JP2009111229A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】LOC構造の半導体レーザ装置において、高次モードの光の発振を抑えて、光出力の向上を図れるようにする。
【解決手段】第1のクラッド層12と、第1のガイド層13と、活性層14と、第2のガイド層15と、第2のクラッド層16とが順に積層され、前記第1のクラッド層12と前記第2のクラッド層16との間に光導波路となる層13,14,15が構成されるとともに、当該光導波路となる層13,14,15が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波する厚さに形成されている半導体レーザ装置1において、各層による積層構造が劈開されてなる劈開面のうち、少なくとも光の出射側における劈開面に、当該劈開面を覆う端面コート膜20aを形成する。そして、前記端面コート膜20aは、前記基本モードの光に対する反射率が前記高次モードの光に対する反射率よりも大きくなる膜厚で形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光の発光を行う半導体レーザ装置に関するものである。
一般に、半導体レーザ装置は、基板上に、n−クラッド層、n−ガイド層、活性層、p−ガイド層およびp−クラッド層が順に積層されてなる積層構造を有しており、さらには当該積層構造を挟むように配されたn電極およびp電極を有して構成されている。そして、n電極およびp電極を介して電流注入を行うと、n(負)側から多くの電子がp(正)側に集まるとともに、p側からも多くの(電子と結合するための)ホールがn側に注入され、p−n接合されている活性層近辺の領域で集められた電子とホールとが結合し、結合したときに光が誘導放出され、この誘導溶出された光が、ガイド層に閉じ込められて繰り返し反射することで、すなわちn−クラッド層とp−クラッド層との間が光導波路として機能することで、その劈開面からレーザ光として放出されるようになっている。
また、近年では、超高出力(例えばワット級)の半導体レーザ装置、特に横方向のシングルモード性を問われない加工や印刷等の用途に用いられるブロードエリア型の半導体レーザ装置として、光導波路のコアに相当するガイド層部分(n−ガイド層、活性層およびp−ガイド層からなる積層部分)の厚さを極めて厚くし、クラッド層への光染み出しを小さくして当該クラッド層での自由電子吸収や当該クラッド層外のメタル層での光吸収等を抑制し光出力の向上を図る、いわゆるLOC(Large Optical Cavity)構造の半導体レーザ装置が多く用いられつつある(例えば、非特許文献1参照)。
IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics,vol.7,No.2,Mar/Apr2001,pp.143-148
ところで、LOC構造の半導体レーザ装置では、光導波路となる層部分の厚さを極めて厚くしていることから、クラッド層またはクラッド層外での光吸収が抑えられる反面、当該光導波路が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波し得る構造となってしまう。ここで、基本モードの光とは、各層の積層方向における光強度分布が単峰性の曲線を描き、そのピーク位置が活性層の位置と一致するものをいう。一方、高次モードの光とは、積層方向に、各層の積層方向における光強度分布が複数のピークを有した曲線を描くものをいい、特にここではそのピーク位置の一つが活性層の位置と一致するものをいう。活性層の位置と一致しなければ、光が発振せず、レーザ光として放出されないからである。
このような高次モードの光は、光導波路となる層部分の層厚増加に応じて発生し得るもの、すなわちLOC構造の半導体レーザ装置に特有のものであるが、基本モードの光に比べて光強度分布の分散化を招くため、光出力の向上を図るという当該LOC構造の半導体レーザ装置における所望特性が損なわれる要因となるおそれがある。
この点については、例えば上記の非特許文献1に記載されているように、クラッド層の厚さを薄くすることで、高次モードの光の光導波路外への散乱損失を大きくし、これにより当該高次モードの光の抑制を図ることも考えられる。これは、基本モードより高次モードのほうが光導波路外への光の染み出し成分が大きいことを利用して当該高次モードにより大きなロスを与えることで、当該高次モードの光の発振を抑える方法である。しかしながら、かかる方法では、基本モードの光に対しても、わずかではあるが散乱ロスや吸収ロス等を増大させることになるため、その結果としてLOC構造の半導体レーザ装置における所望特性の低下を招いてしまう可能性がある。
そこで、本発明は、光導波路となる層が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波する厚さに形成される場合であっても、当該高次モードの光の発振を抑えて、光出力の向上を図るというLOC構造に特有の所望特性を得ることのできる半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出された半導体レーザ装置である。すなわち、第1のクラッド層と、第1のガイド層と、活性層と、第2のガイド層と、第2のクラッド層とが順に積層され、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に光導波路となる層が構成されるとともに、当該光導波路となる層が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波する厚さに形成されている半導体レーザ装置において、各層による積層構造が劈開されてなる劈開面のうち、少なくとも光の出射側における劈開面に、当該劈開面を覆う端面コート膜が形成されているとともに、前記端面コート膜は、前記基本モードの光に対する反射率が前記高次モードの光に対する反射率よりも大きくなる膜厚で形成されていることを特徴とするものである。
上記構成の半導体レーザ装置では、少なくとも光の出射側の劈開面を覆う端面コート膜が、基本モードの光に対する反射率が高次モードの光に対する反射率よりも大きくなる膜厚で形成されている。すなわち、高次モードと基本モードとで光反射率の端面コート膜の膜厚依存性が異なることを利用して、端面コート膜における高次モードの光の反射率を基本モードの光の反射率よりも小さくしているのである。したがって、このような端面コート膜を形成することによって、高次モード発振に必要な利得を大きくさせ、高次モードの光の発振閾値に到達する前に基本モードの光の発振を得ることができるようになるため、高次モードの光の発振を抑制しつつ、安定した基本モードの光の発振を得ることができるようになる。
本発明によれば、光導波路となる層が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波する厚さに形成される場合であっても、端面コート膜の形成およびその膜厚調整によって、高次モードの光の発振を抑制しつつ、安定した基本モードの光の発振を得ることができる。したがって、当該高次モードの光の発振を抑えつつ、光出力の向上を図るというLOC構造に特有の所望特性を得ることができる。
以下、図面に基づき本発明に係る半導体レーザ装置について説明する。
図1は、本発明に係る半導体レーザ装置における積層構造の一例を示す説明図である。ここで説明する半導体レーザ装置1は、光を出射する半導体結晶素子部として、図例のような積層構造を備えている。すなわち、基板11上に、第1のクラッド層となるn−クラッド層12、第1のガイド層となるn−ガイド層13、活性層14、第2のガイド層となるp−ガイド層15、第2のクラッド層となるp−クラッド層16およびコンタクト層17が順に積層されてなる積層構造を有しており、さらには当該積層構造を挟むように配されたn電極18およびp電極19を有して構成されている。
基板11としては、例えば100μm厚のn−GaAs基板を用いる。n−クラッド層12は、例えばn−(Al0.2Ga0.8)0.51In0.49P膜を600nm厚で成膜して形成する。n−ガイド層13は、例えばn−Ga0.51In0.49P膜を650nm厚で成膜して形成する。活性層14は、i−In0.08Ga0.92As膜を9nm厚で成膜して形成する。p−ガイド層15は、例えばp−Ga0.51In0.49P膜を650nm厚で成膜して形成する。p−クラッド層16は、例えばp−(Al0.2Ga0.8)0.51In0.49P膜を600nm厚で成膜して形成する。コンタクト層17は、例えばp+GaAs膜を200nm厚で成膜して形成する。n電極18およびp電極19は、いずれも、例えばTi/Pt/Auをそれぞれ50/50/1000nm厚で成膜して形成する。なお、ここで示した膜構成および膜厚は、一具体例に過ぎないことはいうまでもない。
このような積層構造を有した半導体レーザ装置1では、n−クラッド層12とp−クラッド層16との間に、当該半導体レーザ装置1が出射する光の導波路となる層が構成されることになる。すなわち、n−ガイド層13、活性層14およびp−ガイド層15からなる積層部分が、光導波路のコアに相当する層部分となるのである。
また、n−ガイド層13、活性層14およびp−ガイド層15からなる積層部分、すなわち光導波路となる層部分は、例えばn−ガイド層13が650nm厚、活性層14が9nm厚、p−ガイド層15が650nm厚、これらの合計が1309nm厚といったように、一般的な構成の半導体レーザ装置の場合(当該層部分の合計厚が数十nm程度)に比べて、極めて厚く構成されている。つまり、本実施形態で説明する半導体レーザ装置1は、光導波路となる層部分が極めて厚く(例えば、ガイド層が片側600nm以上)構成された、LOC構造を有しているのである。
また、以上のような積層構造における光の出射方向の前後面側(図中における左面側および右面側)、すなわち当該積層構造が劈開されてなる共振器端面(以下、単に「劈開面」という。)には、当該劈開面を覆う端面コート膜20a,20bが形成されている。すなわち、積層構造に形成された劈開面のうち、光の出射方向の前面側、すなわち出射側となる劈開面(以下「フロント側端面」という。)には、フロント側端面用の端面コート膜(以下「Fコート膜」という。)20aが成膜され、フロント側端面と反対側の劈開面(以下「リア側端面」という。)には、リア側端面用の端面コート膜(以下「Rコート膜」という。)20bが成膜されている。これらの各コート膜20a,20bは、いずれも、例えばAl23からなる単層の誘電体膜を成膜して形成する。なお、ここで示した膜構成についても、上述した積層構造の場合と同様に、一具体例に過ぎないことはいうまでもない。
ところで、LOC構造の半導体レーザ装置1では、光導波路となる層部分が極めて厚く構成されていることから、当該層部分において、基本モードの光の他に、高次モードの光をも導波し得ることになる。
ここで、基本モードおよび高次モードについて、具体例を挙げて説明する。
図2は、本発明に係る半導体レーザ装置における積層構造の屈折率分布および光強度分布の具体例を示す説明図である。
図中において、横軸は、積層構造における厚さを表している。さらに詳しくは、p−クラッド層16とコンタクト層17との境界を基準(値が「0」)とし基板11の側に向かう方向を「正」とした場合の膜厚の積算値を示している。
また、図中における左側に縦軸には、屈折率の値を示している。さらに詳しくは、波長が940nmの光に対する屈折率の値を示している。
したがって、これら各軸の間の対応関係(図中における実線参照)は、積層構造を構成する各層の積層方向における屈折率分布を特定することになる。具体的には、例えば、p+GaAs膜からなるコンタクト層17の屈折率が3.549973(図中a参照)、p−(Al0.2Ga0.8)0.51In0.49P膜からなるp−クラッド層16の屈折率は3.25451(図中b参照)、p−Ga0.51In0.49P膜からなるp−ガイド層15の屈折率は3.446432(図中c参照)、i−In0.08Ga0.92As膜からなる活性層14の屈折率は3.63421(図中d参照)、n−Ga0.51In0.49P膜からなるn−ガイド層13の屈折率は3.446432(図中e参照)、n−(Al0.2Ga0.8)0.51In0.49P膜からなるn−クラッド層12の屈折率は3.25451(図中f参照)である、といった具合である。
また、図中における右側に縦軸には、相対光強度の値を示している。これらの値は、相対光強度であるから、ピーク位置の「1」となるように正規化されている。このような図中右側における縦軸と上述した横軸の間の対応関係は、積層構造を構成する各層の積層方向における相対光強度分布を特定するものである。
ただし、LOC構造の半導体レーザ装置1では、光導波路となる層部分が極めて厚く構成されており、当該層部分が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波し得ることから、各層の積層方向における相対光強度分布も、基本モードの光についてのもの(図中における破線参照)と、高次モードの光についてのもの(図中における一点鎖線参照)とが存在し得る。
基本モードの光については、図例のように、各層の積層方向における光強度分布が単峰性の曲線を描き、そのピーク位置が活性層14の位置と一致するようになる。このような基本モードの光は、一般的な構成の半導体レーザ装置の場合(光導波路となる層部分の合計厚が数十nm程度)に発振するのと同様のものである。
一方、高次モードの光は、LOC構造に特有のもの、すなわち光導波路となる層部分の合計厚が極めて厚く構成されていることから生じ得るもので、各層の積層方向における光強度分布が複数のピークを有した曲線を描くとともに、そのピーク位置の一つが活性層14の位置と一致するようになっている。さらに具体的には、図例のように、三つのピークを有した曲線を描き、そのうちの中央に位置するピーク位置が活性層14の位置と一致する。なお、ここでは、複数のピークを有していても、そのうちの一つが活性層14の位置と一致しないもの、例えば二つのピークを有した一次モードの光や四つのピークを有した三次モードの光等については、高次モードの光には該当しないものとする。また、図例では、高次モードの光の一具体例として、三つのピークを有した二次モードの光を挙げているが、光導波路となる層部分の合計厚によっては、五つ以上の奇数のピーク位置を有するもの(四次モードの光等)もあり得る。
このような高次モードの光は、基本モードの光に比べて光強度分布の分散化を招く。そのため、光出力の向上を図るというLOC構造の所望特性を実現する上では、光導波路となる層部分を導波させることは好ましくない。
このことから、本実施形態で説明する半導体レーザ装置1は、積層構造の劈開面を覆う端面コート膜20a,20bのうち、少なくとも光の出射側におけるFコート膜20aが、詳細を後述するように、基本モードの光に対する反射率が高次モードの光に対する反射率よりも大きくなる膜厚で形成されている。
ここで、端面コート膜における光反射率の膜厚依存性について、具体例を挙げて説明する。
図3は、端面コート膜の膜厚と当該端面コート膜における光反射率との関係の一具体例を示す説明図である。図例は、屈折率3.55のGaAs膜に屈折率1.63のAl23単層膜からなる端面コート膜を成膜した場合の反射率の膜厚依存性を、発振波長940nmの光が垂直入射する場合とs偏光で斜入射(入射角45度)する場合とについて計算した結果を示している。
一般に、半導体レーザ装置のようなスラブ導波路では、端面の反射膜(=端面コート膜)に入射する際の端面と電磁界の方向関係から、TEモードが平面波反射のs偏光に、TMモードが平面波反射のp偏光にそれぞれ相当し、また基本モードに比べ高次のモードのほうがより斜入射の入力光に対応することが知られている。さらには、端面劈開状態での基本モード、高次モードに対する反射率を電磁波論的アプローチで計算すると、TEモードでは高次モードの反射率が高く、TMモードでは逆に高次モードの反射率が低くなり、それぞれ上記のs偏光、p偏光との対応関係と合致することが知られている(例えば、IEEE Journal of Quantum Electronics,Vol.8,Jun,1972,pp.470-476参照)。
これらのことを踏まえると、図3に示すように、端面コート膜における反射率は、端面コートの多重反射による干渉効果によって膜厚に対して正弦波状の依存性を示すが、その周期は光路長の差に由来して垂直入射の場合(図中実線参照)と斜入射の場合(図中破線参照)とで異なったものとなる。
つまり、例えば、一般的な構成の半導体レーザ装置(光導波路となる層部分の合計厚が数十nm程度)であれば、導波モードが基本モードのみとなるようガイド層の厚さを調整するため、高次モードを考慮する必要がない。ところが、光導波路となる層部分が極めて厚く(例えば、ガイド層が片側600nm以上)構成されたLOC構造の半導体レーザ装置1では、既に説明したように、各層の積層方向に高次モードが存在する。そのため。TEモードで発振しようとすると、基本モードが図3に示した垂直入射の場合に、また高次モードが図3に示した斜入射の場合に対応することになり、端面コート無しの状態では高次モードの反射率が高くなるため、活性層14への光閉じ込めは高次モードの方が小さいにもかかわらず当該高次モードが発振してしまう可能性が生じてしまう。
そこで、本実施形態で説明する半導体レーザ装置1は、高次モードと基本モードの反射率の端面コート膜厚依存性が異なることを利用して、基本モードの光に対する反射率が高次モードの光に対する反射率よりも大きくなるような膜厚で、積層構造の劈開面への端面コートを施すことにより、高次モードの発振を抑える構造としているのである。
具体的には、例えば、図3中の矢印Aで示す膜厚となるように、Fコート膜20aを形成することが考えられる。このような膜厚でFコート膜20aを形成すれば、当該Fコート膜20aは、高次モードの光に対する反射率が1.1%と低くなるが、基本モードの光に対する反射率は9%と高次モードの場合に比べて高くなるため、高次モードの発振を抑えつつ基本モードでの発振が得られることとなる。
以上のような作用を奏するFコート膜20aは、垂直入射光に対する反射率が斜入射光に対する反射率を上回る膜厚の範囲(図中B,C等参照)で得ることができる。
ただし、Fコート膜20aの膜厚は、膜厚均一性確保という観点からは薄過ぎても良くないし、また成膜容易性や高効率等の確保という観点からは厚過ぎても良くない。さらには、反射率変化を示し曲線が急峻な箇所は、成膜時の膜厚バラツキに対する反射率変化が大きくなるため、避けるべきである。これらのことを考慮すると、図3中の矢印Aで示す膜厚は、Fコート膜20aの膜厚として好ましい具体例の一つであるといえる。
また、以上のような膜厚設定は、少なくともFコート膜20aについて行われていればよい。すなわち、Rコート膜20bについては、Fコート膜20aと同様の膜厚設定が行われていてもよいし、一般的な構成の半導体レーザ装置と同様のものが用いられていてもよい。少なくとも光の出射側について、上述した膜厚設定が行われていれば、高次モードの発振が抑えられるからである。
以上に説明したように、本実施形態における半導体レーザ装置1は、少なくとも光の出射側の劈開面を覆うFコート膜20aが、基本モードの光に対する反射率が高次モードの光に対する反射率よりも大きくなる膜厚で形成されている。すなわち、高次モードと基本モードとで光反射率の端面コート膜の膜厚依存性が異なることを利用して、Fコート膜20aにおける高次モードの光の反射率を基本モードの光の反射率よりも小さくしているのである。
したがって、本実施形態における半導体レーザ装置1によれば、LOC構造の採用によって、n−ガイド層13、活性層14およびp−ガイド層15からなる積層部分、すなわち光導波路となる層部分が、基本モードの光の他に高次モードの光をも導波する厚さに形成される場合であっても、Fコート膜20aの形成およびその膜厚調整によって、高次モード発振に必要な利得を大きくさせ、高次モードの光の発振閾値に到達する前に基本モードの光の発振を得ることができるようになるため、高次モードの光の発振を抑制しつつ、安定した基本モードの光の発振を得ることができるようになる。その一方で、基本モードの光については、必要以上に発振が抑制されたり光強度のロス等が生じたりすることがない。よって、当該半導体レーザ装置1では、高次モードの光の発振を抑えつつ、光出力の向上を図るというLOC構造に特有の所望特性を得ることができるのである。
このような構成の半導体レーザ装置1は、Fコート膜20aの膜厚を設定するプロセス以外は、一般的な構成の半導体レーザ装置の場合と同様に、公知の手法を用いて製造すればよい。したがって、ここでは、半導体レーザ装置1の製造手順については、その説明を省略する。
なお、以上に説明した実施形態では、本発明の好適な実施具体例を説明したが、本発明はその内容に限定されるものではない。すなわち、本実施形態で例に挙げた半導体レーザ装置の積層構造、その構成材料、膜厚等は本発明の一具体例に過ぎず、本発明が当該一具体例に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能であることはいうまでもない。
本発明に係る半導体レーザ装置における積層構造の構成例を示す説明図である。 本発明に係る半導体レーザ装置における積層構造の屈折率分布および光強度分布の具体例を示す説明図である。 端面コート膜の膜厚と当該端面コート膜における光反射率との関係の一具体例を示す説明図である。
符号の説明
1…半導体レーザ装置、11…基板、12…n−クラッド層、13…n−ガイド層、14…活性層、15…p−ガイド層、16…p−クラッド層、17…コンタクト層、18…n電極、19…p電極、20a…Fコート膜、20b…Rコート膜

Claims (1)

  1. 第1のクラッド層と、第1のガイド層と、活性層と、第2のガイド層と、第2のクラッド層とが順に積層され、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に光導波路となる層が構成されるとともに、当該光導波路となる層が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波する厚さに形成されている半導体レーザ装置において、
    各層による積層構造が劈開されてなる劈開面のうち、少なくとも光の出射側における劈開面に、当該劈開面を覆う端面コート膜が形成されているとともに、
    前記端面コート膜は、前記基本モードの光に対する反射率が前記高次モードの光に対する反射率よりも大きくなる膜厚で形成されている
    ことを特徴とする半導体レーザ装置。
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