JP2009119444A - 中空糸膜モジュール及び中空糸膜モジュールの製造方法 - Google Patents

中空糸膜モジュール及び中空糸膜モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】密封性が向上されたケースを備えた中空糸膜モジュール及び中空糸膜モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】複数本の中空糸膜4によって形成される中空糸膜束を収容する収容部を有するケース本体32と収容部の開口部を封止するケース蓋31とからなり、それらの接合面が装着溝13に装着されるガスケット12によって密封されるケースと、ケース内壁と中空糸膜間との間に充填された液状接着剤が硬化して形成される中空糸膜束固定部と、中空糸膜4を結束するとともに端面で中空糸膜4の中空内部を開口し、かつ、液状接着剤が端面側に流出するのを防止する結束部5と、を備え、ガスケット12と装着溝13との間の隙間が、中空糸膜4が開口したケース内部空間に隣接する接合面と、ケースの内部空間のうち中空糸膜4の外壁面が露出したケース内部空間に隣接する接合面と、の境目で封止されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、中空糸膜の膜分離作用を利用して、気体の加湿、除湿、分離、ならびに液体の分離等を行う中空糸膜モジュール及び該中空糸膜モジュールの製造方法に関するものである。
小型の固体高分子型燃料電池において反応ガスの加湿等に用いる中空糸膜モジュールとして、燃料電池スタックに一体的に積層して使用することが可能な中空糸膜モジュールが特許文献1に開示されている。
この中空糸膜モジュールは、燃料電池スタックと一体化して使用することになるため、ケースとして一般的な材料である樹脂材製のものを用いる場合には強度の関係上締結板等により補強する必要がある。また、中空糸膜モジュールによる水蒸気交換機能をより有効に発現させるため、あるいは、発電により発生する熱の放出を行うため、高い熱伝導性も要求される。このような要求に応えるため、中空糸膜モジュールのケース材料として比熱の小さい金属を採用することが考えられる。その一方、携帯機器用に使用する場合には、個々の構成部品として重量が小さいことが要求される。これら熱伝導性や重量の観点から、ケース材料としては、アルミニウム、マグネシウム、あるいはそれらの合金を採用することが望ましい。
一方、この中空糸膜モジュールは、ケースがケース本体とケース蓋とに分割されており、予め製作した中空糸膜束をケース本体の収容部に収容してからケース蓋で収容部の開口部をふさぐことにより、ケース内部に中空糸膜束を収容する構成となっている。この場合、ケース本体とケース蓋との取り付けは接着剤によってケース蓋をケース本体に貼り付けることが考えられるが、モジュールを小型化する場合や複雑な構成を採用する場合には、接着面積が減少したり接着面が複雑な形状となることが考えられ、接着面積の確保が困難となって十分なガスの封止性能が得られないおそれがある。
接着剤による接着以外の方法としては、ガスケットを用いる方法が挙げられる。ここで、図11及び図12を参照して、ガスケットを用いた場合の中空糸膜モジュールの構成について説明する。図11は、中空糸膜モジュールの構成について説明する模式的平面図であり、(a)は、ケース蓋を接合面側からみた平面図であり、(b)は、ケース本体を接合面側からみた平面図であり、(c)は、ケース蓋をケース本体に取付けた状態における透視平面図である。図12は、図11(c)のXX断面に対応する中空糸膜モジュールの模式的断面図であり、(a)は、ケース蓋を取付ける前の状態、(b)は、ケース蓋を取付けた後の状態をそれぞれ示している。
中空糸膜モジュール101は、概略、中空糸膜束102と、該中空糸膜束102を収容するケース103とから構成される。中空糸膜束102は、複数の中空糸膜104を束ね、その両端部が、シリコン、ウレタン等の柔軟性のある弾性材料からなる結束部105によって、各中空糸膜104の両端面を開口した状態で結束されている。ケース103は、略六面体形状を有し、不図示の燃料電池スタックとの積層方向(図11において紙面に垂直な方向)においてケース蓋131とケース本体132とに2分割された構成となっている。ケース本体132は、中空糸膜束102が収容される収容部122を有している。
中空糸膜束102は、ケース103内に収容された後、ケース103に設けられた不図示の注入口から結束部105の内側に注入された液状接着剤(ポッティング剤)が硬化す
ることにより、ケース103内に固定される(固定部106)。
ケース蓋131のケース本体132との接合面には、ガスケット107が一体成形されており、ケース本体132のケース蓋131との接合面には、ガスケット107が装着される装着溝108が設けられている。ケース蓋131がケース本体132に取付けられると、ガスケット107がケース蓋131と装着溝108の溝底面とによって圧縮されて密着することによりシール面が形成される。これにより、ケース内部がケース外部に対して密封されることになる。
特開2006−224096号公報
しかしながら、ガスケット107を用いた密封構造においては、装着性等の観点から装着時におけるガスケット107の装着溝108に対する充填率が100%とならない設計となっているため、ガスケット107と装着溝108の側壁面との間に隙間109が形成される。また、ガスケット107が密着する箇所以外の領域においては、ケース蓋131とケース本体132との密着性が高くないため、図12(b)において円で囲って示したガスケット107よりも内側(ケース内部側)の隙間109は、ケース103内部と連通してしまう。
ケース103の内部空間(中空糸膜束102が収容される空間)は、中空糸膜束102の結束部105の外周面全体がケース103の内壁面に密着することで、中空糸膜104の外部側の流通空間と中空糸膜104の内部側の流通空間とが互いに独立した空間となるように構成されているが、上述のように隙間109が形成されることによって両流通空間が隙間109を介して疎通してしまう。
そこで、隙間109を埋めるために装着溝108の全周に渡って隙間109に液状接着剤を充填させることが考えられるが、液状接着剤の硬化時における収縮や発泡等によって、充分な密封性が得られなかったり、ガスケット107を変形等させてガスケット107の密封性に影響を与えることが懸念される。
また、装着溝108に堰等を形成することにより流通空間の疎通を防止することも考えられるが、かかる構成は接合面の加工精度が高くなければ十分な密封性を得ることができないため、小型の中空糸膜モジュールにおける寸法公差等の影響を考えると現実的ではない。
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、密封性が向上されたケースを備えた中空糸膜モジュール及び中空糸膜モジュールの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明における中空糸膜モジュールは、
前記中空糸膜束が収容される収容部を有するケース本体と前記収容部の開口部を封止するケース蓋とから構成され、前記ケース本体と前記ケース蓋との接合面に設けられた装着溝に装着されるガスケットによってケース内部がケース外部に対して密封されるケースと、
ケース内壁と前記中空糸膜間との間に充填された液状接着剤が硬化することによって形成される、前記中空糸膜束を前記ケース内に封止固定する中空糸膜束固定部と、
前記複数本の中空糸膜を結束する結束部であって、結束部端面において前記中空糸膜の中空内部を開口し、かつ、前記液状接着剤が前記結束部端面側に流出するのを防止する結
束部と、を備え、
前記ケースの接合面における前記ガスケットと前記装着溝との間の隙間が、前記ケースの内部空間のうち前記中空糸膜が開口した空間に隣接する接合面と、前記ケースの内部空間のうち前記中空糸膜の外壁面が露出した空間に隣接する接合面と、の境目の領域において封止されていることを特徴とする。
これにより、ケースの接合面におけるガスケットと装着溝との間の隙間において、ケースの内部空間において中空糸膜の中空内部が開口する空間に隣接する接合面における隙間と、ケースの内部空間において中空糸膜の外壁面が露出する空間に隣接する接合面における隙間とが、互いに連通しなくなり、結束部及び中空糸膜固定部によって仕切られた中空糸膜の外部側の流通空間と内部側の流通空間とが、ガスケットと装着溝との間に形成される隙間を介して疎通してしまうのが抑制される。
前記ケースの接合面のうち前記結束部に近接する領域において、前記ガスケットと前記装着溝との間の隙間に、液状接着剤が充填硬化されているとよい。
このように、結束部に近接する領域(接合面のうち結束部に隣接する領域を含む領域)においてガスケットと装着溝との間の隙間に液状接着剤が充填硬化されているので、ケースの内部空間のうち中空糸膜が開口した空間に隣接する接合面と、ケースの内部空間のうち中空糸膜の外壁面が露出した空間に隣接する接合面との境目の領域において、ガスケットと装着溝との間の隙間が封止される。これにより、中空糸膜の外部側の流通空間と内部側の流通空間とが、ガスケットと装着溝との間に形成される隙間を介して疎通してしまうのが抑制される。
また、結束部に近接する領域においてガスケットと装着溝との間の隙間に液状接着剤が充填硬化されていることにより、中空糸膜束をケース内に封止固定するために液状接着剤を注入する際に、結束部よりも内側に注入した液状接着剤がガスケットと装着溝との間の隙間を介して結束部端面側に流出してしまうのが抑制される。
また、液状接着剤が充填される範囲は、結束部に近接する領域のみの部分的なものでよいので、液状接着剤の硬化時における収縮や発泡等の影響を少なくすることができる。
前記ケースの接合面のうち前記結束部に近接する領域において、装着前における前記ガスケットの容積が前記装着溝の収容容積に対して同等以上であるのもよい。
これにより、ケースの接合面のうち結束部に近接する領域においては、ガスケットの装着溝に対する充填率を100パーセントあるいはそれと同程度とすることができる。したがって、中空糸膜の外部側の流通空間と内部側の流通空間とが、ガスケットと装着溝との間の隙間を介して疎通してしまうのが抑制される。
また、ガスケットの容積を装着溝の収容容積に対して同等以上とする領域は、結束部に近接する領域のみの部分的なものでよいので、装着性への影響を少なくすることができる。
前記ケースが、前記ケースの内部空間のうち前記中空糸膜束固定部が形成される領域と、前記装着溝において装着前における前記ガスケットの容積が前記装着溝の収容容積に対して同等以上となる領域の近傍と、を連通する貫通孔を備えるとよい。
ガスケットや装着溝の寸法精度や組み付け公差等の影響によっては、ケース接合面のうち装着前におけるガスケットの容積が装着溝の収容容積に対して同等以上となる領域にお
けるガスケットと装着溝との間に、中空糸膜が開口した空間に隣接する側と、中空糸膜の外壁面が露出した空間に隣接する側とを疎通させるような隙間が形成される場合がある。すなわち、ガスケットの装着溝に対する充填率が100パーセントとならない場合がある。そのような場合でも、中空糸膜束を固定するための液状接着剤を利用して、かかる隙間を埋めて中空糸膜の外部側の流通空間と内部側の流通空間との疎通を抑制することができる。すなわち、中空糸膜束固定部を形成するためにケース内に注入された液状接着剤の一部が、貫通孔を介して装着溝とガスケットとの間の隙間に入り込んで隙間を埋めることができ、これにより、中空糸膜の外部側の流通空間と内部側の流通空間とが、ガスケットと装着溝との間の隙間を介して疎通してしまうのを抑制することができる。
上記目的を達成するために、本発明における中空糸膜モジュールの製造方法は、
複数本の中空糸膜の端部を結束し、結束部端面で中空糸膜の中空内部が開口する中空糸膜束を形成する工程と、
前記中空糸膜束が収容される収容部を有するケース本体と前記収容部の開口部を封止するケース蓋とから構成され、前記ケース本体と前記ケース蓋との接合面に設けられた装着溝に装着されるガスケットによってケース内部がケース外部に対して密封されるケース内に、前記中空糸膜束を収容する工程と、
前記中空糸膜束の前記結束部よりも内側に液状接着剤を注入し、該液状接着剤の硬化により前記中空糸膜束を前記ケース内に封止固定する工程と、を有する中空糸膜モジュールの製造方法において、
前記ケース内に前記中空糸膜束を収容する工程において、前記ガスケットを装着溝に装着して前記収容部の開口部をケース蓋によって封止する前に、前記装着溝において前記結束部に近接する領域に液状接着剤を注入する工程を有することを特徴とする。
このように、ガスケットを装着溝に装着してケース蓋を取付ける前に、予め装着溝に液状接着剤を注入しておくことにより、液状接着剤の粘性によりガスケットと装着溝との間の隙間が液状接着剤により満たされることになる。これにより、結束部に近接する領域においてガスケットと装着溝との間の隙間に液状接着剤を充填硬化させることができる。
したがって、中空糸膜束をケース内に封止固定するために液状接着剤を注入する際に、結束部よりも内側に注入した液状接着剤がガスケットと装着溝との間の隙間を介して結束部端面側に流出してしまうのが抑制される。また、中空糸膜モジュールの使用時においては、中空糸膜の外部側の流通空間と内部側の流通空間とが、ガスケットと装着溝との間に形成される隙間を介して疎通してしまうのが抑制される。
以上説明したように、本発明により、中空糸膜モジュールのケースの密封性を向上させることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールについて説明する。図1(a)は、本実施例に係る中空糸膜モジュールの模式的斜視図である。図1(b)は、図1(a)において矢印Aの方向からみた中空糸膜モジュールの模式的平面図である。図1(c)は、図1(a)において矢印Bの方向からみた中空糸膜モジュール
の模式的正面図である。図2(a)は、本実施例に係る中空糸膜モジュールの図1(c)のC−C断面の模式図である。図2(b)は本実施例に係る中空糸膜モジュールの図1(b)のD−D断面の模式図である。
本実施例に係る中空糸膜モジュール1は、中空糸膜束2と、ケース3と、を備える。中空糸膜束2は、複数の中空糸膜4を束ね、各中空糸膜4の両端面を開口した状態で、その両端部を例えばシリコン、ウレタン等の柔軟性のある弾性材料で結束(結束部5)している。略六面体形状のケース3には、流体を中空糸膜4の膜内部に流通させるための一対の第1開口部61、62と、流体を中空糸膜の膜外部に流通させるための一対の第2開口部71、72とが設けられている。
ケース3には中空糸膜モジュール1を燃料電池等の取付相手(図示せず)に取付けるためのピン穴8が設けられており、該ピン穴8に通したネジ等により、中空糸膜モジュール1と取付相手とを積層して一体に組付け締結することができる。本実施例においては、取付相手への取付手段としてピン穴を用いているが、例えば、モジュールケースに設けた凸部と取付相手に設けた凹部とを嵌合させることにより取付ける等の、他の位置決め手段を用いることも可能である。
弾性材料からなる結束部5は、第1開口部61と第2開口部71との間、及び第1開口部62と第2開口部72との間に配置されている。結束部5と第2開口部71、72との間には、例えば、エポキシ、ウレタン等の液状接着剤が充填され、液状接着剤の硬化により中空糸膜束2はケース内に封止固定される(固定部9)。
ケース3の内部空間は、結束部5及び固定部9により、ケース内壁面と中空糸膜の中空内部が開口した結束部5の端面とにより形成される空間(24)と、ケース内壁面と中空糸膜4の膜外壁面と固定部9とにより形成される空間(23)とに分割される。これにより、第1開口部61、62と、ケース内壁面及び結束部端面により形成される空間と、中空糸膜4の中空内部とにより、第1の経路が形成され、第2開口部71、72と、ケース内壁面、中空糸膜膜外壁面及び固定部9とにより形成される空間とにより、第2の経路が形成される。
ケース3としては、一般的な材料である樹脂材製のものも採用することができるが、中空糸膜モジュール1を燃料電池の反応ガスの加湿用として燃料電池スタックに積層して使用する場合には、ケース3として金属材料、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、マグネシウム、もしくはこれらの合金からなるものを採用することにより、中空糸膜モジュール1を燃料電池スタックの集電板および締結板としても機能させることができる。また、その熱伝導性により、発電によって発生する熱の放熱を中空糸膜モジュールを介して行うことも可能となる。また、金属製のケース表面には金メッキ処理等を施すことにより、中空糸膜モジュールの耐食性を向上させることができる。
次に、以上のように構成された中空糸膜モジュールの使用方法について説明する。
まず、水蒸気を含む空気等の気体や水(以下「気体等」という)を、一方の第1開口部61からケース3内部に送り込む(矢印E)。ケース3内部に送り込まれた気体等は、中空糸膜4の中空内部を通って、他方の第1開口部62から排出される。
一方、加湿対象気体を、一方の第2開口部71からケース3内部に送り込む(矢印F)。ケース3内部に送り込まれた気体等は、中空糸膜4の膜外部を通って、他方の第2開口部72から排出され、燃料電池等の取付相手内へ送り込まれる。
これにより、水蒸気を含んだ気体等が中空糸膜4の中空内部を通過する過程で、気体等に含まれる水分が膜を透過して中空糸膜4の膜外部に排出される。従って、加湿対象気体は、中空糸膜4の膜外部を通る過程で加湿されて、取付相手内へ送り込まれることになる。
なお、これまでの説明では、中空糸膜4の中空内部側に水蒸気を含む気体等を流し、中空糸膜4の外部側に加湿対象気体を流す場合を説明したが、これとは逆に、中空糸膜4の外部側に水蒸気を含む気体等を流し、中空糸膜4の中空内部側に加湿対象気体を流すようにしても、加湿対象気体を加湿できることはいうまでもない。
また、水蒸気を含む気体等や加湿対象気体を流す向きについても上記説明とは逆の向き(すなわち、第1開口部62からケース内部3に送り込み、第1開口部61から排出する、または、第2開口部72からケース内部3に送り込み、第2開口部71から排出する)としてもよい。また、ケースにおける各開口部の位置も取付相手の仕様等に応じて適宜変更することができる。
また、本実施例においては、中空糸膜の膜分離作用を利用した気体の加湿を行う場合について説明したが、該膜分離作用を利用した気体の除湿、流体中の異物の除去、分離等を行うことも可能である。
次に、本実施例に係る中空糸膜モジュールの製造方法について図3及び図4を参照して説明する。図3は、本実施例に係る中空糸膜モジュールの概略構成を説明する模式的斜視図である。図4は、本実施例に係る中空糸膜モジュールの模式的製造工程図である。なお、図4(a)は、中空糸膜束を収容する前のケース本体を示す模式的平面図であり、図4(b)は、ケース本体に中空糸膜束を収容した状態を示す模式的平面図であり、図4(c)は、ケース本体にケース蓋を接着した状態を示す模式的透視平面図である。
略六面体のケース3は、不図示の燃料電池スタックとの積層方向(図4において紙面に垂直な方向)においてケース蓋31とケース本体32とに2分割された構成である。ケース本体32は、中空糸膜束2が収容される膜収容部22を有する。
膜収容部22は、ケース蓋31との積層方向に開口しており、中空糸膜束2が収容された後、ケース蓋31によって開口部が封止される(塞がれる)。ケース3内部に収容された中空糸膜束2の結束部5は、その外周面全体がケース3の内壁に密着する。
ケース3には、第2開口部71,72、液状接着剤の注入口10、液状接着剤の排出口11が、中空糸膜束2の結束部5の収容箇所よりも内側に設けられており、中空糸膜4の充填領域とケース3の外部とを連通している。
第2開口部71は、中空糸膜束2の一方の結束部5の側に、第2開口部72は、中空糸膜束2の他方の結束部5の側に、それぞれ設けられる。注入口10は、一方の結束部5と第2開口部71との間、及び他方の結束部5と第2開口部72との間にそれぞれ1つずつ設けられる。排出口11は、各注入口10と第2開口部71、72との間にそれぞれ一対ずつ設けられる。膜収容部22の底面には、注入口10と排出口11との間に、液状接着剤の膜収容部22上への回り込みを助けるための溝92が設けられる。
注入口10から液状接着剤をケース3内部に流し込む(矢印H)。流し込まれた液状接着剤は、中空糸膜4の開口端面側が結束部5により密封されているため、排出口11からオーバーフローすることになる(矢印I)。液状接着剤が排出口11からオーバーフローして排出口11が液状接着剤で満たされるまで、液状接着剤を流し込み、硬化させる。注
入口10及び排出口11は硬化した接着剤により塞がれる(固定部9)。
次に、図5及び図6を参照して、本実施例に係る中空糸膜モジュールの特徴的な構成について説明する。図5は、ケース蓋31が取付けられる前の状態を示す模式的平面図である。図6は、図5のGG断面に対応する模式的一部拡大断面図であり、(a)は、ケース蓋31の取付前の状態であって、液状接着剤が注入される前の状態、(b)は、ケース蓋31の取付前の状態であって、液状接着剤が注入された後の状態、(c)は、ケース蓋31の取付後の状態をそれぞれ示す。
本実施例に係る中空糸膜モジュール1においては、ケース蓋31とケース本体32の接合面をガスケット12によって密封する構成を採用している。すなわち、ケース蓋31におけるケース本体32との接合面31aに、ガスケット12が一体成形されており、ケース本体32におけるケース蓋31との接合面32aには、ガスケット12が装着される装着溝13が設けられている。ケース蓋31がケース本体32に取付けられると、ガスケット12がケース蓋31の接合面31aと装着溝13の溝底面とによって圧縮されて密着することによりシール面が形成される。これにより、ケース内部がケース外部に対して密封されることになる。
ここで、装着時におけるガスケット12の装着溝13に対する充填率は、装着性等を考慮して100%とならない設計となっている。したがって、図6(c)に示すように、ガスケット12と装着溝13の側壁面との間には隙間15が形成される。ケース蓋31とケース本体32との接合面は、ガスケット12が密着する箇所以外の領域では密着性が高くないため、隙間15を介して中空糸膜4の外部側の流通空間と中空糸膜4の内部側の流通空間とが疎通してしまうおそれがある。
そこで、本実施例に係る中空糸膜モジュールにおいては、ケース蓋31とケース本体32の接合面における結束部5に近接する領域(図5において円で囲んだ4箇所の部分)において隙間15に液状接着剤14が充填硬化されている。
液状接着剤14の充填は、ケース蓋31をケース本体32に取付ける前(ガスケット12が装着溝13に装着される前)に、装着溝13において結束部5に近接する領域(接合面のうち結束部5に隣接する領域を含む領域における装着溝13の領域)に液状接着剤14を注入しておくことにより行う(図6(b))。すなわち、予め液状接着剤14を装着溝13における適用箇所に注入しておいてからケース蓋31を取付ける(ガスケット12を装着溝に装着する)ことで、液状接着剤14の粘性により隙間15が液状接着剤14で満たされることになる(図6(c))。
このように充填硬化される接着剤によって結束部5に近接する領域における隙間15が封止されることにより、結束部5によって仕切られた中空糸膜4の外部側の流通空間と内部側の流通空間とが、ガスケット12と装着溝13との間に形成される隙間15を介して疎通してしまうのが抑制される。
また、注入口10から液状接着剤を流し込んで固定部9を形成する際に、注入した液状接着剤が隙間15を介して結束部5の端面とケース3の内壁とによって形成される空間24(中空糸膜4の内部側の流通空間)まで回り込んで流出してしまうのが抑制される。
また、液状接着剤14は、装着溝13の全周ではなく結束部5に近接した領域のみに部分的に充填されるので、液状接着剤14の硬化時における収縮や発泡等の影響が少ない。
なお、上記実施例では、ガスケット12をケース蓋31に一体成形した構成としている
が、ガスケットによる密封構造としてはこれに限られるものではない。すなわち、ガスケット12を相手部材に一体成形せずに別体とした構成であってもよいし、また、ガスケット12をケース蓋31ではなくケース本体32の接合面32aに一体成形し、装着溝13をケース蓋31の接合面31aに設ける構成であってもよい。さらに、ガスケット12を別体とする場合には、装着溝13は、ケース蓋31とケース本体32の両方の接合面に設けられる構成であってもよい。
(実施例2)
次に、図7を参照して、本発明の実施例2に係る中空糸膜モジュールについて説明する。図7は、本実施例に係る中空糸膜モジュールの模式的一部拡大断面図であり、(a)は、ケース蓋31の取付前の状態、(b)は、ケース蓋31の取付後の状態をそれぞれ示しており、図5のGG断面に対応している。なお、ここでは、実施例1と共通する構成については同じ符号を付してその説明を省略する。特に説明しない構成及びその作用効果等については実施例1と同様である。
本実施例に係る中空糸膜モジュールは、ケース蓋31とケース本体32の接合面において結束部5に近接する領域(接合面のうち結束部5に隣接する領域を含む領域であって、図5において円で囲んだ4箇所の部分)におけるガスケット12´の容積が、同領域における装着溝13´の収容容積の100〜105パーセントとなるように構成されている。したがって、ケース蓋31とケース本体32を接合した状態においては、結束部5に近接する領域においてガスケット12´の装着溝13´に対する充填率が100パーセントあるいは同程度となり、図6(c)に示すような隙間15が、ガスケット12´と装着溝13´との間に形成されないように構成されている。
これにより、ガスケット12´と装着溝13´との間に形成される隙間が、結束部5に近接する領域で封止される。すなわち、ケース3の内部空間のうち中空糸膜4の外壁面が露出する空間(空間23)に隣接する接合面におけるガスケット12´と装着溝13´との間の隙間と、ケース3の内部空間のうち中空糸膜4が開口する空間(空間24)に隣接する接合面におけるガスケット12´と装着溝13´との間の隙間との流通が遮断される。
したがって、中空糸膜4の外部側を流通する気体等が、ケース蓋31とケース本体32の接合面から、空間23に隣接する接合面におけるガスケット12´と装着溝13´との間の隙間に漏れ出ても、空間24に隣接する接合面におけるガスケット12´と装着溝13´との間の隙間まで流れていくことが抑制される。これにより、中空糸膜4の外部側を流通する気体等が中空糸膜4の内部側の流通空間に漏れ出てしまうのが抑制される。同様にして、中空糸膜4の内部側を流通する気体等が中空糸膜4の外部側の流通空間に漏れ出てしまうのも抑制される。すなわち、結束部5によって仕切られた中空糸膜4の外部側の流通空間と内部側の流通空間との疎通が抑制される。
このように、結束部5に近接する領域においてガスケット12´の充填率が100パーセントあるいはそれと同程度となるような、具体的なガスケット12´及び装着溝13´の構成としては、以下のようなものが挙げられる。
例えば、ガスケット12´の断面形状を、全ての領域で一定の形状とするのではなく、結束部に隣接する領域において部分的に大きくすることにより、局所的に充填率を上げることができる。この場合、かかる領域においてのみガスケット12´の高さが高くなるような構成とすることができる。
あるいは、ガスケット12´の断面形状は変化させず、装着溝13´の断面形状が、結
束部に隣接する領域でのみ部分的に小さなるような構成であってもよい。例えば、ガスケット12´は全ての領域で一定の断面形状とし、装着溝13´の深さがかかる領域においてのみ部分的に浅くなる構成とすることができる。
あるいは、上述の構成を組み合わせたものであってもよい。すなわち、ガスケット12´の断面形状を部分的に大きくするとともに、装着溝13´の深さや幅を部分的に小さくする構成であってもよい。
ただし、ガスケット12´の装着性を考慮すると、ガスケット12´の断面形状を大きくする場合には、装着溝13´の幅に対して幅方向にあまり大きくせずに、ガスケット12´の高さを装着溝13´の深さに対して大きくすることにより断面形状を大きくするのが好ましい。また、装着溝13´の断面形状を小さくする場合には、幅はあまり小さくせずに深さを浅くすることにより断面形状を小さくするのが好ましい。
なお、ガスケット12´の断面形状については、本実施例では図に示すように幅方向の中央部に隆起部を設けたものとしているが、これに限られるものではなく、装着溝13´に装着したときに充填率が100パーセントあるいはそれと同程度となるものであれば、種々の形状を採用することができる。
また、固定部9を形成する際の液状接着剤の流出防止効果や、ガスケット12´を、ケース蓋31ではなくケース本体32の接合面32aに一体成形する構成や、ケース蓋31やケース本体32とは別体とする構成等を適宜採用できる点は、実施例1の場合と同様である。
(実施例3)
次に、図8を参照して、本発明の実施例2に係る中空糸膜モジュールについて説明する。図8は、本実施例に係る中空糸膜モジュールの模式的一部拡大断面図であり、(a)は、ケース蓋31の取付前の状態、(b)は、ケース蓋31の取付後の状態をそれぞれ示しており、図5のGG断面に対応している。なお、ここでは、上記実施例と共通する構成については同じ符号を付してその説明を省略する。特に説明しない構成及びその作用効果等については上記実施例と同様である。
本実施例では、ケース蓋31とケース本体32の接合面において結束部5に近接する領域(接合面のうち結束部5に隣接する領域を含む領域であって、図5において円で囲んだ4箇所の部分)における装着溝13´´の断面形状を、ガスケット12´´の断面形状と相似させたものとしている。さらに、装着溝13´´の収容容積をガスケット12´´の容積よりも若干小さくしている。具体的には、装着溝13´´の収容容積をガスケット12´´の容積よりも1〜10パーセント、好ましくは、1〜5パーセント小さくしている。
したがって、ケース蓋31とケース本体32を接合した状態においては、結束部5に近接する領域においてガスケット12´´の装着溝13´´に対する充填率が100パーセントあるいはそれと同程度となり、図6(c)に示すような隙間15が、ガスケット12´´と装着溝13´´との間に形成されるのを抑制することができる。これにより、ガスケット12´´と装着溝13´´との間に形成される隙間が、結束部5に近接する領域で遮断(封止)され、結束部5によって仕切られた中空糸膜4の外部側の流通空間と内部側の流通空間との疎通が抑制される。
また、装着溝13´´の断面形状を、ガスケット12´´の断面形状と相似させることで、装着時にガスケット12´´が均一に圧縮されることになり、装着溝13´´に対し
て隙間なく密着させることが可能となる。これにより、良好な封止状態を形成することができる。
なお、ガスケット12´´の断面形状については、本実施例では図に示すように幅方向の中央部が最も隆起した山型形状としているが、これに限られるものではなく、種々の形状を採用することができる。
また、本実施例では、装着溝13´´の断面形状をガスケット12´´の断面形状に相似させているが、逆に、ガスケット12´´の断面形状を装着溝13´´の断面形状に相似させてもよい。この場合、結束部5に近接する領域においてガスケット12´´の断面形状を装着溝13´´の断面形状に相似した略矩形断面とすることにより、装着溝13´´の断面形状の単純化を図ることもできる。
また、結束部5に近接する領域において装着溝13´´の収容容積をガスケット12´´の容積よりも若干小さくする構成としては、ガスケット12´´を部分的に大きくすることで相対的に装着溝13´´の収容容積を小さくしてもよいし、逆に、装着溝13´´を部分的に小さくすることで相対的に装着溝13´´の収容容積を小さくしてもよい。
また、固定部9を形成する際の液状接着剤の流出防止効果や、ガスケット12´´を、ケース蓋31ではなくケース本体32の接合面32aに一体成形する構成や、ケース蓋31やケース本体32とは別体とする構成等を適宜採用できる点は、実施例1の場合と同様である。
(実施例4)
次に、図9及び図10を参照して、本発明の実施例4に係る中空糸膜モジュールについて説明する。図9は、本実施例に係る中空糸膜モジュールにおいてケース蓋31が取付けられる前の状態を示す模式的一部拡大平面図である。図10は、本実施例に係る中空糸膜モジュールの模式的一部拡大断面図であり、(a)は、ケース蓋31の取付前の状態、(b)は、ケース蓋31が取付られ固定部9が形成された後の状態をそれぞれ示す、図9のJJ断面に対応した図であり、(c)は、(b)と同じ状態において、図9のKK断面に対応した図である。なお、ここでは、上記実施例と共通する構成については同じ符号を付してその説明を省略する。特に説明しない構成及びその作用効果等については上記実施例と同様である。
本実施例に係る中空糸膜モジュールは、上記実施例2に係る中空糸膜モジュールの構成において、ケース本体32に、装着溝13´におけるケース内部側の側壁面とケース3の内壁面との間を貫通する貫通孔33が設けられた構成となっている。貫通孔33は、装着溝13´の側壁面に対しては装着前におけるガスケット12´の容積が装着溝13´の収容容積に対して同等以上となる領域(図5において円で囲んだ4箇所の部分であって図9
においてLで示した範囲。以下、領域Lとする)の近傍で開口するとともに、ケース3の
内壁面に対しては固定部9が形成される領域で開口している。貫通孔33は、図5において円で囲んだ4箇所のそれぞれに設けられている。この貫通孔33により、装着溝13´のうち領域L近傍と、ケース3の内部空間のうち固定部9が形成される領域と、が連通されることになる。
上記実施例2に係る中空糸膜モジュールの構成においては、ガスケット12´や装着溝13´の寸法精度や組み付け公差等の影響によって、ケース接合面のうち結束部5に近接する領域における充填率が100パーセントとならない場合がある。すなわち、例えば、図10(c)に示すように、装着溝13´の4隅においてガスケット12´と装着溝13´との間にわずかな隙間が形成され、中空糸膜4が開口した空間24に隣接する接合面に
おけるガスケット12´と装着溝13´との間の隙間と、中空糸膜の外壁面が露出した空間23に隣接する接合面におけるガスケット12´と装着溝13´との間の隙間と、が疎通してしまう場合がある。
本実施例によれば、領域Lにそのような隙間が形成されてしまった場合でも、固定部9を形成するためにケース3内に注入された液状接着剤の一部が、図9において矢印Mで示すように、貫通孔33を介して領域L近傍のケース3内部側における装着溝13´とガスケット12´(ガスケット12´のうち装着溝13´に対する充填率が低い部分12´a)との間の隙間に流れ込み(図10(b))、その流れ込んだ液状接着剤の一部がその粘性によって領域Lに形成された隙間(装着溝13´とガスケット12´のうち装着溝13´に対する充填率が高い部分12´bとの間の隙間)に入り込んで硬化して隙間を埋めることになる(図10(c)における流入部9a)。これにより、中空糸膜4の外部側の流通空間と内部側の流通空間とが、ガスケット12´と装着溝13´との間の隙間を介して疎通してしまうのを抑制することができる。すなわち、中空糸膜束2をケース3内部に封止固定するため(固定部9を形成するため)の液状接着剤を利用してケース3の密封性の向上を図ることができる。なお、流入部9aは、中空糸膜4の外部側の流通空間と内部側の流通空間との疎通を抑制することができるのであれば、領域Lの全域に形成される必要はなく、一部であってもよい。
本実施例では、貫通孔33が、装着溝13´の側壁面のうちケース3内部側の側壁面の中央部に開口する構成となっているが、貫通孔33が開口する位置は、貫通孔33から流れ込んできた液状接着剤によって領域Lにおけるケース3内部側のガスケット12´と装着溝13´との間の隙間を埋めることができれば、これに限られるものではない。貫通孔33の大きさ等についても同様である。
また、装着前におけるガスケット12´の容積が装着溝13´の収容容積に対して同等以上とされる各領域にそれぞれ設けられる貫通孔33の数は、本実施例のように各1つに限られるものではなく、各領域毎に複数設けられる構成であってもよい。
また、貫通孔33の構成についても、ケース3の接合面に溝を設けてケース蓋31とケース本体32とが接合された状態において貫通孔33が形成されるような構成であってもよい。
また、上記実施例3に係る中空糸膜モジュールについても、本実施例のような貫通孔を設けることで、本実施例と同様にケースの密封性の向上を図ることができる。
なお、上記各実施例は可能な限り互いに組み合わせることができる。
実施例1に係る中空糸膜モジュールの模式的説明図。 実施例1に係る中空糸膜モジュールの模式的一部拡大断面図。 実施例1に係る中空糸膜モジュールの概略構成を説明する模式的斜視図。 実施例1に係る中空糸膜モジュールの模式的製造工程図。 実施例1に係る中空糸膜モジュールの模式的平面図。 実施例1に係る中空糸膜モジュールの模式的一部拡大断面図。 実施例2に係る中空糸膜モジュールの模式的一部拡大断面図。 実施例3に係る中空糸膜モジュールの模式的一部拡大断面図。 実施例4に係る中空糸膜モジュールの模式的一部拡大平面図。 実施例4に係る中空糸膜モジュールの模式的一部拡大断面図。 従来例に係る中空糸膜モジュールの構成について説明する模式的平面図。 従来例に係る中空糸膜モジュールの模式的断面図。
符号の説明
1 中空糸膜モジュール
2 中空糸膜束
3 ケース
31 ケース蓋
31a 接合面
32 ケース本体
32a 接合面
4 中空糸膜
5 結束部
61、62 第1開口部
71、72 第2開口部
8 ピン穴
9 固定部
10 注入口
11 排出口
12 ガスケット
13 装着溝
14 液状接着剤
15 隙間

Claims (5)

  1. 複数本の中空糸膜によって形成される中空糸膜束と、
    前記中空糸膜束が収容される収容部を有するケース本体と前記収容部の開口部を封止するケース蓋とから構成され、前記ケース本体と前記ケース蓋との接合面に設けられた装着溝に装着されるガスケットによってケース内部がケース外部に対して密封されるケースと、
    ケース内壁と前記中空糸膜間との間に充填された液状接着剤が硬化することによって形成される、前記中空糸膜束を前記ケース内に封止固定する中空糸膜束固定部と、
    前記複数本の中空糸膜を結束する結束部であって、結束部端面において前記中空糸膜の中空内部を開口し、かつ、前記液状接着剤が前記結束部端面側に流出するのを防止する結束部と、を備え、
    前記ケースの接合面における前記ガスケットと前記装着溝との間の隙間が、前記ケースの内部空間のうち前記中空糸膜が開口した空間に隣接する接合面と、前記ケースの内部空間のうち前記中空糸膜の外壁面が露出した空間に隣接する接合面と、の境目の領域において封止されていることを特徴とする中空糸膜モジュール。
  2. 前記ケースの接合面のうち前記結束部に近接する領域において、前記ガスケットと前記装着溝との間の隙間に、液状接着剤が充填硬化されていることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
  3. 前記ケースの接合面のうち前記結束部に近接する領域において、装着前における前記ガスケットの容積が前記装着溝の収容容積に対して同等以上であることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
  4. 前記ケースが、前記ケースの内部空間のうち前記中空糸膜束固定部が形成される領域と、前記装着溝において装着前における前記ガスケットの容積が前記装着溝の収容容積に対して同等以上となる領域の近傍と、を連通する貫通孔を備えることを請求項3に記載の中空糸膜モジュール。
  5. 複数本の中空糸膜の端部を結束し、結束部端面で中空糸膜の中空内部が開口する中空糸膜束を形成する工程と、
    前記中空糸膜束が収容される収容部を有するケース本体と前記収容部の開口部を封止するケース蓋とから構成され、前記ケース本体と前記ケース蓋との接合面に設けられた装着溝に装着されるガスケットによってケース内部がケース外部に対して密封されるケース内に、前記中空糸膜束を収容する工程と、
    前記中空糸膜束の前記結束部よりも内側に液状接着剤を注入し、該液状接着剤の硬化により前記中空糸膜束を前記ケース内に封止固定する工程と、を有する中空糸膜モジュールの製造方法において、
    前記ケース内に前記中空糸膜束を収容する工程において、前記ガスケットを装着溝に装着して前記収容部の開口部をケース蓋によって封止する前に、前記装着溝において前記結束部に近接する領域に液状接着剤を注入する工程を有することを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
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