JP2009126694A - 基材フィルム張力補正装置および基材フィルム位置合せ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材フィルム上に形成されるパターンの位置合せを、高精度かつ再現性良く行なうことを可能とする基材フィルム位置合せ装置に関する。
【解決手段】帯状の基材フィルムの搬送手段と、基材フィルムの所定領域に搬送方向と同じ向きの張力をかける張力調整手段と、基材フィルム表面に接触可能な所定数の張力補正素子を有し、張力補正素子が基材フィルム表面を押す量をそれぞれ独立に設定可能な張力補正手段と、基材フィルム上に予め形成された位置合せマークを読み取り、その位置座標を出力する少なくとも1以上のマーク読み取り手段と、その位置座標から張力補正手段の各張力補正素子の基材フィルム表面への押し量をどう設定すれば位置合せマークを所定位置に合わせられるか計算する押し量計算手段と、その押し量の分だけ各張力補正素子を駆動する張力補正素子駆動手段と、を有することを特徴とする基材フィルム位置合せ装置。
【選択図】図2
【解決手段】帯状の基材フィルムの搬送手段と、基材フィルムの所定領域に搬送方向と同じ向きの張力をかける張力調整手段と、基材フィルム表面に接触可能な所定数の張力補正素子を有し、張力補正素子が基材フィルム表面を押す量をそれぞれ独立に設定可能な張力補正手段と、基材フィルム上に予め形成された位置合せマークを読み取り、その位置座標を出力する少なくとも1以上のマーク読み取り手段と、その位置座標から張力補正手段の各張力補正素子の基材フィルム表面への押し量をどう設定すれば位置合せマークを所定位置に合わせられるか計算する押し量計算手段と、その押し量の分だけ各張力補正素子を駆動する張力補正素子駆動手段と、を有することを特徴とする基材フィルム位置合せ装置。
【選択図】図2
Description
本発明は、位置合せ(アライメント)が必要な基材フィルムを用いた各種装置において、基材フィルム上に形成されるパターンの位置合せを、高精度かつ再現性良く行なうことを可能とする基材フィルム位置合せ装置に関するものである。
所定のパターンを、いったん転写用フィルムなどの表面に形成しておき、それを被転写体である基板上の所定の位置に接触させて転写した後、転写用フィルムだけを剥離して、基板上に所定パターンを形成する、という転写方式という技術がある。
このような転写用フィルムを使った転写方式は、パターニング精度や生産性が高いという利点があるため、液晶表示装置等に使われるカラーフィルターなどをこの転写方式で製造することが試みられている。
例えばカラーフィルターを、転写用フィルムを使った転写方式で製造する場合、まず、それぞれ別の転写用フィルムに、ブラックマトリックス(BM)、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色のパターンを形成したものを作っておく。この転写用フィルムへのパターン形成方法としては、露光によるパターニング、インクジェットノズル等による描画、凸版やオフセット版を用いた転写印刷などを適宜選択可能である。
次に、例えばBMのパターンを形成した転写用フィルムを使って、ガラス基板上にBMのパターンを形成する。更に、例えばRのパターンを形成した転写用フィルムを使って、
ガラス基板上にBMのパターンを形成する。以下、GやBについても同様にしてガラス基板上に転写し、所望のパターンを形成する。
ガラス基板上にBMのパターンを形成する。以下、GやBについても同様にしてガラス基板上に転写し、所望のパターンを形成する。
以上の転写方式において、転写用フィルム上に各色のパターンを形成する工程や、各色の転写フィルム上のパターンをガラス基板上に転写する工程では、パターン自体にゆがみを生じさせないようにすること、および、既に転写済みのパターンがある場合にはその転写位置をずれないようにすることが必須である。したがって転写用フィルムのアライメント技術は非常に重要で、例えば特許文献1には、フィルム上にアライメントマークを高精度、かつ高効率に形成する方法が記載されている。
この転写用フィルムのアライメント方法としては、アライメント用の吸着プレート上にフィルムに張力をかけない状態でフィルムを吸着固定し、フィルム上のアライメントマークが所定の位置へ来るように吸着プレートを移動し位置決めを行うことが多い。
この方法の場合、フィルムには張力がかかっていない状態なので吸着プレートに吸着されたときのアライメントマークの位置で、その位置決め精度が左右されてしまう。また、フィルムには張力がかかっていないので、吸着プレートを含む位置決めユニット前後においてフィルムのたるみが発生し、次の位置決めの精度悪化の要因のひとつになってしまっている。
また、フィルム上へのパターン形成時、フィルム搬送、巻き出しおよび巻き取りなど、その時々において加わる張力によるクリープ(応力が持続的に作用すると時間の経過とともに変形量が増大する)による伸びなどもあり、フィルムに張力をかけなかったとしても同じ寸法精度を維持する事は難しい。
フィルムに張力をかけた場合のアライメント方式の多くは、フィルム流れ方向の張力のみかかった状態で行うものである。この場合、フィルムの厚みのムラなどにより、フィルムの幅方向で張力の強弱が起こり、フィルム流れ方向の伸びと幅方向の縮み等を引き起こす場合がある。このようなとき形成されるパターンには変形が発生し、安定した位置決めを行うことが難しい
本発明の目的は、位置合せ(アライメント)が必要な基材フィルムを用いた各種装置において、基材フィルム搬送方向の張力調整手段および幅方向の各領域の張力を微調整することの出来る張力補正手段によって基材フィルム搬送方向にかかる張力補正を可能とする基材フィルム張力補正装置を提供することである。さらにアライメントマークを読み取るマーク読み取り手段によって読み取ったマーク位置座標から前記張力補正の量を計算して、基材フィルムの高精度な位置合せを可能とする基材フィルム位置合せ装置、およびそれを適用したパターン形成装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1においては、帯状の基材フィルムを搬送する搬送手段と、
前記搬送中の基材フィルムの所定領域において搬送方向と同じ向きに所定値の張力をかける張力調整手段と、
前記基材フィルムの幅方向に基材フィルム表面に接触可能な所定数の張力補正素子を有し、該張力補正素子が前記基材フィルム表面を押す量をそれぞれ独立に設定可能な張力補正手段と、を有することを特徴とする基材フィルム張力補正装置としたものである。
前記搬送中の基材フィルムの所定領域において搬送方向と同じ向きに所定値の張力をかける張力調整手段と、
前記基材フィルムの幅方向に基材フィルム表面に接触可能な所定数の張力補正素子を有し、該張力補正素子が前記基材フィルム表面を押す量をそれぞれ独立に設定可能な張力補正手段と、を有することを特徴とする基材フィルム張力補正装置としたものである。
また本発明の請求項2においては、帯状の基材フィルムを搬送する搬送手段と、
前記搬送中の基材フィルムの所定領域において搬送方向と同じ向きの張力をかける張力調整手段と、
前記基材フィルムの幅方向に基材フィルム表面に接触可能な所定数の張力補正素子を有し、該張力補正素子が前記基材フィルム表面を押す量をそれぞれ独立に設定可能な張力補正手段と、
前記基材フィルム上にあらかじめ形成された位置合せマークを読み取り、その位置座標を出力する少なくとも1以上のマーク読み取り手段と、
前記マーク読み取り手段が出力した位置合せマークの位置座標から、前記張力補正手段の各張力補正素子の基材フィルム表面への押し量をどのように設定すれば位置合せマークを所定位置に合わせられるか計算する押し量計算手段と、
前記押し量計算手段により計算された各張力補正素子の押し量の分だけ、各張力補正素子を駆動する張力補正素子駆動手段と、
を有することを特徴とする基材フィルム位置合せ装置としたものである。
前記搬送中の基材フィルムの所定領域において搬送方向と同じ向きの張力をかける張力調整手段と、
前記基材フィルムの幅方向に基材フィルム表面に接触可能な所定数の張力補正素子を有し、該張力補正素子が前記基材フィルム表面を押す量をそれぞれ独立に設定可能な張力補正手段と、
前記基材フィルム上にあらかじめ形成された位置合せマークを読み取り、その位置座標を出力する少なくとも1以上のマーク読み取り手段と、
前記マーク読み取り手段が出力した位置合せマークの位置座標から、前記張力補正手段の各張力補正素子の基材フィルム表面への押し量をどのように設定すれば位置合せマークを所定位置に合わせられるか計算する押し量計算手段と、
前記押し量計算手段により計算された各張力補正素子の押し量の分だけ、各張力補正素子を駆動する張力補正素子駆動手段と、
を有することを特徴とする基材フィルム位置合せ装置としたものである。
また本発明の請求項3においては、帯状の基材フィルムを用いたパターン形成装置であって、少なくとも
前記基材フィルムを巻き出す基材フィルム巻き出し手段と、
前記基材フィルム上に所定のパターンを形成するパターン形成手段と、
前記パターン形成手段が所定パターンを形成する前記基材フィルムの所定領域を含む領域に配置され、前記基材フィルム上の位置合せマークの位置合せを行う請求項2記載の基材フィルム位置合せ装置と、
前記パターン形成手段により所定パターンが形成された前記基材フィルムを巻き取る基材フィルム巻き取り手段と、
を備えることを特徴とするパターン形成装置としたものである。
前記基材フィルムを巻き出す基材フィルム巻き出し手段と、
前記基材フィルム上に所定のパターンを形成するパターン形成手段と、
前記パターン形成手段が所定パターンを形成する前記基材フィルムの所定領域を含む領域に配置され、前記基材フィルム上の位置合せマークの位置合せを行う請求項2記載の基材フィルム位置合せ装置と、
前記パターン形成手段により所定パターンが形成された前記基材フィルムを巻き取る基材フィルム巻き取り手段と、
を備えることを特徴とするパターン形成装置としたものである。
また本発明の請求項4においては、帯状の基材フィルムを用いたパターン形成装置であって、少なくとも
前記基材フィルムを巻き出す基材フィルム巻き出し手段と、
前記基材フィルム上に形成されている所定のパターンを被転写体に転写するパターン転写手段と、
前記基材フィルムと前記被転写体の位置合せを行う請求項2記載の基材フィルム位置合せ装置と、
パターン転写後の前記基材フィルムを巻き取る基材フィルム巻き取り手段と、
を備えることを特徴とするパターン形成装置としたものである。
前記基材フィルムを巻き出す基材フィルム巻き出し手段と、
前記基材フィルム上に形成されている所定のパターンを被転写体に転写するパターン転写手段と、
前記基材フィルムと前記被転写体の位置合せを行う請求項2記載の基材フィルム位置合せ装置と、
パターン転写後の前記基材フィルムを巻き取る基材フィルム巻き取り手段と、
を備えることを特徴とするパターン形成装置としたものである。
本発明の基材フィルム張力補正装置により、基材フィルムの幅方向の領域の張力の微調整が可能となる。また本発明の基材フィルム位置合せ装置により、基材フィルム上にあるアライメントマークの位置合せの精度や再現性を高めることができる。さらに本発明の基材フィルム位置合せ装置を、基材フィルムを用いたパターン形成装置に適用することにより、露光によるパターニング、インクジェットノズル等による描画、転写印刷等の加工精度を高める事が可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1には、本発明の実施形態であるフィルムのアライメント装置を用いた転写用フィルム製造装置の模式図を示す。
本実施形態は、あらかじめ矩形のパターンおよびアライメントマークが形成されている基材フィルム上へレジスト膜をドライフィルムのラミネートにより形成し、前記アライメントマークを読み取ることによって露光の版のアライメントを行って、レジストに露光パターンを形成する装置を模式的に表したものである。
本実施形態は、あらかじめ矩形のパターンおよびアライメントマークが形成されている基材フィルム上へレジスト膜をドライフィルムのラミネートにより形成し、前記アライメントマークを読み取ることによって露光の版のアライメントを行って、レジストに露光パターンを形成する装置を模式的に表したものである。
まず、基材フィルム巻き出し部1から、片側の面に保護フィルムを貼り合せていてロール状に巻かれた状態の基材フィルム1aが繰り出される。この基材フィルム1aには、あらかじめ所定の間隔で矩形パターンとアライメントマークが形成されていて、この転写用フィルム製造装置では、このアライメントマークをもとに位置合せして、矩形内の所定位置に所定のパターンを形成するという工程を行うものとする。
巻きだされた基材フィルム1aは、片側の面に貼り合せられていた保護フィルムを、保護フィルム剥離機構21において剥がされ、剥がされた保護フィルムは基材フィルムの保護フィルム巻き取り22に巻き取られる。
一方、ドライフィルムレジスト巻き出し部3から、片側の面に保護フィルムを貼り合せている状態のドライフィルムレジスト3aが巻き出しされ、保護フィルム剥離機構23において保護フィルムは剥がされ、保護フィルム巻き取り24に巻き取られる。
貼り合せ部25において、保護フィルムを剥がされた状態の基材フィルム1bに、同じく保護フィルムを剥がされた状態のドライフィルムレジスト3bが貼り合せされ、片面にドライフィルムレジストを貼り合せた状態の基材フィルム1cとなる。このとき、基材フィルム、ドライフィルムレジストともに保護フィルムが貼られていた側の面が貼り合せ面となる。
次に、片面にドライフィルムレジストを貼り合せた状態の基材フィルム1cは露光装置6に搬入され、基材フィルムに予め形成してあった矩形の部分が露光装置6の露光領域に来たところで基材フィルム1cの搬送を停止する。露光装置6は、基材フィルム1c上のこの矩形の内部に露光によるパターニングを行い、所定のパターンを形成するものとする。
ここで張力調整機構26および27を動作させて、張力調整機構26と27の間にある基材フィルム1cに所定の張力をかけた状態とする。張力調整機構としては、例えば、対向させた2本のローラー間に基材フィルムを挟みこみ、その2本のローラー間の接触圧力およびローラーの駆動回転量を適宜調整可能としたものなどを用いることが出来る。例えば基材フィルム1cの搬送を止めた状態で、張力調整機構26において2本のローラー間の接触圧力を基材フィルム1cがすべり移動しない程度に大きくした後、張力調整機構27において2本のローラー間の接触圧力を基材フィルム1cがすべり移動しない程度に大きくして基材フィルム1cを適宜量(一般的にはごく少量)搬送する、というような動作により、張力調整機構26と27の間にある基材フィルム1cに所定の張力をかけた状態を作り出すことが出来る。
基材フィルム1cに所定の張力がかかった状態で、アライメントマーク読み取りカメラ5は、基材フィルムに予め形成してあったアライメントマークを読み取る。アライメントマークは基材フィルム1c上の矩形に対して所定位置に所定個数形成されているものとし、アライメントマーク読み取りカメラ5も、各アライメントマークを読み取り可能な位置に所定台数が配置されているものとする。
アライメントマーク読み取りカメラ5が読み取ったアライメントマークの位置情報は、図示せぬ位置制御手段へと送られる。位置制御手段は、このアライメントマークの位置情報から、露光装置6の露光版7の位置調整、および張力調整機構26と27による位置調整および張力調整、および張力補正ユニット4(後述)による張力補正をそれぞれどの程度行えばよいかを計算し、露光版7の位置補正、張力調整機構26と27による張力調整、張力補正ユニット4(後述)による張力補正を実行する。
この図示せぬ位置制御手段が計算し実行する作業の概略は、以下のようなものである。アライメントマークの位置が、露光版7に対してその面内で傾いていると判定した場合は露光版7を面内で回転させて位置合せする。
アライメントマークの位置が、露光版7に対して張力調整機構26または27のどちらかの方向に全体的に片寄っていると判定した場合は露光版7を26または27のどちらかの方向に平行移動させるか、張力調整機構26と27および転写用フィルム製造装置のフィルム搬送機能を使って基材フィルム1cを順方向または逆方向に搬送することによって位置合せする。どちらの方法を使うかは適宜選択可能であるが、一般的には位置調整量が小さい場合には露光版7で調整し、位置調整量が大きい場合には基材フィルム1cを搬送することによって調整することが多い。
アライメントマークの位置が、基材フィルムの搬送方向に一様に伸びたり縮んだりしていると判定した場合は、張力調整機構26と27を再調整して、26と27の間の基材フィルム1cにかかる張力を変更することによって位置合せする。
以上の位置合せ動作およびこれらの組み合わせだけでは、アライメントマークを所定位置に位置合せできないと位置制御手段が判定した場合、張力補正ユニット4による張力補正が実行される。
図2は張力補正ユニット4の部分を拡大して示した模式図である。張力補正ユニット4は、基材フィルム1cの幅方向に適宜の個数が並べられ、かつ、基材フィルム1cをその面に対して所定の角度で押すことが出来る張力補正素子を有している。図2には張力補正素子4a〜4eの5個の場合を示す。
以下、張力補正ユニット4の動作の概略を説明する。張力補正ユニット4の動作の前に、まず、前述のように張力調整機構26および27により、基材フィルム1cは静止していて所定の張力がかけられた状態となる。この状態で、前述した位置合せ動作およびこれらの組み合わせにより、アライメントマークの位置合せが行われる。
その後、基材フィルム1cが静止していて所定の張力がかかった段階で、張力補正ユニット4は、基材フィルム1cの張力調整機構26と27の間の領域に接触する。これ以前の基材フィルム1cの搬送中などは、張力補正ユニット4は基材フィルム1cに接触しない位置で待機させておく。
各張力補正素子4a〜4eは図2の矢印41の方向に移動することができ、それぞれの移動量は互いに独立に設定できるようになっている。これによって、各張力補正素子4a〜4eそれぞれが接触する基材フィルム1cの各領域の流れ方向の張力を、お互い独立に補正することができる。
各張力補正素子4a〜4eが基材フィルム1cに接触する部分は、基材フィルム1cを傷つけないようなものとすることが望ましい。したがって、この部分の形状としては例えば円筒状など鋭利な箇所がない形状とし、また、その材質や表面状態も基材フィルム1cを傷つけないような材質および滑らかな表面とすることが望ましい。
各張力補正素子4a〜4eを、図2の矢印41の方向に移動させる駆動部分としては、各種のアクチュエーターを用いることができるが、後述するように張力補正素子の移動量は比較的小さいので、それに対応可能なもの、例えば各種モーターなどを選択すると良い。
張力補正ユニット4の動作の概略は、以下のようなものである。まず、図示せぬ位置制御手段は、基材フィルム1cのどの領域の張力をどの程度補正すれば、アライメントマークを位置合せできるか計算して、更に張力補正素子4a〜4eのうちのどれをどの程度駆動するかを計算する。その結果をもとに各張力補正素子4a〜4eを実際に駆動して、基材フィルム1cにかかる流れ方向の張力を、各張力補正素子が接触している領域ごとに補正する。各張力補正素子の駆動によって張力が大きくなった領域の基材フィルム1cは、他の領域に比べて流れ方向の伸び量が大きくなり、それによってアライメントマークの位置合せがされる。
例えば、張力補正素子4aが接触している領域の先にあるアライメントマークだけが所定位置からずれていて、他の領域にあるアライメントマークは位置合せできている、というような場合、張力補正素子4aのみ駆動すれば、ずれているアライメントマークの位置合せができることになる。
基材フィルム1cの厚さが50〜数百μmで、張力補正素子の移動方向(図2の矢印41)が基材フィルム1cの面に垂直な方向とした場合、張力補正素子の移動量が10〜500μm程度あれば、上述のようなアライメントマーク位置合せ動作が可能である。ただし張力調整機構26と27の間の基材フィルム1cの張力は、予め適切な値に調整しておく必要がある。また基材フィルム1cにおいて、張力調整機構26と27、および張力補正ユニット4により発生する張力の合計は、基材フィルム1cの弾性変形域内となるようにしておくべきである。
張力補正素子の移動量が上記のように10〜500μm程度であれば、隣接する張力補正素子の間(例えば4aと4bの間など)の段差も同程度の値となるが、その程度の段差であれば、基材フィルム1cを傷つけることはない。また張力補正素子の移動方向(図2の矢印41)は、基材フィルム1cの面に垂直な方向から、適宜角度傾けてもよい。
また、各張力補正素子の個数を多くすれば、幅方向の張力補正をより精細に行うことが可能となるが、費用がかかったり装置構成が複雑になったりもするので、必要なアライメント精度を考慮してその個数を適宜選択することが望ましい。
以上の張力補正ユニット4の動作の後、アライメントマーク読み取りカメラ5によって再びアライメントマークを読み取り、位置合せが許容範囲外であればもう一度上記の一連の位置合せ動作を行い、許容範囲内であれば露光装置6が露光を行う。
露光装置6による露光が終了したら、順次、現像装置8により露光後の基材フィルム1d上のレジストの現像が行われ、水洗装置9により基材フィルム1dが水洗され、乾燥装置10により基材フィルム1dが乾燥され、最終的に製品巻き取り装置11によって基材フィルム1dはロール状に巻き取りされる。
以上、あらかじめ矩形のパターンおよびアライメントマークが形成されている基材フィルム上へレジスト膜をドライフィルムのラミネートにより形成し、前記アライメントマークを読み取ることによって露光の版のアライメントを行ってレジストに露光パターンを形成する装置へ適用した場合を例として、本発明の実施形態の説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく他の装置への適用も可能である。
すなわち、転写用フィルム上に所定パターンを形成する方法として、上記の露光によるパターニング以外にインクジェットノズル等による描画や転写印刷を用いるような装置においても、本発明の張力補正ユニットは適用可能である。また、そのようにして製造された所定パターンを有する転写用フィルムを用いて、当該所定パターンをガラス基板などに転写する装置において本発明の張力補正ユニットを適用すれば、パターン自体にゆがみを生じさせないようにしたり、かつ既にガラス基板上に複数のパターンを転写する場合には各転写パターン間で位置ずれを発生させないようにしたりすることが可能となる。
その他の基材フィルムの位置合せの必要な装置においても、本発明の張力補正ユニットを適用すれば、その加工精度を高めることが可能となる。
図3(A)〜(C)は、基材フィルム(厚さ100μm、PETフィルム)上の一辺240mmの正方形状の領域の四隅および四辺の各中点の位置に形成した、8個で一組のアライメントマークの位置が、基材フィルムの張力を調整したときどのように変化するか一例を示している。それぞれの図は、
(A)張力をかけない場合。
(B)アライメントマーク形成時と同じ搬送方向の張力をかけた場合。
(C)(B)の状態でアライメントマーク位置を読み取り、その位置情報からフィルム幅方向に6分割した領域で張力の補正量を計算し、張力補正を行った場合。
を示している。なお図3(A)〜(C)上の各点(◆印および■印)は、位置ずれの状態をわかりやすくするため、位置ずれ量を1000倍して表示している。
(A)張力をかけない場合。
(B)アライメントマーク形成時と同じ搬送方向の張力をかけた場合。
(C)(B)の状態でアライメントマーク位置を読み取り、その位置情報からフィルム幅方向に6分割した領域で張力の補正量を計算し、張力補正を行った場合。
を示している。なお図3(A)〜(C)上の各点(◆印および■印)は、位置ずれの状態をわかりやすくするため、位置ずれ量を1000倍して表示している。
図3(A)〜(C)において、基材フィルムの長尺方向(搬送方向)が縦軸(y軸)方向、基材フィルムの幅方向が横軸(x軸)方向とし、所定パターン(ここではアライメントマーク8個)の設計上の中心位置を原点とする。縦軸、横軸の数値の単位は共にmmである。◆印は、設計上のアライメントマークの位置座標であり、図3(A)〜(C)では、幅方向および長尺方向ともに±120mmの矩形領域の、四辺の各中点および四隅にある。
■印は、基材フィルム上のアライメントマークの実測位置を示したものである。ただし位置ずれの量は、図3(A)〜(C)において1000倍にして示している。(例えば(A)の場合の位置ずれ量は、実際は数十μmであるが、1000倍で表しているので、数十mmあるような表示となっている。)
基材フィルムに張力をかけない場合、図3(A)に示したように、アライメントマークの実測位置は設計位置に比べて、長尺方向にはだいたい一様に縮んでいることがわかる。一方で、幅方向には伸びている箇所(y≠0にあるアライメントマーク)と、それほど伸びていない箇所(y≒0にあるアライメントマーク)があることがわかる。これは基材フィルムの厚みムラ等に起因して、幅方向のテンションのかかり方が不均一なっているためである。基材フィルムに張力をかけていないこの状態では、所定パターンに歪みが生じた状態となっていて、このときのアライメントマークの設計位置と実測位置のずれ量の最大値は31μmであった。
アライメントマーク形成時と同じ長尺方向の張力をかけた場合、図3(B)に示したようなアライメントマークの実測位置となり、図3(A)の場合に比べれば設計位置に近づいていることがわかる。しかしながら、パターン形成時と同じ長尺方向の張力をかけているために発生したクリープによると思われる位置ずれが発生していて、アライメントマーク位置は長尺方向に伸びている。このときのアライメントマークの設計位置と実測位置のずれ量の最大値は9.8μmであった。
図3(C)は、アライメントマーク形成時と同じ長尺方向の張力をかけた状態((B)の状態)で各アライメントマーク位置を読み取り、その位置情報からフィルム幅方向に6分割した領域で張力の補正量を計算し、張力補正を行った場合を示している。このとき、アライメントマークの設計位置と実測位置のずれ量の最大値は3μmとなり、(A)や(B)の場合に比べて、非常に精度良く位置合せができていることがわかる。
1・・・基材フィルム巻き出し部
1a・・片面に保護フィルムを貼り合せた状態の基材フィルム
1b・・保護フィルムを剥がした状態の基材フィルム
1c・・片面にドライフィルムレジストを貼り合せた状態の基材フィルム
1d・・露光後の基材フィルム
21・・基材フィルムの保護フィルム剥離機構
22・・基材フィルムの保護フィルム巻き取り
23・・ドライフィルムレジストの保護フィルム剥離機構
24・・ドライフィルムレジストの保護フィルム巻き取り
25・・貼り合せ部
26・・張力調整機構
27・・張力調整機構
3・・・ドライフィルムレジスト巻き出し部
3a・・片面に保護フィルムを貼り合せた状態のドライフィルムレジスト
3b・・保護フィルムを剥がした状態のドライフィルムレジスト
4・・・張力補正ユニット
4a〜4e・・・張力補正素子
5・・・アライメントマーク読み取りカメラ
6・・・露光装置
7・・・露光版
8・・・現像装置
9・・・水洗装置
10・・乾燥装置
11・・製品巻き取り装置
1a・・片面に保護フィルムを貼り合せた状態の基材フィルム
1b・・保護フィルムを剥がした状態の基材フィルム
1c・・片面にドライフィルムレジストを貼り合せた状態の基材フィルム
1d・・露光後の基材フィルム
21・・基材フィルムの保護フィルム剥離機構
22・・基材フィルムの保護フィルム巻き取り
23・・ドライフィルムレジストの保護フィルム剥離機構
24・・ドライフィルムレジストの保護フィルム巻き取り
25・・貼り合せ部
26・・張力調整機構
27・・張力調整機構
3・・・ドライフィルムレジスト巻き出し部
3a・・片面に保護フィルムを貼り合せた状態のドライフィルムレジスト
3b・・保護フィルムを剥がした状態のドライフィルムレジスト
4・・・張力補正ユニット
4a〜4e・・・張力補正素子
5・・・アライメントマーク読み取りカメラ
6・・・露光装置
7・・・露光版
8・・・現像装置
9・・・水洗装置
10・・乾燥装置
11・・製品巻き取り装置
Claims (4)
- 帯状の基材フィルムを搬送する搬送手段と、
前記搬送中の基材フィルムの所定領域において搬送方向と同じ向きに所定値の張力をかける張力調整手段と、
前記基材フィルムの幅方向に基材フィルム表面に接触可能な所定数の張力補正素子を有し、該張力補正素子が前記基材フィルム表面を押す量をそれぞれ独立に設定可能な張力補正手段と、を有することを特徴とする基材フィルム張力補正装置。 - 帯状の基材フィルムを搬送する搬送手段と、
前記搬送中の基材フィルムの所定領域において搬送方向と同じ向きの張力をかける張力調整手段と、
前記基材フィルムの幅方向に基材フィルム表面に接触可能な所定数の張力補正素子を有し、該張力補正素子が前記基材フィルム表面を押す量をそれぞれ独立に設定可能な張力補正手段と、
前記基材フィルム上にあらかじめ形成された位置合せマークを読み取り、その位置座標を出力する少なくとも1以上のマーク読み取り手段と、
前記マーク読み取り手段が出力した位置合せマークの位置座標から、前記張力補正手段の各張力補正素子の基材フィルム表面への押し量をどのように設定すれば位置合せマークを所定位置に合わせられるか計算する押し量計算手段と、
前記押し量計算手段により計算された各張力補正素子の押し量の分だけ、各張力補正素子を駆動する張力補正素子駆動手段と、
を有することを特徴とする基材フィルム位置合せ装置。 - 帯状の基材フィルムを用いたパターン形成装置であって、少なくとも
前記基材フィルムを巻き出す基材フィルム巻き出し手段と、
前記基材フィルム上に所定のパターンを形成するパターン形成手段と、
前記パターン形成手段が所定パターンを形成する前記基材フィルムの所定領域を含む領域に配置され、前記基材フィルム上の位置合せマークの位置合せを行う請求項2記載の基材フィルム位置合せ装置と、
前記パターン形成手段により所定パターンが形成された前記基材フィルムを巻き取る基材フィルム巻き取り手段と、
を備えることを特徴とするパターン形成装置。 - 帯状の基材フィルムを用いたパターン形成装置であって、少なくとも
前記基材フィルムを巻き出す基材フィルム巻き出し手段と、
前記基材フィルム上に形成されている所定のパターンを被転写体に転写するパターン転写手段と、
前記基材フィルムと前記被転写体の位置合せを行う請求項2記載の基材フィルム位置合せ装置と、
パターン転写後の前記基材フィルムを巻き取る基材フィルム巻き取り手段と、
を備えることを特徴とするパターン形成装置。
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---|---|---|---|
JP2007307015A JP2009126694A (ja) | 2007-11-28 | 2007-11-28 | 基材フィルム張力補正装置および基材フィルム位置合せ装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102785463A (zh) * | 2011-05-19 | 2012-11-21 | 株式会社日立制作所 | 卷筒纸输送装置 |
-
2007
- 2007-11-28 JP JP2007307015A patent/JP2009126694A/ja active Pending
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CN102785463A (zh) * | 2011-05-19 | 2012-11-21 | 株式会社日立制作所 | 卷筒纸输送装置 |
JP2012240786A (ja) * | 2011-05-19 | 2012-12-10 | Hitachi Ltd | ウェブ搬送装置 |
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