JP3105799U - 電流用ノーマルモードチョークコイル - Google Patents

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Abstract

【課題】 本考案は、電子装置の電子回路に接続し、電磁ノイズを制御するための環状磁芯を用いた電流用ノーマルモードチョークコイルにおいて、分布容量が少なく、特に減衰特性やインピーダンス特性の優れた電流用ノーマルモードチョークコイルを提供するものである。
【解決手段】 本考案の電流用ノーマルモードチョークコイルは、巻線するマグネットワイヤーの全長の約半分の部分より環状金属系磁芯へソレノイド状に開始し、巻始めの約180°の部分、約半分位置まで巻線し、残りの巻線すべき数の巻線を巻線開始側へ折り返し2層目及び3層目の巻線をし、次に、残りの巻線されていない他の半分も同様な巻線を実施し、巻線の左右対称の2分割巻線の形で巻線したものである。
【選択図】 図1

Description

本考案は、電子装置の電子回路に接続し、電磁ノイズを制御するための環状磁芯を用いた電流用ノーマルモードチョークコイルに関する。
従来、環状磁芯へのマグネットワイヤーの巻線は、始端側から一方向へ、例えば時計廻りにソレノイド状に巻線し、一周し終えたら1層目に重ねて2層目をソレノイド状に巻線し、多層に巻線している。
したがって、従来の巻線は、巻線の入力部と出力部のワイヤー同士の接触部分が多いことにより、分布容量が大きくなり、高域での周波数特性が劣化しており、外部補正用のコイルを取り付けても、減衰量のハンプが起り易く補正コイルの効果も少ない。
また、電流容量の大きいチョークコイルは、直流を重畳することによりインダクタンス特性が低下し難く設計されている。
そのため、一般に電流の大きな回路に使用するチョークコイルの磁芯は、流れる電流に磁気飽和し難い金属系巻芯を使用するのが通常となっている(特許文献1を参照)。
しかし、金属系の磁芯を使用している電流用のチョークコイルは、導電率が低下しているため、高周波における渦電流等の損失により、50Mhz以上になるとチョークの機能が低下し、ノイズ特性の防止効果が少なくなっている。
その対策として、回路の後段及び入力回路にコンデンサー及びチョークコイル等を取り付けして外部回路で対応している。
そこで、本出願人は、金属磁芯の高域のノイズ特性を補正するため、フエライト磁芯とフエライト磁芯の外付けコイルとを一体化し、主にコモンモードチョークコイルの特性を改善した特願2004−75834号を出願した。
しかしながら、上記発明は、電流容量が大きくなるとフエライト磁芯の特性が電流の少ない段階で飽和し、フエライトの高周波特性の補正効果が発揮し難いものであった。
実開昭62−197823号公報
そこで、本考案は、電子装置の電子回路に接続し、電磁ノイズを制御するための環状磁芯を用いた電流用ノーマルモードチョークコイルにおいて、分布容量が少なく、特に減衰特性やインピーダンス特性の優れた電流用ノーマルモードチョークコイルを提供するものである。
本考案の電流用ノーマルモードチョークコイルは、巻線するマグネットワイヤーの全長の約半分の部分より環状金属系磁芯へソレノイド状に開始し、巻始めの約180°の部分、約半分位置まで巻線し、残りの巻線すべき数の巻線を巻線開始側へ折り返し2層目及び3層目の巻線をし、次に、残りの巻線されていない他の半分も同様な巻線を実施し、巻線の左右対称の2分割巻線の形で巻線したものである。
さらに、本考案の電流用ノーマルモードチョークコイルは、環状フエライト磁芯の一部へスリット状のギャップを入れて磁気飽和し難くしたギャップ入り環状フエライト磁芯ヘ、高域の周波数阻止目標範囲に対応する巻線仕様を決定して巻線すると共に、巻線を施されたギャップ入り環状フエライト磁芯を前記左右対称の2分割巻線の形で巻線した環状金属系磁芯に双方の端面同士をセットし、直列になるように経線したり、又前記環状金属系磁芯端子の一端を上記ギャップ入り環状フエライト磁芯に巻き込み一体化したものである。
本考案の電流用ノーマルモードチョークコイルによれば、巻線の形が中間点を中心に線対称に2分割の形に巻線の入力部と出力部ができ、入力部、出力部の重なりが少なくなり、それに伴って分布容量が少なく、そのため従来の巻線に比較し高域での良好な周波数特性が得られる効果がある。
さらに、本考案の電流用ノーマルモードチョークコイルは、前記電流用チョークコイルとギャップ入りフエライト磁芯とを一体化して直列に経線しているので、高域のインピーダンス特性が良好となり、20Mhz近傍の減衰量は大幅に改善される。
本考案の電流用ノーマルモードチョークコイルは、環状型磁芯へ巻線するマグネットワイヤーの全長の約半分の部分より磁芯へソレノイド状に開始し、巻始めの約180°の部分、約半分位置まで巻線し、残りの巻線すべき数の巻線を巻線開始側へ折り返し2層目及び3層目の巻線をし、次に、残りの巻線されていない他の半分も同様な巻線を実施し、巻線の左右対称の2分割巻線の形で巻線するものである。
さらに、本考案の電流用ノーマルモードチョークコイルは、補正用フエライト環状磁芯の一部へスリット状のギャップを入れて磁気飽和し難くした磁芯ヘ、高域の周波数阻止目標範囲に対応する巻線仕様を決定して巻線すると共に、巻線を施されたコイルを電流用チョークコイルに双方の端面同士をセットし、直列になるように経線したり、又電流用チョークコイル端子の一端を上記ギャップ入り補正用フエライト環状磁芯に巻き込み一体化したものである。
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明すると、
本考案の電流用ノーマルモードチョークコイルは、以下のようにして製造される。
あらかじめマグネットワイヤー2の中間点を決め、図1に示すように、環状金属系磁芯1へ巻線するマグネットワイヤー2の全長の約半分の部分、すなわち中間点より一方向へ、例えば時計廻りに磁芯へソレノイド状に巻線を開始し、巻始めの約180度の位置、すなわち反対側位置まで巻線をする。
そして、反対側位置で反転して逆方向、すなわち反時計方向に残りのマグネットワイヤー2を磁芯へソレノイド状に巻線をする。
このようにして巻線すべき数の巻線を巻線開始側へ折り返して2層目及び3層目の巻線をし、その巻線の終端が入力部3又は出力部4となる。
次に、残りの巻線されていない他の半分のマグネットワイヤー2を同様な巻線を実施し、左右対称に巻線の2分割巻線の形で巻線するものである。
すなわち中間点より他方向へ、反時計廻りに磁芯へソレノイド状に巻線を開始し、巻始めの約180度の位置、すなわち反対側位置まで巻線をする。
そして、反対側位置で反転して逆方向、すなわち時計方向に残りのマグネットワイヤー2を磁芯へソレノイド状に巻線をする。
このようにして巻線すべき数の巻線を巻線開始側へ折り返して2層目及び3層目の巻線をし、その巻線の終端が出力部4又は入力部3となる。
したがって、巻線の形は2分割の形になり、巻線の入力部3と出力部4の直接の重なりが少なくなり、それに伴って分布容量が少なく、そのため従来巻線に比較し良好な特性が得られる。
さらに、本考案の電流用ノーマルモードチョークコイルは、前述のように巻線された環状金属系磁芯1とNiZn系環状フエライト磁芯5とを、例えば図2(a)に示す外部コア巻線内組込みタイプや図2(b)に示す外部コイル外付けタイプ等のように一体化して形成される。
金属系磁芯1は、フエライト磁芯5に比較し、高周波特性が劣り、フエライトの高周波特性に優れた機能を生かすため、一体化することで達成される。
しかしながら、ギャップ無しの環状フエライト磁芯5は、電流容量に対して劣化が早いが、この環状フエライト磁芯5へスリット(ギャップ)6を入れると劣化し難い。
そこで、図3に示すように、ギャップ入り環状フエライト磁芯7でコイルを作成し、前記ギャップ入り環状フエライト磁芯7と前述のように巻線された環状金属系磁芯1との端面同士をセットし、コイル端末同士を直列に経線する。
このようにして形成された電流用ノーマルモードチョークコイルのインピーダンス特性は、高域が補正可能となり、その減衰特性は良好な特性を得ることが出来た。
さらに、本考案の電流用ノーマルモードチョークコイルは、環状フエライト磁芯5の一部へスリット(ギャップ)6を入れ、磁気飽和し難くしたギャップ入り環状フエライト磁芯7ヘ、高域の周波数阻止目標範囲に対応する巻線仕様を決定して巻線すると共に、前述のように巻線を施された環状金属系磁芯1と前記ギャップ入り環状フエライト磁芯7との双方の端面同士をセットし、前記環状金属系磁芯1端子の一端を前記ギャップ入り環状フエライト磁芯7に巻き込み一体化する。
このようにして形成された電流用ノーマルモードチョークコイルは、分布容量が減少したことによって、20Mhz近傍の減衰量が大幅に改善された。
本考案の電流用ノーマルモードチョークコイルの正面図である。 本考案の電流用ノーマルモードチョークコイル(ギャップ無し)の組合せを示す説明図である。 本考案の電流用ノーマルモードチョークコイル(ギャップ有り)の組合せを示す説明図である。
符号の説明
1 環状金属系磁芯
2 マグネットワイヤー
3 入力部
4 出力部
5 環状フエライト磁芯
6 スリット(ギャップ)
7 ギャップ入り環状フエライト磁芯

Claims (2)

  1. 巻線するマグネットワイヤーの全長の約半分の部分より環状金属系磁芯へソレノイド状に巻線を開始し、巻始めの180°の位置まで巻線し、残りの巻線すべき数のマグネットワイヤーを巻線開始側へ折り返し2層目及び3層目の巻線をし、次に、残りの巻線されていないマグネットワイヤーの半分を同様な巻線を施し、巻線の左右対称の2分割巻線の形で巻線したことを特徴とする電流用ノーマルモードチョークコイル。
  2. 環状フエライト磁芯の一部へスリット状のギャップを入れて磁気飽和し難くしたギャップ入り環状フエライト磁芯ヘ、高域の周波数阻止目標範囲に対応する巻線数を決定して巻線すると共に、巻線を施されたギャップ入り環状フエライト磁芯を前記左右対称の2分割巻線の形で巻線した環状金属系磁芯に双方の端面同士をセットし、直列になるように経線したり、又前記環状金属系磁芯端子の一端を前記ギャップ入り環状フエライト磁芯に巻き込み一体化したことを特徴とする電流用ノーマルモードチョークコイル。


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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009123827A (ja) * 2007-11-13 2009-06-04 Nagano Japan Radio Co コイル装置
JP2009123826A (ja) * 2007-11-13 2009-06-04 Nagano Japan Radio Co コイル及びコイルの製造方法
JP2010182875A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Fuji Electric Holdings Co Ltd コモンモードチョークコイルおよびノイズフィルタ
JP2011210753A (ja) * 2010-03-27 2011-10-20 Fujitsu Telecom Networks Ltd 力率改善回路の昇圧用コイルとそれを備えるac−dcコンバータ

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