JP2005224719A - 中空糸膜モジュール及びその製造方法 - Google Patents

中空糸膜モジュール及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ケースの材料選択や形状選択の幅を増やし、ケース機能の向上を図ると共に、ケースの再利用化を可能とする中空糸膜モジュール及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 複数の中空糸膜50と、これら複数の中空糸膜50が収められるケースと、ケースの端部の開口部から各中空糸膜50の中空内部のみが外部に開放されるように、これら複数の中空糸膜50の外壁面間とケースの内壁面との間を封止するポッティング部80a,80bと、を備える中空糸膜モジュール10において、ケースは、ポッティング部80a,80bが固着されている部分を含まない第1ケース20と、ポッティング部80a,80bが固着されている部分を含む第2ケース31,32と、を有すると共に、第1ケース20と第2ケース31,32は、ケース内部から流体が漏れないように封止固定されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、中空糸膜モジュール及びその製造方法に関するものである。
従来例に係る中空糸膜モジュールについて、図11及び図12を参照して説明する。図11は従来例に係る中空糸膜モジュールの概略構成図である。なお、図11(A)は従来例に係る中空糸膜モジュールの一部破断断面図であり、図11(B)は従来例に係る中空糸膜モジュールの上面図である。また、図12は入り口付近における流体のおおまかな流れを示す概略図である。
図示のように、従来例に係る中空糸膜モジュール100は、モジュール本体200と、モジュール本体200の両端に取り付けられるヘッド301,302とを備えている。モジュール本体200は、略円筒状のケース201と、ケース201内に収められる複数の中空糸膜202と、中空糸膜202の中空内部のみを外部に開放するように、各中空糸膜202の外壁面間とケース201の内壁面との間を封止するポッティング部203a,203bとを備えている。
そして、ケース201の側壁には、ケース201の内部であって中空糸膜202の外側に流体を流入させるための流入孔(開口部201a)と、当該流体をケース201の外部に流出させるための流出孔(開口部201b)とを備えている(流入孔と流出孔との関係は逆でも可)。また、ヘッド301,302には、それぞれ中空糸膜202の中空内部に通ずる流路の一部となる開口部301a,302aと、上記ケース202の側壁に設けられた開口部201a,201bを通る流路の一部となる開口部301b,302bが設けられている。
また、上述した中空糸膜202の外側を通る流路と中空糸膜202の中空内部を通る流路との間で流体の漏れが発生しないように、及びこれらの流路の内外間で流体の漏れや、異物の侵入が発生しないように、ケース201とヘッド301,302との間の環状隙間を密封するシールリング401,402,403,404が設けられる。
ここで、ケース201に要求される機能としては次の通りである。
すなわち、ケース本体部分(ケース201の主要となる胴体部分)については、主として、耐熱性,強度,低溶出性、及び線膨張係数が中空糸膜のそれと近いことなどが要求される。
また、ケース201の両端部分、つまり、ポッティング部203a,203bが固着される部分については、主として、ポッティング剤との接着性、及び線膨張係数が硬化後のポッティング剤のそれと近いことなどが要求される。
ここで、ケース201は、従来、1部品により構成されていた。そのため、上記の要求全てを十分に満足させることが難しかった。特に、ケース201の材料選択の幅が狭いものとなっていた。なお、従来、高分子多孔質中空糸膜を用いた中空糸膜モジュールにおいては、ケース材料として、例えば、ポリサルホン(PSU)樹脂を採用していた。なお、当該ポリサルホン樹脂は、耐熱性,耐薬品性,強度,ポッティング剤との接着性、及び切断容易性などの点を考慮して採用されている。
また、一般的に、中空糸膜モジュールの製造工程には、ポッティング剤を充填して、当該ポッティング剤が硬化した後に、ケースの端部を硬化したポッティング剤ごと切断する工程が含まれる。従って、中空糸膜が劣化して、中空糸膜モジュールの交換が必要になった場合、仮に、ケースからポッティングの部分をきれいに取り除くことができたとしても、ケースを再利用することはできなかった。そのため、上述した従来例に係る中空糸膜モジュール100においては、モジュール本体200のうち再利用できる部品は全くなかった。
また、上記のように、ケース201の材料選択の幅が狭く、一般的に、ケース201は樹脂材料により構成していた。そして、ケース201には、上記の通り、流路の一部となる開口部201a,201bを設ける必要がある。しかし、ケース201が樹脂材料であることから、開口部を設けるための加工作業に手間がかかったり、強度上の観点から、開口部の数や配置位置の制限が多くなってしまったりするという欠点もあった。
また、上述のように、従来例に係る中空糸膜モジュール100においては、シールリング401,402,403,404によって、ケース201とヘッド301,302との間の環状隙間を密封する構成を採用している。そのため、ヘッド301,302をケース201に取り付ける場合には、ヘッド301,302とシールリング401,402,403,404を摺動させなければならない。このとき、これらの間に発生する摩擦力が大きいと、取り付け作業が面倒になるだけでなく、シールリング401,402,403,404がねじれてしまったり、位置がずれてしまったり、傷ついてしまったりしてシール性能が低下する原因にもなってしまう。その対策としては、シールリング401,402,403,404にグリースを塗布すればよいが、この場合、グリースが溶出し、中空糸膜モジュール全体として低溶出性が低下することも危惧される。このため、特に系内への不純物の混入が一般に問題視される燃料電池において、その加湿装置として中空糸膜モジュールを利用する場合には、グリースを用いることは好ましくない。
また、上記の通り、樹脂材料からなるケース201の成形加工上の観点、及びシールリング401,402,403,404を採用したことによるシール性能の観点から、ケース201の形状は円筒形状とするのが望ましく、その他の形状を採用するのは適切ではない。そのため、ケース201の形状選択の幅も狭かった。
特開2003−265933号公報 特開2003−240284号公報 特開2001−201120号公報
本発明の目的の1つとして、ケースの機能の向上を図ることが挙げられる。
また、本発明の目的の1つとして、ケースの材料選択の幅を増やすことが挙げられる。
また、本発明の目的の1つとして、ケースの再利用化を図ることが挙げられる。
また、本発明の目的の1つとして、優れた密封性能と低溶出性を両立させることが挙げられる。
また、本発明の目的の1つとして、ケースの形状選択の幅を増やすことが挙げられる。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の中空糸膜モジュールは、
複数の中空糸膜と、
これら複数の中空糸膜が収められると共に、筒状部を含むケースと、
該ケースの端部の開口部から各中空糸膜の中空内部のみが外部に開放されるように、これら複数の中空糸膜の外壁面間とケースの内壁面との間を封止する封止部と、を備える中空糸膜モジュールにおいて、
前記ケースは、前記封止部が固着されている部分を含まない第1ケースと、該封止部が固着されている部分を含む第2ケースと、を有すると共に、
第1ケースと第2ケースは、ケース内部から流体が漏れないように封止固定されていることを特徴とする。
本発明の構成によれば、ケースは第1ケースと第2ケースを有するので、封止部が固着される部分に要求される機能と、封止部が固着されている部分を含まない部分に要求される機能に対して個別に対応することができる。そして、第1ケースと第2ケースは個別に求められる要求を満足させれば良いので、それぞれの材料選択の幅は広い。また、第1ケースと第2ケースは、個別の要求を満足するように、それぞれ材料を選択できるため、ケース全体としての機能を向上させることができる。更に、材料選択の幅が広いことから、加工上の制限は減り、ケースの形状選択の幅も広くなる。そして、中空糸膜が劣化して交換が必要となった場合であっても、封止部が固着されている部分を含まない第1ケースは再利用できる。
また、第2ケースに接続され、各中空糸膜の中空内部に通ずる流路の一部を形成するヘッドを備え、
該ヘッドの先端面と第2ケースの先端面との間が封止固定されていると好適である。
このようにすれば、環状隙間をシールリングで封止する場合の構成のように、ヘッドを取り付ける際におけるシールリングの摺動に関する不具合は発生しない。これに伴い、優れた密封性能と低溶出性を両立させることができる。
また、前記ケースの筒状部における筒の断面形状が略四角形であるとよい。
このようにすれば、ケース内部における、中空糸膜の外側を通る流体の流量の均一化を容易に行うことができる。
また、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、
筒状部を含むケース本体の端部に、ケースの一部となる部分を含む筒状部材の端部を接続する工程と、
ケース内に複数の中空糸膜を収める工程と、
前記筒状部材の内部に封止剤を充填する工程と、
該封止剤が硬化した後に、各中空糸膜の中空内部のみを外部に開放せしめるように、前記筒状部材の一部を切断する工程と、を有することを特徴とする。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、ケースの材料選択や形状選択の幅が増える。また、これに伴い、ケースの機能の向上を図ることができる。また、ケースの再利用化を図ることもできる。更に、優れた密封性能と低溶出性を両立させることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1〜図10を参照して、本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュール及びその製造方法について説明する。
<中空糸膜モジュールの構成>
特に、図1を参照して、本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールの構成について説明する。図1は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールの概略構成図である。なお、図1(A)は実施例1に係る中空糸膜モジュールの一部破断断面図(図中上半分が側面側から見た外観図で、下半分が側面側から見た断面図)であり、図1(B)は実施例1に係る中空糸膜モジュールの上面図である。
図示のように、実施例1に係る中空糸膜モジュール10は、第1ケース20及び第2ケース31,32を有する略筒状のケースと、ヘッド41,42と、複数の中空糸膜50とを備える。
第1ケース20は、ケースの本体部分(胴体部分)を構成するものである。この第1ケース20は、断面形状がおおよそ四角形(正方形)となる筒状の部材により構成される。また、この第1ケース20の側壁には、流路の一部となる開口部21,22が設けられている。第2ケース31,32は、ケース端部を構成するものであり、第1ケース20の両端にそれぞれ設けられる。これら第2ケース31,32も、断面形状がおおよそ四角形(正方形)となる筒状の部材により構成される。
ヘッド41,42は、流路の一部を形成するもので、ケースの両端にそれぞれ設けられる。これらのヘッド41,42は有底筒状の部材により構成される。そして、これらのヘッド41,42の側壁には、流路の一部となる開口部41a,42aがそれぞれ設けられている。第1ケース20,第2ケース31,32、及びヘッド41,42は、複数のボルトによって固定されている。なお、図1(B)には、第1ケース20,第2ケース32及びヘッド42を固定するボルト71,72,73,74が示されている。
第1ケース20及び第2ケース31,32を有するケース内には、複数の中空糸膜50が収められている。そして、これら複数の中空糸膜50によって中空糸膜束が形成されている。この中空糸膜束の両端は、ポッティング部80a,80bによって固定されている。ポッティング部80a,80bは、各中空糸膜50の中空内部のみを(ケースの)外部に開放するように、各中空糸膜50の外壁面間と第2ケース31,32の内壁面との間を封止している。
以上のような構成により、中空糸膜50の中空内部側を通る流路(以下、第1流路と称する)と、中空糸膜50の外部側を通る流路(以下、第2流路と称する)が形成される。つまり、第1流路は、ヘッド41の開口部41aからヘッド41内に入り、第2ケース31側から第2ケース32側に向かって各中空糸膜50の中空内部を通って、ヘッド42の開口部42aから出て行く流路である(勿論、逆方向も可)。そして、第2流路は、第1ケース20に設けられた開口部21から第1ケース20内に入り、各中空糸膜50の外部側を通って、第1ケース20に設けられた開口部22から出て行く流路である(勿論、逆方向も可)。なお、図2には、第2流路における流体のおおまかな流れが示されている。
また、中空糸膜モジュール10には、第1流路と第2流路間で流体の漏れが発生しないように、及び各流路の内外間で流体の漏れや、異物の侵入が発生しないように、ガスケット61,62,63,64が設けられる。すなわち、第1ケース20の先端面と第2ケース31,32の先端面との間にそれぞれガスケット61,62が設けられ、第2ケース31,32の先端面とヘッド41,42の先端面との間にそれぞれガスケット63,64が設けられる。
<中空糸膜モジュールの適用例>
上記のように構成された中空糸膜モジュール10は、燃料電池用の加湿装置として好適に用いることができる。また、その他の用途に用いられる加湿装置のほか、除湿装置,脱気装置,油水分離装置、及び浄水器等にも好適に用いることができる。加湿装置などの湿度を調整(制御)するための装置として、中空糸膜モジュール10を用いる場合には、中空糸膜の素材には親水性のものが採用される。これにより、第1流路を流れる流体と第2流路を流れる流体の湿度が異なると、湿度の高い側の流体中の水分が中空糸膜の膜を透過して他方の流路へと流れていく。このような現象により、加湿や除湿を行うことができる。また、浄水器等の流体中の異物を除去するための装置として、中空糸膜モジュール10を用いる場合には、中空糸膜はフィルターとして機能する。つまり、一方の流路に浄化対象液を流せば、中空糸膜の膜によって異物が捕獲されて、濾過された液体が他方の流路へと流れていく。なお、本実施例では、クロスフロー濾過を行うことができる。
<中空糸膜モジュールの組み立て方法(製造方法)>
図3〜図8を参照して、中空糸膜モジュールの組み立て方法について説明する。図3〜図8は本実施例1に係る中空糸膜モジュールの組み立て工程を示す概略図である。なお、これらの図は、図中上半分が側面側から見た外観図であり、下半分が側面側から見た断面図である。
まず、第1ケース20の両端に、ガスケット61,62と筒状部材31’,32’が仮固定用のボルト75,76によって取り付けられる。図3には、これらの部品を取り付ける前の状態が示されており、図4には、これらの部品を取り付けた後の状態が示されている。筒状部材31’,32’は、それぞれ第2ケース31,32となる部分を含む部材である。そして、本実施例では、第1ケース20の端部の内周面に筒状部材31’,32’の端部の外周面が嵌め込まれる構成を採用している。従って、第1ケース20と筒状部材31’,32’は、ボルト75,76による締結がなされていない状態においても、ある程度固定される。以下、第1ケース20に筒状部材31’,32’を取り付けたものを組ケースと称する。
次に、所定量(所定本数)の複数の中空糸膜50が、組ケース内に収められる。そして、筒状部材31’,32’の内部に封止剤としてのポッティング剤80’がそれぞれ充填される。ポッティング剤としては、例えばエポキシ樹脂などを用いることができる。ポッティング剤80’の充填方法は、適宜公知技術を用いて行うことができる。例えば、筒状部材31’,32’の端部に不図示の蓋を取り付けた状態で、当該端部方向に遠心力を作用させた状態でポッティング剤80’を充填させることができる。なお、図5には、筒状部材32’側にのみポッティング剤80’を充填させた状態が示されている。
そして、ポッティング剤80’が硬化した後に、筒状部材31’,32’に形成された切断用の溝31’a,32’aに沿って、筒状部材31’,32’の一部がそれぞれ切断されて除去される。なお、ポッティング剤80’が充填される際に、不図示の蓋が取り付けられている場合には、この切断によって、蓋も同時に除去される。これにより、第2ケース31,32の部分のみが、第1ケース20の両端に固定された状態で残ることになる
。そして、筒状部材31’,32’の一部が切断されることにより、ケースの両端部においては、各中空糸膜50の中空内部のみが外部に開放された状態となる。図6には、筒状部材31’,32’の一部が切断された後の状態が示されている。
次に、仮固定用のボルト75,76が取り外される。これらのボルト75,76が取り外されても、上記の通り、第1ケース20と第2ケース31,32は嵌合によりある程度固定されているため、その後の作業に支障をきたすことはない。そして、第2ケース31,32の端部に、ガスケット63,64及びヘッド41,42が、ボルト71,72,73,74によって固定される。図7には、仮固定用のボルト75,76が取り外された後、ガスケット63,64及びヘッド41,42が取り付けられる前の状態が示されている。そして、図8には、これらが取り付けられて、完成した中空糸膜モジュール10が示されている。
<本実施例に係る中空糸膜モジュールの優れている点>
<<材料選択の拡大>>
上述のように、本実施例に係る中空糸膜モジュール10のケースは、ポッティング部80a,80bが固着されている部分を含まない第1ケース20と、ポッティング部80a,80bが固着されている部分を含む第2ケース31,32とを備える構成である。そのため、第1ケース20と第2ケース31,32はそれぞれ異なる材料を用いることが可能である。これにより、両者の部位に求められる機能に応じて、それぞれ個別に材料を選択することができる。従って、両者の機能を同時に満足する材料を選択しなくても良いので、材料選択の幅が広い。
ケースの本体部分であって、ポッティング部80a,80bが固着されている部分を含まない第1ケース20の材料としては、樹脂材料や金属材料を好適に用いることができる。耐熱性,耐薬品性,強度,成形性,低溶出性、及び後述するリサイクル性などを考慮すると、金属材料、特にステンレス鋼が好適である。なお、ヘッド41,42の材料についても、第1ケース20の場合と同様である。
一方、ポッティング部80a,80bが固着されている部分を含む第2ケース31,32の材料としては、樹脂材料を好適に用いることができる。ポッティング材料(エポキシ樹脂やウレタン樹脂など)との接着性や、切断性(上記の通り、ポッティング剤が硬化した後に一部切断されるため)などを考慮すると、ポリカーボネート(PC),変性ポリフェニレンオキサイド(PPO)などの樹脂材料、特にポリサルホン(PSU)が好適である。
このように、ケースの材料として、それぞれの部位に応じた最適な材料を、広い選択肢の中から選択することができる。従って、ケース全体としての機能も向上させることができる。
また、第1ケース20の材料として耐久性のある材料(SUSなど)を用いることで、中空糸膜50が劣化した場合に、第1ケース20を再利用することができる。何故ならば、第1ケース20は中空糸膜モジュールの組み立て時に加工されることなく、かつ、ポッティング剤などが接着されることもないからである。従って、中空糸膜モジュール10を分解することにより、第1ケース20の再利用が可能である。なお、ヘッド41,42についても、同様の材料を用いることで再利用が可能である。ただし、中空糸膜モジュールの組み立て時に切断加工が施される第2ケース31,32については再利用できない。しかし、ケース全体からみれば、第2ケース31,32は両端の一部に過ぎず、ケースの大部分は再利用することができる。
また、第1ケース20の材料として、金属材料を採用すれば、樹脂材料を採用する場合と比べて、流路の一部となる開口部の加工が不要になり、また、開口部の大きさや配置の制限が低減するという利点もある。すなわち、金属材料を用いれば、強度が高く、開口部どうしの間隔を狭くできるので、開口部を大きくすることができ、かつ、配置の自由度も大きい。
<<形状選択の拡大>>
ケース全体の大部分を占める第1ケース20の材料として、金属材料を用いる場合には、樹脂成形を行う場合と異なり、比較的自由な形状を選択することができる。なお、第2ケース31,32を樹脂材料により成形するとしても、これらの部品はケースの一部分に過ぎないため、比較的自由な形状を選択することができる。
また、本実施例においては、流路間での漏れ防止等のためのシールとして、上記の通り、2部材の端面間に設けられるガスケット61,62,63,64を採用した。そのため、組み立て工程時において、ガスケット61,62,63,64と他の部材が摺動することがない。従って、組み立ての際に、ガスケット61,62,63,64に対して摺動させるための大きな力を必要とすることもないし、ガスケット61,62,63,64にグリースなどを塗布する必要もない。また、環状の隙間をシールする場合と異なり、シールする部分の形状によって密封性能が影響することもないため、ケース自体の形状選択の幅も大きい。なお、グリースなどを塗布する必要がないことから、密封性能を維持しつつ、優れた低溶出性が実現できる。
このように、材料選択の幅が大きいことや、シールを工夫したことにより、ケースの形状選択の幅が広くなる。これにより、配置スペースに応じた形状を容易に選択することができる。また、配置スペースに対するデッドスペースを削減したり、ケース内部の中空糸膜の充填効率を高めたりすることもできる。
ここで、ケースの形状、及び、流路の一部となる開口部の位置によって、ケース内、かつ、中空糸膜外部における流体の流れ方が決まる。そのため、ケースの形状選択の幅が広いということは、流体の流れ方の自由度も大きくなる。一般的に、中空糸膜モジュールを用いた装置においては、ケース内部における、中空糸膜の外側を通る流体の流量の均一化を図るのが望ましい。何故ならば、加湿装置や除湿装置においては、当該均一化を図ることで、加湿や除湿に寄与する膜の有効面積が大きくなるため、加湿や除湿の効率が良くなる。また、浄化装置においても、当該均一化を図ることで、濾過に寄与する膜の有効面積が大きくなるため、浄化効率が良くなる。
本実施例では、上記の通り、断面形状が略四角形の第1ケース20を採用した。更に、流路の一部となる開口部21,22を、第1ケース20を構成する面のうち、対向する面に対して、それぞれ異なる端部に1箇所ずつ設ける構成を採用した。なお、開口部21,22の大きさは、幅方向の大部分を占める程度の大きさにした。なお、このように開口部21,22を大きくしても、上記の通り、第1ケース20の材料として金属材料を採用することで、強度上の問題は発生しない。以上の構成を採用することで、図2に示すように、ケース内部における、中空糸膜の外側を通る流体の流量の均一化を図ることが可能となる(図2参照)。また、長さ方向についても、開口部21,22が異なる端部に1箇所ずつ設けられていることから、流量は比較的均一になる。なお、従来例に係る中空糸膜モジュールにおいては、ケースの形状が円筒形状であることから、図12に示すように、ケース内において、ケースの外周付近と中央付近とで、流体の流量を均一にするのは難しい。
図9及び図10を参照して、本発明の実施例2に係る中空糸膜モジュールについて説明
する。なお、本実施例は、上記実施例1に係る中空糸膜モジュールに対して、形状が異なるのみであるので、その詳細説明は省略する。図9及び図10は本発明の実施例2に係る中空糸膜モジュールの概略構成図である。なお、図9(A)及び図10(A)は実施例2に係る中空糸膜モジュールの一部破断断面図(図中上半分が側面側から見た外観図で、下半分が側面側から見た断面図)であり、図9(B)及び図10(B)は実施例2に係る中空糸膜モジュールの上面図である。
図9に示す中空糸膜モジュール10aは、円筒状のケースが用いられている。この場合には、上記の通り、ケース内における流体の流量の均一化については、上記実施例1の場合に比べて技術的困難性が伴うものの、ケース機能の向上やケースの再利用などについては、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
図10に示す中空糸膜モジュール10bは、筒状部分の断面形状が長方形であるケースが用いられている。この場合には、基本的に上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。
このように設置スペース、その他の条件に応じて、ケースの形状を適宜選択することができる。
図1は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールの概略構成図である。 図2は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールにおける流体の流れ方を示す模式図である。 図3は本実施例1に係る中空糸膜モジュールの組み立て工程を示す概略図である。 図4は本実施例1に係る中空糸膜モジュールの組み立て工程を示す概略図である。 図5は本実施例1に係る中空糸膜モジュールの組み立て工程を示す概略図である。 図6は本実施例1に係る中空糸膜モジュールの組み立て工程を示す概略図である。 図7は本実施例1に係る中空糸膜モジュールの組み立て工程を示す概略図である。 図8は本実施例1に係る中空糸膜モジュールの組み立て工程を示す概略図である。 図9は本発明の実施例2に係る中空糸膜モジュールの概略構成図である。 図10は本発明の実施例2に係る中空糸膜モジュールの概略構成図である。 図11は従来例に係る中空糸膜モジュールの概略構成図である。 図12は従来例に係る中空糸膜モジュールにおける流体の流れ方を示す模式図である。
符号の説明
10,10a,10b 中空糸膜モジュール
20 ケース
21,22 開口部
31,32 ケース
31’,32’ 筒状部材
31’a,32’a (切断用の)溝
41,42 ヘッド
41a,42a 開口部
50 中空糸膜
61,62,63,64 ガスケット
71,72,73,74,75,76 ボルト
80’ ポッティング剤
80a,80b ポッティング部

Claims (4)

  1. 複数の中空糸膜と、
    これら複数の中空糸膜が収められると共に、筒状部を含むケースと、
    該ケースの端部の開口部から各中空糸膜の中空内部のみが外部に開放されるように、これら複数の中空糸膜の外壁面間とケースの内壁面との間を封止する封止部と、を備える中空糸膜モジュールにおいて、
    前記ケースは、前記封止部が固着されている部分を含まない第1ケースと、該封止部が固着されている部分を含む第2ケースと、を有すると共に、
    第1ケースと第2ケースは、ケース内部から流体が漏れないように封止固定されていることを特徴とする中空糸膜モジュール。
  2. 第2ケースに接続され、各中空糸膜の中空内部に通ずる流路の一部を形成するヘッドを備え、
    該ヘッドの先端面と第2ケースの先端面との間が封止固定されていることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
  3. 前記ケースの筒状部における筒の断面形状が略四角形であることを特徴とする請求項1または2に記載の中空糸膜モジュール。
  4. 筒状部を含むケース本体の端部に、ケースの一部となる部分を含む筒状部材の端部を接続する工程と、
    ケース内に複数の中空糸膜を収める工程と、
    前記筒状部材の内部に封止剤を充填する工程と、
    該封止剤が硬化した後に、各中空糸膜の中空内部のみを外部に開放せしめるように、前記筒状部材の一部を切断する工程と、を有することを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
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