JP2009131937A - 工具交換方法と工具交換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】工具マガジン3に格納した工具2のいずれかを工具把持ポット4で取り出す際に、工具洗浄装置6のノズルから工具把持ポット4の内部を通してエアブローを工具のテーパシャンク部に噴射し異物を除去する。エア噴射後に工具を工具把持ポット4で把持し、工具を工具把持ポット4から工具チェンジャ8に受け渡して、ノズルでオイルミストを工具のテーパシャンク部に噴射し潤滑性を与える。その後、工具を主軸7に受け渡し、切削加工する。加工後に工具を主軸7から工具チェンジャ8を介して工具把持ポット4に移し替える際にエアブローをテーパシャンク部に噴射し切粉や切削液を除去する。エア噴射後に工具を工具把持ポット4で把持して工具マガジン3に格納する。そしてオイルミストを工具のテーパシャンク部に噴射し、錆を防止する。
【選択図】図1
Description
また、図11に示すように主軸60に工具61が装着された切削可能状態で、主軸60の中心と工具61の中心を連通する流路62からクーラントとして切削液を吐出させて刃先の加熱や摩耗等を抑制する場合、近年、水溶性切削液が多く使用されるようになってきている。このような場合、工具61のテーパシャンク部61aに被覆されている潤滑油が水溶性切削液で流されてしまい、加工後の工具61のシャンク部61aに錆が発生したり、主軸60に潤滑性の低下した工具61のテーパシャンク部61aが固着して抜けなくなるという不具合が発生することがある。
また、切削加工時に工具61のテーパシャンク部61aに付着した切削液が残存して乾燥することで粘着性を発揮すると、主軸60と工具61との固着の原因になるおそれもあった。
特許文献1に記載された自動工具洗浄装置では、自動工具交換装置においてチェーン式マガジン内の工具を格納した多数の工具格納ポットのうちの1つのポットを洗浄ポットとしている。マガジンを割り出すことで、洗浄すべき工具を格納した洗浄ポットを洗浄位置に持ち来すことで別個に備えた洗浄装置と連結する。この状態で、洗浄ポット内に洗浄媒体を吐出させて、ATC交換アームを利用して工具を洗浄ポットに対して抜き差ししながら洗浄するようにしている。
また、特許文献3に記載された工具マガジンでは、工具マガジンに対して工具を取り出し及び返却する動作に連動して工具のシャンク部にエアブロー手段でエアーを噴出して工具に付着する異物を洗浄するようにしている。
また、特許文献4に記載された工作機械では、使用済みの工具を回転アームで主軸から取り出して工具マガジンに格納する前に、回転アームで保持する工具を清掃位置で保持する。この状態で、工具を2体の回転ブラシで挟み込み、回転ブラシを旋回させながら移動させることで使用済みの工具を素早く清掃するようにしている。
即ち、特許文献1に記載の自動工具洗浄装置では、工具マガジンで工具を格納するポットの1つを洗浄ポットとしているため、洗浄の都度、工具マガジンから洗浄すべき工具を割り出してポットから抜き出し、更に洗浄ポットを割り出してその工具の洗浄を行う必要があるから、洗浄すべき工具や洗浄ポットの割り出しに時間を要することになり、効率的で迅速な工具の洗浄を行えない欠点がある。
しかも、洗浄ポットではエアで洗浄を行うだけであり、切削時にクーラントで工具のテーパシャンク部に付着している潤滑油分が流されてしまうと、工具に錆が発生してしまうという欠点もある。
特許文献4では、回転ブラシによって工具に付着する異物を除去するため、回転ブラシに付着した異物が次の工具に付着してしまい、十分な洗浄を行えない欠点がある。しかも、上述した特許文献1乃至3と同様に、この洗浄装置も工具のテーパシャンク部の潤滑と防錆については考慮されていない。
工具マガジンに格納された工具を工具把持部材で取り出す際にエアを工具のシャンク部に噴射する工程と、エアを噴射した後に工具を工具把持部材で把持する工程と、工具を工具把持部材から工具チェンジャに受け渡す工程と、オイルを工具のシャンク部に噴射する工程とを備えてなることを特徴とする。
本発明によれば、工具マガジンに格納された工具のいずれかを選択して取り出す際にエアを噴射させることで、工具に付着している異物を除去する等の清掃を行うことができ、工具を主軸に装着した際に異物を挟むことで位置ずれが生じて加工精度が悪化することを防止できる。更に、工具にオイルを噴射させることで潤滑性が向上して主軸に対する工具のシャンク部の装着と離脱をスムーズに行うことができ、錆等が発生し主軸に工具が固着して抜けなくなることを防止できる。
しかも、工具に対するエアとオイルの噴射を工具の交換工程の中で行うことができるから、サイクル時間が長くなるのを防止できる。
本発明によれば、主軸に装着された工具を工具チェンジャから工具把持部材に移し変える際にエアを噴射させることで、工具に付着している切削液や切粉等の異物を除去する等の清掃を行うことができ、これらの異物が工具に付着したまま粘着化して次の切削時に主軸への取り付け精度を悪化させたり主軸から工具が抜けない等の不具合を防止できる。また、その後、工具マガジンに装着した工具にオイルを噴射させることで潤滑性が向上して工具のシャンク部に錆等が発生するのを防止できる。
しかも、工具に対するエアとオイルの噴射を工具の交換工程の中で行うことができるから、サイクル時間が長くなるのを防止できる。
本発明によれば、工具マガジンに格納されたいずれかの工具を選択して取り出す際にエアを噴射させることで工具に付着している異物を除去する等の清掃を行うことができ、工具を主軸に装着した際に異物による装着精度が悪化することを防止できる。また、エアブロー後に、工具にオイルを噴射させることで潤滑性が向上して主軸に対する工具のシャンク部の装着と離脱をスムーズに行うことができ、錆等で主軸に工具が固着して抜けなくなることを防止できる。
そして、主軸に装着した工具で被削材を切削した後、工具を工具把持部材に移し変える際にエアを噴射させることで、加工時に工具に付着した切削液や切粉等の異物を除去する等の清掃を行うことができ、これらの異物が工具に付着したまま残ったり粘着物化したりして次の切削時に主軸への取り付け精度が悪化したり主軸から工具が抜けない等の不具合を防止できる。エアブロー後に、工具マガジンに装着した工具にオイルを噴射させることで潤滑性が向上して工具のシャンク部に錆等が発生するのを防止できる。
しかも、工具に対するエアとオイルの噴射を工具の主軸への装着及び工具マガジンへの格納という各交換工程の中でそれぞれ行うことができるから、工具交換のサイクル時間が長くなるのを防止できる。
工具把持部材で工具を受け取る前にエアを噴射させることで異物を除去し、工具把持部材から工具を受け渡す位置でオイルを噴射させることで工具に錆等が発生するのを防止して工具の潤滑性を良好に保持できる。
また、工具把持部材の工具を着脱する方向の反対側にノズルが設けられ、該ノズルは工具把持部材の内部を通して工具にエアまたはオイルを噴射させるようにしてもよい。
工具にエアやオイルを噴射させる際、工具を把持する工具把持部材側から噴射させることで工具のシャンク部の全体に均等に噴射させることができ、一部に異物が残存したり、オイルが付着しないで錆や切削液による粘着物が生じたりする不具合を防止できる。
本発明によれば、工具交換に関連して、工具を工具把持部材で把持する前の位置でノズルによってエアを工具のシャンク部に噴射し、工具が工具把持部材から離脱した位置でノズルからオイルを工具のシャンク部に噴射するから、工具交換のサイクル時間がエアとオイルの噴射処理に関連して長くなることがない。
工具把持部材を通して工具を把持する側からエアまたはオイルを噴射させることで工具のシャンク部の全体に均等に噴射させることができ、工具に錆が発生したり異物が残存したりする不具合を防止できる。
また、ノズルは、工具把持部材の内面の中心線に対して傾斜する角度でエアまたはオイルを噴射する複数の噴射口が設けられていることが好ましい。
工具把持部材の内面を通してエアまたはオイルを噴射させる際、工具把持部材の内部でエアが中央側から外側に渦巻いてノズル側に戻る渦巻き流が発生して異物が内部に巻き込まれることを防止でき、放射状のエア流によって異物を確実に外部に吹き出すことができる。
本発明による工具交換装置によれば、工具把持部材による工具の受け取りと受け渡し位置でエアまたはオイルを工具のシャンク部に噴射させることができ、工具交換のサイクル時間を長くすることなく、工具に対する異物の除去とオイルによる潤滑と防錆処理を行える。
なお、図中に記載したXYZ軸座標系は、Y軸が鉛直方向、X軸とZ軸は水平面内における互いに直交する方向を指している。
図2に示す工具マガジン3は柱状の工具ラック10が所定間隔で複数本設置されており、各工具ラック10には両側に設けたグリッパ11が上下方向に所定間隔で配列されている。図3に示すように、工具2は、例えば刃部を備えた略円柱状の工具本体2aと、主軸7に装着されて固定されるテーパシャンク部(以下、単にシャンク部ということがある)2bと、工具本体2a及びテーパシャンク部2bの間に形成されていて工具2の受け渡しの際に挟持されるV字状の凹溝部2cとを有している。各工具2はグリッパ11に凹溝部2cを把持されることで工具マガジン3内に保持される。
ここで、工具マガジン3の座標系は工作機械の座標系でいうとY−Z軸方向であるが、工具マガジン3の座標系はX軸の向きが工作機械と異なるためX1−Y1軸方向とし、この面に直交する方向をZ1軸とする。
工具マガジン3には各工具ラック10のグリッパ11で保持された工具2がX1−Y1軸方向にマトリクス状に配列された状態で保持されている。図2に示す工具マガジン3の右上部は工具2を交換する際の受け渡し位置とされている。
X1軸キャリア15には工具キャリア5が上下動可能即ちY1軸方向に移動可能に保持されている。工具キャリア5には水平方向のZ1軸方向に第一レール部17が設けられている。第一レール部17には着脱交換するために選択された工具2を把持するための工具把持ポット4がアーム部19によって摺動可能に支持されている。
工具把持ポット4は図3においてZ1軸方向左端位置で工具マガジン3のグリッパ11に保持された工具2を把持して受け取り、Z1軸方向右端位置で工具チェンジャ8に工具2を受け渡す。そのため、図3において、工具2を工具マガジン3から取り出して主軸7に装着する工程では、工具把持ポット4の軸方向左端位置が工具2の受け取り位置、右端位置が工具受け渡し位置になる。また、工具2を主軸7から工具マガジン3に戻す工程では、工具把持ポット4の軸方向左端位置が工具2の受け渡し位置、右端位置が工具受け取り位置になる。
従って、工具キャリア5は、工具マガジン3に対して駆動機構5AのX1軸レール部14とX1軸キャリア15によってX1軸−Y1軸方向に移動することで任意の位置に格納された工具2を受け取りまたは受け渡すことができる。なお、X1軸キャリア15と工具キャリア5と工具把持ポット4の移動は図示しない駆動モータ等の駆動源によって行われる。
工具把持ポット4の貫通孔4bに対向する位置には、エアとオイルミストを選択的に工具把持ポット4の内部に噴出するノズル22が設けられている。このノズル22は工具キャリア5の上下部に設けた一対の第二レール部23、23間を摺動可能に支持された支柱24に固定されている(図4参照)。また、支柱24は工具把持ポット4のアーム部19に連結されていて一体に摺動することになる。
工具キャリア5において、下面に駆動モータMが固定され、駆動モータMの出力軸に駆動アーム部25が回転可能に支持され、駆動アーム部25の他端は支柱24に摺動可能に支承されている。そのため、駆動モータMを正逆回転させることで駆動アーム25が往復旋回し、これに連動して支柱24をZ軸方向に前後動させて工具把持ポット4を進退させる。
そのため、ノズル22は工具把持ポット4と連結されており、工具把持ポット4のZ軸方向の進退と一体に進退移動する。図5に示すように、ノズル22は工具キャリア5に設けたエア回路26に接続されており、これらノズル22とエア回路26は工具洗浄装置6を構成する。
工具洗浄装置6のエア回路26は圧縮空気を供給するコンプレッサ等の圧縮エア供給源27からエア流路がエアフィルタ28を介してレギュレータ29に接続され、エアブロー用切換弁30でエアブローの開、閉を切換制御される。切換弁30から供給されるエアはチェック弁(逆止弁)31を介してノズル22に供給される。
また、レギュレータ29とエアブロー用切換弁30との間でエア流路が分岐され、分岐されたエア流路には潤滑油(オイル)をミスト状にしてエアブローに送り込んでオイルミストとするルブリケータ32が設けられている。その下流側にはオイルミストの開、閉を切換制御するオイルミスト用切換弁33、絞り弁34、チェック弁35が順次設けられてノズル22にオイルミストを供給する。
絞り弁34は、オイルミストの潤滑油分を工具2のテーパシャンク部2bに適度に付着させるためにエアの流速を調整するものである。
また、ノズル22は、その内部の流路37が途中で分岐流路37a、…として複数に分岐され、それぞれ噴射口を構成する。各分岐流路37a、…は同軸に配設されたノズル22と工具把持ポット4の中心線Oに対して適宜の所定角度だけ傾斜して形成されている。これにより、ノズル22から噴出されたエアやオイルミストが貫通孔4bを通って工具把持ポット4の内周面のテーパ部4aに沿ってテーパシャンク部2bの全周に噴射され、渦巻き流によるテーパ部4aへの逆流が発生しないようにしている。
これに対し、図12の比較例に示すように、ノズル22の噴射口が中心線O上に1つ形成されている場合には、ノズル22から噴射されて工具把持ポット4の内周面の中心線O上を流れるエアブローは外側に回る渦巻き流となって外気と異物を工具把持ポット4の内周面のテーパ部4a部に流入させて異物を付着させる。そのため、ノズル22によるエアブロー後に把持する工具2のテーパシャンク部2bに異物が付着する不具合が発生する。
また、工具チェンジャ8は図1に示す位置から工具マガジン3側に向けて水平方向(X−Z軸面内)に約45°旋回した位置を中立位置とし、中立位置から図1に示すように主軸7側に水平方向に約45°回転した第一位置と工具マガジン3側に45°旋回した第二位置との間を90°に亘って旋回可能としている。そのため、工具チェンジャ8は主軸8側と工具マガジン3側とに水平方向(X軸方向)に直線移動可能とされ、また前後方向(Z軸方向)にも直線移動可能とされている。
そのため、工具チェンジャ8が図1に示す第一交換位置では主軸7に対して工具交換可能とされ、90°回転した第二交換位置では、工具受け渡し位置にある工具把持ポット4に対して工具把持ポット4と工具チェンジャ8の把持部40a(40b)との間で工具交換可能とされている。
また、主軸7はマシニングセンタ1のベース42に保持されたコラム43から突出して取り付けられている。そして、工具チェンジャ8の把持部40a、40bとの間で工具交換可能とされている。
先ず、工具交換指令により、多種類の工具2がマトリクス状に格納された工具マガジン3から被削材を切削するための所望の工具2を割り出す。そして、図3において、工具キャリア5を駆動機構5AによってX1−Y1軸方向の割り出し位置に移動させる。工具キャリア5内で工具把持ポット4をノズル22と共に第一及び第二レール17,23、23に沿って工具マガジン3側へZ1軸方向に移動させ、所望の工具2のテーパシャンク部2bに工具把持ポット4を若干の間隔で対向させる(ステップ101)。
このとき、ノズル22から噴射されるエアブローは複数の分岐流路37a、…が中心軸Oから傾斜した角度に設定されているから、各エアブローは工具把持ポット4の内周面で外側に向けて噴射される。噴射されたエアは、工具把持ポット4の内周面内またはその近傍で渦巻き流となって工具把持ポット4内に戻る流れを生じることはなく、テーパシャンク部2bの全周に均等に吹き付けられテーパシャンク部2b上の異物を除去する。
そして、工具キャリア5を駆動機構5AによってX1−Y1軸方向に移動させると共に、工具把持ポット4をZ1軸方向主軸7側に移動させることで工具2は所定の工具受け渡し位置に到達する(ステップ104)。
工具受け渡し位置において、工具チェンジャ8を図1に示す第一位置から約90°水平旋回させて把持部40aまたは40bを工具把持ポット4で把持された工具2の凹溝部2cに対向する第二位置に持ち来す。そして、工具チェンジャ8を工具把持ポット4側に移動させることで工具2の凹溝部2cを把持部40aまたは40bで挟持する。次に工具チェンジャ8を工具マガジン3側に移動させることで、工具2を工具把持ポット4から引き抜く(ステップ105)。
そして、工具チェンジャ8を90°旋回させて図1に示す主軸7近傍の第一位置に工具2を持ち来す。更に工具チェンジャ8を中心軸41回りにX−Y軸面内で180°旋回させると、把持部41aまたは41bで把持された工具2は主軸7に近接した位置にくる。そして、工具チェンジャ8を図1でZ軸方向とX軸方向に順次移動させることで主軸7に工具2のテーパシャンク部2bを装着し、図示しない主軸コレットでクランプする(ステップ107)。
この場合、主軸7に装着される工具2のテーパシャンク部2bにはミスト状の潤滑油が均等に付着しているから、主軸7へのテーパシャンク部2bの装着と離脱がスムーズに行われる。テーパシャンク部2bに錆が発生したりせず、錆や切削液の乾燥が進んだ粘着物がテーパシャンク部2bに付着して工具2が主軸7から抜けなくなることもない。
この状態で、主軸7に装着された工具2によって被削材を切削することになる(ステップ108)。
先ず、工具2の凹溝部2cを工具チェンジャ8の把持部40aまたは40bで把持して主軸7から取り外し(ステップ109)、工具チェンジャ8をX−Y軸面内で180°旋回すると共に90°水平方向(X−Z面内)に旋回して受け渡し位置にある工具キャリア5の工具把持ポット4に対向する位置に持ち来す(ステップ110)。この状態で、ノズル22からエアブローを工具2のテーパシャンク部2bに噴射させ(ステップ111)、テーパシャンク部2bに付着している切粉や切削液等の異物を除去する。
次に、工具チェンジャ8の把持部40aまたは40bで把持された工具2のテーパシャンク部2bを工具キャリア5の工具把持ポット4内に装着して複数のボール20でプルスタッド2dをクランプする(ステップ112)。そして、工具把持ポット4を受け取り位置からZ1軸方向に移動させ、更に駆動機構5Aによって工具キャリア5をX1−Y1軸面内を移動させて工具マガジン3の所定のグリッパ11に受け渡す(ステップ113)。
このような作業を繰り返すことで、適宜の工具2を主軸7に取り付けて切削加工を行える。なお、上述の説明では、工具2を主軸7に取り付けて切削加工した後で、主軸7から工具2を取り出して工具マガジン3に格納するようにしたが、これに代えて主軸7から工具チェンジャ8の一方の把持部40aによって使用後の工具2を取り外し、次いで工具チェンジャ8を180°反転させて他方の把持部40bで把持する新規の工具2を主軸7に取り付けることで交換して使用するようにしてもよい。
また、工具把持ポット4から工具チェンジャ8または工具マガジン3に工具2を受け渡す場合には、ノズル22からオイルミストを噴射することで工具2のテーパシャンク部2bに潤滑性を確保して主軸7にスムーズに着脱できて固着することはなく、また工具2の防錆性を確保できる。
更に、本実施形態によるノズル22では、ノズル22及び工具把持ポット4の内周面の中心線Oに対して傾斜する分岐流路37a、…からエアブローやオイルミストを噴射させるから、エアがノズル22側に戻る渦流を発生することがなく工具把持ポット4内のテーパ面4aにゴミ等の異物が付着して工具2のテーパシャンク部2dに付着するのを防止できる。
また、ノズル22の噴射口を形成する複数の分岐流路37aは中心線Oに対して一定の傾斜角である必要はなく、中心線Oに対して0°〜10°程度の角度範囲で傾斜角を変更してもよい。この場合、最も傾斜角の大きい分岐流路37aの内径を最も小さくする構成を採用してもよい。これにより、中心線O寄りのエア流量を増大させ、テーパ面4aに向かう傾斜流量を低減させてもよい。この場合でも渦巻き流の発生による異物の工具把持ポット4内への逆流を防止できると共に、中心線O寄りのエア流量が増大することで、テーパシャンク部2bの傾斜面に沿ったエア流を増大させて付着している異物の除去効率を向上できる。
また、ノズル22によって噴出するオイルはエアブロー中に霧状の潤滑油(オイル)を混入させたオイルミストとして工具2のテーパシャンク部2bに噴射することが好ましいが、潤滑油自体をミスト状にして噴射させるようにしてもよい。そのため、本明細書でいうオイルはオイルミストを含むものである。
なお、工具把持ポット4は工具把持部材を構成するが、工具把持部材は工具把持ポット4によるテーパシャンク部2bを収容するポット機構に限定されることなく、グリッパのような把持機構やその他の保持機構を採用してもよい。
2 工具
2b テーパシャンク部
3 工具マガジン
4 工具把持ポット
5 工具キャリア
5A 駆動機構
6 工具洗浄装置
7 主軸
8 工具チェンジャ
22 ノズル
37 分岐流路(噴射口)
Claims (9)
- 工具マガジンに格納された工具を工具把持部材で把持し、工具チェンジャを介して主軸に取り付けるようにした工具交換方法において、
前記工具マガジンに格納された工具を工具把持部材で取り出す際にエアを工具のシャンク部に噴射する工程と、
エアを噴射した後に前記工具を前記工具把持部材で把持する工程と、
前記工具を前記工具把持部材から工具チェンジャに受け渡す工程と、
オイルを前記工具のシャンク部に噴射する工程と
を備えてなる工具交換方法。 - 主軸に取り付けた工具を工具チェンジャで取り出し、工具把持部材で把持して工具マガジンに格納するようにした工具交換方法において、
前記主軸に取り付けた工具を前記工具チェンジャから工具把持部材に移し替える際にエアを工具のシャンク部に噴射する工程と、
エアを噴射した後に前記工具を前記工具把持部材で把持する工程と、
前記工具を前記工具把持部材から工具マガジンに格納する工程と、
オイルを工具のシャンク部に噴射する工程と
を備えてなる工具交換方法。 - 工具マガジンに格納された工具を工具把持部材と工具チェンジャを介して主軸に取り付けると共に、当該工具を前記主軸から工具チェンジャと工具把持部材を介して前記工具マガジンに格納するようにした工具交換方法において、
前記工具マガジンに格納された工具を工具把持部材で取り出す際にエアを工具のシャンク部に噴射する工程と、
エアを噴射した後に前記工具を前記工具把持部材で把持する工程と、
前記工具を前記工具把持部材から工具チェンジャに受け渡す工程と、
オイルを前記工具のシャンク部に噴射する工程と
オイルを噴射した後に前記工具を前記工具チェンジャから主軸に受け渡す工程と、
前記主軸に取り付けた工具を前記工具チェンジャから工具把持部材に移し替える際にエアを工具のシャンク部に噴射する工程と、
エアを噴射した後に前記工具を前記工具把持部材で把持する工程と、
前記工具を前記工具把持部材から工具マガジンに格納する工程と、
オイルを工具のシャンク部に噴射する工程と
を備えてなる工具交換方法。 - 前記工具把持部材は、工具の受け取り位置と受け渡し位置との間で移動可能に設けられていて前記受け取り位置でエアを工具に噴射させ、受け渡し位置でオイルを工具に噴射させるノズルが一体に移動可能である請求項1乃至3のいずれかに記載の工具交換方法。
- 前記工具把持部材の工具を着脱する方向の反対側にノズルが設けられ、該ノズルは前記工具把持部材の内部を通して工具にエアまたはオイルを噴射させるようにした請求項1乃至4のいずれかに記載の工具交換方法。
- 工具マガジンに格納された工具を工具把持部材を介して主軸に取り付けると共に、当該工具を前記主軸から工具把持部材を介して前記工具マガジンに格納するようにした工具交換装置において、
前記工具把持部材は、工具の受け取り位置と受け渡し位置との間で移動可能であって前記工具の受け取り位置と受け渡し位置とで工具を着脱可能であり、
前記工具把持部材に連動するように配設されていてエアとオイルの一方を選択的に工具に噴射するノズルが設けられ、
前記工具把持部材で工具を把持する前の位置で前記ノズルからエアを工具のシャンク部に噴射させ且つ前記工具把持部材から工具を離脱させた位置で前記ノズルからオイルを工具のシャンク部に噴射するようにしたことを特徴とする工具交換装置。 - 前記ノズルは前記工具把持部材の工具を着脱する方向の反対側に配設され、前記工具把持部材の内部を通して工具にエアまたはオイルを噴射させるようにした請求項6に記載の工具交換装置。
- 前記ノズルは、前記工具把持部材の内面の中心線に対して傾斜する角度でエアまたはオイルを噴射する複数の噴射口が設けられている請求項7に記載の工具交換装置。
- 工具マガジンに格納された工具を工具把持部材を介して主軸に取り付けると共に、当該工具を前記主軸から工具把持部材を介して前記工具マガジンに格納するようにした工具交換装置において、
前記工具マガジンにおける工具の配列方向に移動して所望の工具の位置を割り出す工具キャリアと、
該工具キャリアに設けられていて工具の受け取り位置と受け渡し位置との間を移動可能であって工具の受け取り位置と受け渡し位置とで工具を着脱する工具把持部材と、
該工具把持部材に連動して設けられていて工具の受け取り位置で前記工具把持部材が工具を把持する前に工具のシャンク部にエアを噴射させ且つ工具の受け渡し位置で前記工具把持部材が工具を受け渡した後で工具のシャンク部にオイルを噴射するノズルと
を備えたことを特徴とする工具交換装置。
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