JP2009125846A - ロボットの手首装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ワークの周囲に配置される設備にケーブルを干渉させずに、狭隘環境であっても円滑に作業することができるロボットの手首装置を提供する。
【解決手段】 第1旋回部44の一対のアーム43a,43b間に第6軸J6に沿って貫通する第1貫通孔45が形成される揺動部46を第5軸J5まわりに揺動可能に設け、この揺動部46に第1貫通孔45に連通する第2貫通孔47を有する第2旋回部48を第6軸J6まわりに旋回可能に設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、狭隘環境でワークに対して各種の加工を行うエンドエフェクタの信号線、電力供給線および噴射流体または作動流体を導く流体輸送管などの可撓性ケーブルが周囲の設備に干渉することを防止することができるロボットの手首装置に関する。
図6は、従来技術のロボットの手首装置1を示す一部の断面図である。従来のロボットの手首装置1は、ロボットアームの先端部に設けられ、この先端部の軸線に平行な第1軸線L1まわりに旋回駆動される第1旋回部2と、第1旋回部2に前記第1軸線L1に垂直な第2軸線L2まわりに角変位駆動される揺動部3と、揺動部3に設けられ、第2軸線L2に垂直な第3軸線L3まわりに旋回する第2旋回部4とを有する。
第1旋回部2は、手首装置1のホルダ5に軸受6によって第2軸受L2まわりに回転自在に軸支される揺動軸7を有する。揺動軸7には第1歯車8が同軸に固定され、第1歯車8には第2歯車9が噛合し、第2歯車9には前記ロボットアームの先端部からの回転トルクが伝達され、揺動部3が第2旋回部4とともに第1旋回部2に対して第2軸線L2まわりに揺動することができるように構成される。
前記ホルダ5にはまた、2つの軸受10,11によって第4軸線L4まわりに回転自在に軸支される第1旋回軸12が設けられる。第1旋回軸12の軸線方向一端部には第3歯車13が同軸に固定され、第3歯車13には第4歯車14が噛合する。第4歯車14には、ロボットアームの先端部からの回転トルクが伝達される。第1旋回軸12の軸線方向他端部には、第5歯車15が固定される。この第5歯車15には、第6歯車16が噛合する。これらの第5および第6歯車15,16は、傘歯車から成る。
第6歯車16は、揺動部3のホルダ17に軸受18,19によって第3軸線L3まわりに回転自在に軸支される第2旋回軸20の軸線方向一端部に同軸に固定される。この第2旋回軸20の軸線方向他端部には、第2旋回部4が固定され、第2旋回部4にはエンドエフェクタ21が着脱可能に取付けられ、第2軸線L2まわりの任意の揺動角で第3軸線L3まわりに任意の旋回角に旋回し、ワークに対してエンドエフェクタ21を最適な姿勢にして所定の作業を行うことができるように構成される。
このような従来技術では、第1旋回部2のホルダ5は、前記ロボットアームの先端部側に配置される基部25と、基部25から延びる一対のアーム部26a,26bとを有し、逆U字状に形成され、各アーム部26a,26b間には、前記揺動部3が嵌まり込む。揺動部3には、一対の軸受28,29によって第2軸線L2まわりに揺動自在に連結されるホルダ22を有し、このホルダ22のほぼ中央である第1軸線L1を含みかつ第2軸線L2に垂直な仮想一平面付近には、隔壁30が形成されている。
(出願時に付け直します)
また隔壁30の近傍には、第5および第6歯車15,16が近接して配置され、過密に構成されている。そのため、エンドエフェクタ21を動作させるための制御信号を送受信するための信号線、エンドエフェクタ21に備えられるアクチュエータを駆動するための作動流体および洗浄または冷却液などの流体を供給するための流体輸送管、およびエンドエフェクタ21に具備される各種のアクチュエータに駆動電力を与えるための電力線などを結束したケーブルを、エンドエフェクタ21から手首装置の外部を経て、ロボットアームの先端部に弛緩状態で張架しなければならない。したがって狭隘環境でワークに対して作業を行わなければならない場合には、前記ケーブルが周囲の設備に干渉し、ケーブルを損傷してしまうという問題がある。またこのようなケーブルの損傷を回避するためには、手首装置1の外側を弛緩状態で張架されるケーブルの占有空間を考慮してロボットの動作計画を行わなければならず、狭い作業空間ではワークに対して作業を行うことができないという問題がある。
このような問題を解決する他の従来技術の手首装置は、たとえば特許文献1に記載されている。この先行技術では、第2旋回部である回転体にエンドエフェクタとして装着された溶接トーチにワイヤを導くケーブルを、前記回転体に形成される貫通孔に挿入することによって、前記ケーブルの屈曲および周辺機器との干渉を防止している。
特開2005−96073号公報
前記特許文献1の先行技術では、ロボットアームの先端部に対して着脱することができないという問題がある。
本発明の目的は、ロボットアームの先端部に対して着脱することができるロボットの手首装置を提供することである。
本発明は、ロボットアームの先端部に、この先端部の軸線に平行な第1軸線まわりに旋回可能に設けられ、一対のアームを有する略U字状でかつ中実の第1旋回部と、
第1旋回部の各アーム間に、第1軸線に垂直な第2軸線まわりに角変位可能に設けられ、第2軸線に垂直な第3軸線に沿って延びる第1貫通孔が形成される中空の揺動部と、
揺動部の第3軸線上における軸線方向一端部に、前記第3軸線に平行な第4軸線まわりに旋回可能に設けられ、前記第1貫通孔に連通する第2貫通孔が形成される中空の第2旋回部とを含むことを特徴とするロボットの手首装置である。
本発明に従えば、ロボットアームの先端部に第1旋回部が設けられる。この第1旋回部は、前記ロボットアームの先端部の軸線に平行な第1軸線まわりに旋回し、一対のアームを有し、略U字状に形成される。第1旋回部の各アームには、第1貫通孔を有する揺動部が第2軸線まわりに角変位可能に設けられる。第1貫通孔は、第2軸線に垂直な第3軸線に沿って延び、この第1貫通孔によって前記揺動部が中空構造とされる。この揺動部の前記第3軸線上における軸線方向一端部には、第2旋回部が前記第3軸線に平行な第4軸線まわりに旋回可能に設けられる。第2旋回部は第2貫通孔を有し、この第2貫通孔は前記揺動部の第1貫通孔に連通する。
このように前記揺動部には第1貫通孔が形成され、第2旋回部には第2貫通孔が形成されるので、これらの第1および第2貫通孔にケーブルを挿通し、第2旋回部に設けられるエンドエフェクタに信号線、作動流体中、噴射流体中、電力線などを導いて接続することができる。したがって、前記従来技術のように、手首装置の外側にケーブルを張架する必要がなくなり、狭隘環境であっても周囲の設備にケーブルが干渉することを防ぎ、従来に比べて、より狭い空間で円滑に作業を行うことが可能となる。
また本発明は、前記第1旋回部の一方のアームには、ロボットアームの先端部から前記揺動部を第2軸線まわりに角変位させる回転力が伝達される揺動用入力歯車が設けられ、前記第1旋回部の他方のアームには、ロボットアームの先端部から第2旋回部を第4軸線まわりに旋回させる回転力が伝達される旋回用入力歯車が設けられることを特徴とする。
本発明に従えば、第1旋回軸の一方のアームに揺動用入力歯車が設けられ、他方のアームに旋回用入力歯車が設けられるので、手首装置の構成を大きく変更する必要はなく、たとえば前記揺動用入力歯車および旋回用入力歯車よりも後段の力伝達経路に関連する構成だけを変更すればよく、これによって従来の手首装置を流用することができ、安価なコストで本発明を広範囲に実施することができる。
さらに本発明は、前記第2旋回部の第1貫通孔に臨む内周部には、第1および第2貫通孔にわたって延びるケーブル保護管が固定されることを特徴とする。
本発明に従えば、第1および第2貫通孔内に第2旋回部に固定されたケーブル保護管が設けられるので、第2旋回部の旋回によってケーブルが捩れても、そのケーブルが揺動部の第1貫通孔に臨む内周面に摺接して損傷することが防がれる。
図1は本発明の実施の一形態のロボットの手首装置40を示す一部の拡大断面図である。本実施の形態のロボットの手首装置40は、後述の図2に示すロボットアーム41の先端部42に設けられ、この先端部42の軸線L10に平行な第1軸線L11まわりに旋回し、一対のアーム43a,43bを有する略U字状の第1旋回部44と、第1旋回部44の各アーム43a,43bに設けられ、前記第1軸線L11に垂直な第2軸線L12まわりに角変位し、第2軸線L12に垂直な第3軸線L13に沿って延びる第1貫通孔45が形成される揺動部46と、揺動部46の第3軸線L13上における軸線方向一端部に、前記第3軸線L13に平行な第4軸線L14まわりに旋回し、前記第1貫通孔45に連通する第2貫通孔47が形成される第2旋回部48とを含む。
前記第1旋回部44の一方のアーム43aには、ロボットアーム41の先端部42から前記揺動部46を第2軸線L12まわりに角変位させる回転力が伝達される揺動用入力歯車51が設けられる。また前記第1旋回部44の他方のアーム43bには、ロボットアーム41の先端部42から第2旋回部48を第4軸線L14まわりに旋回させる回転力が伝達される旋回用入力歯車52が設けられる。
揺動用入力歯車51には、揺動用伝達歯車53が噛合する。揺動用伝達歯車53には、ロボットアーム41の先端部42から図示しないトルクチューブおよび歯車列を介して回転力が伝達される。また旋回用入力歯車52には、旋回用伝達歯車54が噛合する。この旋回用伝達歯車54は、ロボットアーム41の先端部42から図示しないトルクチューブおよび歯車列を介して回転力が伝達される。このように揺動用入力歯車51および旋回用入力歯車52には、ロボットアーム41の先端部42から出力される揺動用回転力および旋回用回転力が各伝達歯車53,54を介して個別に入力される。
第1旋回部44の各アーム43a,43b間には、前記揺動部46の基端部57が介在され、この基端部57に前記第1貫通孔45が形成される。
前記揺動部46は、大略的に円柱状の前記第1貫通孔45を有するホルダ55が設けられ、このホルダ55には前記揺動用入力歯車51が固定される揺動軸61の回転力が揺動部46に伝達され、揺動部46は、その基端部側の領域が各アーム43a,43b間に嵌り込んだ状態で、2つの軸受63,64によって第2軸線L12まわりに揺動する。揺動軸61と揺動部46との間に減速機が介在してもよい。
また、前記旋回用入力歯車が旋回用伝達歯車54に回転駆動されると、その回転力は、第1旋回部44のホルダ58に軸受59によって第2軸線L12上に軸支された旋回軸66に伝達され、この旋回軸66に固定された傘歯車67、それに噛合する傘歯車68を経て旋回出力部材71へ入力され、旋回出力部材71が旋回する。旋回出力部材71と第2旋回部48との間に減速機が介在してもよい。
前記旋回出力部材71の内周部には、第1および第2貫通孔45,47にわたって延びる直円筒状のケーブル保護管93が固定される。このケーブル保護管93の出力スリーブ94への固定は、たとえばケーブル保護管93の軸線方向一端部を旋回出力部材71に溶接してもよい。
このようなケーブル保護管93によって、第2旋回部48が旋回しても、前記ケーブル保護管93が第2旋回部48とともに同一方向へ回転し、揺動部46の第1貫通孔45に臨む内周面にケーブル77が摺接して損傷することが防がれる。
図2は図1に示される手首装置40を備えたロボット91を示す斜視図であり、図3はロボット91の手首装置40付近の断面図である。ロボット91は、工場の床などに水平に載置される基台72と、基台72上に基端部が鉛直な第1軸J1まわりに旋回可能に設けられる第1アーム73と、第1アーム73の遊端部に下端部が水平な第2軸J2まわりに揺動可能に設けられる第2アーム74と、第2アーム74の上端部に基端部が水平な第3軸J3まわりに揺動可能に設けられる第3アーム75と、第3アーム75の先端部42に第4軸J4まわりに回動可能に設けられる前述の手首装置40とによって構成される。前記第1アーム73と第2アーム74と第3アーム75とによって、前記ロボットアーム41を構成する。
このようなロボット91において、前述のロボットアーム41の先端部42の軸線L10は第4軸J4を成し、第1軸線L11は第4軸J4と共通な一直線上に存在し、第2軸線L12は第5軸J5を成し、第3および第4軸線L13,L14は第6軸J6に相当する。
図4は図2に示されるロボット91の簡略化した平面図であり、図5は手首装置40の簡略化した側面図であり、図5(1)は揺動部46を下方に向けた状態を示し、図5(2)は揺動部46を上方に向けた状態を示す。信号線および電力供給線などのケーブル77は基台92、第1アーム73および第2アーム74の外側を通って第3アーム75からグロメット78を介して外部へ導かれ、再び第2のグロメット79を介して手首40の第1旋回部44内へ導かれ、各アーム43a,43b間の空間80から揺動46の第1貫通孔45を挿通し、さらに第2旋回部48の第2貫通孔47を挿通して、第2旋回部48に接続されたエンドエフェクタである、たとえばハンド81内に第3のグロメット82を介して導かれる。
このようにケーブル77は手首装置40の第1旋回部44内へ挿入されて第1および第2貫通孔45,47を挿通し、ハンド81に接続することができるので、図5(1)に示すように、ハンド81を第5軸J5まわりに一方側、たとえば下方に向けても、ケーブル77は第1および第2貫通孔45,47内で可及的に大きい曲率に湾曲して円滑に追従し、図5(2)に示すようにハンド81を第5軸J5に関して反転する方向に角変位させてもケーブル77はその弾性回復力によって第1および第2貫通孔45,47内で大きな曲率で湾曲し、ハンド81に追従することができる。
このようにハンド81を第5軸J5まわりに揺動させても、ケーブル77は第1旋回部44、揺動部46および第2旋回部48から外部へ突出せず、第1および第2貫通孔45,47内で大きな曲率で湾曲させて追従することができるので、ケーブル77の損傷を防止し、狭隘環境であっても他の設備にケーブル77が干渉することなしにハンド81によって所定の作業、たとえば半導体ウエハをホルダまたはフープから取出し、あるいは処理室への搬入および搬出を円滑に行うことができる。
また、前述の手首装置40には、揺動用入力歯車51および旋回用入力歯車52が設けられるので、手首装置40の構成を大きく変更する必要はなく、たとえば揺動用入力歯車51および旋回用入力歯車52よりも後段、すなわち揺動部46および第2旋回部48だけを新たに変更すればよく、これによって既存の手首装置を流用して、安価に本発明を実現することができる。
さらに、ユーザは1台のロボットに対して、用途に応じて本発明に従う中空の手首装置40と従来の中実の手首装置とを、ロボットアーム41の先端部42に対して交換することが可能であり、たとえば手首装置の広い可動範囲が求められる場合、狭隘環境への進入を必要とする場合、信号および電力の供給が不要なツールをエンドエフェクタとして第2旋回部48に取付ける場合には、従来の中実の手首装置を前記ロボットアーム41の先端部42に装着して用いることができ、またエンドエフェクタとして取付けられるツールのケーブル77を手首外部に突出させずに収納が必要な用途である場合には、本発明に従うロボット装置40を前記従来の中実の手首装置に代えてロボットアーム41の先端部42に装着して用いることができる。
本発明の実施の一形態のロボットの手首装置40を示す一部の拡大断面図である。 図1に示すロボットの手首装置40が装着されたロボット91の斜視図である。 手首装置40の一部を切り欠いた断面図である。 ロボット91の簡略化した平面図である。 手首装置40の動作を説明するための簡略化した側面図であり、図5(1)は揺動部46および第2旋回部48を下方に向けた状態を示し、図5(2)は揺動部46および第2旋回部48を上方に向けた状態を示す。 従来技術のロボットの手首装置1を示す一部の断面図である。
符号の説明
40 ロボットの手首装置
41 ロボットアーム
42 先端部
43a,43b アーム
44 第1旋回部
45 第1貫通孔
46 揺動部
47 第2貫通孔
48 第2旋回部
51 揺動用入力歯車
52 旋回用入力歯車
53 揺動用伝達歯車
54 旋回用伝達歯車
73 第1アーム
74 第2アーム
75 第3アーム
77 ケーブル
81 ハンド
91 ロボット
92 基台

Claims (3)

  1. ロボットアームの先端部に、この先端部の軸線に平行な第1軸線まわりに旋回可能に設けられ、一対のアームを有する略U字状でかつ中実の第1旋回部と、
    第1旋回部の各アーム間に、第1軸線に垂直な第2軸線まわりに角変位可能に設けられ、第2軸線に垂直な第3軸線に沿って延びる第1貫通孔が形成される中空の揺動部と、
    揺動部の第3軸線上における軸線方向一端部に、前記第3軸線に平行な第4軸線まわりに旋回可能に設けられ、前記第1貫通孔に連通する第2貫通孔が形成される中空の第2旋回部とを含むことを特徴とするロボットの手首装置。
  2. 前記第1旋回部の一方のアームには、ロボットアームの先端部から前記揺動部を第2軸線まわりに角変位させる回転力が伝達される揺動用入力歯車が設けられ、前記第1旋回部の他方のアームには、ロボットアームの先端部から第2旋回部を第4軸線まわりに旋回させる回転力が伝達される旋回用入力歯車が設けられることを特徴とする請求項1に記載のロボットの手首装置。
  3. 前記第2旋回部の第1貫通孔に臨む内周部には、第1および第2貫通孔にわたって延びるケーブル保護管が固定されることを特徴とする請求項1または2に記載のロボット手首装置。
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