JP2009108427A - 繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】製糸安定性に優れ、かつ、165℃の乾熱雰囲気下においてもクリープや繊維が溶断しない耐熱性ポリプロピレン系繊維と、それを用いた繊維製品を提供する。
【解決手段】捲縮率が5〜20%、165℃の乾熱雰囲気下で乾熱処理した後の(繊度(dtex)×1/11)g荷重時の伸長率が20%以下であるポリプロピレン系繊維、好ましくは、下記の成分(A)、(B)及び(C)を含む樹脂組成物にて構成したポリプロピレン系繊維であって、このポリプロピレン系繊維にて繊維製品、特にカーペットを構成する。
(A)ポリアミド樹脂が10〜40質量%、(B)ポリプロピレン樹脂が55〜85質量%及び(C)無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂が5〜35質量%
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系繊維からなり、良好なクリープ特性を有し、かつ、良好な嵩高感を有する繊維製品に関する。
ポリプロピレン繊維は、嵩高性、軽量性、撥水性等に優れていることから、繊維製品、養生シート、建築工事用シートやカーペット原糸等の産業用途に多く用いられている。しかしながら、ポリプロピレン繊維を、カーペット製織(タフト)後に、さらに各種模様に熱賦型するための成型加工を必要とする車両用途、例えば、ラインマット及びオプションマット等に用いるときは、成型加工時における加熱温度によって、捲縮形態の変形及び繊維の切断等の発生が問題となっており、ポリプロピレン繊維を成型加工を必要とする車両用途のカーペットに用いることには困難な点があった。
そこで、ポリプロピレン繊維によって耐熱性カーペットを得るには、カーペット素材として耐熱性ポリプロピレン繊維を用いることが必要になるが、耐熱性ポリプロピレン繊維を得るためには、いくつかの問題点がある。具体的には、ポリプロピレン樹脂が、他の樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂やナイロン樹脂等と比べその融点が低いこと、またその融点を高くすることもできず、そのため、耐熱性ポリプロピレン繊維を得ることも困難であった。
従来より、耐熱性ポリプロピレン繊維の開発については、数多く提案がなされてきたが、ポリプロピレン樹脂に他の高融点樹脂をブレンドし溶融紡糸しようとしても、ポリプロピレン樹脂は他の樹脂との相溶性が悪く、製糸安定性が悪くなる。特に、延伸時に樹脂同士の剥離が発生し製糸できなかった。例えば、特許文献1には、脂肪族ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂からなる混合紡糸された未延伸糸の延伸方法が提案されている。また、特許文献2には、プロピレンとエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物の変性ポリプロピレン系樹脂とポリアミド系樹脂とを混合した繊維が提案されている。
しかしながら、特許文献1の方法は、脂肪族ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂からなる繊維の延伸方法の技術であり耐熱性を高くする技術ではない。また、特許文献2の方法は、プロピレンとエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物の変性ポリプロピレン系樹脂とポリアミド系樹脂からなる繊維で熱融着性と高周波熱接着性を備えた繊維の技術であり耐熱性を高くする技術ではない。さらに、特許文献3には、ポリプロピレンと変性ポリオレフィンとポリアミド6樹脂からなる繊維が提案されているが、特許文献3の繊維は、ポリアミド6樹脂の染色性に基づいた可染性繊維であり、また、その捲縮特性も荷重2g/dを負荷し、24時間後の伸び率を測定したものであり、耐熱性を高くする技術ではない。
特開平7−3532号公報 特開昭60−134013号公報 特開平5−209311号公報
本発明の目的は、このような従来技術における問題点を解決するものであり、製糸安定性に優れ、かつ、165℃の乾熱雰囲気下においてもクリープ(熱変形)や溶断しない耐熱性ポリプロピレン系繊維とそれを用いた繊維製品を提供することにある。
本発明の要旨は、下記の要件(1)、(2)を満たすポリプロピレン系繊維を含む繊維製品、にある。
(1)捲縮率が5〜20%
(2)165℃の乾熱雰囲気下で乾熱処理した後の(繊度(dtex)×1/11)g荷重時の伸長率が20%以下
本発明によれば、本発明におけるポリプロピレン系繊維は、従来からのポリプロピレン繊維では達成困難であった耐熱性の高いカーペットの製造を可能とするものであり、また、このポリプロピレン系繊維を溶融紡糸によって得る際の紡糸安定性にも何ら問題がなく、紡糸安定性、延伸安定性及び捲縮加工安定性に優れる。さらに、本発明におけるポリプロピレン系繊維からなる繊維製品、特にカーペットは、良好なクリープ特性(乾熱雰囲気下の熱変形特性)を有し、ソフトな風合いで、嵩高感に優れ、耐熱性が高いことから、産業用のカーペット、特に後での熱賦型が必要とされる車両用のラインマット、オプションマット、ラグ・ピースカーペット等に広く用いることが可能である。
本発明の繊維製品の構成に用いられるポリプロピレン系繊維は、捲縮率が5〜20%であることが必要である。捲縮率が5〜20%の範囲であれば、嵩高性が高く、かつ、良好な風合いを有する繊維製品が得られ、さらにカーペットにする際のタフト工程で、良好な工程通過性が得られる。捲縮率が5%未満であると、繊維製品、特にカーペットにする際も捲縮糸の伸縮性が低く、ニードル前の張力の変動が吸収できず、また、ルーパーから捲縮糸が外れ難く製織工程、特にタフト工程での通過性が悪くなる。また、捲縮糸を得るには、製糸性面で捲縮糸の伸縮性が低く、巻き取り前の張力の変動が吸収できず、製糸性を悪化する恐れがある。また、捲縮率が20%を超えると、ソフト感の乏しい繊維製品、特にカーペットとなる。
また、本発明の繊維製品の構成に用いられるポリプロピレン系繊維は、165℃の乾熱雰囲気下で乾熱処理した後の(繊度(dtex)×1/11)g荷重時の伸長率が20%以下であることが必要である。165℃の乾熱雰囲気下で乾熱処理した後の伸長率が20%以下であると、繊維製品に対し立体的に模様を熱賦型する成型加工において、一般的な成型温度である150℃で加熱する場合に発生する繊維溶断による虫食い等の問題がなく良好な加工性が得られる。
特に、本発明の繊維製品の構成に用いられるポリプロピレン系繊維は、下記の成分(A)、(B)及び(C)を含む樹脂組成物からなる繊維であることが好ましい。
(A)ポリアミド樹脂が10〜40質量%
(B)ポリプロピレン樹脂が55〜85質量%
(C)無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂が5〜35質量%
成分(A)のポリアミド樹脂としては、ナイロン6樹脂、ナイロン12樹脂又はナイロン66樹脂等の高融点ポリアミド樹脂であれば特に限定はなく、結晶性又は非晶性であってもよいが、比較的ポリプロピレン樹脂との融点が近いナイロン6樹脂がより好ましいものとして挙げられる。成分(B)のポリプロピレン樹脂としては、プロピレンホモポリマーであってもよいし、プロピレンを主成分とするエチレン、1−ブテン等の他のα−オレフィンとのコポリマーであってもよく、また複合繊維におけるようにこれらの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
成分(B)のポリプロピレン樹脂は、メルティングフローレート(JIS K 7210に準拠し230℃で測定。以下、MFR値と略記)が8〜50g/10分の範囲であることが好ましく、特に9〜30g/10分の範囲であることが好ましい。ポリプロピレン樹脂のMFR値が8g/10分未満では、溶融紡糸時の溶融粘度が、成分(A)のポリアミド樹脂の溶融粘度より高くなり、成分(A)と成分(B)が均一に分散されず製糸性が悪化し不都合となる。また、ポリプロピレン樹脂のMFR値が50g/10分を超えると、溶融粘度が、成分(A)のポリアミド樹脂の溶融粘度より低くなり、成分(A)と成分(B)が均一に分散されず製糸性も悪化し得られる繊維の繊維強度も低くなる。
成分(C)の無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂としては、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂等が挙げられる。成分(C)の変性ポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレン系繊維の主たる構成成分である成分(B)のポリプロピレン樹脂と成分(A)のポリアミド樹脂との相溶化剤として機能する。成分(C)の変性ポリプロピレン樹脂の相溶化剤としての機能は、変性ポリプロピレン樹脂の主骨格がポリプロピレンであることから、ポリプロピレン樹脂との親和性を示すことと、変性ポリプロピレン樹脂中の水酸基と、成分(A)のポリアミド樹脂中のカルボキシル基又はエステル基の少なくとも一部とが反応してグラフト共重合体を形成すること、によるものである。
本発明でのポリプロピレン系繊維を構成する樹脂組成物においては、成分(A)のポリアミド樹脂が10質量%未満では、十分な耐熱性が得られず、40質量%を超えると、紡糸安定性が低下する恐れがあり、より好ましくは成分(A)のポリアミド樹脂を20〜40質量%含むことが好ましい。また、成分(C)の変性ポリプロピレン樹脂が5質量%未満では、相溶化剤としての機能が十分に得られず紡糸安定性が悪化し、35質量%を超えると、繊維強度等の物性低下が発生する恐れがあり、より好ましくは成分(C)の変性ポリプロピレン樹脂を10〜35質量%含むことが好ましい。
また、樹脂組成物における成分(A)のポリアミド樹脂と成分(B)のポリプロピレン樹脂との融点差が80℃以下であることが好ましく、特に70℃以下であることがより好ましい。通常、ポリアミド樹脂の融点は、成分(B)のポリプロピレン樹脂の融点に比べて高く、ポリプロピレン繊維の溶融紡糸における温度では、ポリアミド樹脂が十分に溶融せずに、溶融したポリプロピレン樹脂中に固形異物として残り、溶融紡糸の際に紡糸安定性を低下させるおそれがある。またポリアミド繊維の溶融紡糸における温度では、ポリプロピレン樹脂の溶融粘度が低下し、紡糸安定性を低下させるおそれがある。
さらに、樹脂組成物における成分(A)のポリアミド樹脂と成分(C)の変性ポリプロピレン樹脂との混合比が、質量比((A)/(C))で、2/1〜1/1の範囲であることが好ましく、質量比が2/1未満では、相溶化剤としての機能効果が十分に得られず紡糸安定性、延伸安定性が悪化し、質量比が1/1を超えると、繊維強度等の物性低下が発生するおそれがある。
本発明でのポリプロピレン系繊維を構成する樹脂組成物中には、前記の成分(A)、(B)及び(C)以外に他の成分を含んでいてもよく、他の成分として、例えば、リン化合物、含臭素化合物等からなる難燃剤、ヒンダードアミン系化合物等からなる耐光安定剤、酸化防止剤、流動性改良剤、ガラス繊維、マイカ、タルク、ワラスナイト、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、シリカ、ゴム成分等の有機充填剤、無機充填剤やその他の機能剤、或いは染料、顔料等の着色剤を製糸性を悪化させない範囲で含んでいてもよい。
本発明でのポリプロピレン系繊維は、通常のポリプロピレンフィラメント糸の製造に用いられる公知の溶融紡糸方法によって製造することができる。溶融紡糸の際には、紡糸に先立ち、例えば、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を、それぞれの成分からなるチップの状態でブレンドしてもよいし、予め成分(A)、成分(B)及び成分(C)の混合物を、バンバリーミキサー又は2軸押出機等を用いて混練した後ペレット状に溶融賦型しておいてもよい。また、この溶融賦型の際に、前述の他の成分を混合しペレット状にしてもよい。
また、本発明でのポリプロピレン系繊維は、フィラメント糸の形態で用いられ、フィラメントの繊維断面が、円形、三角等の異型、中空断面、或いはこれらを混合したものであってもよく、また、溶融紡糸に際し、異繊度混繊糸としてもよく、或いはまた前述の樹脂組成物を複合成分として複合紡糸することもできる。
次に、溶融押出機により溶融した原料を紡糸ノズルから押し出し、紡出糸に紡糸油剤を給油し、糸条を巻き取ることにより未延伸糸を得る。ポリプロピレン系繊維は、その繊維製品としての使用形態から捲縮繊維とすることが好ましく、未延伸糸は、そのまま連続工程で延伸しさらに捲縮加工を施してもよいし、一旦巻き取った後、延伸し、さらに捲縮加工を施してもよい。延伸は、1段或いは2段以上の多段で行ってもよく、多段延伸における延伸倍率比の設定も特に限定されない。
また、延伸工程では熱源が接触型或いは非接触型であってもよい。さらに、捲縮加工もホットエアーのジェットを用いる方式或いはギヤーを用いる方式等の賦型方式のポリプロピレン系繊維に通常適用される捲縮加工が採用され、特に制限されるものではない。延伸での延伸倍率は、1.7〜7倍とすることが好ましく、延伸倍率が1.7倍未満では、得られるフィラメント糸の繊維強度が低くなり、7倍を超えると、糸切れ等発生の危険性が高くなる。また、延伸温度は、50〜130℃であることが好ましく、延伸温度が50℃未満では、延伸倍率が低くなり得られるフィラメント糸の繊維強度が低くなると共に延伸斑が発生する。また、130℃を超えると、糸切れが発生する等製糸安定性が悪化する。
本発明でのポリプロピレン系繊維は、捲縮加工後、エアー交絡処理及び合撚または追撚を施してもよく、このとき延伸糸を一旦巻き取った後に捲縮加工、エアー交絡処理及び合撚または追撚を施してもよいし、延伸工程から連続して捲縮加工、エアー交絡処理及び合撚または追撚を施してもよい。
本発明の繊維製品は、本発明でのポリプロピレン系繊維を主たる構造部に或いはさらに主たる構成素材として含んでなるものであり、特に、繊維製品が、カーペット、すなわちカーペットのパイル或いは基布、特にパイルに前記のポリプロピレン系繊維が主体として含まれるカーペットであることが好ましい。カーペットとしては、カットパイルカーペット又は、一部にカットパイル部が混在したカットパイルカーペット、あるいは一部にループパイル部が混在したカットアンドループパイルカーペットであってもよい。また、繊維製品、特にカーペットには、本発明でのポリプロピレン系繊維の他に、他の繊維が本発明でのポリプロピレン系繊維の発揮する特性を損なわない範囲でパイル或いは基布に含まれていてもよい。
カーペットにおいては、タフト工程を経てパイルを形成した後、接着剤をカーペット基布の裏面に塗布し、接着剤を乾燥・硬化してパイルを固定することで本発明のカーペットが得られる。このとき、接着剤を介して基布の裏面に、その用途に応じた裏地、例えば、合成ゴムまたは塩化ビニル樹脂からなるシートや麻布等を貼り付けてもよい。用いる接着剤には、その用途や裏地の材質或いは基布の種類に合わせて適宜選択することができるが、例えば、アクリル系ラテックスまたはウレタン系接着剤等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明における物性の測定及び評価は、下記の方法で行った。
(繊維強伸度)
JIS L−1013 8.5.1(標準時試験)に準拠し、オリエンテック社製テンシロン RTC=1210Aにて繊維の引張強度及び伸度を測定した。
(捲縮率)
試料を束ねて巻き取りカセ状のサンプル糸を作成し、このサンプル糸を70℃で10分間乾熱処理し、熱処理後10分以上放置する。次いで、サンプル糸の一端に測定荷重Aとして(繊度(dtex)×1/1100)g×(2×巻き回数)を掛け1分後に糸長(L1)を測定する。次いで、測定荷重Aを除き2分間放置した後、サンプル糸の一端に測定荷重B(繊度(dtex)×1/11)g×(2×巻き回数)を掛け1分後に糸長(L2)を測定する。
下式により捲縮率を算出する。なお、2×巻き回数とは2回巻きのカセでは繊維4本分の応力を測定しているので、1本当たりの数値を出すため4で割りかえしている。
捲縮率(%)=((L1−L2)/L1)×100
(伸長率(165℃乾熱処理))
試料を束ねて巻き取りカセ状のサンプル糸を作成し、このサンプル糸の一端に測定荷重(繊度(dtex)×1/11)g×(2×巻き回数)を掛け1分後に糸長(L1)を測定する。サンプル糸を165℃で5分間乾熱処理した後、室温で15分間冷却する。このサンプル糸の一端に前記と同じ測定荷重を掛け1分後に糸長(L2)を測定し、下式により伸長率を算出する。
伸長率(%)=((L1−L2)/L1)×100
(成型加工性)
作成したカーペットを、賦型のため150〜180℃の各加熱温度で、成型加工し、各温度での成型加工性を、加工品の構成繊維の状態によって次の基準で判定評価した。
○:繊維の溶断なし、△:一部繊維の溶断あり、×:繊維が溶断
以下の実施例において、成分(A)としてポリアミド樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製ナイロン6樹脂、ノバミット1010J、融点224℃(以下、ナイロン6樹脂と略記))を用い、成分(B)としてプロピレンホモポリマーであるポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、SA03 MFR値31/10分、融点165℃(以下、未変性ポリプロピレン樹脂と略記))を用い、成分(C)として無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(三菱化学社製、モディックAP P604V、融点163℃(以下、変性ポリプロピレン樹脂と略記))を用いた。
(実施例1)
成分(A)のナイロン6樹脂20質量%と、成分(B)の未変性ポリプロピレン樹脂70質量%と、成分(C)の変性ポリプロピレン樹脂10質量%を混合した樹脂にグレー色顔料を0.67質量%ブレンドした樹脂組成物を原料として用いた。この原料を溶融押出機にて、押出温度を255℃、紡糸温度250℃で、孔形状が三角、孔数が120の紡糸口金を用いて吐出させ、紡糸速度715m/分で紡糸した。引き続いて、得られた未延伸マルチフィラメント糸を延伸倍率2.4倍、延伸温度110℃、熱セット温度125℃、熱風温度185℃で、延伸と同時にホットエアージェットによる捲縮加工を行い、緩和率19.2%で巻き取り、2000dtex/120フィラメント(f)のポリプロピレン系捲縮糸Aを得た。得られた捲縮糸Aの物性を表1に示した。
さらに、得られたポリプロピレン系捲縮糸Aを、1/8ゲージのタフティングマシンを用いて、パイル打ち込み密度12/インチ、パイル高さ8mmでタフトし、ループパイルカーペットを作成した。タフト工程における通過性は特に問題もなく良好であった。この捲縮糸Aにて作成したカーペットの成型加工性の評価結果を表1に示したが、温度180℃でも良好な成型加工性を示した。
(実施例2)
成分(A)のナイロン6樹脂30質量%と、成分(B)の未変性ポリプロピレン樹脂55質量%と、成分(C)の変性ポリプロピレン樹脂15質量%を混合した樹脂にグレー色顔料を0.67質量%の割合でブレンドした樹脂組成物を原料として用いた以外は、実施例1と同様にして、2000dtex/180fのポリプロピレン系捲縮糸Bを得た。得られた捲縮糸Bの物性を表1に示した。得られたポリプロピレン系捲縮糸Bを用い、実施例1と同様にしてループパイルカーペットを作成した。タフト工程における通過性は特に問題もなく良好であった。この捲縮糸Bにて作成したカーペットの成型加工性の評価結果を表1に示したが、温度180℃でも良好な成型加工性を示した。
(実施例3)
成分(A)のナイロン6樹脂10質量%と、成分(C)の変性ポリプロピレン樹脂10質量%と、成分(B)の未変性ポリプロピレン樹脂80質量%を混合した樹脂にグレー色顔料を0.67質量%の割合でブレンドした樹脂組成物を原料として用いた以外は、実施例1と同様にして、2000dtex/180fのポリプロピレン系捲縮糸Cを得た。得られた捲縮糸Cの物性を表1に示した。得られたポリプロピレン系捲縮糸Cを用い、実施例1と同様にしてループパイルカーペットを作成した。タフト工程における通過性は特に問題もなく良好であった。この捲縮糸Cにて作成したカーペットの成型加工性の評価結果を表1に示したが、温度180℃でも良好な成型加工性を示した。
(実施例4)
成分(A)のナイロン6樹脂10質量%と、成分(B)の未変性ポリプロピレン樹脂85質量%と、成分(C)の変性ポリプロピレン樹脂5質量%を混合した樹脂にグレー色顔料を0.67質量%の割合でブレンドした樹脂組成物を原料として用いた以外は、実施例1と同様にして、2000dtex/180fのポリプロピレン系捲縮糸Dを得た。得られた捲縮糸Dの物性を表1に示した。得られたポリプロピレン系捲縮糸Dを用い、実施例1と同様にしてループパイルカーペットを作成した。タフト工程における通過性は特に問題もなく良好であった。この捲縮糸Dにて作成したカーペットの成型加工性の評価結果を表1に示したが、温度180℃でも良好な成型加工性を示した。
(比較例1)
成分(B)の未変性ポリプロピレン樹脂に、グレー色顔料を0.67質量%の割合でブレンドした樹脂組成物を原料として用いて、溶融押出機にて、押出温度を215℃、紡糸温度を210℃にした以外は、実施例1と同様にして、2000dtex/180fのポリプロピレン捲縮糸Eを得た。得られた捲縮糸Eの物性を表2に示した。得られたポリプロピレン系捲縮糸Eを用い、実施例1と同様にしてループパイルカーペットを作成した。タフト工程の通過性は特に問題もなく良好であった。この捲縮糸Eにて作成したカーペットの成型加工性の評価結果を表2に示したが、温度155℃以上での成型加工では、構成繊維に溶断が生じ、成型加工性が不良であった。
(比較例2)
成分(A)のナイロン6樹脂5質量%と、成分(B)の未変性ポリプロピレン樹脂90質量%と、成分(C)の変性ポリプロピレン樹脂5質量%を混合した樹脂にグレー色顔料を0.67重量%の割合でブレンドした樹脂組成物を原料として用いた以外は、実施例1と同様にして、2000dtex/180fのポリプロピレン系捲縮糸Fを得た。得られた捲縮糸Fの物性を表2に示した。得られた捲縮糸Fを用い、実施例1と同様にしてループパイルカーペットを作成した。タフト工程の通過性は特に問題もなく良好であった。この捲縮糸Fにて作成したカーペットの成型加工性の評価結果を表2に示したが、温度155℃以上での成型加工では、構成繊維に溶断が生じ、成型加工性が不良であった。
(比較例3)
成分(A)のナイロン6樹脂45質量%と、成分(B)の未変性ポリプロピレン樹脂55質量%とを混合した樹脂に、グレー色顔料を0.67質量%の割合でブレンドした樹脂組成物を原料として用いた以外は、実施例1と同様にして、2000dtex/180fの捲縮糸を得ようとしたが、溶融紡糸後の延伸工程で成分(A)のナイロン6樹脂が剥離して製糸安定性が不良となり、捲縮糸そのものがが得られなかった。表2には樹脂組成物のみ示した、
本発明でのポリプロピレン繊維は、耐熱性を有することにより、耐熱性の高い繊維製品の製造を可能とするものであり、特に本発明におけるポリプロピレン系繊維は、耐熱性が要求される繊維製品、特にカーペットに用いることが可能であり、本発明の繊維製品、特にカーペットは、フトな風合いで、嵩高感に優れ、成型加工時の耐熱性も高いことから、成型加工を伴う車両用ラインマット、オプションマット、ラグ・ピースカーペット等の用途に広く用いることが可能である。

Claims (5)

  1. 下記の要件(1)、(2)を満たすポリプロピレン系繊維を含む繊維製品。
    (1)捲縮率が5〜20%
    (2)165℃の乾熱雰囲気下で乾熱処理した後の(繊度(dtex)×1/11)g荷重時の伸長率が20%以下
  2. ポリプロピレン系繊維が、下記の成分(A)、(B)及び(C)を含む樹脂組成物からなる繊維である請求項1に記載の繊維製品。
    (A)ポリアミド樹脂が10〜40質量%
    (B)ポリプロピレン樹脂が55〜85質量%
    (C)無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂が5〜35質量%
  3. 成分(A)と成分(C)の混合比が、質量比で2/1〜1/1である請求項2に記載の繊維製品。
  4. 成分(A)と成分(B)との融点差が、80℃以下である請求項2又は請求項3に記載の繊維製品。
  5. 繊維製品が、カーペットである請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維製品。
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