JP2009120753A - 着色アルミナ・シリカ粒子、その製造方法および該粒子を配合してなる化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 比表面積が5〜400m2/gで、平均粒子径が0.01〜10μmのアルミナ粒子からなるアルミナ成分と、平均粒子径が0.005〜0.5μmのシリカ粒子および/または珪酸液の脱水・縮重合物からなるシリカ成分とから構成される多孔質アルミナ・シリカ粒子の外部表面およびその細孔内表面に存在する前記アルミナ成分に酸性染料を固定化させてなる着色アルミナ・シリカ粒子、その製造方法および該粒子を配合してなる化粧料。
【選択図】 なし
Description
代表的な顔料としては、二酸化チタン、水酸化鉄、群青、ベンガラなどの無機顔料や、フタロシアニンブルー、ヘリンドンピンクなどの有機顔料がある。しかし、これらの顔料をそのまま化粧料に配合しようとすると、その色相調節が難しく、また使用顔料によっては皮膚に塗った際の感触が必ずしも良くないことが知られている。
昨今、このような問題を解決することを目的として、前記染料を着色剤として用いた着色粒子物質やこれを配合してなる化粧料が開発されている。
さらに、本発明は、このような特性を備えた着色アルミナ・シリカ粒子を配合してなる化粧料、特にメークアップ化粧料およびスキンケア化粧料を提供することを目的としている。
(1)比表面積が5〜400m2/gで、平均粒子径が0.01〜10μmのアルミナ粒子を含む水分散液と、平均粒子径が0.005〜0.5μmのシリカ粒子を含む水分散液および/または珪酸液とを混合して、前記アルミナ成分および前記珪素化合物成分が均一またはほゞ均一に分散された混合スラリーAを調製する工程、
(2)前記混合スラリーAを噴霧乾燥して、平均粒子径が0.5〜50μmの多孔質アルミナ・シリカ粒子Aを調製する工程、
(3)酸性染料を溶解または分散させた水溶液に前記多孔質アルミナ・シリカ粒子Aを添加して、該多孔質アルミナ・シリカ粒子Aの外部表面およびその細孔内表面に存在する前記アルミナ成分に前記酸性染料を吸着させた多孔質アルミナ・シリカ粒子Bを含む混合スラリーBを調製する工程、および
(4)前記多孔質アルミナ・シリカ粒子Bを乾燥して、該多孔質アルミナ・シリカ粒子Bの外部表面およびその細孔内表面に存在する前記アルミナ成分に前記酸性染料を固定化させた多孔質アルミナ・シリカ粒子Cを調製する工程
を含むことを特徴としている。
また、前記混合スラリーA中に含まれる前記珪素化合物成分は、前記シリカ粒子を少なくとも含むものであることが好ましい。
さらに、前記混合スラリーA中に含まれる前記アルミナ成分をAl2O3で表し、さらに前記珪素化合物成分をSiO2で表したとき、その重量比(Al2O3/SiO2)は、99.5/0.5〜60/40の範囲にあることが好ましい。
また、前記の酸性染料は、有機系酸性染料であることが好ましい。
さらに、前記混合スラリーB中に含まれる前記酸性染料をDxで表し、さらに前記多孔質アルミナ・シリカ粒子AをAl2O3・SiO2で表したとき、その重量比(Dx/Al2O3・SiO2)は、0.001/99.999〜20/80の範囲にあることが好ましい。
また、前記の酸性染料は、有機系酸性染料であることが好ましい。
さらに、前記着色アルミナ・シリカ粒子中に含まれる前記酸性染料の含有量は、0.001〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
また、前記着色アルミナ・シリカ粒子が、平均粒子径が0.5〜50μmの範囲にあり、しかも球状またはほゞ球状の形状を有するものであることが好ましい。
また、前記着色アルミナ・シリカ粒子の圧縮強度は、圧縮強度が、0.1kgf/mm2以上であることが好ましい。
さらに、前記着色アルミナ・シリカ粒子の彩度は、日本工業規格番号JIS Z 8729 5.2 に規定される測定方法で測定したとき、5.0以上であることが好ましい。
また、前記着色アルミナ・シリカ粒子を20〜25℃の温度に保たれたアルコール溶媒に入れて撹拌した後、1日静置して得られる上澄み液の透過率(測定波長:400〜800nm)は、99%以上であることが好ましい。
また、前記化粧料は、メークアップ化粧料またはスキンケア化粧料であることが好ましい。
(a)前記染料が前記着色アルミナ・シリカ粒子の外部表面およびその細孔内表面に固定化されているため、これを皮膚などに塗ったり、着衣などにつけても簡単に落とすことができる。
(b)前記染料が無機化合物の層間や有機化合物の内部に閉じ込められていないため、前記着色アルミナ・シリカ粒子の外部表面およびその細孔内表面に固定化された染料の色がほゞそのまま現れて、色あせて見えることがない。
(d)前記着色アルミナ・シリカ粒子は、シリカ成分を含むものであるため、適度な圧縮強度を有していることから、肌に塗布した際に崩壊したり、感触を損なわせたりすることはない。
(e)前記着色アルミナ・シリカ粒子を水などの溶媒中に浸けても、該粒子の外部表面およびその細孔内表面に固定化された染料は、水やアルコール溶媒などの中に殆ど溶出することはない。
(g)前記着色アルミナ・シリカ粒子は、アルミナ粒子からなるアルミナ成分と、シリカ粒子および/または珪酸液からなるシリカ成分とを混合して噴霧乾燥し、さらに得られた多孔質アルミナ・シリカ粒子を染料含有水溶液と混合した後、乾燥して得られるので、前記の公知技術に比べてその製造に要するコストはかなり少ない。
本発明に係る着色アルミナ・シリカ粒子の製造方法は、
(1)比表面積が5〜400m2/gで、平均粒子径が0.01〜10μmのアルミナ粒子からなるアルミナ成分と、平均粒子径が0.005〜0.5μmのシリカ粒子を含む水分散液および/または珪酸液とを混合して、前記アルミナ成分および前記珪素化合物成分が均一またはほゞ均一に分散された混合スラリーAを調製する工程、
(2)前記混合スラリーAを噴霧乾燥して、平均粒子径が0.5〜50μmの多孔質アルミナ・シリカ粒子Aを調製する工程、
(3)酸性染料を溶解または分散させた水溶液に前記多孔質アルミナ・シリカ粒子Aを添加して、該多孔質アルミナ・シリカ粒子Aの外部表面およびその細孔内表面に存在する前記アルミナ成分に前記酸性染料を吸着させた多孔質アルミナ・シリカ粒子Bを含む混合スラリーBを調製する工程、および
(4)前記多孔質アルミナ・シリカ粒子Bを乾燥して、該多孔質アルミナ・シリカ粒子Bの外部表面およびその細孔内表面に存在する前記アルミナ成分に前記酸性染料を固定化させた多孔質アルミナ・シリカ粒子Cを調製する工程
を含むものである。
次に、前記の各工程ごとに説明すれば、以下の通りである。
この工程で使用される前記アルミナ粒子としては、水酸化アルミニウム、含水酸化アルミニウムおよび/または酸化アルミニウムであれば、従来公知の方法で製造された市販品を利用することができる。具体的には、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、σ−アルミナ、 χ−アルミナ、 η−アルミナ、θ−アルミナ、κ−アルミナ、水酸化アルミニウム、含水酸化アルミニウムなどを挙げることができ、この中でもβ−アルミナ、γ−アルミナ、σ−アルミナなどを使用することが望ましい。
しかし、本発明においては、球状またはほゞ球状の形状を有するアルミナ粒子、あるいは該粒子を水中に分散させてなるアルミナゾルなどを使用することが望ましい。このようなアルミナ粒子としては、水酸化アルミニウムの水溶液を噴霧乾燥して得られる球状アルミナ粒子などがある。
さらに、前記平均粒子径が0.01μm未満であると、前記酸性染料を吸着して固定化するために必要な細孔径や細孔容積を維持できなくなり、また前記平均粒子径が10μmを超えると、噴霧乾燥時に粒子の形状が歪んでしまうので、好ましくない。
RnSiX4-n ・・・(1)
(式中、Rは炭素数1〜10の非置換型炭化水素基または置換型炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン基または水素を表し、nは0〜3である。)
このような性状を有する珪酸液の水溶液としては、水ガラス(珪酸ナトリウム)を水で希釈した後、陽イオン交換樹脂で処理して脱アルカリしたものを使用することが好ましい。
ここで、前記珪素化合物成分としては、前記シリカ粒子、前記珪酸液、あるいはこれらの混合物から選択することができるが、多くの細孔または空隙を含む多孔質アルミナ・シリカ粒子を調製するためには、前記シリカ粒子のみ、あるいは少なくとも前記シリカ粒子を含むものを使用することが望ましい。しかし、前記珪酸液は、前記アルミナ粒子間、あるいは前記アルミナ粒子および前記シリカ粒子の粒子間のバインダー成分としても機能するので、圧縮強度に優れた多孔質アルミナ・シリカ粒子を製造する必要がある場合には、この珪酸液を使用することが望ましい。
この工程における噴霧乾燥は、市販のスプレイドライヤー(ディスク回転式やノズル式等がある。)を用いた従来公知の方法で行うことができる。
すなわち、この噴霧乾燥は、前記混合スラリーAを熱風気流中に1〜3リットル/分の速度で噴霧することによって行われる。この際、前記熱風の温度は、入り口温度が150〜300℃、好ましくは170〜180℃の範囲にあることが望ましく、出口温度が40〜60℃の範囲にあることが好ましい。ここで、前記入口温度が150℃未満であると、前記混合スラリーA中に含まれる固形分の乾燥が不充分となり、また300℃を超えると、噴霧乾燥時に粒子の形状が歪んでしまうので、好ましくない。また、前記出口温度が40℃未満であると、前記固形分の乾燥度合いが悪くて装置内に付着するので、好ましくない。
また、このように噴霧乾燥して得られる前記多孔質アルミナ・シリカ粒子Aは、球状またはほゞ球状からなる形状を有している。
この工程で使用される前記酸性染料としては、前記アルミナ成分に吸着されるものであるならば、特に制限なく従来公知のものを使用することができる。しかし、本発明においては、黄色4号、黄色5号、黄色202(1)号、黄色202(2)号、黄色203号、黄色402号、黄色406号、黄色407号、赤色2号、赤色3号、赤色201号、赤色202号、赤色227号、赤色230号、赤色504号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、緑色201号、紫色401号、褐色201号、黒色401号、橙色205号、橙色207号、橙色402号などの有機系酸性染料を使用することが好ましい。
ここで、前記酸性染料は、前記アルミナ成分に容易に吸着するので、該酸性染料を吸着させた多孔質アルミナ・シリカ粒子Bを簡単に得ることができる。しかし、前記酸性染料は、前記多孔質アルミナ・シリカ粒子を構成する前記シリカ成分には殆ど吸着されない。これは、前記シリカ成分が、前記酸性染料を吸着する能力を有していないことによるものと考えられる。
この工程における乾燥は、従来公知の一般的な方法で行うことができる。
すなわち、この乾燥は、前記混合スラリーB中に含まれる固形分を濾過分離した後、必要に応じて純水または蒸留水で洗浄してから乾燥機中に入れて、100〜200℃の温度で乾燥することによって行うことができる。
また、前記混合スラリーBを限外濾過膜を用いて濃縮した後、該濃縮水溶液をそのまま乾燥機中に入れて、100〜200℃の温度で乾燥することもできる。
なお、乾燥された着色アルミナ・シリカ粒子が凝集している場合には、これをすり鉢やミキサーなどを用いて解砕することができる。
本発明に係る着色アルミナ・シリカ粒子は、比表面積が5〜400m2/gで、平均粒子径が0.01〜10μmのアルミナ粒子からなるアルミナ成分と、平均粒子径が0.005〜0.5μmのシリカ粒子/または珪酸液の脱水・縮重合物からなるシリカ成分とから構成される多孔質アルミナ・シリカ粒子の外部表面およびその細孔内表面に存在する前記アルミナ成分に酸性染料を固定化させてなるものである。
しかし、前記多孔質アルミナ・シリカ粒子中に含まれる前記シリカ成分の含有量は、SiO2の重量基準で、0.5〜40重量%の範囲にあることが好ましい。ここで、前記含有量が0.5重量%未満であると、多孔質アルミナ・シリカ粒子の強度が低下してしまい、また前記重量比が60/40を超えると、酸性染料の吸着量が低下してしまうので、好ましくない。
さらに、前記着色アルミナ・シリカ粒子の吸油量は、30〜300ml/gの範囲にあることが好ましい。ここで、前記吸油量が30ml/g未満であると、化粧料として配合した場合の皮脂吸収効果が見込めなくなり、また前記吸油量が300ml/gを超えると、多孔質アルミナ・シリカ粒子の粒子強度が低下してしまうので、好ましくない。
さらに、前記着色アルミナ・シリカ粒子の彩度は、日本工業規格番号JIS Z 8729 5.2 に規定される測定方法で測定したとき、5.0以上であることが好ましい。ここで、前記彩度が5.0未満であると、化粧料などに配合したとき、淡い色合いとなってしまうため、好ましくない。
また、前記着色アルミナ・シリカ粒子を20〜25℃の温度に保たれたアルコール溶媒に入れて撹拌した後、1日静置して得られる上澄み液の透過率(測定波長:400〜800nm)は、99%以上であることが好ましい。
以下に、本発明に係る化粧料について具体的に説明するが、これらの化粧料に必ずしも限定されるものではない。
本発明に係る化粧料は、前記着色アルミナ・シリカ粒子と、以下に述べる各種化粧料成分とを配合して得られるものである。
このような方法で製造された化粧料は、粉末状、ケーキ状、液状、クリーム状などの各種形態で使用され、さらに具体的に述べれば、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、ムースファンデーション、プレスドパウダー等のベースメークアップ化粧料、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、口紅等のポイントメークアップ化粧料、ボディパウダー、乳液、クリーム、化粧下地等のスキンケア化粧料などが挙げられる。この中でも、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、プレスドパウダー等のメークアップ化粧料に使用することが特に好ましい。
なお、本発明に係る前記着色アルミナ・シリカ粒子は、その他の化粧料に配合して使用してもよい。しかし、これらの化粧料は、前記の基本的特性の全てを必ずしも要求しないので、必要に応じて前記着色アルミナ・シリカ粒子を使用することが望ましい。
次に、本発明の実施例その他で採用された測定方法を具体的に述べれば、以下の通りである。
(1)アルミナ粒子の比表面積
前記アルミナ粒子を磁性ルツボ(B−2型)に約30ml採取し、300℃で2時間乾燥後、デシケーターに入れて室温まで冷却する。次に、サンプルを1g取り、全自動表面積測定装置(湯浅アイオニクス社製マルチソーブ12型)を用いて比表面積(m2/g)を測定(BET法)する。
前記アルミナ粒子1gに水を39g加えて懸濁し、超音波発生機(iuch社製US−2型)にて5分間分散する。さらに、水を加えて適度に濃度を調節し、ガラスセル(長さ10mm、幅10mm、高さ45mmのサイズ)に分散液を取り、遠心式自動粒度分布測定装置(HORIBA社製CAPA−700型)を用いて平均粒子径を測定する。
NaOH滴定法にて比表面積S(m2/g)を測定し、以下の式にて平均粒子径を算出する。
S=[4π(D/2)2×(10-9)2]/[4π×(D/2)3/3×(無定形シリカの真比重)×(10-7)3]
より、
D=6000/(S×2.2)
上記の式で、Dは平均粒子径(nm)、Sは比表面積(m2/g)を表す。また、無定形シリカの真比重は2.2g/cm3とする。
前記多孔質アルミナ・シリカ粒子または着色アルミナ・シリカ粒子1gに水を39g加えて懸濁し、超音波発生機(iuch社製US−2型)にて5分間分散する。さらに、水を加えて適度に濃度を調節し、10mmガラスセル(長さ10mm、幅10mm、高さ45mmのサイズ)に分散液を取り、遠心式自動粒度分布測定装置(HORIBA社製CAPA−700型)を用いて平均粒子径を測定する。
前記着色アルミナ・シリカ粒子を磁性ルツボ(B−2型)に約30ml採取し、110℃で2時間乾燥後、デシケーターに入れて室温まで冷却する。次に、よく洗浄したセルに試料1gを取り、窒素吸着装置(自社製)を用いて窒素を吸着させて、その重量を測定し、以下の式により細孔容積を算出する。
細孔容積(ml/g)=(0.001567×(V−Vc)/w)
上記の式で、Vは圧力735mmHgにおける標準状態の吸着量(ml)、Vcは圧力735mmHgにおけるセルブランクの容量(ml)、Wは試料の重量(g)を表す。また、窒素ガスと液体窒素の密度の比を0.001567とする。
前記着色アルミナ・シリカ粒子1.5gを薬包紙に採取し、ガラス測定板に移す。次に、煮あまに油(JIS K 5101に規定するもの)をビュレットから1回に4、5滴ずつ試料に滴下し、全体をヘラで練り合わせる。この滴下と練り合わせを繰り返し、螺旋形を巻く状態となったときを終点とし、以下の式にて吸油量を算出する。
吸油量(ml/100g)=(A/W)×100
上記の式で、Aは煮あまに油の滴下量(ml)、Wは試料の採取量(g)を表す。
前記着色アルミナ・シリカ粒子(粒子径5±1μm)から粒子1個を試料として採取し、微小圧縮試験機(島津作製所製 MCTM−200型)を用いて一定の負荷速度で加重をかけて、粒子が破壊した時点の荷重値を圧縮強度(kgf/mm2)とする。ここでは、5個の粒子について測定し、その平均値を粒子の圧縮強度とする。
前記着色アルミナ・シリカ粒子を0.5g採取し、100mlビーカーに移す。次に、蒸留水もしくはエタノールを49.5g加えて懸濁し、1時間撹拌する。さらに、超音波発生機(iuch社製US−2型)にて10分間分散し、1日静置する。次に、それを遠心分離機で分離させて、上澄み液を採取する。さらに、その上澄み液0.2μmをマイクロフィルターにてろ過し、石英セル(長さ10mm、幅10mm、高さ45mmのサイズ)に入れた後、分光光度計(HITACHI社製U−2000)を用いて波長400〜800nmにおける透過率を測定し、この範囲における最も低い値を上澄み液の透過率とする。
前記着色アルミナ・シリカ粒子を測色用のステンレスカップいっぱいに取り、試料の表面を平らなガラス板を使用して平滑にさせる。次に、分光光度計(ミノルタ社製、CM2002型)にカバーガラス(ミノルタ社製、CM−A40)をセットし、光源D−60、視野10度、SCI法にてL*a*b*表色系にて測色して、以下の式より彩度を算出する。
彩度=[(a*)2+(b*)2]1/2
比表面積100m2/g、平均粒子径0.2μmのδ−アルミナ粒子(degussa社製、AEROXIDE Alu C)90gを純水850gに加えて30分間撹拌して前記アルミナ粒子の懸濁液を得た。次いで、これをディスパーミル(ホソカワミクロン社製、D−1型)にかけて前記懸濁液中に含まれる前記アルミナ粒子の凝集物などを解砕して、前記アルミナ粒子を分散させた水分散液を得た。
このようにして得られた混合スラリーA中に含まれる固形分濃度は10重量%であり、また前記アルミナ粒子をAl2O3で表し、さらに前記シリカ粒子をSiO2で表したとき、その重量比(Al2O3/SiO2)は90/10であった。
このようにして得られた混合スラリーB中に含まれる固形分濃度は3.85重量%であり、また前記酸性染料をDxで表し、さらに前記多孔質アルミナ・シリカ粒子をAl2O3・SiO2で表したとき、その重量比(Dx/Al2O3・SiO2)は2.5/100であった。
このようにして得られた着色アルミナ・シリカ粒子について、上記方法にて、細孔容積、吸油量、圧縮強度および彩度を測定した。また、上記の方法で前記着色アルミナ・シリカ粒子を純水に浸して得られた上澄み液の透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
比表面積4m2/g、平均粒子径0.5μmのα−アルミナ粒子(住友化学社製 AKP−20)、平均粒子径0.1μm、平均粒子径0.15μmまでビーズミルを使用して微粒化した実施例1の前記アルミナ粒子、および比表面積6m2/g、平均粒子径22μmのα−アルミナ粒子(昭和電工社製 AS−20)をそれぞれ使用した以外は、実施例1と同様な方法で、青色の多孔質アルミナ・シリカ粒子C、すなわち着色アルミナ・シリカ粒子(以下、「比較例粒子−1a」、「実施例粒子−2a」、「実施例粒子−2b」および「比較例粒子−1b」、という)を得た。なお、比較を容易にするため、上記の製造条件の一部を表1に示す。
このようにして得られた着色アルミナ・シリカ粒子について、上記方法にて、細孔容積、吸油量、圧縮強度および彩度を測定した。また、上記の方法で前記着色アルミナ・シリカ粒子を純水に浸して得られた上澄み液の透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
平均粒子径0.005μm、平均粒子径0.02μmおよび平均粒子径0.55μmからなるシリカ粒子をそれぞれ使用した以外は、実施例1と同様な方法で、青色の多孔質アルミナ・シリカ粒子C、すなわち着色アルミナ・シリカ粒子(以下、「実施例粒子−3a」、「実施例粒子−3b」および「比較例粒子−2」、という)を得た。なお、比較を容易にするため、上記の製造条件の一部を表1に示す。
このようにして得られた着色アルミナ・シリカ粒子について、上記方法にて、細孔容積、吸油量、圧縮強度および彩度を測定した。また、上記の方法で前記着色アルミナ・シリカ粒子を純水に浸して得られた上澄み液の透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
実施例1で使用されたシリカ粒子の代わりに、平均粒子径0.005μmのシリカ粒子30gと珪素成分をSiO2換算基準で4.8重量%含むpH2.8の珪酸液103gとからなる珪素化合物成分、および珪素成分をSiO2換算基準で4.8重量%含むpH2.8の珪酸液206gからなる珪素化合物成分を用いた以外は、実施例1と同様な方法で、青色の多孔質アルミナ・シリカ粒子C、すなわち着色アルミナ・シリカ粒子(以下、「実施例粒子−4a」および「実施例粒子−4b」という)を得た。なお、比較を容易にするため、上記の製造条件の一部を表1に示す。
このようにして得られた着色アルミナ・シリカ粒子について、上記方法にて、細孔容積、吸油量、圧縮強度および彩度を測定した。また、上記の方法で前記着色アルミナ・シリカ粒子を純水に浸して得られた上澄み液の透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
実施例1で得られた混合スラリーA中に含まれる固形分濃度を0.5重量%、8重量%、12重量%および40重量%に調整して噴霧乾燥した(ただし、40重量%スラリーAは粘度が高すぎて噴霧乾燥はできなかった)以外は、実施例1と同様な方法で、青色の多孔質アルミナ・シリカ粒子C、すなわち着色アルミナ・シリカ粒子(以下、「比較例粒子−3a」、「実施例粒子−5a」、「実施例粒子−5b」および「比較例粒子−3b」、という)を得た。なお、比較を容易にするため、上記の製造条件の一部を表1に示す。
このようにして得られた着色アルミナ・シリカ粒子について、上記方法にて、細孔容積、吸油量、圧縮強度および彩度を測定した。また、上記の方法で前記着色アルミナ・シリカ粒子を純水に浸して得られた上澄み液の透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
比表面積150m2/g、平均粒子径0.1μmのγ−アルミナ粒子(住友化学社製AKP−G015)、比表面積275m2/g、平均粒子0.3μmのβ−アルミナ粒子(触媒化成工業製、Cataloid AP−3)、比表面積12m2/g、平均粒子径0.2μmのα−アルミナ粒子(住友化学社製 AKP−50)をそれぞれ使用した以外、実施例1と同様な方法で、青色の多孔質アルミナ・シリカ粒子C、すなわち着色アルミナ・シリカ粒子(以下、「実施例−6a」、「実施例−6b」、「実施例−6c」、という)を得た。なお、比較を容易にするため、上記の製造条件の一部を表1に示す。
このようにして得られた着色アルミナ・シリカ粒子について、上記方法にて、細孔容積、吸油量、圧縮強度および彩度を測定した。また、上記の方法で前記着色アルミナ・シリカ粒子を純水に浸して得られた上澄み液の透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
実施例1で調製されたアルミナ粒子の水分散液にシリカ粒子等の珪素化合物成分を加えないで噴霧乾燥した以外は、実施例1と同様な方法で、青色の多孔質アルミナ・シリカ粒子C、すなわち着色アルミナ・シリカ粒子(以下、「比較例粒子−4」という)を得た。なお、比較を容易にするため、上記の製造条件の一部を表1に示す。
このようにして得られた着色アルミナ・シリカ粒子について、上記方法にて、細孔容積、吸油量、圧縮強度および彩度を測定した。また、上記の方法で前記着色アルミナ・シリカ粒子を純水に浸して得られた上澄み液の透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
実施例1で調製された混合スラリーA中に含まれる前記アルミナ粒子と前記シリカ粒子との含有割合を、前記アルミナ粒子をAl2O3で表し、さらに前記シリカ粒子をSiO2で表したとき、その重量比(Al2O3/SiO2)が99.9/0.1、95/5、80/20および50/50となるように調整した以外は、実施例1と同様な方法で、青色の多孔質アルミナ・シリカ粒子C、すなわち着色アルミナ・シリカ粒子(以下、「比較例粒子−5a」、「実施例粒子−7a」、「実施例粒子−7b」および「比較例粒子−5b」、という)という)を得た。なお、比較を容易にするため、上記の製造条件の一部を表1に示す。
このようにして得られた着色アルミナ・シリカ粒子について、上記方法にて、細孔容積、吸油量、圧縮強度および彩度を測定した。また、上記の方法で前記着色アルミナ・シリカ粒子を純水に浸して得られた上澄み液の透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
実施例1で使用した青色酸性染料の代わりに、赤色酸性染料(癸巳化成社製 赤色3号)を使用した以外は、実施例1と同様な方法で、赤色の多孔質アルミナ・シリカ粒子C、すなわち着色アルミナ・シリカ粒子(以下、「実施例粒子−8」という)という)を得た。なお、比較を容易にするため、上記の製造条件の一部を表1に示す。
このようにして得られた着色アルミナ・シリカ粒子について、上記方法にて、細孔容積、吸油量、圧縮強度および彩度を測定した。また、上記の方法で前記着色アルミナ・シリカ粒子を純水に浸して得られた上澄み液の透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
実施例1で使用した青色酸性染料の代わりに、褐色酸性染料(癸巳化成社製 褐色201号)を使用した以外は、実施例1と同様な方法で、褐色の多孔質アルミナ・シリカ粒子C、すなわち着色アルミナ・シリカ粒子(以下、「実施例粒子−9」という)という)を得た。なお、比較を容易にするため、上記の製造条件の一部を表1に示す。
このようにして得られた着色アルミナ・シリカ粒子について、上記方法にて、細孔容積、吸油量、圧縮強度および彩度を測定した。また、上記の方法で前記着色アルミナ・シリカ粒子を純水に浸して得られた上澄み液の透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
実施例1で調製された混合スラリーB中に含まれる前記青色酸性染料と前記多孔質アルミナ・シリカ粒子との含有割合を、前記酸性染料をDxで表し、さらに前記多孔質アルミナ・シリカ粒子AをAl2O3・SiO2で表したとき、その重量比(Dx/Al2O3・SiO2)が0.0001/99.9999、1/99、3/97および30/70となるように調整した以外は、実施例1と同様な方法で、青色の多孔質アルミナ・シリカ粒子C、すなわち着色アルミナ・シリカ粒子(以下、「比較例粒子−6a」、「実施例粒子−10a」、「実施例粒子−10b」および「比較例粒子−6b」、という)という)を得た。なお、比較を容易にするため、上記の製造条件の一部を表2に示す。
このようにして得られた着色アルミナ・シリカ粒子について、上記方法にて、細孔容積、吸油量、圧縮強度および彩度を測定した。また、上記の方法で前記着色アルミナ・シリカ粒子を純水に浸して得られた上澄み液の透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
タルク(浅田製粉社製 TALC JA−46R)10g、マイカ(キララ社製 白雲母 Y3000M)19.8g、パラベン(上野製薬社製メッキンスーM)0.2g、パール粉体(メルク社製Timiron Super Sheen MP−1001)10g、実施例1で調製した着色多孔質アルミナ・シリカ粒子10gをミキサーを用いて混合する。
さらに、ジメチコン(信越化学工業社製KF−96A−6cs)10g、ジイソステアリン酸ポリグリセリルー2(日清オイリオグループ社製コスモール42V)3g、イソノナン酸イソノニル(日清オイリオグループ社製サラコス99)7gを加えて再度混合して、パウダーアイシャドー65gを得た。
このようにして得られたパウダーアイシャドーを観察したところ、淡い青色であり、しかも好感触を有するものであった。
Claims (20)
- (1)比表面積が5〜400m2/gで、平均粒子径が0.01〜10μmのアルミナ粒子を含む水分散液と、平均粒子径が0.005〜0.5μmのシリカ粒子を含む水分散液および/または珪酸液とを混合して、前記アルミナ成分および前記珪素化合物成分が均一またはほゞ均一に分散された混合スラリーAを調製する工程、
(2)前記混合スラリーAを噴霧乾燥して、平均粒子径が0.5〜50μmの多孔質アルミナ・シリカ粒子Aを調製する工程、
(3)酸性染料を溶解または分散させた水溶液に前記多孔質アルミナ・シリカ粒子Aを添加して、該多孔質アルミナ・シリカ粒子Aの外部表面およびその細孔内表面に存在する前記アルミナ成分に前記酸性染料を吸着させた多孔質アルミナ・シリカ粒子Bを含む混合スラリーBを調製する工程、および
(4)前記多孔質アルミナ・シリカ粒子Bを乾燥して、該多孔質アルミナ・シリカ粒子Bの外部表面およびその細孔内表面に存在する前記アルミナ成分に前記酸性染料を固定化させた多孔質アルミナ・シリカ粒子Cを調製する工程
を含むことを特徴とする着色アルミナ・シリカ粒子の製造方法。 - 前記アルミナ粒子が、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、σ−アルミナ、 χ−アルミナ、 η−アルミナ、θ−アルミナ、κ−アルミナ、水酸化アルミニウムおよび含水酸化アルミニウムから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の着色アルミナ・シリカ粒子の製造方法。
- 前記混合スラリーA中に含まれる前記珪素化合物成分が、前記シリカ粒子を少なくとも含むものであることを特徴とする請求項1〜2に記載の着色アルミナ・シリカ粒子の製造方法。
- 前記混合スラリーA中に含まれる前記アルミナ成分をAl2O3で表し、さらに前記珪素化合物成分をSiO2で表したとき、その重量比(Al2O3/SiO2)が、99.5/0.5〜60/40の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の着色アルミナ・シリカ粒子の製造方法。
- 前記酸性染料が、有機系酸性染料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の着色アルミナ・シリカ粒子の製造方法。
- 前記混合スラリーB中に含まれる前記酸性染料をDxで表し、さらに前記多孔質アルミナ・シリカ粒子AをAl2O3・SiO2で表したとき、その重量比(Dx/Al2O3・SiO2)が、0.001/99.999〜20/80の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の着色アルミナ・シリカ粒子の製造方法。
- 比表面積が5〜400m2/gで、平均粒子径が0.01〜10μmのアルミナ粒子と、平均粒子径が0.005〜0.5μmのシリカ粒子および/または珪酸液の脱水・縮重合物からなるシリカ成分とから構成される多孔質アルミナ・シリカ粒子の外部表面およびその細孔内表面に存在する前記アルミナ成分に酸性染料を固定化させてなる着色アルミナ・シリカ粒子。
- 前記多孔質アルミナ・シリカ粒子中に含まれる前記シリカ成分の含有量が、SiO2の重量基準で、0.5〜40重量%の範囲にあることを特徴とする請求項7に記載の着色アルミナ・シリカ粒子。
- 前記の酸性染料が、有機系酸性染料であることを特徴とする請求項7〜8のいずれかに記載の着色アルミナ・シリカ粒子。
- 前記着色アルミナ・シリカ粒子中に含まれる前記酸性染料の含有量が、0.001〜20重量%の範囲にあることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の着色アルミナ・シリカ粒子。
- 前記着色アルミナ・シリカ粒子が、平均粒子径が0.5〜50μmの範囲にあり、しかも球状またはほゞ球状の形状を有するものであることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の着色アルミナ・シリカ粒子。
- 前記着色アルミナ・シリカ粒子の細孔容積が、0.1〜2.5ml/gの範囲にあることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の着色アルミナ・シリカ粒子。
- 前記着色アルミナ・シリカ粒子の吸油量が、30〜300ml/gの範囲にあることを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載の着色アルミナ・シリカ粒子。
- 前記着色アルミナ・シリカ粒子の圧縮強度が、0.1kgf/mm2以上であることを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載の着色アルミナ・シリカ粒子。
- 前記着色アルミナ・シリカ粒子の彩度が、日本工業規格番号JIS Z 8729 5.2 に規定される測定方法で測定したとき、5.0以上であることを特徴とする請求項7〜14のいずれかに記載の着色アルミナ・シリカ粒子。
- 前記着色アルミナ・シリカ粒子を20〜25℃の温度に保たれたpH7.0の純水に入れて撹拌した後、1日静置して得られる上澄み液の透過率(測定波長:400〜800nm)が、99%以上であることを特徴とする請求項7〜15のいずれかに記載の着色アルミナ・シリカ粒子。
- 前記着色アルミナ・シリカ粒子を20〜25℃の温度に保たれたアルコール溶媒に入れて撹拌した後、1日静置して得られる上澄み液の透過率(測定波長:400〜800nm)が、99%以上であることを特徴とする請求項7〜15のいずれかに記載の着色アルミナ・シリカ粒子。
- 請求項7〜17のいずれかに記載の着色アルミナ・シリカ粒子を配合してなる化粧料。
- 前記化粧料が、前記着色アルミナ・シリカ粒子を0.1〜30重量%の範囲で含むことを特徴とする請求項18に記載の化粧料。
- 前記化粧料が、メークアップ化粧料またはスキンケア化粧料であることを特徴とする請求項18または19に記載の化粧料。
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