JP2009126666A - スクリューフィーダの回転軸シール構造及びその組立方法 - Google Patents

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Shuichi Okabe
修一 岡部
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Abstract

【課題】 従来のスクリューフィーダにあっては搬送する粉体等の重力荷重が回転軸にかかり、これを撓ませてしまうため、軸端の棒状部分が回転時に味噌擂り状に暴れ、著しくシール部材を早期に磨耗させてしまうという点である。
【解決手段】 スクリューフィーダの回転軸シール構造はケーシングに内蔵されたスクリューフィーダの回転軸のケーシングから突出された端部に位置をずらせてベアリング機構とシール機構を設けたスクリューフィーダの回転軸シール構造において、前記回転軸シール機構はケーシングの外側に装備されるシールハウジング内に、回転軸と接するシール材と、そのシール材の外側に可撓性を有する変位吸収材を同芯状に重ねて備えていることとする。
【選択図】 図1

Description

本発明はスクリューフィーダ、特に粉体や顆粒体をケーシングの一部に設けられた貯蔵ホッパーから定量的に排出し、搬送するためのスクリューコンベアを用いたスクリューフィーダに関し、特にその回転軸シール構造及びその組立方法の改良に関する。
従来、上記したスクリューフィーダは、スクリューコンベアを内蔵したケーシングを地表あるいは床面と平行な横向きに設置され、ケーシングの一部上面に連接された貯蔵ホッパーから順次定量的に粉体等が投入され、その粉体等を回転する螺旋状羽根で搬送し、最終的にケーシングから他の容器等へ移送する。
しかし、この装置では搬送距離にもよるが、スクリューの軸は長く、搬送される粉体等の重力荷重が鉛直方向にかかるため、このスクリューの軸(回転軸)が撓んでしまう。また、このスクリューコンベアを内蔵するケーシングも長いものとなり、溶接等によって製作された後に機械加工を行なうことは困難である。
一方、スクリューの軸端には通常ベアリングと、グランドパッキンやオイルシール等によって構成されるシール装置が装備され、このベアリングとシール装置は位置をずらして(間隔を隔てて)配置される。ここで、軸が撓んでしまうことで、スクリュー軸端となる棒状部分を回転軸全体の軸芯に対してブレが無いように製作することは難しい。このため、ベアリングの芯を中心として軸が回転するとき、シール装置と対応する部分は軸が味噌擂り状に暴れた回転となってしまい、これに起因してシール部材が著しく早期に磨耗してしまうものとなっていた。
出願人は本願発明に関して、先行する技術文献を調査したが、格別に本願発明と関連し、類似すると思われる文献は発見する事が出来なかった。
本発明が解決しようとする問題点は、従来のスクリューフィーダにあっては搬送する粉体等の重力荷重が回転軸にかかり、これを撓ませてしまうため、軸端の棒状部分が回転時に味噌擂り状に暴れ、著しくシール部材を早期に磨耗させてしまうという点である。
この問題点を解決するために、本発明に係るスクリューフィーダの回転軸シール構造はケーシングに内蔵されたスクリューフィーダの回転軸のケーシングから突出された端部に位置をずらせてベアリング機構とシール機構を設けたスクリューフィーダの回転軸シール構造において、前記回転軸シール機構はケーシングの外側に装備されるシールハウジング内に、回転軸と接するシール材と、そのシール材の外側に可撓性を有する変位吸収材を同芯状に重ねて備えていることを特徴とし、前記したシール材はオイルシールとしたことを特徴とし、前記した変位吸収材はOリングとしたことを特徴としている。
また、本発明に係るスクリューフィーダの回転軸シール構造の組立方法はケーシングの側面から突出されたスクリューフィーダの回転軸に、ケーシングの外部で、予めシール材と変位吸収材を同芯状に備えたシールハウジングを嵌め付け、その後回転軸の軸端に、ベアリングユニットを嵌着し、そのベアリングユニットに取り付けられた支持金具をケーシングの側面に固定することを特徴としている。
上記したように、本願に係るスクリューフィーダの回転軸シール構造によると、シール機構はシール材の外側に変位吸収材を同芯状に重ねて備えているため、撓んだ回転軸の軸端が味噌擂り状に暴れたとしてもその変位を有効に吸収し、シール材は軸芯変位に追従することとなって、このシール材の寿命を長いものとする事が出来る。
また、本発明によれば芯出し(芯を合わせる作業)が不要となって組立が容易となり、シール材の交換も容易となってメンテナンス作業に対しても優れたものとなる。
図面として示し、実施例で説明したように構成することで実現した。
次に、本発明の好ましい実施の一例を図面を参照して説明する。図1は本発明を実施したスクリューフィーダの回転軸シール構造を示す要部断面図である。
この図1にあって符号1は横長に設定されているケーシングを示しており、2はそのケーシング1の上面を覆うカバーである。このカバー2の一部に図示しない透孔が穿設され、粉体等の被搬送物の貯蔵ホッパーが連接される。
また、前記したケーシング1の側壁1aには挿通孔1bが穿設され、この挿通孔1bの内壁面は内方から外方に向けて小径となる擂鉢状に形成されている。この挿通孔1bにはケーシング1内から、螺旋状羽根4を周囲に形成した回転軸3の軸端棒状部3aが外部へ突出されて嵌め付けられている。
この突出された棒状部3aの突端には内輪と外輪を有し、その内輪と外輪で構成される軌道にボールを介在させたボールベアリング6aを組み付けたベアリングユニット6が被冠状態で嵌着されている。また、このベアリングユニット6はベアリング支持金物5と連接され、このベアリング支持金物5の取付フランジ5aがボルトによってケーシング1の側壁1aの外面に止着されている。この構造にあってベアリング支持金物5はケーシング1の側壁1aとベアリングユニット6とのスペーサとしても作用するものとなっている。
前記したベアリング支持金物5内の空間内ではシールハウジング7が棒状部3aへ嵌装され、その取付フランジ7aがボルトによってケーシング1の側壁1aの外面に止着されている。このシールハウジング7内には、その内壁面に沿って複数本のOリング8が嵌入され、そのOリング8の内側に複数のオイルシール9が同芯状に重合して備えられ、このオイルシール9が回転軸3の棒状部3aの外周面と摺接するものとなっている。
本発明に係るスクリューフィーダの回転軸シール構造は上記のように構成されており、次いで、このシール構造の組立方法を説明する。まず、予めシールハウジング7内にOリング8及びオイルシール9を同芯状に重合して嵌入セットしたものを用意しておく。そして、スクリューコンベアを構成する回転軸3の軸端である棒状部3aを挿通孔1bに挿通し、ケーシング1の側壁1aから外部へ突出させる。
続いて、その突出された棒状部3aに用意されているシールハウジング7を嵌め付け、ケーシング1の側壁1aの外面にボルトで止着する。この際、取付フランジ7aと側壁1aとの間に可撓性のある材質のシール等を挟み込めば、さらに回転軸3の棒状部3aの変位吸収性を向上させる事が出来る。このシールは特に図示していないが、Oリングやシートパッキング等で可能であり、格別に特定されるものではない。
そして、突出され、多少の摺動が可能となっている棒状部3aの軸端に、ベアリング支持金物5を装着したベアリングユニットを被冠状態で装着し、そのまま、棒状部3aをケーシング1へ押し込むようにして、ベアリング支持金物5の取付フランジ5aをケーシング1の側壁1aの外面へボルトによって止着する。この際ベアリングユニット6の芯は回転軸3(棒状部3a)に追従するので、格別な芯出し作業を行なう必要はなくなる。
係る構成としたスクリューフィーダの回転軸シール構造は、回転軸が粉体等の重力荷重で撓み、回転すると僅かに振れるが、この振れはオイルシール9の外側にOリング8が配置されているため、このOリング8が変位を吸収し、その為、オイルシール9は回転中の回転軸3の軸芯変位に追従できることとなって、このオイルシール9の製品寿命が大幅に長くなる。
本発明に係るスクリューフィーダの回転軸シール構造及びその組立方法は上記のように構成されている。本実施例はオイルシール9を使用することとしたが、これにこだわらずグランドパッキングでも良く、この場合はグランドパッキングの外側に金属製パイプを設け、その外側にOリングを設ければよい。
また、本実施例では変位吸収材としてOリング8を示したが、これも可撓性のある材質、換言すると復元性のある柔らかい材質の部材で代替することも可能である。
さらには、外部からシールハウジング7を貫通させたガス吹き込み孔を形成して、ケーシング1内に向かって、運転中に粉体等がシール部分に侵入してしまうのを防ぐためのガスパージを行なうことも可能である。
本発明を実施したスクリューフィーダの回転軸シール構造を示す要部断面図である。
符号の説明
1 ケーシング
1a 側壁
1b 挿通孔
2 カバー
3 回転軸
4 螺旋状羽根
5 ベアリング支持金物
5a 取付フランジ
6 ベアリングユニット
6a ボールベアリング
7 シールハウジング
7a 取付フランジ
8 Oリング
9 オイルシール

Claims (4)

  1. ケーシングに内蔵されたスクリューフィーダの回転軸のケーシングから突出された端部に位置をずらせてベアリング機構とシール機構を設けたスクリューフィーダの回転軸シール構造において、前記回転軸シール機構はケーシングの外側に装備されるシールハウジング内に、回転軸と接するシール材と、そのシール材の外側に可撓性を有する変位吸収材を同芯状に重ねて備えていることを特徴とするスクリューフィーダの回転軸シール構造。
  2. 前記したシール材はオイルシールとしたことを特徴とする請求項1に記載のスクリューフィーダの回転軸シール構造。
  3. 前記した変位吸収材はOリングとしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスクリューフィーダの回転軸シール構造。
  4. ケーシングの側面から突出されたスクリューフィーダの回転軸に、ケーシングの外部で、予めシール材と変位吸収材を同芯状に備えたシールハウジングを嵌め付け、その後回転軸の軸端に、ベアリングユニットを嵌着し、そのベアリングユニットに取り付けられた支持金具をケーシングの側面に固定することを特徴とするスクリューフィーダの回転軸シール構造の組立方法。
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