JP2018034446A - スクリーン印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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Koichi Saito
孝一 斎藤
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Yosuke Koike
庸介 小池
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Abstract

【課題】印刷パターンを積層形成するにあたりパターンのはみだしや被覆不良等の積層ずれを抑えることが可能なスクリーン印刷装置および印刷方法の提供。
【解決手段】長尺シート状の被印刷基材を一端から繰り出す繰り出し機構、繰り出された被印刷基材の印刷部分が配置される印刷定盤、印刷定盤の上方に離間して保持され印刷定盤に対して上下に昇降できるスクリーン印刷版、被印刷基材を長手方向に間欠的に搬送し被印刷基材の印刷部分を印刷定盤上に配置する搬送機構、スクリーン印刷版に印刷ペーストを供給しドクターを移動させペーストを展開する機構、スクリーン印刷版の印刷領域の一方の端部から印刷領域の他方の端部までスキージを移動させることにより印刷ペーストを被印刷基材に対し印刷を施す印刷機構、印刷が施された被印刷基材を巻き取る機構を有し、印刷方向ベクトルの向きを変更するための印刷方向変更手段をさらに有するスクリーン印刷装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材に、スクリーン印刷版を使用して印刷を行うスクリーン印刷装置および印刷方法に関するものである。
従来から、紙、プラスチックフィルム、金属箔等のロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材に、回路パターン、レジスト被覆膜、ターゲットマーク等の印刷パターンを積層形成するための印刷方法として、スクリーン印刷装置が広く利用されている。
ロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材を間欠的に搬送し、所定の間隔をおいて繰り返して印刷を行うスクリーン印刷装置は、一例として特許文献1に開示されているように、ロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材を一端から繰り出す繰り出し機構と、ロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材を長手搬送方向に所定の間隔をおいて搬送し、被印刷基材の印刷部分をスクリーン印刷版の印刷領域に搬送、配置する搬送機構と、スクリーン印刷版に印刷ペーストを供給し、印刷領域にドクターを移動させることにより、印刷ペーストを展開する印刷ペースト展開機構と、スクリーン印刷版の印刷領域の、一方の端部に対応する位置で、スキージを所定の圧力と降下量で降下させ、スクリーン印刷版に押圧しながら印刷領域の他方の端部まで移動させることにより、印刷ペーストを被印刷基材に転移させることによって印刷を施す印刷機構と、印刷が施されたロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材を巻き取る巻き取り機構とが備えられている。
このようなスクリーン印刷装置において印刷パターンを積層形成する場合には、第一の印刷の印刷終了後、第一の印刷パターン上に、第二の印刷パターンが重なるようにして第二の印刷を行う必要がある。
特開2002−059534号公報
スクリーン印刷で用いるスクリーン版(紗)は、樹脂や金属などの材質からできており、スキージによる押圧によって若干撓み、その下の被印刷基材へ印刷ペーストを転移できるような構造になっている。しかしそれゆえに、印刷ペーストを被印刷基材へ転移させ印刷を施すときに、スクリーン印刷版へのスキージの押圧作用とスキージの移動作用によってスクリーン版の引き伸ばし、所謂「版伸び」が生じることになる。このため、被印刷基材に印刷される印刷パターンにはこの版伸びが反映され、少なからず歪み変形を生じた状態で印刷されている。
従来のスクリーン印刷装置で印刷パターンを積層形成する場合、第一の印刷パターンの印刷終了後に巻き取られたロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材を再び繰り出し機構にセットし、第二の印刷では長尺シート状の被印刷基材を第一の印刷の印刷終了端側から繰り出し、第一の印刷の印刷パターン上に、第二の印刷の印刷パターンが重なるように印刷が施される。
このような従来のスクリーン印刷装置で第一の印刷パターン上に第二の印刷を行うと、第一の印刷における印刷パターンが第一の印刷時とは反転した状態および方向で被印刷基材の搬送が行われることになるため、第一の印刷における印刷パターンの歪みや変形の方向も反転した状態で、第一の印刷の印刷パターン上に、第二の印刷の印刷パターンが重なるようにして印刷が行われることになる。
そのため、第一の印刷における印刷パターンの歪み変形の方向と、第二の印刷における印刷パターンの歪み変形の方向が、互いに反転した状態で重ね合わされて印刷が行われることになり、高精細で、高い積層精度を必要する積層パターンの印刷においては、歪み変形の方向の差異による積層ずれが生じ、パターンのはみだし、被覆不良等の問題が生じてしまう。
本発明の目的は、上記問題点を解決するものであって、印刷パターンを積層形成するにあたり、パターンのはみだしや被覆不良等の積層ずれを抑えることが可能なスクリーン印刷装置および印刷方法を提供するものである。
本発明では上記目的を達成するため、以下を提供することができる。
長尺シート状の被印刷基材を間欠的に搬送し、印刷を行うスクリーン印刷装置であって、
a)長尺シート状の被印刷基材を一端から繰り出す繰り出し機構と、
b)前記繰り出し機構により繰り出された前記被印刷基材の印刷部分が配置される印刷定盤と、
c)前記印刷定盤の上方に離間して保持され、前記印刷定盤に対して上下に昇降できる機構を有し、かつ印刷を行うための印刷領域を有するスクリーン印刷版と、
d)前記繰り出し機構により繰り出された前記被印刷基材を、長手方向に間欠的に搬送し、前記被印刷基材の前記印刷部分を、前記印刷定盤上に配置して前記スクリーン印刷版の前記印刷領域に対応する位置に配置する搬送機構と、
e)前記スクリーン印刷版に印刷ペーストを供給し、前記印刷領域にドクターを移動させることにより、前記印刷ペーストを展開する印刷ペースト展開機構と、
f)前記スクリーン印刷版の前記印刷領域の一方の端部に対応する位置から、スキージを前記スクリーン印刷版へ降下させ押圧しながら前記印刷領域の他方の端部まで移動させることにより、前記印刷ペーストを前記被印刷基材に転移させることによって、前記被印刷基材に対し印刷を施す印刷機構と、
g)印刷が施された前記被印刷基材を巻き取る巻き取り機構と
を有し、
前記印刷機構が有する前記スキージが印刷を行う前の初期位置を始点に見立て、且つ前記印刷ペースト展開機構が有する前記ドクターが印刷を行う前の初期位置を終点に見立てたベクトルを、前記印刷定盤により定まる前記被印刷基材の被印刷面もしくは前記スクリーン印刷版の印刷面に投影することで得られる、印刷方向を表す印刷方向ベクトルを設定したときに、前記印刷方向ベクトルの向きを変更するための、印刷方向変更手段
をさらに有する、スクリーン印刷装置。
上述のスクリーン印刷装置においては、前記印刷方向変更手段が、前記ドクターまたは前記スキージのいずれかをそれぞれ装脱着することができる第一の装着手段および第二の装着手段を含んでもよい。
上述のスクリーン印刷装置においては、前記第一の装着手段および前記第二の装着手段の少なくとも一方が、前記ドクターまたは前記スキージの、前記印刷定盤により定まる前記被印刷基材の被印刷面もしくは前記スクリーン印刷版の印刷面に対する取り付け角度を調整することが可能な角度調整機構を有していてもよい。
上述のスクリーン印刷装置においては、前記印刷方向変更手段が、印刷方向ベクトルの向きを変化させるためにドクターまたはスキージを移動する移動手段を有していてもよい。
上述のスクリーン印刷装置においては、前記移動手段が、印刷方向ベクトルの向きを前記被印刷面もしくは前記印刷面に垂直な方向の軸を中心として回転させるように、前記ドクターと前記スキージの配置を変更するための回転機構を含んでもよい。
また本発明では、長尺シート状の被印刷基材を一端より繰り出し、長手搬送方向に所定の間隔をおいて間欠的に搬送し、前記被印刷基材の印刷部分をスクリーン印刷版の第一の印刷領域に対応する位置に配置し、前記スクリーン印刷版に第一の印刷ペーストを供給し、前記印刷領域にドクターを移動させることにより前記第一の印刷ペーストを展開し、前記スクリーン印刷版の前記第一の印刷領域の一方の端部に対応する位置から、スキージを前記スクリーン版に降下させ押圧しながら前記第一の印刷領域の他方の端部まで移動させることにより、前記第一の印刷ペーストを前記被印刷基材の印刷部分に転移させることによって第一の印刷を施してから前記被印刷基材を巻き取った後に、巻き取られた前記被印刷基材を前記一端とは逆側の他端から繰り出されるように前記繰り出し機構に配置して、前記被印刷基材を長手搬送方向に所定の間隔をおいて間欠的に搬送し、前記被印刷基材の前記印刷部分を前記スクリーン印刷版の第二の印刷領域に配置し、前記スクリーン印刷版に第二の印刷ペーストを供給し、前記第二の印刷領域において前記ドクターを、前記第一の印刷における前記ドクターの移動方向とは逆向きに移動させることにより前記第二の印刷ペーストを展開し、前記スクリーン印刷版の前記第二の印刷領域の一方の端部に対応する位置から、前記スキージを前記スクリーン版に降下させ押圧しながら前記第二の印刷領域の他方の端部まで、前記第一の印刷における前記スキージの移動方向とは逆向きに移動させることにより、前記第二の印刷ペーストを前記被印刷基材における前記第一の印刷による印刷部分上に、第二の印刷の印刷部分が重なるように転移させることによって第二の印刷を施すことを特徴とする印刷方法も提供することができる。
本発明のスクリーン印刷装置および印刷方法によれば、印刷パターンを積層形成する際、第一の印刷の印刷実施時と第二の印刷の印刷実施時とで、ドクターとスキージの位置を長手搬送方向に関して対称に反転配置させることができる。このため、第一の印刷における印刷方向、即ちスキージの走行方向と、第二の印刷における印刷方向、即ちスキージの走行方向とを、被印刷基材の長手搬送方向に対して反転させて印刷することが可能となる。このため、第一の印刷における印刷パターンの歪み変形の方向と、第二の印刷における印刷パターンの歪み変形の方向とを揃えることができるので、印刷パターンを積層形成したときの、パターンのはみだし、被覆不良がなく、積層ずれを抑え、積層精度のよい印刷体を形成することが可能となる。
本発明の第一の実施形態における、スクリーン印刷装置の概略全体構造を例示する図である。 本発明の第一の実施形態における、印刷方向変更手段によりドクターとスキージの取り付け位置を反転配置した際のスクリーン印刷装置の概略全体構造を例示する図である。 本発明の第二の実施形態における、スクリーン印刷装置の概略全体構造を例示する図である。 実施例および比較例において使用した第一の印刷の印刷パターン図である。 実施例および比較例において使用した第二の印刷の印刷パターン図である。 本発明の実施例に係るスクリーン印刷装置により印刷を行った印刷結果を示す図である。 比較例における、従来の方式でのスクリーン印刷装置により印刷を行った印刷結果を示す図である。 印刷方向ベクトルを説明するための概要図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係るスクリーン印刷においては、印刷パターンの積層形成に際し、複数回の印刷を行うにあたって、印刷方向(すなわち、印刷ペーストを被印刷基材へ転移させるためのスキージの移動方向)を自在に設定することが可能である。この特徴により、積層された印刷パターンの位置関係を整合させることができる。被印刷基材として、ロール形態をなす長尺シート状のものが工業的効率から見て好ましく用いることができるが、本発明は必ずしもこれには限定されず、小さい被印刷基材を使用することも可能である。
スクリーン印刷版のスキージによる押圧による所謂「版伸び」は一般的には、スキージの移動方向に対して順方向側の端の中心が順方向側に伸び、逆方向側の端の両隅部が逆方向側に伸びたような若葉マークのような形状で観察される。本発明者はこうした版伸びの非対称性に着目し、本発明に想到したものである。
図1は、本発明の第一の実施形態に係るスクリーン印刷装置の概略全体構造を例示する図である。
また図2には、図1のスクリーン印刷装置において、印刷方向変更手段によりドクターとスキージの取り付け位置を反転配置した際の概略全体構造を例示している。なお図2では見やすくするため図1と重複する参照番号の一部は省略してある。
図1に示す、本発明の第一の実施形態に係るスクリーン印刷装置は、
a)長尺シート状の被印刷基材1を一端から繰り出す繰り出し機構13
b)被印刷基材1の印刷部分が配置される印刷定盤2
c)印刷定盤2の上方に離間して保持され、印刷定盤2に対して上下に昇降できる機構を有し、かつ印刷を行うための印刷領域4を有するスクリーン印刷版3
d)被印刷基材1を長手搬送方向に所定の間隔Spをおいて間欠的に搬送し、被印刷基材1の印刷部分を、印刷定盤2上に配置してスクリーン印刷版3の印刷領域4に対応する位置に配置する搬送機構(図示せず)
e)スクリーン印刷版3に印刷ペースト5を供給し、印刷領域4にドクター6を移動させることにより、印刷ペースト5を展開する印刷ペースト展開機構11
f)スクリーン印刷版3の印刷領域4の、一方の端部4aに対応する位置から、スキージ7をスクリーン印刷版3へ降下させ押圧しながら印刷領域4の他方の端部4bまで移動させることにより、印刷ペースト5を被印刷基材1に転移させることによって印刷を施す印刷機構12
g)印刷が施された被印刷基材1を巻き取る巻き取り機構14
を備える。
またさらに当該スクリーン印刷装置は、印刷方向ベクトルの向きを設定したときに印刷方向を変更することができる印刷方向変更手段10を有する。この印刷ベクトルとは、印刷機構12が有するスキージ7が印刷を行う前の初期位置を始点に見立て、また印刷ペースト展開機構11が有するドクター6が印刷を行う前の初期位置を終点に見立てたベクトルを、印刷定盤2により定まる被印刷基材1の被印刷面もしくはスクリーン印刷版3の印刷面に投影することで得られるものであって、印刷方向を表すものである。
印刷方向ベクトルについて図8を参照して説明する。図8ではわかりやすさのため、本発明に係るスクリーン印刷装置を極端に簡略化・誇張して描いており、スキージ7およびドクター6を、印刷定盤2の定める面に垂直な方向に吊られたものとして描いてある。スキージ7を始点に、ドクター6を終点としたベクトル20を一点鎖線の矢印として示した。この例では、スキージ7とドクター6の印刷定盤2の定める面に対する高さが違うため、ベクトル20には高さ方向に上を向いた角度がついている。ベクトル20を印刷定盤2の定める面に投影して得られるのが、印刷方向ベクトル22であって、白抜き矢印として示してある(これらのベクトルも説明のため誇張して描いてあることには留意されたい)。なお、ベクトル20は印刷方向ベクトル22と平行であってもかまわない。
印刷方向ベクトル22を反転するまたは回転するとは、印刷定盤2の定める面に垂直な軸を中心して印刷方向ベクトル22の向きを変え、反転または回転した向きとすることを意味する。なお、印刷方向ベクトル22によって表される印刷方向は、被印刷基材1の長手搬送方向と平行である必要は無く、例えば印刷方向は当該長手搬送方向と垂直な方向であってもよい。
この第一の実施形態においては、印刷方向変更手段10は、ドクター6(もしくはドクター6が設置された印刷ペースト展開機構11)ならびにスキージ7(もしくはスキージ7が設置された印刷機構12)のいずれかをそれぞれ装脱着することが可能な第一の装着手段10aと第二の装着手段10bを有している。当該装脱着をするための機構は特に限定されないが、例えば嵌め込み式ソケットもしくはコネクタを用いたもの、ネジやナットなどの係止手段を含むもの、減圧を利用した吸盤などの吸着手段を含むもの、接着剤などの化学的接着手段を含むもの、などの任意の手段を、スクリーン印刷の実施に適切な限りにおいて含めることが可能である。
尚、図1に示すこのスクリーン印刷装置の機構においては、ドクター6とスキージ7は、同一の駆動機構により印刷方向(被印刷基材の長手搬送方向)に対して前後に往復移動できる、一定の距離をおいて搭載された2つの取り付けヘッド(第一の装着手段10aと第二の装着手段10bに対応)に固定されている。即ちこの実施形態では、印刷ペースト展開機構11と印刷機構12の移動は同一の駆動機構で行っている。
他の実施形態においては、印刷ペースト展開機構11と印刷機構12の移動は別々の駆動機構を用いて別々に行うことができる。例えば、ドクター6とスキージ7は別々の駆動機構で各々に移動可能な取り付けヘッドに固定される形態であっても良く、即ち、印刷ペースト展開機構11と印刷機構12の移動がそれぞれ独立した単独の駆動機構によるものであっても良い。
また、ドクター6とスキージ7が固定される取り付けヘッドは、それぞれ単独で印刷定盤2に対して上下動し、スクリーン印刷版3に対する降下量(押し込み量)、押圧圧力、取り付け(傾け)角度が設定、調節出来る機構、構造となっていてもよい。また当該取り付けヘッドへのドクター6またはスキージ7の装脱着は、手動(人力)によるものであってもよいし、あるいは機械的手段により自動で行われるものであってもよい。
例えば図2に示す様にドクター6とスキージ7の固定位置を被印刷基材1の長手搬送方向に対して相互に入れ替えた状態で取り付けヘッドに固定させた際でも、取り付けヘッドは、それぞれ単独で印刷定盤に対して上下動し、スクリーン印刷版3に対する降下量(押し込み量)、押圧圧力、取り付け(傾け)角度が設定、調節することが出来る。このようにすることで、印刷ペースト展開機構11と印刷機構12の相対的位置関係を切り替える(反転配置させる)ことが可能となる。換言すれば、印刷ペースト展開機構11と印刷機構12の位置を、印刷方向ベクトルを反転させるように入れ換え可能であるということである。なお、こうした位置の変更は必ずしも正確に反転することは要せず、別の実施形態においては、スクリーン印刷に適切な限りにおいて任意の位置変更を行うことができる。
ドクター6とスキージ7のスクリーン印刷版3に対する降下量(押し込み量)および押圧圧力は、目的とするスクリーン印刷の種類やスクリーン印刷盤3の材質もしくは被印刷基材1の材質などに応じて設定されるものであり、適切な値を設定することが可能であるが、例えば降下量は0〜10mm、押圧圧力は0.01〜0.5MPaの範囲としてもよい。また押圧圧力は、例えば感圧フィルム(富士フィルム社製のプレスケール(商品名)など)を用いて測定することが可能である。なおこの降下量もしくは押圧圧力またはその双方は、印刷の歪みを抑制するという観点から、第一の印刷の工程と第二の印刷の工程において近いか等しいことが望ましく、例えば25%以下の差異、好ましくは10%以下の差異、より好ましくは実質的に等しくすることができる。
またドクター6とスキージ7のスクリーン印刷版3の印刷面または印刷定盤2により定まる被印刷基材1の被印刷面に対する取り付け(傾け)角度についても、目的とするスクリーン印刷の種類やスクリーン印刷盤3の材質もしくは被印刷基材1の材質などに応じて任意に定めることができるが、例えば60〜90°の範囲とすることができる。好ましい態様においては、ドクター6とスキージ7の取り付け角度を調整するための任意の角度調整機構(手段)10c(図1には例示されている)を含めることができ、例えば角度表示機能を具えた角度計や、角度を定めるためのネジやナットなどの係止手段などを含めることが可能である。
次に、上記スクリーン印刷装置を用いて、ロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材に、印刷ペーストを用いて、二層以上の積層パターンで印刷を行う方法についてさらに詳細に説明する。
第一(一層目)の印刷の例として、図1に示す様に、被印刷基材1の繰り出し機構13側にスキージ7を、巻き取り機構14側にドクター6を設定することを考える。なおこれはあくまで一例であり、スキージ7とドクター6の位置関係は逆でもかまわないことは理解されたい。またこの例では簡単のため、印刷方向を被印刷基材1の長手搬送方向に平行なものとしているが、上述したとおり、印刷方向を当該長手搬送方向と平行でないものとしてもよい。
先ず、ロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材1を繰り出し機構13を用いて一端より繰り出し、被印刷基材1の印刷部分を、印刷定盤2の上方に離間して保持されたスクリーン印刷版3の印刷領域4に合わせるような位置に設定しつつ、印刷定盤2の上方に配置、固定させる。
次に、スクリーン印刷版3上に印刷ペースト5を供給し、ドクター6を印刷領域4の一方の端部(図1の例では4b)でスクリーン印刷版3の上面から一定の間隔を設けた位置まで下降させる。その後、印刷領域4の他方の端部(図1の例では4a)までドクター6を移動させた後、上昇させ元の高さに戻すことにより、印刷ペースト5を印刷領域4に展開させる。なおここで説明している例および後述する実施例では、被印刷基材1の長手搬送方向とドクター6・スキージ7の移動方向(印刷ペースト展開方向・印刷方向)が平行であるとしているが、これはあくまで例示であって、印刷ペースト展開方向や印刷方向が長手搬送方向と平行でなくてもよい。
尚、全体の印刷タクトタイムを短縮する目的で、印刷ペースト5の展開動作は、被印刷基材1の搬送動作と同時に行っても構わない。後述する第二の印刷についても同様である。
次に、スクリーン印刷版3を、スクリーン印刷版3の下面(印刷面)と被印刷基材1の被印刷面(上面)との間に所定の間隔を設けてなるよう下降させる。この状態で、印刷領域4の、一方の端部に対応する位置(図1の例では4a)から、スキージ7を所定の圧力と降下量で降下させ、スクリーン印刷版3に押圧しながら印刷領域の他方の端部(図1の例では4b)まで移動させた後、上昇させ元の高さに戻し、スクリーン印刷版3を上昇させ元の高さに戻すことにより、印刷ペースト5が被印刷基材1の印刷部分に転移され第一の印刷が施される。なお、スキージ7の圧力と降下量は上述したように印刷条件に合わせて適切に設定できるものである。
上記の第一の印刷の動作が完了した後に、被印刷基材1を長手搬送方向に所定の間隔(Sp)をおいて間欠的に搬送し、被印刷基材1の次の印刷部分がスクリーン印刷版3の印刷領域4に対応する位置に配置された後、上記印刷動作を繰り返すことができる。こうすることで、被印刷基材1に任意の回数の第一の印刷を行うことができ、被印刷基材1上に第一の印刷の印刷パターンを任意の個数作成することができる。なおこれは工業上の効率のために好ましい構成ではあるが、他の実施形態においては、被印刷基材1が小さく、第一の印刷と第二の印刷を一回ずつ行うものであってもかまわない。
尚、第一の印刷が施された被印刷基材1は、乾燥手段(不図示)により第一の印刷を乾燥させることが好ましい。そのように乾燥が行われた後に被印刷基材1を巻き取り機構14によって例えばロール形態に巻き取り、第一の印刷パターンを形成するための第一の印刷が完了する。
第一の印刷が完了し巻き取られた被印刷基材1は、あらためて繰り出し機構13にセットすることができる。このとき、第一の印刷を行う前と後で被印刷基材1の向きが長手搬送方向に対して逆になる(反転する)ことに留意されたい。すなわち被印刷基材1への第二(二層目)の印刷にあたっては、第一の印刷による第一の印刷パターンを第一の印刷のときとは逆方向から見ることになる。
第二の印刷に際しては、印刷方向変更手段10を用いることで、図2に示す様に、被印刷基材1の繰り出し機構13側にドクター6を、巻き取り機構14側にスキージ7を配置することができる。なおこの配置は一例であることは第一の印刷に関して上述したとおりである。
第二(二層目)の印刷においては先ず、第一の印刷が施された、(ロール形態をなす)長尺シート状の被印刷基材1を第一の印刷のときとは反対の一端より繰り出し機構13により繰り出し、被印刷基材1上の第一の印刷が施された印刷部分を、印刷定盤2の上方に離間して保持されたスクリーン印刷版3の印刷領域4に合わせて、印刷定盤2の上方に配置、固定させる。
その後、第一の印刷パターンと第二の印刷パターンとを所定の積層関係で重ね合わせるため、第一の印刷パターン内に印刷付与されたアライメントマークやターゲットマーク等をセンサやカメラ等のセンシングデバイス(不図示)により認識させ、第一の印刷が施された被印刷基材1の配置位置に合わせて、スクリーン印刷版3の位置補正を行い、第一の印刷パターンと第二の印刷パターンとの積層位置関係の整合を行う。
次に、スクリーン印刷版3上に(第二の)印刷ペースト5を供給し、ドクター6を(第二の)印刷領域4の一方の端部(図2の例では4a)でスクリーン印刷版3の上面から一定の間隔を設けた位置まで下降させた後、印刷領域4の他方の端部(図2の例では4b)まで移動させた後、上昇させ元の高さに戻すことにより、(第二の)印刷ペースト5を印刷領域4に展開させる。
次に、スクリーン印刷版3を、スクリーン印刷版3の下面(印刷面)と被印刷基材1の被印刷面(上面)との間に所定の間隔を設けてなるよう下降させた状態で、(第二の)印刷領域4の一方の端部に対応する位置(図2の例では4b)で、スキージ7を所定の圧力と降下量で降下させ、スクリーン印刷版3に押圧しながら(第二の)印刷領域4の他方の端部(図2の例では4a)まで移動させた後、上昇させ元の高さに戻し、スクリーン印刷版3を上昇させ元の高さに戻すことにより、(第二の)印刷ペースト5が被印刷基材1の印刷部分に転移され第二の印刷が施される。
上記の第二の印刷の動作が完了した後、被印刷基材1を長手搬送方向に所定の間隔(Sp)をおいて間欠的に搬送し、被印刷基材1の次の印刷部分がスクリーン印刷版3の印刷領域に対応する位置に配置された後、上記印刷動作を繰り返すことができるのは第一の印刷と同様である。また乾燥手段(不図示)を用いて第二の印刷パターンを乾燥させた後に被印刷基材1を巻き取ることができることも第一の印刷と同様である。
第一の印刷パターン上に第二の印刷パターンを形成する第二の印刷が完了したその後に、更に第三(三層目)の印刷やさらに多数回の印刷を行う際には、ドクター6とスキージ7の配置を一つ前(前層)の印刷を行った際とは相互に反転して状態で固定し、上記印刷動作を繰り返して被印刷基材1への印刷を行うことが好ましい。なお別の実施形態においては、ドクター6とスキージ7の配置を、上述以外のやりかたで行ってもよく、例えば第一の印刷と第五の印刷におけるドクター6とスキージ7の配置(印刷方向)が同じで、第二の印刷と第三の印刷と第四の印刷におけるドクター6とスキージ7の配置(印刷方向)がその逆であるようにしてよい。印刷方向の設定は、目的とするスクリーン印刷の種類に応じて任意に好ましく設定可能である。
図3は本発明の第二の実施形態に係るスクリーン印刷装置の概略全体構造を例示する図である。この第二の実施形態は上述した第一の実施形態と類似しているが、印刷方向変更手段10が、ドクター6とスキージ7の相対的位置関係を変化させるための移動手段15を有している点が異なる。図3に示した例では、移動手段15が、ドクター6とスキージ7の配置を変更して印刷方向ベクトルを回転もしくは反転させるための回転手段を有している。
図3に示す例では、上記回転手段が、駆動機構部に回転軸を有し、回転軸を中心に機構部全体を任意の角度で(例えば180度)回転可能な構造、機能を有することにより、ドクター6とスキージ7の反転配置を可能とするものとなっている。この例では、ドクター6(もしくはドクター6を有する印刷ペースト展開機構11)とスキージ7(もしくはスキージ7を有する印刷機構12)とが、同一の駆動機構で印刷方向に対して前後に往復移動する駆動機構部に一定の距離をおいて搭載された2つの取り付けヘッドに各々固定されており、上記回転手段によって位置関係を反転できるようになっている。なおこれは一例であり、回転方向や回転可能角度はスクリーン印刷に適切な限りにおいて任意に設定可能であることに留意されたい。
以下に、本発明のスクリーン印刷装置を用いて、実際に積層印刷を行った際の実施例および比較例を示し、具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例)
この実施例では、図1および図2に示した実施形態に対応するスクリーン印刷装置を用いた。厚み50μm、幅450mm、長さ500mの透明PETフィルムからなるロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材を用意し、これを図1に示す本発明のスクリーン印刷装置の繰り出し機構にセットした。
ドクターを巻き取り機構側に配置し、スキージを繰り出し機構側に配置した。第一のスクリーン印刷版に対する取り付け(傾け)角度は、ドクターは90°(垂直)、スキージは70°で固定した。
第一の印刷パターンとして、図4に示す様な印刷が施されるように製版を行ったステンレスメッシュの第一のスクリーン印刷版を用意し、印刷定盤の上方に離間してセット、保持させた。
ロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材を長手搬送方向に繰り出し、被印刷基材の印刷部分を第一のスクリーン印刷版の印刷領域まで搬送し、印刷定盤上に配置させた。
第一のスクリーン印刷版上に第一の印刷ペースト(東洋インキ社製 SS65−611白)を供給し、ドクターを図1に示す4bから4aの方向(すなわち、被印刷基材の長手搬送方向に対して逆方向)に移動させ、印刷領域に印刷ペーストを展開させた後、第一のスクリーン印刷版を第一のスクリーン印刷版の下面(印刷面)と被印刷基材の被印刷面(上面)との間隔が3mmとなる位置まで下降させ、スキージを第一のスクリーン印刷版に0.15MPaで押圧しながら、図1に示す4aから4bの方向(すなわち、被印刷基材の長手搬送方向に対して順方向、かつ図4に示す矢印の方向)に移動させ、第一の印刷ペーストを被印刷基材に転移させ、第一の印刷を施した。
その後、被印刷基材を長手搬送方向に所定の間隔(Sp)をおいて間欠的に搬送し、次の印刷部分を印刷定盤上の第一のスクリーン印刷版の印刷領域に対応する位置に配置させた後、上記印刷動作を繰り返しながら、印刷が施された部分を搬送の過程で遠赤外線乾燥炉内(雰囲気温度80℃、3分間)を通過させ、乾燥を行った後、巻き取り、第一の印刷を完了させた。
次に、上記第一の印刷が完了し巻き取られたロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材を、第一の印刷の終了端から繰り出されるように本発明のスクリーン印刷装置の繰り出し機構にセットした。
第二の印刷を行うにあたり図2に示す様に、印刷方向変更手段を用い、ドクターを繰り出し機構側、スキージを巻き取り機構側に配置して、第二のスクリーン印刷版に対する取り付け(傾け)角度を、ドクターは90°(垂直)、スキージは70°で固定した。
第二の印刷パターンとして、図5に示す様な印刷が施されるように製版を行ったステンレスメッシュの第二のスクリーン印刷版を用意し、印刷定盤上方に離間してセット、保持させた。ロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材を第一の印刷のときとは反対の一端より繰り出し長手搬送方向に繰り出し、被印刷基材の印刷部分を第二のスクリーン印刷版の印刷領域まで搬送し、印刷定盤上に配置させた。
この際に、第一の印刷パターン中のアライメントマークをカメラ認識によって検出し、配置位置に合わせて、第二のスクリーン印刷版の位置補正を行い、第一の印刷パターンと第二の印刷パターンとが、機械的にはズレが無く重なる様に積層位置の整合を行った。なお整合中心は、図4のアライメントマークOの中心と、図5のアライメントマークO’の中心に設定し、この二つのアライメントマークが重なるようにした。
第二のスクリーン印刷版上に第二の印刷ペースト(東洋インキ社製 SS65−911墨)を供給し、ドクターを図2に示す4aから4bの方向(すなわち、被印刷基材の長手搬送方向に対して順方向)に移動させ、印刷領域に第二の印刷ペーストを展開させた後、整合位置の補正が行われた状態で第二のスクリーン印刷版を第二のスクリーン印刷版の下面(印刷面)と被印刷基材の被印刷面との間隔が3mmとなる位置まで下降させ、スキージを第二のスクリーン印刷版に押圧しながら、図2に示す4bから4aの方向(すなわち、被印刷基材の長手搬送方向に対して逆方向、かつ図5に示す矢印の方向)に移動させ、第二の印刷ペーストを被印刷基材に転移させ、第二の印刷を施した。
その後、被印刷基材を長手搬送方向に所定の間隔(Sp)をおいて間欠的に搬送し、次の印刷部分を印刷定盤上のスクリーン印刷版の印刷領域に対応する位置に配置させた後、上記印刷動作を繰り返しながら、印刷が施された部分を搬送の過程で上記遠赤外線乾燥炉内を通過させ、乾燥を行った後、巻き取り、第二の印刷を完了させた。結果を図6に示す(評価については後述)。
(比較例)
厚み50μm、幅450mm、長さ500mの透明PETフィルムからなるロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材を用意し、これを図1に示すスクリーン印刷装置と同様の装置(ただし印刷方向変更手段を有しない)の繰り出し機構にセットした。
ドクターを巻き取り機構側、スキージを繰り出し機構側に、第一のスクリーン印刷版に対する取り付け(傾け)角度を、ドクターは90°(垂直)、スキージは70°で固定した。
第一の印刷パターンとして、図4に示す様な印刷が施されるように製版を行ったステンレスメッシュの第一のスクリーン印刷版を用意し、印刷定盤上方に離間してセット、保持させた。ロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材を長手搬送方向に繰り出し、被印刷基材の印刷部分を第一のスクリーン印刷版の印刷領域まで搬送し、印刷定盤上に配置させた。
第一のスクリーン印刷版上に第一の印刷ペースト(東洋インキ社製 SS65−611白)を供給し、ドクターを図1に示す4bから4aの方向(すなわち、被印刷基材の長手搬送方向に対して逆方向)に移動させ、印刷領域に第一の印刷ペーストを展開させた後、第一のスクリーン印刷版を第一のスクリーン印刷版の下面(印刷面)と被印刷基材の被印刷面との間隔が3mmとなる位置まで下降させ、スキージをスクリーン印刷版に押圧しながら、図1に示す4aから4bの方向(すなわち、被印刷基材の長手搬送方向に対して順方向、かつ図4に示す矢印の方向)に移動させ、印刷ペーストを被印刷基材に転移させ、印刷を施した。
その後、被印刷基材を長手搬送方向に所定の間隔(Sp)をおいて間欠的に搬送し、次の印刷部分を印刷定盤上のスクリーン印刷版の印刷領域に対応する位置に配置させた後、上記印刷動作を繰り返しながら、印刷が施された部分を搬送の過程で上記遠赤外線乾燥炉内を通過させ、乾燥を行った後、巻き取り、第一の印刷を完了させた。
次に、上記第一の印刷が完了し巻き取られた、ロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材を、実施例と同様に第一の印刷の終了端から繰り出されるように図1に示すスクリーン印刷装置の繰り出し機構にセットした。
従来の(印刷方向変更手段を用いない方式の)スクリーン印刷装置により第二の印刷を行った。すなわちドクター及びスキージは第一の印刷時と同様に、ドクターを巻き取り機構側、スキージを繰り出し機構側に、第二のスクリーン印刷版に対する取り付け(傾け)角度を、ドクターは90°(垂直)、スキージは70°で固定した。
第二の印刷パターンとして、図5に示す様な印刷が施されるように製版を行ったステンレスメッシュの第二のスクリーン印刷版を用意し、印刷定盤上方に離間してセット、保持させた。ロール形態をなす長尺シート状の被印刷基材を第一の印刷のときとは反対の一端より長手搬送方向に繰り出し、被印刷基材の印刷部分を第二のスクリーン印刷版の印刷領域まで搬送し、印刷定盤上に配置させた。
この際に、上述した実施例と同様、第一の印刷パターン中のアライメントマークをカメラ認識によって検出し、配置位置に合わせて、第二のスクリーン印刷版の位置補正を行い、第一の印刷パターンと第二の印刷パターンとが、機械的にはズレが無く重なる様に積層位置の整合を行った。整合中心は、図4のアライメントマークOの中心と、図5のアライメントマークO’の中心とした。
第二のスクリーン印刷版上に第二の印刷ペースト(東洋インキ社製 SS65−911墨)を供給し、ドクターを図1に示す4bから4aの方向(すなわち、被印刷基材の長手搬送方向に対して逆方向)に移動させ、印刷領域に印刷ペーストを展開させた後、スクリーン印刷版をスクリーン印刷版の下面(印刷面)と被印刷基材の被印刷面との間隔が3mmとなる位置まで下降させ、スキージをスクリーン印刷版に押圧しながら、図1に示す4aから4bの方向(すなわち、被印刷基材の長手搬送方向に対して順方向、かつ図5に示す矢印の方向の逆)に移動させ、印刷ペーストを被印刷基材に転移させ、印刷を施した。
その後、被印刷基材を長手搬送方向に所定の間隔(Sp)をおいて間欠的に搬送し、次の印刷部分を印刷定盤上の第二のスクリーン印刷版の印刷領域に対応する位置に配置させた後、上記印刷動作を繰り返しながら、印刷が施された部分を搬送の過程で上記遠赤外線乾燥炉内を通過させ、乾燥を行った後、巻き取り、第二の印刷を完了させた。
(評価)
本発明のスクリーン印刷機構、装置により積層印刷を行った実施例の印刷物と、反転機構を用いない従来の方式でのスクリーン印刷機構、装置により積層印刷を行った比較例の印刷物の積層精度について評価を行った。
実施例、比較例における評価結果をそれぞれ図6、図7に示す。また比較結果を表1に示す。
図6は本発明のスクリーン印刷機構、装置により印刷を行った実施例の印刷結果を示す図であって、図4に示すパターンで第一の印刷を、図5に示すパターンで第二の印刷を施し、積層印刷を行った印刷物の各ターゲットマーク(A〜H、A’〜H’)の印刷位置を測定し、設計上での印刷位置に対するずれ量、印刷形状(歪みの状態)、第一の印刷と第二の印刷との積層状態を示している。本発明に係る装置により、印刷結果のずれが小さくなっていることが理解できる。
また図7は印刷方向変更手段を用いない従来の方式でのスクリーン印刷装置により印刷を行った比較例の印刷結果を示す図であって、図4に示すパターンで第一の印刷を、図5に示すパターンで第二の印刷を施し、積層印刷を行った印刷物の各ターゲットマーク(A〜H、A’〜H’)の印刷位置を測定し、設計上での印刷位置に対するずれ量、印刷形状(歪みの状態)、第一の印刷と第二の印刷との積層状態を示している。従来技術に係る装置では、スクリーン印刷版の押圧による歪みが第一の印刷と第二の印刷で反転したかたちで重なってしまっており、積層印刷として不適切であることが理解される。
実施例、比較例における積層精度を下記の表1にまとめた。表1は第一の印刷の各ターゲットマークの印刷位置に対する、第二の印刷の各ターゲットマークの印刷位置のずれ量を示すものである。
比較例の印刷物では、第一の印刷における印刷形状と第二の印刷における印刷形状とで歪みの方向が反転された状態で印刷が施されているため、第一の印刷に対して第二の印刷を印刷位置の補正を加えて印刷を施したとしても、四隅の部分では歪みによる位置ずれ量が大きくなり、見当が合わず積層ずれが生じている。
一方、実施例の印刷物では、第一の印刷における印刷形状と第二の印刷における印刷形状とで歪みの方向が同一で印刷が施されているため、第一の印刷に対して第二の印刷は、歪みによる位置ずれ量が小さいため、見当が合い積層ずれを生じることなく、精度の良い印刷が施されている。
1 被印刷基材
2 印刷定盤
3 スクリーン印刷版
4 印刷領域
4a 印刷領域の端部
4b 印刷領域の端部
5 印刷ペースト
6 ドクター
7 スキージ
10 印刷方向変更手段
10a 第一の装着手段
10b 第二の装着手段
10c 角度調整機構
11 印刷ペースト展開機構
12 印刷機構
13 繰り出し機構
14 巻き取り機構
15 移動手段
20 ベクトル
22 印刷方向ベクトル

Claims (6)

  1. 長尺シート状の被印刷基材を間欠的に搬送し、印刷を行うスクリーン印刷装置であって、
    a)長尺シート状の被印刷基材を一端から繰り出す繰り出し機構と、
    b)前記繰り出し機構により繰り出された前記被印刷基材の印刷部分が配置される印刷定盤と、
    c)前記印刷定盤の上方に離間して保持され、前記印刷定盤に対して上下に昇降できる機構を有し、かつ印刷を行うための印刷領域を有するスクリーン印刷版と、
    d)前記繰り出し機構により繰り出された前記被印刷基材を、長手方向に間欠的に搬送し、前記被印刷基材の前記印刷部分を、前記印刷定盤上に配置して前記スクリーン印刷版の前記印刷領域に対応する位置に配置する搬送機構と、
    e)前記スクリーン印刷版に印刷ペーストを供給し、前記印刷領域にドクターを移動させることにより、前記印刷ペーストを展開する印刷ペースト展開機構と、
    f)前記スクリーン印刷版の前記印刷領域の一方の端部に対応する位置から、スキージを前記スクリーン印刷版へ降下させ押圧しながら前記印刷領域の他方の端部まで移動させることにより、前記印刷ペーストを前記被印刷基材に転移させることによって、前記被印刷基材に対し印刷を施す印刷機構と、
    g)印刷が施された前記被印刷基材を巻き取る巻き取り機構と
    を有し、
    前記印刷機構が有する前記スキージが印刷を行う前の初期位置を始点に見立て、且つ前記印刷ペースト展開機構が有する前記ドクターが印刷を行う前の初期位置を終点に見立てたベクトルを、前記印刷定盤により定まる前記被印刷基材の被印刷面もしくは前記スクリーン印刷版の印刷面に投影することで得られる、印刷方向を表す印刷方向ベクトルを設定したとき、前記印刷方向ベクトルの向きを変更するための、印刷方向変更手段
    をさらに有する、スクリーン印刷装置。
  2. 前記印刷方向変更手段が、
    前記ドクターまたは前記スキージのいずれかをそれぞれ装脱着することができる第一の装着手段および第二の装着手段を含む、請求項1に記載のスクリーン印刷装置。
  3. 前記第一の装着手段および前記第二の装着手段の少なくとも一方が、前記ドクターまたは前記スキージの、前記印刷定盤により定まる前記被印刷基材の被印刷面もしくは前記スクリーン印刷版の印刷面に対する取り付け角度を調整することが可能な角度調整機構を有する、請求項2に記載のスクリーン印刷装置。
  4. 前記印刷方向変更手段が、前記印刷方向ベクトルの向きを変化させるために前記ドクターまたは前記スキージを移動する移動手段を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のスクリーン印刷装置。
  5. 前記移動手段が、前記印刷方向ベクトルの向きを前記被印刷面もしくは前記印刷面に垂直な方向の軸を中心として回転させるように、前記ドクターと前記スキージの配置を変更するための回転機構を含む、請求項4に記載のスクリーン印刷装置。
  6. 長尺シート状の被印刷基材を一端より繰り出し、長手搬送方向に所定の間隔をおいて間欠的に搬送し、前記被印刷基材の印刷部分をスクリーン印刷版の第一の印刷領域に対応する位置に配置し、前記スクリーン印刷版に第一の印刷ペーストを供給し、前記印刷領域にドクターを移動させることにより前記第一の印刷ペーストを展開し、前記スクリーン印刷版の前記第一の印刷領域の一方の端部に対応する位置から、スキージを前記スクリーン版に降下させ押圧しながら前記第一の印刷領域の他方の端部まで移動させることにより、前記第一の印刷ペーストを前記被印刷基材の印刷部分に転移させることによって第一の印刷を施してから前記被印刷基材を巻き取った後に、巻き取られた前記被印刷基材を前記一端とは逆側の他端から繰り出されるように前記繰り出し機構に配置して、前記被印刷基材を長手搬送方向に所定の間隔をおいて間欠的に搬送し、前記被印刷基材の前記印刷部分を前記スクリーン印刷版の第二の印刷領域に配置し、前記スクリーン印刷版に第二の印刷ペーストを供給し、前記第二の印刷領域において前記ドクターを、前記第一の印刷における前記ドクターの移動方向とは逆向きに移動させることにより前記第二の印刷ペーストを展開し、前記スクリーン印刷版の前記第二の印刷領域の一方の端部に対応する位置から、前記スキージを前記スクリーン版に降下させ押圧しながら前記第二の印刷領域の他方の端部まで、前記第一の印刷における前記スキージの移動方向とは逆向きに移動させることにより、前記第二の印刷ペーストを前記被印刷基材における前記第一の印刷による印刷部分上に、第二の印刷の印刷部分が重なるように転移させることによって第二の印刷を施すことを特徴とする印刷方法。
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