JP2001337441A - ホトマスク、ホトマスクブランク及び前記ホトマスクを用いた半導体ウェハの露光方法 - Google Patents

ホトマスク、ホトマスクブランク及び前記ホトマスクを用いた半導体ウェハの露光方法

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JP2001337441A
JP2001337441A JP2001086229A JP2001086229A JP2001337441A JP 2001337441 A JP2001337441 A JP 2001337441A JP 2001086229 A JP2001086229 A JP 2001086229A JP 2001086229 A JP2001086229 A JP 2001086229A JP 2001337441 A JP2001337441 A JP 2001337441A
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photomask
thin film
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film
pattern
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Daisuke Kawamura
大輔 河村
Hiroshi Nomura
博 野村
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】被転写パターンとその周辺に形成される周辺パ
ターンを有するホトマスクにおいて、周辺パターンの影
響を受けにくい露光を行えるホトマスクおよびホトマス
クブランクを提供する。 【解決手段】この発明のホトマスクは、透明基板11、
パターン12、及びカルシウム弗化物からなる薄膜13
を有する。透明基板11は、第1の主面とこの第1の主
面と対向する第2の主面を持ち、露光光に対して透明で
ある。パターン12は、透明基板11の前記第1の主面
上に形成され、遮光膜、半透明膜、位相制御膜のうち、
少なくとも1つを有する。前記遮光膜は露光光を透過せ
ず、前記半透明膜は露光光の一部を透過し、また前記位
相制御膜は露光光の位相を制御する。カルシウム弗化物
からなる薄膜13は、透明基板11の前記第2の主面上
に形成され、透明基板11の裏面での再反射光を抑制す
る反射防止膜として働く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置の製
造に使用されるホトマスクおよびホトマスクブランク、
さらに前記ホトマスクを用いた半導体ウェハの露光方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の高集積化や半導体素
子の微細化が進むにつれて、要求されるパターンサイズ
が露光装置の解像限界に近づきつつある。このため、斜
入射照明法や位相コントロールマスク等の所謂超解像技
術がパターン転写に積極的に用いられてきている。ま
た、レジストのパターニングプロセスにおいても、レジ
ストの薄膜化によって解像限界を伸ばし、フォーカス裕
度を広げる試みが行われている。
【0003】理想的な光学系においては、光近接効果が
影響を及ぼす範囲におけるマスク上パターン配置が同一
であれば、被転写パターンの光学コントラスト、露光マ
ージン、レジストパターン形状は同一となる。
【0004】しかし、現実には解像性能が向上するにつ
れて、デザインが全く同一のパターンにおいてもその周
辺のパターン(構造)の違いによって、レジスト断面形
状やフォーカス・露光量裕度に差が生じる問題が発生し
ている。
【0005】例えば、全面に微細な周期パターンを配し
てなるホトマスクと、微細な周期パターンの周辺が遮光
膜で覆われてなるホトマスクとでは、同一のパターンデ
ザインであっても、レジストの断面形状に差が現れる。
具体的には、通常の光近接効果の影響は無視できる30
0μm四方のライン/スペース(L/S)パターンにお
いて、その周囲全てが遮光膜である場合に比べて、遮光
膜による周囲の平均被覆率が30%の場合、露光感度が
良くなって露光マージンが低下する。そのため、平均被
覆率が30%の場合、ポジ型レジストを使用すると、レ
ジストパターンの頭部が丸くなる。
【0006】これらの現象は、理想的な光学系では発生
しないバックグラウンド光(迷光(Flare))がレジス
ト上に照射されて、光学コントラストが低下することが
原因であると考えられている。
【0007】露光装置における迷光評価については、文
献1[J.P.Kirk,“Scattered lightin photolithograph
ic lenses",Proc.SPIE(1994)]に示される方法が一般的
に行われている。
【0008】透明基板上に数十μm四方の広い遮光パタ
ーンが存在するホトマスクを用いた場合、Siウェハ
(以下、単にウェハという)の遮光パターン直下の部分
には光が到達しないはずである。しかし、露光量を徐々
に増やしてゆくと、上記部分が迷光のために露光されて
しまう。文献1は、上記現象を利用して迷光の量を数値
化する方法を開示している。
【0009】また、迷光によるデバイスパターンへの影
響に関しては、文献2[C.Progler,“Potential causes
of across field CD variation",Proc.SPIE(1997)]や
文献3[E.Luce,“Flare impact on the intrafield CD
control for sub-0.25μm patterning",Proc.SPIE(199
9)]で報告されている。
【0010】これらの文献2,3により、迷光の量は露
光領域内でほぼ同心円状に分布することが分かってい
る。また、これに対応して、レジストパターンの寸法が
同心円状に変化をすることが実験的に実証されている。
【0011】図21は、従来のホトマスクを用いた場合
の露光の様子を示す概略図である。
【0012】図において、一般的な迷光は、レンズ81
(投影光学系)の表面、ホトマスク82(821は溶融
石英透明基板、822は遮光膜としてのCr膜/酸化C
r膜の積層膜)の上面、ホトマスク82の下面、及びウ
ェハ83の表面の反射が関与している。ホトマスク82
の上流側(照明光学系)で発生する迷光と、ホトマスク
82の下流側(投影光学系)で発生する迷光との2つに
分けることができる。図中、841はレジストの未露光
部分、842はレジストの露光部分を示している。
【0013】いずれの場合においても、迷光の量はホト
マスク82の被覆率(遮光膜の面積/溶融石英透明基板
の面積)に比例すると考えられる。迷光の影響は、バッ
クグラウンドとしてウェハ83上での光強度分布を嵩上
げし、パターンのコントラストを低下させるものと考え
られている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らの
鋭意研究によれば、ホトマスク82の周辺パターンの違
いによってレジスト断面形状等が変化する理由は、後述
詳説するように、迷光による影響ではないという実験結
果が得られている。
【0015】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、被転写パターンとその
周辺に形成される周辺パターンを有するホトマスクにお
いて、周辺パターンの影響を受けにくい露光を行えるホ
トマスクおよびホトマスクブランクを提供することにあ
る。さらに、前記ホトマスクを用いることにより、半導
体ウェハの露光工程を改善することができる半導体ウェ
ハの露光方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らの鋭意研究に
よれば、上述したレジスト断面形状等の変化の問題は、
ホトマスクの裏面での再反射光が原因であることを見出
した。本発明の骨子は、このような再反射光を抑制する
ことにある。
【0017】前記目的を達成するために、本発明を第1
の側面から見た第1のホトマスクは、第1の主面とこの
第1の主面と対向する第2の主面を持ち、露光光に対し
て透明な透明基板と、前記透明基板の前記第1の主面上
に形成され、前記露光光を透過しない遮光膜、前記露光
光の一部を透過する半透明膜、前記露光光の位相を制御
する位相制御膜のうち、少なくとも1つを有するパター
ンと、前記透明基板の前記第2の主面上に形成され、カ
ルシウム弗化物を有する薄膜とを具備することを特徴と
する。
【0018】前記第1のホトマスクでは、反射防止膜と
してカルシウム弗化物からなる薄膜を透明基板の裏面に
形成している。理想的な単層の反射防止膜(減反射単層
膜)の屈折率は、透明基板である溶融石英基板の屈折率
をns とすると、ns 1/2 である。
【0019】KrFレーザーやArFレーザーに対する
屈折率が理想値(=ns 1/2 )に近い材料としては、弗
化カルシウム(蛍石)とこれに添加物を加えた物質くら
いしか今のところ存在していない。
【0020】したがって、露光光がKrFレーザーやA
rFレーザーの場合、第1のホトマスクを用いれば、そ
の裏面での再反射を防止でき、周辺パターンの影響を受
けにくい露光を行えるようになる。なお、カルシウム弗
化物からなる薄膜は、その熱膨張係数を下げるための添
加物を含んでいることが好ましい。
【0021】また、前記目的を達成するために、本発明
を第2の側面から見た第2のホトマスクは、第1の主面
とこの第1の主面と対向する第2の主面を持ち、露光光
に対して透明な透明基板と、前記透明基板の前記第1の
主面上に形成され、前記露光光を透過しない遮光膜、前
記露光光の一部を透過する半透明膜、前記露光光の位相
を制御する位相制御膜のうち、少なくとも1つを有する
パターンと、前記透明基板の前記第2の主面上に形成さ
れ、少なくとも第1の薄膜及び第2の薄膜が積層されて
なる積層膜とを具備し、前記第1の薄膜は前記第2の主
面と前記第2の薄膜との間に設けられており、前記第1
の薄膜の屈折率は前記第2の薄膜の屈折率よりも大きい
ことを特徴とする。
【0022】前記第2のホトマスクでは、透明基板の第
2の主面(裏面)上に、少なくとも第1の薄膜、第2の
薄膜が順次積層された積層膜が設けられている。前記第
1の薄膜は第2の薄膜よりも屈折率が大きい。
【0023】このような積層膜は、第1および第2の薄
膜の材料が、通常の反射防止膜に用いられる物質であっ
ても、大きな反射率防止効果を期待できる。したがっ
て、第2のホトマスクを用いれば、ホトマスクの裏面で
の再反射を防止でき、周辺パターンの影響を受けにくい
露光を行えるようになる。
【0024】また、前記目的を達成するために、本発明
を第3の側面から見た第3のホトマスクは、前記第2の
ホトマスクにおいて、露光光の波長に対する透明基板の
屈折率をns 、前記第1の薄膜の屈折率をnf1、前記第
2の薄膜の屈折率をnf2とした場合、nf1≧nf2×ns
1/2の関係を満たすこと特徴とする。
【0025】nf1≧nf2×ns 1/2の関係を満たす場
合、透明基板の裏面での反射率を概ね零にすることがで
きる。したがって、透明基板、第1の薄膜および第2の
薄膜の材料として、上記関係を満たすものを使用するこ
とにより、周辺パターンの影響を受けにくい露光を行え
るようになる。具体的には、例えば、透明基板の材料は
石英、第1の薄膜の材料は酸化マグネシウム、第2の薄
膜の材料は弗化マグネシウムである。
【0026】ここで、将来のArFレーザーやF2 レー
ザー等を光源とした光リソグラフィにおいては、nf1
f2×ns 1/2の関係を満たす材料を使用できないか、
あるいは存在しない可能性がある。
【0027】このような場合、上記第1および第2の薄
膜を含む3層以上の積層膜を用いることにより、高い反
射防止効果を期待できる。しかし、これらの薄膜の材料
がどのような組み合わせであっても、重ね合せる薄膜の
数が増えると反射率の入射角依存性が狭くなる傾向があ
る。したがって、実用的な層数は多くとも10層程度で
ある。
【0028】なお、反射防止膜は従来から知られている
が、従来の反射防止膜は、透明基板とその表面に形成さ
れた遮光膜からなるパターンとの界面での反射による迷
光および該パターンの表面での反射による迷光の発生を
防止することを目的としている。なぜなら、ホトマスク
全体での反射のほとんどが上記反射によるものであるか
らである。しかし、本発明が抑制しようとしている迷光
は、上記従来の反射による迷光ではなく、透明基板の裏
面での反射による迷光である。したがって、本発明と従
来とでは、抑制の対象としている迷光は全く異なるもの
である。
【0029】図22に、本発明のホトマスクを用いた場
合の露光の様子を示す。図21の従来のホトマスク82
とは異なり、溶融石英透明基板821の裏面には反射防
止膜85が形成されている。
【0030】本発明のホトマスクの特徴は、反射防止膜
85が、溶融石英透明基板821と露光雰囲気(大気)
との界面に入射する露光光の反射光の反射率を低下させ
る材料(光学定数)、及び厚さで形成されていることに
ある。反射防止膜85の材料は、露光波長に対して吸収
(消衰性)がないか、もしくは非常に小さいことが望ま
しい。また、吸収を持つ場合には、再結晶化、あるいは
点欠陥発生等による光学特性変化がないことが望まし
い。
【0031】本発明のホトマスクを用いた場合、ウェハ
83の上面における反射光が、ほぼ完全な反射防止が施
されているレンズ81(投影光学系)を通り、ホトマス
ク82の表面に到達する。ウェハ83の表面における反
射光の大半は、ウェハ83の上位置に対応するホトマス
ク82上の位置に戻る。
【0032】このとき、反射防止膜85により、ホトマ
スク82の裏面と露光雰囲気(大気)との界面における
反射光(再反射光)を低減できるので、該界面での反射
による迷光の発生を効果的に防止できる。これにより、
高開口率のホトマスク使用時における露光マージン低下
を十分に抑制できる。
【0033】その結果、高開口率のポジ型レジストを使
用した場合でも、図23(a)に示すような、頭部形状
が丸いレジストパターン86ではなく、低開口率のポジ
型レジストを使用した場合と同様に、図23(b)に示
すような、頭部形状が良好な形状(矩形形状)のレジス
トパターン87が得られる。
【0034】また、前記目的を達成するために、本発明
を第4の側面から見たホトマスクブランクは、第1の主
面とこの第1の主面と対向する第2の主面を持ち、露光
光に対して透明な透明基板と、前記透明基板の前記第1
の主面上に形成され、前記露光光を透過しない遮光膜、
前記露光光の一部を透過する半透明膜、前記露光光の位
相を制御する位相制御膜のうち、少なくとも1つを有す
る薄膜と、前記透明基板の前記第2の主面上に形成さ
れ、少なくとも第1の薄膜及び第2の薄膜が積層されて
なる積層膜とを具備し、前記第1の薄膜は前記第2の主
面と前記第2の薄膜との間に設けられており、前記第1
の薄膜の屈折率は前記第2の薄膜の屈折率よりも大きい
ことを特徴とする。
【0035】また、前記目的を達成するために、本発明
を第5の側面から見た半導体ウェハの露光方法は、デバ
イス機能を元にした設計データを作成する第1工程と、
前記設計データを元に、光近接効果補正(以下OPC)
ルール取得用のホトマスクを作成する第2工程と、前記
OPCルール取得用のホトマスクを用いて、ウェハ上の
薄膜をパターニングするための露光を行う第3工程と、
前記露光により形成されたウェハ上のパターンの寸法を
測定する第4工程と、測定により得た前記パターンの寸
法を元に、OPCルールを取得する第5工程と、取得し
た前記OPCルールを使用して、前記第1工程の設計デ
ータを満足するパターンがウェハ上に得られるように、
ホトマスク上に形成する被転写用パターンの寸法を補正
する第6工程と、前記被転写用パターンを第1の主面上
に有し、この第1の主面と対向する第2の主面上に反射
防止膜を有するホトマスクを作成する第7工程と、前記
第7工程で作成した前記ホトマスクを用いて、ウェハ上
の薄膜をパターニングするための露光を行う第8工程と
を具備することを特徴とする。
【0036】前記構成を有する半導体ウェハの露光方法
では、光近接効果補正(OPC)ルール取得用のホトマ
スクに、前記第1のホトマスクを用いること、及び半導
体ウェハの露光工程に前記第1のホトマスクを用いるこ
とにより、半導体ウェハの露光工程における、OPCル
ール取得時間の短縮や、露光工程によって形成されるパ
ターンの寸法精度の向上などの改善を行うことができ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態(以下、実施
形態という)を説明する前に、本発明の創作の基礎とな
った検討結果、研究結果などについて説明する。
【0038】ウェハ上面からの反射光は、下層反射防止
膜の使用が一般的である現在では、レジストと露光雰囲
気との界面での反射により決まる。例えば、KrFレジ
ストを使用した場合、入射光を1とした時の反射率は6
〜7%、一般的な上層反射防止膜を使用した場合でも約
3%である。
【0039】レジストの材料は、解像性、さらにはドラ
イエッチング耐性の面からも限定されている。このた
め、レジストの材料を工夫することにより、レジストと
露光雰囲気との界面での反射率を低下させることは困難
である。
【0040】上記ウェハ上面からの反射光は、レンズお
よびホトマスクで再反射されて迷光としてレジスト上に
照射されると考えられる。しかし、レンズ表面にはほぼ
完全な反射防止膜が形成されていることから、ホトマス
クが再反射面であると考えられる。
【0041】ホトマスク下面(ホトマスク表面)の遮光
部であるCr膜には、酸化Cr膜による反射防止が施さ
れている。この場合でも、ホトマスク下面でのKrF光
の反射率は約17%である。開口率が高いほど、すなわ
ちCr膜/酸化Cr膜の面積比が小さいほど、迷光の影
響は強い。
【0042】反射光がホトマスク上にほぼ均一に戻って
いるのならば、迷光は被覆率に対して最小値をもつ偶関
数的分布を持つ可能性が高く、ウェハ表面からの反射光
の大部分は、ウェハ上に相当するホトマスク上の位置、
すなわち開口部(遮光部が形成されいない部分)に戻っ
ていると考えられる。
【0043】一方、ウェハの表面および裏面には反射防
止膜が形成されていないが、反射率は約9%と比較的大
きい。ウェハの表面および裏面での再反射、ならびにウ
ェハの内部での多重反射の存在によって、迷光光が発生
し、開口率が高いホトマスクを使用した場合には光学コ
ントラストが低下する。
【0044】そこで、本発明者らは、露光装置の迷光を
擬似的に増やす目的でホトマスク無しの露光を行った直
後に、被覆率の高いホトマスク(すなわちパターン周辺
が遮光膜で覆われたホトマスク)でパターン転写を行っ
た。そして、フォーカス・露光量裕度、レジストの断面
形状の変化を調べてみた。
【0045】その結果、擬似的な迷光の増加に従って、
フォーカス・露光量裕度は狭くなる傾向にあったが、期
待されるほどのレジスト断面形状等の変化は見られなか
った。すなわち、レジスト断面形状等の変化は、従来か
ら言われていた露光装置の迷光が原因であるとは考えに
くい結果が得られた。
【0046】レジストプロセスは、フォーカス・露光量
裕度が最大になるように条件を詰めて行くが、レジスト
の薄膜化に伴い、レジスト断面形状も重要なファクター
になってきている。すなわち、半導体プロセスでは、レ
ジストパターンをマスクとして絶縁膜や金属膜等の下地
をエッチングする工程を繰り返すが、レジストの薄膜化
に伴い、エッチング後の下地の断面形状に与える、レジ
スト断面形状の影響が大きくなってきている。
【0047】したがって、ホトマスクの被覆率や、ホト
マスクの中心部と周辺部との間のパターンの違いによっ
て、レジストの断面形状に差が生じてしまうと、統一的
なレジストプロセスの構築が困難となる。このため、ホ
トマスク毎にレジストプロセスを変更しなければならな
いという問題が発生している。
【0048】また、今日一般的に行われている光近接効
果補正(OPC)に対する影響も多大なものがある。す
なわち、ホトマスク毎に異なるOPCのルールデータが
必要となり、現実的なルールデータの取得はもはや困難
である。
【0049】以上述べてきた内容は、以下の3点にまと
められる。
【0050】(1)ホトマスクにおいて、パターンの周
辺部の違いによりレジスト断面形状に差が生じている。
【0051】(2)この現象を引き起こす原因は、従来
から言われていた露光装置の迷光ではない。
【0052】(3)この現象が与えるリソグラフィプロ
セスや光近接効果補正技術への影響は多大である。
【0053】図1に、露光装置を模式的に示す。
【0054】図中の1は、2θ1 の広がりを持つ照明光
(露光光)を示している。この照明光1は、ホトマスク
2を照明し、投影レンズ3(投影光学系)により縮小投
影されて、ホトマスク2上のパターンをウェハ上のレジ
スト4に転写する。
【0055】上記パターンの縮小率は、投影レンズ3の
上流側NAと投影レンズ3の下流側のNAの比(sin
θp´/sinθp )で表わされる。sinθp´は上流
側NAに相当する角度、sinθp は下流側のNAに相
当する角度である。例えば、縮小率1/4の露光装置に
おいては、sinθp´/sinθp =1/4となる。
通常、露光装置のNA(開口数)と呼ぶ場合、それは下
流側のNA(=sinθp )を指す。
【0056】また、照明コヒーレンシーσは、照明NA
と投影レンズの上流側のNAとの比(sinθ1 /si
nθp´)で表わされる。照明コヒーレンシーσが、1
未満である照明を明視野照明と呼び、照明コヒーレンシ
ーσが、1以上の照明を暗視野照明と呼ぶ。通常の露光
装置では、最大でも、照明コヒーレンシーσは0.8程
度の明視野照明である。
【0057】図2に、ホトマスク2上の周期パターンが
レジスト4上に転写される様子を模式的に示す。
【0058】照明光1は、ホトマスク2のパターン面に
配置された周期パターン5によって回折され、瞳6上で
は零次光7と一次光8に回折する。瞳6の内側を通過す
る回折光のみがレジスト4上に到達し、縮小された周期
パターンがレジスト4上に結像される。照明光1の形状
と各回折光7,8の形状は相似形をなす。瞳6の半径と
零次光7の半径の比が、照明コヒーレンシーσである。
【0059】図3に、周期パターン5を結像させた時の
ホトマスク2内部での反射や回折の様子を示す。
【0060】照明光1は、ホトマスク2のパターン面を
透過回折するだけでなく、反射回折光も同時に発生させ
ている。この反射回折光は、ホトマスク2の裏面(周期
パターン5とは反対の面での分布は、瞳6上での回折光
分布と相似形をなしている。ただし、各回折光間の強度
比は、必ずしも透過回折光と同じではない。これらの反
射回折光はホトマスク2の裏面で再び反射し、再反射光
となって近傍のパターンを再照明する。
【0061】点Aと点Bで反射した反射回折光が再照明
する時の入射角度はθ1 よりも小さいため、結像特性に
与える影響は無い。点Cで反射した反射回折光が再照明
する時の入射角度はθ1 よりも大きいため、照明コヒー
レンシーσよりもσ値の大きな照明であるが、θp´よ
りは小さいので明視野照明であることには変りない。し
たがって、結像特性に与える影響は小さい。しかし、点
Dと点Eで反射した反射回折光が再照明する時の入射角
度はθp´よりも大きく、暗視野照明となる。
【0062】なお、現象を模式的に図示する際、理解し
易くする目的で、ここでは光の屈折現象は無視してい
る。本来、屈曲率nの媒体中を通過する光線は、スネル
の公式に従って進む角度が真空中(或いは大気中)とは
異なるが、図中では、媒体中の光線の角度は大気中と同
じであるとして図示している。したがって、媒体中を進
む光線の実際の角度は、スネルの公式に従って変換しな
ければならない。図中で示す媒質中での入射角は、露光
雰囲気(大気中)への出射角である。
【0063】次に、迷光による光強度分布の変化と暗視
野照明による光強度分布の変化との違いについて説明す
る。
【0064】図4に、迷光によるウェハ上のレジストの
光強度分布の変化を示し、図5に、暗視野照明効果によ
るウェハ上のレジストの光強度分布の変化を示す。図4
から、迷光が存在しても分布全体がシフトするだけで、
光強度分布の形状は変わらいことが分かる。これは、迷
光の存在は、光強度を一律に嵩上げするだけであるから
だと考えられる。また、図5から、暗視野照明による結
像の周期が、暗視野照明の周期の1/2であることか
ら、暗視野照明の存在は、レジスト上での光強度分布の
形状を太らせると考えられる。
【0065】図6(a)、図6(b)、図6(c)に、
このような光強度分布の変化に伴うレジストの断面形状
の差を確認するために、本発明者らが行なった実験結果
を示す。
【0066】図6(a)は、パターンの周辺部が遮光膜
で覆われた被覆率の大きなホトマスクを用いて露光した
場合のレジストパターン10の断面形状を示している。
レジストプロセスのチューニングは、ホトマスクを用い
て行われているため、レジストパターン10の断面形状
は基本的には角張った矩形となるが、実際にはむしろや
や逆テーパーなくらいであった。
【0067】図6(b)は、5%程度の露光量でホトマ
スクを使用せずに露光を行なうことで擬似的に迷光の量
を嵩上げした後、ホトマスクを使用して露光した時のレ
ジストパターン10の断面形状を示している。上記ホト
マスクは図6(a)で使用したホトマスクと同じもので
ある。図6(a)に対し、図6(b)はフォーカス・露
光量裕度の低下は見られたが、レジスト断面形状の差は
見られなかった。
【0068】図6(c)は、全面に周期パターンを配置
した被覆率の小さなホトマスクを使用して露光した場合
のレジストパターン10の断面形状である。図6(a)
に対し、図6(c)はフォーカス・露光量裕度の低下が
見られ、さらにレジスト断面形状が丸まる現象が見られ
た。以上、説明して来たように、図6(c)におけるレ
ジスト断面形状の変化は、これまでの説明から、暗視野
照明効果に原因があることは明らかである。
【0069】[第1の実施形態]次に裏面に反射防止処
理を施していない従来のホトマスクについて説明した後
に、本発明の第1の実施形態に係るホトマスクを説明す
る。露光に用いた露光装置は、縮小率が1/4、NAが
0.68のKrFエキシマレーザー光を光源としたスキ
ャナーである。
【0070】図7に、リソグラフィ工程で使用される従
来のホトマスクの断面図を示す。このホトマスクは、溶
融石英透明基板(以下、単に透明基板という)11と、
周期的なパターン12とから構成されている。透明基板
11は、露光光に対して透明である。パターン12は、
透明基板11の表面(第1の主面)上に形成され、遮光
膜からなる。
【0071】透明基板11のKrFエキシマレーザー光
に対する屈折率ns は1.51である。透明基板11と
露光雰囲気(大気)との界面でのKrFエキシマレーザ
ー光の反射率は、図8に示すように、入射角0°から2
0°の範囲内で概ね4%である。
【0072】なお、露光雰囲気(大気)から透明基板1
1へ入射角θで入射した光線の反射率R、および透明基
板11の内部から露光雰囲気(大気)へ出射角θで出射
した光線の反射率R′(図7参照)は、反射防止膜が形
成された場合であっても、反射防止膜の消衰係数が零で
あれば厳密に等しい。このため、図8では、露光雰囲気
から透明基板11へ入射角θで入射した光線の反射率で
表現した。また、図中RsおよびRpはそれぞれKrF
エキシマレーザー光の入射面に対する垂直成分および平
行成分を示している。
【0073】図9に、本発明の第1の実施形態に係るホ
トマスクの断面図を示す。このホトマスクが図7の従来
のそれと異なる点は、透明基板11の裏面(第2の主
面)上に単層の反射防止膜として、弗化カルシウム(蛍
石)薄膜13が形成されていることにある。弗化カルシ
ウム薄膜13は、例えば蒸着により形成する。
【0074】この弗化カルシウム薄膜13のKrFエキ
シマレーザー光(λ=0.248μm)に対する屈折率
は別途実験より測定し、n=1.24であった。また、
本露光装置の上流側NAに相当する角度は約10度であ
る。また、予想される反射1次回折光の最大出射角15
度であることから、入射角10度から15度の範囲内で
最も反射率が小さくなるように、弗化カルシウム薄膜1
3の膜厚を選び、0.052μmとした。
【0075】図10に、透明基板11の裏面に形成した
弗化カルシウム薄膜13の膜厚と、KrFエキシマレー
ザー光の反射率との関係を示す。
【0076】透明基板11の裏面が弗化カルシウム薄膜
13で被覆された本発明のホトマスクを用いた場合のエ
キシマレーザー光の反射率は、約0.4%である。さら
に、反射率は、弗化カルシウム薄膜の膜厚に対して周期
的に変化していることが分かる。しかし、直入射(θ=
0°)と斜入射(θ=20°)での最適膜厚の差は、周
期が多くなるに従い、大きくなっている。
【0077】これに対し、図8に示したように、透明基
板11の裏面が弗化カルシウム薄膜13で被覆されてい
ない、従来のホトマスク(弗化マグネシウム薄膜13が
ないホトマスク)を用いた場合のKrFエキシマレーザ
ー光の反射率は、約4%である。
【0078】図7および図9のホトマスクを用いた露光
実験の結果は、以下のようになった。図7の従来のホト
マスク(弗化カルシウム薄膜無し)を使用した露光で
は、レジストの断面形状はかまぼこ形状であった。図9
の本発明のホトマスク(弗化カルシウム薄膜有り)を使
用した露光では、レジストの断面形状はほぼ矩形形状に
なることが確認できた。
【0079】しかし、弗化カルシウムは、非常に高価な
材料であり、基板材料である溶融石英に比べて、約30
倍の熱膨張係数を持ち、さらに大気中の湿気を吸収して
解けてしまう性質(潮解性:deliguescence)つ。この
ため、ホトマスクの反射防止膜に用いる材料としては、
容易に使用できるものとは言い難い。実際の使用には、
弗化カルシウムに添加物などを加え、熱膨張係数を下げ
ることが好ましい。
【0080】反射防止膜の材料として、最も一般的に用
いられているものとして、弗化マグネシウムがあげられ
る。図11に、透明基板11の裏面に形成した単層の弗
化マグネシウム薄膜の膜厚とKrFエキシマレーザー光
の反射率との関係を示す。図から、KrFエキシマレー
ザー光の反射率を4%から2%までしか減らすことがで
きず、充分な反射防止効果は期待できないことが分か
る。
【0081】なお、弗化マグネシウム等の容易に使用可
能な材料を用いて、充分な反射防止効果を期待できるホ
トマスクについては、次の第2の実施形態(多層構造の
反射防止膜を使用したホトマスク)で説明する。
【0082】理想的な単層の反射防止膜の屈折率は(n
s 1/2 =1.22である。弗化カルシウムの屈折率は
1.24であり、この理想値に近い。一方、弗化マグネ
シウムの屈折率は1.41である。この屈折率の差が、
反射率の差に現われていると考えられる。
【0083】以上述べたように本実施形態によれば、透
明基板の裏面を弗化カルシウム薄膜で被覆し、ホトマス
クの裏面に極めて高い反射防止効果をもたせることで、
ホトマスクの裏面で露光光が再反射することによる暗視
野照明効果を防止できる。これにより、ホトマスクのパ
ターン周辺部の違いによるレジスト断面形状の差などの
問題を解決でき、もって統一的なレジストプロセスの構
築が可能になる。
【0084】[第2の実施形態]図12は、本発明の第
2の実施形態に係るホトマスクの断面図である。なお、
以下の各実施形態の説明で用いる図において、前出の図
と対応する部分には前出の図と同一符号を付してあり、
詳細な説明は省略する。
【0085】本実施形態が第1の実施形態と異なる点
は、透明基板11の裏面が、反射防止膜としての積層薄
膜(酸化マグネシウム薄膜14、弗化マグネシウム薄膜
15)により被覆されていることにある。酸化マグネシ
ウム薄膜14は、大きな屈折率nf1を有する。弗化マグ
ネシウム薄膜15は、小さな屈折率nf2を有する。これ
らの薄膜14,15の材料である酸化マグネシウムおよ
び弗化マグネシウムは、弗化カルシウムに比べて、使用
が容易な材料である。
【0086】別途実験により測定したKrFエキシマレ
ーザー光に対する酸化マグネシウム薄膜と弗化マグネシ
ウム薄膜の屈折率は、それぞれ1.75と1.41であ
った。これらの薄膜14,15は、蒸着により形成す
る。酸化マグネシウム薄膜と弗化マグネシウム薄膜の膜
厚は、それぞれ30nmと45nmである。
【0087】図13に、以上の値を用いて計算により求
めた、反射率と入射角との関係を示す。
【0088】図から、入射角10度から15度の範囲内
での反射率は、0.01%以下である。よって、上記範
囲内では高い反射防止効果を期待できる。特に、本実施
形態で挙げた薄膜材料の組合わせは、溶融石英基板の屈
折率をns とした場合、 nf1≧nf2×(ns 1/2 (式1) を満たしている。すなわち、 1.75>1.41×(1.51)1/2 =1.72 である。この条件を満たす材料の組み合わせは、膜厚を
選ぶことで反射率をほぼ零にすることが可能である。
【0089】図12の本実施形態のホトマスクを用いた
露光実験の結果、図9の第1の実施形態のホトマスクを
使用した露光の場合と同様に、レジストの断面形状はほ
ぼ矩形形状になることが確認できた。
【0090】なお、本実施形態では、酸化マグネシウム
薄膜と弗化マグネシウム薄膜の組合わせを用いたが、本
発明はこの組合わせに限定されるものではない。透明基
板上に、屈折率の大きな材料を主成分とする薄膜、屈折
率の小さな材料を主成分とする薄膜が順次形成されたも
のであれば、吸収が少ない如何なる薄膜の組み合わせで
も良い。
【0091】[第3の実施形態]図14は、本発明の第
3の実施形態に係るホトマスクの断面図である。
【0092】積層構造の反射防止膜は、層数が多いほ
ど、高い反射防止効果を期待できる材料選択の幅が広く
なる。そのため、積層構造の反射防止膜は、今後、益々
短波長化したリソグラフィに対しても、有効な反射防止
膜となりえる。しかし、層数が多くなるほど、反射防止
効果の入射角依存性が狭くなる傾向があるため、10層
以上の積層構造の反射防止膜は現実的ではない。
【0093】図14に示した本実施形態のホトマスク
は、透明基板11の裏面が3層構造の反射防止膜16
(第1の薄膜161、第2の薄膜162、第3の薄膜1
63)により被覆されていることを特徴としている。こ
のホトマスクでは、第1〜第3の薄膜161〜163
で、反射率を0.1%以下に抑えるような設計が可能で
ある。
【0094】第1の薄膜161の材料と第3の薄膜16
3の材料とが同じであっても良いし、あるいは異なって
いても良い。しかし、反射率を効果的に抑えるために
は、第2の薄膜162の屈折率が、第1および第3の薄
膜161,163の屈折率よりも大きくなるように、第
1〜第3の薄膜161〜163の材料を選ぶことが望ま
しい。
【0095】なお、従来の露光技術の一つとして、図1
5に示すように、露光光91の光路上に入射角度に依存
する多重干渉膜92を設けることによって、輪帯状の斜
入射照明を実質的に実現することが提案されている(特
開平7−211617)。図中の93は照明光学系、9
4はマスクを示している。
【0096】多重干渉膜92は、一見、図14の本発明
の多層構造の反射防止膜16と似ているが、多重干渉膜
92による入射角依存性を、本実施形態の反射防止膜1
6により実現するためには、最低でも数十層の薄膜が必
要である。言い換えれば、本発明で提案している10層
未満の積層構造の反射防止膜は、充分な反射防止効果は
期待できるが、多重干渉膜92の効果である入射角依存
性は実現できない。
【0097】また、上記公開公報(特開平7−2116
17)には、図16に示すように、NAが0.5、σが
0.7のi線露光装置を用いた場合の多層薄膜92の入
射角特性が開示されている。図から、多層薄膜92は、
約4.0度で透過率が最大となり、約6.0度では充分
に透過率が減少することが分かる。この時のθ1 は約
4.0度、θp´は約5.7度である。これに対して、
本発明で実現する反射防止特性は、特に入射角度がθp
´(>θ1 )以上の領域において反射率を抑えることが
できるものであり、両者は全く異なる発明であるといえ
る。
【0098】[第4の実施形態]図17(a)〜図17
(g)は、本発明の第4の実施形態に係るホトマスクブ
ランクを示す断面図である。
【0099】図において、17は遮光膜、18および1
9は反射防止膜、20および21は半透明膜、22およ
び23は位相シフト膜を示している。図17(a)〜図
17(g)の各断面図は、図18の平面図における20
−20線に沿った断面に相当するものである。
【0100】透明基板の反射防止膜よりも外側の部分
は、ホルダでホトマスクブランクを保持する際の保持箇
所となる。ホトマスクブランクを構成する各膜の寸法
は、以下の通りである。すなわち、酸化マグネシウム薄
膜14は30nm、弗化マグネシウム薄膜15は50n
mである。また、遮光膜17、反射防止膜18,19、
半透明膜20,21、位相シフト膜22,23は、それ
らの材料の違いやブランクスの種類によって、それぞれ
最適な寸法が選択される。
【0101】図17(a)〜図17(c)は、バイナリ
ーマスクに対応したホトマスクブランクを示している。
遮光膜17にはCrまたはMoSi等が用いられる。図
17(b)の反射防止膜18は、遮光膜17と露光雰囲
気(大気)との界面での反射を抑制するためのものであ
る。図17(c)の反射防止膜18,19は、上記界
面、および遮光膜17と透明基板11との界面での反射
を抑制するためのものである。反射防止膜18,19の
材料には、CrOx等が用いられる。また、反射防止膜
18,19は、同じ材料でも良く、異なる材料でも良
い。
【0102】図17(d)〜図17(f)は、Atte
nuatedタイプの位相シフトマスクに対応したホト
マスクブランクを示している。半透明膜20は透過率が
数%あり、位相がコントロールされている。半透明膜2
0の材料は、例えばMoSi、MoSix y 2 、S
iNx 、またはCrFx などである。特に、図17
(e)に示したマスクブランクは、半透明膜20の半透
明機能(主機能)および位相コントロール機能(副機
能)を、それぞれ別の膜21,22に持たせたタイプの
ものである。半透明膜21が半透明機能、位相シフト膜
22が位相コントロール機能を担っている。
【0103】図17(g)は、Alternating
タイプの位相シフトマスクに対応したホトマスクブラン
クを示している。位相シフト膜23の材料には、例えば
SiO2 が用いられる。
【0104】図17(a)〜図17(g)に示したホト
マスクブランクの製造方法は、2層構造の反射防止膜の
形成工程を除いて基本的には従来のそれと同じである。
例えば、図17(a)に示したホトマスクブランクの製
造方法は、まず、透明基板11の表面に遮光膜17とな
る第1の薄膜をスパッタ法、好ましくは蒸着法により形
成する。第1の薄膜をエッチングして、所定形状の遮光
膜17を形成する。次に、透明基板11の裏面に酸化マ
グネシウム薄膜14、弗化マグネシウム薄膜15を順
次、スパッタ法により形成する。最後に、これらの薄膜
14,15をエッチングして、所定形状の積層構造の反
射防止膜を形成する。図17(b)〜図17(g)に示
した他のホトマスクブランクも、上記製造方法に準じて
同様に製造することができる。
【0105】図17(a)のホトマスクブランクからホ
トマスクを製造するには、リソグラフィとエッチングを
用いて遮光膜17を加工してパターンを形成すれば良
い。他の図17(b)〜図17(g)のホトマスクブラ
ンクからホトマスクを製造する場合も同様である。
【0106】なお、図17(a)〜図17(g)では、
2層構造の反射防止膜(酸化マグネシウム薄膜14/弗
化マグネシウム薄膜15)を用いたマスクブランクにつ
いて説明したが、3層以上の積層構造の反射防止膜を用
いても良く、さらにカルシウム弗化物からなる単層の反
射防止膜を用いても良い。
【0107】図17(a)〜図17(g)に示したホト
マスクブランクの変形例としては、遮光膜側にレジスト
を設けたものがあげられる。例えば、図17(a)のホ
トマスクブランクであれば、遮光膜17の表面にレジス
トを設ける。図17(b)および図17(c)のホトマ
スクブランクであれば、反射防止膜18の表面にレジス
トを設ける。以上が、第4の実施形態である。
【0108】[第5の実施形態]次に、本発明の第5の
実施形態として、本発明のホトマスクを用いた半導体ウ
ェハの露光方法について説明する。
【0109】図19は、本発明の第5の実施形態に係る
ホトマスクを用いた半導体ウェハの露光方法を示すフロ
ーチャートである。
【0110】まず、ステップS0では、デバイス機能を
元にした設計データを作成する。続いて、ステップS1
では、ステップS0にて作成した設計データを元に、光
近接効果補正(OPC)ルール取得用のホトマスクを作
成する。作成するホトマスクは、本発明のホトマスクで
あり、遮光膜等が形成される第1の主面(表面)と対向
する第二の主面(裏面)に、反射防止膜を有するホトマ
スクである。
【0111】ステップS2では、前記OPCルール取得
用のホトマスクを用いて、ウェハ上の薄膜をパターニン
グするための露光を行う。続いて、ステップS3では、
ステップS2での露光により形成されたウェハ上のパタ
ーンの寸法を測定する。ステップS4では、ステップS
3にて測定により得たデータを元にOPCルールを取得
する。
【0112】次に、ステップS5では、ステップS4に
て取得したOPCルールを使用して、ステップS0の設
計データを満足するパターンがウェハ上で得られるよう
に、マスク寸法を補正する。続いて、ステップS6で
は、ステップS5にて補正したマスク寸法を持つホトマ
スクを作成する。作成するホトマスクは、本発明のホト
マスクであり、遮光膜等が形成される第1の主面と対向
する第二の主面に、反射防止膜を有するホトマスクであ
る。ステップS7では、ステップS6にて作成したホト
マスクを用いてウェハの露光を行い、半導体装置(製
品)を製造する。以上により、半導体装置の露光方法を
終了する。
【0113】前記ステップS3におけるパターンの寸法
測定は、測長SEMなどの寸法測定装置を用いて行う。
なお、RIEなどによりエッチング加工を行って評価用
パターンを作成し、この評価用パターンの電気特性(電
流値、電圧値)を測定することにより、パターンの寸法
を求めても良い。
【0114】また、ウェハ全面には、ステッパーにより
所定サイズの露光エリアが複数個形成されている。前記
露光エリアをショットという。例えば、1枚のウェハ上
には20ショットが形成される。前記パターンの測定ポ
イント数(OPCデータ数)は、1ショット当たり20
〜25ポイント程度であるから、1枚のウェハ上の20
ショットでは400〜500ポイント程度となる。必要
に応じて、ウェハを複数枚用意し、ショット数を20〜
100程度まで増やしても良い。
【0115】このような半導体ウェハの露光方法では、
ステップS1にて作成するホトマスクに、第二の主面
(裏面)に反射防止膜を有するホトマスク(発明のホト
マスク)を用いているので、ステップS1からステップ
S4におけるOPCルールの取得のための作業が効率化
できる。
【0116】従来のホトマスクを用いてOPCルールを
取得する場合、遮光膜等の被覆率に応じてOPCルール
が異なるため、すなわちOPCルールには被覆率依存性
があるため、図20(a)〜図20(f)に示すよう
に、周辺パターンの被覆率が異なるOPCルール取得用
パターンを3〜10水準程度用意して、被覆率ごとにO
PCルールを取得しなければならなかった。
【0117】前記図20(a)〜図20(f)は、OP
Cルール取得用パターンを有するホトマスクの平面図で
ある。ホトマスクは、寸法測定対象のパターンが形成さ
れる領域31と、この領域31の周辺部に存在する、周
辺パターンが形成される領域32A、32B、…、32
Fとを持っている。領域32A、32B、…、32F領
域はそれぞれ周辺パターンの被覆率が異なり、図20
(a)〜図20(f)に示すホトマスクは周辺パターン
の被覆率が異なる、OPCルール取得用パターンを有す
るホトマスクを示している。
【0118】本発明では、裏面に反射防止膜を有するホ
トマスクを用いることにより、OPCルールの被覆率依
存性を低減できるため、周辺パターンの被覆率が1種類
のOPC取得用パターンを用いてOPCルールを取得す
ればよい。これは、半導体ウェハの露光工程を多数有す
る、半導体装置の製造方法において有利である。
【0119】また、ステップS7にて作成するホトマス
クに、第二の主面(裏面)に反射防止膜を有するホトマ
スク(発明のホトマスク)を用いているので、遮光膜等
の被覆率の違いによる影響を受けることなく、露光を行
うことができる。
【0120】以上、本発明の第1〜第5の実施形態につ
いて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定され
るものではない。例えば、上記実施形態では、露光光が
KrFレーザーの場合について主として説明したが、本
発明は露光光がArFレーザーやF2 レーザーなどの場
合にも有効である。その他、本発明の要旨を逸脱しない
範囲で、種々変形して実施できる。
【0121】また以下に、その他の実施形態とその効果
について記述しておく。
【0122】DRAM製造に用いるホトマスクのうち、
クリティカルレイヤーと呼称されるリソグラフィの露光
(プロセス)マージンが狭いレイヤーに、下記関係を満
たす第1及び第2の薄膜より形成される反射防止膜を第
二の主面(裏面)に有するホトマスクを使用する。
【0123】露光波長に対する透明基板の屈折率を
s 、透明基板上に設けられる第1の薄膜の屈折率をn
f1、前記第1の薄膜上に設けられる第2の薄膜の屈折率
f2とした場合、nf1≧nf2×s 1/2 である。
【0124】具体的には、密なライン/スペース(L/
S)パターンおよび、疎なラインもしくはスペースパタ
ーンで形成されるゲートレイヤおよびビット線レイヤに
使用する。ポジ型レジストを使用した場合には、ホトマ
スクの平均的な被覆率はゲートレイヤで約30%、ビッ
ト線レイヤで約70%である。
【0125】従来の(裏面に反射防止膜を有しない)ホ
トマスクを使用した場合、光近接効果が及ぶ範囲で、か
つホトマスク上で同じパターン配置であっても、ゲート
レイヤとビット線レイヤではレジスト断面形状および露
光(プロセス)マージンが異なり、ゲートレイヤのレジ
スト断面形状は頭部が丸いものとなっていた。そこで、
ゲートレイヤでは現像条件を変更することによって、ビ
ット線レイヤと同等の露光マージンおよび矩形に近いレ
ジスト断面形状を得ていた。
【0126】一方、前記第1及び第2の薄膜からなる反
射防止膜を設けたホトマスクを使用した場合には、レジ
ストプロセスを変更しなくても、ゲートレイヤとビット
線レイヤで同等の露光マージンおよび矩形に近いレジス
ト断面形状を得ることができた。
【0127】また、光近接効果補正(OPC)のための
ルールデータ取得に用いるホトマスク、および前記ルー
ルによって補正された半導体装置製造のためのホトマス
クとして、下記関係を満たす第1及び第2の薄膜より形
成される反射防止膜を第二の主面(裏面)に有するホト
マスクを使用する。
【0128】露光波長に対する透明基板の屈折率を
s 、透明基板上に設けられる第1の薄膜の屈折率をn
f1、前記第1の薄膜上に設けられる第2の薄膜の屈折率
f2とした場合、nf1≧nf2×s 1/2 である。
【0129】OPCルールデータ取得用マスクとして、
従来の(裏面に反射防止膜を有しない)ホトマスクを使
用した場合、得られたOPCルールデータはマスク内の
位置によるばらつきが非常に大きいものであった。また
同データを元に補正を行って半導体装置製造用のホトマ
スクを作成したが、十分な補正効果は得られなかった。
十分な補正効果を得るには、半導体装置製造用のホトマ
スクと非常に近い構成を有するOPCルールデータ取得
用マスクを用いて、ホトマスク上の被覆率、位置毎に別
途のOPC補正ルールを使用する必要があった。このた
め、ルール取得における煩雑さが増し、半導体装置製造
用のホトマスクの作成時間およびコストが増大した。
【0130】一方、OPCルールデータ取得用マスクと
して、前記反射防止膜を設けたホトマスクを使用した場
合には、マスク内の位置によるルールデータのばらつき
は非常に小さくなる。また、ホトマスク上の被覆率およ
び位置によらず、統一的なOPC補正ルールが適用で
き、十分な補正効果が得られる。
【0131】また、半導体装置製造に使用するホトマス
クに、本発明に係る裏面に反射防止膜を有するホトマス
クを使用した場合には、下記の効果が得られる。
【0132】半導体装置製造に使用されるホトマスクの
被覆率はレイヤによって大きく異なる。光近接効果の及
ぶ範囲内におけるホトマスク上のパターン配置が同一で
あっても、露光マージンやレジスト断面形状が異なる現
象が生じている。このような場合、各レイヤ毎に最適な
露光マージン及びレジスト形状が得られるようにレジス
トプロセスの変更を行う。これはレジストプロセスの決
定に時間が掛かることを意味し、光近接効果補正(OP
C)ルールデータ取得作業等、それ以降の半導体装置製
造スケジュールの遅延を引き起こしかねない。また、半
導体装置製造ラインにおいて管理すべき項目が増える側
面からも、コストを増大させる要因でもある。
【0133】本発明に係る反射防止膜を設けたホトマス
クを使用することで、ホトマスク上の被覆率が異なって
も同一のレジストプロセス、あるいは変更内容が少ない
レジストプロセスが使用でき、時間・コストの面で有利
となる。
【0134】また、半導体装置製造に使用するホトマス
クの作成に用いるOPC補正のルールデータ取得用ホト
マスクに、前記反射防止膜を設けたホトマスクを使用す
ることで、下記の効果が発生する。
【0135】OPCルールデータ取得用マスクとして、
従来の(裏面に反射防止膜を有しない)ホトマスクを使
用した場合、ホトマスク上の被覆率や、中央部と周辺部
といった位置によって、得られるOPCルールデータは
ばらつきを含むものとなる。このバラツキを含むデータ
を元に作成した補正ルールを、半導体装置製造用ホトマ
スクに適用した場合、十分な補正効果は得られない。そ
こで、現実にはホトマスク上の被覆率や位置に応じて、
別々に補正ルールを取得し、半導体装置製造用ホトマス
クに適用している。レイヤあるいはパターン種毎に、一
つのルール取得で十分な補正精度が得られていた従来の
半導体装置に比べて、現在の半導体装置(DRAM等)
では、数倍〜数十倍の補正ルールデータ取得が必要とな
っている。また、ルールデータ量の増大に伴って、補正
に必要な計算時間も増大している。
【0136】そこで、OPCルールデータ取得用マスク
として、前記反射防止膜を設けたマスクを使用すること
で、ホトマスクの被覆率や位置毎に補正ルールが異なる
ことの原因となる透明基板裏面での反射が(殆ど)なく
なる。これにより、取得ルール数および取得データを少
なくすることができる。さらに、同時に補正精度の向上
も期待できる。
【0137】以上詳説したように本発明によれば、周辺
パターンの違いによって生じるレジスト断面形状等の変
化の原因である、ホトマスクの裏面での再反射光の発生
を抑制することにより、周辺パターンの影響を受けにく
い露光を行えるホトマスクおよびホトマスクブランクを
実現できる。また、光近接効果補正(OPC)ルール取
得用のホトマスクに、本発明のホトマスクを用いるこ
と、及び半導体ウェハの露光工程に本発明のホトマスク
を用いることにより、半導体ウェハの露光工程を改善す
ることができる。例えば、OPCルール取得時間(図1
9のステップS1〜S4)の短縮や、露光工程によって
形成されるパターンの寸法精度を高めることができる。
【0138】また、前述した各実施の形態はそれぞれ、
単独で実施できるばかりでなく、適宜組み合わせて実施
することも可能である。
【0139】さらに、前述した各実施の形態には種々の
段階の発明が含まれており、各実施の形態において開示
した複数の構成要件の適宜な組み合わせにより、種々の
段階の発明を抽出することも可能である。
【0140】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、被
転写パターンとその周辺に形成される周辺パターンを有
するホトマスクにおいて、周辺パターンの影響を受けに
くい露光を行えるホトマスクおよびホトマスクブランク
を提供することができる。さらに、前記ホトマスクを用
いることにより、半導体ウェハの露光工程を改善するこ
とができる半導体ウェハの露光方法を提供することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】露光装置による露光の様子を示す模式図であ
る。
【図2】ホトマスク上の周期パターンがレジスト上に転
写される様子を示す模式図である。
【図3】前記周期パターンを結像させた時のホトマスク
の内部での反射や回折の様子を示す模式図である。
【図4】迷光によるレジスト上での光強度分布の変化を
示すグラフである。
【図5】暗視野照明効果による光強度分布の変化を示す
グラフである。
【図6】光強度分布の変化に伴うレジストの断面形状の
変化を示す断面図である。
【図7】リソグラフィ工程で使用される従来のホトマス
クの断面図である。
【図8】KrFエキシマレーザー光の溶融石英基板に対
する入射角と反射率との関係を示すグラフである。
【図9】この発明の第1の実施形態に係るホトマスクの
断面図である。
【図10】前記第1の実施形態における透明基板の裏面
に形成した弗化カルシウム薄膜の膜厚とKrFエキシマ
レーザー光の反射率との関係を示すグラフである。
【図11】前記第1の実施形態における透明基板の裏面
に形成した弗化マグネシウム薄膜の膜厚とKrFエキシ
マレーザー光の反射率との関係を示すグラフである。
【図12】この発明の第2の実施形態に係るホトマスク
の断面図である。
【図13】前記第2の実施形態における透明基板の裏面
が酸化マグネシウム薄膜/弗化マグネシウム薄膜の積層
膜で被覆されたホトレジストを用いた場合のKrFエキ
シマレーザー光の入射角と反射率との関係を示すグラフ
である。
【図14】この発明の第3の実施形態に係るホトマスク
の断面図である。
【図15】従来の多層薄膜(薄膜干渉フィルター)を用
いた場合の露光の様子を示す模式図である。
【図16】図15の多層薄膜(薄膜干渉フィルター)の
入射角特性を示すグラフである。
【図17】この発明の第4の実施形態に係るホトマスク
ブランクの断面図である。
【図18】図17に示したホトマスクブランクの平面図
である。
【図19】この発明の第5の実施形態に係るホトマスク
を用いた半導体ウェハの露光方法を示すフローチャート
である。
【図20】前記第5の実施形態におけるOPCルール取
得用パターンを有するホトマスクの平面図である。
【図21】従来のホトマスクを用いた場合の露光の様子
を示す概略図である。
【図22】この発明のホトマスクを用いた場合の露光の
様子を示す概略図である。
【図23】(a)は従来のホトマスクを用いたときの露
光の効果を示すパターン断面図であり、(b)はこの発
明のホトマスクを用いたときの露光の効果を示すパター
ン断面図である。
【符号の説明】
1…照明光(露光光) 2…ホトマスク 3…投影レンズ(投影光学系) 4…レジスト 5…周期パターン 6…瞳 7…零次光 8…一次光 10…レジストパターン 11…溶融石英透明基板 12…周期的なパターン 13…弗化カルシウム(蛍石)薄膜 14…酸化マグネシウム薄膜 15…弗化マグネシウム薄膜 16…反射防止膜 161…第1の薄膜 162…第2の薄膜 163…第3の薄膜 17…遮光膜 18、19…反射防止膜 20、21…半透明膜 22、23…位相シフト膜 31…寸法測定対象のパターン形成領域 32A〜32F…周辺パターン形成領域 81…レンズ(投影光学系) 82…ホトマスク 821…溶融石英透明基板 822…遮光膜 83…ウェハ 841…レジストの未露光部分 842…レジストの露光部分 85…反射防止膜 86…丸いレジストパターン 87…良好な形状(矩形形状)のレジストパターン 91…露光光 92…多重干渉膜 93…照明光学系 94…マスク

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の主面とこの第1の主面と対向する
    第2の主面を持ち、露光光に対して透明な透明基板と、 前記透明基板の前記第1の主面上に形成され、前記露光
    光を透過しない遮光膜、前記露光光の一部を透過する半
    透明膜、前記露光光の位相を制御する位相制御膜のう
    ち、少なくとも1つを有するパターンと、 前記透明基板の前記第2の主面上に形成され、カルシウ
    ム弗化物を有する薄膜と、 を具備することを特徴とするホトマスク。
  2. 【請求項2】 前記ホトマスクは半導体装置の製造工程
    に用いられることを特徴とする請求項1に記載のホトマ
    スク。
  3. 【請求項3】 第1の主面とこの第1の主面と対向する
    第2の主面を持ち、露光光に対して透明な透明基板と、 前記透明基板の前記第1の主面上に形成され、前記露光
    光を透過しない遮光膜、前記露光光の一部を透過する半
    透明膜、前記露光光の位相を制御する位相制御膜のう
    ち、少なくとも1つを有するパターンと、 前記透明基板の前記第2の主面上に形成され、少なくと
    も第1の薄膜及び第2の薄膜が積層されてなる積層膜と
    を具備し、 前記第1の薄膜は前記第2の主面と前記第2の薄膜との
    間に設けられており、前記第1の薄膜の屈折率は前記第
    2の薄膜の屈折率よりも大きいことを特徴とするホトマ
    スク。
  4. 【請求項4】 前記露光光の波長に対する前記透明基板
    の屈折率をns 、前記第1の薄膜の屈折率をnf1、前記
    第2の薄膜の屈折率をnf2とした場合、 nf1≧ns 1/2×nf2の関係を満たすことを特徴とする
    請求項3に記載のホトマスク。
  5. 【請求項5】 前記透明基板の主材料は石英、前記第1
    の薄膜の主材料は酸化マグネシウム、前記第2の薄膜の
    主材料は弗化マグネシウムであることを特徴とする請求
    項3に記載のホトマスク。
  6. 【請求項6】 前記ホトマスクは半導体装置の製造工程
    に用いられることを特徴とする請求項3に記載のホトマ
    スク。
  7. 【請求項7】 第1の主面とこの第1の主面と対向する
    第2の主面を持ち、露光光に対して透明な透明基板と、 前記透明基板の前記第1の主面上に形成され、前記露光
    光を透過しない遮光膜、前記露光光の一部を透過する半
    透明膜、前記露光光の位相を制御する位相制御膜のう
    ち、少なくとも1つを有する薄膜と、 前記透明基板の前記第2の主面上に形成され、少なくと
    も第1の薄膜及び第2の薄膜が積層されてなる積層膜と
    を具備し、 前記第1の薄膜は前記第2の主面と前記第2の薄膜との
    間に設けられており、前記第1の薄膜の屈折率は前記第
    2の薄膜の屈折率よりも大きいことを特徴とするホトマ
    スクブランク。
  8. 【請求項8】 前記露光光の波長に対する前記透明基板
    の屈折率をns 、前記第1の薄膜の屈折率をnf1、前記
    第2の薄膜の屈折率をnf2とした場合、nf1≧ns 1/2
    ×nf2の関係を満たすことを特徴とする請求項7に記載
    のホトマスクブランク。
  9. 【請求項9】 前記透明基板の主材料は石英、前記第1
    の薄膜の主材料は酸化マグネシウム、前記第2の薄膜の
    主材料は弗化マグネシウムであることを特徴とする請求
    項7に記載のホトマスクブランク。
  10. 【請求項10】 デバイス機能を元にした設計データを
    作成する第1工程と、 前記設計データを元に、光近接効果補正(以下OPC)
    ルール取得用のホトマスクを作成する第2工程と、 前記OPCルール取得用のホトマスクを用いて、ウェハ
    上の薄膜をパターニングするための露光を行う第3工程
    と、 前記露光により形成されたウェハ上のパターンの寸法を
    測定する第4工程と、 測定により得た前記パターンの寸法を元に、OPCルー
    ルを取得する第5工程と、 取得した前記OPCルールを使用して、前記第1工程の
    設計データを満足するパターンがウェハ上に得られるよ
    うに、ホトマスク上に形成する被転写用パターンの寸法
    を補正する第6工程と、 前記被転写用パターンを第1の主面上に有し、この第1
    の主面と対向する第2の主面上に反射防止膜を有するホ
    トマスクを作成する第7工程と、 前記第7工程で作成した前記ホトマスクを用いて、ウェ
    ハ上の薄膜をパターニングするための露光を行う第8工
    程と、 を具備することを特徴とする半導体ウェハの露光方法。
  11. 【請求項11】 前記被転写用パターンは、前記露光光
    を透過しない遮光膜、前記露光光の一部を透過する半透
    明膜、前記露光光の位相を制御する位相制御膜のうち、
    少なくとも1つを有するパターンであることを特徴とす
    る請求項10に記載の半導体ウェハの露光方法。
  12. 【請求項12】 前記OPCルール取得用のホトマスク
    は、被転写用パターンが形成された第1の主面と対向す
    る第二の主面上に、反射防止膜を有することを特徴とす
    る請求項10に記載の半導体ウェハの露光方法。
  13. 【請求項13】 デバイス機能を元にした設計データを
    作成する第1工程と、 前記設計データを元に、光近接効果補正(以下OPC)
    ルール取得用のホトマスクを作成する第2工程と、 前記OPCルール取得用のホトマスクを用いて、ウェハ
    上の薄膜をパターニングするための露光を行う第3工程
    と、 前記露光により形成されたウェハ上のパターンの寸法を
    測定する第4工程と、 測定により得た前記パターンの寸法を元に、OPCルー
    ルを取得する第5工程と、 取得した前記OPCルールを使用して、前記第1工程の
    設計データを満足するパターンがウェハ上に得られるよ
    うに、ホトマスク上に形成する被転写用パターンの寸法
    を補正する第6工程と、 前記被転写用パターンを第1の主面上に有し、この第1
    の主面と対向する第2の主面上に反射防止膜を有するホ
    トマスクを作成する第7工程と、 前記第7工程で作成した前記ホトマスクを用いて、ウェ
    ハ上の薄膜をパターニングするための露光を行う第8工
    程とを具備し、 前記第7工程で作成する前記ホトマスクは、第1の主面
    とこの第1の主面と対向する第2の主面を持ち、露光光
    に対して透明な透明基板と、前記透明基板の前記第1の
    主面上に形成され、前記露光光を透過しない遮光膜、前
    記露光光の一部を透過する半透明膜、前記露光光の位相
    を制御する位相制御膜のうち、少なくとも1つを有する
    パターンと、前記透明基板の前記第2の主面上に形成さ
    れ、カルシウム弗化物を有する薄膜とを持つことを特徴
    とする半導体ウェハの露光方法。
  14. 【請求項14】 前記OPCルール取得用のホトマスク
    は、第1の主面とこの第1の主面と対向する第2の主面
    を持ち、露光光に対して透明な透明基板と、前記透明基
    板の前記第1の主面上に形成され、前記露光光を透過し
    ない遮光膜、前記露光光の一部を透過する半透明膜、前
    記露光光の位相を制御する位相制御膜のうち、少なくと
    も1つを有するパターンと、前記透明基板の前記第2の
    主面上に形成され、カルシウム弗化物を有する薄膜とを
    持つことを特徴とする請求項13に記載の半導体ウェハ
    の露光方法。
  15. 【請求項15】 デバイス機能を元にした設計データを
    作成する第1工程と、 前記設計データを元に、光近接効果補正(以下OPC)
    ルール取得用のホトマスクを作成する第2工程と、 前記OPCルール取得用のホトマスクを用いて、ウェハ
    上の薄膜をパターニングするための露光を行う第3工程
    と、 前記露光により形成されたウェハ上のパターンの寸法を
    測定する第4工程と、 測定により得た前記パターンの寸法を元に、OPCルー
    ルを取得する第5工程と、 取得した前記OPCルールを使用して、第1工程の設計
    データを満足するパターンがウェハ上に得られるよう
    に、ホトマスク上に形成する被転写用パターンの寸法を
    補正する第6工程と、 前記被転写用パターンを第1の主面上に有し、この第1
    の主面と対向する第2の主面上に反射防止膜を有するホ
    トマスクを作成する第7工程と、 前記第7工程で作成した前記ホトマスクを用いて、ウェ
    ハ上の薄膜をパターニングするための露光を行う第8工
    程とを具備し、 前記第7工程で作成する前記ホトマスクは、第1の主面
    とこの第1の主面と対向する第2の主面を持ち、露光光
    に対して透明な透明基板と、前記透明基板の前記第1の
    主面上に形成され、前記露光光を透過しない遮光膜、前
    記露光光の一部を透過する半透明膜、前記露光光の位相
    を制御する位相制御膜のうち、少なくとも1つを有する
    パターンと、前記透明基板の前記第2の主面上に形成さ
    れた、少なくとも第1の薄膜及び第2の薄膜が積層され
    てなる積層膜とを持ち、前記第1の薄膜は前記第2の主
    面と前記第2の薄膜との間に設けられており、前記第1
    の薄膜の屈折率は前記第2の薄膜の屈折率よりも大きい
    ことを特徴とする半導体ウェハの露光方法。
  16. 【請求項16】 前記OPCルール取得用のホトマスク
    は、第1の主面とこの第1の主面と対向する第2の主面
    を持ち、露光光に対して透明な透明基板と、前記透明基
    板の前記第1の主面上に形成され、前記露光光を透過し
    ない遮光膜、前記露光光の一部を透過する半透明膜、前
    記露光光の位相を制御する位相制御膜のうち、少なくと
    も1つを有するパターンと、前記透明基板の前記第2の
    主面上に形成された、少なくとも第1の薄膜及び第2の
    薄膜が積層されてなる積層膜とを持ち、前記第1の薄膜
    は前記第2の主面と前記第2の薄膜との間に設けられて
    おり、前記第1の薄膜の屈折率は前記第2の薄膜の屈折
    率よりも大きいことを特徴とする請求項15に記載の半
    導体ウェハの露光方法。
  17. 【請求項17】 前記透明基板の主材料は石英、前記第
    1の薄膜の主材料は酸化マグネシウム、前記第2の薄膜
    の主材料は弗化マグネシウムであることを特徴とする請
    求項15に記載の半導体ウェハの露光方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100609943B1 (ko) 2003-01-31 2006-08-08 캐논 가부시끼가이샤 투영노광용 마스크, 주사형 투영노광장치 및 주사형 투영노광방법
JP2009111229A (ja) 2007-10-31 2009-05-21 Sony Corp 半導体レーザ装置
JP2012203290A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Dainippon Printing Co Ltd フォトマスクおよびその製造方法
JP2015052802A (ja) * 2014-11-14 2015-03-19 大日本印刷株式会社 マスクパターン転写方法
US11422289B2 (en) 2017-04-04 2022-08-23 Asml Holding N.V. Anti-reflection coating

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