JP2009114558A - 防水ズボンにおける前開き部の防水構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で経済的となる防水ズボンにおける前開き部の防水構造を提供する。
【解決手段】ファスナー3付きの前開き部2を有する防水ズボン1において、ズボン内側において、その下端6aから両縁6bの上端6cにかけてファスナー3の左右のエレメント4に沿って水密固定され、ファスナー3が閉じているときに折り畳み収容される三角巾6を備え、ファスナー3を通って浸入する水を、三角巾6の前面側に形成される防水ポケット空間8で受ける構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】ファスナー3付きの前開き部2を有する防水ズボン1において、ズボン内側において、その下端6aから両縁6bの上端6cにかけてファスナー3の左右のエレメント4に沿って水密固定され、ファスナー3が閉じているときに折り畳み収容される三角巾6を備え、ファスナー3を通って浸入する水を、三角巾6の前面側に形成される防水ポケット空間8で受ける構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、雨ガッパのズボン等の防水ズボンに関するものである。
雨ガッパのズボンなどの防水ズボンでは、生地の縫合箇所など全ての接合部位にテープシールなどによる水密処理が施されているが、前開き部のファスナーにおいてはその構造上、水密処理を施すことは困難である。
一般に前開き部にはファスナーを隠すいわゆる前立てが備えられることが多く、この場合、前立てはファスナーへの雨粒の浸入を防ぐ機能も果たす。しかしながら、従来の雨ガッパのズボンでは、自動二輪車や自転車などに乗った場合、前記前立てが曲がることにより前立ての横方向の隙間が広がって、そこから雨粒がファスナーへと浸入するという問題がある。
また、ズボンに限らず上着にも適用される前開き部の防水構造の従来例としては特許文献1が挙げられる。
実開平1−102105号公報
しかしながら、特許文献1の技術では前開き部における生地縫製の構造が複雑となり、高価なズボンになりやすい。
本発明はこのような問題を解決するために創作されたものであり、簡単な構造で経済的となる防水ズボンにおける前開き部の防水構造を提供することを目的としている。
本発明は、前記課題を解決するため、ファスナー付きの前開き部を有する防水ズボンにおいて、ズボン内側において、その下端から両縁の上端にかけてファスナーの左右のエレメントに沿って水密固定され、ファスナーが閉じているときに折り畳み収容されるポケット巾を備え、ファスナーを通って浸入する水を、前記ポケット巾の前面側に形成される防水ポケット空間で受ける構成とした。
この防水ズボンにおける前開き部の防水構造によれば、ファスナーを通って水が浸入しても、防水ポケット空間により受け止められるので、内部の衣服まで水が達することはない。また、防水ポケット空間で受け止められた水はファスナーの下部の隙間から外部に出て行くので、防水ポケット空間に多量の水が溜まることはない。ファスナーを開いたときには、折り畳まれた上縁を指で押し下げることにより、前開き部の開口部を確保できる。
また本発明では、前記ポケット巾を、略逆三角形状の三角巾とした。
この防水ズボンにおける前開き部の防水構造によれば、ポケット巾の形状が上部を開放した前開き部の形状に合うので、前開き部の開閉時におけるポケット巾の上げ下げ作業もスムースに行える。
また本発明では、前記三角巾の上縁周りと前記前開き部の上部周りとを連結して、前記ファスナーが閉じているときの前記三角巾の上縁のずれ落ちを防止するずれ落ち防止手段を設けた。
この防水ズボンにおける前開き部の防水構造によれば、ファスナーを閉じている際の三角巾の上縁のずれ落ちが防止され、防水ポケット空間の水の受け止め機能が損なわれることがない。
また本発明では、前記ずれ落ち防止手段は、前記三角巾の上縁周りと前記ファスナーのスライダーとを連結する構成からなり、前記三角巾の上縁周りの位置移動を前記スライダーの上下動に連動させる構成とした。
この防水ズボンにおける前開き部の防水構造によれば、前開き部を開け閉めする度に、ずれ落ち防止手段に関する作業を別途要することもなく、ずれ落ち防止手段の係合のし忘れの問題も起きないため、ファスナーを閉じた際には防水ポケット空間が確実に形成される。
本発明によれば、簡単な構造で前開き部を防水できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明を適用した防水ズボンを、前開き部を全開にした状態で見た正面図、図2において、(a)は前開き部を閉めたときの三角巾の格納状態、(b)は前開き部を開けたときの三角巾の使用状態を示す外観斜視図である。なお、図2では三角巾のみ実線にて示している。
雨ガッパのズボンなどに代表される防水ズボン1は、ファスナー3が取り付けられた前開き部2を有する。前開き部2の上部には止め具7A、7Bが取り付けられている。ファスナー3は、防水性のズボンに限らず一般のズボンの前開き部にも使用される汎用のスライドファスナーであり、前開き部2の左右縁に取り付けられるエレメント(務歯)4と、エレメント4同志を噛み合わせるスライダー5とを備える。
符号12は、エレメント4を形成したテープ生地であり、このテープ生地12が前開き部2の左右縁に縫合されてズボンに対するファスナー3の取り付けがなされる。また、図1では省略しているが、ファスナー3を隠すために形成される、いわゆる前立てについても適宜に前開き部2に設けられる。
防水ズボン1の内側には、その下端6aから両縁6bの上端6cにかけて左右のエレメント4に沿って水密固定され、ファスナー3が閉じているときに折り畳み収容されるポケット巾が備えられる。本実施形態では、このポケット巾を、図1に示すように止め具7A、7Bを外して前開き部2の上部を開放させた状態において、略逆三角形状を呈する三角巾6から構成している。三角巾6の生地は、例えば防水ズボン1の生地と同様の防水生地からなる。
三角巾6の下端6aはファスナー3の下部に位置し、両縁6bはエレメント4の左右外側に位置する。これらズボン内側に固定される部位は全て水密固定され、具体例としては三角巾6の縁部を縫合した後に熱溶着性のテープシールなどにより三角巾6の縁部をズボン内側に対してシールする。これにより、閉じた状態のファスナー3とポケット巾である三角巾6の前面との間には、上部が解放された防水ポケット空間8が形成される。
作用を説明すると、図2(a)に示すようにファスナー3が閉じた状態では、三角巾6はその上縁6d周りが折り畳まれるかたちで収容される。エレメント4の噛合いの隙間等を通って水が浸入しても、防水ポケット空間8により受け止められるので、内部の衣服まで水が達することはない。防水ポケット空間8で受け止められた水はファスナー3の下部の隙間から外部に出て行くので、防水ポケット空間8に多量の水が溜まることはない。
そして、図2(b)に示すようにファスナー3を開いたときには、折り畳まれた上縁6dを指で押し下げることにより、前開き部2の開口部を確保することができる。開口部を大きく確保するためには、三角巾6の上縁6dの長さが長い程良く、上縁6dの長さを一辺の両縁6b(図1)の長さの1.5〜2倍程度に設定することが好ましい。また、上縁6dは直線状に形成される場合に限られず、上側や下側に若干凸となる円弧状として形成しても良い。
本発明によれば、単葉のポケット巾(三角巾6)を前開き部2に取り付けるだけで防水効果を得ることができる。したがって、簡単な構造で済み、経済的な防水ズボン1を提供できる。
次いで、図3および図4を参照して本発明の第1変形例を説明する。図3は第1変形例の防水ズボンを、前開き部を全開にした状態で見た正面図、図4において、(a)は前開き部を閉めたときの三角巾の格納状態、(b)は前開き部を開けたときの三角巾の使用状態を示す外観斜視図である。
図1、図2に示した例では、ファスナー3が閉じているとき、折り畳まれていわゆるマチの機能を果たしている上縁6d周りがずれ落ちるおそれがある。第1変形例はこの問題に対処した構造であり、三角巾6の上縁6d周りと前開き部2の上部周りとを連結して、ファスナー3が閉じているときの三角巾6の上縁6dのずれ落ちを防止するずれ落ち防止手段9が設けられている。
三角巾6の上縁6d周りと前開き部2の上部周りとの連結態様として、図3では、一方のエレメント4よりも左右方向中央寄りに形成された前開き縁2aの上部に雄スナップボタン10Aを設けるとともに、三角巾6の上縁6dの中央部に雌スナップボタン10Bを設けた場合を示している。これらスナップボタンによる連結に代えて面ファスナ等による連結にしても良い。
この第1変形例の防水ズボン1では、図4(a)に示すように、雄スナップボタン10Aと雌スナップボタン10Bとを係合させてから、ファスナー3を閉じる。前開き部2を開くときには、雄スナップボタン10Aと雌スナップボタン10Bとを外して、図1、図2に示した例と同様、上縁6dを指で押し下げて前開き部2の開口部を確保する。以上のようなずれ落ち防止手段9を設けることで、ファスナー3を閉じている際の三角巾6の上縁6dのずれ落ちが防止され、防水ポケット空間8の水の受け止め機能が損なわれることがない。
次いで、図5および図6を参照して本発明の第2変形例を説明する。図5は第2変形例の防水ズボンで使用する両面ファスナーの外観斜視図、図6において、(a)は前開き部を閉めたときの三角巾の格納状態、(b)は前開き部を開けたときの三角巾の使用状態を示す外観斜視図である。
前記第1変形例で示したずれ落ち防止手段9は、前開き部2を開け閉めする度に雄スナップボタン10Aと雌スナップボタン10Bとの係脱作業を別途要することになり、人によっては煩わしいと感じたり、前開き部2を閉じたときに雄スナップボタン10Aと雌スナップボタン10Bとを係合し忘れることも起こり得る。第2変形例は、ずれ落ち防止手段9として、三角巾6の上縁6d周りとファスナー3のスライダー5とを連結し、三角巾6の上縁6d周りの位置移動をスライダー5の上下動に連動させたことを特徴とする。
図5に示すファスナー3は一般に両面ファスナーと呼ばれ、スライダー5の表裏に引手11が設けられている。図5では、裏側の引手11と三角巾6の上縁6d周りとをリング材13等を用いて連結した場合を示しているが、勿論、縫い糸を用いるなど他の連結態様を用いてスライダー5と三角巾6の上縁6d周りとを連結しても良い。
この第2変形例の防水ズボン1では、図6(a)に示すように、ファスナー3を閉じると三角巾6の上縁6dが自ずと上がって防水ポケット空間8が形成され、図6(b)に示すように、ファスナー3を開けると三角巾6の上縁6dが自ずと下がって前開き部2の開口部が確保される。これにより、前開き部2を開け閉めする度に、ずれ落ち防止手段9に関する作業を別途要することもなく、ずれ落ち防止手段9の係合のし忘れの問題も起きないため、ファスナー3を閉じた際には防水ポケット空間8が確実に形成される。
以上、本発明について好適な実施形態を説明した。本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。ポケット巾の形状は、実施形態で示した三角巾6のように逆三角形状を呈するものが、上部を開放した前開き部2の形状に合うので最も好ましいといえる。しかし、所定の防水ポケット空間8を確保できるものであれば、上縁6d周りの形状を多少変更しても差し支えない。
1 防水ズボン
2 前開き部
3 ファスナー
4 エレメント
5 スライダー
6 三角巾(ポケット巾)
8 防水ポケット空間
9 ずれ落ち防止手段
2 前開き部
3 ファスナー
4 エレメント
5 スライダー
6 三角巾(ポケット巾)
8 防水ポケット空間
9 ずれ落ち防止手段
Claims (4)
- ファスナー付きの前開き部を有する防水ズボンにおいて、
ズボン内側において、その下端から両縁の上端にかけてファスナーの左右のエレメントに沿って水密固定され、ファスナーが閉じているときに折り畳み収容されるポケット巾を備え、
ファスナーを通って浸入する水を、前記ポケット巾の前面側に形成される防水ポケット空間で受ける構成としたことを特徴とする防水ズボンにおける前開き部の防水構造。 - 前記ポケット巾は、略逆三角形状の三角巾からなることを特徴とする請求項1に記載の防水ズボンにおける前開き部の防水構造。
- 前記三角巾の上縁周りと前記前開き部の上部周りとを連結して、前記ファスナーが閉じているときの前記三角巾の上縁のずれ落ちを防止するずれ落ち防止手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の防水ズボンにおける前開き部の防水構造。
- 前記ずれ落ち防止手段は、前記三角巾の上縁周りと前記ファスナーのスライダーとを連結する構成からなり、
前記三角巾の上縁周りの位置移動を前記スライダーの上下動に連動させることを特徴とする請求項3に記載の防水ズボンにおける前開き部の防水構造。
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JP2007285819A JP2009114558A (ja) | 2007-11-02 | 2007-11-02 | 防水ズボンにおける前開き部の防水構造 |
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CN104489959A (zh) * | 2015-01-12 | 2015-04-08 | 上海工程技术大学 | 一种立体风雨衣及其制作工艺 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0338729U (ja) * | 1989-08-28 | 1991-04-15 | ||
JPH0425809A (ja) * | 1990-05-21 | 1992-01-29 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 光ケーブル用抗張力体およびその製造方法 |
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2007
- 2007-11-02 JP JP2007285819A patent/JP2009114558A/ja active Pending
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