JP2009120881A - プラズマcvd装置及びプラスチック表面保護膜の形成方法 - Google Patents

プラズマcvd装置及びプラスチック表面保護膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アノード電極とカソード電極との間で、プラズマを均一及び安定的に発生させ、被処理基板に、硬質で被処理基板に対する密着性に優れ、かつ均一な膜厚の被膜を得る。
【解決手段】真空容器1内に対向して配置され、電源に接続された電極10及びアース接地された一対の電極20を有し、減圧状態で前記真空容器1内に反応ガス7を導入しながら、その反応ガス7のプラズマを前記電極間10、20に形成するプラズマCVD装置であって、一方の電極10表面上にプラスチック被処理基板30を配置し、前記各電極10、20を強制的に冷却する冷却手段を備え、前記一方の電極10に対する対応する冷却手段による冷熱が、熱伝達により前記被処理基板30を冷却する関係にあるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマCVD装置、及び被処理基板表面上にハードコート層を形成するプラスチック表面保護膜の形成方法に関するものである。
プラスチック素材の表面は、一般に、その物性から耐擦傷性が硝子に比して劣る。透明性の大きいプラスチック素材は、一般に軽量であり、耐衝撃性が大きく、しかも、加工が容易であるなどの種々の長所を有しており、これらの長所を活用して眼鏡のレンズおよび時計のカバーグラスなどとして硝子に代えて広く使用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂およびCR−39樹脂(ジエチレングリコールビスアリルカーボネート重合体 以下同様)などから得られた透明なプラスチック素材は、その使用、特に光学上の使用に際しては、透明性が大きいことが重視されることから、その表面に傷が付き難いことが当然に要求され、そのための種々の表面硬化法がある。
従来のプラスチック素材の表面硬化法の他の1つとして、プラズマ重合法(CVD法)がある。プラズマ重合法は、真空反応容器中において気体で存在するような蒸気圧を有する有機化合物であれば、これらの有機化合物のほとんど全ては真空反応容器中でプラズマ励起させることによって重合せしめられて、ピンホールのような欠陥のない被膜が形成されることを利用するものである。また、真空中でのプラズマ重合法における反応は、常温での反応であり、プラスチックの耐用温度よりも低い温度で被膜を形成させることができるという利点がある。しかも、このプラズマ重合法における反応は比較的低温で行われながら、電子温度が高いので、化学反応では高温でしか起こらないような反応を行わせることができるために、架橋度が高く、高い硬度を有する膜を形成させることができるという利点がある。
プラズマ処理方法として、特許文献1及び特許文献2などに開示がある。特許文献1では、アノード電極と反応ガス吹き出し手段とを一体としたものである。被処理基板はカソード電極の表面に設けられる。また、カソード電極のみが冷却され、アノード電極は冷却されないものである。
特許文献2では、被処理基板はアノード電極の表面に設けられる。また、アノード電極は冷却され、カソード電極は冷却されないものである。
したがって、カソード電極及びアノード電極の両者が冷却されているものではない。
特許文献1のように、被処理基板をカソード電極の表面に設け、そのカソード電極を冷却することは、その冷熱の熱伝達により被処理基板の熱変形を防止するうえで有効な手段である。
しかし、ある程度長い時間大きな電力を投入して所望の膜厚を確保しようとする場合、電極で発生する熱が大きいものとなり、プラスチック基板の熱変形を避けることが難しいものとなる。特に、プラスチック基板の厚みが厚くなるほど熱変形が顕著になる。薄いプラスチック基板の場合には、対面する電極を冷却することに伴う冷熱の熱伝達により被プラスチック基板の熱変形を防止することが可能となるが、厚いプラスチック基板の場合には、熱伝達量に限界が生じるためと考えられる。
特開2003―100721号公報 特開平6−228346号公報
したがって、本発明が解決しようとする主たる課題は、被処理基板の熱変形を防止することにある。また、厚い被処理基板に対して被膜厚を厚くする場合においても、熱変形を防止することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
真空容器内に対向して配置され、電源に接続された電極及びアース接地された一対の電極を有し、減圧状態で前記真空容器内に反応ガスを導入しながら、その反応ガスのプラズマを前記電極間に形成するプラズマCVD装置であって、
一方の電極表面上にプラスチック被処理基板を配置し、前記各電極を強制的に冷却する冷却手段を備え、
前記一方の電極に対する冷却手段による冷熱が、熱伝達により前記被処理基板を冷却する関係にあることを特徴とするプラズマCVD装置。
(作用効果)
本発明では、各電極の両者を強制的に冷却する冷却手段を設けたものである。前述のように、ある程度長い時間大きな電力を投入して所望の膜厚を確保しようとする場合、電極で発生する熱が大きいものとなり、プラスチック基板の熱変形を避けることが難しい。
本発明者らは、鋭意研究及び検討したところ、熱の発生は電極内の電力損失に伴う熱量だけでなく、プラズマ空間と電極との界面で生成する熱が大きいことを知見した。しかるに、本発明に従って、プラスチック被処理基板を設置する電極のみならず、他方の電極をも冷却すると、当該他方の電極とプラズマ空間との界面での発生熱を抑制できるので、結果として、プラスチック被処理基板の熱変形を防止できる。
〔請求項2記載の発明〕
前記一方の電極が、カソード電極であり、他方の電極がアノード電極である請求項1記載のプラズマCVD装置。
(作用効果)
本発明の好適な態様としては、一方の電極を第1電極表面(カソード電極)とし、この上に被処理基板を設けたものである。これによって、他方の電極としての第2電極表面(アノード電極)上に被処理基板を設ける場合に比較して、硬質な被膜が得られ、また、被処理基板に対する被膜の密着性が高いものとなる。この理由は、プラズマと電極表面との間の電位差がアノード電極に比較してカソード電極の方が大きく、エネルギーの大きいイオンが存在していることに起因すると思われる。
〔請求項3記載の発明〕
前記被処理基板と、これと離間して対向する他方の電極が設けられ、これらの間に前記反応ガスの導入ヘッドが設けられ、前記他方の電極が他の冷却手段により冷却され、前記反応ガスは前記導入ヘッドを通って前記被処理基板に向かって吹き出されるように構成されている請求項2記載のプラズマCVD装置。
(作用効果)
この形態においては、特許文献1のように、第2電極表面(アノード電極)自体から反応ガスを吹き出すものではなく、被処理基板と第2電極表面(アノード電極)との間に、反応ガスの導入ヘッドから反応ガスを吹き出すようにしている。特許文献1のように、第2電極表面(アノード電極)自体から反応ガスを吹き出すようにすると、吹き出し口部分でプラズマが点灯し、異常放電を起こしたり、反応生成物である粉末が吹き出し口部分に堆積する場合があることが知見された。そして、プラズマ点灯した吹き出し口を反応ガスが通過すると、前記の粉末が起因して、透明であるべき生成被膜がわずかに白く濁ったり、膜厚の不均一性や一部硬度が十分でない被膜を生成してしまう危険性がある。
ここで、他の冷却手段として、一方の電極(第1電極)と同じ冷却方式、すなわち同一の冷却源(たとえば冷却媒体)を他方の電極(第2電極)に流通させることにより構成できる。
〔請求項4記載の発明〕
前記他の冷却手段による冷熱が、導入ヘッドを通る反応ガスを冷却するように構成した請求項3記載のプラズマCVD装置。
(作用効果)
他の冷却手段による冷熱により、導入ヘッドを通る反応ガスを冷却するように構成することにより、他方の電極(第2電極)とプラズマ空間との界面での発生熱を抑制できるばかりでなく、被処理基板側に向かって吹き出される反応ガス自体の温度を低下させることができるので、プラスチック被処理基板の熱変形防止効果が高いものとなる。
〔請求項5記載の発明〕
前記被処理基板の表面は曲面を有し、これと対向する前記導入ヘッドの対向表面を、前記被処理基板と実質的に均等な間隔をもつように曲面を有するようにした請求項3または4記載のプラズマ処理装置。
(作用効果)
被処理基板の表面が曲面を有する場合、これと対向する導入ヘッドの対向表面は、前記被処理基板と実質的に均等な間隔をもつように曲面を有することで、プラズマを均一かつ安定的に発生させることができ、被処理基板上に均一な膜特性及び均一な膜厚の被膜を形成できる。
〔請求項6記載の発明〕
前記導入ヘッドは前記被処理基板側の壁に多数の吹き出し口を有し、前記吹き出し口は実質的に均等な間隔をもって行列状又は千鳥状に形成され、その形状が円形で、かつ直径が2〜7mmである請求項3〜5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
(作用効果)
吹き出し口は実質的に均等な間隔をもって行列状又は千鳥状に形成され、その形状が円形であると、各吹き出し口からの吹き出しガス流量が均一化し、プラズマが均一かつ安定的に発生させる効果が高いものとなる。また、直径が2〜7mmであることで、プラズマ反応が安定し、膜厚の均一性が高いものとなる。この点は後述の実施例及び比較例によって明らかにする。
〔請求項7記載の発明〕
前記吹き出し口のピッチが4〜20mmである請求項6記載のプラズマ処理装置。
(作用効果)
ピッチが4〜20mmであると、反応ガスの分散供給が均一化することで、被処理基板表面でのプラズマ重合反応が安定し、膜厚が均一化する。
〔請求項8記載の発明〕
前記導入ヘッドは、エポキシ樹脂、ガラス・エポキシ積層板、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂の群から選ばれた請求項3〜7のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
(作用効果)
プラズマの発生によって、導入ヘッドも加熱され、たとえば100℃程度になることもある。そのために導入ヘッドの材料には、たとえば150℃以上の耐熱性が要求されるが、列挙の材料はその耐熱性は充足する。ガラスやアルミナなどの材料も耐熱性に優れ、前記導入ヘッドとして利用可能であるが、加工性に難がある。導入ヘッドの比誘電率が真空に比べて大きければ、電界分布を変化させることができる。良好な膜形成に必要な電界分布の観点から、比誘電率が2.5〜12.0程度であるのが望ましいことを知見しているが、列挙の材料は前記の比誘電率の範囲内に存在する。結論的には、列挙の材料は耐熱性、加工性及び良好な膜形成に必要な電界分布の観点から、好適な材料である。
〔請求項9記載の発明〕
請求項1〜8のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置を使用し、被処理基板をプラスチック素材とし、オルガノシロキサン、又はオルガノシランと酸素ガスとの混合ガスを反応ガスとして、前記被処理基板表面上に前記反応ガスをプラズマ状態とすることにより生成する重合物によりハードコート層を形成することを特徴とするプラズマ処理によるプラスチック表面保護膜の形成方法。
(作用効果)
本発明において、反応ガスに限定されないが、オルガノシロキサン、又はオルガノシランと酸素ガスとの混合ガスを反応ガスとして使用すると、均一で硬質な被膜を形成できる。
本発明に従うと、要すれば、被処理基板の熱変形を防止することができる。また、厚い被処理基板に対して被膜厚を厚くする場合においても、熱変形を防止することができる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1及び図2は本発明の基本形態の例示である。なお、図示例において、第1電極10、第2電極20、処理基板30及び導入ヘッド40は、上下方向に並んでいるが、左右方向に並置することによっても本発明の効果は実質的に同一にあらわれることを、予め断っておく。
本発明のプラズマ処理装置においては、真空容器1内に対向して、第1電極(カソード電極)10及び第2電極(アノード電極)20が配置されている。第1電極10表面上に被処理基板30が配置され、ホルダー12によって支持される。真空容器1内は、排気口4から真空ポンプ5によって、減圧状態とされ、真空容器1内に外部から反応ガス7を導入ヘッド40を通して導入しながら、その反応ガスのプラズマを第1電極(カソード電極)10と第2電極(アノード電極)20との間に形成するようにしてある。
第1電極(カソード電極)10はマッチングボックス3を介して電源2に接続されている。真空容器1との間は絶縁シール6によって絶縁されている。また、詳細は図示していないが、第1電極(カソード電極)10内には冷却媒体6Aが流通され、その界面を通しての冷却熱伝達により被処理基板30の冷却が図られている。さらに、第1電極(カソード電極)10の、第2電極(アノード電極)20対向面を除く外周面には、若干の間隔をおいてシールド部材14が設けられている。第2電極(アノード電極)20はアース接地してある。
本発明においては、被処理基板30と第2電極(アノード電極)20との間に、反応ガス7の導入ヘッド40が設けられている。
他方で、図示例においては、導入ヘッド40が第2電極(アノード電極)20と接触する形態であり、導入ヘッド40の冷却を図り、被処理物(被処理基板及び又は被膜)の熱による変形及び変質を防ぐために、第2電極(アノード電極)20内には、第1電極(カソード電極)10と同様に、冷却媒体6Aが流通され、その界面を通しての冷却熱伝達により導入ヘッド40の冷却が図られている。したがって、第2電極(アノード電極)20の冷却に伴って、導入ヘッド40を通る反応ガスも冷却されるように構成されている。
導入ヘッド40は、箱状となり、被処理基板30側の壁に多数の吹き出し口40A、40A…を有し、反応ガス7は流入孔40B、40B…を通して、導入ヘッド40内へ導入されるようになっている。この反応ガス7は、吹き出し口40A、40A…から被処理基板30側に吹き出されるように構成されている。
導入ヘッド40は、扁平な箱状であればよく、その外形は被処理基板30の形状及び寸法によって決まる。図示例では扁平な四角形箱状となり、周壁に実質的に均等な間隔をもって反応ガス7の流入孔40B、40B…を有するものである。流入孔40B、40B…を、周壁に実質的に均等な間隔をもって形成した理由は、仮に均等でない場合には、導入ヘッド40内において反応ガス7の流れとして渦流が生じ、導入ヘッド40内で白粉を生じたり、吹き出し口40A、40A…から均一な吹き出しが達成でき難いことを避けるためである。
なお、導入ヘッド40は、箱状で吹き出し口40A、40A…から均一に分散する構造であればよいので、第2電極(アノード電極)20と密着する壁40Cは無くてもよい。
吹き出し口40A、40A…は実質的に均等な間隔をもって図2に示すような行列状又は千鳥状に形成することができる。その形状は、吹き出し流れの均一性を確保するために円形であるのが望ましい。その直径が2〜7mmであるのが特に望ましい。
吹き出し口40A、40Aのピッチが10〜20mmであるのが好適である。
導入ヘッド40は、前述の理由により、エポキシ樹脂、ガラス・エポキシ積層板、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂の群から選ばれるのが望ましい。
被処理基板30としては、金属板、無機材料板のほかプラスチック板など限定されない。好適なプラスチック板としては、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂のほか、ジエチレングチコールビスアリルカーボネート重合体、含硫黄ウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂、フマル酸エステルアリル系樹脂、トリアジン環アクリル樹脂、臭素配合系樹脂、含硫黄ウレタン−ラジカル樹脂、チオエーテルエステル系樹脂などの板を選択できる。
反応ガスとしては、珪素化合物が好適であり、特許第3446150号公報及び特開平5−194770号公報においても記載されているように、好ましくは、炭素原子を含む珪素化合物または、炭素原子と酸素原子または窒素原子を含む珪素化合物を使用するのが望ましい。
具体的化合物としては例えば、テトラメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロキサン、テトラメチルシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ペンタメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ヘプタメチルジシラザン、1,3−ジメトキシテトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシテトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシラザン、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、デカメチルテトラシロキサン等を使用できる。
電源としては、高周波電源、DCパルス電源、MF電源などを使用できる。特に望ましくは、高周波電源、DCパルス電源である。
(他の実施の形態)
図3に示すように、被処理基板31が曲面を有する場合、被処理基板31側の壁が、被処理基板31の曲面と実質的に同一の曲面を有するように形成すると、プラズマを均一及び安定的に発生させ、被処理基板31に均一な膜特性及び均一な膜厚の被膜を得ることができる。必要により、第1電極(カソード電極)10及び又は第2電極(アノード電極)20の対向面を、同一の曲面とするのが望ましい。第1電極(カソード電極)10を同一の曲面とすることで被処理基板31を、第2電極(アノード電極)20を同一の曲面とすることで導入ヘッド41を、それぞれ熱伝達により良好に冷却できる。図3には、先に述べたように、第2電極(アノード電極)20と密着する壁を無くした例を示している。41Bは反応ガス7の流入孔、41Bは流入孔である。
電極の冷却手段としては、電極内にたとえば蛇腹状の流路を形成し、これに冷却媒体、たとえば冷却水を流通させるのが簡易で実用的である。他の冷却手段も採用できることを当業者において明らかであろう。
次に実施例及び比較例を示しながら本発明の効果を明らかにする。
[比較例]
図1に示す装置構成を基本として、反応ガスを均一に供給して分散させるようにした。成膜条件は下記のとおりである。この例においては、アノード電極20は冷却しないで、カソード電極のみを冷却した。成膜条件は下記のとおりである。なお、生成膜の基板に対する密着性と硬度を確保する成膜方法として、特許第3446150号公報に記載された方法と同様に、酸素流量、投入電力を成膜時間の経過に伴って連続的に変化させた。
成膜条件
基板 : ポリカーボネート(厚み:3mm)
モノマー : オクタメチルシクロテトラシロキサン
モノマー流量 : 20sccm
酸素流量 : 30→500sccm
圧力 : 1→4Pa
高周波電力 : 50→800W
成膜時間 : 7分
冷却水温度 : 23℃
図4及び図5として示す写真から、基板が熱変形した。耐磨耗性を高め、密着性の良好な被膜を形成するためには、高周波電源の投入電力を大きくすることが望ましいが、被処理基板を設置した一方の電極(第1電極:カソード電極)のみを冷却しただけでは、基板の熱変形を防止することができないことが判った。
前記各写真にあらわれた形態に関し補足説明しておく。すなわち、プラスチック材料がその耐熱温度以上の温度にさらされた時、樹脂内部からガスが発生して中が空洞なこぶができる。曝された温度と時間の長さでこぶの大きさと発生量は異なり、目視で受ける印象が異なるが、熱影響が小さいときは、こぶがそれぞれ独立していて、透明なものとなる。最大で3mm程度の直径で、ほとんどはこの径以下のこぶが無秩序にできる。熱の影響が大きくなると、こぶの数が多くなり、互いに重なり合い、また、複数のこぶが結合し、基板自身も湾曲する。この状態では、透明な素材が白色に見える
[実施例]
図1に示す装置構成によって実験を行った。アノード電極20も冷却しつつ、反応ガスを冷却しながら、導入ヘッドから均一に供給して分散させるようにした。成膜条件は下記のとおりである。なお、生成膜の基板に対する密着性と硬度を確保する成膜方法として、特許第3446150号公報に記載された方法と同様に、酸素流量、投入電力を成膜時間の経過に伴って連続的に変化させた。
成膜条件
基板 : ポリカーボネート(厚み:3mm)
モノマー : オクタメチルシクロテトラシロキサン
モノマー流量 : 20sccm
酸素流量 : 30→640sccm
圧力 : 1→4.5Pa
高周波電力 : 50→800W
成膜時間 : 7分
冷却水温度 : 20℃
図6及び図7として示す写真から、基板は熱変形せず、良好な表面状態であった。これは、カソード電極の冷却により被処理基板の冷却と共に、アノード電極を冷却し、かつ、アノード電極を吹き出される反応ガスの温度を下げることで、カソード電極に設置した被処理基板の表面に対向するプラズマ空間との界面に達する熱量を減らした結果である。厚みの厚い基板を表面処理する場合、基板のプラスチック材料を熱変形させるほど電極が昇温する場合には、基板を設置したカソード電極の冷却だけでは、基板の熱変形を防止することができない。
本発明によれば、種々の被処理基板に、硬質で被処理基板に対する密着性に優れ、均一な被膜を形成できる。したがって、眼鏡レンズ、時計カバーガラスなどのガラス代替品を得ることができる。
本発明の実施の形態を示す概要図である。 電極の例を示すもので、(a)は水平断面図、(b)は被処理基板側の壁に多数の吹き出し口の配置例を示すものである。 本発明の別の実施の形態を示す概要図である。 比較例によって得られた基板の正面写真である。 比較例によって得られた基板の斜視写真である。 実施例によって得られた基板の正面写真である。 実施例によって得られた基板の斜視写真である。
符号の説明
1…真空容器、2…電源、5…真空ポンプ、10…カソード電極、20…アノード電極、30…被処理基板。

Claims (9)

  1. 真空容器内に対向して配置され、電源に接続された電極及びアース接地された一対の電極を有し、減圧状態で前記真空容器内に反応ガスを導入しながら、その反応ガスのプラズマを前記電極間に形成するプラズマCVD装置であって、
    一方の電極表面上にプラスチック被処理基板を配置し、前記各電極を強制的に冷却する冷却手段を備え、
    前記一方の電極に対する冷却手段による冷熱が、熱伝達により前記被処理基板を冷却する関係にあることを特徴とするプラズマCVD装置。
  2. 前記一方の電極が、カソード電極であり、他方の電極がアノード電極である請求項1記載のプラズマCVD装置。
  3. 前記被処理基板と、これと離間して対向する他方の電極が設けられ、これらの間に前記反応ガスの導入ヘッドが設けられ、前記他方の電極が他の冷却手段により冷却され、前記反応ガスは前記導入ヘッドを通って前記被処理基板に向かって吹き出されるように構成されている請求項2記載のプラズマCVD装置。
  4. 前記他の冷却手段による冷熱により、導入ヘッドを通る反応ガスを冷却するように構成した請求項3記載のプラズマCVD装置。
  5. 前記被処理基板の表面は曲面を有し、これと対向する前記導入ヘッドの対向表面を、前記被処理基板と実質的に均等な間隔をもつように曲面を有するようにした請求項3または4記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記導入ヘッドは前記被処理基板側の壁に多数の吹き出し口を有し、前記吹き出し口は実質的に均等な間隔をもって行列状又は千鳥状に形成され、その形状が円形で、かつ直径が2〜7mmである請求項3〜5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記吹き出し口のピッチが4〜20mmである請求項6記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記導入ヘッドは、エポキシ樹脂、ガラス・エポキシ積層板、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂の群から選ばれた請求項3〜7のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置を使用し、被処理基板をプラスチック素材とし、オルガノシロキサン、又はオルガノシランと酸素ガスとの混合ガスを反応ガスとして、前記被処理基板表面上に前記反応ガスをプラズマ状態とすることにより生成する重合物によりハードコート層を形成することを特徴とするプラズマ処理によるプラスチック表面保護膜の形成方法。
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