JP2009109519A - 表示装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】画素ごとにカソード電極とコンタクトをとらなくても、補助容量の他方の電極に対して固定電位を与えつつ、当該補助容量によって補正時間が決まる移動度補正を安定して行えるようにする。
【解決手段】画素アレイ部30の外部で固定電位の共通電源供給線34に電気的に接続された補助配線35を形成して、当該補助配線35を介して補助容量25の他端に固定電位を与える。そして、この補助配線35を複数の画素行、例えば上下2つの画素行j,j+1を単位として1本ずつ配線し、この1本の補助配線35を同一画素列に属する上下の画素20j,20j+1間で兼用することで、補助配線35の配線抵抗を低減して、当該配線抵抗に起因する輝度シェーディングを抑えるようにする。
【選択図】図14
【解決手段】画素アレイ部30の外部で固定電位の共通電源供給線34に電気的に接続された補助配線35を形成して、当該補助配線35を介して補助容量25の他端に固定電位を与える。そして、この補助配線35を複数の画素行、例えば上下2つの画素行j,j+1を単位として1本ずつ配線し、この1本の補助配線35を同一画素列に属する上下の画素20j,20j+1間で兼用することで、補助配線35の配線抵抗を低減して、当該配線抵抗に起因する輝度シェーディングを抑えるようにする。
【選択図】図14
Description
本発明は、表示装置および電子機器に関し、特に電気光学素子を含む画素が行列状(マトリクス状)に配置されてなる平面型(フラットパネル型)の表示装置および当該表示装置を有する電子機器に関する。
近年、画像表示を行う表示装置の分野では、発光素子を含む画素(画素回路)が行列状に配置されてなる平面型の表示装置が急速に普及している。平面型の表示装置としては、画素の発光素子として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化するいわゆる電流駆動型の電気光学素子、例えば有機薄膜に電界をかけると発光する現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)素子を用いた有機EL表示装置が開発され、商品化が進められている。
有機EL表示装置は次のような特長を持っている。すなわち、有機EL素子が10V以下の印加電圧で駆動できるために低消費電力であり、また自発光素子であることから、液晶セルを含む画素ごとに当該液晶セルにて光源(バックライト)からの光強度を制御することによって画像を表示する液晶表示装置に比べて、画像の視認性が高く、しかも液晶表示装置には必須なバックライト等の照明部材を必要としないために軽量化および薄型化が容易である。さらに、有機EL素子の応答速度が数μsec程度と非常に高速であるために動画表示時の残像が発生しない。
有機EL表示装置では、液晶表示装置と同様、その駆動方式として単純(パッシブ)マトリクス方式とアクティブマトリクス方式を採ることができる。ただし、単純マトリクス方式の表示装置は、構造が簡単であるものの、電気光学素子の発光期間が走査線(即ち、画素数)の増加によって減少するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が難しいなどの問題がある。
そのため、近年、電気光学素子に流れる電流を、当該電気光学素子と同じ画素回路内に設けた能動素子、例えば絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(一般には、TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ))によって制御するアクティブマトリクス方式の表示装置の開発が盛んに行われている。アクティブマトリクス方式の表示装置は、電気光学素子が1フレームの期間に亘って発光を持続するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が容易である。
ところで、一般的に、有機EL素子のI−V特性(電流−電圧特性)は、時間が経過すると劣化(いわゆる、経時劣化)することが知られている。有機EL素子を電流駆動するトランジスタ(以下、「駆動トランジスタ」と記述する)としてNチャネル型のTFTを用いた画素回路では、駆動トランジスタのソース側に有機EL素子が接続されることになるために、有機EL素子のI−V特性が経時劣化すると、駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧Vgsが変化し、その結果、有機EL素子の発光輝度も変化する。
このことについてより具体的に説明する。駆動トランジスタのソース電位は、当該駆動トランジスタと有機EL素子の動作点で決まる。そして、有機EL素子のI−V特性が劣化すると、駆動トランジスタと有機EL素子の動作点が変動してしまうために、駆動トランジスタのゲートに同じ電圧を印加したとしても駆動トランジスタのソース電位が変化する。これにより、駆動トランジスタのソース−ゲート間電圧Vgsが変化するために、当該駆動トランジスタに流れる電流値が変化する。その結果、有機EL素子に流れる電流値も変化するために、有機EL素子の発光輝度が変化することになる。
また、ポリシリコンTFTを用いた画素回路では、有機EL素子のI−V特性の経時劣化に加えて、駆動トランジスタの閾値電圧Vthや、駆動トランジスタのチャネルを構成する半導体薄膜の移動度(以下、「駆動トランジスタの移動度」と記述する)μが経時的に変化したり、製造プロセスのばらつきによって閾値電圧Vthや移動度μが画素ごとに異なったりする(個々のトランジスタ特性にばらつきがある)。
駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μが画素ごとに異なると、画素ごとに駆動トランジスタに流れる電流値にばらつきが生じるために、駆動トランジスタのゲートに画素間で同じ電圧を印加しても、有機EL素子の発光輝度に画素間でばらつきが生じ、その結果、画面の一様性(ユニフォーミティ)が損なわれる。
そこで、有機EL素子のI−V特性が経時劣化したり、駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μが経時変化したりしても、それらの影響を受けることなく、有機EL素子の発光輝度を一定に保つようにするために、有機EL素子の特性変動に対する補償機能、さらには駆動トランジスタの閾値電圧Vthの変動に対する補正(以下、「閾値補正」と記述する)や、駆動トランジスタの移動度μの変動に対する補正(以下、「移動度補正」と記述する)の各補正機能を画素回路の各々に持たせる構成を採っている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載の従来技術では、画素回路の各々に、有機EL素子の特性変動に対する補償機能および駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μの変動に対する補正機能を持たせることで、有機EL素子のI−V特性が経時劣化したり、駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μが経時変化したりしたとしても、それらの影響を受けることなく、有機EL素子の発光輝度を一定に保つことができるが、その反面、画素回路を構成する素子数が多く、画素サイズの微細化の妨げとなる。
これに対して、画素回路を構成する素子数や配線数の削減を図るために、例えば、画素回路の駆動トランジスタに供給する電源電位を切り替え可能な構成とし、当該電源電位の切り替えによって有機EL素子の発光期間/非発光期間を制御する機能を駆動トランジスタに持たせ、発光/非発光を制御する専用のトランジスタを省略する手法を採ることが考えられる。
かかる手法を採ることにより、映像信号をサンプリングして画素内に書き込む書き込みトランジスタと、この書き込みトランジスタによって書き込まれた映像信号に基づいて有機EL素子を駆動する駆動トランジスタの必要最小限の2つのトランジスタ(容量素子を除く)によって画素回路を構成できる(その詳細については後述する)。
一方で、有機EL素子は発光色によって発光効率が異なる。そのため、有機EL素子を電流駆動する駆動トランジスタのサイズは有機EL素子の発光色によって異なる。駆動トランジスタのサイズが有機EL素子の発光色によって異なると、移動度補正を行う際の補正時間に、有機EL素子の発光色によって違いが生じることになる。
移動度補正時間は、有機EL素子が持つ容量成分(以下、「EL容量」と記述する)によって決まる。したがって、移動度補正時間を有機EL素子の発光色に関係なく一定にするには、駆動トランジスタのサイズに応じて有機EL素子のサイズを変えることにより、有機EL素子の発光色間でEL容量に違いをもたせるようにすれば良い。しかしながら、画素の開口率などの関係から、有機EL素子のサイズを大きくするにも限界がある。
このため、補助容量を用いてその一方の電極を有機EL素子のアノード電極に、他方の電極を固定電位に接続し、当該補助容量のサイズを有機EL素子の発光色ごとに変えることによってEL容量の容量不足を補いつつ、移動度補正時間を有機EL素子の発光色に関係なく一定にするようにしている(その詳細については後述する)。
ところが、上述したように、画素を構成するトランジスタ数の削減を図るために、駆動トランジスタに供給する電源電位を切り替え可能な構成とし、当該電源電位の切り替えによって有機EL素子の発光/非発光を制御する画素構成を採った場合に、補助容量の他方の電極の接続先となる固定電位の電源電位が存在しないことになる。
全画素共通に形成されている有機EL素子のカソード電極は固定電位であるが、当該カソード電極に対して画素ごとにコンタクトをとる(電気的に接続する)構成を採ると、画素ごとに形成されるコンタクト部によって面積がとられてしまうために、画素の微細化の妨げとなる。そのため、画素ごとにカソード電極とコンタクトをとるのは避けたいのが現状である。
そこで、本発明は、画素ごとにカソード電極とコンタクトをとらなくても、補助容量の他方の電極に対して固定電位を与えつつ、当該補助容量によって補正時間が決まる移動度補正を安定して行えるようにした表示装置および当該表示装置を用いた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素が行列状に配置された画素アレイ部と、前記画素アレイ部の複数の画素行を単位として1本ずつ配線された固定電位の補助配線とを備えた表示装置において、前記複数の画素行の同一画素列に属する複数の画素は、一方の電極が画素ごとに前記電気光学素子のアノード電極に接続され、他方の電極が前記補助配線に対して前記複数の画素間で共通に接続された補助容量を有する構成となっている。
上記構成の表示装置および当該表示装置を有する電子機器において、補助配線を通して補助容量の他方の電極に固定電位を与えることで、画素ごとにカソード電極とコンタクトをとらなくても、補助容量の他方の電極に対して固定電位を与えつつ、当該補助容量によって補正時間が決まる移動度補正を安定して行うことができる。そして、補助配線を複数の画素行を単位として1本ずつ配線し、この1本の補助配線を同一画素列に属する複数の画素間で兼用することで、補助配線の配線幅を拡大できるために、補助配線の配線抵抗を低減できる。
本発明によれば、画素ごとにカソード電極とコンタクトをとらなくても、補助容量の他方の電極に対して固定電位を与えることができるために、画素の微細化を阻むことなく、補助容量によって補正時間が決まる移動度補正を安定して行うことができる。しかも、補助容量の他方の電極に固定電位を与える補助配線の配線抵抗を低減できることで、当該配線抵抗に起因する輝度シェーディングを抑えることができるために、ユニフォーミティの高い画質を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[参考例]
先ず、本発明の理解を容易にするために、本発明の前提となるアクティブマトリクス型表示装置について参考例として説明する。この参考例に係るアクティブマトリクス型表示装置は、本願出願人によって特願2006−141836号明細書にて提案された表示装置である。
先ず、本発明の理解を容易にするために、本発明の前提となるアクティブマトリクス型表示装置について参考例として説明する。この参考例に係るアクティブマトリクス型表示装置は、本願出願人によって特願2006−141836号明細書にて提案された表示装置である。
図1は、参考例に係るアクティブマトリクス型表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。ここでは、一例として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子(有機電界発光素子)を画素の発光素子として用いたアクティブマトリクス型有機EL表示装置の場合を例に挙げて説明するものとする。
図1に示すように、参考例に係る有機EL表示装置10は、R(赤)G(緑)B(青)を単位として1画素(1ピクセル)を構成するサブ画素/サブピクセル(以下、便宜上単に「画素」と記述する)20が行列状(マトリクス状)に2次元配置されてなる画素アレイ部30と、当該画素アレイ部30の周辺に配置され、各画素20を駆動する駆動部とを有する構成となっている。画素20を駆動する駆動部としては、例えば、書き込み走査回路40、電源供給走査回路50および水平駆動回路60が設けられている。
画素アレイ部30には、m行n列の画素配列に対して、画素行ごとに走査線31−1〜31−mと電源供給線32−1〜32−mとが配線され、画素列ごとに信号線33−1〜33−nが配線されている。
画素アレイ部30は、通常、ガラス基板などの透明絶縁基板上に形成され、平面型(フラット型)のパネル構造となっている。画素アレイ部30の各画素20は、アモルファスシリコンTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)または低温ポリシリコンTFTを用いて形成することができる。低温ポリシリコンTFTを用いる場合には、書き込み走査回路40、電源供給走査回路50および水平駆動回路60についても、画素アレイ部30を形成する表示パネル(基板)70上に実装することができる。
書き込み走査回路40は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフト(転送)するシフトレジスタ等によって構成され、画素アレイ部30の各画素20への映像信号の書き込みに際して、走査線31−1〜31−mに順次書き込み信号WS1〜WSmを供給することによって画素アレイ部30の各画素20を行単位で順番に走査(線順次走査)する。
電源供給走査回路50は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフトするシフトレジスタ等によって構成され、書き込み走査回路40による線順次走査に同期して、第1電位Vccpと当該第1電位Vccpよりも低い第2電位Viniで切り替わる電源供給線電位DS1〜DSmを電源供給線32−1〜32−mに供給することにより、画素20の発光/非発光の制御を行なう。すなわち、電源供給線32−1〜32−mの電位DS1〜DSmは、画素20の発光/非発光の制御を行なう発光制御信号としての機能を持っている。また、電源供給走査回路50は、画素20の発光駆動の制御を行なう発光駆動走査回路としての機能を持っている。
水平駆動回路60は、信号供給源(図示せず)から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧(以下、単に「信号電圧」と記述する場合もある)Vsigとオフセット電圧Vofsのいずれか一方を適宜選択し、信号線33−1〜33−nを介して画素アレイ部30の各画素20に対して例えば行単位で書き込む。すなわち、水平駆動回路60は、映像信号の信号電圧Vsigを行(ライン)単位で書き込む線順次書き込みの駆動形態を採る信号供給部である。
ここで、オフセット電圧Vofsは、映像信号の信号電圧Vsigの基準となる基準電圧(例えば、黒レベルに相当する電圧)である。また、第2電位Viniは、オフセット電圧Vofsよりも低い電位、例えば、駆動トランジスタ22の閾値電圧をVthとするときVofs−Vthよりも低い電位、好ましくはVofs−Vthよりも十分に低い電位に設定される。
(画素回路)
図2は、参考例に係る有機EL表示装置10における画素(画素回路)20の具体的な構成例を示す回路図である。
図2は、参考例に係る有機EL表示装置10における画素(画素回路)20の具体的な構成例を示す回路図である。
図2に示すように、画素20は、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子21を発光素子として有し、当該有機EL素子21に加えて、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23および保持容量24を有する画素構成となっている。
ここで、駆動トランジスタ22および書き込みトランジスタ23としてNチャネル型のTFTを用いている。ただし、ここでの駆動トランジスタ22および書き込みトランジスタ23の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
有機EL素子21は、全ての画素20に対して共通に配線された共通電源供給線34にカソード電極が接続されている。駆動トランジスタ22は、ソース電極が有機EL素子21のアノード電極に接続され、ドレイン電極が電源供給線32(32−1〜32−m)に接続されている。
書き込みトランジスタ23は、ゲート電極が走査線31(31−1〜31−m)に接続され、一方の電極(ソース電極/ドレイン電極)が信号線33(33−1〜33−n)に接続され、他方の電極(ドレイン電極/ソース電極)が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続されている。
保持容量24は、一方の電極が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続され、他方の電極が駆動トランジスタ22のソース電極(有機EL素子21のアノード電極)に接続されている。
上記構成の画素20において、書き込みトランジスタ23は、書き込み走査回路40から走査線31を通してゲート電極に印加される書き込み信号WSに応答して導通状態となることにより、信号線33を通して水平駆動回路60から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧Vsigまたはオフセット電圧Vofsをサンプリングして画素20内に書き込む。
この書き込まれた信号電圧Vsigまたはオフセット電圧Vofsは、駆動トランジスタ22のゲート電極に印加されるとともに保持容量24に保持される。駆動トランジスタ22は、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位DSが第1電位Vccpにあるときに、電源供給線32から電流の供給を受けて、保持容量24に保持された信号電圧Vsigの電圧値に応じた電流値の駆動電流を有機EL素子21に供給し、当該有機EL素子21を電流駆動することによって発光させる。
(画素構造)
図3は、画素20の断面構造の一例を示す断面図である。図3に示すように、画素20は、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23等の画素回路が形成されたガラス基板201上に絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204が順に形成され、当該ウインド絶縁膜204の凹部204Aに有機EL素子21が設けられた構成となっている。
図3は、画素20の断面構造の一例を示す断面図である。図3に示すように、画素20は、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23等の画素回路が形成されたガラス基板201上に絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204が順に形成され、当該ウインド絶縁膜204の凹部204Aに有機EL素子21が設けられた構成となっている。
有機EL素子21は、上記ウインド絶縁膜204の凹部204Aの底部に形成された金属等からなるアノード電極205と、当該アノード電極205上に形成された有機層(電子輸送層、発光層、ホール輸送層/ホール注入層)206と、当該有機層206上に全画素共通に形成された透明導電膜等からなるカソード電極207とから構成されている。
この有機EL素子21において、有機層206は、アノード電極205上にホール輸送層/ホール注入層2061、発光層2062、電子輸送層2063および電子注入層(図示せず)が順次堆積されることによって形成される。そして、図2の駆動トランジスタ22による電流駆動の下に、駆動トランジスタ22からアノード電極205を通して有機層206に電流が流れることで、当該有機層206内の発光層2062において電子と正孔が再結合する際に発光するようになっている。
図3に示すように、画素回路が形成されたガラス基板201上に、絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204を介して有機EL素子21が画素単位で形成された後は、パッシベーション膜208を介して封止基板209が接着剤210によって接合され、当該封止基板209によって有機EL素子21が封止されることにより、表示パネル70が形成される。
(参考例に係る有機EL表示装置の回路動作)
次に、参考例に係る有機EL表示装置10の基本的な回路動作について、図4のタイミング波形図を基に、図5および図6の動作説明図を用いて説明する。なお、図5および図6の動作説明図では、図面の簡略化のために、書き込みトランジスタ23をスイッチのシンボルで図示している。有機EL素子21の容量成分(EL容量25)についても図示している。
次に、参考例に係る有機EL表示装置10の基本的な回路動作について、図4のタイミング波形図を基に、図5および図6の動作説明図を用いて説明する。なお、図5および図6の動作説明図では、図面の簡略化のために、書き込みトランジスタ23をスイッチのシンボルで図示している。有機EL素子21の容量成分(EL容量25)についても図示している。
図4のタイミング波形図においては、時間軸を共通にして、1H(Hは水平期間)における走査線31(31−1〜31−m)の電位(書き込み信号)WSの変化、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位DSの変化、信号線33(33−1〜33−n)の電位(Vofs/Vsig)の変化、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの変化を表している。
<発光期間>
図4のタイミングチャートにおいて、時刻t1以前は有機EL素子21が発光状態にある(発光期間)。この発光期間では、電源供給線32の電位DSが第1電位Vccpにあり、また、書き込みトランジスタ23が非導通状態にある。このとき、駆動トランジスタ22は飽和領域で動作するように設定されているために、図5(A)に示すように、電源供給線32から駆動トランジスタ22を通して当該駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに応じた駆動電流(ドレイン−ソース間電流)Idsが有機EL素子21に供給される。よって、有機EL素子21が駆動電流Idsの電流値に応じた輝度で発光する。
図4のタイミングチャートにおいて、時刻t1以前は有機EL素子21が発光状態にある(発光期間)。この発光期間では、電源供給線32の電位DSが第1電位Vccpにあり、また、書き込みトランジスタ23が非導通状態にある。このとき、駆動トランジスタ22は飽和領域で動作するように設定されているために、図5(A)に示すように、電源供給線32から駆動トランジスタ22を通して当該駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに応じた駆動電流(ドレイン−ソース間電流)Idsが有機EL素子21に供給される。よって、有機EL素子21が駆動電流Idsの電流値に応じた輝度で発光する。
<閾値補正準備期間>
そして、時刻t1になると、線順次走査の新しいフィールドに入り、図5(B)に示すように、電源供給線32の電位DSが第1電位(以下、「高電位」と記述する)Vccpから、信号線33のオフセット電圧Vofs−Vthよりも十分に低い第2電位(以下、「低電位」と記述する)Viniに切り替わる。
そして、時刻t1になると、線順次走査の新しいフィールドに入り、図5(B)に示すように、電源供給線32の電位DSが第1電位(以下、「高電位」と記述する)Vccpから、信号線33のオフセット電圧Vofs−Vthよりも十分に低い第2電位(以下、「低電位」と記述する)Viniに切り替わる。
ここで、有機EL素子21の閾値電圧をVel、共通電源供給線34の電位をVcathとするとき、低電位ViniをVini<Vel+Vcathとすると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが低電位Viniにほぼ等しくなるために、有機EL素子21は逆バイアス状態となって消光する。
次に、時刻t2で走査線31の電位WSが低電位側から高電位側に遷移することで、図5(C)に示すように、書き込みトランジスタ23が導通状態となる。このとき、水平駆動回路60から信号線33に対してオフセット電圧Vofsが供給されているために、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgがオフセット電圧Vofsになる。また、駆動トランジスタ22のソース電位Vsは、オフセット電圧Vofsよりも十分に低い電位Viniにある。
このとき、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsはVofs−Viniとなる。ここで、Vofs−Viniが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthよりも大きくないと、後述する閾値補正動作を行うことができないために、Vofs−Vini>Vthなる電位関係に設定する必要がある。このように、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgをオフセット電圧Vofsに、ソース電位Vsを低電位Viniにそれぞれ固定して(確定させて)初期化する動作が閾値補正準備の動作である。
<閾値補正期間>
次に、時刻t3で、図5(D)に示すように、電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇を開始する。やがて、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに収束し、当該閾値電圧Vthに相当する電圧が保持容量24に保持される。
次に、時刻t3で、図5(D)に示すように、電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇を開始する。やがて、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに収束し、当該閾値電圧Vthに相当する電圧が保持容量24に保持される。
ここでは、便宜上、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに収束したゲート−ソース間電圧Vgsを検出して当該閾値電圧Vthに相当する電圧を保持容量24に保持する期間を閾値補正期間と呼んでいる。なお、この閾値補正期間において、電流が専ら保持容量24側に流れ、有機EL素子21側には流れないようにするために、有機EL素子21がカットオフ状態となるように共通電源供給線34の電位Vcathを設定しておくこととする。
次に、時刻t4で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(A)に示すように、書き込みトランジスタ23が非導通状態となる。このとき、駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態になるが、ゲート−ソース間電圧Vgsが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに等しいために、当該駆動トランジスタ22はカットオフ状態にある。したがって、駆動トランジスタ22にドレイン−ソース間電流Idsは流れない。
<書き込み期間/移動度補正期間>
次に、時刻t5で、図6(B)に示すように、信号線33の電位がオフセット電圧Vofsから映像信号の信号電圧Vsigに切り替わる。続いて、時刻t6で、走査線31の電位WSが高電位側に遷移することで、図6(C)に示すように、書き込みトランジスタ23が導通状態になって映像信号の信号電圧Vsigをサンプリングして画素20内に書き込む。
次に、時刻t5で、図6(B)に示すように、信号線33の電位がオフセット電圧Vofsから映像信号の信号電圧Vsigに切り替わる。続いて、時刻t6で、走査線31の電位WSが高電位側に遷移することで、図6(C)に示すように、書き込みトランジスタ23が導通状態になって映像信号の信号電圧Vsigをサンプリングして画素20内に書き込む。
この書き込みトランジスタ23による信号電圧Vsigの書き込みにより、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが信号電圧Vsigとなる。そして、映像信号の信号電圧Vsigによる駆動トランジスタ22の駆動の際に、当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが保持容量24に保持された閾値電圧Vthに相当する電圧と相殺されることによって閾値補正が行われる。閾値補正の原理については後述する。
このとき、有機EL素子21は始め逆バイアス状態にあることによってカットオフ状態(ハイインピーダンス状態)にある。有機EL素子21は逆バイアス状態にあるときは容量性を示す。したがって、映像信号の信号電圧Vsigに応じて電源供給線32から駆動トランジスタ22に流れる電流(ドレイン−ソース間電流Ids)は有機EL素子21のEL容量25に流れ込み、当該EL容量25の充電が開始される。
このEL容量25の充電により、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが時間の経過と共に上昇していく。このとき既に、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthのばらつきは補正されており、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsは当該駆動トランジスタ22の移動度μに依存したものとなる。
ここで、書込みゲイン(映像信号の信号電圧Vsigに対する保持容量24の保持電圧Vgsの比率)が1(理想値)であると仮定すると、駆動トランジスタ22のソース電位VsがVofs−Vth+ΔVの電位まで上昇することで、駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVとなる。
すなわち、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇分ΔVは、保持容量24に保持された電圧(Vsig−Vofs+Vth)から差し引かれるように、換言すれば、保持容量24の充電電荷を放電するように作用し、負帰還がかけられたことになる。したがって、ソース電位Vsの上昇分ΔVは負帰還の帰還量となる。
このように、駆動トランジスタ22に流れるドレイン−ソース間電流Idsを当該駆動トランジスタ22のゲート入力に、即ちゲート‐ソース間電圧Vgsに負帰還することにより、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsの移動度μに対する依存性を打ち消す、即ち移動度μの画素ごとのばらつきを補正する移動度補正が行われる。
より具体的には、映像信号の信号電圧Vsigが高いほどドレイン−ソース間電流Idsが大きくなるために、負帰還の帰還量(補正量)ΔVの絶対値も大きくなる。したがって、発光輝度レベルに応じた移動度補正が行われる。また、映像信号の信号電圧Vsigを一定とした場合、駆動トランジスタ22の移動度μが大きいほど負帰還の帰還量ΔVの絶対値も大きくなるために、画素ごとの移動度μのばらつきを取り除くことができる。移動度補正の原理については後述する。
<発光期間>
次に、時刻t7で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(D)に示すように、書き込みトランジスタ23が非導通状態となる。これにより、駆動トランジスタ22のゲート電極は信号線33から切り離されてフローティング状態になる。
次に、時刻t7で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(D)に示すように、書き込みトランジスタ23が非導通状態となる。これにより、駆動トランジスタ22のゲート電極は信号線33から切り離されてフローティング状態になる。
ここで、駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態にあるときは、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間に保持容量24が接続されていることにより、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが変動すると、当該ソース電位Vsの変動に連動して(追従して)駆動トランジスタ22のゲート電位Vgも変動する。これが保持容量24によるブートストラップ動作である。
駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態になり、それと同時に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsが有機EL素子21に流れ始めることにより、有機EL素子21のアノード電位は、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsに応じて上昇する。
有機EL素子21のアノード電位の上昇は、即ち駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇に他ならない。駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇すると、保持容量24のブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgも連動して上昇する。
このとき、ブートストラップゲインが1(理想値)であると仮定した場合、ゲート電位Vgの上昇量はソース電位Vsの上昇量に等しくなる。故に、発光期間中駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVで一定に保持される。
そして、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇に伴って、有機EL素子21の逆バイアス状態が解消され、順バイアス状態になると、駆動トランジスタ22から有機EL素子21に駆動電流が供給されるために、有機EL素子21が実際に発光を開始する。その後、時刻t8で信号線33の電位が映像信号の信号電圧Vsigからオフセット電圧Vofsに切り替わる。
(閾値補正の原理)
ここで、駆動トランジスタ22の閾値補正の原理について説明する。駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。これにより、有機EL素子21には駆動トランジスタ22から、次式(1)で与えられる一定のドレイン−ソース間電流(駆動電流)Idsが供給される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vgs−Vth)2 ……(1)
ここで、Wは駆動トランジスタ22のチャネル幅、Lはチャネル長、Coxは単位面積当たりのゲート容量である。
ここで、駆動トランジスタ22の閾値補正の原理について説明する。駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。これにより、有機EL素子21には駆動トランジスタ22から、次式(1)で与えられる一定のドレイン−ソース間電流(駆動電流)Idsが供給される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vgs−Vth)2 ……(1)
ここで、Wは駆動トランジスタ22のチャネル幅、Lはチャネル長、Coxは単位面積当たりのゲート容量である。
図7に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Ids対ゲート−ソース間電圧Vgsの特性を示す。
この特性図に示すように、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきに対する補正を行わないと、閾値電圧VthがVth1のとき、ゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds1になる。
これに対して、閾値電圧VthがVth2(Vth2>Vth1)のとき、同じゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds2(Ids2<Ids)になる。すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが変動すると、ゲート−ソース間電圧Vgsが一定であってもドレイン−ソース間電流Idsが変動する。
一方、上記構成の画素(画素回路)20では、先述したように、発光時の駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsがVsig−Vofs+Vth−ΔVであるために、これを式(1)に代入すると、ドレイン−ソース間電流Idsは、
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vsig−Vofs−ΔV)2
……(2)
で表される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vsig−Vofs−ΔV)2
……(2)
で表される。
すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの項がキャンセルされており、駆動トランジスタ22から有機EL素子21に供給されるドレイン−ソース間電流Idsは、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに依存しない。その結果、駆動トランジスタ22の製造プロセスのばらつきや経時変化により、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが画素ごとに変動しても、ドレイン−ソース間電流Idsが変動しないために、有機EL素子21の発光輝度を一定に保つことができる。
(移動度補正の原理)
次に、駆動トランジスタ22の移動度補正の原理について説明する。図8に、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に大きい画素Aと、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に小さい画素Bとを比較した状態で特性カーブを示す。駆動トランジスタ22をポリシリコン薄膜トランジスタなどで構成した場合、画素Aや画素Bのように、画素間で移動度μがばらつくことは避けられない。
次に、駆動トランジスタ22の移動度補正の原理について説明する。図8に、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に大きい画素Aと、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に小さい画素Bとを比較した状態で特性カーブを示す。駆動トランジスタ22をポリシリコン薄膜トランジスタなどで構成した場合、画素Aや画素Bのように、画素間で移動度μがばらつくことは避けられない。
画素Aと画素Bで移動度μにばらつきがある状態で、例えば両画素A,Bに同レベルの映像信号の信号電圧Vsigを書き込んだ場合に、何ら移動度μの補正を行わないと、移動度μの大きい画素Aに流れるドレイン−ソース間電流Ids1′と移動度μの小さい画素Bに流れるドレイン−ソース間電流Ids2′との間には大きな差が生じてしまう。このように、移動度μの画素ごとのばらつきに起因してドレイン−ソース間電流Idsに画素間で大きな差が生じると、画面のユニフォーミティが損なわれることになる。
ここで、先述した式(1)のトランジスタ特性式から明らかなように、移動度μが大きいとドレイン−ソース間電流Idsが大きくなる。したがって、負帰還における帰還量ΔVは移動度μが大きくなるほど大きくなる。図8に示すように、移動度μの大きな画素Aの帰還量ΔV1は、移動度の小さな画素Vの帰還量ΔV2に比べて大きい。
そこで、移動度補正動作によって駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsを映像信号の信号電圧Vsig側に負帰還させることにより、移動度μが大きいほど負帰還が大きくかかることになるために、移動度μの画素ごとのばらつきを抑制することができる。
具体的には、移動度μの大きな画素Aで帰還量ΔV1の補正をかけると、ドレイン−ソース間電流IdsはIds1′からIds1まで大きく下降する。一方、移動度μの小さな画素Bの帰還量ΔV2は小さいために、ドレイン−ソース間電流IdsはIds2′からIds2までの下降となり、それ程大きく下降しない。結果的に、画素Aのドレイン−ソース間電流Ids1と画素Bのドレイン−ソース間電流Ids2とはほぼ等しくなるために、移動度μの画素ごとのばらつきが補正される。
以上をまとめると、移動度μの異なる画素Aと画素Bがあった場合、移動度μの大きい画素Aの帰還量ΔV1は移動度μの小さい画素Bの帰還量ΔV2に比べて大きくなる。つまり、移動度μが大きい画素ほど帰還量ΔVが大きく、ドレイン−ソース間電流Idsの減少量が大きくなる。
したがって、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsを映像信号の信号電圧Vsig側に負帰還させることにより、移動度μの異なる画素のドレイン−ソース間電流Idsの電流値が均一化される。その結果、移動度μの画素ごとのばらつきを補正することができる。
ここで、図2に示した画素(画素回路)20において、閾値補正、移動度補正の有無による映像信号の信号電位(サンプリング電位)Vsigと駆動トランジスタ22のドレイン・ソース間電流Idsとの関係について図9を用いて説明する。
図9において、(A)は閾値補正および移動度補正を共に行わない場合、(B)は移動度補正を行わず、閾値補正のみを行った場合、(C)は閾値補正および移動度補正を共に行った場合をそれぞれ示している。図9(A)に示すように、閾値補正および移動度補正を共に行わない場合には、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因してドレイン・ソース間電流Idsに画素A,B間で大きな差が生じることになる。
これに対して、閾値補正のみを行った場合は、図9(B)に示すように、当該閾値補正によってドレイン−ソース間電流Idsのばらつきをある程度低減できるものの、移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差は残る。
そして、閾値補正および移動度補正を共に行うことにより、図9(C)に示すように、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差をほぼ無くすことができるために、どの階調においても有機EL素子21の輝度ばらつきは発生せず、良好な画質の表示画像を得ることができる。
また、図2に示した画素20は、閾値補正および移動度補正の各補正機能に加えて、先述したブートストラップ機能を備えていることで、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、有機EL素子21のI−V特性が経時変化し、これに伴って駆動トランジスタ22のソース電位Vsが変化したとしても、保持容量24によるブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電位Vgsが一定に維持されるため、有機EL素子21に流れる電流は変化しない。したがって、有機EL素子21の発光輝度も一定に保たれるために、有機EL素子21のI−V特性が経時変化しても、それに伴う輝度劣化のない画像表示を実現できる。
以上説明したことから明らかなように、参考例に係る有機EL表示装置10は、サブピクセルとなる画素20が、駆動トランジスタ22および書き込みトランジスタ23の2つのトランジスタを有する画素構成にて、これらトランジスタに加えて数個のトランジスタを有する画素構成の特許文献1記載の有機EL表示装置と同等に、有機EL素子21の特性変動に対する補償機能や、閾値補正および移動度補正の各補正機能を実現できるとともに、画素20の構成素子が少ない分だけ画素サイズを微細化でき、表示装置の高精細化を図ることができる。
[有機EL素子21の容量成分の容量値低下に起因する問題点]
上述したように、閾値補正および移動度補正の各補正機能を有する有機EL表示装置10において、高精細化に伴って画素サイズの微細化が進むと、有機EL素子21を形成する電極のサイズが小さくなり、それに伴ってEL容量(有機EL素子21の容量成分)の容量値が小さくなる。すると、EL容量の容量値が下がった分だけ、映像信号の信号電圧Vsigの書込みゲインが低下する。
上述したように、閾値補正および移動度補正の各補正機能を有する有機EL表示装置10において、高精細化に伴って画素サイズの微細化が進むと、有機EL素子21を形成する電極のサイズが小さくなり、それに伴ってEL容量(有機EL素子21の容量成分)の容量値が小さくなる。すると、EL容量の容量値が下がった分だけ、映像信号の信号電圧Vsigの書込みゲインが低下する。
ここで、有機EL素子21の容量成分の容量値をCel、保持容量24の容量値をCsとすると、映像信号の信号電圧Vsigを書き込んだときに、保持容量24に実際に保持される電圧Vgsは、
Vgs=Vsig×{1−Cs/(Cs+Cel)} ……(3)
なる式で表わされる。
Vgs=Vsig×{1−Cs/(Cs+Cel)} ……(3)
なる式で表わされる。
したがって、信号電圧Vsigに対する保持容量24の保持電圧Vgsの比率、即ち書込みゲインG(=Vgs/Vsig)は、
G=1−Cs/(Cs+Cel) ……(4)
となる。この式(4)から明らかなように、EL容量の容量値Celが低下すると、その分だけ書込みゲインGが低下することがわかる。
G=1−Cs/(Cs+Cel) ……(4)
となる。この式(4)から明らかなように、EL容量の容量値Celが低下すると、その分だけ書込みゲインGが低下することがわかる。
この書込みゲインGの低下を補うためには、駆動トランジスタ22のソース電極に補助容量を付ければよい。この補助容量の容量値をCsubとすると、書込みゲインGは、
G=1−Cs/(Cs+Cel+Csub) ……(5)
なる式で表わされる。
G=1−Cs/(Cs+Cel+Csub) ……(5)
なる式で表わされる。
この式(5)から明らかなように、付加する補助容量の容量値Csubが大きいほど書込みゲインGが1に近くなり、画素20に書き込む映像信号の信号電圧Vsigに近い電圧Vgsを保持容量24に保持できるために、画素20に書き込む映像信号の信号電圧Vsigに対応した発光輝度を得ることができる。
以上のことから明らかなように、補助容量の容量値Csubを調整することにより、映像信号の信号電圧Vsigの書込みゲインGを調整することができる。また、先述したように、駆動トランジスタ22のサイズは、有機EL素子21の発光色によって異なる。したがって、有機EL素子21の発光色に応じて、即ち駆動トランジスタ22のサイズに応じて補助容量の容量値Csubを調整することにより、ホワイトバランスをとることができる。
また、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流をIds、移動度補正による補正される電圧分をΔVとすると、先述した移動度補正を行う移動度補正期間tは、
t=(Cel+Csub)×ΔV/Ids ……(6)
なる式で決まる。この式(6)から明らかなように、補助容量の容量値Csubによって移動度補正期間tを調整することができる。
t=(Cel+Csub)×ΔV/Ids ……(6)
なる式で決まる。この式(6)から明らかなように、補助容量の容量値Csubによって移動度補正期間tを調整することができる。
[補助容量を有する画素構成の参考例]
図10は、補助容量を有する参考例に係る画素の回路構成を示す回路図であり、図中、図2と同等部分には同一符号を付して示している。
図10は、補助容量を有する参考例に係る画素の回路構成を示す回路図であり、図中、図2と同等部分には同一符号を付して示している。
図10に示すように、画素20は、有機EL素子21を発光素子として有し、当該有機EL素子21に加えて、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23および保持容量24を有する画素構成において、有機EL素子21のカソード電極(駆動トランジスタ22のソース電極)に一方の電極が、補助配線35に他方の電極がそれぞれ接続された補助容量26を有する構成となっている。
補助配線35は、信号線33などが配線される配線層においてMo(モリブデン)などによって例えば画素行ごとに配線され、画素アレイ部(有効画素領域)30の外部において共通電源供給線34に対してコンタクト部36にて電気的に接続されている。そして、共通電源供給線34から補助配線35に対して固定電位であるカソード電位Vcathが与えられる。
このように、画素20に補助容量25を設けてその一端を有機EL素子21のカソード電極に、他端を固定電位に接続することにより、先述したように、当該補助容量25は有機EL素子21の容量成分の容量不足を補いつつ、有機EL素子21の発光色に応じた容量値の設定によってホワイトバランスをとったり、発光色に関係なく移動度補正時間を一定にしたりする作用をなす。
図11に、参考例に係る画素20配線構造の概略を示す。信号線33や保持容量24の一方の電極および補助容量25の他方の電極は、ガラス基板201(図3参照)上にモリブデン(Mo)などの配線材料によって1層目として配線される。すなわち、実際の配線構造では、補助配線35の配線材料は、補助容量25の他方の電極を形成している。
トランジスタ22,23の各半導体層や保持容量24の他方の電極および補助容量25の一方の電極は、1層目の配線層の上にポリシリコン(P-Si)などの材料によって2層目として形成される。走査線31や電源供給線32は、2層目の配線層の上にアルミニウム(Al)などの配線材料によって3層目として配線される。
上述したように、Moなどからなる補助配線35を画素行ごとに配線し、この補助配線35を通して補助電極25の電極に対して画素ごとに固定電位を与える構成を採った場合に、配線は抵抗を持っており、特にMo配線はその抵抗値が高いことから、画素アレイ部30の中央部と端部とで補助配線35の抵抗値が異なるために、移動度補正時に見えるインピーダンスに差が生じる。
一方で、移動度補正に伴って駆動トランジスタ22に電流が流れたときに、補助配線35の電位が瞬間的に上昇する。このとき、画素アレイ部30の中央部と周辺部とで補助配線35の抵抗値が異なると、補助配線35の変動した電位が元の電位に収束するまでの時間に差が生じるために、図12に示すように、補助配線35の電位の影響によって画素アレイ部30の中央部と周辺部とで駆動トランジスタ22のソース電位Vsの変動に差がでる。なお、図12において、実線が周辺部のソース電位Vs、点線が中央部のソース電位Vsのそれぞれの変化を表わしている。
このように、移動度補正期間において、画素アレイ部30の中央部と周辺部とで駆動トランジスタ22のソース電位Vsの変動に差があると、それに伴って駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに差が生じることになるために、図13に示すように、パネルの中央部と周辺部とで輝度シェーディングが発生する。この輝度シェーディングは数インチ程度の表示パネルでは視認上問題ないレベルである。しかし、パネルサイズが大きくなるにつれて、補助配線35のインピーダンス差に起因する輝度シェーディングは無視できなくなってくる。
[本実施形態の特徴部分]
そこで、本実施形態では、特に駆動トランジスタ22に電源電位を供給する電源供給線32の電源電位を第1電位Vccpと第2電位Viniで切り替え可能な構成とし、当該電源電位の切り替えによって有機EL素子21の発光/非発光を制御する画素構成を採る有機EL表示装置10において、有機EL素子21の容量不足を補う補助容量25を画素ごとに設けるに当たって、固定電位の補助配線35を複数の画素行を単位として1本ずつ配線し、補助容量25の一方の電極を画素ごとに有機EL素子21のアノード電極に接続し、補助容量の他方の電極を1本の補助配線35に対して複数の画素行における同一の画素列に属する画素間で共通に接続した配線構造を採っている。
そこで、本実施形態では、特に駆動トランジスタ22に電源電位を供給する電源供給線32の電源電位を第1電位Vccpと第2電位Viniで切り替え可能な構成とし、当該電源電位の切り替えによって有機EL素子21の発光/非発光を制御する画素構成を採る有機EL表示装置10において、有機EL素子21の容量不足を補う補助容量25を画素ごとに設けるに当たって、固定電位の補助配線35を複数の画素行を単位として1本ずつ配線し、補助容量25の一方の電極を画素ごとに有機EL素子21のアノード電極に接続し、補助容量の他方の電極を1本の補助配線35に対して複数の画素行における同一の画素列に属する画素間で共通に接続した配線構造を採っている。
図14は、本発明の一実施形態に係るアクティブマトリクス型表示装置の構成の概略を示すシステム構成図であり、図中、図10と同等部分には同一符号を付して示している。ここでは、一例として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子を画素の発光素子として用いたアクティブマトリクス型有機EL表示装置の場合を例に挙げて説明するものとする。
(回路構成)
本実施形態では、画素20を構成する素子数や配線数の削減を図るために、電源供給線32の電源電位の切り替えによって有機EL素子の発光/非発光を制御する機能を駆動トランジスタ22に持たせた画素構成を採る有機EL表示装置10において、固定電位の補助配線35を複数の画素行、例えば上下2つの画素行j,j+1を単位として1本ずつ配線し、この1本の補助配線35を2つの画素行j,j+1間において同一画素列に属する2つの画素20j,20j+1間で兼用する構成を採っている。
本実施形態では、画素20を構成する素子数や配線数の削減を図るために、電源供給線32の電源電位の切り替えによって有機EL素子の発光/非発光を制御する機能を駆動トランジスタ22に持たせた画素構成を採る有機EL表示装置10において、固定電位の補助配線35を複数の画素行、例えば上下2つの画素行j,j+1を単位として1本ずつ配線し、この1本の補助配線35を2つの画素行j,j+1間において同一画素列に属する2つの画素20j,20j+1間で兼用する構成を採っている。
より具体的には、1本の補助配線35は、信号線33などが配線される配線層において画素行jと画素行j+1との間に、画素行方向(画素行の画素の配列方向)に沿って、Mo(モリブデン)などの配線材料によって形成され、画素アレイ部(有効画素領域)30の外部において共通電源供給線34に対してコンタクト部36にて電気的に接続されている。これにより、補助配線35には共通電源供給線34から固定電位(カソード電位Vcath)が与えられる。
一方の画素20jにおいては、保持容量25iの一方の電極が有機EL素子21jのアノード電極(駆動トランジスタ22jのソース電極)に接続され、その他方の電極が補助配線35に接続される。他方の画素20j+1においては、その詳細な接続関係については図示を省略するが、保持容量25j+1の一方の電極が有機EL素子21j+1のアノード電極に接続され、その他方の電極が画素20jと同じ補助配線35に接続される。
このように、補助配線35を例えば2つの画素行j,j+1を単位として1本ずつ配線し、この1本の補助配線35を上下2つの画素20j,20j+1間で兼用する構成を採ることにより、補助配線35を画素行単位で1本ずつ配線する場合に比べて、補助配線35の配線幅を拡大できる、例えば2倍の幅を確保することができるために、補助配線35の配線抵抗を低減、例えば半減させることができる。
ここでは、補助配線35を例えば2つの画素行j,j+1を単位として1本ずつ配線するとしたが、補助配線35を3つ以上の画素行を単位として1本ずつ配線し、同一画素列に属する3つ以上の画素間で1本の補助配線35を共通化することも可能であり、これにより、補助配線35の配線抵抗を1/3以下に低減することが可能になる。
(配線構造)
図15は、本実施形態に係る有機EL表示装置10の配線構造の一例を示す平面パターン図であり、図中、図11と同等部分には同一符号を付して示している。
図15は、本実施形態に係る有機EL表示装置10の配線構造の一例を示す平面パターン図であり、図中、図11と同等部分には同一符号を付して示している。
図15において、信号線33や保持容量24の一方の電極および補助容量25の他方の電極は、ガラス基板201(図3参照)上にモリブデン(Mo)などの配線材料によって1層目として配線される。すなわち、実際の配線構造では、補助配線35の配線材料は、補助容量25の他方の電極を形成している。
ここで、補助容量(Csub)25i,25i+1については、上下2つの画素行i,i+1の境界線Oに関して上下対照(ミラー反転)に配置されている。そして、補助容量25i,25i+1の各他方の電極については、補助配線35の配線材料によって一枚の電極として一体的に形成されている。
R,G,Bの画素(サブピクセル)ごとに補助容量25のサイズが異なるのは、先述したように、有機EL素子21の発光色によって駆動トランジスタ22のサイズが異なるのに伴い、有機EL素子21の発光色に応じた容量値の設定によってホワイトバランスをとったり、発光色に関係なく移動度補正時間を一定にしたりするためである。
参考例に係る配線構造の場合と同様に、トランジスタ22,23の各半導体層や保持容量24の他方の電極および補助容量25の一方の電極は、1層目の配線層の上にポリシリコン(P-Si)などの材料によって2層目として形成される。走査線31や電源供給線32は、2層目の配線層の上にアルミニウム(Al)などの配線材料によって3層目として配線される。
(本実施形態の作用効果)
上述したように、補助配線35を複数の画素行、例えば上下2つの画素行j,j+1を単位として1本ずつ配線し、この1本の補助配線35を同一画素列に属する上下の画素20j,20j+1間で兼用することにより、補助配線35の配線本数が半減するために、補助配線35を画素行単位で1本ずつ配線する場合に比べて、補助配線35の配線幅を2倍に拡大できる。
上述したように、補助配線35を複数の画素行、例えば上下2つの画素行j,j+1を単位として1本ずつ配線し、この1本の補助配線35を同一画素列に属する上下の画素20j,20j+1間で兼用することにより、補助配線35の配線本数が半減するために、補助配線35を画素行単位で1本ずつ配線する場合に比べて、補助配線35の配線幅を2倍に拡大できる。
その結果、補助配線35の配線抵抗を1/2以下に低減できる。また、先述した動作説明から明らかなように、上下の画素20j,20j+1は、互いに異なる水平期間内に移動度補正動作を行うために、移動度補正時に見えるインピーダンス、即ち保持容量25と補助配線25の配線抵抗によって決まるインピーダンスを1/2以下に低減できる。
これにより、移動度補正時に駆動トランジスタ22に電流が流れることによって、補助配線35の電位が瞬間的に上昇したときの上昇値を、図16に示すように、1/2以下に抑えることができるために、画素アレイ部30の中央部と周辺部とで補助配線35の抵抗値が異なっていたとしても、補助配線35の変動した電位が元の電位に収束するまでの時間差は僅かなものとなる。
したがって、補助配線35の電位の上昇に伴う駆動トランジスタ22のソース電位Vsの変動については、画素アレイ部30の中央部と周辺部とでほとんど差がでないために、補助配線35として高抵抗のMo配線を用いた場合であっても、補助配線35を画素行単位で1本ずつ配線する場合に比べて輝度シェーディングを半分以下、即ち視認できないレベル以下に抑えることができる。その結果、表示画面の画質として、ユニフォーミティの高い画質を得ることができる。
また、上下2つの画素行j,j+1を単位として補助配線35を配線する場合は、上下2つの画素20j,20j+1の各補助容量25i,25i+1については、上下2つの画素行i,i+1の境界線Oに関して上下対照に配置する配線構造を採ることで、本実施形態に係るレイアウト、即ち1本の補助配線35を上下の画素20j,20j+1間で共通化するレイアウトを容易に実現できる。
以上では、補助配線35の配線抵抗を低減することで、配線抵抗に起因する輝度シェーディングを抑えるとしたが、パネルサイズが小さい場合など、輝度シェーディングが画質上問題にならない程度に補助配線35の配線抵抗が低い場合には、補助配線35の配線幅を拡大する必要がない。
このような場合には、補助配線35の配線幅が補助配線35を画素行単位で配線する場合と同じ配線幅で良いために、補助配線35を複数の画素行単位で配線することにより、省略できる配線本数分の空いたスペースを画素20の素子数の追加に利用したり、あるいは、空いたスペース分だけ画素ピッチを狭めることによって高精細化を図ったりすることができる。
[変形例]
上記実施形態では、画素回路20の電気光学素子として、有機EL素子を用いた有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの適用例に限られるものではなく、電気光学素子を含む画素が行列状に2次元配置されてなる平面型(フラットパネル型)の表示装置全般に対して適用可能である。
上記実施形態では、画素回路20の電気光学素子として、有機EL素子を用いた有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの適用例に限られるものではなく、電気光学素子を含む画素が行列状に2次元配置されてなる平面型(フラットパネル型)の表示装置全般に対して適用可能である。
[適用例]
以上説明した本発明による表示装置は、一例として、図17〜図21に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
以上説明した本発明による表示装置は、一例として、図17〜図21に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
このように、あらゆる分野の電子機器の表示装置として本発明による表示装置を用いることにより、先述した実施形態の説明から明らかなように、本発明による表示装置は、補助容量に対して固定電位を与える補助配線の配線抵抗に起因する輝度シェーディングを抑えることができるために、各種の電子機器において、ユニフォーミティの高い画質の画像表示を行うことができる。
なお、本発明による表示装置は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部30に透明なガラス等の対向部に貼り付けられて形成された表示モジュールが該当する。この透明な対向部には、カラーフィルタ、保護膜等、更には、上記した遮光膜が設けられてもよい。尚、表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するための回路部やFPC(フレキシブルプリントサーキット)等が設けられていてもよい。
以下に、本発明が適用される電子機器の具体例について説明する。
図17は、本発明が適用されるテレビジョンセットの外観を示す斜視図である。本適用例に係るテレビテレビジョンセットは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本発明による表示装置を用いることにより作成される。
図18は、本発明が適用されるデジタルカメラの外観を示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図19は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図20は、本発明が適用されるビデオカメラの外観を示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図21は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す外観図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含み、そのディスプレイ144やサブディスプレイ145として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
10…有機EL表示装置、20…画素(画素回路)、21…有機EL素子、22…駆動トランジスタ、23…書き込みトランジスタ、24…保持容量、25…補助容量、30…画素アレイ部、31(31−1〜31−m)…走査線、32(32−1〜32−m)…電源供給線、33(33−1〜33−n)…信号線、34…共通電源供給線、35…補助配線、36…コンタクト部、40…書き込み走査回路、50…電源供給走査回路、60…水平駆動回路、70…表示パネル
Claims (5)
- 電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素が行列状に配置された画素アレイ部と、
前記画素アレイ部の複数の画素行を単位として1本ずつ配線された固定電位の補助配線とを備え、
前記複数の画素行の同一画素列に属する複数の画素は、一方の電極が画素ごとに前記電気光学素子のアノード電極に接続され、他方の電極が前記補助配線に対して前記複数の画素間で共通に接続された補助容量を有する
ことを特徴とする表示装置。 - 前記補助容量は、他方の電極が前記補助配線を形成する配線材料によって前記複数の画素間で共通に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。 - 前記補助配線は、上下2つの画素行を単位として当該2つの画素行間に配線されている
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。 - 前記補助容量は、前記2つの画素行の境界線に関して上下対照に形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の表示装置。 - 電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素が行列状に配置された画素アレイ部と、
前記画素アレイ部の複数の画素行を単位として1本ずつ配線された固定電位の補助配線とを備えた表示装置を有し、
前記複数の画素行の同一画素列に属する複数の画素は、一方の電極が画素ごとに前記電気光学素子のアノード電極に接続され、他方の電極が前記補助配線に対して前記複数の画素間で共通に接続された補助容量を有する
ことを特徴とする電子機器。
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2007
- 2007-10-26 JP JP2007278289A patent/JP2009109519A/ja active Pending
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