク滴が記録媒体上に着弾されることで得られるドットのパターン(配線パターン)なども含まれる。
また、吐出する液体もインクに限定されるわけではない。例えば、溶融状態の半田を基板上に吐出して行う部品実装用のバンプの形成、有機EL溶液を基板上に吐出させて行うELディスプレイパネルの形成など、様々な工業的用途を対象とした液滴吐出装置全般に対して、本発明に係るインクジェット記録装置10を適用することが可能である。
10 インクジェット記録装置(液滴吐出装置)
20 インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
21 ノズル面
40 メンテナンスユニット
42 キャップ
44 ワイパーユニット
46 ワイパーブレード(ワイピング部材)
46A 払拭面
48 ホルダー
50 クリーニングユニット
52 クリーニング部材
54 回転軸
56 スクレーパー(羽根部材)
58 駆動手段
60 吸収体
G 汚染物質
20 インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
21 ノズル面
40 メンテナンスユニット
42 キャップ
44 ワイパーユニット
46 ワイパーブレード(ワイピング部材)
46A 払拭面
48 ホルダー
50 クリーニングユニット
52 クリーニング部材
54 回転軸
56 スクレーパー(羽根部材)
58 駆動手段
60 吸収体
G 汚染物質
Claims (6)
- 液滴を吐出するノズルを有する液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドのノズル面を払拭して清掃するワイピング部材と、
前記ワイピング部材の払拭面に付着した汚染物質を除去するクリーニング部材と、
を備え、
前記クリーニング部材は、
駆動手段によって回転駆動される回転軸と、
前記回転軸の回転によって前記ワイピング部材の払拭面に摺接し、該払拭面に付着している汚染物質を除去する少なくとも1枚の羽根部材と、
を有することを特徴とする液滴吐出装置。 - 汚染物質を除去した前記羽根部材が前記回転軸の回転によって摺接する吸収体を有し、該吸収体で前記羽根部材に付着した汚染物質を吸収して取り除くことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
- 前記吸収体には、前記羽根部材から汚染物質が取り除かれやすいようにする溶解液が含浸されていることを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出装置。
- 前記クリーニング部材と前記ワイピング部材は、前記回転軸と前記払拭面とが平行状態を維持したまま相対的に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
- 前記クリーニング部材と前記ワイピング部材は、前記羽根部材が前記払拭面側からその裏面側まで相対的に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
- 前記回転軸の回転速度が変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
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---|---|---|---|
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- 2007-11-29 JP JP2007309211A patent/JP2009132007A/ja active Pending
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