JP2009117706A - フレキシブルプリント配線板用銅箔及びその製造方法、並びにフレキシブルプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境負荷の大きい6価クロムに代表されるクロムを含有せず、なおかつ基材との密着性の良好なフレキシブルプリント配線板用銅箔を提供する。
【解決手段】銅箔2と、その銅箔2の表面に形成されたニッケル層またはニッケル合金層3と、そのニッケル層またはニッケル合金層3の表面に形成された酸化ニッケル層4と、その酸化ニッケル層4の表面に形成されたシランカップリング処理層5とを備えるものである。
【選択図】図1
【解決手段】銅箔2と、その銅箔2の表面に形成されたニッケル層またはニッケル合金層3と、そのニッケル層またはニッケル合金層3の表面に形成された酸化ニッケル層4と、その酸化ニッケル層4の表面に形成されたシランカップリング処理層5とを備えるものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、クロムを含有せず、なおかつプリント配線板用基材との密着性が良好なフレキシブルプリント配線板用銅箔及びその製造方法、並びにフレキシブルプリント配線板に関する。
銅箔は導電体用途としてよく用いられている。特にフレキシブルプリント配線板の分野では、ポリイミドフィルムとラミネート、あるいはポリアミック酸を主成分とするポリイミドワニスを塗布するなどの方法でフレキシブルプリント配線板として製造される。このとき、銅箔には基材との密着性を高めるために粗化処理や防錆処理が施される。
銅箔への防錆処理は、一般に電気めっきで行われる。その内容は銅箔によって様々であるが、ニッケル、亜鉛、銅などの金属を単独もしくは合金としてめっきしている。一般的には、この後、銅箔にはクロメート処理と呼ばれる化成処理が行われる。この化成処理皮膜は不動体皮膜として銅箔表面を保護すると同時に、多量に含むOH基の存在によって基材と化学的な接合を起こしやすくし、基材との接着力を高める役割を持っている。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
一般に、クロメート処理は6価クロムを含む処理液に浸漬もしくは電解することで行われ、そのクロメート皮膜には6価クロムが含有される。6価クロムはその自己修復作用により高い耐食性を有する反面、発がん性の疑いがあることが指摘されており、EU(欧州連合)のELV指令(使用済み廃車指令:End−of−Life Vehicle Directive)やRoHS(電気電子機器の特定有害物質使用規制:Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment)などによって規制されるようになってきた。
フレキシブルプリント配線板用銅箔としては含有されるクロム量が微量であるために、現状では注目されることも少ないが、将来的に6価クロムフリー技術が必要となることは確実であり、近年では6価クロムフリーな銅箔の製造技術として、例えば特許文献5のように、3価クロムを用いた化成処理を行うことも考案されている。
しかしながら、3価クロム化成処理は外的環境因子による6価クロムへの再酸化についての懸念も拭いきれておらず、クロムを含有しない表面処理の開発は急務となっている。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、クロムを含有せず、なおかつ基材との密着性が良好であるフレキシブルプリント配線板用銅箔及びその製造方法、並びにフレキシブルプリント配線板を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、銅箔と、その銅箔の表面に形成されたニッケル層またはニッケル合金層と、そのニッケル層またはニッケル合金層の表面に形成された酸化ニッケル層と、その酸化ニッケル層の表面に形成されたシランカップリング処理層とを備えるフレキシブルプリント配線板用銅箔である。
請求項2の発明は、前記銅箔の表面と前記ニッケル層またはニッケル合金層との間に、粗化めっき層を備える請求項1記載のプリント配線板用銅箔である。
請求項3の発明は、前記シランカップリング処理層は、アミノ基を有する請求項1または2記載のフレキシブルプリント配線板用銅箔である。
請求項4の発明は、銅箔の表面に、ニッケル層またはニッケル合金層を形成し、これを加熱乾燥させて、前記ニッケル層またはニッケル合金層の表面に酸化ニッケル層を形成し、その酸化ニッケル層の表面にシランカップリング処理層を形成するフレキシブルプリント配線板用銅箔の製造方法である。
請求項5の発明は、前記銅箔の表面に粗化めっき層を形成した後、前記ニッケル層またはニッケル合金層、前記酸化ニッケル層、および前記シランカップリング処理層を順次形成する請求項4記載のフレキシブルプリント配線板用銅箔の製造方法である。
請求項6の発明は、前記シランカップリング処理層は、アミノ基を有するシランカップリング剤を用いて形成される請求項4または5記載のフレキシブルプリント配線板用銅箔の製造方法である。
請求項7の発明は、基材と、その基材上に形成された請求項1〜3いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板用銅箔からなる回路とを備えるフレキシブルプリント配線板である。
本発明によれば、環境負荷の大きい6価クロムに代表されるクロムを含有せず、なおかつ基材との密着性の良好なフレキシブルプリント配線板用銅箔を提供できる。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態を示すフレキシブルプリント配線板用銅箔の断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔1は、銅箔2の基材と接着する側(図1では下側)の表面S1に、粗化めっき層6、ニッケル層3、酸化ニッケル層4、シランカップリング処理層5を順次形成したものである。銅箔2の基材と接触しない側(図1では上側)の表面S2には、ニッケル層3、酸化ニッケル層4が順次形成される。
銅箔2としては、圧延銅箔あるいは電解銅箔を用いるとよい。
銅箔2の基材と接着する側の表面S1には、基材との接着面積を増加させるため、粗化めっき層6が形成される。
粗化めっき層6の表面、および銅箔2の基材と接着しない側の表面S2には、ニッケル層3が形成される。このニッケル層3は、銅箔2に耐加熱変色性、耐湿変色性を付与すると共に、銅箔2の銅原子の拡散を防止するバリア層としても機能する。
ニッケル層3は、そのエッチング性を高めるためコバルトを添加したり、逆に耐食性を高めるためタングステンやモリブデンを添加するなどしてニッケル合金層としてもよい。
また、ニッケル層3のニッケル(またはニッケル合金)の重量は、5μg/cm2以上20μg/cm2以下であることが望ましい。これは、ニッケル(またはニッケル合金)の重量が5μg/cm2未満では、銅箔2表面に銅が露出する部分が多くなり、基材との接着時に銅箔2の銅が酸化して接着力の妨げになるためである。また、ニッケル(またはニッケル合金)の重量が20μg/cm2を超えると、回路形成時にエッチング残りが発生し、フレキシブルプリント配線板のマイグレーション不良などの原因となるおそれがあるためである。
ニッケル層3の表面には、そのニッケル層3を大気中で加熱乾燥させて、酸化ニッケル層4が形成される。
基材と接着する側の酸化ニッケル層4の表面には、シランカップリング処理層5が形成される。シランカップリング処理層5は、酸化ニッケル層4を下地とし、シランカップリング剤を用いて形成される。
一般に、シランカップリング剤は、その構造から様々な種類に分類され、接合する基材によって使い分けされる。特にフレキシブルプリント配線板用途では、基材にポリイミドを用いるため、ポリイミドとの接着性および長期安定性のよい、アミノ基を有するシランカップリング剤を用いるとよい。すなわち、シランカップリング処理層5はアミノ基を有するとよい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどを用いると良い。
次に、本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔の製造方法を説明する。
まず、前処理として、銅箔2のアルカリ電解脱脂処理および酸洗処理を行う(図2(a)参照)。
本実施形態では、水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムの水溶液を用いてアルカリ電解脱脂処理を行い、その後、硫酸の水溶液に銅箔2を浸漬して酸洗処理を行う。
アルカリ電解脱脂処理と酸洗処理を行った後、銅箔2の基材と接着する側の表面S1に粗化めっき処理を行い、銅箔2に粗化めっき層6を形成する(図2(b)参照)。
粗化めっき処理では、エッチングやめっきなど、公知の技術を用いて粗化めっき層6を形成するとよい。本実施形態では、めっき浴として硫酸銅5水和物および硫酸の水溶液を用い、ヤケめっきにより粗化めっき層6を形成する。
粗化めっき層6を形成した後、粗化めっき層6の表面および銅箔2の基材と接着しない面S2に、電解めっきによりニッケル層3(またはニッケル合金層)を形成する(図2(c)参照)。本実施形態では、電解めっきに用いるめっき浴として、硫酸ニッケル6水和物およびクエン酸1水和物の水溶液を用いる。
ニッケル層3を形成した後、このニッケル層3を大気中で熱風などにより加熱乾燥させる。ニッケル層3を大気中に曝すことにより、ニッケル層3の表面に酸化ニッケル層4を形成する(図2(d)参照)。
酸化ニッケル層4を形成した後、基材と接着する側の酸化ニッケル層4を下地として、シランカップリング処理を行い、シランカップリング処理層5を形成する(図2(e)参照)。本実施形態では、アミノ基を有するシランカップリング剤の水溶液を用い、この水溶液を基材と接着する側の酸化ニッケル層4に接触させた後、これを大気中で乾燥させて、シランカップリング処理層5を形成する。
シランカップリング剤の水溶液を基材と接着する側の酸化ニッケル層4に接触させる際は、例えば、上方を解放した水槽を用い、この水槽の上方からシランカップリング剤の水溶液をオーバーフロー(溢れ)させ、このオーバーフローした水溶液を基材と接着する側の酸化ニッケル層4に接触させるとよい。あるいは、基材と接着する側の酸化ニッケル層4に、シランカップリング剤の水溶液をスプレーすることで接触させてもよい。
本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔の製造方法では、ニッケル層3を形成した後と、シランカップリング処理層5を形成した後の合計2回の乾燥工程を行う。
以上により、図1のフレキシブルプリント配線板用銅箔1が得られる。
本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板は、本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔1を導電体として用い、このフレキシブルプリント配線板用銅箔1からなる回路を基材上に形成したものである。
本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板を作製する際は、まず、フレキシブルプリント配線板用銅箔1の粗化めっき層6を有する面を基材P側として基材Pと加熱圧着する(図2(f1)参照)、もしくはフレキシブルプリント配線板用銅箔1の粗化めっき層6を有する面に直接ポリイミドワニスを塗布して、基材Pとフレキシブルプリント配線板用銅箔1を接着する(図2(f2)参照)。
その後、フレキシブルプリント配線板用銅箔1にフォトレジストによる回路を印刷し、不要の銅部をエッチングにより除去して回路を形成すると、本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板が得られる。また、配線のファイン化のため、プリント配線板用銅箔1を酸により溶解する処理を行ってもよい。
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔1は、銅箔2の表面に、ニッケル層3(またはニッケル合金層)を形成し、そのニッケル層3の表面に酸化ニッケル層4を形成し、その酸化ニッケル層4の表面にシランカップリング処理層5を形成している。
一般に、シランカップリング処理に用いるシランカップリング剤は水溶液中で加水分解し、シラノールの状態で存在する。シラノールは銅箔2表面のOH基に吸着して水素結合し、この水素結合が乾燥によって脱水し、強固な金属結合を形成する。
また、シラノールは水溶液中で特有の電位を持ち、銅箔2表面とゼータ電位と呼ばれる電位差を発生する。ゼータ電位はシラノールの種類と銅箔2表面の状態によって決まる。ゼータ電位は静電的な反発の大きさに対応していることから、ゼータ電位の値が大きいほどシラノールと銅箔2表面の間には反力が発生する。
発生した反力が大きいと、シラノールは銅箔2表面に近づくことができず、銅箔2表面への吸着するシラノールの量は減少する。すなわち、シラノールと銅箔2表面との電位差(ゼータ電位)を小さくすることで、銅箔2表面へのシラノールの吸着量を増やすことができる。
本実施形態では、酸化ニッケル層4の表面にシランカップリング処理層5を形成している。一般に、酸化ニッケルは、銅、亜鉛、クロムおよびそれらの酸化物などと比較して、シラノールとの電位差が小さいと言われている。よって、バリア層として特にニッケルを用い、これを酸化させてシランカップリング処理の下地となる酸化ニッケル層4を形成することにより、より多くのシラノールを吸着することができる。他の金属では本実施形態と同等の効果を得ることは難しい。
すなわち、ニッケルめっき後に一度加熱乾燥させて酸化ニッケル層4を形成し、その後シランカップリング処理を行うことで、シランカップリング処理の効果を最大限に得ることができる。これにより、例えば、防錆層としてモリブデン化合物皮膜を形成するなどのクロメート代替の処理をしなくても、フレキシブルプリント配線板用銅箔1と基材との接着性を十分に高めることができる。
さらに、クロメート代替の処理を行う必要がないため、本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔1を容易に製造することができ、製造コストを抑えることができる。
また、本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔1は、銅箔2の一方の表面S1に粗化めっき層6を形成した後に、ニッケル層3(またはニッケル合金層)、酸化ニッケル層4、およびシランカップリング処理層5を順次形成している。
粗化めっき層6を形成することにより、基材との接着面積を増加させることができるので、フレキシブルプリント配線板用銅箔1と基材との接着性をより向上させることができる。
さらに、本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔1のシランカップリング処理層5は、アミノ基を有している。
アミノ基を有するシランカップリング処理層5は、例えば、チオール系のシランカップリング剤を用いて形成した処理層などと比べると、ポリイミドとの接着性および長期安定性が高い。よって、シランカップリング処理層5がアミノ基を有することで、本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔1と基材との接着性をさらに向上させることができ、長期安定性を得ることができる。
また、本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1は、6価クロムや3価クロムなどのクロムを含有しないため、ELV指令やRoHSなどの規制をクリアでき、環境負荷を低減できる。
本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔の製造方法によれば、シラノールを吸着しやすい酸化ニッケル層4を、ニッケル層3を加熱乾燥するという簡単な方法で形成できるため、本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔1を容易に作製できる。
(実施例1)
厚さ16.3μmの圧延銅箔を、水酸化ナトリウム1mol/L、炭酸ナトリウム0.2mol/Lの水溶液において、浴温40℃、陰極電流密度5A/dm2、処理時間30秒にてアルカリ電解脱脂処理した後、硫酸1.3mol/Lの水溶液を用いて、浴温25℃、処理時間30秒で浸漬することにより酸洗処理を行った。
厚さ16.3μmの圧延銅箔を、水酸化ナトリウム1mol/L、炭酸ナトリウム0.2mol/Lの水溶液において、浴温40℃、陰極電流密度5A/dm2、処理時間30秒にてアルカリ電解脱脂処理した後、硫酸1.3mol/Lの水溶液を用いて、浴温25℃、処理時間30秒で浸漬することにより酸洗処理を行った。
この銅箔2の基材との接着面S1に対して、硫酸銅5水和物0.36mol/L、硫酸1.33mol/Lの水溶液を用いて浴温40℃、陰極電流密度40A/dm2、処理時間2秒で粗化めっき処理を行った。
粗化めっき処理に連続して、ニッケルめっきを施した。その浴組成は、硫酸ニッケル6水和物0.67mol/L、クエン酸1水和物0.070mol/Lを用い、浴温40℃、電流密度2A/dm2、処理時間4秒とした。このとき得られためっき量は誘導結合高周波プラズマ発光分光分析装置(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:ICP−AES、島津製作所製ICPS−7510)を用いて測定した。
この銅箔2を大気中にて温度200℃で熱風乾燥した。熱風乾燥した銅箔2に対し、シランカップリング処理を行った。シランカップリング剤は、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(γ−APS、信越化学社製KBM−903)を水溶液とし、これを銅箔の基材と接触する側に接触させた。この後、水洗することなく大気中にて温度200℃で1分間熱風乾燥し、シランカップリング処理層5の脱水を行った。
このフレキシブルプリント配線板用銅箔1の粗化処理面に対してポリイミドワニス(宇部興産社製U−ワニスA)を乾燥後の厚みとして20μmとなるように塗布し、窒素ガス環境下で350℃、10分乾燥加熱した。これを用いて塩化第二鉄液エッチングによって幅1mmの直線回路を形成した。
評価はピール強度によって行った。オートグラフ(島津製作所製AGS−500A)を用いて、90°方向に引き剥がし速度50mm/minの速さで直線回路を引き剥がし、その際に発生した荷重を測定した。また、直線回路形成後に3%硫酸、浴温50℃、処理時間1時間で浸漬処理した後の試料についても同様の方法でピール強度を測定した。
(実施例2)
実施例1と同様に、厚み16.3μmの圧延銅箔に対してアルカリ電解脱脂、酸洗、粗化めっき処理を行った後、連続してニッケル−コバルト合金めっきを行った。ニッケル−コバルト合金めっきは、浴組成として硫酸ニッケル6水和物0.67mol/L、硫酸コバルト7水和物0.090mol/L、クエン酸1水和物0.070mol/Lを用い、浴温40℃、陰極電流密度2A/dm2、処理時間4秒とした。
実施例1と同様に、厚み16.3μmの圧延銅箔に対してアルカリ電解脱脂、酸洗、粗化めっき処理を行った後、連続してニッケル−コバルト合金めっきを行った。ニッケル−コバルト合金めっきは、浴組成として硫酸ニッケル6水和物0.67mol/L、硫酸コバルト7水和物0.090mol/L、クエン酸1水和物0.070mol/Lを用い、浴温40℃、陰極電流密度2A/dm2、処理時間4秒とした。
この銅箔2を、大気中にて温度200℃で熱風乾燥した。熱風乾燥した銅箔2に対し、シランカップリング処理を行った。シランカップリング剤は、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(γ−APS、信越化学社製KBM−903)を水溶液とし、これを銅箔の基材と接触する側に接触させた。この後、水洗することなく大気中にて温度200℃で1分間熱風乾燥し、シランカップリング処理層5の脱水を行った。
以上により得られた実施例2のフレキシブルプリント配線板用銅箔1に対し、実施例1と同様に評価を行った。
(実施例3)
実施例1と同様に厚み16.3μmの圧延銅箔に対してアルカリ電解脱脂、酸洗、粗化めっき処理を行った後、連続してニッケルめっきを行った。
実施例1と同様に厚み16.3μmの圧延銅箔に対してアルカリ電解脱脂、酸洗、粗化めっき処理を行った後、連続してニッケルめっきを行った。
この銅箔2を、大気中にて温度200℃で熱風乾燥した。熱風乾燥した銅箔2に対し、シランカップリング処理を行った。シランカップリング剤は、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AEAPS、信越化学社製KBM−603)を水溶液とし、これを銅箔の基材と接触する側に接触させた。この後、水洗することなく大気中にて温度200℃で1分間熱風乾燥しシランカップリング処理層5の脱水を行った。
以上により得られた実施例3のフレキシブルプリント配線板用銅箔1に対し、実施例1と同様に評価を行った。
(比較例1)
実施例1と同様に厚み16.3μmの圧延銅箔に対してアルカリ電解脱脂、酸洗、粗化めっき処理を行った後、連続してニッケルめっきを行った。
実施例1と同様に厚み16.3μmの圧延銅箔に対してアルカリ電解脱脂、酸洗、粗化めっき処理を行った後、連続してニッケルめっきを行った。
この銅箔に対し、連続してシランカップリング処理を行った。シランカップリング剤は、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(γ−APS、信越化学社製KBM−903)を水溶液とし、これを銅箔の基材と接触する側に接触させた。この後、水洗することなく大気中にて温度200℃で1分間熱風乾燥しシランカップリング処理層の脱水を行った。
以上により得られた比較例1の銅箔に対し、実施例1と同様に評価を行った。
(比較例2)
実施例1と同様に厚み16.3μmの圧延銅箔に対してアルカリ電解脱脂、酸洗、粗化めっき処理を行った後、連続して亜鉛めっきを行った。亜鉛めっきは、浴組成として硫酸亜鉛7水和物0.33mol/L、クエン酸1水和物0.080mol/Lを用い、浴温25℃、陰極電流密度1A/dm2、処理時間4秒とした。
実施例1と同様に厚み16.3μmの圧延銅箔に対してアルカリ電解脱脂、酸洗、粗化めっき処理を行った後、連続して亜鉛めっきを行った。亜鉛めっきは、浴組成として硫酸亜鉛7水和物0.33mol/L、クエン酸1水和物0.080mol/Lを用い、浴温25℃、陰極電流密度1A/dm2、処理時間4秒とした。
この銅箔を、大気中にて温度200℃で熱風乾燥した。熱風乾燥した銅箔に対し、シランカップリング処理を行った。シランカップリング剤は、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(γ−APS、信越化学社製KBM−903)を水溶液とし、これを銅箔の基材と接触する側に接触させた。この後、水洗することなく大気中にて温度200℃で1分間熱風乾燥し、シランカップリング処理層の脱水を行った。
以上により得られた比較例2の銅箔に対し、実施例1と同様に評価を行った。
(比較例3)
実施例1と同様に厚み16.3μmの圧延銅箔に対してアルカリ電解脱脂、酸洗、粗化めっき処理を行った後、連続してニッケルめっきを行った。
実施例1と同様に厚み16.3μmの圧延銅箔に対してアルカリ電解脱脂、酸洗、粗化めっき処理を行った後、連続してニッケルめっきを行った。
この銅箔を、大気中にて温度200℃で熱風乾燥した。熱風乾燥した銅箔に対し、シランカップリング処理を行った。シランカップリング剤は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(γ−GPS、信越化学社製KBM−403)を水溶液とし、これを銅箔の基材と接触する側に接触させた。この後、水洗することなく大気中にて温度200℃で1分間熱風乾燥しシランカップリング処理層の脱水を行った。
以上により得られた実施例3の銅箔に対し、実施例1と同様に評価を行った。
実施例1〜3、および比較例1〜3の評価結果をまとめて表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜3のフレキシブルプリント配線板用銅箔1は初期、硫酸浸漬後ともにピール強度が高く、基材との接着性がよいことが分かる。
一方、ニッケルめっき後に熱風乾燥せず、酸化ニッケル層を形成しなかった比較例1では、初期、硫酸浸漬後ともにピール強度が低かった。
また、ニッケルめっきではなく亜鉛めっきを行った比較例2では初期のピール強度が低く、硫酸浸漬により亜鉛めっき層およびシランカップリング層が剥離した。
シランカップリング剤にアミノ基を含まない3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いた比較例3では、比較例1と同様に初期、硫酸浸漬後ともにピール強度が低かった。
以上の実験結果より、酸化ニッケル層を形成することで接着性が向上することが分かった。さらに、シランカップリング剤としてアミノ基を有するものを用いるとよいことが分かった。
1 フレキシブルプリント配線板用銅箔
2 銅箔
3 ニッケル層(またはニッケル合金層)
4 酸化ニッケル層
5 シランカップリング処理層
6 粗化めっき層
2 銅箔
3 ニッケル層(またはニッケル合金層)
4 酸化ニッケル層
5 シランカップリング処理層
6 粗化めっき層
Claims (7)
- 銅箔と、その銅箔の表面に形成されたニッケル層またはニッケル合金層と、そのニッケル層またはニッケル合金層の表面に形成された酸化ニッケル層と、その酸化ニッケル層の表面に形成されたシランカップリング処理層とを備えることを特徴とするフレキシブルプリント配線板用銅箔。
- 前記銅箔の表面と前記ニッケル層またはニッケル合金層との間に、粗化めっき層を備える請求項1記載のプリント配線板用銅箔。
- 前記シランカップリング処理層は、アミノ基を有する請求項1または2記載のフレキシブルプリント配線板用銅箔。
- 銅箔の表面に、ニッケル層またはニッケル合金層を形成し、これを加熱乾燥させて、前記ニッケル層またはニッケル合金層の表面に酸化ニッケル層を形成し、その酸化ニッケル層の表面にシランカップリング処理層を形成することを特徴とするフレキシブルプリント配線板用銅箔の製造方法。
- 前記銅箔の表面に粗化めっき層を形成した後、前記ニッケル層またはニッケル合金層、前記酸化ニッケル層、および前記シランカップリング処理層を順次形成する請求項4記載のフレキシブルプリント配線板用銅箔の製造方法。
- 前記シランカップリング処理層は、アミノ基を有するシランカップリング剤を用いて形成される請求項4または5記載のフレキシブルプリント配線板用銅箔の製造方法。
- 基材と、その基材上に形成された請求項1〜3いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板用銅箔からなる回路とを備えることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
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