JP2009110716A - プロトン伝導体及びその製造方法 - Google Patents

プロトン伝導体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009110716A
JP2009110716A JP2007279431A JP2007279431A JP2009110716A JP 2009110716 A JP2009110716 A JP 2009110716A JP 2007279431 A JP2007279431 A JP 2007279431A JP 2007279431 A JP2007279431 A JP 2007279431A JP 2009110716 A JP2009110716 A JP 2009110716A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
proton conductor
compound
aluminum
phosphoric acid
proton
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007279431A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4933400B2 (ja
Inventor
Kazutomo Hoshino
和友 星野
Toshiya Kunisaki
敏哉 国崎
Kazuaki Takahashi
和明 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Mining and Smelting Co Ltd filed Critical Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority to JP2007279431A priority Critical patent/JP4933400B2/ja
Publication of JP2009110716A publication Critical patent/JP2009110716A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4933400B2 publication Critical patent/JP4933400B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】従来のリン酸塩型プロトン伝導体と同程度又はそれ以上のプロトン伝導性を有し、かつ反応容器からの取り出しや、取り出された後の粉砕等の操作が容易な、取り扱い性に優れたプロトン伝導体を提供すること。
【解決手段】本発明のプロトン伝導体は、TiP27にAl3+及び/又はCa2+がドープされてなることを特徴とする。このプロトン伝導体は、チタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物を平均粒径が3μm以下となるようにボールミルで粉砕し;粉砕されたチタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物を、リン酸水溶液と混合し;混合液を攪拌しながら加熱して該混合液をゲル状となし;得られたゲルを400〜800℃に加熱することによって好適に製造される。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロトン伝導体及びその製造方法に関する。
SnP27や、In3+をドープしたSnP27は、200℃前後の温度域において約0.2S/cmのプロトン導電率を示すことが知られている(非特許文献1及び2参照)。またIn3+に代えて、Al3+やTi4+をドープしたSnP27もプロトン伝導性を示すことが知られている(非特許文献3及び特許文献1参照)。これらの物質は、ナフィオン(登録商標)等のスルホン化されたテトラフルオロエチレン共重合体に代わる、燃料電池の固体電解質としての用途が期待されている。
前記の物質は、焼結体を得ることが難しく、固体電解質として用いるためには、粉体の加圧成形体を作製する必要がある。しかし前記の物質を、前記の各文献に記載の方法に従い製造すると、極めて硬い固形物の状態で、るつぼ等の反応容器に密着してしまうので、反応容器から取り出すことが容易でなく、作業性が良好とは言えない。また、それに起因して、不純物が混入しやすいという不都合や、リン酸の蒸発のためにリン濃度が化学量論組成から不足側(この場合2.0以下)になりやすく、生成物の収率が低下するという不都合もある。さらに、取り出された生成物は非常に硬くなっているので、これを細かく粉砕することも容易でなく、また強粉砕すると生成物の結晶構造が破壊される可能性もある。
長尾征洋ら、「第47回電池討論会講演要旨集」、電気化学会、平成18年11月20日、p.186 Masahiro Nagao et al., "Proton Conduction in In3+-Doped SnP2O7 at Intermediate Temperatures", J. Electrochem. Soc., 153(8), A1604-A1609(2006) 梶山理一ら、「電気化学会第74回大会講演要旨集」、電気化学会、2007年、p.67 特開2005−294245号公報
したがって本発明の目的は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得るプロトン伝導体を提供することにある。
本発明は、TiP27にAl3+及び/又はCa2+がドープされてなることを特徴とするプロトン伝導体を提供するものである。
また本発明は、前記のプロトン伝導体の好適な製造方法であって、
チタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物を平均粒径が3μm以下となるように粉砕し、
粉砕されたチタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物を、リン酸水溶液と混合し、
混合液を攪拌しながら加熱して該混合液をゲル状となし、
得られたゲルを400〜800℃に加熱することを特徴とするプロトン伝導体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、従来知られているリン酸塩型のプロトン伝導体と同程度又はそれ以上のプロトン伝導性を有し、かつ反応容器からの取り出しや、取り出された後の粉砕等の操作が容易な、取り扱い性に優れたプロトン伝導体が提供される。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明のプロトン伝導体は、TiP27を主体とし、これにAl3+又はCa2+がドープされてなるものである。Al3+とCa2+とは、いずれか一方がドープされていてもよく、あるいは双方がドープされていてもよい。このプロトン伝導体は、中温域(例えば150〜300℃程度)におけるプロトン伝導性が高いことによって特徴づけられる。具体的には、例えば200℃におけるプロトン伝導率が0.1〜0.2S/cmという高い値を示す。したがって本発明のプロトン伝導体は、例えば燃料電池の固体電解質、NOx還元セラミックリアクタ、NOx・H2センサなどの用途に好適な材料である。
特に、プロトン伝導体にドープされるAl3+及び/又はCa2+のドープ量が、(Al+Ca)/(Ti+Al+Ca)のモル比で表して0.05〜0.30、特に0.10〜0.20であると、プロトン伝導性が一層高くなることから好ましい。
本発明のプロトン伝導体は一般に粉体の形態で得られる。この場合、平均粒径は、D50で表して50μm以下、特に0.1〜10μmであることが、該粉体を用いて製造される固体電解質のプロトン伝導率の高さや、固体電解質の製造の容易さの点から好ましい。D50の値は例えば、マイクロトラック粒度分布測定装置等のレーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置を用いて測定される。
本発明のプロトン伝導体は、後述するように、チタン化合物、アルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物、並びにリン酸を用いて好適に製造されるところ、該プロトン伝導体にはリン酸が含まれていることが、高い伝導率を得る観点から好ましい。この観点から、後述するように、リン酸に対するチタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物の仕込量を、P/(Ti+Al+Ca)のモル比で表して2.6〜3.6、特に2.8〜3.4として、リン酸の仕込量を過剰にすることが好ましい。
後述する製造方法の細かな条件にもよるが、本発明のプロトン伝導体がアルミニウムをドープしたものである場合、該プロトン伝導体はメタリン酸アルミニウムを含んでいる。メタリン酸アルミニウムは、Al3+がドープされたTiP27からみれば不純物に相当する物質であり、その含有量は極力小さくすべきであると一般には考えられる。しかし、本発明者らの検討の結果、本発明のプロトン伝導体は、一般に不純物と位置づけられる物質であるメタリン酸アルミニウムを含んでいるにもかかわらず、上述のとおりの高いプロトン伝導性を有するものとなる。この理由についていまだ不明な部分が多く、さらなる検討が期待される。
本発明のプロトン伝導体に含まれるメタリン酸アルミニウムの割合は、ドープされるAl3+の量に比例して増加することが、本発明者らの検討の結果判明した。プロトン伝導体にメタリン酸アルミニウムが含まれていると、プロトン伝導性を低下させずに、該プロトン伝導体の粉砕等が容易になるので好ましい。本発明のプロトン伝導体にメタリン酸アルミニウムが含まれているか否かは、プロトン伝導体のXRD測定によって確認することができる。プロトン伝導体に含まれるメタリン酸アルミニウムの割合は、例えばTiP27とメタリン酸アルミニウムとの主要ピークの強度比から概算できる。この強度比は、メタリン酸アルミニウム/TiP27=1/10〜1/20であることが好ましい。なおTiP27にCa2+をドープした場合には、得られるプロトン伝導体にメタリン酸カルシウムが含まれることがあるが、このメタリン酸カルシウムはプロトン伝導体の導電性等には大きな影響を与えない。
本発明のプロトン伝導体は、これを後述する方法で製造することによって、手で砕くことができる程度に脆い状態とすることができる。また、反応容器への密着の程度が低いので、容易に該反応容器から取り出すことができる。したがって、作業性が良好であり、作業中に不純物が混入する可能性が極めて低い。更に、反応容器から取り出した後の粉砕を容易に行うことができ、所望の粒径を有する粉体となすことが容易である。
本発明のプロトン伝導体は、以下に述べる方法で好適に製造される。まず、原料であるチタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物の粉体を用意する。チタン化合物としては、酸化チタンを用いることが好ましい。アルミニウム化合物としては、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウムなどを用いることができる。これらのアルミニウム化合物のうち、水酸化アルミニウムを用いることが、脆く、取り扱い性の良好な目的物を容易に得られる点から好ましい。カルシウム化合物としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、塩化カルシウムなどを用いることができる。これらのカルシウム化合物のうち、炭酸カルシウムを用いることが反応性の点から好ましい。
原料であるチタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物は、これらを粉砕してその平均粒径D50を3μm以下とすることが重要であることが、本発明者らの検討の結果判明した。これによって、脆く取り扱い性の良好な目的物を容易に得ることが可能となる。チタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物の平均粒径の下限値に特に制限はないが、本発明者の検討によれば、平均粒径D50が0.1μm程度に小さければ、満足すべき目的物を容易に得ることが可能である。
チタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物は、これらを混合した状態で粉砕してもよく、あるいはそれぞれ別個に粉砕しておき、粉砕後に混合してもよい。いずれの場合においても、粉砕手段としてボールミルを採用することが、脆く、取り扱い性の良好な目的物を容易に得ることが可能となる点から好ましい。特にボールミルとして、遊星ボールミルを用いることが好ましい。遊星ボールミルは、粉砕対象物及び粉砕用ボールが収容された粉砕容器を、高速で自転させながら公転させて、強力な粉砕エネルギーを発生させ、粉砕対象物を粉砕する装置である。粉砕手段としてボールミル以外の手段を用いることもできる。例えばアトライターやビーズミルを用いることができる。
所望の粒径に粉砕されたチタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物は、リン酸及び水とともに、ビーカー等の反応容器内で、加熱しながら、スターラ等を用いて混合される。この場合、チタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物をリン酸中に首尾良く分散させることを目的として、リン酸として市販の濃度85重量%リン酸を用い、これを水(蒸留水)を適宜希釈したものを用いることが好ましい。水の量は重量でリン酸1に対して3〜6程度が好ましい。市販のリン酸を希釈しない場合には、リン酸の粘性が高いので、チタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物の粉体を、該リン酸と直接混合しても均一混合液を得ることが容易でない。そこでリン酸を上述の量の水で希釈し、粘度が低下した状態で、これをチタン化合物並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物と混合することで、容易に均一混合液を得ることができる。均一混合液を得ることは、チタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物の表面にリン酸を均一に付着させて、反応を均一に生じさせる観点から重要である。
混合においては、リン酸に対するチタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物の仕込量を、P/(Ti+Al+Ca)のモル比で表して2.6〜3.6、特に2.8〜3.4として、リン酸の仕込量を過剰にすることが好ましい。仕込量がこの範囲であれば、得られたプロトン伝導体は潮解性を有し、圧粉体の密度が向上して粒子同士の結合が強固になり、高い伝導率が得られる。これに対してモル比が2.6未満ではプロトン伝導体の導電率が0.001S/cm以下に低下しやすく、モル比が3.6超では得られるプロトン伝導体が液状となりやすく、成形体を製造できない。さらに、チタン化合物に対するアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物の仕込量を、Al/(Ti+Al+Ca)のモル比で表して、先に述べた範囲とすることが好ましい。
チタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物を、リン酸及び水とを混合して混合液を得たら、該混合液を加熱して水分をある程度除去する。加熱は混合液がゲル状となるまで行われる。加熱温度は200〜350℃、特に250〜300℃であることが好ましい。この範囲の温度を0.5〜3時間、特に1〜2時間維持して、混合液をゲル状にすることが好ましい。この場合、混合液を攪拌しながら加熱を行うことが、脆く取り扱い性の良好な目的物を容易に得る点から好ましい。
混合液がゲル化したら、このゲルを一旦室温(20〜25℃)まで戻す。次いで、ゲルを再び加熱して、焼成を行い脱水反応を生じさせ目的物を得る。加熱温度は、上述したゲル化温度以上とし、具体的には400〜800℃、特に550〜700℃とすることが、プロトン伝導性が良好な目的物を得る点から好ましい。加熱温度を400℃以上とすることで、目的物を首尾良く合成することができる。また加熱温度を800℃以下とすることで、リン酸の過度の揮発に起因する制御の困難さを回避でき、目的物を安定に製造することができる。加熱の昇温速度は室温から焼成温度までを2〜4時間とし、焼成温度で0.5〜3時間、特に1〜1.5時間維持して目的物を得ることが好ましい。
加熱による脱水反応は1回で完結させてもよく、あるいは必要に応じ複数回繰り返してもよい。尤も、脱水反応を複数回繰り返すと、リン酸の分解が進行するおそれがあり、それに起因して所望のプロトン伝導性が発現しづらくなる場合があるので注意を要する。
このようにして得られた目的物は、手で砕くことができる程度に脆いものであり、また反応容器の内壁に弱く付着している。したがって、目的物を反応容器から取り出す作業を容易に行うことができる。その結果、取り出しに際しての不純物の混入が極めて起こりづらい。また上述の反応系及び上述の製造方法によれば、得られた目的物の全体にわたってリン濃度が均一かつ適正であり、歩留まりが非常に高い。
得られた目的物は、解砕装置や粉砕装置を用いて所望の粒径の粉体となされる。この場合、該目的物は手で砕くことができる程度に脆いものであるから、解砕及び粉砕操作を容易に行うことができる。
以上の方法で得られたプロトン伝導体は、これを例えばバインダと混合して膜状に成形することで、固体電解質膜、特に無加湿形の固体電解質膜となすことができる。この固体電解質膜は、例えば燃料電池の構成部材として好適に使用される。また、得られた膜の各面に、触媒及び電極を固着させることで、燃料電池用の膜電極接合体(MEA)となすこともできる。これらの固体電解質又は膜電極接合体を備えた燃料電池は、好適には例えば150〜300℃程度の中温域で作動するものとなる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「重量%」を意味する。
〔実施例1〕
アナターゼ型の酸化チタンの粉末を遊星ボールミルで粉砕し、その平均粒径D50を0.5μmとした。これとは別に、水酸化アルミニウムの粉末を遊星ボールミルで粉砕し、その平均粒径D50を0.2μmとした。粉砕により得られた酸化チタン3.59g及び水酸化アルミニウム0.39gを、濃度85%のリン酸19.6g及び蒸留水100gと混合し、混合液を得た。Alの仕込みドープ量は、Al/(Ti+Al)で表して0.10であった。またリン酸の仕込量はP/(Ti+Al)で表して3.4であった。
ビーカー内に混合液を入れ、ホットプレートを用い大気下で300℃に加熱し、この温度を2時間保持した。加熱中、混合液を攪拌しつづけた。この加熱によって、混合液は粘性のあるゲル状になった。
ゲル状となった混合液をるつぼに入れ蓋をして、電気炉を用いて大気下で室温から650℃まで2時間で昇温し、650℃で1時間保持した。これによって脱水反応を生じさせ、目的物を得た。XRDによる分析の結果、この物質は、TiP27にAlがドープされているものであることが確認された。Alのドープ量は、Al/(Ti+Al)で表して0.10であった。また、XRDによる分析の結果、この物質はメタリン酸アルミニウムを含むものであり、メインピークの高さの比率から、数%のメタリン酸アルミニウムが含まれると推定される。
〔実施例2〕
アナターゼ型の酸化チタン3.79g、酸化アルミニウム0.195g及び蒸留水20gを、遊星ボールミルにて24時間粉砕及び混合した。粉砕後の混合粉の平均粒径D50は0.4μmであった。この液に濃度85%のリン酸18.45g及び蒸留水80gを加えて混合液を得た。この混合液を用いる以外は、実施例1と同様にして目的物を得た。Alの仕込ドープ量は、Al/(Ti+Al)で表して0.05であり、リン酸の仕込量はP/(Ti+Al)で表して3.2であった。また、XRDによる分析の結果、この物質はメタリン酸アルミニウムを含むものであり、その割合は数%であると推定される。
〔実施例3〕
アナターゼ型の酸化チタン3.59g、炭酸カルシウム0.50g、及び蒸留水20gを遊星ボールミルにて24時間粉砕と混合を行なった。粉砕後の混合粉の平均粒径D50は0.3μmであった。この液に濃度85%のリン酸19.6g及び蒸留水80gを加えて混合液を得た。この混合液を用いる以外は、実施例1と同様にして目的物を得た。Alの仕込ドープ量は、Al/(Ti+Ca)で表して0.10であり、リン酸の仕込量はP/(Ti+Ca)で表して3.4であった。
〔比較例1〕
アナターゼ型の酸化チタン3.994gと、濃度85%のリン酸19.6gと、蒸留水100gとを混合し、混合液を得た。この混合液を用いる以外は、実施例1と同様にして目的物を得た。XRDによる分析の結果、この物質はTiP27であることが確認された。
〔比較例2〕
酸化錫(IV)6.78gと、酸化インジウム(III)0.694gと、濃度85%のリン酸19.6gと、蒸留水100gとを混合し、混合液を得た。Inの仕込ドープ量は、In/(Sn+In)で表して0.10であり、リン酸の仕込量はP/(Sn+In)で表して3.4であった。酸化錫(IV)及び酸化インジウム(III)は、遊星ボールミルによる粉砕は行わなかった。この混合液をるつぼ内に入れ、大気下で650℃に加熱し、この温度を1時間保持した。これによって脱水反応を生じさせ、目的物を得た。XRDによる分析の結果、この物質はSnP27にInがドープされているものであることが確認された。この物質は、極めて硬い固形物の状態でるつぼの内壁に強固に固着しており、るつぼから取り出すことが非常に困難であった。
〔比較例3〕
酸化錫(IV)7.119gと、水酸化アルミニウム(III)0.195gと、濃度85%のリン酸17.29gと、蒸留水100gとを混合し、混合液を得た。Alの仕込ドープ量は、Al/(Sn+Al)で表して0.05であり、リン酸の仕込量はP/(Sn+Al)で表して3.0であった。酸化錫(IV)及び水酸化アルミニウムは、遊星ボールミルによる粉砕は行わなかった。この混合液をるつぼ内に入れ、大気下で650℃に加熱し、この温度を1時間保持した。これによって脱水反応を生じさせ、目的物を得た。XRDによる分析の結果、この物質はSnP27にAlがドープされているものであることが確認された。この物質は、極めて硬い固形物の状態でるつぼの内壁に強固に固着しており、るつぼから取り出すことが非常に困難であった。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた物質について、プロトン伝導率の温度依存性を測定した。その結果を図1に示す。測定用のペレットは直径13〜15mm、厚さ2〜3mmであり、このペレットは、合成した目的物を〜2t/cm2の圧力で成形することで得たものである。得られた成形体を10mm角の白金板(面積1cm2)で挟み込み、交流インピーダンス法を用いて、大気中で50℃から300℃までプロトン伝導率を測定した。
図1に示す結果から明らかなように、実施例1、2及び3で得られた物質は、比較例1、2及び3で得られた物質に比べ、200℃前後でのプロトン伝導率が高いことが判る。特に、実施例1、2及び3で得られた物質は、燃料電池の電解質として必要十分なプロトン伝導率である0.1S/cm以上のプロトン伝導性を示すことが判る。
実施例及び比較例で得られた物質のプロトン伝導率の温度依存性を示すグラフである。

Claims (5)

  1. TiP27にAl3+及び/又はCa2+がドープされてなることを特徴とするプロトン伝導体。
  2. Al3+及び/又はCa2+のドープ量が、(Al+Ca)/(Ti+Al+Ca)のモル比で表して0.05〜0.30である請求項1記載のプロトン伝導体。
  3. Al3+がドープされており、更にメタリン酸アルミニウムを含む請求項1又は2記載のプロトン伝導体。
  4. 請求項1記載のプロトン伝導体の製造方法であって、
    チタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物を平均粒径が3μm以下となるように粉砕し、
    粉砕されたチタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物を、リン酸水溶液と混合し、
    混合液を攪拌しながら加熱して該混合液をゲル状となし、
    得られたゲルを400〜800℃に加熱することを特徴とするプロトン伝導体の製造方法。
  5. リン酸に対する、チタン化合物、並びにアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物の仕込み量を、P/(Ti+Al+Ca)のモル比で表して2.6〜3.6とする請求項4記載のプロトン伝導体の製造方法。
JP2007279431A 2007-10-26 2007-10-26 プロトン伝導体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4933400B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007279431A JP4933400B2 (ja) 2007-10-26 2007-10-26 プロトン伝導体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007279431A JP4933400B2 (ja) 2007-10-26 2007-10-26 プロトン伝導体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009110716A true JP2009110716A (ja) 2009-05-21
JP4933400B2 JP4933400B2 (ja) 2012-05-16

Family

ID=40779001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007279431A Expired - Fee Related JP4933400B2 (ja) 2007-10-26 2007-10-26 プロトン伝導体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4933400B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011082156A (ja) * 2009-10-09 2011-04-21 Samsung Electronics Co Ltd 無機プロトン伝導体及びその製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008130425A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Kansai Electric Power Co Inc:The プロトン伝導体およびそれを含む燃料電池

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008130425A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Kansai Electric Power Co Inc:The プロトン伝導体およびそれを含む燃料電池

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011082156A (ja) * 2009-10-09 2011-04-21 Samsung Electronics Co Ltd 無機プロトン伝導体及びその製造方法
EP2320506A1 (en) * 2009-10-09 2011-05-11 Samsung Electronics Co., Ltd. Inorganic proton conductor and method of preparing inorganic proton conductor
US8685592B2 (en) 2009-10-09 2014-04-01 Samsung Electronics Co., Ltd. Inorganic proton conductor for an electrochemical device and method of preparing the inorganic proton conductor

Also Published As

Publication number Publication date
JP4933400B2 (ja) 2012-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109417194B (zh) 锂二次电池用硫化物系固体电解质
Yuan et al. Different effect of the atmospheres on the phase formation and performance of Li4Ti5O12 prepared from ball-milling-assisted solid-phase reaction with pristine and carbon-precoated TiO2 as starting materials
CN105742699B (zh) 石榴石型固体电解质及其制备方法
CN104037407B (zh) 一种锂超离子导体包覆的钴酸锂复合材料及其制备方法
JP5957618B2 (ja) 固体電解質層を含む二次電池
CN106450439B (zh) 固体电解质材料和全固体锂电池
CN104868108A (zh) 包含钛-铌复合氧化物的电极用活性物质及其制造方法
CN102770989A (zh) 钛酸锂、其制造方法、所述制造方法中所用的浆料、含有所述钛酸锂的电极活性材料和使用所述电极活性材料的锂二次电池
JP6681570B2 (ja) 電池、および、電池用正極材料
Park et al. Effect of Mn in Li3V2–x Mn x (PO4) 3 as High Capacity Cathodes for Lithium Batteries
CN106299477A (zh) 硫化物固体电解质的制造方法
JP6832073B2 (ja) 全固体電池用正極活物質材料の製造方法
CN110862259A (zh) 一种共沉淀法制备的高电导固体电解质
CN103718252A (zh) 锂离子导电性物质、使用了该锂离子导电性物质的锂离子导电性固体电解质、锂离子电池的电极保护层、及该锂离子导电性物质的制造方法
CN101986445A (zh) 一种锂电池负极材料钛酸锂的生产方法
CN101436666B (zh) 锂离子电池正极材料及其制备方法
TW202243992A (zh) 固體電解質及其製造方法
CN103151533A (zh) 固体氧化物燃料电池复合阴极Ln2CuO4-Ce0.9Gd0.1O1.95及其制备方法
CN103746117A (zh) 镁离子掺杂锂离子电池正极磷酸钒锂/碳材料的制备方法
Wu et al. Preparation and characterization of spinel Li 4 Ti 5 O 12 nanoparticles anode materials for lithium ion battery
WO2017005077A1 (zh) 一种钙钛矿型固体电解质锂镧钛氧化合物的电化学制备方法
Khandale et al. Study of Nd 2–x Ce x CuO 4±δ (x= 0.1–0.25) as cathode material for intermediate-temperature solid oxide fuel cells
CN107256963B (zh) 负极材料及制作方法、负极及锂离子全电池及制作方法
JP6769404B2 (ja) 全固体リチウムイオン電池
JP4933400B2 (ja) プロトン伝導体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4933400

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees