JP2009111228A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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    • H01S5/2022Absorbing region or layer parallel to the active layer, e.g. to influence transverse modes

Abstract

【課題】LOC構造の半導体レーザ装置において、高次モードの光の発振を抑えて、光出力の向上を図れるようにする。
【解決手段】第1のクラッド層12と、第1のガイド層13と、活性層14と、第2のガイド層15と、第2のクラッド層16とが順に積層され、前記第1のクラッド層12と前記第2のクラッド層16との間に光導波路となる層13,14,15が構成されるとともに、当該光導波路となる層13,14,15が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波する厚さに形成されている半導体レーザ装置1において、前記光導波路となる層13,14,15の構成層として、前記高次モードの光のみの発振を抑制する位置に、当該高次モードの光を吸収する吸収層20を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光の発光を行う半導体レーザ装置に関するものである。
一般に、半導体レーザ装置は、基板上に、n−クラッド層、n−ガイド層、活性層、p−ガイド層およびp−クラッド層が順に積層されてなる積層構造を有しており、さらには当該積層構造を挟むように配されたn電極およびp電極を有して構成されている。そして、n電極およびp電極を介して電流注入を行うと、n(負)側から多くの電子がp(正)側に集まるとともに、p側からも多くの(電子と結合するための)ホールがn側に注入され、p−n接合されている活性層近辺の領域で集められた電子とホールとが結合し、結合したときに光が誘導放出され、この誘導溶出された光が、ガイド層に閉じ込められて繰り返し反射することで、すなわちn−クラッド層とp−クラッド層との間が光導波路として機能することで、その劈開面からレーザ光として放出されるようになっている。
また、近年では、超高出力(例えばワット級)の半導体レーザ装置、特に横方向のシングルモード性を問われない加工や印刷等の用途に用いられるブロードエリア型の半導体レーザ装置として、光導波路のコアに相当するガイド層部分(n−ガイド層、活性層およびp−ガイド層からなる積層部分)の厚さを極めて厚くし、クラッド層への光染み出しを小さくして当該クラッド層での自由電子吸収や当該クラッド層外のメタル層での光吸収等を抑制し光出力の向上を図る、いわゆるLOC(Large Optical Cavity)構造の半導体レーザ装置が多く用いられつつある(例えば、非特許文献1参照)。
IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics,vol.7,No.2,Mar/Apr2001,pp.143-148
ところで、LOC構造の半導体レーザ装置では、光導波路となる層部分の厚さを極めて厚くしていることから、クラッド層またはクラッド層外での光吸収が抑えられる反面、当該光導波路が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波し得る構造となってしまう。ここで、基本モードの光とは、各層の積層方向における光強度分布が単峰性の曲線を描き、そのピーク位置が活性層の位置と一致するものをいう。一方、高次モードの光とは、積層方向に、各層の積層方向における光強度分布が複数のピークを有した曲線を描くものをいい、特にここではそのピーク位置の一つが活性層の位置と一致するものをいう。活性層の位置と一致しなければ、光が発振せず、レーザ光として放出されないからである。
このような高次モードの光は、光導波路となる層部分の層厚増加に応じて発生し得るもの、すなわちLOC構造の半導体レーザ装置に特有のものであるが、基本モードの光に比べて光強度分布の分散化を招くため、光出力の向上を図るという当該LOC構造の半導体レーザ装置における所望特性が損なわれる要因となるおそれがある。
この点については、例えば上記の非特許文献1に記載されているように、クラッド層の厚さを薄くすることで、高次モードの光の光導波路外への散乱損失を大きくし、これにより当該高次モードの光の抑制を図ることも考えられる。これは、基本モードより高次モードのほうが光導波路外への光の染み出し成分が大きいことを利用して当該高次モードにより大きなロスを与えることで、当該高次モードの光の発振を抑える方法である。しかしながら、かかる方法では、基本モードの光に対しても、わずかではあるが散乱ロスや吸収ロス等を増大させることになるため、その結果としてLOC構造の半導体レーザ装置における所望特性の低下を招いてしまう可能性がある。
そこで、本発明は、光導波路となる層が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波する厚さに形成される場合であっても、当該高次モードの光の発振を抑えて、光出力の向上を図るというLOC構造に特有の所望特性を得ることのできる半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出された半導体レーザ装置である。すなわち、第1のクラッド層と、第1のガイド層と、活性層と、第2のガイド層と、第2のクラッド層とが順に積層され、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に光導波路となる層が構成されるとともに、当該光導波路となる層が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波する厚さに形成されている半導体レーザ装置において、前記光導波路となる層の構成層として、前記高次モードの光のみの発振を抑制する位置に、当該高次モードの光を吸収する吸収層が形成されていることを特徴とするものである。
上記構成の半導体レーザ装置では、高次モードの光のみの発振を抑制する位置に、当該高次モードの光を吸収する吸収層が形成されている。ここで、高次モードの光のみの発振を抑制する位置としては、例えば当該高次モードの光の光強度分布のピーク位置のうち活性層の位置と一致するピーク位置を除く他のピーク位置の少なくとも一つに対応する位置が挙げられる。また、ここでいう対応する位置には、ピーク位置と一致する位置の他に、当該ピーク位置の近傍位置も含むものとする。このような位置に吸収層が形成されていると、当該吸収層が形成されていない場合に比べて、高次モード発振に必要な利得を大きくすることになる。したがって、当該吸収層の形成によって、高次モードの光の発振が抑制されることになる。その一方で、発振が抑制されるのは、高次モードの光のみである。すなわち、基本モードの光に対しては、当該光の光強度が小さな位置に吸収層が配置されることになるので、当該光の発振閾値の増大が最小限に止められる。
本発明によれば、光導波路となる層が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波する厚さに形成される場合であっても、吸収層の形成によって、当該高次モードの光の発振が抑制される。その一方で、吸収層を形成しても、基本モードの光については、必要以上に発振が抑制されたり光強度のロス等が生じたりすることがない。したがって、当該高次モードの光の発振を抑えつつ、光出力の向上を図るというLOC構造に特有の所望特性を得ることができる。
以下、図面に基づき本発明に係る半導体レーザ装置について説明する。
図1は、本発明に係る半導体レーザ装置における積層構造の構成例を示す説明図である。ここで説明する半導体レーザ装置1は、光を出射する半導体結晶素子部として、図例のような積層構造を備えている。すなわち、基板11上に、第1のクラッド層となるn−クラッド層12、第1のガイド層となるn−ガイド層13、活性層14、第2のガイド層となるp−ガイド層15、第2のクラッド層となるp−クラッド層16およびコンタクト層17が順に積層されてなる積層構造を有しており、さらには当該積層構造を挟むように配されたn電極18およびp電極19を有して構成されている。
基板11としては、例えば100μm厚のn−GaAs基板を用いる。n−クラッド層12は、例えばn−(Al0.2Ga0.8)0.51In0.49P膜を600nm厚で成膜して形成する。n−ガイド層13は、例えばn−Ga0.51In0.49P膜を650nm厚で成膜して形成する。活性層14は、i−In0.08Ga0.92As膜を9nm厚で成膜して形成する。p−ガイド層15は、例えばp−Ga0.51In0.49P膜を650nm厚で成膜して形成する。p−クラッド層16は、例えばp−(Al0.2Ga0.8)0.51In0.49P膜を600nm厚で成膜して形成する。コンタクト層17は、例えばp+GaAs膜を200nm厚で成膜して形成する。n電極18およびp電極19は、いずれも、例えばTi/Pt/Auをそれぞれ50/50/1000nm厚で成膜して形成する。なお、ここで示した膜構成および膜厚は、一具体例に過ぎないことはいうまでもない。
このような積層構造を有した半導体レーザ装置1では、n−クラッド層12とp−クラッド層16との間に、当該半導体レーザ装置1が出射する光の導波路となる層が構成されることになる。すなわち、n−ガイド層13、活性層14およびp−ガイド層15からなる積層部分が、光導波路のコアに相当する層部分となるのである。
また、n−ガイド層13、活性層14およびp−ガイド層15からなる積層部分、すなわち光導波路となる層部分は、例えばn−ガイド層13が650nm厚、活性層14が9nm厚、p−ガイド層15が650nm厚、これらの合計が1309nm厚といったように、一般的な構成の半導体レーザ装置の場合(当該層部分の合計厚が数十nm程度)に比べて、極めて厚く構成されている。つまり、本実施形態で説明する半導体レーザ装置1は、光導波路となる層部分が極めて厚く(例えば、ガイド層が片側600nm以上)構成された、LOC構造を有しているのである。
ところで、LOC構造の半導体レーザ装置1では、光導波路となる層部分が極めて厚く構成されていることから、当該層部分において、基本モードの光の他に、高次モードの光をも導波し得ることになる。
ここで、基本モードおよび高次モードについて、具体例を挙げて説明する。
図2は、本発明に係る半導体レーザ装置における積層構造の屈折率分布および光強度分布の具体例を示す説明図である。
図中において、横軸は、積層構造における厚さを表している。さらに詳しくは、p−クラッド層16とコンタクト層17との境界を基準(値が「0」)とし基板11の側に向かう方向を「正」とした場合の膜厚の積算値を示している。
また、図中における左側に縦軸には、屈折率の値を示している。さらに詳しくは、波長が940nmの光に対する屈折率の値を示している。
したがって、これら各軸の間の対応関係(図中における実線参照)は、積層構造を構成する各層の積層方向における屈折率分布を特定することになる。具体的には、例えば、p+GaAs膜からなるコンタクト層17の屈折率が3.549973(図中a参照)、p−(Al0.2Ga0.8)0.51In0.49P膜からなるp−クラッド層16の屈折率は3.25451(図中b参照)、p−Ga0.51In0.49P膜からなるp−ガイド層15の屈折率は3.446432(図中c参照)、i−In0.08Ga0.92As膜からなる活性層14の屈折率は3.63421(図中d参照)、n−Ga0.51In0.49P膜からなるn−ガイド層13の屈折率は3.446432(図中e参照)、n−(Al0.2Ga0.8)0.51In0.49P膜からなるn−クラッド層12の屈折率は3.25451(図中f参照)である、といった具合である。
また、図中における右側に縦軸には、相対光強度の値を示している。これらの値は、相対光強度であるから、ピーク位置の「1」となるように正規化されている。このような図中右側における縦軸と上述した横軸の間の対応関係は、積層構造を構成する各層の積層方向における相対光強度分布を特定するものである。
ただし、LOC構造の半導体レーザ装置1では、光導波路となる層部分が極めて厚く構成されており、当該層部分が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波し得ることから、各層の積層方向における相対光強度分布も、基本モードの光についてのもの(図中における破線参照)と、高次モードの光についてのもの(図中における一点鎖線参照)とが存在し得る。
基本モードの光については、図例のように、各層の積層方向における光強度分布が単峰性の曲線を描き、そのピーク位置が活性層14の位置と一致するようになる。このような基本モードの光は、一般的な構成の半導体レーザ装置の場合(光導波路となる層部分の合計厚が数十nm程度)に発振するのと同様のものである。
一方、高次モードの光は、LOC構造に特有のもの、すなわち光導波路となる層部分の合計厚が極めて厚く構成されていることから生じ得るもので、各層の積層方向における光強度分布が複数のピークを有した曲線を描くとともに、そのピーク位置の一つが活性層14の位置と一致するようになっている。さらに具体的には、図例のように、三つのピークを有した曲線を描き、そのうちの中央に位置するピーク位置が活性層14の位置と一致する。なお、ここでは、複数のピークを有していても、そのうちの一つが活性層14の位置と一致しないもの、例えば二つのピークを有した一次モードの光や四つのピークを有した三次モードの光等については、高次モードの光には該当しないものとする。また、図例では、高次モードの光の一具体例として、三つのピークを有した二次モードの光を挙げているが、光導波路となる層部分の合計厚によっては、五つ以上の奇数のピーク位置を有するもの(四次モードの光等)もあり得る。
このような高次モードの光は、基本モードの光に比べて光強度分布の分散化を招く。そのため、光出力の向上を図るというLOC構造の所望特性を実現する上では、光導波路となる層部分を導波させることは好ましくない。
このことから、本実施形態で説明する半導体レーザ装置1は、図1に示すように、光導波路となる層の構成層として、すなわちn−クラッド層12とp−クラッド層16との間に、高次モードの光を吸収して当該光の発振を抑制する吸収層20が形成されている。具体的には、吸収層20として、例えば、In0.08Ga0.92As(バンドギャップ波長950nm)からなる膜が、20nm厚で形成されている。
また、吸収層20は、高次モードの光のみの発振を抑制する位置に形成されている。高次モードの光のみの発振を抑制する位置としては、当該高次モードの光の光強度分布のピーク位置のうち、活性層14の位置と一致するピーク位置を除く、他のピーク位置の少なくとも一つに対応する位置が挙げられる。すなわち、高次モードの光「のみ」であるから、基本モードの光の光強度分布のピーク位置(活性層14の位置と一致するピーク位置)については除外する。そして、他のピーク位置の「少なくとも一つ」であるから、当該他のピーク位置のいずれか一つであってもよいし、あるいは複数のそれぞれに吸収層20を形成するようにしても構わない。また、ここでいうピーク位置に「対応する」位置には、当該ピーク位置の頂部と一致する位置の他に、当該ピーク位置の近傍位置(例えば、相対光強度がピーク値の2/3以上である領域範囲に相当する位置)も含むものとする。
さらに具体的には、高次モードの光のみの発振を抑制する位置として、図2に示すように、高次モードの光の光強度分布の一つのピーク位置と一致する位置で、各層の積層方向において活性層14の膜厚中心から538nmのだけ膜厚積算値の基準(p−クラッド層16とコンタクト層17との境界部分)側に寄った位置(図中における矢印A参照)が挙げられる。
このような位置に吸収層20を形成すると、その形成箇所では、高次モードの光の光強度のほうが基本モードの光の光強度のよりも相対的に大きいため、当該高次モードの光に対してより大きな光吸収を与えることができ、その結果として高次モードの光の発振を抑えることができる。すなわち、このような位置に吸収層20が形成された半導体レーザ装置1は、当該吸収層20が形成されていない場合に比べて、高次モード発振に必要な利得を大きくなるので、高次モードの光の発振が抑制されることになる。その一方で、発振が抑制されるのは高次モードの光のみであり、基本モードの光については吸収層20の形成箇所での光強度が小さいことから当該光の発振閾値の増大が最小限に止められる。
したがって、本実施形態における半導体レーザ装置1によれば、LOC構造の採用によって、n−ガイド層13、活性層14およびp−ガイド層15からなる積層部分、すなわち光導波路となる層部分が、基本モードの光の他に高次モードの光をも導波する厚さに形成される場合であっても、吸収層20の形成によって、当該高次モードの光の発振が抑制されることになる。その一方で、吸収層20を形成しても、その形成位置が上述したような高次モードの光のみの発振を抑制する位置であることから、基本モードの光については、必要以上に発振が抑制されたり光強度のロス等が生じたりすることがない。よって、当該半導体レーザ装置1によれば、高次モードの光の発振を抑えつつ、光出力の向上を図るというLOC構造に特有の所望特性を得ることができるのである。
以上のような作用を奏する吸収層20は、上述したような高次モードの光のみの発振を抑制する位置に形成されたものであれば、いわゆるベタ膜状に形成されたものであってもよい。ただし、半導体レーザ装置1の光出力の向上を図るという観点、つまり高次モードの光の発振を抑えつつ基本モードの光強度損失を極力抑える上では、吸収層20を以下に述べるように形成することが考えられる。
すなわち、吸収層20については、図1に示すように、所定周期の回折格子状に形成することが考えられる。ここで、回折格子とは、色々な波長の混ざった光から特定波長の光を取り出す光学素子のことをいい、特に細いスリットを多数平行に並べてそこに入射する光の回折および干渉を利用して特定の角度で特定の波長の光のみが現れるようにしたものをいう。したがって、図例の吸収層20は、図中の奥行き方向に延びるスリット状の吸収層構成膜部分が、所定周期で図中の左右方向に多数並設されて構成されている。
このような回折格子を構成するスリット周期は、基本モードの光の発振波長に対応しているものとする。さらに詳しくは、基本モードの等価屈折率に対して発振波長が合うスリット周期で、当該回折格子が構成されているものとする。つまり、吸収層20は、基本モードの光の発振波長に対応する周期の回折格子状に形成されているのである。具体的には、例えば、吸収層20が20nm厚のIn0.08Ga0.92As膜(バンドギャップ波長950nm)からなる場合であれば、基本モードの等価屈折率3.434に対応して、回折格子のスリット周期を137nmピッチで形成することが考えられる。なお、ここで示したスリット周期等は、一具体例に過ぎないことはいうまでもない。
ここで、光の発振波長と等価屈折率との関係、および、光の発振波長と回折格子周期との関係について、具体例を挙げて説明する。
図3は光の発振波長と等価屈折率との関係の一具体例を示す説明図であり、図4は光の発振波長と回折格子周期との関係の一具体例を示す説明図である。
一般に、基本モードの光と高次モードの光とでは、等価屈折率が互いに異なる。ここで、等価屈折率とは、光導波路内を伝搬する光の伝搬定数と波数の関係を規格化して表した数値のことをいう。
また、回折格子周期が光の波長に近い場合、その波長の光を強く反射することになるが、その波長はブラッグ波長と呼ばれる。そして、ブラッグ波長をλ、回折格子周期を∧、等価屈折率をneffとすると、ブラッグ波長λは、λ=2×∧×neffという数式によって特定される。
これらのことは、図3に示すように、基本モードの光と高次モードの光とで、ブラッグ波が互いに異なることを意味する。
したがって、吸収層20における回折格子周期を、基本モードのブラッグ波長が利得のピークに合うようにしておくと、高次モードでは十分な発振利得が得られないが、基本モードについては発振を促進することになる。
しかも、回折格子のスリット周期が基本モードの光の発振波長に対応していることから、図4に示すように、当該基本モードの光に対しては、その発振時の定在波の節に吸収層20が位置するようになり、当該吸収層20による光吸収を最小限に抑えられる。
一方、高次モードの光については、当該高次モードが仮に端面の反射の効果のみで発振利得ピーク付近にてファブリペローモードで発振しようとしたとしても、定在波の腹節とは関係のない位置に吸収層がくるため、相対的に大きな吸収が生じるようになり、その結果として高次モード発振が抑えられることになる。
つまり、基本モードの光の発振波長に対応するスリット周期の回折格子状に吸収層20を形成することで、当該吸収層20を備える半導体レーザ装置1では、導波光に対する分布帰還の効果を得ているが、このとき基本モードの発振波長が利得のピークに来るようにし、高次モードの発振波長が利得ピークから外れるようにすることによって、安定した基本モード発振を得ることができるようになる。また、このとき、高次モードがファブリペローモードで発振することも考えられるが、その際は基本モードの定在波は節が吸収層の部分にくるようになるのに対し、高次モードの定在波の腹節は定在波と関係のない位置にくるため、相対的に吸収が大きくなり発振が抑えられることになる。
したがって、このような回折格子状に吸収層20を備える半導体レーザ装置1によれば、当該吸収層20が高次モードの光の発振を抑えつつ基本モードの光強度損失を極力抑えることになるので、当該半導体レーザ装置1の光出力の向上を図ることを確実化する上で非常に好適なものとなる。
次に、以上のような回折格子状の吸収層20を備える半導体レーザ装置1の製造手順について説明する。
図5は、半導体レーザ装置の製造手順の一例を示す説明図である。
回折格子状の吸収層20を備える半導体レーザ装置1の製造にあたっては、先ず、図5(a)に示すように、基板11上に、n−クラッド層12、n−ガイド層13、活性層14、p−ガイド層15および吸収層20を、例えば結晶成長を利用して、順に成膜する。このとき、吸収層20は、ベタ膜状に形成すればよい。
ベタ膜状の吸収層20を形成したら、その後は、図5(b)に示すように、当該吸収層20に対して、上述したスリット周期の回折格子を、例えばエッチングにより作製する。このときに用いる回折格子エッチング用レジストパターンの作製は、例えば、He−Cdレーザ光等をレンズで広げて平面光とした光を二手に分け、ウエハ面上で合波し干渉縞を形成することにより周期構造を形成する二光束干渉露光法を利用して行うことが考えられる。
そして、回折格子状の吸収層20の形成後は、その吸収層20埋め込むように、p−ガイド層15、p−クラッド層16およびコンタクト層17を、例えば結晶成長を利用して、順に成膜する。以上のような製造手順を経ることで、図1に示した積層構造を有してなる半導体レーザ装置1が得られることになる。
なお、以上に説明した実施形態では、本発明の好適な実施具体例を説明したが、本発明はその内容に限定されるものではない。すなわち、本実施形態で例に挙げた半導体レーザ装置の積層構造、その構成材料、膜厚等は本発明の一具体例に過ぎず、本発明が当該一具体例に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能であることはいうまでもない。
本発明に係る半導体レーザ装置における積層構造の構成例を示す説明図である。 本発明に係る半導体レーザ装置における積層構造の屈折率分布および光強度分布の具体例を示す説明図である。 光の発振波長と等価屈折率との関係の一具体例を示す説明図である。 光の発振波長と回折格子周期との関係の一具体例を示す説明図である。 本発明に係る半導体レーザ装置の製造手順の一例を示す説明図である。
符号の説明
1…半導体レーザ装置、11…基板、12…n−クラッド層、13…n−ガイド層、14…活性層、15…p−ガイド層、16…p−クラッド層、17…コンタクト層、18…n電極、19…p電極、20…吸収層

Claims (2)

  1. 第1のクラッド層と、第1のガイド層と、活性層と、第2のガイド層と、第2のクラッド層とが順に積層され、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に光導波路となる層が構成されるとともに、当該光導波路となる層が基本モードの光の他に高次モードの光をも導波する厚さに形成されている半導体レーザ装置において、
    前記光導波路となる層の構成層として、前記高次モードの光のみの発振を抑制する位置に、当該高次モードの光を吸収する吸収層が形成されている
    ことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記吸収層は、前記基本モードの光の発振波長に対応する周期の回折格子状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
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