JP2009119572A - インサート及び刃先交換式切削工具 - Google Patents

インサート及び刃先交換式切削工具 Download PDF

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Abstract

【課題】本願発明は、切削抵抗の増大を抑え、優れた刃先強度を有し、高能率な加工ができるインサート及び刃先交換式切削工具を提供することである。
【解決手段】本願発明は、取付け穴を有する略平行四辺形平板状をしたインサート1において、該インサートの向い合う鋭角部にはコーナー部11が形成され、該コーナー部11を挟んで隣り合う短辺側の側面を逃げ面12とし、長辺側の側面を逃げ面13とし、該コーナー部11を含む上面をすくい面14とし、該コーナー部11には曲線、又は直線を含む略円弧状の切刃15を有し、該切刃15の長さをL(mm)としたとき、Lは1/4円弧を超えて長く、3/8円弧よりも短く、該切刃15が該コーナー部を含む上面から該短辺側及び該長辺側へ向かうに従って下面方向に後退することを特徴とするインサートである。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、回転式切削工具に装着されるインサート、及びインサートを取付けた刃先交換式転削工具に関する。
回転式切削工具に装着されるインサート、及びインサートを取付けた刃先交換式転削工具に関する技術が、以下の特許文献1から3に開示されている。
特開2005−28536号公報 特開2005−40924号公報 特開2003−275919号公報
本願発明は、切削抵抗の増大を抑え、優れた刃先強度を有し、高能率な加工ができるインサート及び刃先交換式切削工具を提供することである。
本願発明における第1の発明は、取付け穴を有する略平行四辺形平板状をしたインサート1において、該インサートの向い合う鋭角部にはコーナー部11が形成され、該コーナー部11を挟んで隣り合う短辺側の側面を逃げ面12とし、長辺側の側面を逃げ面13とし、該コーナー部11を含む上面をすくい面14とし、該コーナー部11には曲線、又は直線を含む略円弧状の切刃15を有し、該切刃15の長さをL(mm)としたとき、Lは1/4円弧を超えて長く、3/8円弧よりも短く、該切刃15が該コーナー部を含む上面から該短辺側及び該長辺側へ向かうに従って下面方向に後退することを特徴とするインサートである。
また、本願発明における第2の発明は、取付け穴を有する略平行四辺形平板状をしたインサートが工具本体先端部のインサート取付け座に着脱自在に装着された刃先交換式切削工具において、該インサートの向い合う鋭角部にはコーナー部11が形成され、該コーナー部11を挟んで隣り合う短辺側の側面を逃げ面12、長辺側の側面を逃げ面13とし、該コーナー部を含む上面をすくい面14とし、該コーナー部には曲線、又は直線を含む略円弧状の切刃15を有し、該切刃15の長さをL(mm)としたとき、Lは1/4円弧よりも長く、3/8円弧よりも短く、該切刃15が該コーナー部を含む上面から該短辺側及び該長辺側へ向かうに従って下面方向に後退することを特徴とする刃先交換式切削工具である。上記の構成を採用することによって、切削抵抗の増大を抑え、優れた刃先強度を有し、高能率な加工ができるインサート及び刃先交換式切削工具を提供することができる。
本願発明における第1の発明であるインサートにおいて、切刃15の円弧半径をr(mm)としたとき、0.4≦r≦2.5、であることが好ましい。また、略平行四辺形平板状をしたインサートの上面視による短辺と長辺とが鋭角で交わるコーナー部11のコーナー角度をα(度)としたとき、70≦α≦85であることが好ましい。更に、切刃15がコーナー部を含む上面から短辺側及び長辺側へ向かうに従って下面方向へ連続的に後退していることが好ましい。
本願発明における第2の発明である刃先交換式切削工具において、刃先交換式切削工具の工具径が20mm以下であることが好ましい。
本願発明は、切削抵抗の増大を抑え、優れた刃先強度を有し、高能率な加工ができるインサート及び刃先交換式切削工具を提供することができた。
図1は本願発明のインサート1の実施形態を示す斜視図である。図2に示す本願発明の刃先交換式切削工具は、本願発明のインサート1を工具ホルダ2に取付けたものである。図1に示すように、本願発明のインサート1は概略平行四辺形平板状を有した基本形状を成している。インサート1は、上面と側面の交叉稜線上であって、向い合う鋭角にはコーナー部11が形成されている。コーナー部11を挟んで隣り合う短辺側の側面を逃げ面12、長辺側の側面を逃げ面13としている。コーナー部11を含む上面をすくい面14としている。コーナー部11には曲線、又は直線を含む略円弧状の切刃15を有している。逃げ面12、13は、下面16から上面に向かって外側に傾斜する側面として形成されている。すくい面14は、着座面をなす下面16と対向して上面側に形成されている。インサートの上面の略中央部には、上面と下面を貫通する穴が設けられている。これは、インサートを工具用ホルダにクランプネジを通して固定するための取付け穴17である。この取付け穴17を中心に180度回転させ、装着向きを変えることにより、同一のインサートで2つの切刃を使用できる。
図3、4に本願発明のインサート1の図を示す。図3に示すように、本願発明のインサート1において、切刃15がコーナー部11を含む上面から短辺側及び長辺側へ向かうに従って下面方向に後退すること、即ち、コーナー部11に連なる上面14を厚み方向に後退させることで、後退した上面18と側面12とがなす交叉稜線は、切刃として作用しない稜線19となる。図4に示すように、取付け穴17を有する略平行四辺形平板状をしたインサートの切刃15は曲線、又は直線を含む略円弧状である。また、切刃15の長さをL(mm)としたとき、Lは1/4円弧を超えて長く、3/8円弧よりも短い。Lを上記の範囲とすることによって、切刃強度を向上させることができる。しかし、切刃15が長いと被削材との接触長さが増加し切削抵抗の増大を招くこととなってしまう。そこで、切刃15が後退することによって、本願発明のインサートは、被削材との接触長さの増加と切削抵抗の増大とを回避し、刃先強度に優れ、コーナー部に大きな半径を備えたインサートが実現可能となる。従って、L値が1/4円弧を超えて長く、3/8円弧よりも短いインサートにおいても、切削抵抗の増加がなく、高能率な加工ができる。
切刃15の円弧半径であるr値は、0.4≦r≦2.5、であることが好ましい。また、略平行四辺形平板状をしたインサートの上面からの正面視による短辺と長辺とが鋭角で交わるコーナー部のコーナー角度であるα値は、70≦α≦85、であることが好ましい。この理由は、刃先強度を確保するうえで好ましい範囲となるからである。
本願発明のインサートにおいて、切刃15がコーナー部を含む上面から短辺側及び長辺側へ向かうに従って下面方向に後退することが好ましい。この理由は、切刃15が連続的に後退し、そのときの形状は直線形状、又は曲線形状であことが切刃強度に優れるために好ましい。特に曲線形状であるとき、この曲線が円弧状である場合は、その半径は0.3mm以上であることが好ましい。これによって、インサートの破損起点となる角部を形成することがなく、切刃強度に優れたインサートを実現できる。
図2の中に刃先交換式切削工具の回転軌跡を示す。この工具の回転軌跡は、切刃15の最外周回転軌跡5を示す。一方、本願発明のインサートにおいて、切刃15を下面方向に後退させることで生じた稜線19の回転軌跡は、切刃15の最外周回転軌跡5の半径よりも小さくなる。従って、この稜線19は、切刃として作用することがなく、被削材の加工面との接触を避けることができる。
本願発明の刃先交換式切削工具は、例えば、切刃15のコーナー半径が2mmのインサートを用いても、切削抵抗の増大を抑え、ビビリ振動の発生が殆どみられない。また別の形状を有するインサートと共に工具ホルダの共通使用が可能となる利便性を有し、優れた刃先強度を生かして高能率な加工ができるような刃先交換式切削工具である。
また、本願発明のインサートは、Lが1/4円弧を超えて長いという特徴があるので、被削材の加工面との接触を避けることに関しても好都合となる。また、Lが3/8円弧よりも短い場合、切刃15が側面から受ける切削力は軽減し、工具突出し量が長い場合においても工具のたわみは抑えられ、ビビリ振動を抑制することができる。この効果により、低切込み高送り用途に特に適している。この加工能率に優れた低切込み高送り加工での軸方向切込み量は、最大で2mm程度であることから、切刃15から稜線19への移行部分の切刃長さは最大でも3mm以下とすることが好ましい。3mm以下とすることによって、被削材から受ける切削力は軽減し、工具のたわみが抑えられる。従って、工具突出し量が長い場合においてもビビリ振動は抑制され、高能率な加工を実現できる。一方、3mmを超える場合には切削抵抗の増大を招き加工能率の低下が著しくなる。また別の視点から、この移行部分の形状は、被削材の加工壁面に転写されることがあるため、加工壁面の品位を重要視する場合には、移行部分の切刃長さは最大でも3mm以下とすることが好ましい。
本願発明の刃先交換式切削工具は、小型の金型や部品などの加工用として最近増加している、連続動力が2.5から7.3kWのBT30主軸に代表される主軸を備えた小型マシニングセンタに最適な刃先交換式切削工具であり、特に、工具径が20mm以下の刃先交換式切削工具であることが好ましい。
本願発明のインサートを工具ホルダに固定する際に、インサートの位置決め、及び拘束に関与する側面はインサートの幅方向に後退することが無く、インサート側面の幅方向へに後退に伴う下面形状の変化も無い。従って着座面となる下面16の形状の変化と面積の減少を回避することができるので、専用のホルダを必要とせず、既存のホルダを共通使用できる利便性を備えている。つまり、本願発明のインサートは、従来の90度肩壁削り用ホルダにも取付け可能である。その様子を図5に示す。図5は本願発明のインサート1を図6の工具ホルダに取付ける様子を示す。また図5では、本願発明のインサート1の代わりに、図7、図8に示した従来の90度肩壁削り用インサート3、4であっても、同じ工具ホルダに取付けられることを示す。この理由は、本願発明のインサートが、側面を後退させること無く、実質的にインサートの側面形状、着座面となる下面形状やその位置を維持しているからである。従って、工具ホルダ形状を変更することなく、既存のホルダを共通使用できるため、ホルダの多能化を実現できる。
本願発明のインサートは、BT30主軸に代表される主軸を備えた小型マシングセンタで高能率な粗加工を行うことを目的としており、そのインサートを支える工具ホルダは、高剛性、高強度であり、連続して粗加工を行っても破損等が発生しないものが必要である。そこで図9に示すように、本願発明の刃先交換式転削工具は、インサート取付け座21の工具ホルダ座面22と側壁23が交叉する谷部24に、工具ホルダの奥壁25から表面側端部26に向かう方向での途中からバックメタルを増加させた肉残し部27を設けることが好ましい。工具径が20mm以下の工具用ホルダを採用することで、最小限のホルダ着座面の損失においても有効的に応力集中を緩和し、バックメタルの増加による強度改善を実現できる。肉残し部27における工具ホルダの表面側端部26での断面はR0.6(mm)、若しくはC0.6(mm)より大きな断面形状であることが好ましい。上記より、工具ホルダ破損等の事故を防止しつつ、切削抵抗も大幅に低減出来るので、BT30主軸に代表される主軸を備えた小型マシングセンタでも、高送りを主体とした高能率切削が可能である。本願発明のインサート及びこれを備えた刃先交換式転削工具の実施例についての説明を以下に行うが、本願発明がこれに限定解釈されるものでない。
(実施例1)
実施例1は、切刃長さの異なる本発明例1と従来例2、3の3種類のインサートを準備して、以下に示す切削条件1を用いて加工能率を比較した。使用したインサートの基本形状は、直径10mmの転削工具用ホルダに取付け可能なインサートとして、内接円が4mm、厚さが2mm、α値を74から75度とした。本発明例1と従来例2のr値は2mm、従来例3のr値は0.4mmとした。また、使用した転削工具用ホルダの材質はHRC45の工具鋼とし、形状は図6に示すように、谷部24に面取り等の加工を施していないAタイプのものを使用した。評価には、縦型、最大主軸動力5.5kW、BT30主軸を備えた小型マシニングセンタを使用した。またインサート形状と評価結果を表1に示した。
(切削条件1)
加工形態:等高線加工
被切削材:炭素鋼S50C
切削速度:160m/min
工具送り速度:8153mm/min
軸方向切込み量:0.3mm
半径方向切込み量:6mm
加工方法:乾式切削
Figure 2009119572
表1に示すインサート切刃長さL値の定量化は、CAD上で作図した工具モデルより線情報を読み取り数値化した。その結果、L値は本発明例1にインサートが、3.462mm、従来例2が、7.236mm、従来例3が、5.892mmであった。r値が同一の2mmとした本発明例1と従来例2を比較すると、本発明例1は従来例2よりも約52%の切刃長さの短縮が可能であった。このことから、低切込み高送りを目的とした高能率加工を行った際に発生する切削抵抗を抑え安定して高能率加工を行うことができた。単位時間当たりの切屑排出量(cm3/分)で評価した加工能率について、本発明例1は従来例2と比較して33%改善した。
(実施例2)
実施例2は、実施例1と同じ形状の本発明例1と従来例2の2種類のインサートを用いて、以下に示す切削条件2により、キスラー動力計にて切削抵抗を測定しながら、限界の切削送り速度を評価した。本発明例1と従来例2の切刃の長さは、実施例1と同じである。1刃当たりの工具送り量fz(mm/刃)は、0.2、0.4、0.6、0.8の4条件とした。表1に実施例2の切削試験の結果を示す。
(切削条件2)
加工形態:等高線粗加工、下穴有、XYが100mm、Zが10mmのポケット掘込み加工
被切削材:炭素鋼S50C、
工具寸法:全長80mm
工具突出し量:30mm
工具直径:12mm、3枚刃
インサート寸法:内接円4mm、厚さ2mm、逃げ角15度
切削速度:160m/分
軸方向切込み量:0.3mm
半径方向切込み量:6mm
加工方法:乾式切削
表1に示す切削抵抗値(N)は7mm以上掘り込んだポケット形状の角部、つまり工具の移動軌跡が丁度90度方向転換する部分での値であり、切削抵抗の最大値を示している。本発明例1と従来例2について切削抵抗値を比較すると、本願発明1の切削抵抗は、fz値が0.2の時で15%、fz値が0.6の時で23%の低減した。fz値が高いほど本願発明の優位性が顕著に現れ、特に高能率加工に適していた。また、fzが0.8の場合、従来例2はビビリ振動の発生によりインサートは欠損し切削加工を中断した。本発明例1は機械振動も小さく、安定切削が可能であった。単位時間当たりの切屑排出量による加工能率は、本発明例1は従来例2に対して約1.3倍の高能率な加工ができた。
(実施例3)
実施例3は、実施例1と同じ形状の本発明例1と従来例2の2種類のインサートを用いて、以下に示す切削条件3により、工具突き出し量が80mmの場合における限界切削条件を評価した。本発明例1と従来例2の切刃の長さは、実施例1と同じである。
(切削条件3)
加工形態:等高線粗加工、下穴有、XYが100mm、Zが10mmのポケット掘込み加工
被切削材:炭素鋼S50C
工具寸法:全長120mm、超硬合金製シャンク使用
工具突出し量:80mm
工具直径:12mm、3枚刃
インサート寸法:内接円4mm、厚さ2mm、逃げ角15度
切削速度:160m/min
軸方向切込み量:0.3mm
半径方向切込み量:6mm
加工方法:乾式切削
本発明例1は切刃の後退した上面によって、切刃として作用しない稜線の領域が存在しているため、側面から受ける切削力は軽減し、工具のたわみが抑えられた。これによって、ビビリ振動は抑制され、限界切削条件としては、fz値は0.6mm/刃、軸方向の切込み量は0.3mmまで切削加工できた。従来例2は、r値が2mmの場合であり、比較的刃先強度を有することから、限界切削条件としては、fz値は0.6mm/刃まで欠損なしで切削加工できたが、軸方向切込み量が0.2mmを超えるとビビリ振動が発生し切削不可能であった。従来例3はr値が0.4mmの場合であり、刃先強度が低いことから、fz値は0.2mm/刃が限界値であり、0.25mm/刃以上の条件ではコーナー部に欠損を起こした。また、軸方向切込み量が0.2mmを超えるとビビリ振動が発生し切削不可能であった。
また、単位時間当たりの切屑排出量を比較すると、本発明例1は10.32(cm3/分)であった。従来例2の6.88(cm3/分)、従来例3の2.29(cm3/分)であることから、本発明例1の加工能率は約1.5倍から4.5倍と優れ、突き出し量の長い場合においても高能率な粗加工ができた。
(実施例4)
実施例4は転削工具用ホルダの形状についての検討を行った。そこで、工具用ホルダの形状は次の3種類を準備した。即ち、インサート取付け座のホルダ座面とホルダ側壁が交叉する谷部に面取り等の加工を何ら施していない図6に示すAタイプ、この谷部にR0.4mmの面取り加工を施した図10に示すBタイプとバックメタルを増加させた構造を有する図9に示すCタイプとの3種類である。前記B、Cタイプにおける面取り加工部分やバックメタルを増加させた肉残し部27の形状は、ネジ穴に干渉しない範囲となるように配慮した。またCタイプの肉残し部27は、ホルダ表面側先端部26での断面形状が約R0.8に収まる形状とした。これらの工具用ホルダに、本発明例1のインサートを夫々装着し、以下の切削条件4を用いて切削試験を行った。評価は、転削工具用ホルダが破損するまでの時間で測定した。なお、Bタイプ、Cタイプの転削工具用ホルダに安定したインサートの拘束を行うため、面取り加工部位やバックメタルを増加部位とインサートの下面とが干渉しないように、インサート下面側に適切な切り欠きを施した。
(切削条件4)
加工形態:肩削り加工
被切削材:炭素鋼S50C
工具寸法:全長120mm、超硬合金製シャンク
工具突出し量:80mm
工具送り速度:12700mm/min
工具直径:12mm、3枚刃
インサート寸法:内接円4mm、厚さ、2mm、逃げ角、15度
切削速度:160m/min
軸方向切込み量:0.3mm
半径方向切込み量:6mm
加工方法:乾式切削
まず、各種工具ホルダの着座面とインサート下面との接触面積を計算により求め比較した。Aタイプのインサート取付け座の接触面積を基準値としたとき、Bタイプの接触面積の損失は22.8%、Cタイプの接触面積の損失は12.2%であった。次に、切削試験の結果では、Aタイプの工具ホルダを用いた場合は、41分の切削時間で破損し、Bタイプの工具ホルダは118分の切削時間で破損した。Cタイプの工具ホルダを用いた場合は、600分の切削においてもクラックの発生は確認されず継続切削可能な状態であった。この結果から、Cタイプの工具ホルダは大幅な強度改善が達成された。Cタイプのバックメタルを増加させた肉残し部は、ホルダ表面側に向かって集中する応力を緩和させる効果があり、小スペースで有効的に応力集中を緩和して、工具ホルダの強度を改善できた。ここで言う、有効的に応力集中を緩和するとは、インサート下面とホルダ座面との接触面積の減少量に対する応力集中の緩和効果が優れているということである。工具径が20mm以下の刃先交換式切削工具において、工具ホルダを破損させることなく、高能率な切削加工を連続して行うことができた。
本願発明のインサートの斜視図を示す。 本願発明の刃先交換式切削工具の斜視図を示す。 図1の左側面図を示す。 図1の上面図を示す。 インサートを工具ホルダへ取付ける模式図を示す。 タイプAの工具用ホルダの斜視図を示す。 従来のインサートの斜視図を示す。 従来のインサートの斜視図を示す。 タイプCの工具用ホルダの斜視図を示す。 タイプBの工具用ホルダの斜視図を示す。
符号の説明
1:インサート
2:工具ホルダ
3:インサート
4:インサート
5:工具の最外周回転軌跡
11:コーナー部
12:短辺側の逃げ面
13:長辺側の逃げ面
14:すくい面
15:切刃
16:下面
17:取付け穴
18:後退した上面
19:稜線
21:インサート取付け座
22:工具ホルダ座面
23:工具ホルダ側壁
24:工具ホルダ谷部
25:工具ホルダ奥壁
26:工具ホルダ表面側端部
27:工具ホルダ肉残し部

Claims (6)

  1. 取付け穴を有する略平行四辺形平板状をしたインサート1において、該インサートの向い合う鋭角部にはコーナー部11が形成され、該コーナー部11を挟んで隣り合う短辺側の側面を逃げ面12とし、長辺側の側面を逃げ面13とし、該コーナー部11を含む上面をすくい面14とし、該コーナー部11には曲線、又は直線を含む略円弧状の切刃15を有し、該切刃15の長さをL(mm)としたとき、Lは1/4円弧を超えて長く、3/8円弧よりも短く、該切刃15が該コーナー部を含む上面から該短辺側及び該長辺側へ向かうに従って下面方向に後退することを特徴とするインサート。
  2. 請求項1に記載のインサートにおいて、該切刃15の円弧半径をr(mm)としたとき、0.4≦r≦2.5、であることを特徴とするインサート。
  3. 請求項1に記載のインサートにおいて、該インサートの上面視による短辺と長辺とが鋭角で交わるコーナー部11のコーナー角度をα(度)としたとき、70≦α≦85、であることを特徴とするインサート。
  4. 請求項1に記載のインサートにおいて、該切刃15が該コーナー部を含む上面から該短辺側及び該長辺側へ向かうに従って下面方向へ連続的に後退していることを特徴とするインサート。
  5. 取付け穴を有する略平行四辺形平板状をしたインサートが工具本体先端部のインサート取付け座に着脱自在に装着された刃先交換式切削工具において、該インサートの向い合う鋭角部にはコーナー部11が形成され、該コーナー部11を挟んで隣り合う短辺側の側面を逃げ面12、長辺側の側面を逃げ面13とし、該コーナー部を含む上面をすくい面14とし、該コーナー部には曲線、又は直線を含む略円弧状の切刃15を有し、該切刃15の長さをL(mm)としたとき、Lは1/4円弧よりも長く、3/8円弧よりも短く、該切刃15が該コーナー部を含む上面から該短辺側及び該長辺側へ向かうに従って下面方向に後退することを特徴とする刃先交換式切削工具。
  6. 請求項5に記載の刃先交換式切削工具において、該刃先交換式切削工具の工具径が20mm以下であることを特徴とする刃先交換式切削工具。
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