JP2009111183A - 光電変換装置用透明導電膜、及びその製造方法 - Google Patents

光電変換装置用透明導電膜、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、透明導電膜の膜厚を増加せずに、低いシート抵抗と大きな凹凸を両立する光電変換装置用透明導電膜を提供することである。
【解決手段】 本発明によれば、透明導電膜が下地層の上に配置された光電変換装置用透明導電膜であって、該透明導電膜が各々SIMSで測定した原子濃度の最大値として2×1019個/cm以上のB原子、及び2×1020個/cm以上のH原子を含む酸化亜鉛からなり、該透明導電膜は下地層側界面から所定位置のH原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のH原子濃度が低く、かつ該透明導電膜は下地層側界面から所定位置のB原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のB原子濃度が低いことによって課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光電変換装置用透明導電膜、及びその製造方法に関する。
光電変換装置は、受光センサー、太陽電池など様々な分野で用いられている。なかでも、太陽電池は、地球に優しいエネルギー源の一つとして脚光を浴びており、近年の環境問題に対する関心の高まりと、各国の導入加速政策によって、太陽電池の普及が急速に進んでいる。
光電変換装置のなかで、太陽電池を含む光電変換装置の低コスト化、高効率化を両立するために原材料が少なくてすむ薄膜光電変換装置が注目され、開発が精力的に行われている。特に、ガラス等の安価な基板上に低温プロセスを用いて良質の半導体層を形成する方法が低コストを実現可能な方法として期待されている。
一般的に、光電変換装置を形成するためには、その一部に透明導電膜を用いることが不可欠である。光電変換装置は、透明導電膜と裏面電極層の間に、1つ以上の光電変換ユニットを含む。光は透明導電膜側から入射される。
ここで、光電変換ユニットはpn接合またはpin接合の半導体層からなる。光電変換ユニットにpin接合を用いる場合、p型層、i型層、及びn型層がこの順、またはその逆順に積層されてなり、その主要部を占めるi型の光電変換層が非晶質のものは非晶質光電変換ユニットと呼ばれ、i型層が結晶質のものは結晶質光電変換ユニットと呼ばれている。
透明導電膜は、例えば、ITO、SnO2、ZnO等の導電性金属酸化物が用いられ、CVD、スパッタ、蒸着等の方法で形成される。透明導電膜はその表面に微細な凹凸を有することにより、入射光の散乱を増大させる効果を有することが望ましい。入射光を散乱させることによって、光電変換ユニット内の光路長が延びて、光電変換装置の短絡電流密度を増大させ、変換効率が向上する。透明導電膜の凹凸による光の散乱の効果は、単結晶シリコンや多結晶シリコンなどの光電変換ユニットの厚さが100〜500μmと厚い、いわゆるバルクの光電変換装置で有効であるだけでなく、光電変換ユニットの厚さが0.1〜10μmと薄い、いわゆる薄膜光電変換装置で特に有効である。
薄膜光電変換装置は、光電変換ユニットに用いる半導体材料によって分類され、シリコン系薄膜光電変換装置、CdTe薄膜光電変換装置、CIS薄膜光電変換装置が代表的である。シリコン系薄膜光電変換装置は、光電変換ユニットに、非晶質シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコンなどを材料に用いたpin接合の構成を取り、基板側、または基板と反対面側から光を入射し、p層を光入射側に配置する。CdTe薄膜光電変換装置は、光電変換ユニットにn型のCdSと、p型のCdTeからなるpn接合の構成をとり、基板と反対面側から光を入射し、n層を光入射側に配置する。CIS薄膜光電変換装置は、光電変換ユニットにn型のCdSと、p型のCuInSe(略称CIS)からなるpn接合の構成をとり、基板と反対面側から光を入射し、n層を光入射側に配置する。
薄膜光電変換装置の一例であるシリコン系薄膜光電変換装置は、光電変換ユニットに、p型層、実質的に真性な光電変換層であるi型層、およびn型層から成るpin接合を用いる。このうちi型層に非晶質シリコンを用いたものを非晶質シリコン光電変換ユニット、結晶質を含むシリコンを用いたものを結晶質シリコン光電変換ユニットと呼ぶ。なお、非晶質あるいは結晶質のシリコン系材料としては、半導体を構成する主要元素としてシリコンのみを用いる場合だけでなく、炭素、酸素、窒素、ゲルマニウムなどの元素をも含む合金材料も用い得る。また、導電型層の主要構成材料としては、必ずしもi型層と同質のものである必要はなく、例えば非晶質シリコン光電変換ユニットのp型層に非晶質シリコンカーバイドを用い得るし、n型層に結晶質を含むシリコン層(μc−Siとも呼ばれる)も用い得る。
基板側から光を入射するタイプの光電変換装置にて用いられる透明絶縁基板には、ガラス、透明樹脂等から成る板状部材やシート状部材が用いられる。
透明導電膜は、例えば、SnO2、ZnO等の導電性金属酸化物が用いられ、CVD、スパッタ、蒸着等の方法で形成される。透明導電膜はその表面に微細な凹凸を有することにより、入射光の散乱を増大させる効果を有することが望ましい。
光電変換ユニットの上に形成される裏面電極層としては、例えば、Al、Agなどの金属層をスパッタ法または蒸着法により形成する。また、光電変換ユニットと金属電極との間に、ITO、SnO2、ZnO等の導電性酸化物からなる層を形成しても構わない。
薄膜光電変換装置の一例である非晶質シリコン光電変換装置は、単結晶や多結晶光電変換装置に比べ、初期光電変換効率が低く、さらに光劣化現象により変換効率が低下するという問題がある。そこで、薄膜多結晶シリコンや微結晶シリコンのような結晶質シリコンを光電変換層として用いた結晶質シリコン薄膜光電変換装置が、低コスト化と高効率化とを両立可能なものとして期待され、検討されている。なぜなら、結晶質シリコン薄膜光電変換装置は、非晶質シリコンの形成と同様にプラズマCVD法にて低温形成でき、さらに光劣化現象がほとんど生じないからである。また、非晶質シリコン光電変換層が長波長側において800nm程度の波長の光を光電変換し得るのに対し、結晶質シリコン光電変換層はそれより長い約1200nm程度の波長の光までを光電変換することができる。
また、光電変換装置の変換効率を向上させる方法として、2つ以上の光電変換ユニットを積層した、積層型と呼ばれる構造を採用した光電変換装置が知られている。この方法においては、光電変換装置の光入射側に大きな光学的禁制帯幅を有する光電変換層を含む前方光電変換ユニットを配置し、その後ろに順に小さなバンドギャップを有する光電変換層を含む後方光電変換ユニットを配置することにより、入射光の広い波長範囲にわたる光電変換を可能にし、入射する光を有効利用することにより装置全体としての変換効率の向上が図られている。(本願では、相対的に光入射側に配置された光電変換ユニットを前方光電変換ユニットと呼び、これよりも相対的に光入射側から遠い側の界面に隣接して配置された光電変換ユニットを後方光電変換ユニットと呼ぶ。)
ところで、薄膜光電変換装置は、従来のバルクの単結晶や多結晶シリコンを使用した光電変換装置に比べて光電変換層を薄くすることが可能であるが、反面、薄膜全体の光吸収が膜厚によって制限されてしまうという問題がある。そこで、光電変換層を含む光電変換ユニットに入射した光をより有効に利用するために、光電変換ユニットに接する透明導電膜あるいは金属層の表面を凹凸化(テクスチャ化)し、その界面で光を散乱した後、光電変換ユニット内へ入射させることで光路長を延長せしめ、光電変換層内での光吸収量を増加させる工夫がなされている。この技術は「光閉じ込め」と呼ばれており、高い光電変換効率を有する薄膜光電変換装置を実用化する上で、重要な要素技術となっている。
光電変換装置に最適な透明導電膜の凹凸形状を求めるために、凹凸の形状を定量的に示す指標が必要である。凹凸の形状を表す指標として、ヘイズ率、表面面積比(Sdr)がある。
ヘイズ率とは、透明な基板の凹凸を光学的に評価する指標で、(拡散透過率/全光線透過率)×100[%]で表されるものである(JIS K7136)。ヘイズ率の測定は、ヘイズ率を自動測定するヘイズメータが市販されており、容易に測定することができる。測定用の光源としては、C光源を用いて測定するものが一般的である。
表面面積比は、凹凸の大きさだけでなく、凹凸の形状も含めてあらわす指標である。透明導電膜の凹凸が先鋭化すると光電変換装置の開放電圧や曲線因子が低下する場合があるので、表面面積比は光電変換装置用の透明導電膜の凹凸の指標として有効である。表面面積比は、ディベロップト・サーフェス・エリア・レシオ(Developed Surface Area Ratio)とも呼ばれる。略称としてSdrが用いられる。(K. J. Stout, P. J. Sullivan, W. P. Dong, E. Manisah, N. Luo, T. Mathia: "The development of methods for characterization of roughness on three dimensions", Publication no.EUR 15178 EN of the Commission of the European Communities, Lucembourg, 1994)。

薄膜光電変換装置の一例である非晶質シリコン光電変換装置は、ガラス等の透明基体上に形成され、透明導電膜として表面凹凸を有する酸化錫(SnO2)膜をよく用いている。この透明導電膜の表面凹凸は、光電変換層内への光閉じ込めに有効に寄与している。しかし、光閉じ込めに有効な表面凹凸を有する透明導電膜として常圧熱化学的気相堆積法(常圧熱CVD法)によりSnO2膜を形成したガラス基体は、その透明導電膜を形成するために約550〜650℃の高温プロセスを必要とするので製造コストが高いという問題がある。また、製膜温度が高いため、固体化後のガラスやプラスチックフィルムなどの安価な基体が使えない問題がある。強化ガラスを高温プロセスにさらすと強化が取れてしまうので、強化ガラスを基体に使えず、大面積太陽電池に適用する場合、ガラス基体の強度を確保するためには、ガラスを厚くすることが必要となり、結果として、重くなってしまう問題がある。
また、SnO2膜は耐プラズマ性が低く、水素を使用した大きなプラズマ密度での光電変換層の堆積環境下では、SnO2膜が還元されてしまう。SnO2膜が還元されると黒化し、黒化した透明導電膜部分で入射光が吸収され、光電変換層への透過光量が減少し、変換効率の低下を招く原因となる。
さらに、非晶質シリコン太陽電池は、単結晶や多結晶太陽電池に比べ、初期光電変換効率が低く、さらに光劣化現象により変換効率が低下するという問題がある。そこで、薄膜多結晶シリコンや微結晶シリコンのような結晶質シリコンを光電変換層として用いた結晶質シリコン薄膜太陽電池が、低コスト化と高効率化とを両立可能なものとして期待され、検討されている。なぜなら、結晶質シリコン薄膜太陽電池は、非晶質シリコンの形成と同様にプラズマCVD法にて低温形成でき、さらに光劣化現象がほとんど生じないからである。また、非晶質シリコン光電変換層が長波長側において800nm程度の波長の光を光電変換し得るのに対し、結晶質シリコン光電変換層はそれより長い約1200nm程度の波長の光までを光電変換することができる。しかし、非晶質シリコンの形成時に用いられる堆積条件よりも大きなプラズマ密度が必要であり、SnO2膜を透明導電膜に用いた場合は、大幅な変換効率向上は困難であった。 一方、酸化亜鉛(ZnO)は、透明導電膜の材料として広く用いられているSnO2あるいは酸化インジウム錫(ITO)よりも安価であり、また耐プラズマ性が高いという利点を有しており、薄膜太陽電池用の透明導電膜材料として好適である。特に、非晶質シリコンの形成時に用いられる堆積条件よりも多量の水素を使用し、かつ大きなプラズマ密度を必要とする薄膜多結晶シリコンや微結晶シリコンのような結晶質シリコンを光電変換ユニットの一部としてとして用いた結晶質シリコン薄膜光電変換装置に有効である。
なお、本願明細書における、「結晶質」、「微結晶」の用語は、部分的に非晶質を含んでいるものも含んでいるものとする。
(先行例1)
特許文献1には、SUS基板/ZnO/非単結晶シリコンのpin層/ITOの透明電極層/集電電極を順次形成した光電変換素子において、ZnOが表面に0.1〜1.0umの凹凸を有し、c軸配向した多結晶で、B濃度が基板との界面で最小値をとり、前記pin層に向かって徐々に増加していることを特徴とする光電変換素子が開示されている。ZnOのB濃度を基板側で最小にしてpin層に向かって増加することによって、ZnOと基板との界面、ZnOとpin層との界面での光励起キャリアの再結合の低減をすることができると開示している。ZnOはスパッタ法で形成している。

(先行例2) 特許文献2には、200℃以下の低圧熱CVD法(あるいはMOCVD法とも呼ばれる)でZnOを形成すると、低温で凹凸を有する透明導電膜が形成できると開示している。常圧熱CVDに比べて、200℃以下の低温プロセスのため、低コスト化が図れる。また、固体化後のガラスやプラスチックフィルムなどの安価な基体を用いることができる。さらに、強化ガラスを使用できるので大面積太陽電池のガラス基体を約2/3程度に薄くでき、軽くできる。また、低圧熱CVD法は、スパッタ法に比べて1桁以上速い製膜速度にて製膜が可能であるとともに、原料の利用効率が高いことから、製造コストの面でも薄膜太陽電池にとって好ましい。
特開平6−318720号公報 特開2000−252501号公報
本発明の目的は、光閉じ込めに有効な大きな凹凸と、低い抵抗を両立する光電変換装置用透明導電膜を提供することである。
先行例1のようにB濃度が基板側が低く、徐々にB濃度が増加する分布をもつZnOについて検討したところ、凹凸が十分大きくならず、光閉じ込め効果が十分得られない課題が見出された。
また、先行例2の透明導電膜の製造方法では、ZnOの凹凸を増大するために透明導電膜を厚くする必要があり、厚くすると透明導電膜の光吸収損失が大きくなって凹凸による散乱効果を相殺してしまい、短絡電流密度が不十分になる課題が明らかになった。
上記の課題を鑑み、本発明の目的は、透明導電膜の膜厚を増加せずに、光閉じ込めに有効な大きな凹凸と低い抵抗を両立する光電変換装置用透明導電膜を提供することである。
本発明の光電変換装置用透明導電膜は、下地層の上に配置された光電変換装置用透明導電膜であって、該透明導電膜が各々2次イオン質量分析(セカンダリー・イオン・マス・スペクトロスコピー、略称SIMS)で測定した原子濃度の最大値として2×1019個/cm以上のB原子、及び、2×1020個/cm以上のH原子を含む酸化亜鉛からなり、該透明導電膜は下地層側界面から所定位置のH原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のH原子濃度が低く、かつ、該透明導電膜は下地層側界面から所定位置のB原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のB原子濃度が低いことを特徴とすることによって、課題を解決する。下地層側界面から所定位置より下地層から遠い側の界面から所定位置のH原子濃度およびB濃度が低いことによって、大きな凹凸と低い抵抗を両立する光電変換装置用透明導電膜が提供される。
また、本発明の光電変換装置用透明導電膜は、下地層の上に順次配置された第一透明導電膜と第二透明導電膜からなる光電変換装置用透明導電膜であって、該第一透明導電膜と該第二透明導電膜が各々SIMSで測定した原子濃度の最大値として2×1019個/cm以上のB原子、及び2×1020個/cm以上のH原子を含む酸化亜鉛からなり、該第一透明導電膜は下地層側界面から所定位置のH原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のH原子濃度が低く、かつ該第一透明導電膜は下地層側界面から所定位置のB原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のB原子濃度が低く、該第二透明導電膜のB原子濃度の最大値は前記第一透明導電膜のB原子濃度の最小値より高いことを特徴とすることによって、課題を解決する。第一の透明導電膜は大きな凹凸と低い抵抗を両立する主要な厚さのZnOとなり、その上にB濃度の高い第二の透明導電膜を配置することによって、ZnOの上に接触する層との接触抵抗が低減し、光電変換装置の特性がさらに向上する光電変換装置用透明導電膜が提供される。
本発明の光電変換装置用透明導電膜の製造方法は、有機金属蒸気、酸化剤蒸気、硼素含有ガスを少なくとも含む混合ガスを用いた低圧熱CVD法を用いて、該透明導電膜が酸化亜鉛からなり、かつ該透明導電膜を形成時に硼素含有ガス流量(FB)と有機金属蒸気流量(FZ)の比の値(FB/FZ)を減少させることによって、大きな凹凸と低い抵抗を両立する光電変換装置用透明導電膜を製造することができる。
その際、前記FB/FZをステップ的に減少することが望ましい。FB/FZをステップ的に減少することで、簡易的な制御系のみで、ZnO中のB濃度を減少することができる。また、前記FB/FZを連続的に減少することがさらに望ましい。FB/FZをステップ的に減少する場合よりも、ZnO膜中のB濃度が滑らかに減少し、透明導電膜の性能を向上することができる。
また、本発明の光電変換装置用透明導電膜の製造方法は、有機金属蒸気、酸化剤蒸気、硼素含有ガスを少なくとも含む混合ガスを用いた低圧熱CVD法を用いて、該透明導電膜が順次形成された第一透明導電膜と第二透明導電膜の酸化亜鉛からなり、該第一透明導電膜を形成時にFB/FZを減少させ、かつ第二透明導電膜形成時のFB/FZの最大値が第一透明導電膜形成時のFB/FZの最小値より大きいことを特徴とすることによって、大きな凹凸と低い抵抗を両立し、さらに透明導電膜に接触する層との接触抵抗も改善した光電変換装置用透明導電膜を製造することができる。
なお、「低圧熱CVD法」の用語は、本発明では大気圧より低い圧力の気体を用いた熱化学的気相成長法を指す。低圧熱CVD法は、減圧CVD法、ロー・プレッシャー・CVD法(Low Pressure CVD:略称LP−CVD)とも呼ばれ、大気圧より低い圧力の気体を用いた熱化学的気相成長法と定義される。通常、「CVD」の用語は、「プラズマCVD」、「光CVD」などエネルギー源を明示した場合を除いて、「熱CVD」のことを指すので、「低圧CVD法」の用語は、「低圧熱CVD法」と同義である。また、低圧熱CVD法が、減圧下の有機金属CVD法(略称、MO−CVD法)も抱合することは明らかである。
本発明によれば、下地層の上に配置された光電変換装置用透明導電膜であって、該透明導電膜が各々SIMSで測定した原子濃度の最大値として2×1019個/cm以上のB原子、及び2×1020個/cm以上のH原子を含む酸化亜鉛からなり、H原子濃度およびB原子濃度が下地層から遠い側が低いことによって、低い抵抗を保ちながらZnOの凹凸が大きくなり、総膜厚を厚くしなくても特性の改善された光電変換装置用透明導電膜を提供することができる。本発明の光電変換装置用透明導電膜を適用すれば、光電変換装置の短絡電流密度を向上して変換効率を向上することができる。
あるいは、上記透明導電膜を第一透明導電膜とし、その上にさらに第二透明導電膜として該第二透明導電膜のB原子濃度の最大値が前記第一透明導電膜のB原子濃度の最小値より高い酸化亜鉛を配置することによって、大きな凹凸と低い抵抗を両立し、さらにZnOとその上に接触する層との接触抵抗が低減し、本発明の透明導電膜を適用した光電変換装置の特性をさらに向上することができる。
また、本発明によれば、有機金属蒸気、酸化剤蒸気、硼素含有ガスを少なくとも含む混合ガスを用いた低圧熱CVD法を用いて、該透明導電膜が酸化亜鉛からなり、かつ、該透明導電膜を形成中に硼素含有ガス流量(FB)と有機金属蒸気流量(FZ)の比の値(FB/FZ)を減少させることによって、大きな凹凸と低い抵抗を両立する光電変換装置用透明導電膜を製造することができる。
さらに、本発明によれば、上記製造方法で形成した透明導電膜を第一透明導電膜とし、その上にさらに第二透明導電膜を形成し、その際、第二透明導電膜形成時のFB/FZが第一透明導電膜形成時のFB/FZの最小値より大きいことを特徴とすることによって、大きな凹凸と低い抵抗を両立し、さらに透明導電巻くと接触する層との接触抵抗も改善した光電変換装置用透明導電膜を製造することができる。
以下において本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお本願の各図において、厚さや長さなどの寸法関係については図面の明瞭化と簡略化のため適宜変更されており、実際の寸法関係を表してはいない。また、各図において、同一の参照符号は同一部分または相当部分を表している。
光電変換装置において、透明導電膜の凹凸を増大して光閉じ込め効果を増大し、かつ低い抵抗を保つことが重要である。しかしながら、発明が解決しようとする課題に述べたように、透明導電膜に凹凸をつけるために、透明導電膜の膜厚を厚くすることは、透過率の低下が起こり、望ましくない。
発明者は、課題を解決するために、光電変換装置用の透明導電膜として、酸化亜鉛について低圧熱CVD法を中心に鋭意検討した。
発明者が行った本発明にいたるまでに取得した基礎データによれば、ZnO形成中のFB/FZが一定の場合、FB/FZが小さいほどZnOの凹凸は大きくなり、凹凸の指標であるヘイズ率(Hz)が大きくなる。一方、FB/FZが小さいとZnOのシート抵抗(Rst)が大きくなる。すなわち、Hzが大きい条件のときにRstが大きくなり、大きなHzと小さいRstの両立が困難であった。
そこで、大きなHzと小さいRstを両立するZnOを得るために、Rstは大きいがHzの大きい条件(FB/FZが小さい条件)を種結晶にすれば、その上にRstが小さくHzが小さい条件(FB/FZが大きい条件)でZnOを形成しても、Hzが大きくなると期待して実験を行った。しかしながら、発明者の予想に反して、FB/FZを製膜初期に小さくして、その後FB/FZを大きくした場合、かえって凹凸が小さくなり、Hzが低くなった。逆に、製膜初期のFB/FZを大きくして、その後FB/FZを小さくすると、凹凸が増大してHzが高くなった。すなわち、発明者の予想に反して、製膜初期の種結晶の条件ではなく、表面側の条件でZnOの凹凸が支配されていることが新たに見出され、本発明に至った。
また、ZnO膜中の組成について発明者が検討したところ、ZnO形成中の基板温度やガス流量が一定の場合であってもZnO膜中のB原子濃度、H原子濃度は必ずしも一定ではないことが見出された。図3に、低圧熱CVD法を用いて、基板温度150℃一定、FB/FZ=1%一定の条件で、ガラス基板上にZnOを製膜したときの、膜中B原子濃度、H原子濃度およびC原子濃度である。図3で左が表面、右がガラス基板である。FB/FZが一定であるにもかかわらず、下地層の一態様であるガラス基板側から表面に向かって、B原子濃度が増加し、H原子濃度およびC原子濃度が減少する。
この理由は定かではないが、基板温度(ここでは加熱手段に基板が接触する面の温度)を一定に保っていても、ZnO形成時の反応熱によってZnOの成長表面の温度が増加していると考えられる。
FB/FZを低圧熱CVD法でZnO形成中に減少させることで、基板温度一定でも膜中B原子濃度の増加が抑制され、ZnOの凹凸が増大するといえる。図2は、低圧熱CVD法を用いて、基板温度150℃一定、FB/FZを1%から0.25%に連続的に減少した条件で、ガラス基板上にZnOを製膜したときの、膜中B原子濃度、H原子濃度およびC原子濃度である。下地層の一態様であるガラス基板側から表面に向かってのB原子濃度の増加が抑制され、非常に緩やかに減少していることがわかる。このとき、H原子濃度、C原子濃度は、ガラス基板側から表面側に向かって減少している。このとき、ZnO膜は10Ω/□台の低いシート抵抗で、40%以上の高いヘイズ率を示した。
すなわち、下地層の上に配置されたZnOからなる透明導電膜において、下地層側界面から所定位置のH原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のH原子濃度が低く、かつ、該透明導電膜は下地層側界面から所定位置のB原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のB原子濃度が低いことによって、大きなHzと小さいRstを両立するZnOが得られ、課題が解決することを見出した。
図1に、本発明の実施形態の一例による薄膜光電変換装置用基板および薄膜光電変換装置の断面図を示す。透明絶縁基板11を下地層としてその上に、透明導電膜12を形成した薄膜光電変換装置用基板1を備える。その上に、前方光電変換ユニット2、中間透過反射層6、後方光電変換ユニット3、および裏面電極層4の順に配置され、薄膜光電変換装置5を形成している。
透明絶縁基板11には、ガラス、透明樹脂等から成る板状部材やシート状部材が主に用いられる。特に透明絶縁基板として主にガラス基板を用いると、透過率が高く、安価であることから、透明絶縁基板として望ましい。
透明絶縁基板11は薄膜光電変換装置5を構成した際に光入射側に位置することから、より多くの太陽光を透過させて非晶質または結晶質の光電変換ユニットに吸収させるために、できるだけ透明であることが好ましく、その材料としてはガラス板が好適である。同様の意図から、太陽光の光入射面における光反射ロスを低減させるように、透明絶縁基板の光入射面に無反射コーティングを行うことが望ましい。
透光性絶縁基板11にはガラス基板を単体で用いることが可能であるが、さらに、透光性絶縁基板11は、基体が平滑な表面を有するガラスなどの透光性基体111と透光性下地層112との積層体からなることがより好ましい。このとき透光性下地層112は該透明導電膜12側の界面に二乗平均平方根粗さが5〜50nmである微細な表面凹凸を有し、その凸部は曲面からなることを特徴とすることが好ましい。上記のような透光性下地層112を備えることによっても、表面面積比を望ましい値に制御することが可能である。
透光性下地層112は、例えば、透光性微粒子1121を、溶媒を含んだバインダー形成材料と共に塗布することで作製できる。具体的には、透光性のバインダー1122として、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物およびタンタル酸化物などの金属酸化物が挙げられる。また、透光性微粒子1121としては、シリカ(SiO)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化インジウム錫(ITO)、またはフッ化マグネシウム(MgF)等が用いられ得る。透光性基体111の表面に上記塗布液を塗布する方法としては、ディッピング法、スピンコート法、バーコート法、スプレー法、ダイコート法、ロールコート法、フローコート法等が挙げられるが、透光性微粒子を緻密かつ均一に形成するにはロールコート法が好適に用いられる。塗布操作が完了したら、直ちに塗布薄膜を加熱乾燥する。
透明絶縁基板11を下地層として、その上に透明導電膜12が配置される。透明導電膜12の材料としては、ZnOを用いる。このZnOは不純物として、2×1019個/cm以上のB原子、及び、2×1020個/cm以上のH原子を含む。H原子を多量に含むZnOは200℃以下の低温でも光閉じ込め効果を有するテクスチャが形成でき、かつ耐プラズマ性の高い材料であるため、光電変換ユニットが結晶質光電変換ユニットを有する薄膜光電変換装置に好適である。また、H濃度は、格子間Zn、酸素欠損に影響して、ZnOの低抵抗化にも関与すると考えられる。BはZnOの凹凸に影響するとともに、ドーパントとして低抵抗化に寄与する。
例えば、本発明の薄膜光電変換装置用基板のZnO透明導電膜は、基板温度が200℃以下で低圧熱CVD法にて形成される。なお、ここでいう基板温度とは、基板が製膜装置の加熱部と接している面の温度のことをいう。
ZnOの製膜は、具体的には、有機金属蒸気としてジエチル亜鉛(DEZ)またはジメチル亜鉛、酸化剤蒸気として水、硼素含有ガスとしてジボラン(B)を用い、希釈ガスとしてH、N、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Rn)のいずれかまたは複数を加えて、混合したガスを、圧力を5〜200Paに保持した真空槽に導入して、ZnOの製膜を行なうことが好ましい。具体的には、有機金属蒸気の流量(FZ)としてDEZの流量10〜1000sccm、硼素含有ガスの流量(FB)としてBの流量0.01〜100sccm、水の流量10〜1000sccm、Hの流量100〜10000sccm、Arの流量100〜10000sccmが好ましい。
本発明の酸化剤蒸気としては、水に限定されない。水以外の酸化剤蒸気の例として酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、酸化二窒素、二酸化窒素、二酸化硫黄、五酸化二窒素、アルコール類(R(OH))、ケトン類(R(CO)R’)、エーテル類(ROR’)、アルデヒド類(R(COH))、アミド類((RCO)(NH3ーx)、x=1,2,3)、スルホキシド類(R(SO)R’)が挙げられるが、その他の透明導電膜作製に有効な酸化剤蒸気は同様に使用可能である。ただし、RおよびR’はアルキル基である。
硼素含有ガスとしては、ジボラン以外に、トリメチルボロン、三弗化ボロンなどが挙げられるが、この限りではない。
ZnOの凹凸を増加するためにZnO中のH原子濃度を下地層側界面から所定位置より下地層から遠い側の界面から所定位置で低く、かつZnO中のB原子濃度を下地層側界面から所定位置より下地層から遠い側の界面から所定位置で低くする。また、ZnOのシート抵抗を低くするために、下地層側界面から所定位置のB原子濃度に対して、下地層から遠い側の界面から所定位置のB原子濃度は0・05倍以上にすることが望ましい。
低圧熱CVD法でZnOを形成中にFB/FZを減少させることによって、ZnO中のH原子濃度を下地層側界面から所定位置より下地層から遠い側の界面から所定位置で低く、かつZnO中のB原子濃度を下地層側界面から所定位置より下地層から遠い側の界面から所定位置で低くすることができる。このとき、基板の設定温度は一定に保つことが好ましい。ZnO形成中にFZを増加しても良いが、製膜中の圧力変動を小さくするためにFBを減少することが好ましい。ZnO形成初期のFB/FZに対して、ZnO形成終了時のFB/FZは半分以下にすることがZnOの凹凸を増加する上で好ましい。また、ZnOのシート抵抗を低くするために、ZnO形成初期のFB/FZに対して、ZnO形成終了時のFB/FZは0.05倍以上にすることが望ましい。
FB/FZの具体的に値としては、ZnO形成初期にはFB/FZ=1〜5%が好ましく、ZnO形成終期にはFB/FZ=0.05〜0.5%が好ましい。
FB/FZはZnO形成中に、ステップ的に減少してもよい。この場合、簡便な流量の制御系で、FB/FZを減少することができ、ZnO膜中のH原子濃度およびB原子濃度を下地層から遠い側で低くすることができる。
また、FB/FZはZnO形成中に連続的に減少することが好ましい。ここで、「連続的」とは、FB/FZの値を3段階以上に分割して段階的に変化させる場合をも含むものとする。より具体的には、100秒以下の時間間隔でFB/FZを変化させて減少することが望ましい。FB/FZを連続的に減少すると、ZnO膜中のB濃度が滑らかに減少し、透明導電膜のシート抵抗を低く保ちながら凹凸をさらに増加することができる。
透明導電膜の上に形成される層との接触抵抗を低減するために、透明導電膜を第一透明導電膜と第二透明導電膜の二層としても良い。この場合、第一の透明導電膜は前記の一層のみの透明導電膜と同様の構造で、H原子濃度を下地層側界面から所定位置より下地層から遠い側の界面から所定位置で低く、かつB原子濃度を下地層側界面から所定位置より下地層から遠い側の界面から所定位置で低くする。第一透明導電膜の上に第二透明導電膜を形成し、第二透明導電膜のSIMSで測定したB原子濃度の最大値が、第一透明導電膜のB原子濃度の最小値より高くする。このような第二透明導電膜のB原子濃度が高いことによって、その上に形成される層、例えば薄膜Si半導体層との接触抵抗が低減され、この透明導電膜を適用した光電変換装置の特性が向上する。
第一透明導電膜は、透明導電膜の総膜厚の主要部を占めることが望ましく、具体的には総膜厚の80%以上が望ましい。なぜなら、第一透明導電膜が必要以上に薄くなると透明導電膜の凹凸が小さくなるとともに、B原子濃度が高い第二透明導電膜の光吸収損失が増えるためである。
このような二層構造の透明導電膜は、例えば、低圧熱CVD法で形成することができる。第一透明導電膜は、前述の一層のみの透明導電膜と同様に、第一透明導電膜を形成中にFB/FZを減少して作製することができる。第一透明導電膜を形成時のFB/FZはステップ的に減少することが好ましく、FB/FZを連続的に減少することがより好ましい。また、第二透明導電膜の形成時のFB/FZの最大値を、第一透明導電膜形成時のFB/FZの最小値より大きくすることによって第二透明導電膜を作製することができる。透明導電膜を形成時の基板温度を一定にした場合、透明導電膜の形成時間のうち第一透明導電膜の形成時間が大部分を占めることが望ましく、具体的には透明導電膜の80%以上の形成時間を占めることが望ましい。
ZnOの粒径は概ね50〜500nmで、かつ凹凸の高さが概ね20〜200nmの表面凹凸を有する薄膜であることが薄膜光電変換装置の光閉じ込め効果を得る点で好ましい。また、ヘイズ率は、15%以上、望ましくは20%以上が、光閉じ込め効果を得る点で好ましい。
ZnOのシート抵抗は、15Ω/□以下、望ましくは10Ω/□以下が、抵抗損失を抑制するために望ましい。
ZnO膜の平均厚さは0.7〜5μmであることが好ましく、1〜3μmであることがより好ましい。なぜなら、ZnO膜が薄すぎれば、光閉じ込め効果に有効に寄与する凹凸を十分に付与すること自体が困難となり、また透明導電膜として必要な導電性が得にくく、厚すぎればZnO膜自体による光吸収により、ZnOを透過し光電変換ユニットへ到達する光量が減るため、効率が低下するからである。さらに、厚すぎる場合は、製膜時間の増大によりその製膜コストが増大する。
また、ZnOの製膜条件で表面面積比(Sdr)は、55%以上95%以下が望ましい。Sdrが大きすぎる場合は、開放電圧(Voc)、曲線因子(FF)が低下して、Effが低下する。場合によっては、短絡電流密度(Jsc)が低下して、変換効率(Eff)が低下する。Sdrが大きいときにVoc、FFが低下するのは、薄膜光電変換装置用基板の凹凸が鋭角的になって、透明導電膜上のシリコン半導体層のカバレッジが悪くなって、接触抵抗の増加またはリーク電流の増加がおきるためと考えられる。また、Sdrが大きいときにJscが低下するのは、透明導電膜上の半導体層の成長が阻害されて、半導体層の膜質が低下して、キャリア再結合による損失が多くなるためと考えられる。逆に、Sdrが小さすぎる場合は、薄膜光電変換装置用基板の凹凸の大きさが小さくなるため、光閉じ込めの効果が弱くなり、短絡電流密度(Jsc)が低下してEffが低下するといえる。表面面積比は、ZnOの製膜条件で制御して最適な値とすることが可能である。例えば、低圧熱CVD法で、ZnOの表面面積比は、基板温度、原料ガス流量、圧力などの製膜条件によって大きく変わるので、それらを制御して表面面積比を所望の値とすることが可能である。
前方光電変換ユニット2として非晶質シリコン系材料を選べば、約360〜800nmの光に対して感度を有し、後方光電変換ユニット3に結晶質シリコン系材料を選べばそれより長い約1200nmまでの光に対して感度を有する。したがって、光入射側から非晶質シリコン系材料の前方光電変換ユニット2、結晶質シリコン系材料の後方光電変換ユニット3の順で配置される薄膜光電変換装置5は、入射光をより広い範囲で有効利用可能となる。ただし、「シリコン系」の材料には、シリコンに加え、シリコンカーバイドやシリコンゲルマニウムなど、シリコンを含むシリコン合金半導体材料も含む。
上述した薄膜光電変換ユニットを複数積層する方法のほかに、薄膜光電変換装置の変換効率の向上には、薄膜光電変換ユニット間に、導電性を有しかつ薄膜光電変換ユニットを形成する材料よりも低い屈折率を有する材料からなる中間透過反射層6形成する方法がある。このような中間透過反射層6を有することで、短波長側の光は反射し、長波長側の光は透過させる設計が可能となり、より有効に各薄膜光電変換ユニットでの光電変換が可能となる。
たとえば、前方の非晶質シリコン光電変換ユニットと後方の結晶質シリコン光電変換ユニットからなるハイブリッド型光電変換装置に中間透過反射層を挿入した場合、非晶質シリコン光電変換層の膜厚を増やすことなく、その前方光電変換ユニットによって発生する電流を増加させることができる。また、中間透過反射層を含む場合には、それを含まない場合に比べて、同一の電流値を得るために必要な非晶質シリコン光電変換層の厚さを小さくし得ることから、非晶質シリコン層の厚さの増加に応じて顕著となる光劣化(Sraebler-Wronsky効果)による非晶質シリコン光電変換ユニットの特性低下を抑制することが可能となる。
中間透過反射層は、前方光電変換ユニットと後方光電変換ユニットの間に挿入してもよいが、前方光電変換ユニットの逆導電形層の一部に中間透過反射層を設けても良く、また、後方光電変換ユニットの一導電形層の一部に中間透過反射層を設けても良い。
前方光電変換ユニット2は、例えばpin型の順にプラズマCVD法により各半導体層を積層して形成される。具体的には、例えば導電型決定不純物原子であるボロンが0.01原子%以上ドープされたp型非晶質シリコンカーバイド層を一導電型層21とし、真性非晶質シリコン層を光電変換層22とし、導電型決定不純物原子であるリンが0.01原子%以上ドープされたn型微結晶シリコン層を逆導電型層23として、この順に堆積すればよい。
中間透過反射層6の材料としては、酸化亜鉛、ITOなどの導電性金属酸化物が挙げられる。また、非晶質シリコンや結晶質シリコンと同様にプラズマCVDで作製可能な、微結晶シリコンと酸化シリコンからなるシリコン複合層を用いることができる。集積型モジュールの場合、導電性酸化物を中間透過反射層6に用いると後方光電変換ユニットの短絡の問題が発生するが、シリコン複合層ではその問題が無いので、中間透過反射層6としてはシリコン複合層がより望ましい。シリコン複合層の形成は、例えば、反応ガスとして、SiH、CO、H、PHを用い、H/SiH比が大きい、いわゆる微結晶作製条件で、かつCO/SiH比が2以上の範囲を用いてプラズマCVD法で作製することが好ましい。このときのプラズマCVDの条件は、例えば容量結合型の平行平板電極を用いて、電源周波数10〜100MHz、高周波パワー密度0.01〜0.5W/cm2、圧力50〜1500Pa、基板温度150〜250℃が好ましい。CO/SiH比を増加させると膜中酸素濃度が単調に増加し、中間透過反射層の屈折率を下げることができる。
後方光電変換ユニット3は、例えばpin型の順にプラズマCVD法により各半導体層を積層して形成される。具体的には、例えば導電型決定不純物原子であるボロンが0.01原子%以上ドープされたp型微結晶シリコン層を一導電型層31とし、真性結晶質シリコン層を光電変換層32とし、導電型決定不純物原子であるリンが0.01原子%以上ドープされたn型微結晶シリコン層を逆導電型層33としてこの順に堆積すればよい。
裏面電極層4としては、Al、Ag、Au、Cu、PtおよびCrから選ばれる少なくとも一つの材料を、少なくとも一層の金属層42としてスパッタ法または蒸着法により形成することが好ましい。また、1以上の光電変換ユニットとの間に、ITO、SnO、ZnO等の導電性酸化物層41を裏面電極層4の一部として形成するほうが好ましい。この導電性酸化物層41は、1以上の光電変換ユニットと裏面電極層4との間の密着性を高めるとともに、裏面電極層4の光反射率を高め、さらに、光電変換ユニットの化学変化を防止する機能を有する。
光電変換ユニットは図1に示した様に2つでもよいが、光電変換ユニットを1つ備える光電変換装置、いわゆるシングルセルでも良い。また、光電変換ユニットを3つ備える光電変換装置、いわゆるトリプルセルでも良く、さらに3つ以上の光電変換ユニットを積層してもよい。例えば、図1の前方光電変換ユニットに相当する非晶質シリコン光電変換ユニットのみを形成し、中間透過反射層6と後方光電変換ユニット3がない非晶質シングルセルでもかまわない。また、本発明の透明電極層はZnOを用いており、SnOに比べて耐プラズマ性が高いので、透明電極層の上に直接、結晶質シリコン光電変換ユニットを形成することも可能である。そこで、結晶質シリコン光電変換ユニットを1つ備える、図1の前方光電変換ユニット2と中間透過反射層6がない結晶質シングルセルでも良い。また、トリプルセルの例として、非晶質シリコン光電変換ユニット/実質的なi層に非晶質シリコンゲルマニウムを用いた非晶質シリコンゲルマニウム光電変換ユニット/結晶質シリコン光電変換ユニットの順に3つの光電変換ユニットを積層しても良い。また、非晶質シリコン光電変換ユニット/結晶質シリコン光電変換ユニット/結晶質シリコン光電変換ユニットの順に3つの光電変換ユニットを積層しても良い。
本発明の光電変換装置用透明導電膜は、図1のような下地層が透明絶縁基板の場合に限定されず、下地層が半導体層の場合であっても有効である。例えば、基板、裏面電極層、1つ以上の半導体層からなる光電変換ユニット、本発明の光電変換装置用透明導電膜の順に積層した構造でもよい。この場合、光電変換ユニットの一番上の半導体層が、透明導電膜の下地層となる。これは基板の反対側の面から光を入射するいわゆるサブストレート形の薄膜光電変換装置である。
本発明の光電変換装置用透明導電膜は、シリコン系薄膜光電変換装置に限定されるものではなく、その他の薄膜光電変換装置においても同様に有効であることは明らかである。例えば、CdTe薄膜光電変換装置において、基板、p型CdTe、n型CdS、本発明の透明導電膜を順次積層して構造でも、有効である。また、CIS薄膜光電変換装置において、基板、Mo裏面電極、p型CuInSe、n型CdS、本発明の透明導電膜を順次積層して構造でも、有効である。CuInSeにGaを添加した略称CIGS薄膜光電変換装置においても、本発明の透明導電膜は有効である。
また、光閉じ込め効果は限定されるが、単結晶や多結晶の膜厚が50μm以上あるいわゆるバルクの光電変換装置においても、本発明の透明導電膜は有効である。例えば、p型単結晶シリコンウエハにn型不純物を拡散してpn接合を形成し、ウエハの光入射面側に本発明の透明導電膜を配置しても良い。この場合、単結晶シリコンウエハが、光電変換装置用透明導電膜の下地層になる。
以下、本発明による実施例と、従来技術による比較例に基づいて詳細に説明する。各図において同様の部材には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、本発明はその趣旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではないが、実施例は好ましい態様の一つである。
(実施例1)
本発明の実施例1として、光電変換装置用透明導電膜を作製した。具体的には、図1の薄膜光電変換装置の断面図において、1の部分に相当する光電変換装置用基板を作製した。厚み4mm、360mm×465mmのガラス基板の透光性基体111上にSiO微粒子1121を含む透光性下地層112を形成し、透明絶縁基板11とした。透光性下地層111を形成する際に用いた塗布液は、平均粒径が90nmの球状シリカ分散液、水、イソプロピルアルコール、塩酸の混合液で、塩酸の添加によってテトラエトキシシランを加水分解させたものを用いた。塗布液に基板を鉛直に浸す、いわゆるディップ法によってガラス上に塗布した後、80℃で30分乾燥し、その後450℃で5分加熱することにより、表面に微細な凹凸が形成された透明絶縁基板11を得た。このとき、透光性下地層の反対面にも同様の膜が形成され、この膜は反射防止膜として機能する。この透明絶縁基板11の表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察したところ、微粒子の形状を反映し、凸部が曲面からなる凹凸が確認された。この条件で製膜された透光性下地層112の二乗平均平方根粗さ(RMS)は5〜50nmであった。なお、本発明におけるRMSは、一辺が5μmの正方形領域を観察した原子間力顕微鏡(AFM)像から求めている(ISO 4287/1)。このAFM測定にはNano−Rシステム(Pacific Nanotechnology社製)のノンコンタクトモードが用いられた。
得られた透明絶縁基板11の一主面を下地層として、その上にZnOからなる透明導電膜12を低圧熱CVD法で形成した。本発明の特徴であるZnOの下地層側界面から所定位置のH原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のH原子濃度が低く、かつ、該透明導電膜は下地層側界面から所定位置のB原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のB原子濃度が低い組成分布を得るために、透明導電膜12の硼素含有ガス流量(FB)と有機金属蒸気流量(FZ)の比の値(FB/FZ)をZnO形成中に連続的に減少させた。具体的には硼素含有ガスとしてBを用い、有機金属蒸気としてDEZを用い、製膜開始時にFB/FZ=1%とし、時間に比例してFB/FZを減少して、製膜終了時のFB/FZ=0.25%とした。時間平均したFB/FZは0.625%であった。この透明導電膜12は、圧力25Pa、基板温度150℃、ジエチル亜鉛(DEZ)の流量400sccm、水の流量1000sccm、水素流量1000sccmで形成した。
図2に、実施例1のZnOからなる透明導電膜12について、SIMSで測定したB原子濃度、H原子濃度およびC原子濃度の深さ方向分布を示す。SIMSは、Csイオン源を用いた。図2の左側はZnOの表面で、右側は下地層である透明絶縁基板11である。下地層から表面側に向かって、H原子濃度は2.6×1021個/cmから4.8×1020個/cmに減少し、C原子濃度は1.3×1020個/cmから2.0×1019個/cmに減少しており、いずれも1/5以下と大きく減少する。また、B原子濃度は下地層から表面側に向かって非常に緩やかに減少している。SIMSの測定感度は界面で急変するので、H原子濃度、C原子濃度が極小値をもつ表面から0.1umの点をZnOの表面側界面から所定位置の濃度とすると、B原子濃度はZnOの下地層側界面から所定位置で2.5×1019個/cmだったものが、ZnOの表面側界面から所定位置で9.1×1019個/cmに減少している。
このように、本願では、SIMSの測定に関連して用いられる「界面から所定位置」との文言の意味は、SIMSの測定感度の関係で界面で急変するデータの影響を受けない程度の所定の位置のことをいう。得られるデータによって、「界面から所定位置」が変化する場合が有るが、上記の意味合いで用いられる文言であるため、SIMS測定によって、本件の技術的範囲は明確となる。
得られた実施例1のZnO膜からなる透明導電膜12の反射スペクトルの干渉から求めた厚さは1.70μmで、SIMSのスパッタレートから求めた膜厚とほぼ一致した。シート抵抗は10.7Ω/□であった。表面面積比(Sdr)は73.5%であった。なお、本発明におけるSdrは、一辺が5μmの正方形領域を観察した原子間力顕微鏡(アトミック・フォース・マイクロスコピー、略称AFM)像から求めている。このAFM測定にはNano−Rシステム(Pacific Nanotechnology社製)のノンコンタクトモードが用いられた。C光源を用いて測定したヘイズ率は47.8%でであった。
(比較例1)
従来法による比較例1として、従来の透明導電膜を作製した。ZnOの製膜時にFB/FZ=1%一定とした以外は、その構造、作製方法は実施例1と同一した。
図3に、比較例1のZnOからなる透明導電膜について、SIMSで測定したB原子濃度、H原子濃度およびC原子濃度の深さ方向分布を示す。下地層である透明絶縁基板側から表面側に向かって、H原子濃度およびC原子濃度は実施例1と同様に減少する。しかし、B原子濃度は下地層から表面に向かって増加している。B原子濃度はZnOの下地層側界面から所定位置の1.9×1020個/cmから、ZnOの表面側界面から所定位置の4.3×1020個/cmに増加している。
得られた比較例1のZnO膜からなる透明導電膜の特性を実施例1と同様に測定したところ、膜厚1.75μm、シート抵抗は6.2Ω/□であった。表面面積比(Sdr)は69.3%であった。ヘイズ率は24.5%であった。
実施例1と比較例1は透明導電膜がほぼ同じ膜厚にもかかわらず、実施例1のヘイズ率が約20%以上増加しており、凹凸が増加して、光閉じ込め効果を増加できることがわかる。また、実施例1のシート抵抗は、10Ω/□台の低い値であり、光電変換素子に十分適用できる低いシート抵抗を示している。
(比較例2)
比較例2として、従来の透明導電膜を作製した。ZnOの製膜時にFB/FZ=0.5%一定とした以外は、その構造、作製方法は実施例1と同一した。
図4に、比較例2のZnOからなる透明導電膜について、SIMSで測定したB原子濃度、H原子濃度およびC原子濃度の深さ方向分布を示す。下地層である透明絶縁基板側から表面側に向かって、H原子濃度およびC原子濃度は実施例1と同様に減少する。しかし、比較例1と同様にB原子濃度は下地層から表面に向かって増加している。B原子濃度はZnOの下地層側界面から所定位置の1.1×1020個/cmから、ZnOの表面側界面から所定位置の1.9×1020個/cmに増加している。B原子濃度の絶対値は比較例1の約半分である。
得られた比較例2のZnO膜からなる透明導電膜の特性を実施例1と同様に測定したところ、膜厚1.73μm、シート抵抗は14.5Ω/□であった。表面面積比(Sdr)は71.3%であった。ヘイズ率は37.3%であった。
FB/FZが半分になったことで、比較例2のヘイズ率は比較例1に比べて増加しているが、シート抵抗は高くなっており、光電変換素子のFFの低下要因となる。これに対して、実施例1は比較例2よりヘイズ率が高く、かつ10Ω/□台の低いシート抵抗を示した。
(比較例3)
比較例3として、従来の透明導電膜を作製した。ZnOの製膜時にFB/FZ=0%一定とした以外は、その構造、作製方法は実施例1と同一した。
得られた比較例3のZnO膜からなる透明導電膜の特性を実施例1と同様に測定したところ、膜厚1.70μm、シート抵抗は120Ω/□であった。表面面積比(Sdr)は83.3%であった。ヘイズ率は53.2%であった。
(実施例2)
実施例2として、本発明の透明導電膜を作製した。FB/FZを1%から0%に連続的に減少したこと以外の構造、作製方法は実施例1と同様にした。得られた実施例2のZnO膜からなる透明導電膜の特性を実施例1と同様に測定したところ、膜厚1.74μm、シート抵抗は11.0Ω/□であった。表面面積比(Sdr)は78.2%であった。ヘイズ率は51.5%であった。
実施例1に比べてシート抵抗がやや高いが、ヘイズ率をさらに増加できている。
(実施例3)
実施例3として、本発明の透明導電膜を作製した。FB/FZを1%から0%にステップ的に減少したこと以外の構造、作製方法は実施例1と同様にした。製膜時間の前半のFB/FZ=1%、後半のFB/FZ=0%とした。
得られた実施例2のZnO膜からなる透明導電膜の特性を実施例1と同様に測定したところ、膜厚1.74μm、シート抵抗は11.5Ω/□であった。表面面積比(Sdr)は74.5%であった。ヘイズ率は41.7%であった。
実施例3は時間平均するとFB/FZは0.5%であるが、FB/FZ=0.5%一定とした比較例2に比べて、ほぼ同じ膜厚でヘイズ率が高く、シート抵抗が低いZnO膜が得られている。また、FB/FZの変化をステップ的に減少しても、ヘイズ率の増加効果が得られることから、連続的に減少する場合よりも簡便な流量制御装置で光電変換装置用透明導電膜の特性を向上できる。
(比較例4)
比較例4として、従来法の透明導電膜を作製した。FB/FZを0%から1%にステップ的に増加したこと以外の構造、作製方法は実施例1と同様にした。製膜時間の前半のFB/FZ=0%、後半のFB/FZ=1%とした。
得られた比較例5のZnO膜からなる透明導電膜の特性を実施例1と同様に測定したところ、膜厚1.72μm、シート抵抗は17.5Ω/□であった。表面面積比(Sdr)は62.3%であった。ヘイズ率は30.2%であった。
比較例5は時間平均するとFB/FZは0.5%であるが、FB/FZ=0.5%一定とした比較例2に比べて、ほぼ同じ膜厚のZnOでヘイズ率が低く、シート抵抗が高い。したがって、下地層から遠い側でFB/FZを増加すると、ヘイズ率の低下と抵抗の増加が発生して、光電変換装置用透明導電膜として望ましくないことがわかる。
(実施例4)
実施例4として、本発明の透明導電膜を作製した。実施例1の条件で第一透明導電膜を作製した後、FB/FZ=2.5%に増加して第二透明導電膜を作製したことを除いて、その構造、作製方法は実施例1と同様にした。第二透明導電膜の作製時間は透明導電膜の全体の作製時間の20%であった。時間平均したFB/FZ=0.78%であった。
図5に、実施例4のZnOからなる透明導電膜について、SIMSで測定したB原子濃度、H原子濃度およびC原子濃度の深さ方向分布を示す。下地層である透明絶縁基板側から表面側に向かって、まず、H原子濃度およびC原子濃度が実施例1と同様に減少し、B原子濃度が非常に緩やかに減少する。表面側から約0.3umの深さから表面側に向かって、B原子濃度、H原子濃度、C原子濃度ともに増えている。B原子濃度は基板側界面の所定位置で1.9×1020個/cmであり、表面側に向かって緩やかに減少して1.1×1020個/cmの最小値となり、そこから急増して最大値6.1の×1020個/cmに達する。
得られた実施例4のZnO膜からなる透明導電膜の特性を実施例1と同様に測定したところ、膜厚1.75μm、シート抵抗は9.4Ω/□であった。表面面積比(Sdr)は78.2%であった。ヘイズ率は45.5%であった。
実施例4は、40%以上の高いヘイズ率と、10Ω/□以下の低いシート抵抗を両立する光電変換装置用透明導電膜として、好適な特性を示している。
(比較例5)
従来法による比較例5として、従来の透明導電膜を作製した。ZnOはスパッタ法で製膜し、ターゲットにはBを3重量%含むZnOを用いた。スパッタの条件は、基板温度120℃、Ar流量50sccm、圧力0.3Pa、直流放電パワー2kWである。透明導電膜の下地層となる透明絶縁基板は、実施例1と同様のものを用いた。
H原子濃度とC原子濃度はSIMSの測定バックグラウンドより低く、それぞれは2.2×1018個/cm以下、C原子濃度は5×1017個/cm以下であった。B原子濃度は4.8〜5.2×1020個/cmで膜厚方向にほぼ一定であった。
得られた比較例3のZnO膜からなる透明導電膜の特性を実施例1と同様に測定したところ、膜厚1.70μm、シート抵抗は3.2Ω/□であった。表面面積比(Sdr)は12.3%であった。ヘイズ率は3.5%であった。この透明導電膜は、茶褐色をしており、透過率が低く光電変換装置への適用することはできなかった。
(比較例6)
従来法による比較例6として、従来の透明導電膜を作製した。ZnOの製膜中に基板温度を150℃から120℃に下げた以外は、その構造、作製方法は比較例1と同一した。
比較例6のZnOの深さ方向の組成分布をSIMSで測定したところ下地層である透明絶縁基板側から表面側に向かって、H原子濃度は2.6×1021個/cmから3.3×1021個/cmに増加、C原子濃度は1.3×1020個/cmから1.6×1020個/cmに増加した。また、B原子濃度は1.9×1020個/cmから1.7×1020個/cmに減少した。
得られた比較例6のZnO膜からなる透明導電膜の特性を実施例1と同様に測定したところ、膜厚1.69μm、シート抵抗は27.4Ω/□であった。表面面積比(Sdr)は57.3%であった。ヘイズ率は13.3%であった。
比較例6は、ZnOの下地層側界面から所定位置から表面側に向って、B原子濃度は減少しているが、H原子濃度、C原子濃度が増加している。この場合、比較例1に比べてヘイズ率が低下し、また、シート抵抗が増加し、透明導電膜の特性が悪くなった。
(実施例1〜4、比較例1〜6)
表1に実施例1〜4、比較例1〜6の透明導電膜の作製方法の概要とZnO膜特性をまとめて示す。
Figure 2009111183
(実施例5)
本発明の実施例5として、非晶質シリコン光電変換ユニットを1つ備える薄膜光電変換装置を作製した。実施例5のデバイス構造は、図1の中間透過反射層と後方光電変換ユニットがない構造である。実施例1の光電変換装置用透明導電膜を備えた薄膜光電変換装置用基板1の上に、非晶質光電変換ユニット2を形成した。具体的には、プラズマCVD法で、厚さ10nmのp型微結晶シリコン層および厚さ15nmのp型非晶質シリコンカーバイド層からなる一導電型層21、厚さ300nmの真性非晶質シリコン層の光電変換層22、及び厚さ30nmのn型微結晶シリコン層の逆導電型層23からなる非晶質光電変換ユニット2を形成した。
その上に裏面電極層4として厚さ90nmのAlドープされたZnOの導電性酸化物層41と厚さ200nmのAgの金属層42をスパッタ法にて順次形成した。
最後に、532nmの第二高調波のYAGレーザーを用いて、10mm×10mmの面積にパターニングを行った。
このようにして得られた実施例5の薄膜光電変換装置にAM1.5の光を100mW/cmの光量で照射して出力特性を測定ところ、開放電圧(Voc)が0.899V、短絡電流密度(Jsc)が16.24mA/cm、曲線因子(FF)が0.730、そして変換効率(Eff)が10.66%であった。
(比較例7)
従来法による比較例7として、非晶質シリコン光電変換ユニットを1つ備える薄膜光電変換装置を作製した。比較例1の光電変換装置用透明導電膜を備えた薄膜光電変換装置用基板1を用いたほか、その構造、作製方法は実施例5と同様とした。
得られた比較例7の薄膜光電変換装置の出力特性を実施例5と同様に測定ところ、Voc=0.880V、Jsc=15.32mA/cm、FF=0.745、そしてEff=10.04%であった。比較例6は、実施例5に比べて透明導電膜のヘイズ率が低いためにJscが低くなって、Effが低下している。
(比較例8)
従来法による比較例8として、非晶質シリコン光電変換ユニットを1つ備える薄膜光電変換装置を作製した。比較例2の光電変換装置用透明導電膜を備えた薄膜光電変換装置用基板1を用いたほか、その構造、作製方法は実施例5と同様とした。
得られた比較例8の薄膜光電変換装置の出力特性を実施例5と同様に測定ところ、Voc=0.901V、Jsc=15.78mA/cm、FF=0.698、そしてEff=9.92%であった。比較例7は、実施例5に比べて透明導電膜のシート抵抗が高いためにFFが低くなって、Effが低下している。
(実施例6)
本発明による実施例6として、非晶質シリコン光電変換ユニットを1つ備える薄膜光電変換装置を作製した。実施例2の光電変換装置用透明導電膜を備えた薄膜光電変換装置用基板1を用いたほか、その構造、作製方法は実施例5と同様とした。
得られた実施例6の薄膜光電変換装置の出力特性を実施例5と同様に測定ところ、Voc=0.893V、Jsc=16.31mA/cm、FF=0.715、そしてEff=10.42%であった。
(実施例7)
本発明による実施例7として、非晶質シリコン光電変換ユニットを1つ備える薄膜光電変換装置を作製した。実施例3の光電変換装置用透明導電膜を備えた薄膜光電変換装置用基板1を用いたほか、その構造、作製方法は実施例5と同様とした。
得られた実施例7の薄膜光電変換装置の出力特性を実施例5と同様に測定ところ、Voc=0.894V、Jsc=16.00mA/cm、FF=0.722、そしてEff=10.32%であった。
(比較例9)
従来法による比較例9として、非晶質シリコン光電変換ユニットを1つ備える薄膜光電変換装置を作製した。比較例4の光電変換装置用透明導電膜を備えた薄膜光電変換装置用基板1を用いたほか、その構造、作製方法は実施例5と同様とした。
得られた実施例7の薄膜光電変換装置の出力特性を実施例5と同様に測定ところ、Voc=0.893V、Jsc=15.65mA/cm、FF=0.692、そしてEff=9.66%であった。
(実施例6、7、比較例8、9の比較)
実施例6、7、比較例8、9の透明導電膜は、いずれも時間平均したFB/FZが0.5%である。しかしながらFB/FZの制御方法によって、薄膜光電変換装置のEffが高い順に、実施例6(連続減少)、実施例7(ステップ減少)、比較例7(一定)、比較例8(ステップ増加)となっている。
(実施例8)
本発明による実施例8として、非晶質シリコン光電変換ユニットを1つ備える薄膜光電変換装置を作製した。実施例4の光電変換装置用透明導電膜を備えた薄膜光電変換装置用基板1を用いたほか、その構造、作製方法は実施例5と同様とした。
得られた実施例7の薄膜光電変換装置の出力特性を実施例5と同様に測定ところ、Voc=0.893V、Jsc=16.17mA/cm、FF=0.743、そしてEff=10.73%であった。
実施例8は実施例5に比べて、FFが主に増加している。これは透明導電膜の最表面のB原子濃度を増加することによって、透明導電膜と非晶質光電変換ユニットの一導電型層の接触抵抗が減少したためと考えられる。
(比較例10)
従来法による比較例10として、非晶質シリコン光電変換ユニットを1つ備える薄膜光電変換装置を作製した。比較例3の光電変換装置用透明導電膜を備えた薄膜光電変換装置用基板1を用いたほか、その構造、作製方法は実施例5と同様とした。
得られた比較例10の薄膜光電変換装置の出力特性を実施例5と同様に測定しようとしたところ、IVカーブがダイオード特性を示さず、発電特性を示さなかった。
(実施例5〜8、比較例7〜10)
表2に実施例5〜8、比較例7〜10の非晶質シリコン光電変換装置の特性をまとめて示す。
Figure 2009111183
(実施例9)
本発明の実施例9として、実施例1の薄膜光電変換装置用基板を用いて、図1に示す構造のハイブリッド形薄膜光電変換装置を作製した。実施例1の薄膜光電変換装置用基板1の上に、非晶質シリコン光電変換ユニット2、中間透過反射層6、結晶質シリコン光電変換ユニット3、及び裏面電極層4を形成することで、積層型薄膜光電変換装置を作製した。実施例1の透明導電膜12の上に、厚さ10nmのp型微結晶シリコン層および厚さ15nmのp型非晶質シリコンカーバイド層からなる一導電型層21、厚さ350nmの真性非晶質シリコン層の光電変換層22、及び厚さ15nmのn型微結晶シリコン層の逆導電型層23からなる非晶質光電変換ユニットの前方光電変換ユニット2を形成した。つづけて、プラズマCVDで、厚さ50nmのシリコン複合層からなる中間透過反射層6を形成した。さらに、厚さ15nmのp型微結晶シリコン層の一導電型層31、厚さ2.5μmの真性結晶質シリコン層の光電変換層32、及び厚さ15nmのn型微結晶シリコン層の逆導電型層33からなる結晶質シリコン光電変換層ユニットの後方光電変換ユニット3を順次プラズマCVD法で形成した。その次に、裏面電極層4として厚さ90nmのAlドープされたZnOの導電性酸化物層41と厚さ200nmのAgの金属層42をスパッタ法にて順次形成した。
得られた実施例9の薄膜光電変換装置の出力特性を実施例5と同様に測定ところ、Voc=1.377V、Jsc=13.12mA/cm、FF=0.727、そしてEff=13.13%であった。
(実施例10)
本発明による実施例10として、ハイブリッド形薄膜光電変換装置を作製した。実施例4の光電変換装置用透明導電膜を備えた薄膜光電変換装置用基板1を用いたほか、その構造、作製方法は実施例9と同様とした。
得られた実施例10の薄膜光電変換装置の出力特性を実施例5と同様に測定ところ、Voc=1.386V、Jsc=12.91mA/cm、FF=0.745、そしてEff=13.32%であった。
実施例10は、実施例9に比べて、FFが増加してEffが増加している。
(比較例11)
従来法による比較例11として、ハイブリッド形薄膜光電変換装置を作製した。比較例1の光電変換装置用透明導電膜を備えた薄膜光電変換装置用基板1を用いたほか、その構造、作製方法は実施例9と同様とした。
得られた比較例11の薄膜光電変換装置の出力特性を実施例5と同様に測定ところ、Voc=1.372V、Jsc=12.54mA/cm、FF=0.738、そしてEff=12.71%であった。
比較例11は、実施例9、10に比べて、Jscが低下してEffが低くなっている。
(比較例12)
従来法による比較例12として、ハイブリッド形薄膜光電変換装置を作製した。比較例2の光電変換装置用透明導電膜を備えた薄膜光電変換装置用基板1を用いたほか、その構造、作製方法は実施例9と同様とした。
得られた比較例12の薄膜光電変換装置の出力特性を実施例5と同様に測定ところ、Voc=1.378V、Jsc=13.06mA/cm、FF=0.716、そしてEff=12.88%であった。
比較例12は、実施例9、10に比べて、FFが低下してEffが低くなっている。
(実施例9〜10、比較例11〜12)
表2に実施例9〜10、比較例11〜12の非晶質シリコン光電変換装置の特性をまとめて示す。
Figure 2009111183
本発明の一実施形態の光電変換装置用基板および薄膜光電変換装置の断面図。 本発明による実施例1の透明導電膜の組成の深さ方向分布。 従来法による比較例1の透明導電膜の組成の深さ方向分布。 従来法による比較例2の透明導電膜の組成の深さ方向分布。 本発明による実施例2の透明導電膜の組成の深さ方向分布。
符号の説明
1 光電変換装置用基板
11 透明絶縁基板
111 透光性基体
112 透光性下地層
1121 透光性微粒子
1122 透光性バインダー
12 透明導電膜
2 前方光電変換ユニット
21 一導電型層
22 光電変換層
23 逆導電型層
3 後方光電変換ユニット
31 一導電型層
32 光電変換層
33 逆導電型層
4 裏面電極層
41 導電性酸化物層
42 金属層
5 薄膜光電変換装置

Claims (6)

  1. 下地層の上に配置された光電変換装置用透明導電膜であって、
    該透明導電膜が各々SIMSで測定した原子濃度の最大値として2×1019個/cm以上のB原子、及び2×1020個/cm以上のH原子を含む酸化亜鉛からなり、該透明導電膜は下地層側界面から所定位置のH原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のH原子濃度が低く、
    かつ該透明導電膜は下地層側界面から所定位置のB原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のB原子濃度が低いことを特徴とする光電変換装置用透明導電膜。
  2. 下地層の上に順次配置された第一透明導電膜と第二透明導電膜からなる光電変換装置用透明導電膜であって、該第一透明導電膜と該第二透明導電膜が各々SIMSで測定した原子濃度の最大値として2×1019個/cm以上のB原子、及び2×1020個/cm以上のH原子を含む酸化亜鉛からなり、該第一透明導電膜は下地層側界面から所定位置のH原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のH原子濃度が低く、かつ該第一透明導電膜は下地層側界面から所定位置のB原子濃度より下地層から遠い側の界面から所定位置のB原子濃度が低く、該第二透明導電膜のB原子濃度の最大値は前記第一透明導電膜のB原子濃度の最小値より高いことを特徴とする光電変換装置用透明導電膜。
  3. 有機金属蒸気、酸化剤蒸気、硼素含有ガスを少なくとも含む混合ガスを用いた低圧熱CVD法による光電変換装置用透明導電膜の製造方法であって、該透明導電膜が酸化亜鉛からなり、かつ該透明導電膜を形成中に硼素含有ガス流量(FB)と有機金属蒸気流量(FZ)の比の値(FB/FZ)を減少させることを特徴とする光電変換装置用透明導電膜の製造方法。
  4. 前記FB/FZをステップ的に減少することを特徴とする請求項3に記載の光電変換装置用透明導電膜の製造方法。
  5. 前記FB/FZを連続的に減少することを特徴とする請求項3に記載の光電変換装置用透明導電膜の製造方法。
  6. 有機金属蒸気、酸化剤蒸気、硼素含有ガスを少なくとも含む混合ガスを用いた低圧熱CVD法による光電変換装置用透明導電膜の製造方法であって、該透明導電膜が順次形成された第一透明導電膜と第二透明導電膜の酸化亜鉛からなり、該第一透明導電膜を形成中にFB/FZを減少させ、かつ第二透明導電膜形成中のFB/FZの最大値が第一透明導電膜形成中のFB/FZの最小値より大きいことを特徴とする光電変換装置用透明導電膜の製造方法。
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