JP2009112065A - モールドモータ - Google Patents

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康之 奥村
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Abstract

【課題】モールドモータに簡単で安価な方法で導電層を形成するだけで、ベアリング電流を完璧に消滅させて軸受け部の磨耗、損傷、破壊等を完璧に解消することができるモールドモータを提供することを目的とする。
【解決手段】絶縁層3で被服された固定子鉄心2にコイル4を巻回した後、絶縁樹脂にてモールド一体成形したモータフレーム8の内周面に第1の導電層18、同外周面に第2の導電層20を設け、モータフレーム8の表面全体に導電層を設けて、コイル4を巻回した固定子鉄心2を第1の導電層18と第2の導電層20で完全密閉することにより、コイル4と回転子9を該導電層で静電遮蔽することにより、ベアリング電流を完璧に消滅させ、ベアリング電流が原因で発生していた軸受部の磨耗、損傷、破壊等を完璧に解消することができるモールドモータが得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、モールドモータに関するものである。
従来より、固定子鉄心に巻き線を巻回した鉄心をモールド樹脂によってモールド成型してハウジングを形成し、この内部に軸受けを介して回転子を内臓するモールドモータがある。上記のモールドモータは、固定子鉄心および巻き線がモールド樹脂で覆われているため、アースについてはあまり考慮する必要はないが、インバータ装置を使用してモールドモータを使用する場合、インバータ装置のスイッチング時に生じる急峻な電圧変化に起因して、高周波誘導に基づいて発生する軸電圧およびベアリング電流によって内輪部、外輪部の軌道面ならびに転導体表面に発生する電食と呼ばれるベアリング損傷が発生する場合がある。本発明は、電食によるベアリング損傷を防止するインバータ駆動されるベアリング装置を用いた回転電機に発生する電食防止装置を搭載したモールドモータに関する。
ベアリングの電食対策が施されていない従来のモールドモータの電食発生のメカニズムについて説明する。従来のこの種の電食防止機能が付いたモールドモータは、例えば特許文献1に記載されているモータ構造がある。従来のブラシレスモータについて、図11から図18を用いて説明する。
図11は、特許文献1の従来のモールドモータの構造断面図である。図において、モールドモータ101はブラシレスDCモータであって、鋼板を積層した固定子鉄心102に絶縁層103を形成し、この絶縁層103にコイル104が巻回されている。この固定子鉄心102、絶縁層103、コイル104、および、コイル104の一部分であってコイル104が固定子鉄心からはみ出したコイルエンド部105をモールド樹脂によって覆い、略円筒状のモータフレーム106が形成されている。
モータフレーム106の出力側には、ドーナツ状の配線基板107が図示するように取り付けられている。このモールドモータ101はブラシレスDCモータなので、この配線基板107には、PWM制御によりモールドモータ101を駆動するインバータ装置が組み込まれている。モータフレーム106の出力側の端面には金属製のブラケット108がモータフレーム106に埋設されている。モータフレーム106の内側には空隙を介して回転子109が挿入されている。その回転子109の回転軸110の両側には2つのベアリング111、112が取り付けられている。その2つのベアリングは、図示するように、それぞれ、ブラケット108とモータフレーム106のモールド樹脂に保持されている。回転子109は、回転軸110が2つのベアリング111および112に支承され回転することが可能である。
図12は、特許文献1の従来のモールドモータの各部間の静電結合容量の分布状況を示すモデル図である。図示するように、コイル104は強磁性体である固定子鉄心102に巻回されているので、コイル104には比較的大きな等価インダクタンスLcが存在している。一般的に、モールドモータではコイルエンド105は、回転子109と接近した位置に配置されるので、コイル104と回転子109の間には静電結合容量Ccrが存在する。コイル104は、絶縁層103をはさんで固定子鉄心102と接近した位置に配置されているので、コイル104の巻き取り方向に沿って、コイル104と固定子鉄心102の間にも比較的大きな静電結合容量Ccsが存在する。モールドモータ101はブラシレスDCモータなので、一般的に、固定子鉄心102と回転子109の間の空隙間隔は、例えば、0.35〜0.5mmの範囲内に収まるように、狭く設計されるので、固定子鉄心102と回転子109の間にも比較的大きなエアーギャップ容量Crsが存在する。さらに、コイル104とブラケット108の間に静電結合容量Cbc、ブラケット108と回転子109の間に静電結合容量Cbr、固定子鉄心102とブラケット108の間に静電結合容量Cbsが存在している。ベアリング111の内輪−外輪間には、転動体をはさんで内輪−外輪間の静電結合容量Cb1が存在している。
図13は、特許文献1の従来のモールドモータが高速で回転するときのベアリングの状態を示す側面図である。図示するように、ベアリング111の転動体142は、潤滑油113で浸された内輪114と外輪115の間にできる中空に浮いた状態(以降、流体潤滑状態と称す)となる。この場合、内輪114と外輪115は常時非導通、時々導通する。
図14は、特許文献1の従来のモールドモータのベアリングが流体潤滑状態となる場合において、モールドモータの各部の波形を説明するためのコモンモード等価回路である。図示するように、等価インダクタンスLc、静電結合容量Ccr、Ccs、Crs、Cbr、Cbc、Cbs、Cs、Cb1より構成され、図示する点線で囲んだような閉じた回路117が形成されている。
図15は、特許文献1の従来のモールドモータのベアリングが流体潤滑状態となる場合において、ディスチャージモードのベアリング電流が発生するメカニズムを説明する各部のタイムチャートである。文献2で述べられているように、ベアリングが流体潤滑状態となる場合では、配線基板107に組み込まれたインバータ装置よりで図示するようなコモンモード電圧116がコイル104と大地間に印加されると、コモンモード電圧116の閉じた回路117の応答電圧として、ベアリング111の内輪114と外輪115の間に図示するような内輪−外輪間電圧が発生する。この内輪−外輪間電圧は、閉じた回路117に固有な伝達特性によって、コモンモード電圧の立ち上がりエッジにおいて、図示するような減衰振動する波形となる。次に、ベアリング111の内輪―外輪間の電圧、すなわち、ベアリング111の内輪−外輪間の寄生容量(静電結合容量CbrとCb1の並列合成容量)にチャージされる電圧が、あるしきい値を超えると、外輪115、転動体142、内輪114の間の潤滑油113の油膜が絶縁破壊をおこし、静電結合容量Cbrに蓄積された内輪−外輪間電圧が放電し、図示するような、ディスチャージモードのベアリング電流が発生する。このディスチャージモートのベアリング電流は、ベアリングの内輪、転動体、および、外輪間の空隙部に発生する放電現象として発生し、ベアリングの放電破壊によるベアリング損傷の直接的な原因となるベアリング電流であり、100Wクラスのモールドモータの場合、その最大ピーク電流は、数十mA〜数百mA程度であり、文献2で記載されているようにベアリングに与える損傷ストレスは大きい。
図16は、特許文献1の従来のモールドモータが低速で回転しているときのベアリングの状態を示す側面図である。この場合、内輪114は、転動体142を介して外輪115と常に接触した状態(以降、境界潤滑状態と称す)となり、内輪114と外輪115は接触しており常に電気的に導通する。
図17は、特許文献1の従来のモールドモータのベアリングが境界潤滑状態となる場合において、モールドモータの各部の波形を説明するためのコモンモード等価回路である。図14で説明したベアリングが流体潤滑状態となる場合のコモンモード等価回路と異なるのは、ベアリング111が常に導通しており、ベアリング111の電気的表現であるスイッチが閉じた状態となっているところである。図示するように、等価インダクタンスLc、静電結合容量Csr、Ccs、Crs、Cbr、Cbc、Cbs、Cs、Cb1で構成され、図示する点線で囲んだような閉じた回路118が形成されている。
図18は特許文献1の従来のモールドモータのベアリングが境界潤滑状態となる場合において、コンダクティブモードのベアリング電流が発生するメカニズムを説明する各部のタイムチャートである。特許文献2に述べられているように、ベアリングが境界潤滑状態の場合、配線基板107に組み込まれたインバータ装置より図18で図示するようなコモンモード電圧116がコイル104と大地間に印加されると、コモンモード電圧116の閉じた回路118の応答電流として、ベアリング111に図示するようなコンダクティブモードのベアリング電流が発生する。このベアリング電流は、閉じた回路118に固有な伝達特性によって、コモンモード電圧の立ち上がりエッジにおいて、図示するように振動する。ここで、内輪―外輪間電圧は、ベアリング111の内輪114と外輪115が導通しているので0Vを維持する。コンダクティブモートのベアリング電流は、100Wクラスのモールドモータの場合、その振幅は、数十mA程度であり、ベアリングが導通している時にベアリングを通過する電流なので、ベアリングに与える損傷ストレスはディスチャージモードのベアリング電流ほど大きいものでないが、インバータ装置よりコモンモード電圧が発生する都度、必ず発生し、その発生頻度が多く、ベアリングに与える損傷ストレスを無視できない。
以上で説明したように、ベアリング電流による電食対策機能を備えていない特許文献1のモールドモータでは、ベアリングが流体潤滑状態のときに発生するベアリングに与える損傷ストレスの大きいディスチャージモードのベアリング電流と、ベアリングが境界潤滑状態のときに発生する発生頻度が多くベアリングに与える損傷ストレスを無視できないコンダクティブモードのベアリング電流が発生し、これらのベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流が発生するので、経年変化により、ベアリングの電食が発生していた。
また、この種のこの種の電食防止機能が付いたモールドモータは、モータフレームの出力側のみに金属製のブラケットが設けられたモールドモータの場合、ブラケットと固定子鉄心を導体で接続することによって、ブラケットと固定子鉄心を短絡して電食の発生を防止したものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
図19は、特許文献3の従来のモールドモータの構造断面図である。以下、その電食防止機能について図を参照しながら説明する。なお、図19のモールドモータの説明では、図1で説明した従来のモールドモータ101と共通する部分の構成の説明は省略し、従来のモールドモータ101と異なる部分の構成の説明をする。
図示すように、モールドモータ119はブラシレスDCモータであって、固定子鉄心102にはシンシュレータ120が固定されている。固定子鉄心102の外周部に接触または溶接した鉄心接続端子121は、インシュレータ120に溶接する等してインシュレータ120に接続されている。固定子鉄心102と鉄心接続端子121の溶接はコイル104を固定子鉄心102に巻装する前でも問題はない。さらに、モータフレーム106の少なくとも1箇所にブラケット接続端子122を支持できる溝を設けて、位置決めされたインシュレータ120にブラケット接続端子122を接続し、はんだ又は溶接することで、固定子鉄心102とブラケット108が導通可能となる。ブラケット接続端子122は、モータフレーム106のモールド完成端面より突き出た構成とし、ブラケット108を圧入すると同時にブラケット接続端子122を変形させてブラケット108に固定される構造となっており、その結果、固定子鉄心102は、鉄心接続端子121、インシュレータ120、および、ブラケット接続端子122を介してブラケット108に短絡接続される。
上記構成のモールドモータ119では、鉄心接続端子121、インシュレータ120、および、ブラケット接続端子122を介してブラッケト108と固定子鉄心102を短絡して同電位とすることによって、2つのベアリング111、112にかかる電圧を低減させて電食の発生を抑制させることができると特許文献には記載されている。
図19で図示するように、コイル104は強磁性体である固定子鉄心102に巻回されているので、コイル104には比較的大きな等価インダクタンスLcが存在している。一般的に、モールドモータではコイルエンド105は、回転子109と接近した位置に配置されるので、コイル104と回転子109の間には静電結合容量Ccrが存在する。コイル104は、絶縁層103をはさんで固定子鉄心102と接近した位置に配置されているので、コイル104の巻き取り方向に沿って、コイル104と固定子鉄心102の間にも比較的大きな静電結合容量CCsが存在する。モールドモータ119はブラシレスDCモータなので、一般的に、固定子鉄心102と回転子109の間の空隙間隔は、例えば、0.35〜0.5mmの範囲内に収まるように狭く設計されるので、固定子鉄心102と回転子109の間にも比較的大きなエアーギャップ容量Crsが存在する。さらに、コイル104とブラケット108間には静電結合容量Cbc、回転子109とブラケット108間には静電結合容量Cbr、ブラケット108と固定子鉄心102間には静電結合容量Cbs、ベアリング111の内輪−外輪間には、転動体をはさんで内輪−外輪間の静電結合容量Cb1が存在している。
図20は、特許文献3の従来のモールドモータのベアリングが流体潤滑状態となる場合のモールドモータのコモンモード等価回路である。図示するように、等価インダクタンスLc、静電結合容量Ccr、Ccs、Crs、Cbr、Cbc、Cs、Cb1より構成され、図示する点線で囲んだような閉じた回路123が形成される。
図示するように、ベアリングが流体潤滑状態となる場合、配線基板107に組み込まれたインバータ装置より、図15で図示したのと同じようなコモンモード電圧116がコイル104と大地間に印加されると、コモンモード電圧116に対する閉じた回路123の応答電圧として、ベアリング111の内輪と外輪の間に図15で図示したのと同じような内輪−外輪間電圧が発生する。この内輪−外輪間電圧は、閉じた回路123に固有な伝達特性によって、コモンモード電圧の立ち上がりエッジにおいて、図15で図示したのと同じような減衰振動する波形となる。次に、ベアリング111の内輪―外輪間の電圧、すなわち、ベアリング111の内輪−外輪間の寄生容量(静電容量CbrとCb1の並列合成容量)にチャージされる電圧が、あるしきい値を超えると、図15で図示したのと同じように、外輪、転動体、内輪の間の潤滑油の油膜が絶縁破壊をおこし、ベアリングの内輪、転動体、および、外輪間の空隙部に放電現象が発生し、このときの放電破壊によるベアリング損傷の直接的な原因となるベアリングに与える損傷ストレスの大きいディスチャージモードのベアリング電流が発生する。
図21は、特許文献3の従来のモールドモータのベアリングが境界潤滑状態となる場合のモールドモータのコモンモード等価回路である。ベアリングが境界潤滑状態となる場合においても、流体潤滑状態の場合と同様に、等価インダクタンスLc、静電結合容量Ccr、Ccs、Crs、Cbr、Cbc、Cs、Cb1より構成され、図示する点線で囲んだような閉じた回路124が形成される。
図20と図21の相違点は、ベアリングが流体潤滑状態となる図20ではベアリング111は電気的に開放状態であり、ベアリングが境界潤滑状態となる図21ではベアリング111は電気的に導通状態であると言う点だけである。
図示するように、ベアリングが境界潤滑状態となる場合、図18で図示したのと同じようなコモンモード電圧116がコイル104と大地間に印加されると、コモンモード電圧116に対する閉じた回路124の応答電流として、ベアリング111に図18で図示したのと同じようなコンダクティブモードのベアリング電流が発生する。このベアリング電流は、閉じた回路124に固有な伝達特性によって、コモンモード電圧の立ち上がりエッジにおいて、図18で図示したのと同じような振動する波形となる。このコンダクティブモートのベアリング電流は、ベアリング111の内輪と外輪が導通している時にベアリングを通過する電流なので、ベアリングに与える損傷ストレスはディスチャージモードのベアリング電流ほど大きいものでないが、インバータ装置よりコモンモード電圧が発生する都度、必ず発生し、その発生頻度は多いので、ベアリングに与える損傷ストレスを無視できない。
以上で説明したように、固定子鉄心とブラケットを短絡するという構成の特許文献3のモールドモータでは、ベアリング電流を抑制することができるという可能性はあるが、ベアリングが流体潤滑状態のときに、ベアリングに与える損傷ストレスの大きいディスチャージモードのベアリング電流が発生し、さらに、ベアリングが境界潤滑状態のときに、発生頻度が多く、ベアリングに与える損傷ストレスを無視できないコンダクティブモードのベアリング電流が発生するので、ベアリングに損傷ストレスを与えるこれらのベアリング電流を完全に消滅できないので、経年変化によるベアリングの電食を完全に防止できなかった。
次に、別の電食対策が施された従来のモールドモータについて説明する。従来、この種の電食防止機能が付いたモールドモータは、出力側のブラケットと反出力側のブラケットの両方に金属製のブラケットが設けられたモールドモータの場合、モータフレームの内周面に塗布された導電塗料によって、出力側のブラケットと反出力側のブラケットを短絡して電食の発生を防止したものが知られている(例えば、特許文献4参照)。
図22は、特許文献4の従来のモールドモータの各部間の静電結合容量の分布状況を示すモデル図である。図示すように、モールドモータ125はブラシレスDCモータであって、鋼板を積層した固定子鉄心126に絶縁層127を形成し、この絶縁層127を介して固定子鉄心126にコイル128が巻回されている。コイル128の固定子鉄心126からはみ出したコイルエンド129の付近であって、モールドモータ125の出力側にはドーナツ状の配線基板130が設けられている。このモールドモータ125はブラシレスDCモータなので、この配線基板130には、PWM制御によりブラシレスDCモータを駆動するインバータ装置が組み込まれている。さらに、固定子鉄心126、絶縁層127、コイル128、および、コイルエンド129を、固定子鉄心126の端面の露出部が形成されるように、モールド樹脂によって一体成形して略円筒状のモータフレーム131が形成されている。モータフレーム131の出力側、および、反出力側の端面には金属製のブラケット132、ブラケット133がそれぞれモータフレーム131と一体に埋設されている。
次に、ブラケット132およびブラケット133を嵌合する部分を含むモータフレーム131の内周面に導電塗料を塗布して導電層134を形成する。前述したように、モータフレーム131には、固定子鉄心126の端面の露出部が形成されているので、導電塗料をモータフレーム131の内周面に塗布すると、導電塗料と固定子鉄心は電気的に導通する。ここで、一般的に、モータフレームの内周面と回転子間のギャップ間隔は、例えば、0.35〜0.5mmの範囲内に収まるように設計する必要があるため、例えば、厚さ0.05mm以下の導電層が形成されるように、モータフレームの内周面に均一な厚さで導電塗料を塗布する必要があることから、導電塗料塗布にはエアーブラシを使うことが効果的であり、エアーブラシを使って導電塗料を塗装する場合、外周面にマスク処理を施したモータフレーム131の表面全体を、エアーブラシを使って導電塗料で塗布した後、外周面に貼り付けたマスクを取りはずす等の工程が必要となる。
さらに、モータフレーム131の内周面には回転子135が収納される。回転子135には金属製の回転軸136が取付けられており、回転軸136の両端はベアリング137〜ベアリング138を介してブラケット132〜ブラケット133が、それぞれ、回転自在に取付けられている。このブラケット132はモータフレーム131の出力側端面に、ブラケット133はモータフレーム131の反出力側端面に嵌合されている。
上記構成のモールドモータであると、ベアリング137が取付けられているブラッケット132と、ベアリング138が取付けられている金属製のブラケット133とは導電層134を介して電気的に短絡されることになる。そのため、2個のブラケット132、133の電位が同電位となり、循環電流が発生することがなく、ベアリング137〜ベアリング138においてベアリング電流が発生しないので、電食を防止することができると特許文献4には記載されている。
次に、特許文献3の電食対策が施されたモールドモータ125でもベアリング電流が発生するメカニズムについて説明する。図22に図示するように、コイル128は強磁性体である固定子鉄心126に巻回されているので、比較的大きな等価インダクタンスLcが存在する。回転子135と固定子鉄心126は、空隙間隔が、例えば、0.35〜0.5mmの範囲内に収まるように近い位置に配置されるので、回転子135と固定子鉄心126の間には比較的大きなエアーギャップ容量Crsが存在する。コイル128は厚みの小さな絶縁層127を隔てて固定子鉄心126に巻回されているので、コイルの巻き取り方向に沿ってコイル128と固定子鉄心126間に比較的大きな静電結合容量Ccsが存在する。コイルエンド129と回転軸136の間には、図示するようにコイルエンド129と回転軸136の間の静電結合容量Ccrが存在する。特に、ここでは図示していないが、回転軸136に金属製のファンのような導体でできた回転体が取り付けられた場合は、該金属製ファンと回転軸136間の静電結合容量が静電結合容量Crsに並列に追加接続されることになるので、この静電結合容量Ccrは、無視できない大きさの静電結合容量となる。さらに、ブラケット132と大地の間にも静電結合容量Csが存在している。ベアリング137の内輪−外輪間には、転動体をはさんで内輪−外輪間の静電結合容量Cb1が存在している。ベアリング138の内輪−外輪間には、転動体をはさんで内輪−外輪間の静電結合容量Cb2が、存在している。
図23は、特許文献4の従来のモールドモータのベアリングが流体潤滑状態の場合のモールドモータのコモンモード等価回路である。図示するように、等価インダクタンスLc、静電結合容量Ccs、Crs、Cs、Cb1、Cb2より構成される閉じた回路140が形成される。ベアリングが流体潤滑状態となる場合、配線基板130に組み込まれたインバータ装置より図15で図示したのと同じようなコモンモード電圧139がコイル128と大地間に印加されると、コモンモード電圧139の閉じた回路140の応答電圧として、ベアリング132の内輪と外輪の間に図15で図示したのと同じような内輪−外輪間電圧が発生する。この内輪−外輪間電圧は、閉じた回路140に固有な伝達特性によって、コモンモード電圧の立ち上がりエッジにおいて、図15で図示したのと同じような減衰振動する波形となる。次に、ベアリング137の内輪―外輪間の電圧、すなわち、ベアリング137の内輪−外輪間の寄生容量(静電容量Crs、Cb1、および、Cb2の並列合成容量)にチャージされる電圧が、あるしきい値を超えると、図15で図示したのと同じように、外輪、転動体、内輪の間の潤滑油の油膜が絶縁破壊をおこし、ベアリングの内輪、転動体、および、外輪間の空隙部に放電現象が発生し、このときの放電破壊によるベアリング損傷の直接的な原因となるベアリングに与える損傷ストレスの大きいディスチャージモードのベアリング電流が発生する。
図24は、特許文献4の従来のモールドモータのベアリングが境界潤滑状態の場合のモールドモータのコモンモード等価回路である。図23と図24の相違点は、ベアリングが流体潤滑状態となる図23ではベアリング137〜ベアリング138は電気的に開放状態であり、ベアリングが境界潤滑状態となる図24ではベアリング137〜ベアリング138は電気的に導通状態であると言う点だけである。図示するように、等価インダクタンスLc、静電結合容量Ccs、Crs、Cs、Cb1、Cb2より構成される閉じた回路141が形成される。ベアリングが境界潤滑状態となる場合、図18で図示したのと同じようなコモンモード電圧139がコイル128と大地間に印加されると、コモンモード電圧139の閉じた回路141の応答電流として、ベアリング137に図18で図示したのと同じようなコンダクティブモードのベアリング電流が発生する。このベアリング電流は、閉じた回路141に固有な伝達特性によって、コモンモード電圧の立ち上がりエッジにおいて、図18で図示したのと同じように振動する波形となる。このコンダクティブモートのベアリング電流は、ベアリング137の内輪と外輪が導通している時にベアリングを通過する電流なので、ベアリングに与える損傷ストレスはディスチャージモードのベアリング電流ほど大きいものでないが、インバータ装置よりコモンモード電圧が発生する都度、必ず発生し、その発生頻度が多く、ベアリングに与える損傷ストレスを無視できない。
以上で説明したように、特許文献4のモールドモータ125の場合、モータフレーム内周面に均一な厚さで導電塗料を塗布する必要があることから、導電塗料塗布にはエアーブラシを使う必要があるが、この場合、外周面にマスク処理を施したモータフレーム131の側面全体をエアーブラシを使って導電塗料で塗布した後、外周面に貼り付けたマスクを取りはずす等の工程が必要であり、マスク取り付け処理工程と、マスク取り外し処理工程のための工数とコストをかける必要があった。また、ベアリング電流による電食対策機能として、2つのブラケットをモータフレームの内周面に塗布した導電塗料で短絡して電食対策した特許文献4のモールドモータでも、ベアリングが流体潤滑状態のときに、ベアリングに与える損傷ストレスの大きいディスチャージモードのベアリング電流が発生し、ベアリングが境界潤滑状態のときに、発生頻度が多く、ベアリングに与える損傷ストレスを無視できないコンダクティブモードのベアリング電流が発生するため、ベアリングに損傷ストレスを与えるこれらのベアリング電流を完全に消滅できないので、経年変化によるベアリングの電食を完全に防止することができなかった。
特開2004−242413号公報 特開2000−270507号公報(第2頁〜第6頁) 特開2007−159302号公報(第11頁、第1図、第2図) 特開2007−89338号公報(第6頁、第1図)
以上で説明したように、ベアリング電流による電食対策機能を備えていない従来のモールドモータでは、ベアリングが流体潤滑状態のときに発生するベアリングに与える損傷ストレスの大きいディスチャージモードのベアリング電流と、ベアリングが境界潤滑状態のときに発生する発生頻度が多く、ベアリングに与える損傷ストレスを無視できないコンダクティブモードのベアリング電流が発生し、これらのベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完全に解消することができないため、ベアリング電流による損傷ストレスを与えつづけたベアリングに、いつかは電食が発生してしまうという課題があり、これらのベアリング電流を完全に消滅させて、完全に電食を防止することができる電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することが要求されている。
また、ベアリング電流による電食対策機能として、固定子鉄心とブラケットを短絡した従来のモールドモータでも、ベアリングが流体潤滑状態のときに発生するベアリングに与える損傷ストレスの大きいディスチャージモードのベアリング電流と、ベアリングが境界潤滑状態のときに発生する発生頻度が多く、ベアリングに与える損傷ストレスを無視できないコンダクティブモードのベアリング電流が発生し、これらのベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完全に解消することができないため、ベアリング電流による損傷ストレスを与えつづけたベアリングに、いつかは電食が発生してしまうという課題があり、これらのベアリング電流を完全に消滅させて、完全に電食を防止することができる電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することが要求されている。
また、ベアリング電流による電食対策機能として、2つのブラケットをモータフレームの内周面に塗布した導電塗料で短絡して電食対策した従来のモールドモータでも、ベアリングが流体潤滑状態のときに発生するベアリングに与える損傷ストレスの大きいディスチャージモードのベアリング電流と、ベアリングが境界潤滑状態のときに発生する発生頻度が多く、ベアリングに与える損傷ストレスを無視できないコンダクティブモードのベアリング電流が発生し、これらのベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完全に解消することができないため、ベアリング電流による損傷ストレスを与えつづけたベアリングに、いつかは電食が発生してしまうという課題があり、これらのベアリング電流を完全に消滅させて、完全に電食を防止することができる電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することが要求されている。
また、ベアリング電流による電食対策機能として、2つのブラケットをモータフレームの内周面に塗布した導電塗料で短絡して電食対策した従来のモールドモータでは、回転子とモータフレーム間の空隙間隔を0.35〜0.5mmの範囲内に収まるように設計しなければならないため、モータフレーム内周面に一定の厚み以下の導電層が均一な厚さで形成されるように導電塗料を塗布する必要があることから、導電塗料の塗布にはエアーブラシを使う方法が効果的であるが、モータフレームをエアーブラシを使って導電塗料を塗布する場合、外周面にマスク処理を施したモータフレームの側面全体をエアーブラシを使って導電塗料で塗布した後、外周面に貼り付けたマスクを取りはずす等の工程が必要であり、マスク取り付け処理工程と、マスク取り外し処理工程のために工数とコストをかけなければならない課題があり、これらのマスク処理にかける工数とコストを解消できる電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することが要求されている。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、ベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完璧に解消させてベアリングの電食を完全に防止することができ、また、エアーブラシを使って導電塗料で導電層を形成する場合に施す必要のあったマスク処理工程にかかる工数とコストを解消して工数が少なく安価な電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することを目的としている。
本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、樹脂にて絶縁された固定子鉄心にコイルを巻回した固定子をモールド樹脂にてモールド一体成形してモータフレームを設け、回転子を回転自在に保持するために回転子の回転軸の両端に取り付けられた2個のベアリングのうち、一方のベアリングをモータフレームに嵌合させた金属製のブラケットで保持し、他方のベアリングを前記モータフレームの内部に保持するようにしたインナーロータ型のモールドモータにおいて、前記モータフレームは回転子と対向するモータフレームの内周側表面に固定子鉄心端面の露出部が形成されるように前記固定子を覆う樹脂部を有し、前記モータフレームは、前記固定子鉄心端面の露出部に導通するように前記モータフレームの内周側表面の全面に形成した第1の導電層と、前記モータフレームの外周側表面の全面に形成した第2の導電層とを有し、前記固定子を前記第1の導電層と前記第2の導電層で囲って完全密閉状態にして前記コイルと前記回転子間を静電遮蔽したことを特徴とするモールドモータとしたものである。
この手段により、ベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完璧に解消させてベアリングの電食を完全に防止することができ、また、エアーブラシを使って導電塗料で導電層を形成する場合に施す必要のあったマスク処理工程にかかる工数とコストを解消して工数が少なく安価な電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することができる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、樹脂にて絶縁された固定子鉄心にコイルを巻回した固定子をモールド樹脂にてモールド一体成形してモータフレームを設け、回転子を回転自在に保持するために回転子の回転軸の両端に取り付けられた2個のベアリングを、それぞれ、モータフレームの出力側および反出力側の開口部に嵌合させた2個のブラケットで保持するようにしたインナーロータ型のモールドモータにおいて、前記モータフレームは回転子と対向するモータフレームの内周側表面に固定子鉄心端面の露出部が形成されるように前記固定子を覆う樹脂部を有し、前記モータフレームは、前記固定子鉄心端面の露出部と導通するように前記モータフレームの内周側表面の全面に形成した第1の導電層と、前記モータフレームの外周側表面の全面に形成した第2の導電層を有し、前記固定子を前記第1の導電層と前記第2の導電層で囲って完全密閉状態にして前記コイルと前記回転子間を静電遮蔽したことを特徴とするモールドモータとしたものである。
これにより、ベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完璧に解消させてベアリングの電食を完全に防止することができ、また、エアーブラシを使って導電塗料で導電層を形成する場合に施す必要のあったマスク処理工程にかかる工数とコストを解消して工数が少なく安価な電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することができる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、第1の導電層は、固定子鉄心端面の露出部に導通するようにモータフレームの内周側表面の全面を導電塗料で塗布して形成した導電層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のモールドモータとしたものである。
これにより、ベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完璧に解消させてベアリングの電食を完全に防止することができ、また、エアーブラシを使って導電塗料で導電層を形成する場合に施す必要のあったマスク処理工程にかかる工数とコストを解消して工数が少なく安価な電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することができる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、第2の導電層は、モータフレームの外周側表面の全面を導電塗料で塗布して形成した導電層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のモールドモータとしたものである。
これにより、ベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完璧に解消させてベアリングの電食を完全に防止することができ、また、エアーブラシを使って導電塗料で導電層を形成する場合に施す必要のあったマスク処理工程にかかる工数とコストを解消して工数が少なく安価な電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することができる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、第1の導電層は、固定子鉄心端面の露出部に導通するようにモータフレームの内周側表面の全面を透明導電塗料で塗布して形成した導電層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のモールドモータとしたものである。
これにより、ベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完璧に解消させてベアリングの電食を完全に防止することができ、また、エアーブラシを使って導電塗料で導電層を形成する場合に施す必要のあったマスク処理工程にかかる工数とコストを解消して工数が少なく安価な電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することができる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、第2の導電層は、モータフレームの外周面表面の全面を透明導電塗料で塗布して形成した導電層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のモールドモータとしたものである。
これにより、ベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完璧に解消させてベアリングの電食を完全に防止することができ、また、エアーブラシを使って導電塗料で導電層を形成する場合に施す必要のあったマスク処理工程にかかる工数とコストを解消して工数が少なく安価な電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することができる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、第1の導電層は、固定子鉄心端面の露出部に導通するようにモータフレームの内周側表面の全面を金属箔で覆うようにして形成した導電層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のモールドモータとしたものである。
これにより、ベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完璧に解消させてベアリングの電食を完全に防止することができ、また、エアーブラシを使って導電塗料で導電層を形成する場合に施す必要のあったマスク処理工程にかかる工数とコストを解消して工数が少なく安価な電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することができる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、第2の導電層は、モータフレームの外周面表面の全面を金属箔で覆うようにして形成した導電層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のモールドモータとしたものである。
これにより、ベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完璧に解消させてベアリングの電食を完全に防止することができ、また、エアーブラシを使って導電塗料で導電層を形成する場合に施す必要のあったマスク処理工程にかかる工数とコストを解消して工数が少なく安価な電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することができる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、第1の導電層は、固定子鉄心端面の露出部に導通するようにモータフレームの内周側表面の全面を金属立体で覆うようにして形成した導電層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のモールドモータとしたものである。
これにより、ベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完璧に解消させてベアリングの電食を完全に防止することができ、また、エアーブラシを使って導電塗料で導電層を形成する場合に施す必要のあったマスク処理工程にかかる工数とコストを解消して工数が少なく安価な電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することができる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、第2の導電層は、モータフレームの外周側表面の全面を金属立体で覆うようにして形成した導電層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のモールドモータとしたものである。
これにより、ベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完璧に解消させてベアリングの電食を完全に防止することができ、また、エアーブラシを使って導電塗料で導電層を形成する場合に施す必要のあったマスク処理工程にかかる工数とコストを解消して工数が少なく安価な電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することができる。
本発明によればベアリングに損傷ストレスを与えるベアリング電流を完璧に解消することができ、ベアリングの電食を完全に防止することができる電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することができる。
また、エアーブラシを使って導電塗料で導電層を形成する場合に施す必要のあったマスク処理工程にかかる工数とコストを解消して工数が少なく安価な電食対策機能を備えた構造のモールドモータを提供することができる。
本発明の請求項1記載の発明は、固定子鉄心端面の露出部を含むモータフレームの内周面全体に第1の導電層を形成し、モータフレームの外周面全体に第2の導電層を形成することにより、コイルと固定子鉄心を第1の導電層および第2の導電層で囲って完全密閉状態として、コイルと回転子を静電遮蔽したものであり、これらの構成により、コイルと回転子間の静電結合容量およびコイルとブラケット間の静電結合容量を消滅させ、回転子とブラケット間の静電結合容量を回転子と固定子鉄心間の静電結合容量に並列接続させるという構成のコモンモード等価回路が形成されるので、従来のモールドモータのように、ベアリングが流体潤滑状態となる場合に、コイルと大地間に印加された電圧を、ベアリングの内輪―外輪間の寄生容量に発生する電圧として伝達する従来のモールドモータに存在していた閉じた回路が形成されなくなり、ベアリングが流体潤滑状態となる場合に、インバータ装置より供給されるコモンモード電圧に対する応答電圧として、ベアリングの内輪―外輪間の寄生容量に電圧が発生しなくなるので、内輪―外輪間に並列に接続される寄生容量に蓄積される内輪−外輪間電圧の放電現象として発生していたディスチャージモードのベアリング電流を完璧に消滅させることができるという作用を有する。
また、本発明の請求項1記載の発明は、固定子鉄心端面の露出部を含むモータフレームの内周面全体に第1の導電層を形成し、モータフレームの外周面全体に第2の導電層を形成することにより、コイルと固定子鉄心を第1の導電層および第2の導電層で囲って完全密閉状態として、コイルと回転子を静電遮蔽したものであり、これらの構成により、コイルと回転子間の静電結合容量およびコイルとブラケット間の静電結合容量を零にし、回転子とブラケット間の静電結合容量を回転子と固定子鉄心間の静電結合容量に並列接続させるコモンモード等価回路が形成されるので、従来のモールドモータのように、ベアリングが境界潤滑状態となる場合に、コイルと大地間に印加された電圧を、ベアリングの内輪―外輪間を流れる電流として伝達する従来のモールドモータに存在していた閉じた回路が形成されなくなり、ベアリングが境界潤滑状態となる場合に、インバータ装置より供給されるコモンモード電圧に対する応答電流として、ベアリングの内輪―外輪間を流れるコンダクティブモードのベアリング電流を完璧に消滅させることができるという作用を有する。
また、本発明の請求項1記載の発明は、固定子鉄心端面の露出部を含むモータフレームの内周面全体に第1の導電層を形成し、モータフレームの外周面全体に第2の導電層を形成することにより、コイルと固定子鉄心を第1の導電層および第2の導電層で囲って完全密閉状態として、コイルと回転子を静電遮蔽したものであり、これらの構成により、上記で述べたようなベアリングに与える損傷ストレスの大きいディスチャージモードのベアリング電流、および、損傷ストレスはディスチャージモードのベアリング電流ほど大きくないが発生頻度が多く、、ベアリングに与える損傷ストレスを無視できないコンダクティブモードのベアリング電流の両者を完璧に消滅することができ、これらのベアリング電流によるベアリングの電食を完璧に解消することができるという作用を有する。
また、本発明の請求項1記載の発明は、固定子鉄心端面の露出部を含むモータフレームの内周面全体に第1の導電層を形成し、モータフレームの外周面全体に第2の導電層を形成することにより、モータフレームの表面全体に導電層を設けたものであり、これらの構成により、エアーブラシを使って、モータフレームの側面全体に導電塗料を塗布して導電層を形成する場合、エアーブラシを使ってモータフレームの側面全体に導電塗料を塗布するだけで、従来のモールドモータで必要であったモータフレームの外周面のマスク処理にかける工数を解消することができるという作用を有する。
また、本発明の請求項2記載の発明は、固定子鉄心端面の露出部を含むモータフレームの内周面全体に第1の導電層を形成し、モータフレームの外周面全体に第2の導電層を形成することにより、コイルと固定子鉄心を第1の導電層および第2の導電層で囲って完全密閉状態として、コイルと回転子を静電遮蔽したものであり、これらの構成により、コイルと回転子間の静電結合容量およびコイルとブラケット間の静電結合容量を消滅させ、回転子とブラケット間の静電結合容量を回転子と固定子鉄心間の静電結合容量に並列接続させるという構成のコモンモード等価回路が形成されるので、従来のモールドモータのように、ベアリングが流体潤滑状態となる場合に、コイルと大地間に印加された電圧を、ベアリングの内輪―外輪間の寄生容量に発生する電圧として伝達する従来のモールドモータに存在していた閉じた回路が形成されなくなり、ベアリングが流体潤滑状態となる場合に、インバータ装置より供給されるコモンモード電圧に対する応答電圧として、ベアリングの内輪―外輪間の寄生容量に電圧が発生しなくなるので、内輪―外輪間に並列に接続される寄生容量に蓄積される内輪−外輪間電圧の放電現象として発生するディスチャージモードのベアリング電流を完璧に消滅させることができるという作用を有する。
また、本発明の請求項2記載の発明は、固定子鉄心端面の露出部を含むモータフレームの内周面全体に第1の導電層を形成し、モータフレームの外周面全体に第2の導電層を形成することにより、コイルと固定子鉄心を第1の導電層および第2の導電層で囲って完全密閉状態として、コイルと回転子を完全に静電遮蔽したものであり、これらの構成により、コイルと回転子間の静電結合容量およびコイルとブラケット間の静電結合容量を消滅させ、回転子とブラケット間の静電結合容量を回転子と固定子鉄心間の静電結合容量に並列接続させるという構成のコモンモード等価回路が形成されるので、従来のモールドモータのように、ベアリングが境界潤滑状態となる場合に、コイルと大地間に印加された電圧を、ベアリングの内輪―外輪間を流れる電流として伝達する従来のモールドモータに存在していた閉じた回路が形成されなくなり、ベアリングが境界潤滑状態となる場合に、インバータ装置より供給されるコモンモード電圧に対する応答電圧として、ベアリングの内輪―外輪間を流れるコンダクティブモードのベアリング電流を完璧に消滅させることができるという作用を有する。
また、本発明の請求項2記載の発明は、固定子鉄心端面の露出部を含むモータフレームの内周面全体に第1の導電層を形成し、モータフレームの外周面全体に第2の導電層を形成することにより、コイルと固定子鉄心を第1の導電層および第2の導電層で囲って完全密閉状態として、コイルと回転子を静電遮蔽したものであり、これらの構成により、上記で述べたようなベアリングに与える損傷ストレスの大きいディスチャージモードのベアリング電流、および、損傷ストレスはディスチャージモードのベアリング電流ほど大きくないが発生頻度が多く、ベアリングに与える損傷ストレスを無視できないコンダクティブモードのベアリング電流の両者を完璧に消滅することができ、これらのベアリング電流によるベアリングの電食を完璧に解消することができるという作用を有する。
また、本発明の請求項2記載の発明は、固定子鉄心端面の露出部を含むモータフレームの内周面全体に第1の導電層を形成し、モータフレームの外周面全体に第2の導電層を形成することにより、モータフレームの表面全体に導電層を設けたものであり、これらの構成により、エアーブラシを使って、モータフレームの側面全体に導電塗料を塗布して導電層を形成する場合、エアーブラシを使ってモータフレームの側面全体に導電塗料を塗布するだけで、従来のモールドモータで必要であったモータフレームの外周面のマスク処理にかける工数を解消することができるという作用を有する。
また、本発明の請求項3記載の発明は、第1の導電層は、モータフレームの内周面全体を導電塗料で塗布して形成した導電層としたものであり、請求項1または請求項2に記載したモータフレームの内周面全体に、容易な工程で迅速に導電層を形成できるという作用を有する。
また、本発明の請求項4記載の発明は、第2の導電層は、モータフレームの内周面全体を導電塗料で塗布して形成した導電層としたものであり、請求項1または請求項2に記載したモータフレームの内周面全体に、容易な工程で迅速に導電層を形成できるという作用を有する。
また、本発明の請求項5の発明は、第1の導電層は、モータフレームの内周面全体を透明導電塗料で塗布して形成した導電層としたものであり、請求項1または請求項2に記載したモータフレームの内周面全体に、容易な工程で迅速に導電層を形成できるだけでなく、導電塗料の外観上の違和感がなくなるという作用を有する。
また、本発明の請求項6の発明は、第2の導電層は、モータフレームの外周面全体を透明導電塗料で塗布して形成した導電層としたものであり、請求項1または請求項2に記載したモータフレームの外周面全体に、容易な工程で迅速に導電層を形成できるだけでなく、導電塗料の外観上の違和感がなくなるという作用を有する。
また、本発明の請求項7の発明は、第1の導電層は、モータフレームの内周面全体を金属箔で覆うようにして形成した導電層としたものであり、請求項1または請求項2に記載したモータフレームの内周面全体に、均一な厚さの導電層を確実に形成することができるという作用を有する。
また、本発明の請求項8の発明は、第2の導電層は、モータフレームの外周面全体を金属箔で覆うようにして形成した導電層としたものであり、請求項1または請求項2に記載したモータフレームの内周面全体に、均一な厚さの導電層を確実に形成することができるという作用を有する。
また、本発明の請求項9の発明は、第1の導電層は、モータフレームの内周面全体を金属立体で覆うようにして形成した導電層としたものであり、請求項1または請求項2に記載したモータフレームの内周面全体に、均一な厚さの導電層を迅速に形成することができるという作用を有する。
また、本発明の請求項10の発明は、第2の導電層は、モータフレームの内周面全体を金属立体で覆うようにして形成した導電層としたものであり、請求項1または請求項2に記載したモータフレームの内周面全体に、均一な厚さの導電層を迅速に形成することができるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1のモールドモータの構造を説明するための構造断面図である。図示するように、モールドモータ1はブラシレスDCモータであって、鋼板を積層した固定子鉄心2に絶縁層3を形成し、この絶縁層3を介して固定子鉄心2にコイル4が巻回されている。この固定子鉄心2、絶縁層3、コイル4、およびコイル4の一部分であって、コイル4が固定子鉄心2からはみ出したコイルエンド部5から形成される固定子6を、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などのモールド樹脂7によって覆い、略円筒状のモータフレーム8が形成されている。ここで、モータフレーム8の内側には空隙を介して回転子9が挿入されており、回転子9と対向するモータフレーム8の内周側表面10に固定子鉄心端面11の露出部12が形成されるように固定子6をモールド樹脂7で覆ってモータフレーム8が形成されている。モータフレーム8の開口部出力側には、ドーナツ状の配線基板13が図示するように取り付けられている。
このモールドモータ1はブラシレスDCモータなので、この配線基板13には、PWM制御によりモールドモータ1を駆動するインバータ装置が組み込まれている。モータフレーム8の出力側の端面には金属製のブラケット14がモータフレーム8に埋設されている。回転子9の中心に取り付けられた回転軸15の両側には2つのベアリング16、17が取り付けられている。2つのベアリング16、およびベアリング17は、図示するように、ブラケット14とモータフレーム8のモールド樹脂7にそれぞれ保持されている。回転子9は、回転軸15が2つのベアリング16およびベアリング17に支承され回転することが可能である。モータフレーム8の内周側表面10の全面には、固定子鉄心端面11に形成された露出部12と導通するように、例えば銀塗料のような導電塗料で塗布された第1の導電層18が、形成されている。さらに、モータフレーム8の外周側表面19の全面にも、銀塗料のような導電塗料で塗布された第2の導電層20が形成されている。第1の導電層18と第2の導電層20により、モータフレーム8の表面全体に導電塗料が塗布されていることになり、コイル4を巻回した固定子鉄心2は、第1の導電層18と第2の導電層20により完全密閉されるので、コイル4は第1の導電層18と第2の導電層20により回転子9から完全に静電遮蔽されることになる。
図2は、実施の形態1のモールドモータの各部間の静電結合容量の分布状況を示すモデル図である。図2において、コイル4は強磁性体である固定子鉄心2に巻回されているので比較的大きな等価インダクタンスLcが存在している。コイル4は絶縁層3をはさんで固定子鉄心2と接近した位置に配置されているので、コイル4の巻き取り方向に沿って、コイル4と固定子鉄心2の間に比較的大きな静電結合容量Ccsが存在する。モールドモータ1はブラシレスDCモータなので、一般的に、固定子鉄心端面11と回転子9間の空隙間隔は、例えば、0.35〜0.5mmの範囲内に収まるように狭く設計されるので、固定子鉄心2と回転子9の間にも比較的大きなエアーギャップ容量Crsが存在する。ブラケット14と回転子9の間には静電結合容量Cbrが存在している。ベアリング16の内輪−外輪間には、転動体をはさんで内輪−外輪間の静電結合容量Cb1が存在している。さらに、ブラケット14と大地の間には静電結合容量Csが存在している。
コイル4は固定子鉄心端面11に形成された露出部を介して固定子鉄心2と導通する第1の導電層18と第2の導電層20により完全密閉、すなわち漏れなく密閉されるので、コイル4は第1の導電層18と第2の導電層20により回転子9と完全に静電遮蔽され、従来のモールドモータ101に存在していたコイル104と回転子109間の静電結合容量Ccrは、実施の形態1のモールドモータ1には存在しなくなる。さらに、従来のモールドモータ101に存在していたブラケット14とコイル4間のような静電結合容量Ccbは、ブラケットが固定子鉄心2と導通してしまうため、コイル4と固定子鉄心2間の静電結合容量Ccsに並列接続される回路構成となり、静電結合容量Ccsの一部となる。
図3は、実施の形態1のモールドモータのベアリングが流体潤滑状態となる場合において、モールドモータの各部の波形を説明するためのコモンモード等価回路である。図示するように、図2で説明した等価インダクタンスLc、静電結合容量Ccs、Crs、Cbr、Cs、Cb1より構成されるコモンモード等価回路21が形成される。従来のモールドモータ101のコモンモード等価回路と比較した場合の大きな相違点は、従来のモールドモータに存在していたコイル4と回転子9間の静電結合容量Ccrが、コイル4が第1の導電層と第2の導電層により完全密閉された構成で回転子9と静電遮蔽されるので、静電結合容量Ccrは零となる点である。
さらに、ブラケット14とコイル4間の静電結合容量Cbcは、ブラケット14が固定子鉄心2と導通してしまうため、コイル4と固定子鉄心2間の静電容量Ccsの一部となり、従来のブラケット14とコイル4間のみの静電結合容量はここでは存在しない。さらに、ブラケット14と固定子鉄心2間の静電結合容量Cbrは、回転子9と固定子鉄心2間の静電結合容量Crsに並列に接続される回路構成となる。ベアリング16の内輪−外輪間には、静電結合容量Crs、Cbr、および、Cb1を並列接続した寄生容量が存在する。
図3に図示するコモンモード等価回路21から明らかなように、配線基板13のインバータ装置から供給されるコモンモード電圧22がコイル4に印加されても、本実施の形態1のモールドモータ1では、静電結合容量Ccrが消滅するので、従来のモールドモータ101、119、またはモールドモータ125に形成されたような閉じた回路117、123、または閉じた回路140は形成されなくなり、コモンモード電圧22に対する応答電圧として、従来のモールドモータ101、119、またはモールドモータ125に発生していたような流体潤滑状態のベアリング16の内輪−外輪間に存在している寄生容量(すなわち、Crs、Cbr、および、Cb1を並列接続した静電容量)に伝達される電圧は発生しない。
図4は、実施の形態1のモールドモータのベアリングが流体潤滑状態となる場合において、ディスチャージモードのベアリング電流が発生しないことを説明する各部のタイムチャートである。図3で説明したコモンモード等価回路21の構成から明らかなように、配線基板13に組み込まれたインバータ装置より、図示するようなコモンモード電圧22がコイル4と大地間に印加されても、コモンモード電圧22に対するコモンモード等価回路21の応答電圧として、流体潤滑状態のベアリング16の内輪―外輪間の寄生容量(すなわち、Crs、Cbr、および、Cb1を並列接続した静電容量)に電圧はチャージされないので、図示するように、該寄生容量の放電現象として発生するディスチャージモードのベアリング電流も発生しない。
図5は、実施の形態1のモールドモータのベアリングが境界潤滑状態となる場合において、モールドモータの各部の波形を説明するためのコモンモード等価回路である。図3で説明したベアリングが流体潤滑状態となる場合のコモンモード等価回路と異なるのは、ベアリング16が常に導通しており、ベアリング16の電気的表現であるスイッチが閉じた状態となっているところである。図示するように、図2で説明した等価インダクタンスLc、静電結合容量Ccs、Crs、Cbr、Cs、Cb1より構成されるコモンモード等価回路23が形成される。
図5に図示するコモンモード等価回路23から明らかなように、配線基板13のインバータ装置から供給されるコモンモード電圧22がコイル4に印加されても、本実施の形態1のモールドモータ1では、静電結合容量Ccrが消滅するので、従来のモールドモータ101、119、またはモールドモータ125に形成されたような閉じた回路118、124、または閉じた回路141は形成されなくなり、コモンモード電圧22に対する応答電流として、従来のモールドモータ101、119、またはモールドモータ125に発生していたような境界潤滑状態のベアリング16に伝達されるコンダクティブモードのベアリング電流は発生しない。
図6は実施の形態1のモールドモータのベアリングが境界潤滑状態となる場合において、コンダクティブモードのベアリング電流が発生しないことを説明する各部のタイムチャートである。モールドモータ1が低速で回転し、ベアリング16が境界潤滑状態となる場合、配線基板13に組み込まれたインバータ装置より、図示するようなコモンモード電圧22がコイル4と大地間に印加されても、コモンモード電圧22の応答電流として、境界潤滑状態のベアリング16にコンダクティブモードのベアリング電流は発生しない。
以上で述べたように、実施の形態1のモールドモータでは、ベアリングに与える損傷ストレスの大きいディスチャージモードのベアリング電流、および、損傷ストレスはディスチャージモードのベアリング電流ほど大きくないが発生頻度が多く、ベアリングに与える損傷ストレスを無視できないコンダクティブモードのベアリング電流の両者を完璧に消滅することができ、これらのベアリング電流によるベアリングの電食を完璧に解消することができる。
また、文献4で記載したような従来の2つのブラケットをモータフレームの内周面に塗布した導電塗料で短絡して電食対策した従来のモールドモータでは、モータフレーム内周面のみに均一な厚さで導電塗料を塗布する必要があることから、導電塗料塗布にはエアーブラシを使う必要があるが、外周面にマスク処理を施したモータフレームの側面全体をエアーブラシを使って導電塗料で塗布した後、外周面に貼り付けたマスクを取りはずす等の工程が必要であり、マスク取り付け処理工程と、導電塗料塗布後のマスク取り外し処理工程のために工数とコストをかけなければならない課題があったが、実施の形態1のモールドモータの場合、モータフレームの表面全体に導電塗料を塗布する構成としてあるので、マスク処理にかける工数を解消できる電食対策機能を備えた構造のモールドモータを安価なコストで実現できるという効果を奏することができる。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態1のモールドモータの構造を説明するための構造断面図である。図1において、実施例の形態2と同一の個所については同じ符号を用いることにする。図示するように、モールドモータ24はブラシレスDCモータであって、鋼板を積層した固定子鉄心2に絶縁層3を形成し、この絶縁層3を介して固定子鉄心2にコイル4が巻回されている。固定子6は固定子鉄心2、絶縁層3、コイル4、およびコイル4の一部分であってコイル4が固定子鉄心からはみ出したコイルエンド部5から形成され、その固定子6を、例えば不飽和ポリエステルのようなモールド樹脂7によって覆い、略円筒状のモータフレーム8が形成されている。ここで、モータフレーム8の内側には空隙を介して回転子9が挿入されており、回転子9と対向するモータフレーム8の内周側表面10に固定子鉄心端面11の露出部12が形成されるように固定子6をモールド樹脂7で覆ってモータフレーム8が形成されている。モータフレーム8の開口部出力側には、ドーナツ状の配線基板13が図示するように取り付けられている。このモールドモータ1はブラシレスDCモータなので、この配線基板13には、PWM制御によりモールドモータ24を駆動するインバータ装置が組み込まれている。モータフレーム8の出力側の端面には金属製のブラケット14がモータフレーム8に埋設されており、さらに、モータフレーム8の反出力側の端面には金属製のブラケット25がモータフレーム8に埋設されている。回転子9の中心に取り付けられた回転軸15の両側には2つのベアリング16、17が取り付けられている。2つのベアリング16、およびベアリング17は、図示するように、ブラケット14、ブラケット25にそれぞれ保持されている。回転子9は、回転軸15が2つのベアリング16およびベアリング17に支承され回転することが可能である。
モータフレーム8の内周側表面10の全面には、固定子鉄心端面11に形成されたモータフレーム8から露出する露出部12と導通するように、例えば銀塗料のような導電塗料で塗布された第1の導電層26が形成されている。さらに、モータフレーム8の外周側表面19の全面にも、銀塗料のような導電塗料で塗布された第2の導電層27が形成されている。第1の導電層26と第2の導電層27により、モータフレーム8の表面全体に導電塗料が塗布されていることになり、コイル4を巻回した固定子鉄心2は、第1の導電層26と第2の導電層27により完全密閉されるので、コイル4は第1の導電層26と第2の導電層27により回転子9から完全に静電遮蔽されることになる。
図8は、実施の形態2のモールドモータの各部間の静電結合容量の分布状況を示すモデル図である。図示するように、コイル4は強磁性体である固定子鉄心2に巻回されているので比較的大きな等価インダクタンスLcが存在している。コイル4は絶縁層3をはさんで固定子鉄心2と接近した位置に配置されているので、コイル4の巻き取り方向に沿って、コイル4と固定子鉄心2の間に比較的大きな静電結合容量Ccsが存在する。モールドモータ24は、ブラシレスDCモータなので、一般的に、固定子鉄心端面11と回転子9間の空隙間隔は、例えば0.35〜0.5mmの範囲内に収まるように、狭く設計されるので、固定子鉄心2と回転子9の間にも比較的大きなエアーギャップ容量Crsが存在する。ブラケット14と回転子9の間には静電結合容量Cbr1が存在している。
ブラケット25と回転子9の間には静電結合容量Cbr2が存在している。ベアリング16の内輪−外輪間には、転動体をはさんで内輪−外輪間の静電結合容量Cb1が存在している。ベアリング17の内輪−外輪間にも、転動体をはさんで内輪−外輪間の静電結合容量Cb2が存在している。さらに、ブラケット14およびブラケット25と大地との間には静電結合容量Csが存在する。コイル4は固定子鉄心端面11に形成された露出部を介して固定子鉄心2と導通する第1の導電層26と第2の導電層27により完全密閉されるので、コイル4は第1の導電層26と第2の導電層27により回転子9と完全に静電遮蔽され、従来のモールドモータ101に存在していたコイル104と回転子109間の静電結合容量Ccrは、実施の形態2のモールドモータ24には存在しない。さらに、ブラケット14とコイル4間の静電結合容量Cbc1、およびブラケット14とコイル4間の静電結合容量Cbc2は、ブラケット14またはブラケット14が固定子鉄心2と導通してしまうため、コイル4と固定子鉄心2間の静電結合容量Ccsの一部となる。
図9は、実施の形態2のモールドモータのベアリングが流体潤滑状態となる場合において、モールドモータの各部の波形を説明するためのコモンモード等価回路である。図示するように、図8で説明したのと同様に、等価インダクタンスLc、静電結合容量Ccs、Crs、Cbr1、Cbr2、Cs、Cb1、Cb2で構成されるコモンモード等価回路28が形成される。従来のモールドモータ101のコモンモード等価回路と比較した場合の大きな相違点は、従来のモールドモータに存在していたコイル4と回転子9間の静電結合容量Ccrが、コイル4が第1の導電層26と第2の導電層27により完全密閉された構成で回転子9と静電遮蔽されるので、静電結合容量Ccrは零となる点である。ブラケット14とコイル4間の静電結合容量Cbc1、およびブラケット25とコイル4間の静電結合容量Cbc2は、ブラケット14またはブラケット25が固定子鉄心2と導通してしまうため、コイル4と固定子鉄心2間の静電結合容量Ccsの一部となる。
ブラケット14と固定子鉄心2間の静電結合容量Cbr1、およびブラケット25と固定子鉄心2間の静電結合容量Cbr2は、回転子9と固定子鉄心2間の静電結合容量Crsに並列に接続される回路構成となる。さらに、ベアリング16の内輪−外輪間には、静電結合容量Crs、静電結合容量Cbr1、静電結合容量Cbr2、静電寄生容量Cb1、および、静電結合容量Cb2を並列接続した寄生容量が存在する。
図9に図示するコモンモード等価回路28から明らかなように、配線基板13のインバータ装置から供給されるコモンモード電圧22がコイル4に印加されても、本実施の形態2のモールドモータ24では、静電結合容量Ccrが消滅するので、従来のモールドモータ101、119、125に形成されたような閉じた回路117、123、140は形成されなくなり、コモンモード電圧22に対する応答電圧として、従来のモールドモータ101、119、125に発生していたような流体潤滑状態のベアリング16の内輪−外輪間に存在している寄生容量(すなわち、Crs、Cbr1、Cbr2、Cb1、およびCb2を並列接続した静電容量)に伝達される電圧は発生しない。
次に、実施の形態2のモールドモータのベアリングが流体潤滑状態となる場合において、ディスチャージモードのベアリング電流が発生しないことを、実施の形態1で説明した図4で図示するタイムチャートを使って説明する。図9で説明したコモンモード等価回路28の構成から明らかなように、配線基板13に組み込まれたインバータ装置より、実施の形態1で説明した図4で図示したようなコモンモード電圧22がコイル4と大地間に印加されても、コモンモード電圧22に対するコモンモード等価回路28の応答電圧として、流体潤滑状態のベアリング16の内輪―外輪間の寄生容量(すなわち、Crs、Cbr1、Cbr2、Cb1、およびCb2を並列接続した並列接続した静電容量)に電圧はチャージされないので、実施の形態1で説明した図4に図示したような該寄生容量の放電現象として発生するディスチャージモードのベアリング電流も発生しない。
図10は、実施の形態1のモールドモータのベアリングが境界潤滑状態となる場合において、モールドモータの各部の波形を説明するためのコモンモード等価回路である。図9で説明したベアリングが流体潤滑状態となる場合のコモンモード等価回路28と異なるのは、ベアリング16が常に導通しており、ベアリング16の電気的表現であるスイッチが閉じた状態となっているところである。図示するように、図2で説明した等価インダクタンスLc、静電結合容量Ccs、Crs、Cbr1、Cbr2、Cs、Cb1、Cb2で構成されるコモンモード等価回路29が形成される。
図10に図示するコモンモード等価回路29から明らかなように、配線基板13のインバータ装置から供給されるコモンモード電圧22がコイル4に印加されても、本実施の形態2のモールドモータ24では、静電結合容量Ccrが消滅するので、従来のモールドモータ101、119、またはモールドモータ125に形成されたような閉じた回路118、124、または閉じた回路141は形成されなくなり、コモンモード電圧22に対する応答電流として、従来のモールドモータ101、119、またはモールドモータ125に発生していたような境界潤滑状態のベアリング16に伝達されるコンダクティブモードのベアリング電流は発生しない。
次に、実施の形態2のモールドモータのベアリングが境界潤滑状態となる場合において、コンダクティブモードのベアリング電流が発生しないことを、実施の形態1で説明した図6で図示するタイムチャートを使って説明する。モールドモータ24のベアリング16が境界潤滑状態となる場合、配線基板13に組み込まれたインバータ装置より、実施の形態1で説明した図6で図示したようなコモンモード電圧22がコイル4と大地間に印加されても、コモンモード電圧22の応答電流として、実施の形態1で説明した図6に図示したように、境界潤滑状態のベアリング16にはコンダクティブモードのベアリング電流は発生しない。
以上で述べたように、実施の形態2のモールドモータでは、ベアリングに与える損傷ストレスの大きいディスチャージモードのベアリング電流、および、損傷ストレスはディスチャージモードのベアリング電流ほど大きくないが発生頻度が多く、ベアリングに与える損傷ストレスを無視できないコンダクティブモードのベアリング電流の両者を完璧に消滅することができ、これらのベアリング電流によるベアリングの電食を完璧に解消することができる。
また、文献4で記載したような従来の2つのブラケットをモータフレームの内周面に塗布した導電塗料で短絡して電食対策した従来のモールドモータでは、モータフレーム内周面に均一な厚さで導電塗料を塗布する必要があることから、導電塗料塗布にはエアーブラシを使う必要があるが、外周面にマスク処理を施したモータフレームの側面全体をエアーブラシを使って導電塗料で塗布した後、外周面に貼り付けたマスクを取りはずす等の工程が必要であり、マスク取り付け処理工程と、導電塗料塗布後のマスク取り外し処理工程のために工数とコストをかけなければならない課題があったが、実施の形態2のモールドモータの場合、モータフレームの表面全体に導電塗料を塗布する構成としてあるので、マスク処理にかける工数を解消できる電食対策機能を備えた構造のモールドモータを安価なコストで実現できるという効果を奏することができる。
なお、実施の形態1または実施の形態2では、第1の導電層は、例えば銀塗料のような導電塗料で塗布して形成した導電層とするかわりに、連鎖状Au−Ag微粒子を用いた透明導電塗料を用いてもよく、その作用効果に差異を生じない。
なお、実施の形態1または実施の形態2では、第2の導電層は、例えば銀塗料のような導電塗料で塗布して形成した導電層とするかわりに、連鎖状Au−Ag微粒子を用いた透明導電塗料を用いてもよく、その作用効果に差異を生じない。
なお、実施の形態1または実施の形態2では、第1の導電層は、例えば銀塗料のような導電塗料で塗布して形成した導電層とするかわりに、例えば銅箔のような金属箔で覆うようにして形成した導電層としてもよく、その作用効果に差異を生じない。
なお、実施の形態1または実施の形態2では、第2の導電層は、例えば銀塗料のような導電塗料で塗布して形成した導電層とするかわりに、例えば銅箔のような金属箔で覆うようにして形成した導電層としてもよく、その作用効果に差異を生じない。
なお、実施の形態1または実施の形態2では、第1の導電層は、例えば銀塗料のような導電塗料で塗布して形成した導電層とするかわりに、例えば銅製の略円筒形状などの金属立体で覆うようにして形成した導電層としてもよく、その作用効果に差異を生じない。金属立体はモータフレームの外周側表面の全面を覆えればよく、例えば銅製などの金属箱、銅製などの円筒などがある。
なお、実施の形態1または実施の形態2では、第2の導電層は、モータフレームの内周面全体を導電塗料で塗布して形成した導電層とするかわりに、例えば銅製の金属立体で覆うようにして形成した導電層としてもよく、その作用効果に差異を生じない。金属立体はモータフレームの内周面全体を覆えればよく、例えば銅製などの円筒などがある。
モールドモータを駆動するインバータ装置が組み込まれた配線基板を内蔵するモールドモータの、ベアリング電流が原因で発生していたベアリングの電食を解消することができ、モールドモータの外部にあるインバータ装置でモールドモータを駆動するような構成の産業機器や家電製品などに使用されるモールドモータなどの用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1のモールドモータの構造を説明するための構造断面図 同モールドモータの各部間の静電結合容量の分布状況を示すモデル図 同モールドモータのベアリングが流体潤滑状態となる場合において、モールドモータの各部の波形を説明するためのコモンモード等価回路図 同モールドモータのベアリングが流体潤滑状態となる場合において、ディスチャージモードのベアリング電流が発生しないことを説明する各部のタイムチャート 同モールドモータのベアリングが境界潤滑状態となる場合において、モールドモータの各部の波形を説明するためのコモンモード等価回路図 同モールドモータのベアリングが境界潤滑状態となる場合において、コンダクティブモードのベアリング電流が発生しないことを説明する各部のタイムチャート 本発明の実施の形態2におけるモールドモータの構造を説明するための構造断面図 同モールドモータの各部間の静電結合容量の分布状況を示すモデル図 同モールドモータのベアリングが流体潤滑状態となる場合において、モールドモータの各部の波形を説明するためのコモンモード等価回路図 同モールドモータのベアリングが境界潤滑状態となる場合において、モールドモータの各部の波形を説明するためのコモンモード等価回路図 特許文献1の従来のモールドモータの構造断面図 同従来のモールドモータの各部間の静電結合容量の分布状況を示すモデル図 同従来のモールドモータが高速で回転するときのベアリングの状態を示す側面図 同従来のモールドモータのベアリングが流体潤滑状態となる場合において、モールドモータの各部の波形を説明するためのコモンモード等価回路図 同従来のモールドモータのベアリングが流体潤滑状態となる場合において、ディスチャージモードのベアリング電流が発生するメカニズムを説明する各部のタイムチャート 同従来のモールドモータが低速で回転しているときのベアリングの状態を示す側面図 同従来のモールドモータのベアリングが境界潤滑状態となる場合において、モールドモータの各部の波形を説明するためのコモンモード等価回路図 同従来のモールドモータのベアリングが境界潤滑状態となる場合において、コンダクティブモードのベアリング電流が発生するメカニズムを説明する各部のタイムチャート 特許文献3の従来のモールドモータの構造断面図 同従来のモールドモータのベアリングが流体潤滑状態となる場合のモールドモータのコモンモード等価回路図 同従来のモールドモータのベアリングが境界潤滑状態となる場合のモールドモータのコモンモード等価回路図 同従来のモールドモータの各部間の静電結合容量の分布状況を示すモデル図 同従来のモールドモータのベアリングが流体潤滑状態の場合のモールドモータのコモンモード等価回路図 同従来のモールドモータのベアリングが境界潤滑状態の場合のモールドモータのコモンモード等価回路図
符号の説明
1 モールドモータ
2 固定子鉄心
3 絶縁層
4 コイル
6 固定子
7 モールド樹脂
8 モータフレーム
9 回転子
10 内周側表面
11 固定子鉄心端面
12 露出部
15 回転軸
16 ベアリング
17 ベアリング
18 第1の導電層
19 外周側表面
20 第2の導電層
24 モールドモータ
26 第1の導電層
27 第2の導電層

Claims (10)

  1. 樹脂にて絶縁された固定子鉄心にコイルを巻回した固定子をモールド樹脂にてモールド一体成形してモータフレームを設け、回転子を回転自在に保持するために回転子の回転軸の両端に取り付けられた2個のベアリングのうち、一方のベアリングをモータフレームに嵌合させた金属製のブラケットで保持し、他方のベアリングを前記モータフレームの内部に保持するようにしたインナーロータ型のモールドモータにおいて、前記モータフレームは回転子と対向するモータフレームの内周側表面に固定子鉄心端面の露出部が形成されるように前記固定子を覆う樹脂部を有し、前記モータフレームは、前記固定子鉄心端面の露出部に導通するように前記モータフレームの内周側表面の全面に形成した第1の導電層と、前記モータフレームの外周側表面の全面に形成した第2の導電層とを有し、前記固定子を前記第1の導電層と前記第2の導電層で囲って完全密閉状態にして前記コイルと前記回転子間を静電遮蔽したことを特徴とするモールドモータ。
  2. 樹脂にて絶縁された固定子鉄心にコイルを巻回した固定子をモールド樹脂にてモールド一体成形してモータフレームを設け、回転子を回転自在に保持するために回転子の回転軸の両端に取り付けられた2個のベアリングを、それぞれ、モータフレームの出力側および反出力側の開口部に嵌合させた2個のブラケットで保持するようにしたインナーロータ型のモールドモータにおいて、前記モータフレームは回転子と対向するモータフレームの内周側表面に固定子鉄心端面の露出部が形成されるように前記固定子を覆う樹脂部を有し、前記モータフレームは、前記固定子鉄心端面の露出部と導通するように前記モータフレームの内周側表面の全面に形成した第1の導電層と、前記モータフレームの外周側表面の全面に形成した第2の導電層を有し、前記固定子を前記第1の導電層と前記第2の導電層で囲って完全密閉状態にして前記コイルと前記回転子間を静電遮蔽したことを特徴とするモールドモータ。
  3. 第1の導電層は、固定子鉄心端面の露出部に導通するようにモータフレームの内周側表面の全面を導電塗料で塗布して形成した導電層であることを特徴とする請求項1または2記載のモールドモータ。
  4. 第2の導電層は、モータフレームの外周側表面の全面を導電塗料で塗布して形成した導電層であることを特徴とする請求項1または2記載のモールドモータ。
  5. 第1の導電層は、固定子鉄心端面の露出部に導通するようにモータフレームの内周側表面の全面を透明導電塗料で塗布して形成した導電層であることを特徴とする請求項1または2記載のモールドモータ。
  6. 第2の導電層は、モータフレームの外周面表面の全面を透明導電塗料で塗布して形成した導電層であることを特徴とする請求項1または2記載のモールドモータ。
  7. 第1の導電層は、固定子鉄心端面の露出部に導通するようにモータフレームの内周側表面の全面を金属箔で覆うようにして形成した導電層であることを特徴とする請求項1または2記載のモールドモータ。
  8. 第2の導電層は、モータフレームの外周面表面の全面を金属箔で覆うようにして形成した導電層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のモールドモータ。
  9. 第1の導電層は、固定子鉄心端面の露出部に導通するようにモータフレームの内周側表面の全面を金属立体で覆うようにして形成した導電層であることを特徴とする請求項1または2記載のモールドモータ。
  10. 第2の導電層は、モータフレームの外周側表面の全面を金属立体で覆うようにして形成した導電層であることを特徴とする請求項1または2記載のモールドモータ。
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