JP2009108950A - ピロボール構造及びサスペンション構造 - Google Patents

ピロボール構造及びサスペンション構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 周方向には抵抗を生じず、且つ、キングピン軸周りの回転を規制する。
【解決手段】外筒71と、外筒71よりも軸方向に大きい寸法を有する内筒72と、内筒72の外周面に内筒72と一体に形成された球体74と、外筒71と内筒72との間に配設されて球体74を揺動可能に保持する保持部材75と、外筒71の外側に配設され外筒71よりも軸方向に大きい寸法を有する第2の外筒73と、内筒72と第2の外筒73との間に設けられて内筒72の揺動を規制する規制部材77とを有するように構成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、いわゆるダブルナックルサスペンションに用いて好適の、ピロボール構造及びサスペンション構造に関するものである。
従来より、自動車のサスペンションは、目的や用途に応じて種々のタイプのものが開発又は実用化されており、例えば、ストラット式サスペンション,ダブルウィッシュボーン式サスペンション及びマルチリンク式サスペンション等が広く知られている。
このうち、図3はいわゆるダブルナックル式サスペンション形式のフロントサスペンションを示す図であって、ここでは左前輪を後方から見た模式的な断面図を示している。
このダブルナックル式サスペンションの構成について簡単に説明すると、本サスペンションは、主にストラット2、ナックル4、ロアアーム6、アッパハウジング8、ロアハウジング10及びダンパフォーク20から構成されている。
ストラット2はショックアブソーバ(緩衝装置)としての機能とサスペンションアーム(支柱)としての機能を兼用する部材であって、このストラット2の外周にアッパハウジング8が固着されている。また、ナックル4は図示しないドライブシャフトやハブ(車軸)を回転自在に支持する部品であって、上下からアッパハウジング8、ロアハウジング10により揺動自在に狭持されている。
すなわち、ナックル4の上端部はベアリング(第1の軸支手段)16を介して揺動可能にアッパハウジング8に取り付けられるとともに、下端部はボールジョイント14(第2の軸支手段)を介してやはり揺動可能にロアハウジング10に取り付けられている。
また、ボールジョイント14及びベアリング16の中心を結ぶ線がサスペンションのキングピン軸(転舵軸又は操舵軸)LKPとなり、ナックル4はこのキングピン軸LKPを中心に回動する。
また、ロアハウジング10はブッシュ70を介してロアアーム6に回動可能に接続されている。また、ロアアーム6は図示しない車体又はサスペンションフレームに揺動可能に取り付けられている。
また、図示するように、アッパハウジング8とロアハウジング10とはダンパフォーク20を介して接続されている。ダンパフォーク20はドライブシャフトよりも前方に配設される前側ダンパフォーク20fと、ドライブシャフト18よりも後方に配設される後側ダンパフォーク(図示省略)とにより構成されている。
そして、本サスペンションでは、アッパハウジング8,ロアハウジング10及びダンパフォーク20の3つ構成要素が一体となって一つの部材として機能するものであり、これらの3つの部材を一体化した要素をサポートという。
ところで、上述したように、通常ロアアーム6の先端側にはブッシュ70が圧入又は固定されている。そして、ロアアーム6とロアハウジング10とをブッシュ70を介してボルト6cで締結することで、ロアハウジング10及びナックル4が上下動可能にロアアーム6に接続されるようになっている。
ここで、このブッシュ70について簡単に説明すると、ブッシュ70は図示するように、外筒701と内筒702とを有しており、外筒701と内筒702との間には弾性体(ゴム)703が加硫接着等により固定されている。そして、外筒701がロアアーム6に対して圧入又は溶接等により固定されている。
また、ロアハウジング10の端部は、図4に示すように二股状に分岐してそれぞれ腕部101,102を形成している。そして、これらの腕部101,102が内筒702の両端部を狭持するとともに、ボルト704及びナット705により締結される。また、この際、内筒702とロアハウジング10とは相対移動がないように締結される。
また、ブッシュ70内のゴム703は、ブッシュ70の軸方向,径方向及び周方向(ブッシュ中心軸に対する回転方向)に対してそれぞればね定数が設定されている。サスペンションのストローク時には、内筒702が外筒701に対してねじれることになるが、この場合は、ゴム703が主に周方向に変形することにより、内筒702と外筒701との相対変位が許容されることになる。そして、ゴム703の3次元方向の各ばね定数を適切に設定することにより、操安性の確保や乗り心地の向上を図るようにしている。
なお、図4に示すようなブッシュ以外にも、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。
特開平7−293617号公報
しかしながら、上述したような形式のサスペンションでは、図3に示すように、ナックル4の転舵軸であるキングピンLKP以外にも、もう一つの転舵軸(以下、旧キングピン軸LKP′という)が存在している。この旧キングピン軸LKP′は、ストラット2のボディ側取り付け部とブッシュ揺動中心とを結ぶ直線と一致しており、一般的なストラット式サスペンションのキングピン軸に相当している。
そして、図3に示す構成では、アッパハウジング8,ロアハウジング10及びダンパフォーク20の3部材が一体化したサポートが、上記旧キングピン軸周りに揺動可能となっている。
このようなサポートの揺動を許容すると、タイヤやナックル4の正確な位置決めができなくなりサスペンションとしての機能が損なわれるため、旧キングピン軸回りサポートの揺動を規制する必要がある。ただし、この形式のサスペンションでは、サスペンションストローク時に僅かながらブッシュ70の揺動を許容しないとサスペンションジオメトリーが成立しないため、ある程度の揺動(例えば0.1deg程度のオーダ)は許容する必要もある。
このような要望に応えるには、ブッシュのばね定数(主に径方向のばね定数)を高めてブッシュ剛性の向上を図ることが考えられる。そして、ブッシュのばね定数(特に径方向のばね定数)を高めることで、旧キングピン軸周りの回転を規制しながら、サスペンションジオメトリー上最低限必要な揺動を許容することができる。
しかし、サポートの回転を規制する程度まで極端にブッシュのばね定数を上げようとすると、ゴム703自体が硬化することになるので、周方向のばね定数も必然的に高くなってしまう。そして、ゴム703の周方向のばね定数が必要以上に高くなると乗り心地が悪化することになる。
なお、一般的には、ゴム703の周方向(回転方向)のばね定数は低く設定することが望ましい。この周方向のばね定数が高くなりすぎると、ブッシュ内筒702と外筒701との相対変位が許容されにくくなり、サスペンションストローク時に抵抗として作用して、乗り心地のみならず操安性にも影響を与える恐れがあるためである。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、ストローク時にはほとんど抵抗を生じず、且つ、旧キングピン軸周りの回転を規制しながら、サスペンションジオメトリー上最低限必要な揺動を許容するようにした、ピロボール構造及びサスペンション構造を提供することを目的とする。
このため、本発明のピロボール構造は、第1の外筒と、該第1の外筒の内側に同軸上に配設され、該第1の外筒よりも軸方向に大きい寸法を有する内筒と、該内筒の外周面に該内筒と一体に形成され、中心が該第1の外筒及び内筒の中心軸上に位置する球体と、該第1の外筒と該内筒との間に配設され、該球体を揺動可能に保持する保持部材と、該第1の外筒の外側に同軸上に配設され、該第1の外筒よりも軸方向に大きい寸法を有する第2の外筒と、該内筒と該第2の外筒との間に設けられて該内筒の揺動を規制する規制部材とを有することを特徴としている(請求項1)。
また、該規制部材と該内筒との間に該内筒の所定範囲内の揺動を許容する隙間が設けられているのが好ましい(請求項2)。
また、該規制部材が弾性体により形成されているのが好ましい(請求項3)。
また、該規制部材が、該内筒の両端部と第2の外筒の両端部との間にそれぞれ設けられ、該2つの規制部材よりも内側に、該球体と該保持部材との間をシールするシール部材が設けられているのが好ましい(請求項4)。
また、本発明のサスペンション構造は、該車両の車軸を回転可能に支持する第1部材と、車両のストラットに固設され、第1の軸支手段を介して該第1部材の上端側を揺動自在に軸支する第2部材と、第2の軸支手段を介して該第1部材の下端側を揺動自在に軸支する第3部材と、該第1部材と該第2部材とをボルトにより締結する板金状の第4部材と、先端側が該第3部材に対して揺動可能に接続されるとともに、基端側が該車両に対して揺動可能に接続されるロアアームとをそなえたサスペンション構造であって、該ロアアームと該第3部材とが、上記請求項1〜4のいずれか一向に記載のピロボール構造を介して接続されていることを特徴としている(請求項5)。
本発明のピロボール構造によれば、内筒が外筒に対して回転自在となるため、本ピロボール構造をサスペンションに用いた場合、サスペンションストローク時にほとんど抵抗を生じず、乗り心地が向上する。また、規制部材により内筒の揺動が規制されるので、サスペンションの正確な位置決めを実現することができサスペンションの機能を損なうような事態を回避できる(請求項1)。
また、規制部材と内筒との間に隙間を設けることにより、規制部材により内筒の揺動を規制しながらも、サスペンションジオメトリー上最低限必要な揺動が許容されるという利点がある(請求項2)。
また、規制部材の変形分だけ内筒の揺動を許容することによりドライバが違和感を覚えるような事態を回避できるとともに、やはり乗り心地が向上する利点がある。また、内筒と規制部材とが当接した場合の接触音の発生を防止できる利点もある(請求項3)。
また、シール部の耐久性及び信頼性が向上するという利点がある(請求項4)。
本発明のサスペンション構造によれば、内筒が外筒に対して回転自在となるため、サスペンションストローク時にほとんど抵抗を生じず、乗り心地が向上する。また、規制部材により内筒の揺動が規制されるので、サスペンションの正確な位置決めを実現することができる(請求項5)。
以下、図面により、本発明の一実施形態に係るピロボールの構造について説明すると、図1は本ピロボール構造が適用されるサスペンションの全体構成を示す図であって、図2は本ピロボール構造を示す模式的な断面図である。
まず、図1を用いてサスペンションの構成について説明する。なお、このサスペンションは、後述するピロボールブッシュ以外の構成については、図3を用いて説明したダブルナックル式サスペンションと同様に構成されているため、対応する部材については同一の符号を付して説明する。また、本実施形態では前輪左側のサスペンションを用いて説明するが、サスペンションは左右対称に構成されており、右側サスペンションも左側サスペンションと同様に構成されている。したがって、以下では右側サスペンションの構成については説明を省略する。
さて、図1に示すように、本サスペンションは、主にストラット2、ナックル(第1部材)4、ロアアーム6、アッパハウジング(第2部材)8、ロアハウジング(第3部材)10及びダンパフォーク(第4部材)20から構成されている。
ストラット2はショックアブソーバ(緩衝装置)としての機能とサスペンションアーム(支柱)としての機能を兼用する部材であって、後述するアッパハウジング8を介してナックル4の上側を支持している。ここでストラット2自体は公知のものであって、ストラット外筒の内部に形成されたシリンダに図示しないピストンが設けられるとともに、シリンダ内にオイルが充填されて構成されている。そして、サスペンションに入力が作用すると、ピストンがオイルの抵抗を受けながらシリンダ内を進退することにより入力が緩衝されるようになっている。
ナックル4はドライブシャフト18及びハブ(車軸)19を回転自在に支持する部品であって、その上端部がアッパハウジング8に取り付けられるとともに、下端部がロアハウジング10に取り付けられている。
また、ナックル4にはナックルアーム4aが形成され、このナックルアーム4aにタイロッド12が接続されている。これにより、ドライバの操舵力が図示しないステアリングギアボックスからタイロッド12を介してナックル4に伝達されてナックル4が回動し、車輪が操舵されるようになっている。
また、ナックル4の下面にはボールジョイント(第2の軸支手段)14が設けられている。このボールジョイント14は、主に基端側に形成された球状のベアリング部14aと、先端側に形成されたスタッド部(揺動軸)14bとから構成されている。また、スタッド部14bは先端に向けて小径となるようなテーパ状に形成されるとともに、最先端部にオネジが形成されている。
そして、ベアリング部14aがナックル4の下面に回動可能に埋設されるとともに、スタッド部14bが下方に向けて突出するように取り付けられている。
一方、ナックル4の上方にはベアリング(第1の軸支手段)16が設けられており、ベアリング16もオネジが形成された先端側のスタッド部(揺動軸)16bを有している。また、スタッド部16bはやはり先端に向かうほど小径となるようなテーパ状に形成され、スタッド部16bはその先端が上方に突出するように構成されている。なお、ナックル4は予めアセンブリ化されており、ボールジョイント14はピンチボルト(図示省略)で締結され、ベアリング16はナックル4に圧入されて一体化している。
また、ボールジョイント14及びベアリング16の中心を結ぶ線がサスペンションのキングピン軸(転舵軸又は操舵軸)LKP(図3参照)となる。
また、ベアリング16,ボールジョイント14のスタッド部14b,16bは、それじれアッパハウジング8及びロアハウジング10に接続されており、これにより、ナックル4が上下から揺動自在に狭持されるようになっている。
このうち、アッパハウジング8は予めストラット2の外筒に溶接等により固着されており、ストラット2よりも車両外側にナックル4のベアリング16を接続するためのボス部8aが形成されている。
このボス部8aはベアリング16のスタッド部16bのテーパ形状に対応した形状に形成されており、このボス部8aにスタッド部16bを挿入するとともに、上部をナット42で締結することにより、ベアリング16の軸心合わせが行われるようになっている。
また、ロアハウジング10にも、ボールジョイント14のスタッド部14bのテーパ形状に対応した形状のボス部10aが形成されており、このボス部10aにスタッド部14bを挿入し、ナット40で締結することにより、ボールジョイント14の軸心合わせが行われるようになっている。
また、ロアハウジング10はピロボールブッシュ7及びボルト6cを介してロアアーム6に回動可能に接続されている。また、ロアアーム6は、車両の中心側端部(基端部)において、車両の長手方向に略沿う回動中心軸を有する前側基端部6aと、車両の鉛直方向に中心軸を有する後側基端部6bとを備え、これらの基端部6a,6bにも図示しないブッシュ類が圧入されている。そして、これらの基端部6a,6bの中心軸に沿ってボルトを挿通してナット等で締結することにより、ロアアーム6が図示しない車体又はサスペンションフレームに取り付けられるとともに、前側基端部6aの回動中心軸を中心とした揺動が許容されるようになっている。
一方、ロアアーム6の先端側には先端側接続部6dが形成されており、この接続部6dには、図2に示すようなピロボールブッシュ7が固定されている。そして、図1に示すように、ロアアーム6とロアハウジング10とをピロボールブッシュ7を介してボルト6cにより締結することで、ロアハウジング10及びナックル4が上下動可能にロアアーム6に接続されるようになっている。
また、図示するように、アッパハウジング8とロアハウジング10とはダンパフォーク20を介して接続されている。ダンパフォーク20は本実施形態においてはドライブシャフト18よりも前方に配設される前側ダンパフォーク20fと、ドライブシャフト18よりも後方に配設される後側ダンパフォーク20rとにより構成されている。なお、これらのダンパフォーク20f,20rは左右対称形状に形成されている点以外は同様に構成されている。したがって、以下では2つのダンパフォーク20f,20rについて、特に区別をしない限り単にダンパフォーク20と記す。
ところで、本実施形態においては、アッパハウジング8,ロアハウジング10及びダンパフォーク20の3つ構成要素が一体となって一つの部材として機能するものであり、これらの3つの部材を一体化した要素をサポートという。
ここで、サポートをアルミ等により一体に形成することも考えられるが、本実施形態ではコストや重量並びに組み付け作業性を考慮して、上述のようにアッパハウジング8,ロアハウジング10及びダンパフォーク20の3部材に分割しており、さらにダンパフォーク20を前後2枚に分割することで、ドライブシャフト18との干渉を避けながらサポートして十分な強度を確保しているのである。
つまり、サポートを一体成型品とした場合には、十分な剛性を得るためには大型してしまい重量が増大してしまうほか、コスト増を招くことになる。また、重量増は、ばね下重量の増大となり操安性にも影響することになる。さらには、サポートを一体成型した場合は、ドライブシャフト18を通すための穴部を設ける必要が生じるが、サスペンションを組み付ける際にサポートにドライブシャフト18を通すための作業が必要になり作業性が低下する。
そこで、本実施形態ではサポートをアッパハウジング8,ロアハウジング10及びダンパフォーク20の3つ構成要素に分割することで、軽量化を図るとともに組み付け作業性の向上を図り、上記の課題を解決しているのである。
次に、ピロボールブッシュ7の構成について説明すると、図2に示すように、このピロボールブッシュ7は、従来のブッシュ(図4の符号70参照)に代えて設けられたものであって、主に、外筒71と、外筒71の内側において外筒71と同軸上に配設される内筒72と、外筒71の外側に外筒71と同軸上に配設されるパイプ(第2の外筒)73とを備えている。なお、図中のO,Oはそれぞれ外筒71の中心軸,内筒72の中心軸を示しており、上述のように、これらの2つの中心軸O,Oは一致している。
また、内筒72及びパイプ73は外筒71よりも軸方向に大きい寸法を有しており、これら内筒72及びパイプ73の両端部は、いずれも外筒71の両端部よりも軸方向に突出している。
また、内筒72の軸方向中心部分には球状のベアリング(球体)74が内筒72と一体に形成されており、また、ベアリング74の中心は内筒の中心軸O2上に位置するように構成されている。
また、外筒71と内筒72との間にはベアリング74を揺動可能に保持する保持部材75が設けられている。また、外筒71には保持部材75の位置を規制する環状の段部71aが形成されており、この段部71aに保持部材75が当接することにより、保持部材75の一端側(図中左側)への移動が規制されるようになっている。また、これにより、ベアリング74自体の一端側への移動も規制されるようになっている。また、保持部材75の他端側(図中右側)には保持部材75が外れないように固定するためのスナップリング等の止め具75aが設けられている。
ところで、外筒71と内筒72とパイプ73とはいずれも金属(主に鉄)により形成されているのに対し、保持部材75は樹脂で形成されている。また、保持部材75とベアリング74との間には潤滑のためのグリースが塗布されている。これにより外筒71の内周面とベアリング74の表面との間でがたつくことなくベアリング74が滑らかに摺動可能に保持されるようになっている。
また、ベアリング74に対する防水及び防塵を目的として、外筒71の両端部には外筒71と内筒72との間をシールするシール部材76がそれぞれ設けられている。
また、パイプ73と外筒71とが相対変位しないように、例えばパイプ73の内側に外筒71を圧入するなどして、パイプ73と外筒71とが一体化されている。
そして、パイプ73の外周面が、ロアアーム6の先端側接続部6dに溶接等により、ロアアーム6とピロボールブッシュ7とが一体化されるようになっている。
ところで、上述したように、内筒72及びパイプ73の両端部はそれぞれ外筒71の両端部よりも突出している。本実施形態では図示するように内筒72のほうがパイプ73よりも長く形成され、内筒72の両端がパイプ73の両端よりも僅かに突出している。そして、内筒72及びパイプ73の各両端部であって内筒72とパイプ73との間の空間に、内筒72の揺動を規制する規制部材77が設けられている。ここで、規制部材77はパイプ73の内周面に当接する円周壁部77aと、パイプ73の両端部に当接する鍔部77bとを有しており、パイプ73の全長に鍔部77bの厚さを加えた寸法よりも内筒72の全長のほうが僅かに大きくなるように設定されている。
また、規制部材77と内筒72との間には全周に亘り僅かな隙間Sが設けられており、これにより内筒72の所定範囲内の揺動が許容されるようになっている。なお、ここで所定範囲とは、サスペンションジオメトリーにより決定されるサスペンションの作動を許容するための内筒72の揺動範囲であり、横力等の外力及び負荷が作用しない状態で、サスペンションがフルリバウンド状態からフルバウンド状態までフルストロークした際に幾何学的に必要な内筒の揺動角である。具体的には、本実施形態の場合ベアリング74を中心に0.1deg程度の揺動を許容する隙間である。
ところで、この規制部材77は弾性体により形成されている。具体的には、弾性体としては、比較的ばね定数の高い樹脂材により形成されている。ここで、上述のように、内筒72の所定範囲内の揺動を許容するべく内筒72と規制部材77との間には隙間Sを設けているが、規制部材77は、本来は内筒72の所定範囲以上の揺動を規制するためのストッパとして機能するものであるため、大きな力が作用しても容易に変形しないのが好ましい。このため、規制部材77を金属で形成することも考えられるが、規制部材77及び内筒72をいずれも金属で形成した場合、内筒72が揺動して規制部材77に当接すると、これ以降は規制部材77が一切変形しないため内筒72の揺動が完全に規制されてしまう。この場合、内筒72の揺動が突然規制されることになるため、ドライバにとっては違和感が生じることになる。そこで、この規制部材77を弾性体としての樹脂で形成することにより、内筒72の規制部材77への当接後、規制部材77が僅かに変形しながら内筒72の揺動を規制することができ、ドライバの違和感を低減することができる。また、内筒72と規制部材77とが当接した場合の接触音の発生を防止できる
本発明の一実施形態に係るピロボール構造は上述のように構成されているので、ピロボールブッシュ7の内筒72は、外筒71及びパイプ73に対して、中心軸O1 ,2 を中心に回転自在となり、この回転方向には保持部材75との摩擦抵抗以外には抵抗が作用しない。このため、内筒72は回転方向には極めて円滑に作動する。一方、ベアリング74を中心とする揺動に関しては、規制部材77と内筒72との間に形成された隙間Sの分のみ揺動が許容され、これ以上の揺動は内筒72が規制部材77に当接することにより規制される。また、このときには、規制部材77を樹脂で形成することにより、規制部材77が僅かに変形しながら内筒72の揺動が規制される。
したがって、このようなピロボールブッシュ7をロアアーム6に固定し、ロアアーム6とロアハウジング10とをボルト6cとナットとで締結することにより以下のような作用効果が得られる。
まず、ロアハウジング10の先端の二股状の腕部(図4の101,102参照)が内筒72の両端を狭持するような状態でボルトを上記ロアハウジング10及び内筒72に通し、その後ナットでロアハウジング10とロアアーム6とを締結する。これにより、ロアハウジング10と内筒72との相対変位が規制され、ロアハウジング10と内筒72とは一体に作動することになる。また、内筒72は外筒71に対して回転軸O1 に対しては自在に回転が許容されるので、サスペンションストローク時には、軸周りにばね定数を有する従来のブッシュ(図4参照)に対して、抵抗がほとんどなくなり、乗り心地が向上することになる。
また、すでに説明したように、このような形式のサスペンションでは、ナックル4の転舵軸であるキングピンLKP以外にも、もう一つの転舵軸(以下、旧キングピン軸という)LKP′が存在している。この旧キングピン軸LKP′は、ストラット2のボディ側取り付け部とブッシュ揺動中心とを結ぶ直線と一致しており、一般的なストラット式サスペンションのキングピン軸に相当している。
そして、従来では、サポート(アッパハウジング8,ロアハウジング10及びダンパフォーク20の3部材が一体化した部材)が、旧キングピン軸周りに揺動可能となるため、ブッシュのばね定数を高めてブッシュ剛性の向上を図ることにより、旧キングピン軸周りの回転を規制することが考えられるが、このように構成した場合には回転軸O1 周りのばね定数も高くなりすぎてしまい乗り心地が悪化してしまう。
これに対し、本ピロボール構造によれば、内筒72の回転を許容するように構成するとともに、サスペンションジオメトリー上必要とされる揺動を許容し、且つこれよりも大きな揺動を規制するように構成することにより、乗り心地の向上を図りながら、旧キングピン軸回りの揺動を規制できる。すなわち、旧キングピン軸周りへの回転は内筒72が規制部材77に当接することにより規制される。したがって、サスペンションの正確な位置決めが可能となる。また、内筒72と規制部材77との間に隙間Sを設けることで、サスペンションのストローク時に内筒72の必要最低限の揺動が許容されるので、サスペンションがスムーズに作動することになる。
以上のように、本ピロボール構造によれば、サスペンションのロアアーム6とロアハウジング10との接続部のばね定数を増大させることなく旧キングピン軸周りの揺動を規制できるという利点があるほか、規制部材77と内筒72との間に隙間Sを設けることによりサスペンションのストローク時に必要な最低限の内筒72の揺動を許容することができ、サスペンションのストロークを許容することができる。また、仮に内筒72と規制部材77とが当接したとしても、規制部材77を弾性体で形成することにより内筒72の規制部材77への当接後、規制部材77が僅かに変形しながら内筒72の揺動を規制するため、ドライバの違和感を低減することができる。また、内筒72と規制部材77との接触音の発生を抑制することができる。
また、2つの規制部材77を内筒72及びパイプ73の両端に設け、これよりも内側に、シール部材76を設けているので、シール部材76の信頼性も向上するという利点がある。
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。たとえば上述の実施形態では、本ピロボール構造をダブルナックルサスペンションに用いた場合について説明しているが、本ピロボール構造は種々のサスペンション形式に適用することができる。また、第1の軸支手段としてボールジョイントを適用していもよい。
本発明の一実施形態に係るピロボール構造が適用されるサスペンションの全体構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るピロボール構造を示す模式的な断面図である。 従来技術について説明する図である。 従来技術について説明する図である。
符号の説明
2 ストラット
4 第1部材(ナックル)
6 ロアアーム
7 ピロボールブッシュ
8 第2部材(アッパハウジング)
10 第3部材(ロアハウジング)
14 ボールジョイント(第2の軸支手段)
16 ベアリング(第1の軸支手段)
20 第4部材(ダンパフォーク)
20f 前側ダンパフォーク
20r 後側ダンパフォーク
71 外筒
72 内筒
73 パイプ(第2の外筒)
74 ベアリング(球体)
75 保持部材
77 規制部材
76 シール部材

Claims (5)

  1. 第1の外筒と、
    該第1の外筒の内側に同軸上に配設され、該第1の外筒よりも軸方向に大きい寸法を有する内筒と、
    該内筒の外周面に該内筒と一体に形成され、中心が該第1の外筒及び内筒の中心軸上に位置する球体と、
    該第1の外筒と該内筒との間に配設され、該球体を揺動可能に保持する保持部材と、
    該第1の外筒の外側に同軸上に配設され、該第1の外筒よりも軸方向に大きい寸法を有する第2の外筒と、
    該内筒と該第2の外筒との間に設けられて該内筒の揺動を規制する規制部材とを有する
    ことを特徴とする、ピロボール構造。
  2. 該規制部材と該内筒との間に該内筒の所定範囲内の揺動を許容する隙間が設けられている
    ことを特徴とする、請求項1記載のピロボール構造。
  3. 該規制部材が弾性体により形成されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のピロボール構造。
  4. 該規制部材が、該内筒の両端部と第2の外筒の両端部との間にそれぞれ設けられ、該2つの規制部材よりも内側に、該球体と該保持部材との間をシールするシール部材が設けられている
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のピロボール構造。
  5. 車両の車軸を回転可能に支持する第1部材と、
    該車両のストラットに固設され、第1の軸支手段を介して該第1部材の上端側を揺動自在に軸支する第2部材と、
    第2の軸支手段を介して該第1部材の下端側を揺動自在に軸支する第3部材と、
    該第1部材と該第2部材とをボルトにより締結する板金状の第4部材と、
    先端側が該第3部材に対して揺動可能に接続されるとともに、基端側が該車両に対して揺動可能に接続されるロアアームとをそなえたサスペンション構造であって、
    該ロアアームと該第3部材とが、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載のピロボール構造を介して接続されている
    ことを特徴とする、サスペンション構造。
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