JP2009117632A - ノイズフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電源と負荷とを結ぶ回路上に配置し、電源のホット側の接続線7,8に磁心5を備えた第1コイルL1を設け、リターン側の接続線11,12に磁心6を備えた第2コイルL2を設けるとともに、これら第1,2コイルL1,L2を対向配置し、第1コイルL1と第2コイルL2とはその巻き方向を逆にし、前記第1,2コイルのそれぞれにはヨークY1,Y2を個別に設け、これらヨークは一対の磁気端子部15,16間及び17,18間に接続部19,20を設けてなり、前記一対の磁気端子部15,16、17,18を前記磁心5,6の端部に対向させるとともに、これらヨーク間に間隔を設けた。
【選択図】 図2
Description
この発明の目的は、二つのコイルを対向配置させたときに、その近接限界を小さくできるノイズフィルタを提供することである。
そして、前記のように磁気端子部と磁心との間にギャップを設ければ、このギャップは、磁気抵抗として機能するので、コイルの性能特性変化を防ぐことができる。したがって、一方のコイルのインダクタンスが、他方のコイルに影響を及ぼすことがなくなる。
第3の発明は、前記ケーシングを非磁性体で構成するとともに、前記第1,2ヨークをこのケーシングの外側に設けたものである。
第4の発明は、前記ヨークが、前記ケーシングを介して前記第1,2コイルの磁心両端に対向する一対の磁気端子部と、これら磁気端子部間を連続させる接続部と、この接続部の側方にあってケーシングの少なくとも一部を覆う一対の覆い部と、を一体に形成してなる。
このように、二つのコイルの導線の巻き方向を逆にしたことと、互いに間隔を保ったヨークで閉磁路を構成するようにしたこととが相まって、両コイルをかぎりなく接近させることができる。両コイルをかぎりなく接近させられれば、当該ノイズフィルタを小型化することが可能になる。
第3の発明によれば、一対のヨーク間の間隔を十分に保つことができるので、これらヨークによって形成される閉磁路の間隔も十分に大きく保つことができる。したがって、第1,2コイル自体を接近させたとしても、従来のように結合インダクタンスがほとんど発生しない環境を形成できる。
第4の発明によれば、ヨークが磁気シールドおよび電波シールドとして機能することになり、磁気シールドあるいは電波シールドを必要とする場合には、部品点数を少なくすることができ、ここでも当該ノイズフィルタの小型化に役立つことになる。
なお、この発明におけるケース構成体a1,a2は、それらが組み合わされてケーシングAを構成するものであれば、その形状は問わない。例えば、ケース構成体は、一方側をふさぎ、他方側を開口させた筒体を用い、これら筒体の開口側をつき合わせるようにしてケーシングAを構成するようにしてもよい。
前記ケーシングAには、例えばフェライト等の強磁性体からなる磁心5に導線を巻き回してなる第1コイルL1と、磁心5と同様の磁心6に導線を巻き回してなる第2コイルL2とを対向配置するとともに、これら両コイルL1,L2は、前記のように対向配置した状態でその導線の巻き方向が互いに反対になるようにしている。
また、ケーシングAに対向配置した第1,2コイルL1,L2の磁心5,6の両端を、前記位置決め手段dの円弧状凹部にはめ合わせれば、第1,2コイルL1,L2は、図2、図3に示すように、第1,2コイルL1,L2間に間隔が設けられるとともに、ケーシングAの板部材1,2との間にも間隔が保たれる。そして、第1,2コイルL1,L2と板部材1,2との間に形成される間隔は、第1,2コイルL1,L2が発熱したときに放熱機能を果たすことができる。
なお、前記放熱機能を考慮せずに、第1,2コイルL1,L2間の間隔維持のみを考慮すれば、前記第1,2コイルL1,L2間に、絶縁体からなる仕切り板を設けるようにしてもよい。
このように第1,2コイルL1,L2に接続した接続線7,8および11,12のそれぞれは、凹部3a〜3dおよび4a〜4dが相まって形成する前記接続線孔から、ケーシングAの外部に導き出される。
また、前記のように穴あるいは切り欠きを形成した状態で、磁気端子部15,16および17,18と磁心5,6との間に、磁気抵抗としてのエアギャップを形成するようにしてもよい。
したがって、両コイルの巻き方向を逆にしたことと、ヨークY1,Y2で閉磁路を構成したこととが相乗的に作用して、一方のコイルの自己インダクタンスが、他方のコイルの自己インダクタンスに影響を及ぼしにくくなり、通過損失と周波数との関係において、その特性が乱れることがなくなる。
また、前記のように第1コイルL1と第2コイルL2とを対向配置しても、ノイズの減衰特性が悪くなることがないので、当該ノイズフィルタを小型化することができる。
さらに、一対のヨークY1,Y2をケーシングAの外側に設けて、それらの間の間隔を大きく保つようにしたので、これらヨークY1,Y2によって形成される閉磁路の間隔も十分に大きく保つことができる。したがって、第1,2コイルL1,L2自体を接近させたとしても、従来のように結合インダクタンスがほとんど発生しない環境を形成できる。
なお、磁気端子部15,16および17,18と接続部19,20だけでもシールド機能を発揮できるが、前記覆い部21,22および23,24があれば、さらにシールド効果を高めることができる。このときには覆い部21,22および23,24を大きくすればするほど、シールド効果が大きくなる。
さらに、図4(a)、(b)に示すように、当該ヨークY1,Y2を、磁気端子部15,16および17,18と、接続部19,20と、覆い部21,22および23,24とのそれぞれを一体化して箱形にすれば、そのシールド機能は一層高まることになる。
なお、ヨークY1,Y2を前記のように箱形にすれば、これらヨークは、ケーシングAを押える部材としての機能も向上することになる。
また、前記他の実施形態におけるヨークは、箱形にしたこと以外は、第1,2図に示したものとまったく同様である。
一方、前記実施形態では、覆い部21,22および23,24のそれぞれが、ケーシングAのケース構成体a1,a2を挟持するようにしたが、例えば、ケース構成体a1,a2は、一方側をふさぎ、他方側を開口させた筒体を用い、これら筒体の開口側を磁心5,6の軸方向につき合わせるようにしてケーシングAを構成した場合には、これら両筒体を磁気端子部15と16,17と18の間で挟持させることになる。
a1,a2 ケース構成体
L1 第1コイル
L2 第2コイル
5,6 磁心
7,8 ホット側の接続線
11,12 リターン側の接続線
Y1,Y2 ヨーク
15,16 磁気端子部
17,18 磁気端子部
19,20 接続部
21,22 覆い部
23,24 覆い部
Claims (4)
- 強磁性体からなる磁心に導線を巻き回してなるコイルと、前記磁心に対向配置した一対の磁気端子部と、これら磁気端子部間に設けた接続部とで閉磁路を構成するヨークと、を備えたノイズフィルタにおいて、電源のホット側接続線に設けた第1コイルと、前記第1コイルの磁心と磁路を構成する第1ヨークと、電源のリターン側接続線に前記第1コイルと対向して設けた第2コイルと、前記第2コイルの磁心と磁路を構成する第2ヨークと、を備え、前記第1、2コイルにおける互いの導線の巻き方向を逆にすると共に、前記第1、2ヨーク間に間隔を設けたノイズフィルタ。
- 一つのケーシング内に、前記第1,2コイルを配置した請求項1記載のノイズフィルタ。
- 前記ケーシングを非磁性体で構成するとともに、前記第1、2ヨークをこのケーシングの外側に設けた請求項2記載のノイズフィルタ。
- 前記ヨークは、前記ケーシングを介して前記第1,2コイルの磁心両端に対向する一対の磁気端子部と、これら磁気端子部間を連続させる接続部と、この接続部の側方にあってケーシングの少なくとも一部を覆う覆い部と、を一体に形成してなる請求項3記載のノイズフィルタ。
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