JP2009121521A - 自動変速機の油圧回路装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボール弁の鉄球受け面及びストッパ面の摩耗を好適に抑制することのできる自動変速機の油圧回路装置を提供する。
【解決手段】油圧回路装置のバルブボディであるアッパボディ10にその表裏を貫く貫通孔13を形成して、その貫通孔13を、ボール弁の鉄球15を収容する鉄球室14とするとともに、鉄製のカバープレート11及びセパレートプレート12により、そうした貫通孔13の両端をそれぞれ塞ぐようにするようにした。これにより、セパレートプレート12の上面を、ボール弁の閉弁時に鉄球15の着座される鉄球受け面18とし、カバープレート11の下面を、同ボール弁の開弁時に鉄球15が突き当るストッパ面19とした。
【選択図】図1
【解決手段】油圧回路装置のバルブボディであるアッパボディ10にその表裏を貫く貫通孔13を形成して、その貫通孔13を、ボール弁の鉄球15を収容する鉄球室14とするとともに、鉄製のカバープレート11及びセパレートプレート12により、そうした貫通孔13の両端をそれぞれ塞ぐようにするようにした。これにより、セパレートプレート12の上面を、ボール弁の閉弁時に鉄球15の着座される鉄球受け面18とし、カバープレート11の下面を、同ボール弁の開弁時に鉄球15が突き当るストッパ面19とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動変速機の油圧回路装置に関し、特にそのボール弁における鉄球受け面及びストッパ面の摩耗を抑制するための弁構造の改良に関するものである。
周知のように、車載等の自動変速機は、油圧回路装置による油圧制御を通じて制御される。油圧回路装置は、ラビリンス状に油路が形成されたバルブボディと、そのバルブボディに装着される各種の弁とを備え、電磁駆動式のソレノイド弁による油圧回路の切替を通じて自動変速機を制御するように構成されている。
一般に、こうした自動変速機の油圧回路装置には、油圧回路の切替用の弁として、一方向型のボール弁が複数設けられている。一方向型のボール弁は、鉄球を収容する鉄球室を備えて構成されている。また、こうしたボール弁の鉄球室には、当該ボール弁の閉弁時に鉄球が着座される鉄球受け面と、開弁時に鉄球が突き当るストッパ面とが設けられている。そして従来、こうした自動変速機の油圧回路装置に設けられるボール弁としては、特許文献1や特許文献2に記載の構造のものが知られている。
図5に示すように、特許文献1に記載の自動変速機の油圧回路装置に設けられたボール弁は、バルブボディ50の表面50aより穿たれた穴50bを、鉄球51を収容する鉄球室53としている。そしてその鉄球室53とした穴50bの底面を、上記ストッパ面54とし、またバルブボディ50の表面を覆うように設けられたセパレートプレート55の表面を、上記鉄球受け面56とする構成となっている。
また図6に示すように、特許文献2に記載の自動変速機の油圧回路装置に設けられたボール弁は、特許文献1のものと同様に、バルブボディ60の表面60aより穿たれた穴60bを、鉄球61を収容する鉄球室63とする構成となっている。ただし同文献2のものでは、鉄球室63となる上記穴60bの底面をテーパ状に形成して、上記のような鉄球受け面64とし、またバルブボディ60の表面を覆うように設けられたセパレートプレート65の表面を、上記のようなストッパ面66とする構成となっている。
特開2006−177389号公報
特開2003−194197号公報
ところで、自動変速機の油圧回路装置では通常、そのバルブボディには、アルミ合金等の鋳造品が使用されており、こうしたバルブボディは、比較的摩耗が生じ易いものとなっている。そのため、従来のように、そうしたバルブボディの粗材面が鉄球受け面やストッパ面となっていると、ボール弁の開閉動作の繰り返しにより、それらの面が摩耗して、摩耗粉が発生してしまうようになる。特にボール弁の鉄球受け面やストッパ面が、鋳造された状態のままの粗材面(鋳肌面)とされていると、その表面には微小な突起が多数存在していることから、摩耗粉が多量に発生するようになる。そして摩耗粉が発生すると、その摩耗粉がソレノイド弁等に混入してしまい、油圧回路装置の作動に悪影響を与える畏れがある。特に近年には、自動変速機の変速速度の向上により、油圧回路装置の作動には高い応答性が要求されており、こうした摩耗粉の影響は無視できないものとなっている。
また特許文献1のように、バルブボディ50の表面より穿たれた穴50bの底面をストッパ面54とした場合、鉄球51の作動安定性を確保するために、図5に示すように、鉄球室53から油圧を逃すためのドレイン孔57を、上記穴50bの底面(ストッパ面54)からバルブボディ50の上面に抜けるように形成する必要がある。そして、このようにドレイン孔57が形成されている場合には、鉄球室53内に上方から異物が混入し易くなってしまうようにもなる。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、ボール弁の鉄球受け面及びストッパ面の摩耗を好適に抑制することのできる自動変速機の油圧回路装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果を記載する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ボール弁の設けられた自動変速機の油圧回路装置において、当該油圧回路装置のバルブボディにその表裏を貫く貫通孔を形成して、その貫通孔を、前記ボール弁の鉄球を収容する鉄球室とするとともに、前記貫通孔の両端をそれぞれ塞ぐように2枚の鉄製プレートを設け、そのプレートの一方及び他方をそれぞれ、当該ボール弁の閉弁時に前記鉄球の着座される鉄球受け面及び同ボール弁の開弁時に前記鉄球が突き当るストッパ面としたことをその要旨としている。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ボール弁の設けられた自動変速機の油圧回路装置において、当該油圧回路装置のバルブボディにその表裏を貫く貫通孔を形成して、その貫通孔を、前記ボール弁の鉄球を収容する鉄球室とするとともに、前記貫通孔の両端をそれぞれ塞ぐように2枚の鉄製プレートを設け、そのプレートの一方及び他方をそれぞれ、当該ボール弁の閉弁時に前記鉄球の着座される鉄球受け面及び同ボール弁の開弁時に前記鉄球が突き当るストッパ面としたことをその要旨としている。
上記の如く構成された自動変速機の油圧回路装置では、鉄球受け面及びストッパ面が双方共に、摩耗し易いバルブボディの粗材面ではなく、より摩耗し難い鉄製プレートに設けられるようになる。そのため、上記構成によれば、ボール弁の鉄球受け面及びストッパ面の摩耗を好適に抑制することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動変速機の油圧回路装置において、前記鉄球室を構成する前記貫通孔の側周には、前記鉄球室から油圧を逃すためのドレイン孔が開口されてなることをその要旨としている。
上記構成では、そのドレイン孔が、鉄球室の側方に向って開口されるようになるため、鉄球室への上方からの異物の混入を好適に抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の自動変速機の油圧回路装置において、前記鉄製プレートは、前記バルブボディの上表面及び裏面をそれぞれ覆うバルブボディプレートとされてなることをその要旨としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の自動変速機の油圧回路装置において、前記鉄製プレートは、前記バルブボディの上表面及び裏面をそれぞれ覆うバルブボディプレートとされてなることをその要旨としている。
上記構成では、ボール弁の貫通孔の両端を塞ぐ鉄製プレートとして、油圧回路装置の元より設けられたバルブボディプレートを利用しているため、貫通孔を塞ぐための専用の鉄製プレート(リテーナ)を別途追加して設置する場合に比して部品点数を削減することができる。またそうした専用の鉄製プレートの追加設置に伴う油圧回路装置の大型化を招くこともない。そのため、上記構成によれば、鉄球受け面やストッパ面の耐摩耗性に優れたボール弁を、コストの増大や装置の大型化を抑えて具現とすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の自動変速機の油圧回路装置において、当該油圧回路装置は、1層のアッパボディと1層のロアボディとを備えるとともに、前記バルブボディプレートとして、前記アッパボディの上表面を覆うカバープレートと前記アッパボディと前記ロアボディとの間に介設されるセパレートプレートとを備えるものであり、前記アッパボディが前記貫通孔の形成された前記バルブボディとされてなることをその要旨としている。
上記の如く構成された油圧回路装置のアッパボディに、ボール弁の鉄球室を構成する貫通孔を形成することとすれば、そのアッパボディを挟み込むように設けられたカバープレート及びセパレートプレートを、貫通孔の両端をそれぞれ塞ぐように設けられた2枚の鉄製プレートとして利用することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の自動変速機の油圧回路装置において、当該油圧回路装置は、上下2層のアッパボディと1層のロアボディとを備えるとともに、前記バルブボディプレートとして、上層側の第1アッパボディと下層側の第2アッパボディとの間に介設される第1セパレートプレートと前記第2アッパボディと前記ロアボディとの間に介設される第2セパレートプレートとを備えるものであり、前記第2アッパボディが前記貫通孔の形成された前記バルブボディとされてなることをその要旨としている。
上記の如く構成された油圧回路装置の第2アッパボディに、ボール弁の鉄球室を構成する貫通孔を形成することとすれば、その第2アッパボディを挟み込むように設けられた第1及び第2のセパレートプレートを、貫通孔の両端をそれぞれ塞ぐように設けられた2枚の鉄製プレートとして利用することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動変速機の油圧回路装置において、前記バルブボディは、鋳造品として形成されてなることをその要旨としている。
上記各請求項に記載の発明によれば、上記構成のように鋳造品として形成された摩耗し易いバルブボディを用いる場合にも、ボール弁の鉄球受け面及びストッパ面の摩耗を好適に抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の自動変速機の油圧回路装置において、前記貫通孔は、鋳抜きにて形成されてなることをその要旨としている。
本発明に係る自動変速機の油圧回路装置では、ボール弁の鉄球受け面及びストッパ面のいずれもが鉄製プレートに設けられるため、バルブボディには単純な貫通孔を形成するだけで良いようになっている。しかも、貫通孔自体には、鉄球が着座されないため、その表面が鋳造のままの粗い粗材面(鋳肌面)となっていても、多量の摩耗粉が発生するような事態は生じないようになっている。そのため、そうした貫通孔をバルブボディの鋳造時の鋳抜きにて形成することが可能となり、その分の加工を不要としてその製造をより容易とすることができるようになる。
本発明に係る自動変速機の油圧回路装置では、ボール弁の鉄球受け面及びストッパ面のいずれもが鉄製プレートに設けられるため、バルブボディには単純な貫通孔を形成するだけで良いようになっている。しかも、貫通孔自体には、鉄球が着座されないため、その表面が鋳造のままの粗い粗材面(鋳肌面)となっていても、多量の摩耗粉が発生するような事態は生じないようになっている。そのため、そうした貫通孔をバルブボディの鋳造時の鋳抜きにて形成することが可能となり、その分の加工を不要としてその製造をより容易とすることができるようになる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の自動変速機の油圧回路装置を具体化した第1の実施の形態を、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
以下、本発明の自動変速機の油圧回路装置を具体化した第1の実施の形態を、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
図1に、本実施の形態に係る自動変速機の油圧回路装置に設けられるボール弁の一つについてその側部断面構造を示す。なお本実施の形態の自動変速機の油圧回路装置は、図2に示されるように、1層のアッパボディ10と1層のロアボディ23との2つのバルブボディを備える構成とされている。なおこれらアッパボディ10及びロアボディ23には、その側方より、複数のソレノイド弁が挿入装着されるようになっている。また、この油圧回路装置には、アッパボディ10の上表面を覆うカバープレート11と、アッパボディ10とロアボディ23との間に介設されるセパレートプレート12との2つのプレートを、バルブボディプレートとして備える構成となっている。なお、こうした油圧回路装置のアッパボディ10及びロアボディ23は、アルミ合金の鋳造品として形成されている。また上記カバープレート11及びセパレートプレート12は、圧延により形成された鉄板に、ボルト孔や油孔を加工して製造された鉄製プレートとして形成されている。
こうした油圧回路装置にあって、上記ボール弁は、図1に示すように、そのアッパボディ10の部分に設けられるようになっている。アッパボディ10には、その上表面10aからその裏面10bへと抜ける貫通孔13が形成されており、その貫通孔13の両端は、上記カバープレート11及びセパレートプレート12によってそれぞれ塞がれるようになっている。そして貫通孔13の側周、カバープレート11及びセパレートプレート12により囲繞される空間が、ボール弁の鉄球15を収容する鉄球室14とされている。なお、この貫通孔13は、アッパボディ10の鋳造時の鋳抜きにより形成されている。
こうしたボール弁では、アッパボディ10の裏面10bに当接されるセパレートプレート12の上面が、同ボール弁の閉弁時に鉄球15の着座される鉄球受け面18とされ、アッパボディ10の上表面10aに当接されるカバープレート11の下面が、同ボール弁の開弁時に鉄球15が突き当るストッパ面19とされている。
なおこうしたボール弁にあって、上記鉄球室14を構成する貫通孔13の上部側周には、鉄球室14内から油圧を抜くためのドレイン孔20が開口されている。一方、上記プレート孔17は、ロアボディ23(図2参照)に形成された油路を通じてソレノイド弁21のドレインポートに接続されている。このソレノイド弁21は、その入力ポートに入力される油圧に応じて自動変速機の変速段の切替動作を行うサーボ回路22に作動油圧を出力するものとなっている。
以上のように構成されたボール弁は、サーボ回路22の油圧抜けや空気の混入を防止する一方向弁(チェック弁)として機能する。すなわち、こうしたボール弁では、上記ソレノイド弁21のドレインポートから出力される油圧が十分に低いときには、鉄球15は、その自重で下方に移動して鉄球受け面18に着座すると、上記プレート孔17が閉鎖されるようになっている。また上記ドレインポートから出力される油圧がある程度高くなり、鉄球15がその自重に抗して上方に押し上げられると、プレート孔17が開放されるようになっている。
以上説明した本実施の形態の自動変速機の油圧回路装置によれば、次の効果を奏することができる。
(1)本実施の形態では、油圧回路装置のアッパボディ10に、その上表面10aと裏面10bとを貫く貫通孔13を形成して、その貫通孔13の内部を、ボール弁の鉄球15を収容する鉄球室14とするようにしている。そしてそうした鉄球室14を構成する貫通孔13の両端をそれぞれ塞ぐように設けられた鉄製プレートであるカバープレート11及びセパレートプレート12をそれぞれ、ボール弁の閉弁時に鉄球15の着座される鉄球受け面18及び同ボール弁の開弁時に鉄球15が突き当るストッパ面19とするようにしている。こうした本実施の形態の自動変速機の油圧回路装置では、鉄球受け面18及びストッパ面19が双方共に、摩耗し易いアッパボディ10の粗材面ではなく、より摩耗し難い鉄製プレート(カバープレート11、セパレートプレート12)に設けられるようになる。そのため、本実施の形態によれば、ボール弁の鉄球受け面18及びストッパ面19の摩耗を好適に抑制することができるようになる。
(1)本実施の形態では、油圧回路装置のアッパボディ10に、その上表面10aと裏面10bとを貫く貫通孔13を形成して、その貫通孔13の内部を、ボール弁の鉄球15を収容する鉄球室14とするようにしている。そしてそうした鉄球室14を構成する貫通孔13の両端をそれぞれ塞ぐように設けられた鉄製プレートであるカバープレート11及びセパレートプレート12をそれぞれ、ボール弁の閉弁時に鉄球15の着座される鉄球受け面18及び同ボール弁の開弁時に鉄球15が突き当るストッパ面19とするようにしている。こうした本実施の形態の自動変速機の油圧回路装置では、鉄球受け面18及びストッパ面19が双方共に、摩耗し易いアッパボディ10の粗材面ではなく、より摩耗し難い鉄製プレート(カバープレート11、セパレートプレート12)に設けられるようになる。そのため、本実施の形態によれば、ボール弁の鉄球受け面18及びストッパ面19の摩耗を好適に抑制することができるようになる。
(2)本実施の形態では、鉄球室14を構成する貫通孔13の上部側周に、鉄球室14内から油圧を抜くためのドレイン孔20が開口されている。このように本実施の形態では、ドレイン孔20が、鉄球室14の側方に向って開口されているため、鉄球室14への上方からの異物の混入を好適に抑制することができる。
(3)本実施の形態では、鉄球室14を構成する貫通孔13の両端をそれぞれ覆う鉄製プレートとして、アッパボディ10の上表面10a及び裏面10bをそれぞれ覆うように設けられた、当該油圧回路装置のバルブボディプレートであるカバープレート11及びセパレートプレート12を用いるようにしている。このように本実施の形態では、ボール弁の貫通孔13の両端を塞ぐ鉄製プレートとして、既存のバルブボディプレートを利用しているため、貫通孔13を塞ぐための専用の鉄製プレート(リテーナ)を別途追加して設置する場合に比して部品点数を削減することができる。またそうした専用の鉄製プレートの追加設置に伴う油圧回路装置の大型化を招くこともない。そのため、本実施の形態では、鉄球受け面18やストッパ面19の耐摩耗性に優れたボール弁を、コストの増大や装置の大型化を抑えて具現とすることができる。
(4)本実施の形態では、ボール弁の鉄球室14を構成するアッパボディ10の貫通孔13を、アッパボディ10の鋳造時の鋳抜きにより形成している。そのため、こうした貫通孔13を鋳造後に加工により形成する場合に比して、その製造を容易とすることができるようになる。
(第2の実施の形態)
続いて本発明に係る自動変速機の油圧回路装置を具体化した第2の実施の形態について、図3及び図4を併せ参照して、上記実施の形態と異なる点を中心に説明する。
続いて本発明に係る自動変速機の油圧回路装置を具体化した第2の実施の形態について、図3及び図4を併せ参照して、上記実施の形態と異なる点を中心に説明する。
本実施の形態の自動変速機の油圧回路装置は、図3に示すように、上下2層のアッパボディ(第1アッパボディ30、第2アッパボディ31)と、1層のロアボディ32を、当該油圧回路装置を構成するバルブボディとして備えた構成とされている。なお、これら第1アッパボディ30、第2アッパボディ31及びロアボディ32は、アルミ合金の鋳造品として形成されている。またこれら第1アッパボディ30、第2アッパボディ31及びロアボディ32には、側方から複数のソレノイド弁が挿入装着されるようになっている。更にこうした油圧回路装置の第1アッパボディ30と第2アッパボディ31との間、及び第2アッパボディ31とロアボディ32との間にはそれぞれ、鉄製のセパレートプレート(第1セパレートプレート33、第2セパレートプレート34)がバルブボディプレートとして介設されている。
こうした本実施の形態の自動変速機の油圧回路装置において、第1セパレートプレート33と第2セパレートプレート34とに挟み込まれる態様で配設された第2アッパボディ31には、図4に示される態様でボール弁が設置されている。第2アッパボディ31には、その上表面31aからその裏面31bへと抜ける貫通孔35が形成されており、その貫通孔35の両端はそれぞれ、第1セパレートプレート33及び第2セパレートプレート34により塞がれるようになっている。そして貫通孔35の側周、第1セパレートプレート33及び第2セパレートプレート34により囲繞される空間が、ボール弁の鉄球37を収容する鉄球室36となっている。なお、こうした鉄球室36を構成する貫通孔35は、第2アッパボディ31の鋳造時の鋳抜きにより形成されている。
こうしたボール弁では、第2アッパボディ31の裏面31bに当接される第2セパレートプレート34の上面が、同ボール弁の閉弁時に鉄球37の着座される鉄球受け面40とされ、第2アッパボディ31の上表面31aに当接される第1セパレートプレート33の下面が、同ボール弁の開弁時に鉄球37が突き当るストッパ面41とされている。
なおこうしたボール弁にあって、上記鉄球室36を構成する貫通孔35の上部側周には、鉄球室36内から油圧を抜くためのドレイン孔42が開口されている。一方、上記プレート孔39は、ロアボディ32に形成された油路43を通じてソレノイド弁のドレインポートに接続されている。このソレノイド弁は、その入力ポートに入力される油圧に応じて自動変速機の変速段の切替動作を行うサーボ回路に作動油圧を出力するものとなっている。そしてボール弁は、サーボ回路の油圧抜けや空気の混入を防止する一方向弁(チェック弁)として機能するようになっている。
こうした本実施の形態の自動変速機の油圧回路装置によっても、第1の実施の形態と同様の効果を、すなわち上記(1)〜(4)に記載の効果を奏することができる。
なお上記実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
なお上記実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施の形態では、ボール弁の鉄球室を構成する貫通孔をアッパボディ10又は第2アッパボディ31に設けるようにしていたが、そうした貫通孔をそれら以外のバルブボディに設けるようにしても良い。そうした場合には、貫通孔の両端をそれぞれ塞ぐ鉄製プレートとして、バルブボディプレートを利用することができないことがあるが、そのときには、後述するように、ボール弁の鉄球受け面又はストッパ面とするための専用の鉄製プレートを別途追加するようにすれば良い。
・上記実施の形態では、1層のアッパボディ10と1層のロアボディ23とを備える油圧回路装置、又は上下2層のアッパボディ(30,31)と1層のロアボディ32とを備える油圧回路装置に本発明を適用した場合を説明したが、それ以外の構成の自動変速機の油圧回路装置にも、上記実施の形態と同様、或いはそれに準じた態様で本発明を適用することができる。
・上記実施の形態では、ボール弁の鉄球室14,36を構成する貫通孔13,35を、鋳造時の鋳抜きにより形成するようにしていたが、こうした貫通孔を加工により形成するようにしても良い。
・上記実施の形態では、ボール弁の鉄球室を構成する貫通孔の両端をそれぞれ塞ぐように設けられる鉄製プレートとして、バルブボディの上表面及び裏面をそれぞれ覆うバルブボディプレートを使用するようにしていた。もっとも、ボール弁の配置によっては、上記のような鉄製プレートとしてバルブボディプレートを利用することができないことがある。そうした場合には、上記のような貫通孔の一端又は両端を、バルブボディプレートとは別途に設けられた専用の鉄製プレートで塞ぐようにしても良い。
・上記実施の形態では、ボール弁の貫通孔13,35の形成されるバルブボディ(アッパボディ10、第2アッパボディ31)をアルミ合金の鋳造品として製造するようにしていたが、アルミ合金以外の金属による鋳造品、或いは鋳造以外の方法で製造されたものとしても良い。要は、ボール弁の鉄球室を構成する貫通孔の両端を塞ぐように設けられた2枚の鉄製プレートよりも摩耗し易い材料によって、上記貫通孔の形成されたバルブボディが形成されていれば、本発明の適用により、ボール弁の鉄球受け面及びストッパ面の摩耗が好適に抑制されるようになる。
・上記実施の形態では、ボール弁の鉄球室を構成する貫通孔の上部側周に、鉄球室から油圧を抜くためのドレイン孔を開口させるようにしていたが、そのドレイン孔を通じた異物の混入が問題とならないのであれば、こうしたドレイン孔をそれ以外の任意の位置に開口させるようにしても良い。例えばストッパ面19,41となるバルブボディプレート(カバープレート11,第1セパレートプレート33)にドレイン孔として機能する貫通孔を形成するようにすることも可能である。
・上記実施の形態では、ボール弁は、その鉄球15,37がその自重で鉄球受け面18,40に着座してプレート孔17,39を塞ぐことで、閉弁されるようになっていた。ただし、鉄球15,37が軽く、その自重だけでは、適切にボール弁を閉弁させることができない場合には、鉄球15,37を鉄球受け面18,40に向けて付勢するばねを鉄球室14,36内に設置するようにしても良い。
10…アッパボディ(バルブボディ:10a…上表面、10b…裏面)、11…カバープレート(鉄製プレート、バルブボディプレート)、12…セパレートプレート(鉄製プレート、バルブボディプレート)、13…貫通孔、14…鉄球室、15…鉄球、17…プレート孔、18…鉄球受け面、19…ストッパ面、20…ドレイン孔、21…ソレノイド弁、22…サーボ回路、23…ロアボディ、30…第1アッパボディ、31…第2アッパボディ(バルブボディ:31a…上表面、31b…裏面)、32…ロアボディ、33…第1セパレートプレート(鉄製プレート、バルブボディプレート)、34…第2セパレートプレート(鉄製プレート、バルブボディプレート)、35…貫通孔、36…鉄球室、37…鉄球、39…プレート孔、40…鉄球受け面、41…ストッパ面、42…ドレイン孔、43…油路。
Claims (7)
- ボール弁の設けられた自動変速機の油圧回路装置において、
当該油圧回路装置のバルブボディにその表裏を貫く貫通孔を形成して、その貫通孔を、前記ボール弁の鉄球を収容する鉄球室とするとともに、
前記貫通孔の両端をそれぞれ塞ぐように2枚の鉄製プレートを設け、そのプレートの一方及び他方をそれぞれ、当該ボール弁の閉弁時に前記鉄球の着座される鉄球受け面及び同ボール弁の開弁時に前記鉄球が突き当るストッパ面とした
ことを特徴とする自動変速機の油圧回路装置。 - 前記鉄球室を構成する前記貫通孔の側周には、前記鉄球室から油圧を逃すためのドレイン孔が開口されてなる
請求項1に記載の自動変速機の油圧回路装置。 - 前記鉄製プレートは、前記バルブボディの上表面及び裏面をそれぞれ覆うバルブボディプレートとされてなる
請求項1又は2に記載の自動変速機の油圧回路装置。 - 当該油圧回路装置は、1層のアッパボディと1層のロアボディとを備えるとともに、前記バルブボディプレートとして、前記アッパボディの上表面を覆うカバープレートと前記アッパボディと前記ロアボディとの間に介設されるセパレートプレートとを備えるものであり、
前記アッパボディが前記貫通孔の形成された前記バルブボディとされてなる
ことを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の油圧回路装置。 - 当該油圧回路装置は、上下2層のアッパボディと1層のロアボディとを備えるとともに、前記バルブボディプレートとして、上層側の第1アッパボディと下層側の第2アッパボディとの間に介設される第1セパレートプレートと前記第2アッパボディと前記ロアボディとの間に介設される第2セパレートプレートとを備えるものであり、
前記第2アッパボディが前記貫通孔の形成された前記バルブボディとされてなる
ことを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の油圧回路装置。 - 前記バルブボディは、鋳造品として形成されてなる
請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動変速機の油圧回路装置。 - 前記貫通孔は、鋳抜きにて形成されてなる
請求項6に記載の自動変速機の油圧回路装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007293455A JP2009121521A (ja) | 2007-11-12 | 2007-11-12 | 自動変速機の油圧回路装置 |
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