JP2009120975A - 混繊長繊維不織布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、顕在捲縮長繊維と非捲縮長繊維が混繊されてなる混繊長繊維不織布、好ましくは顕在捲縮長繊維を30〜95重量%、非捲縮長繊維を70〜5重量%含む混繊長繊維不織布及びその製造方法を提供するものである。
本発明の混繊長繊維不織布は、嵩高性、柔軟性、形態安定性、耐層間剥離、リントフリー性、風合いに優れる。また、本発明の混繊長繊維不織布の製造方法は、上記特性を有する混繊長繊維不織布を容易に製造することができる。
【選択図】図1
Description
近年、不織布は通気性、柔軟性に優れることから各種用途に幅広く用いられている。そのため、不織布には、その用途に応じた各種の特性が求められるとともに、その特性の向上が要求されている。
例えば、紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生材料、湿布材の基布等に用いられる不織布は、耐水性があり、且つ透湿性に優れることが要求される。また、使用される箇所によっては伸長性を有することも要求される。
不織布の風合いや触感を改良するためには、不織布を嵩高にすることが有効であり、その方法の一つとして、異種の重合体を用いた芯鞘型、あるいは並列型の複合繊維を用いることにより、不織布を構成する繊維に捲縮を起こさせる方法が多々提案されている。
本発明に係る混繊長繊維不織布の顕在捲縮長繊維及び非捲縮長繊維を構成する熱可塑性樹脂は、紡糸し得る熱可塑性樹脂であれば種々公知の熱可塑性樹脂、具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテン等のα−オレフィンの単独若しくは共重合体である高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン等のエチレン系重合体、ポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体等のプロピレン系重合体、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体等のオレフィン系重合体、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマーあるいはこれらの混合物等を例示することができる。これらのうちでは、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ポリエステル、ポリアミド等が好ましい。
熱可塑性樹脂の分子量は、溶融して繊維化できる程度の分子量を有する限り特に限定はされない。
本発明に係る顕在捲縮長繊維の一つである顕在捲縮複合長繊維を構成する高融点熱可塑性樹脂(A)は、前記熱可塑性樹脂から選ばれる樹脂であって、低融点熱可塑性樹脂(B)の融点若しくは軟化温度より5℃以上、好ましくは10℃以上高い融点を有する熱可塑性樹脂である。
本発明に係る顕在捲縮長繊維の一つである顕在捲縮複合長繊維を構成する低融点熱可塑性樹脂(B)は、前記熱可塑性樹脂から選ばれる樹脂であって、高融点熱可塑性樹脂(A)の融点より5℃以上、好ましくは10℃以上低い融点若しくは軟化点を有する熱可塑性樹脂である。
本発明の混繊長繊維不織布を構成する顕在捲縮長繊維は、前記熱可塑性樹脂を溶融紡糸した後、冷却することにより捲縮する繊維であって、通常捲縮数を10個/25mm以上、好ましくは15個/25mm以上、さらに好ましくは20個/25mm以上有する顕在捲縮長繊維である。
本発明に係る顕在捲縮長繊維は、通常、繊維径が0.5〜5.0d、好ましくは0.5〜3.0dの範囲にある。
本発明に係る顕在捲縮複合長繊維の一つである並列型顕在捲縮複合長繊維は、好ましくは融点差が5℃以上である高融点熱可塑性樹脂(A)を含んでなる部分、(A)部と、低融点熱可塑性樹脂(B)を含んでなる部分、(B)部の比が5/95〜95/5(重量比)、より好ましくは5/95〜50/50(重量比)、更に好ましくは5/95〜30/70(重量比)の範囲にある並列型顕在捲縮複合長繊維である。
同様に、低融点熱可塑性樹脂(B)を含んでなる部分(B)部には、本発明の目的を損なわない範囲で、(B)以外の熱可塑性樹脂、結晶化剤、顔料などを含んでいてもよい。
さらに、嵩高性の観点から、繊維断面(繊維軸方向に対して垂直に切断した断面を単に「繊維断面」とあらわす。本願明細書において、以下同様にあらわす。)において、繊維断面の外周全長に対する(A)部の占める外周の長さの割合が、50%未満が好ましく、より好ましくは40%未満、さらに好ましくは30%未満である。
本発明に係る複合長繊維の一つである並列型顕在捲縮中空複合長繊維は、好ましくは融点差が5℃以上の少なくとも2成分の熱可塑性樹脂からなり、高融点熱可塑性樹脂(A)部と低融点熱可塑性樹脂(B)部の比が5/95〜95/5(重量比)、より好ましくは5/95〜50/50(重量比)、更に好ましくは5/95〜30/70(重量比)の範囲にある並列型顕在捲縮中空複合長繊維である。
同様に、低融点熱可塑性樹脂(B)を含んでなる部分(B)部には、本発明の目的を損なわない範囲で、(B)以外の熱可塑性樹脂、結晶化剤、顔料などを含んでいてもよい。
さらに、嵩高性の観点から、繊維断面において、繊維断面の外周全長に対する(A)部の占める外周の長さの割合が、50%未満が好ましく、より好ましくは40%未満、さらに好ましくは30%未満である。
本発明に係る並列型顕在捲縮偏芯中空複合長繊維は、好ましくは融点差が5℃以上の少なくとも2成分の熱可塑性樹脂からなり、高融点熱可塑性樹脂(A)部と低融点熱可塑性樹脂(B)部の比が5/95〜95/5(重量比)、より好ましくは5/95〜50/50(重量比)、更に好ましくは5/95〜30/70(重量比)の範囲にある並列型顕在捲縮偏芯中空複合長繊維である。
同様に、低融点熱可塑性樹脂(B)を含んでなる部分(B)部には、本発明の目的を損なわない範囲で、(B)以外の熱可塑性樹脂、結晶化剤、顔料などを含んでいてもよい。
さらに、嵩高性の観点から、繊維断面において、繊維断面の外周全長に対する(A)部の占める外周の長さの割合が、50%未満が好ましく、より好ましくは40%未満、さらに好ましくは30%未満である。
本発明の混繊長繊維不織布を構成する非捲縮長繊維は、前記熱可塑性樹脂を溶融紡糸した後、冷却しても捲縮を生じない長繊維である。
本発明の混繊長繊維不織布は、前記顕在捲縮長繊維と前記非捲縮長繊維が混繊されてなる長繊維不織布である。
本発明の混繊長繊維不織布は、非捲縮長繊維が混繊長繊維不織布中で捲縮繊維に対して複雑に絡み合う状態で存在するので混繊長繊維不織布を加工する際に顕在捲縮繊維が伸縮するのを絡み合った非捲縮繊維が抑制することから、形態安定性、リントフリー性に優れ、顕在捲縮長繊維と非捲縮長繊維の積層体と比較して、耐層間剥離性、風合いに優れる。一方、潜在捲縮長繊維と非捲縮長繊維を混繊してなる不織布を熱処理して捲縮を発現させてなる不織布は、熱処理と同時に不織布そのものが収縮することから、非捲縮長繊維は褶曲する。したがって、捲縮を発現させた不織布は非捲縮長繊維が褶曲していることから、捲縮長繊維の伸縮を抑制する効果が劣るので形態安定性が不十分である。
本発明の混繊長繊維不織布は、好ましくは目付が3〜200g/m2、好ましくは10〜150g/m2の範囲にある。
本発明の混繊長繊維不織布は、種々用途により、単独でも他の層と積層して用いてもよい。また、本発明の混繊長繊維不織布は、印刷を施すこともできる。
本発明の混繊長繊維不織布は、用途により種々の層と積層して得る。
具体的には、例えば、編布、織布、不織布、フィルム等を挙げることができる。本発明の混繊長繊維不織布と他の層を積層する(貼り合せる)場合は、熱エンボス加工、超音波融着等の熱融着法、ニードルパンチ、ウォータージェット等の機械的交絡法、ホットメルト接着剤、ウレタン系接着剤等の接着剤による方法、押出しラミネート等をはじめ、種々公知の方法を採り得る。
通気性フィルムとの積層体は、本発明の混繊長繊維不織布の嵩高性、柔軟性を生かすとともに、極めて高い耐水性を有する、クロスライクな複合素材となり得る。
本発明の混繊長繊維不織布は、スパンボンド不織布製造装置を用いて、顕在捲縮長繊維用紡糸口金と非捲縮長繊維用紡糸口金を備えた複合紡糸ノズルからそれぞれ溶融した熱可塑性樹脂を吐出させて、複合長繊維及び長繊維を紡出し、紡出した混合繊維を冷却用エアにより冷却するとともに、高速のエアにより混合した複合長繊維と長繊維を牽引細化して所定の繊度とするとともに、複合長繊維に捲縮を生じさせて、捕集ベルト上に捕集して所定の厚さ(目付)に堆積させた後、必要に応じて、ニードルパンチ、ウォータージェット、超音波等の手段を用いる方法、あるいはエンボスロールを用いる熱エンボス加工またはホットエアースルーを用いることにより1部熱融着する方法等の交絡方法で交絡することによることを特徴とする顕在捲縮長繊維と非捲縮長繊維とが混繊されてなる混繊長繊維不織布を得る方法である。
本発明の紙おむつは、前記本発明の混繊長繊維不織布あるいは前記本発明の混繊長繊維不織布を含む混繊長繊維不織布積層体を用いてなり、紙おむつの表面材、サイドギャザー、バックシート、トップシート、ウェスト部材等の部材となる。
本発明の生理用ナプキンは、前記本発明の混繊長繊維不織布あるいは前記本発明の混繊長繊維不織布を含む混繊長繊維不織布積層体を用いてなり、生理用ナプキンの表面材、サイドギャザー、バックシート、トップシート等の部材となる。
なお、実施例及び比較例で得られた混繊長繊維不織布の物性は以下の方法で行った。
予め表面が滑らかで光沢のある紙片に空間距離25mmの区分線を作った。次いで、エンボスロールにより加熱加圧処理される前の混繊長繊維不織布から、捲縮性が損なわれないように慎重に採取した顕在捲縮長繊維を1本ずつ、空間距離に対して25±5%の緩みをもたせて、両端を前記紙片に接着剤で貼り付け固着させた。この試料を1本ずつ、捲縮試験機のつかみに取り付け、紙片を切断した後、試料に初荷重(0.18mN×表示テックス数)をかけたときの、つかみ間の距離(空間距離)(mm)を読んだ。その時の捲縮数を数え、25mm間当たりの捲縮数を求めた。捲縮数は、山と谷を全部数え、2で割って値を捲縮数とした。
捲縮数は混繊長繊維不織布の中から顕在捲縮長繊維のみを取り出して20本を測定し、その平均値を小数点1けたまで求めたものを捲縮数とした。なお、捲縮数の測定は、JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で実施した。
JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内でMD方向の強度を測定する場合は混繊長繊維不織布から流れ方向(MD)に11cm、横方向(CD)に4cmの試験片を3枚採取し、CD方向の強度を測定する場合には混繊長繊維不織布から横方向(CD)に11cm、流れ方向(MD)に4cmの試験片を3枚採取する。
次いで、採取した試験片の非測定面に両面テープ(ST−416P、住友3M社製)を付着させて、更に両面テープを剥がして測定用プレート上に試験片を貼る。試験片を固定させるために、試験片上にウエイト(サイズ:5×15×3.8cm、重量:2200g)を20秒間静置する。20秒後にウエイトを取り外し、測定用プレート上部の摩擦部にサンドペーパー(Metalite K-224-505)を取付けて、試験片と摩擦部が一定荷重下(荷重値0.91kg)で接触している状態で、試験片の長手方向の上下に一定速度(42往復/分)で20回往復させる。
20回往復後に摩擦部を取り外し、予め4cm×11cmのサイズへ切り出し、重量(前重量)を測定した片面テープ(スコッチ印 表面保護テープ、住友3M社製)を試験片に貼り、試験片上にウエイト(サイズ:5×15×3.8cm、重量:2200g)を20秒間静置する。
20秒後にウエイトを取り外し、テープを試験片から取り外して、脱落繊維が付着したテープの状態からリントフリー性を評価した。
○:繊維のテープへの付着がほとんど認められなかった。
×:繊維のテープへの付着が非常に多かった。
JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で混繊長繊維不織布から流れ方向(MD)に26cm、横方向(CD)に13cmの試験片を3枚採取し、チャック間210mm、引張速度50mm/分の条件で引張り試験機(インストロン・ジャパン・カンパニイリミテッド製 インストロン5564型)を用いて、荷重が4kgfとなるところまで引張試験を行い、MD方向の中央におけるCD方向の長さの変形量より形態安定性を評価した。
○:明らかな変形が認められなかった。
×:明らかな変形が認められた。
混繊長繊維不織布から幅が25mmの短冊状に試験片を切り取った。この試験片の端から長手方向にその一部分を不織布層間で剥離し、その剥離した両端を試験機(インテスコ社製 MODEL2005型)の冶具にチャック間50mmとなるようにT字状に装着した(180度剥離)。23℃、相対湿度50%の雰囲気下、剥離速度100mm/分で不織布層を剥離して、混繊長繊維不織布間の剥離強度(単位:g/25mm)を測定した。
評価者10人により混繊長繊維不織布のエンボス面と非エンボス面についての手触りの評価を行った。以下の基準で評価結果を示す。
◎:手触りが良いと感じた人が、10人のうち10人の場合、
○:手触りが良いと感じた人が、10人のうち9〜7人の場合、
△:手触りが良いと感じた人が、10人のうち6〜3人の場合、
×:手触りが良いと感じた人が、10人のうち2人以下の場合。
高融点熱可塑性樹脂(A)として荷重2160g、230℃でのMFRが60g/10分のプロピレン重合体〔融点(Tmo);157℃〕を、低融点熱可塑性樹脂(B)として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分のプロピレン・エチレンランダム共重合体〔Mw/Mn=2.4、融点(Tmo);143℃、エチレン含有量;4mol%〕を用い、それぞれ独立に押出機(30mmφ)を用いて溶融した後、図2に示すようなノズル配置パターンで、図2において白、黒で模式的に表している2種のノズルのうち、いずれか一方のノズルを、図3の繊維断面となる紡糸口金を配置した。その上で、図1に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:100mm)を用いて製造した。より具体的には、樹脂温度とダイ温度がとも210℃、冷却風温度25℃、延伸エア風速2000m/分の条件でスパンボンド法により溶融紡糸し、高融点熱可塑性樹脂(A)と低融点熱可塑性樹脂(B)の割合が20/80(重量%)である並列型捲縮複合長繊維と高融点熱可塑性樹脂(A)のみからなる非捲縮長繊維とを含む混合繊維からなるウェッブを(並列型捲縮複合長繊維と非捲縮長繊維の)混繊比率が50重量%:50重量%となるように調整して、捕集面上に堆積させた。
なお、図1において、付番1は、第1の押出機、付番1’は第2の押出機であり、第1押出機および第2押出機には種類の異なる樹脂が用いられる。図1において、付番2は紡糸口金、付番3は連続フィラメント、付番4は冷却風、付番5はエジェクター、付番6は捕捉装置、付番7は吸引装置、付番8はウエブ、付番9は巻取りロールであり、図2において、付番11、付番12はスパンボンド不織布溶融紡糸用ノズルであり、ノズル11およびノズル12からは異なる種類の樹脂が吐出される。
この堆積したウェッブを125℃でエンボス加工(エンボス面積率20.6%、エンボスロール径150mmφ、刻印ピッチ:縦方向および横方向2.1mm、刻印形状:菱形)して目付けが25g/m2の混繊長繊維不織布を製造した。(繊維断面の外周全長に対する(A)部の占める外周の長さ割合は35%であった。)
得られた混繊長繊維不織布の物性を上記記載の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
高融点熱可塑性樹脂(A)として荷重2160g、230℃でのMFRが60g/10分のプロピレン重合体〔融点(Tmo);157℃〕を、低融点熱可塑性樹脂(B)として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分のプロピレン・エチレンランダム共重合体〔Mw/Mn=2.4、融点(Tmo);143℃、エチレン含有量;4mol%〕を用い、それぞれ独立に押出機(30mmφ)を用いて溶融した後、図2において白、黒で模式的に表している2種のノズルのうち、いずれか一方のノズルを、図5に示すような孔形状に設計して、繊維断面が図5になるように紡糸口金を配置した。その上で、図1に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:100mm)を用いて製造した。より具体的には、樹脂温度とダイ温度がとも210℃、冷却風温度25℃、延伸エア風速2000m/分の条件でスパンボンド法により溶融紡糸し、高融点熱可塑性樹脂(A)と低融点熱可塑性樹脂(B)の割合が20/80(重量%)であるからなる同芯の顕在捲縮中空複合長繊維と高融点熱可塑性樹脂(A)のみからなる非捲縮長繊維とを含む混合繊維からなるウェッブを、顕在捲縮中空複合長繊維と非捲縮長繊維の混繊比率が50重量%:50重量%となるように調整して、捕集面上に堆積させた。
前記紡糸口金は、図2に示すようなノズル配置パターンを有し、ノズルのピッチが縦方向8mm、横方向9mmであり、ノズル数の比は顕在捲縮中空複合長繊維用ノズル:非捲縮長繊維用ノズル=1:1である。顕在捲縮中空複合長繊維の単孔吐出量は0.6g/(分・孔)、非捲縮長繊維の単孔吐出量0.6g/(分・孔)とした。
この堆積したウェッブを125℃でエンボス加工(エンボス面積率20.6%、エンボスロール径150mmφ、刻印ピッチ:縦方向および横方向2.1mm、刻印形状:菱形)して目付けが25g/m2の混繊長繊維不織布を製造した。。(繊維断面の外周全長に対する(A)部の占める外周の長さ割合は35%であった。)
得られた混繊長繊維不織布の物性を上記記載の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
高融点熱可塑性樹脂(A)として荷重2160g、230℃でのMFRが60g/10分のプロピレン重合体〔融点(Tmo);157℃〕を、低融点熱可塑性樹脂(B)として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分のプロピレン・エチレンランダム共重合体〔Mw/Mn=2.4、融点(Tmo);143℃、エチレン含有量;4mol%〕を用い、それぞれ独立に押出機(30mmφ)を用いて溶融した後、図2において白、黒で模式的に表している2種のノズルのうち、いずれか一方のノズルを、図7に示すような孔形状に設計して、繊維断面図が図6−1になるように紡糸口金を配置した。その上で、図1に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:100mm)を用いて製造した。より具体的には、樹脂温度とダイ温度がとも210℃、冷却風温度25℃、延伸エア風速2000m/分の条件でスパンボンド法により溶融紡糸し、高融点熱可塑性樹脂(A)と低融点熱可塑性樹脂(B)の割合が20/80(重量%)である顕在捲縮偏芯中空複合長繊維と高融点熱可塑性樹脂(A)のみからなる非捲縮長繊維とを含む混合繊維からなるウェッブを、顕在捲縮偏芯中空複合長繊維と非捲縮長繊維の混繊比率が50重量%:50重量%となるように調整して、捕集面上に堆積させた。
すなわち、この実施例では、異なる2種類の樹脂を用いて同時に紡糸可能な図1に示すような不織布製造装置を用いて混繊長繊維不織布を製造した。この図1に示す不織布製造装置には、図2に示すようにノズルが配置されている。
この堆積したウェッブを125℃でエンボス加工(エンボス面積率20.6%、エンボスロール径150mmφ、刻印ピッチ:縦方向および横方向2.1mm、刻印形状:菱形)して目付けが25g/m2の混繊長繊維不織布を製造した。。(繊維断面の外周全長に対する(A)部の占める外周の長さ割合は35%であった。)
得られた混繊長繊維不織布の物性を上記記載の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
高融点熱可塑性樹脂(A)として荷重2160g、230℃でのMFRが60g/10分のプロピレン重合体〔融点(Tmo);157℃〕を、低融点熱可塑性樹脂(B)として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分のプロピレン・エチレンランダム共重合体〔Mw/Mn=2.4、融点(Tmo);143℃、エチレン含有量;4mol%〕を用い、それぞれ独立に押出機(30mmφ)を用いて溶融した後、図3の繊維断面となるように紡糸口金を配置した図1に示す不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:100mm)を用いて製造した。より具体的には、樹脂温度とダイ温度がとも210℃、冷却風温度25℃、延伸エア風速2000m/分の条件でスパンボンド法により溶融紡糸し、高融点熱可塑性樹脂(A)と低融点熱可塑性樹脂(B)の割合が20/80(重量%)である顕在捲縮複合長繊維からなる捕集面上に堆積させた。
前記紡糸口金は、ノズル径0.6mmφであり、ノズルのピッチが縦方向8mm、横方向9mmであり、単孔吐出量は0.6g/(分・孔)とした。
この堆積したウェッブを125℃でエンボス加工(エンボス面積率20.6%、エンボスロール径150mmφ、刻印ピッチ:縦方向および横方向2.1mm、刻印形状:菱形)して目付けが25g/m2の顕在捲縮複合長繊維のみからなる長繊維不織布を製造した。
得られた長繊維不織布の物性を上記記載の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
高融点熱可塑性樹脂(A)として荷重2160g、230℃でのMFRが60g/10分のプロピレン重合体〔融点(Tmo);157℃〕を用いて、押出機(30mmφ)を用いて溶融した後、非捲縮長繊維が吐出されるように紡糸口金を配置した図1に示す不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:100mm)を用いて製造した。より具体的には、樹脂温度とダイ温度がとも210℃、冷却風温度25℃、延伸エア風速2000m/分の条件でスパンボンド法により溶融紡糸し、高融点熱可塑性樹脂(A)からなる非捲縮長繊維を捕集面上に堆積させた。
前記紡糸口金は、ノズル径0.6mmφであり、ノズルのピッチが縦方向8mm、横方向9mmであり、単孔吐出量は0.6g/(分・孔)とした。
この堆積したウエッブを125℃でエンボス加工(エンボス面積率20.6%、エンボスロール径150mmφ、刻印ピッチ:縦方向および横方向2.1mm、刻印形状:菱形)して目付けが25g/m2のスパンボンド不織布を製造した。
得られた長繊維不織布の物性を上記記載の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
<顕在捲縮複合長繊維不織布の製造>
高融点熱可塑性樹脂(A)として荷重2160g、230℃でのMFRが60g/10分のプロピレン重合体〔融点(Tmo);157℃〕を、低融点熱可塑性樹脂(B)として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分のプロピレン・エチレンランダム共重合体〔Mw/Mn=2.4、融点(Tmo);143℃、エチレン含有量;4mol%〕を用い、それぞれ独立に押出機(30mmφ)を用いて溶融した後、図3の繊維断面となるように紡糸口金を配置した図1に示す不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:100mm)を用いて製造した。より具体的には、樹脂温度とダイ温度がとも210℃、冷却風温度25℃、延伸エア風速2000m/分の条件でスパンボンド法により溶融紡糸し、高融点熱可塑性樹脂(A)と低融点熱可塑性樹脂(B)の割合が20/80(重量%)である捲縮複合長繊維からなる捕集面上に堆積させ、目付けが12.5g/m2の顕在捲縮複合長不織布を製造した。
前記紡糸口金は、ノズル径0.6mmφであり、ノズルのピッチが縦方向8mm、横方向9mmであり、単孔吐出量は0.6g/(分・孔)とした。
高融点熱可塑性樹脂(A)として荷重2160g、230℃でのMFRが60g/10分のプロピレン重合体〔融点(Tmo);157℃〕を用い、押出機(30mmφ)を用いて溶融した後、非捲縮繊維が吐出されるような紡糸口金を配置した図1に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:100mm)を用いて、樹脂温度とダイ温度がとも210℃、冷却風温度25℃、延伸エア風速2000m/分の条件でスパンボンド法により溶融紡糸し、高融点熱可塑性樹脂(A)からなる非捲縮長繊維を捕集面上に堆積させ、目付けが12.5g/m2の非捲縮複合長不織布を製造した。
前記紡糸口金は、ノズル径0.6mmφであり、ノズルのピッチが縦方向8mm、横方向9mmであり、単孔吐出量は0.6g/(分・孔)とした。
前記顕在捲縮複合長繊維不織布と非捲縮長繊維不織布を積層させて、125℃でエンボス加工(エンボス面積率20.6%、エンボスロール径150mmφ、刻印ピッチ:縦方向および横方向2.1mm、刻印形状:菱形)して目付けが25g/m2のスパンボンド不織布を製造した。
得られた長繊維不織布の物性を上記記載の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
Claims (10)
- 顕在捲縮長繊維と非捲縮長繊維が混繊されてなる混繊長繊維不織布。
- 顕在捲縮長繊維を30〜95重量%、非捲縮長繊維を70〜5重量%含む請求項1に記載の混繊長繊維不織布。
- 顕在捲縮長繊維が、顕在捲縮複合長繊維である請求項1または2に記載の混繊長繊維不織布。
- 顕在捲縮複合長繊維が、顕在捲縮中空複合長繊維である請求項3に記載の混繊長繊維不織布。
- 顕在捲縮中空複合長繊維が、顕在捲縮偏芯中空複合長繊維である請求項4に記載の混繊長繊維不織布。
- 顕在捲縮複合長繊維が、融点差が5℃以上である高融点熱可塑性樹脂(A)と低融点熱可塑性樹脂(B)を含み、かつ高融点熱可塑性樹脂(A)を含んでなる部分(A)部と低融点熱可塑性樹脂(B)を含んでなる部分(B)部の比が10/90〜90/10(重量比)の範囲にある並列型顕在捲縮複合長繊維である請求項3に記載の混繊長繊維不織布。
- 顕在捲縮中空複合長繊維が、融点差が5℃以上である高融点熱可塑性樹脂(A)と低融点熱可塑性樹脂(B)を含み、かつ高融点熱可塑性樹脂(A)を含んでなる部分(A)部と低融点熱可塑性樹脂(B)を含んでなる部分(B)部の比が10/90〜90/10(重量比)の範囲にある並列型顕在捲縮中空複合長繊維である請求項4に記載の混繊長繊維不織布。
- 顕在捲縮偏芯中空複合長繊維が、融点差が5℃以上である高融点熱可塑性樹脂(A)と低融点熱可塑性樹脂(B)を含み、かつ高融点熱可塑性樹脂(A)を含んでなる部分(A)部と低融点熱可塑性樹脂(B)を含んでなる部分(B)部の比が10/90〜90/10(重量比)の範囲にある並列型顕在捲縮偏芯中空複合長繊維である請求項4に記載の混繊長繊維不織布。
- 並列型顕在捲縮偏芯中空複合繊維断面における(A)部の厚さ(a)と(B)部の厚さ(b)の比〔a/b〕が、0.1〜0.9の範囲にある請求項8に記載の混繊長繊維不織布。
- スパンボンド不織布製造装置を用いて、顕在捲縮長繊維用紡糸口金と非捲縮長繊維用紡糸口金を備えた複合紡糸ノズルからそれぞれ溶融した熱可塑性樹脂を吐出させて、複合長繊維及び長繊維を紡出し、紡出した混合繊維を冷却用エアにより冷却するとともに、高速のエアにより混合した複合長繊維と長繊維を牽引細化して所定の繊度とするとともに、複合長繊維に捲縮を生じさせて、捕集ベルト上に捕集して所定の厚さ(目付)に堆積させることを特徴とする顕在捲縮長繊維と非捲縮長繊維とが混繊されてなる混繊長繊維不織布の製造方法。
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