JP2009123826A - コイル及びコイルの製造方法 - Google Patents

コイル及びコイルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009123826A
JP2009123826A JP2007294468A JP2007294468A JP2009123826A JP 2009123826 A JP2009123826 A JP 2009123826A JP 2007294468 A JP2007294468 A JP 2007294468A JP 2007294468 A JP2007294468 A JP 2007294468A JP 2009123826 A JP2009123826 A JP 2009123826A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
section
lead
coil
ring core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007294468A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5074894B2 (ja
Inventor
Yuichi Saito
雄一 斉藤
Takeshi Osawa
剛 大澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Radio Co Ltd, Nagano Japan Radio Co Ltd filed Critical Japan Radio Co Ltd
Priority to JP2007294468A priority Critical patent/JP5074894B2/ja
Publication of JP2009123826A publication Critical patent/JP2009123826A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5074894B2 publication Critical patent/JP5074894B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

【課題】 浮遊容量を有効に低減して共振周波数を正確に設定可能にするとともに、コイルの大型化やコストアップを回避する。
【解決手段】 リングコア2及びこのリングコア2に導線Wを巻回したコイル本体3を有するコイルを構成するに際して、リングコア2における30〜150〔゜〕の任意の角度範囲Znに導線Wを巻回しない巻線無区間部2nを設け、かつこの巻線無区間部2n側に対して対称となる反対側の位置に、導線Wの両端における巻始リード部Wsと巻終リード部Weの導出位置Xs,Xeを設けるとともに、コイル本体3を、巻始リード部Wsから巻線無区間部2nの一端2nsに至り、折返して巻線無区間部2nの他端2neに至り、折返して巻終リード部Weに至る巻線経路Rwにより構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リングコア及びこのリングコアに導線を巻回したコイル本体を有するコイル及びコイルの製造方法に関する。
従来、リングコア及びこのリングコアに導線を巻回したコイル本体を有するコイルはトロイダルコイルとして知られており、この種のコイル及びコイルの製造方法は、例えば、特許文献1で開示されている。
同文献1に開示されるトロイダルコイルは、フェライトや鉄心を用いたリングコアを備えるとともに、このリングコアのほぼ全周にわたって導線を巻回して構成するソレノイドコイル(コイル本体)を備えている。また、同文献1に開示されるトロイダルコイルの製造方法は、巻線機を用いて、硬い導線を予めソレノイドコイルに形成しておき、コイル端部の略1ターン巻線をリングコアに絡ませてから、ソレノイドコイルを巻線方向に回転させながらリングコアに巻き移すことにより、トロイダルコイルを製造するようにしたものである。
特開2000−100643号公報
しかし、上述した従来のコイル(トロイダルコイル)及びその製造方法は、次のような問題点があった。
第一に、この種のコイルは、電源ラインのノイズを除去するノイズフィルタに用いる場合も少なくないが、コイルは他のコンデンサと共に共振回路を構成するため、コイルに少なからず含まれる浮遊容量が共振周波数を無用に低下させてしまう問題がある。このため、コイル自身の浮遊容量をできるだけ低減することが望ましいが、低減するには、導線の絶縁被膜を厚くしたり各ターン巻線間隔を広げる必要があるなど、無用な大型化やコストアップを招き、浮遊容量を低減するには限界がある。
第二に、コイルが小型の場合にはそのまま配線基板等に実装可能となるが、ある程度大型化した場合には、別途のベース部材に取付ける必要がある。この場合、コイルはリングコアのほぼ全周に導線を巻回して構成するため、ベース部材によりコイルを支持する際には導線部分を支持することになり、安定した強固な支持ができないとともに、製造上のバラツキも大きくなる。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したコイル及びコイルの製造方法の提供を目的とするものである。
本発明に係るコイル1は、上述した課題を解決するため、リングコア2及びこのリングコア2に導線Wを巻回したコイル本体3を有するコイルを構成するに際して、リングコア2における30〜150〔゜〕の任意の角度範囲Znに導線Wを巻回しない巻線無区間部2nを設け、かつこの巻線無区間部2n側に対して対称となる反対側の位置に、導線Wの両端における巻始リード部Wsと巻終リード部Weの導出位置Xs,Xeを設けるとともに、コイル本体3を、巻始リード部Wsから巻線無区間部2nの一端2nsに至り、折返して巻線無区間部2nの他端2neに至り、折返して巻終リード部Weに至る巻線経路Rwにより構成してなることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、巻始リード部Wsの導出位置Xsと巻終リード部Weの導出位置Xeの相互間は、150〔゜〕以下の任意の角度範囲Zfにすることができる。また、巻始リード部Wsと巻終リード部Weは、巻線無区間部2nの側方に配することができる。
一方、本発明に係るコイルの製造方法は、上述した課題を解決するため、リングコア2及びこのリングコア2に導線Wを巻回して構成したコイル本体3を有するコイル1を製造するに際し、リングコア2における30〜150〔゜〕の任意の角度範囲Znに導線Wを巻回しない巻線無区間部2nを設け、かつこの巻線無区間部2n側に対して対称となる反対側の位置に、導線Wの両端における巻始リード部Wsと巻終リード部Weの導出位置Xs,Xeを設けるとともに、導線Wを巻回するに際し、巻始リード部Wsから巻線無区間部2nの一端まで巻回し、更に折返して巻線無区間部2nの他端まで巻回し、更に折返して巻終リード部Weまで巻回するようにしたことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、巻始リード部Wsの導出位置Xsと巻終リード部Weの導出位置Xsの相互間は、150〔゜〕以下の任意の角度範囲Zfに設定することができる。また、導線Wを巻回するに際して、導線Wを巻線無区間部2nの一端2nsから他端2neまで巻回して第一層目の巻線部3fを設け、この後、巻線無区間部2nの一端2nsから導出する導線Wを巻始リード部Wsの導出位置Xsまで巻回して片側一方における第二層目の巻線部3rを設けるとともに、巻線無区間部2nの他端2neから導出する導線Wを巻終リード部Weの導出位置Xeまで巻回して片側他方における第二層目の巻線部3sを設けることができる。この際、第二層目の巻線部3r,3sにおける各ターン巻線相互間のピッチPsa…,Psb…,Pea…,Peb…は、少なくとも一部の区間で異ならせることができる。
このような本発明に係るコイル1及びコイルの製造方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) リングコア2における所定の角度範囲Znに巻線無区間部2nを設け、かつ巻線無区間部2n側に対して反対側の位置に巻始リード部Wsと巻終リード部Weの導出位置Xs,Xeを設けるとともに、コイル本体3を、巻始リード部Wsから巻線無区間部2nの一端2nsに至り、折返して巻線無区間部2nの他端2neに至り、折返して巻終リード部Weに至る巻線経路Rwにより構成したため、コイル1自身の浮遊容量を有効に低減でき、もって、他のコンデンサと共に共振回路を構成するような場合であっても、共振周波数を正規の大きさに正確に設定できる。しかも、浮遊容量を低減するための他の施策、例えば、導線Wの絶縁被膜を厚くするなどの施策を講じる必要がないため、コイル1の大型化やコストアップを回避できる。
(2) リングコア2における所定の角度範囲Znに巻線無区間部2nを設けるため、例えば、コイル1を別途のベース部材に取付ける場合には、この巻線無区間部2nをベース部材への取付部位に利用できる。したがって、ベース部材によりリングコア2を面接触により直接支持できるため、リングコア2とベース部材を接着剤等により接着すれば、コイル1を強固かつ安定に支持できる。しかも、接着部位には導線Wが介在しないため、小型化を図れるとともに、支持構造における製造上のバラツキを抑制できる。
(3) 好適な態様により、巻始リード部Wsと巻終リード部Weを、巻線無区間部2nの側方に配するようにすれば、巻始リード部Wsの導出位置Xsと巻終リード部Weの導出位置Xeの相互間を任意の角度範囲Zfに設定した場合であっても、巻始リード部Wsと巻終リード部Weを、常に、巻線無区間部2nの側方であって、その中央位置など、所定の位置に配することができる。
(4) 好適な態様により、導線Wを巻回するに際して、導線Wを巻線無区間部2nの一端2nsから他端2neまで巻回して第一層目の巻線部3fを設け、この後、巻線無区間部2nの一端2nsから導出する導線Wを巻始リード部Wsの導出位置Xsまで巻回して片側一方における第二層目の巻線部3rを設けるとともに、巻線無区間部2nの他端2neから導出する導線Wを巻終リード部Weの導出位置Xeまで巻回して片側他方における第二層目の巻線部3sを設けるようにすれば、リングコア2に対して、導線Wを容易かつ効率的に巻回できるとともに、巻線自動化も容易となる。
(5) 好適な態様により、第二層目の巻線部3r,3sにおける各ターン巻線相互間のピッチPsa…,Psb…,Pea…,Peb…を、少なくとも一部の区間で異ならせれば、例えば、高電圧が印加されるターン巻線に広いピッチを適用するなどによって、浮遊容量の更なる低減化に寄与できる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係るコイル1の構成(構造)について、図1及び図2を参照して説明する。
コイル1は、基本的な構成として、フェライトを用いたリングコア2と、このリングコア2に断面丸形の導線Wを巻回したコイル本体3からなる。そして、コイル1には、リングコア2における30〜150〔゜〕の任意の角度範囲Znに導線Wを巻回しない巻線無区間部2nを設ける。図1に例示するコイル1は、角度範囲Znとして、90〔゜〕程度を設定した場合を示す。
また、この巻線無区間部2n側に対して対称となる反対側の位置には、導線Wの両端における巻始リード部Wsと巻終リード部Weの導出位置Xs,Xeを設ける。即ち、図1に示すように、巻線無区間部2nの中央位置をリングコア2の下端位置に設定した場合には、導出位置Xs,Xeの相互間の中央位置をリングコア2の上端位置に設定する。この場合、巻始リード部Wsの導出位置Xsと巻終リード部Weの導出位置Xeの相互間は、150〔゜〕以下の任意の角度範囲Zfに設定する。図1に例示するコイル1は、角度範囲Zfとして、10〔゜〕程度に設定した場合を示す。そして、巻始リード部Wsと巻終リード部Weは、巻線無区間部2nの側方に配する。図1の場合、巻始リード部Wsと巻終リード部Weは巻線無区間部2nの中央位置の側方を通して鉛直方向下方へ延出させている。
このように、巻始リード部Wsの導出位置Xsと巻終リード部Weの導出位置Xeの相互間は、150〔゜〕以下の任意の角度範囲Zfに設定するため、コイル1の浮遊容量を考慮した最適な角度範囲Zfを設定できる。しかも、巻始リード部Wsと巻終リード部Weは、巻線無区間部2nの側方に配したため、巻始リード部Wsの導出位置Xsと巻終リード部Weの導出位置Xeの相互間を任意の角度範囲Zfに設定した場合であっても、巻始リード部Wsと巻終リード部Weを、常に、巻線無区間部2nの側方であって、その中央位置など、所定の位置に配することができる利点がある。
次に、このように構造を有するコイル1の製造方法について、図3(a)〜(c)を参照して説明する。
まず、リングコア2とこのリングコア2に巻回する所定長さの導線Wを用意する。そして、図3(a)に示すように、第一巻線工程により、リングコア2に対して導線Wを所定巻数だけ一定のピッチPc…で巻回し、第一層目の巻線部3fを設ける。この際、上述したように、リングコア2に対して、任意の角度範囲Zn(例示は、90〔゜〕程度)には、導線Wを巻回しない巻線無区間部2nを設ける。即ち、導線Wは、この巻線無区間部2nの一端2nsから他端2neまで巻回する。この場合、図3(a)に示すように、導線Wの巻始位置と巻終位置からは、それぞれ所定長さの導線Wps,Wpeを導出させた状態にする。
次いで、図3(b)に示すように、第二巻線工程により、巻線無区間部2nの一端2nsから導出する導線Wps(W)を、巻始リード部Wsの導出位置Xsまで所定巻数だけ巻回し、片側一方における第二層目の巻線部3rを設ける。この場合、上述したように、巻線無区間部2n側に対して対称となる反対側の位置に、導線Wの両端における巻始リード部Wsと巻終リード部Weの導出位置Xs,Xeを予め設定し、この導出位置Xsまで導線Wpsを巻回する。各導出位置Xs,Xeは、導出位置Xs,Xeの相互間が、任意の角度範囲Zf(例示は、10〔゜〕程度)になるように設定される。この第二層目の巻線部3rを、図3(b)において格子線を描いて示す。また、この第二層目の巻線部3rにおける各ターン巻線の相互間のピッチPsa…は少なくとも一部の区間で異ならせる。例示の場合、巻始側(巻線無区間部2nの一端2ns側)の四ターン分は、比較的狭いピッチPsa…(第一層目の巻線部3fと同一ピッチPc…)にし、かつ巻終側(巻始リード部Ws側)の二ターン分は、比較的広いピッチPsb…(第一層目の巻線部3fに対して二倍のピッチPc…)にしている。
次いで、図3(c)に示すように、第三巻線工程により、巻線無区間部2nの他端2neから導出する導線Wpe(W)を、巻終リード部Weの導出位置Xeまで所定回数だけ巻回し、片側他方における第二層目の巻線部3sを設ける。この第二層目の巻線部3sを、図3(c)において格子線を描いて示す。また、この第二層目の巻線部3sにおける各ターン巻線の相互間のピッチPea…も少なくとも一部の区間で異ならせる。例示の場合、巻始側(巻線無区間部2nの他端2ns側)の四ターン分は、比較的狭いピッチPea…(第一層目の巻線部3fと同一ピッチPc…)にし、かつ巻終側(巻終リード部We側)の二ターン分は、比較的広いピッチPeb…(第一層目の巻線部3fに対して二倍のピッチPc…)にしている。
このような巻線方法、即ち、導線Wを巻線無区間部2nの一端2nsから他端2neまで巻回して第一層目の巻線部3fを設け、この後、巻線無区間部2nの一端2nsから導出する導線Wを巻始リード部Wsの導出位置Xsまで巻回して片側一方における第二層目の巻線部3rを設けるとともに、巻線無区間部2nの他端2neから導出する導線Wを巻終リード部Weの導出位置Xeまで巻回して片側他方における第二層目の巻線部3sを設ける巻線方法を用いれば、リングコア2に対して、導線Wを容易かつ効率的に巻回できるとともに、巻線自動化も容易となる。特に、第二層目の巻線部3r,3sにおける各ターン巻線相互間のピッチPsa…,Psb…,Pea…,Peb…を、少なくとも一部の区間で異ならせたため、例えば、高電圧が印加されるターン巻線に広いピッチを適用するなどによって、浮遊容量の更なる低減化に寄与できる。
この巻線方法は、導線Wを、リングコア2に対して、巻始リード部Wsから巻線無区間部2nの一端まで巻回し、更に折返して巻線無区間部2nの他端まで巻回し、更に折返して巻終リード部Weまで巻回する場合と同じになる。したがって、リングコア2上には、巻始リード部Wsから巻線無区間部2nの一端2nsに至り、折返して巻線無区間部2nの他端2neに至り、折返して巻終リード部Weに至る巻線経路Rw(図4参照)が構成される。そして、各導出位置Xs,Xeにある巻始リード部Wsと巻終リード部Weは、上述したように、巻線無区間部2nの中央位置の側方を通して鉛直方向下方へ延出させる。これにより、目的のコイル1を製造することができる。図1及び図2は、このように製造されたコイル1を示す。
図4及び図5は、本実施形態に係る製造方法により製造されたコイル1と従来の製造方法により製造されたコイルの特性を示している。図4中、実施例1(Ka)及び実施例2(Kb)は本実施形態に係る製造方法を用いた場合であり、実施例1(Ka)は、角度範囲Zfを比較的大きくした場合(90〔゜〕程度)、実施例2(Kb)は、角度範囲Zfを比較的小さくした場合(20〔゜〕程度)を示す。また、比較例(Kr)は、従来の製造方法を用いた場合を示す。図5は、周波数f〔MHz〕に対するコイル1のインピーダンスZ〔Ω〕特性図を示し、同図中、Ka,Kb,Krは図4に示す実施例1,実施例2,比較例に対応する。
いずれの例も巻数は同一の28ターンである。したがって、いずれのコイルもインダクタンスLoは、34〔μH〕前後でほぼ同じになる。しかし、図4から明らかなように、コイル自身の浮遊容量Coは、Kaが2.49〔pF〕、Kbが3.94〔pF〕、Krが11.09〔pF〕となり、それぞれ大きく異なる。この場合、Kaが最も良好であり、従来比では、概ね22〔%〕となり1/4以下まで低減されている。次にKbが良好であり、従来比では、概ね36〔%〕となり約1/3まで低減されている。この結果、図4(図5)から明らかなように、コイル自身の共振周波数foは、Kaが17.14〔MHz〕、Kbが13.86〔MHz〕、Krが8.16〔MHz〕となり、それぞれ大きく異なる。即ち、従来の製造方法によるKrの場合には、8.16〔MHz〕まで低下するのに対して、Ka,Kbの場合には、共振周波数foの大きな低下は回避される。
よって、このような本実施形態に係るコイル1及びその製造方法によれば、リングコア2における所定の角度範囲Znに巻線無区間部2nを設け、かつ巻線無区間部2n側に対して反対側の位置に巻始リード部Wsと巻終リード部Weの導出位置Xs,Xeを設けるとともに、コイル本体3を、巻始リード部Wsから巻線無区間部2nの一端2nsに至り、折返して巻線無区間部2nの他端2neに至り、折返して巻終リード部Weに至る巻線経路Rwにより構成したため、コイル1自身の浮遊容量を有効に低減でき、もって、他のコンデンサと共に共振回路を構成するような場合であっても、共振周波数を正規の大きさに正確に設定できる。しかも、浮遊容量を低減するための他の施策、例えば、導線Wの絶縁被膜を厚くするなどの施策を講じる必要がないため、コイル1の大型化やコストアップを回避できる。
他方、図6は、コイル1を別途のベース部材21により支持する場合を示す。このベース部材21は、プラスチック等の絶縁素材により一体成形したものであり、ベース本体部22を有するとともに、このベース本体部22には底面から下方へ突出する二本の取付ピン23,24を有する。この取付ピン23,24はベース本体部22にインサート成形される。また、ベース本体部22の上面には、コイル1における巻線無区間部2nの外周面が面接触する支持面22sを有する。したがって、コイル1をベース部材21に取付ける場合には、巻始リード部Wsと巻終リード部Weをそれぞれベース本体部22に設けたリード挿通孔22h…に挿通させた後、巻線無区間部2nの外周面を接着剤等を用いて支持面22s上に接着すればよい。
このように、コイル1を別途のベース部材21により支持する場合であっても、コイル1に設けた巻線無区間部2nは、ベース部材21に対する取付部位(固定部位)として利用できる。特に、リングコア2をベース部材21に対して面接触により直接固定できるため、コイル1を強固かつ安定に支持できる。しかも、接着部位には導線Wが介在しないため、高さを低くでき、もって、小型化を図れるとともに、支持構造における製造上のバラツキを抑制できる利点がある。したがって、自動車等における限られたスペースに装着する際に用いて最適となる。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、リングコア2や導線3の素材は例示に限定されず、任意に選定できるとともに、その断面形状も丸形をはじめ角形(矩形)等の任意の形状により実施できる。また、巻始リード部Wsと巻終リード部Weは、巻線無区間部2nの側方に配する場合を例示したが、任意の位置に配することができる。一方、導線Wを巻回するに際しては、導線Wを巻線無区間部2nの一端2nsから他端2neまで巻回して第一層目の巻線部3fを設け、この後、巻線無区間部2nの一端2nsから導出する導線Wを巻始リード部Wsの導出位置Xsまで巻回して片側一方における第二層目の巻線部3rを設けるとともに、巻線無区間部2nの他端2neから導出する導線Wを巻終リード部Weの導出位置Xeまで巻回して片側他方における第二層目の巻線部3sを設ける場合を例示したが、巻始リード部Wsから巻終リード部Weまで順次巻回する場合を排除するものではない。さらに、第二層目の巻線部3r,3sにおける各ターン巻線相互間のピッチPsa…,Psb…,Pea…,Peb…を、少なくとも一部の区間で異ならせた場合を示したが、全部の区間で異ならせてもよいし全部の区間で同一であってもよい。なお、巻線無区間部2n側に対して対称となる反対側の位置に導出位置Xs,Xeを設けるとは、導出位置Xs,Xeが巻線無区間部2nに対して対称に構成する意味ではない。したがって、導出位置Xs,Xeが巻線無区間部2nに対して非対称位置にあってもよいし、導出位置XsとXeが非対称位置にあってもよい。
本発明に係るコイル1は、交流電源とこの交流電源を用いる機器間を接続する電源ラインに付設するコイル、例えば、ノイズフィルタを構成するノーマルモードコイルやコモンモードコイルをはじめ、力率改善用コイル,平滑用コイル,昇圧/降圧コイル,トランス、更には、他の各種用途におけるトロイダルコイルとして利用することができる。
本発明の最良の実施形態に係るコイルの正面図、 同コイルの平面図、 同コイルの製造方法により製造する際の工程説明図、 同コイルの実施例及び比較例の特性データ表、 同コイルの実施例及び比較例の周波数に対するインピーダンス特性図、 同コイルをベース部材により支持する状態を示す一部断面正面図、
符号の説明
1:コイル,2:リングコア,3:コイル本体,W:導線,Zn:角度範囲,2n:巻線無区間部,Ws:巻始リード部,We:巻終リード部,Xs:導出位置,Xe:導出位置,2ns:巻線無区間部の一端,2ne:巻線無区間部の他端,Re:巻線経路,Zf:角度範囲,3f:第一層目の巻線部,3r:第二層目の巻線部,3s:第二層目の巻線部,Psa…:ピッチ,Psb…:ピッチ,Pea…:ピッチ,Peb…:ピッチ

Claims (7)

  1. リングコア及びこのリングコアに導線を巻回したコイル本体を有するコイルにおいて、前記リングコアにおける30〜150〔゜〕の任意の角度範囲に前記導線を巻回しない巻線無区間部を設け、かつこの巻線無区間部側に対して対称となる反対側の位置に、前記導線の両端における巻始リード部と巻終リード部の導出位置を設けるとともに、前記コイル本体を、前記巻始リード部から前記巻線無区間部の一端に至り、折返して前記巻線無区間部の他端に至り、折返して前記巻終リード部に至る巻線経路により構成してなることを特徴とするコイル。
  2. 前記巻始リード部の導出位置と前記巻終リード部の導出位置の相互間は、150〔゜〕以下の任意の角度範囲に設定することを特徴とする請求項1記載のコイル。
  3. 前記巻始リード部と前記巻終リード部は、前記巻線無区間部の側方に配することを特徴とする請求項1又は2記載のコイル。
  4. リングコア及びこのリングコアに導線を巻回して構成したコイル本体を有するコイルの製造方法において、前記リングコアにおける30〜150〔゜〕の任意の角度範囲に前記導線を巻回しない巻線無区間部を設け、かつこの巻線無区間部側に対して対称となる反対側の位置に、前記導線の両端における巻始リード部と巻終リード部の導出位置を設けるとともに、前記導線を巻回するに際し、前記巻始リード部から前記巻線無区間部の一端まで巻回し、更に折返して前記巻線無区間部の他端まで巻回し、更に折返して前記巻終リード部まで巻回することを特徴とするコイルの製造方法。
  5. 前記巻始リード部の導出位置と前記巻終リード部の導出位置の相互間は、150〔゜〕以下の任意の角度範囲に設定することを特徴とする請求項4記載のコイルの製造方法。
  6. 前記導線を巻回するに際して、前記導線を前記巻線無区間部の一端から他端まで巻回して第一層目の巻線部を設け、この後、前記巻線無区間部の一端から導出する前記導線を前記巻始リード部の導出位置まで巻回して片側一方における第二層目の巻線部を設けるとともに、前記巻線無区間部の他端から導出する前記導線を前記巻終リード部の導出位置まで巻回して片側他方における第二層目の巻線部を設けることを特徴とする請求項4又は5記載のコイルの製造方法。
  7. 前記第二層目の巻線部における各ターン巻線相互間のピッチは、少なくとも一部の区間で異ならせることを特徴とする請求項6記載のコイルの製造方法。
JP2007294468A 2007-11-13 2007-11-13 コイル及びコイルの製造方法 Active JP5074894B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007294468A JP5074894B2 (ja) 2007-11-13 2007-11-13 コイル及びコイルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007294468A JP5074894B2 (ja) 2007-11-13 2007-11-13 コイル及びコイルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009123826A true JP2009123826A (ja) 2009-06-04
JP5074894B2 JP5074894B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=40815684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007294468A Active JP5074894B2 (ja) 2007-11-13 2007-11-13 コイル及びコイルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5074894B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011003879A (ja) * 2009-06-19 2011-01-06 Taida Electronic Ind Co Ltd コイルモジュール
JP2011210753A (ja) * 2010-03-27 2011-10-20 Fujitsu Telecom Networks Ltd 力率改善回路の昇圧用コイルとそれを備えるac−dcコンバータ
JP2011217432A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Honda Motor Co Ltd 電動機およびコイル巻回方法
JP2012049409A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Nec Tokin Corp インダクタンス素子
KR101585261B1 (ko) * 2009-11-06 2016-01-13 엘지이노텍 주식회사 코일
CN106653301A (zh) * 2016-12-21 2017-05-10 明纬(广州)电子有限公司 环形电感及其制造方法
KR101833744B1 (ko) * 2011-04-13 2018-03-02 엘지이노텍 주식회사 무선 전력 송수신용 코일 및 상기 코일을 사용한 송신기 및 수신기
CN113130181A (zh) * 2019-12-31 2021-07-16 深南电路股份有限公司 变压器及应用其的电磁器件
CN113130181B (zh) * 2019-12-31 2024-06-07 深南电路股份有限公司 变压器及应用其的电磁器件

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56166726U (ja) * 1980-05-13 1981-12-10
JPS5880810A (ja) * 1981-11-10 1983-05-16 Nippon Ferrite Ltd チヨ−クコイル
JPS60119716U (ja) * 1984-01-24 1985-08-13 東北金属工業株式会社 トロイダルコイル
JPS60214511A (ja) * 1984-04-11 1985-10-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 端子板付トロイダルコイル
JPS61256708A (ja) * 1985-05-10 1986-11-14 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> コモンモ−ドチヨ−クコイル
JPH04258105A (ja) * 1991-02-12 1992-09-14 Fuji Elelctrochem Co Ltd ノイズフィルタ用チョークコイルの巻線方法
JPH11162745A (ja) * 1997-11-25 1999-06-18 Matsushita Electric Works Ltd 電磁装置
JP2004172263A (ja) * 2002-11-19 2004-06-17 Sekishin Kogyo Kk 基板表面実装型トロイダルコイル及びその製造方法
JP3105799U (ja) * 2004-06-09 2004-11-25 秋田県 電流用ノーマルモードチョークコイル
JP2006229236A (ja) * 2005-02-19 2006-08-31 Tyco Electronics Uk Ltd エネルギー貯蔵コイル

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56166726U (ja) * 1980-05-13 1981-12-10
JPS5880810A (ja) * 1981-11-10 1983-05-16 Nippon Ferrite Ltd チヨ−クコイル
JPS60119716U (ja) * 1984-01-24 1985-08-13 東北金属工業株式会社 トロイダルコイル
JPS60214511A (ja) * 1984-04-11 1985-10-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 端子板付トロイダルコイル
JPS61256708A (ja) * 1985-05-10 1986-11-14 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> コモンモ−ドチヨ−クコイル
JPH04258105A (ja) * 1991-02-12 1992-09-14 Fuji Elelctrochem Co Ltd ノイズフィルタ用チョークコイルの巻線方法
JPH11162745A (ja) * 1997-11-25 1999-06-18 Matsushita Electric Works Ltd 電磁装置
JP2004172263A (ja) * 2002-11-19 2004-06-17 Sekishin Kogyo Kk 基板表面実装型トロイダルコイル及びその製造方法
JP3105799U (ja) * 2004-06-09 2004-11-25 秋田県 電流用ノーマルモードチョークコイル
JP2006229236A (ja) * 2005-02-19 2006-08-31 Tyco Electronics Uk Ltd エネルギー貯蔵コイル

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011003879A (ja) * 2009-06-19 2011-01-06 Taida Electronic Ind Co Ltd コイルモジュール
KR101585261B1 (ko) * 2009-11-06 2016-01-13 엘지이노텍 주식회사 코일
JP2011210753A (ja) * 2010-03-27 2011-10-20 Fujitsu Telecom Networks Ltd 力率改善回路の昇圧用コイルとそれを備えるac−dcコンバータ
JP2011217432A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Honda Motor Co Ltd 電動機およびコイル巻回方法
JP2012049409A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Nec Tokin Corp インダクタンス素子
KR101833744B1 (ko) * 2011-04-13 2018-03-02 엘지이노텍 주식회사 무선 전력 송수신용 코일 및 상기 코일을 사용한 송신기 및 수신기
CN106653301A (zh) * 2016-12-21 2017-05-10 明纬(广州)电子有限公司 环形电感及其制造方法
CN106653301B (zh) * 2016-12-21 2018-06-15 明纬(广州)电子有限公司 环形电感及其制造方法
CN113130181A (zh) * 2019-12-31 2021-07-16 深南电路股份有限公司 变压器及应用其的电磁器件
CN113130181B (zh) * 2019-12-31 2024-06-07 深南电路股份有限公司 变压器及应用其的电磁器件

Also Published As

Publication number Publication date
JP5074894B2 (ja) 2012-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5074894B2 (ja) コイル及びコイルの製造方法
US9852839B2 (en) Coil component and manufacturing method thereof
CN107039152B (zh) 共模扼流线圈
US8339233B2 (en) Three dimensional inductor
JP6620613B2 (ja) コイル装置
EP2335256B1 (en) Inductor for high frequency applications
CN207558514U (zh) 电感器部件
US10366823B2 (en) Coil component
JP5531965B2 (ja) 多層巻電子部品への導線巻線方法
TW201505049A (zh) 交錯平面電感裝置與生產使用方法
JP5074895B2 (ja) コイル装置
CN104575941A (zh) 线圈组件及其制造方法
JP2017147321A (ja) コイル部品、コイル部品を内蔵した回路基板、並びに、コイル部品を備える電源回路
JP2007115761A (ja) 巻線型コイル及びその巻線方法
JP2008098307A (ja) インダクタンス素子
JP6369577B2 (ja) コイル装置
CN106158240A (zh) 线圈组件及其制造方法
JP4877313B2 (ja) 表面実装型バルントランス
WO2017006585A1 (ja) 巻線型インダクタ
JP6699378B2 (ja) コイル部品
JP2004172263A (ja) 基板表面実装型トロイダルコイル及びその製造方法
JP5088638B2 (ja) コイル部品、トランス、及びコイル部品の製造方法
JP2009182055A (ja) コモンモードチョークコイル
JP2020126975A (ja) コイル装置
CN103384456A (zh) 一种pcb线圈的制备方法及pcb线圈

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120808

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5074894

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250