JP2009106079A - 電動ファン装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ファン2と回転軸12との間に介在され、ハウジング11の前面を覆う前面板部211、および、この前面板部211の外周から回転軸12と略平行に延在されてハウジング11の外周を覆うとともに、メイン羽根板22を支持する筒状部212を備えたハブ21と、ハブ21とハウジング11との間に形成された通気用隙間25と、ハブ21の前面板部211に開口されて、通気用隙間25と送風上流方向とを連通させる通気用穴213と、ハブ21の筒状部212の内周に設けられ、ハブ21が回転するのに伴って、通気用隙間25にファン2の送風方向と同方向の送風であるモータ冷却風MWを形成するインナ羽根板26と、を備えていることを特徴とする電動ファン装置とした。
【選択図】図1
Description
この特許文献1には、モータの回動軸に取り付けられたファンのハブと、モータの外周面との間に通気用隙間が形成され、さらに、ハブの前面に、通気用隙間に連通された通気穴が開口され、この通気穴に、ハブの回転に伴って通気用隙間への送風を形成する羽根が切り起こされた電動ファン装置について記載されている。
したがって、モータ駆動時には、回転軸、ハブ、ファンが一体回転すると、ファンによる送風と並列に、通気用穴から通気用隙間へ向けて送風され、この通気用隙間の送風で、モータのハウジングが冷却される。
したがって、モータは、モータ冷却風により冷却される。
そして、本発明では、モータ冷却風を形成するインナ羽根板を、ハブの筒状部内周に設けたため、このインナ羽根板がハブの前面板部に設けられているものと比較して、電動ファン装置とその前方のラジエータなどとの間隔を狭くすることができ、車載レイアウト性を向上できる。
すなわち、ハブの筒状部の内周に羽根板を設けることで、仮にハブの筒状部の外径寸法が大きくなったとすると、ファンが同じ外径寸法であれば、ハブの筒状部の外径拡大分だけ風量が低下することになる。しかし、請求項2に記載の発明では、インナ羽根板がハブの筒状部外径拡大分に相当する風量を確保できるため、全体風量が低下しないようにできる。
よって、全体風量を低下させること無く、上述のモータ冷却性能を得ることができるとともに、車載レイアウト性を向上できる。
したがって、モータのハウジング内に生じた熱が、このハウジング内部の送風によりハウジング外部に放出され、より高いモータ冷却性能が得られる。
よって、ハブの前面板部に通気用穴を形成しても、モータのハウジング内部への水の浸入は防止される。
したがって、ハウジング内部にあっては、流入用開口から、ロータの貫通孔を通って、ハウジング前面開口部に抜ける送風が形成される。
よって、モータ冷却風が形成された際には、モータのハウジング内部に送風が円滑に形成され、かつ、その風量は、ロータに貫通孔を形成しないものよりも多くなり、いっそう高いモータ冷却効果を得ることができる。
この実施の形態の電動ファン装置は、回転軸(12)に駆動力を与えるモータ(1)と、このモータ(1)のハウジング(11)の一端である前面から突出された前記回転軸(12)に設けられ、前記回転軸(12)から外径方向に延びる複数のメイン羽根板(22)を備え、前記回転軸(12)の回転に伴って前記モータ(1)の後方へ向かう送風を形成するファン(2)と、このファン(2)と前記回転軸(12)との間に介在され、前記ハウジング(11)の前面を覆う前面板部(211)、および、この前面板部(211)の外周から前記回転軸(12)と略平行に延在されて前記ハウジング(11)の径方向外周を覆うとともに、前記メイン羽根板(22)を支持する筒状部(212)を備えたハブ(21)と、前記ハブ(21)とハウジング(11)との間に形成された通気用隙間(25)と、前記ハブ(21)の前面板部(211)に開口されて、前記通気用隙間(25)と前記送風上流方向とを連通させる通気用穴(213)と、前記ハブ(21)の筒状部(212)の内周に設けられ、前記ハブ(21)が回転するのに伴って、前記通気用隙間(25)内に前記ファン(2)の送風方向と同方向のモータ冷却風(MW)を形成するインナ羽根板(26)と、を備えていることを特徴とする電動ファン装置である。
ハウジング11は、アルミなどの熱伝導性に優れた金属製のもので、モータ1の駆動部である回転軸12、ロータ13、ステータ14を収容する収容室15を形成しており、有底円筒状のフロントハウジング111と、このフロントハウジング111の車両後方を向いた開口を塞ぎ、フロントハウジング111よりも大径に形成されたリアハウジング112と、を備えている。
また、リアハウジング112は、モータ1を駆動させる基板118が収容されている。
また、リアハウジング112には、リア軸受部114への水の浸入を防止するラビリンス構造部115と、放熱用の放熱フィン116と、が形成されている。
ロータ13は、回転軸12の外周に一体的に設けられ、内部に複数の永久磁石(図示省略)を備えている。一方、ステータ14は、ロータ13の外周に配置され、複数の電磁石14aが周状に配置されて、フロントハウジング111の内周に固定されている。これら電磁石14aにあらかじめ設定された位相の交流通電を行うことで、ロータ13および回転軸12が回転される。
なお、ロータ13には、ロータ13を回転軸12と平行に貫通した複数の貫通孔13aが形成されている。
回転軸12の車両前方の先端部には、外径方向に延びる3枚の取付片12aが一体に設けられ、その先端部にウエルドナット12bが設けられている。
一方、ハブ21の前面板部211において、取付片12aのウエルドナット12bと車両前後方向に重なる位置に車両後方へ凹んだ凹部211aが形成され、各凹部211aに取付穴211bが貫通されている。
そして、取付穴211bからボルト24を挿通し、ウエルドナット12bに締結することで、ハブ21が回転軸12に結合されている。
すなわち、ハブ21の前面板部211とフロントハウジング111の前面との間と、ハブ21の筒状部212とフロントハウジング111の外周との間とに、断面L字状の通気用隙間25が形成されている。
この通気用隙間25は、ハブ21の内側に、フロントハウジング111の外周に沿って通過するモータ冷却風MWを形成するもので、ハブ21の前面板部211においてフロントハウジング111の外周部分の車両前方位置に、複数の通気用穴213が同一円周上に並んで配置されている。
外周立壁41は、フロントハウジング111と一体に形成され、フロントハウジング111の前面から車両前方へ立ち上げられて、同一円周上に配置されている。
内周立壁42は、ハブ21の前面板部211の後面から車両後方へ立ち上げられ、外周立壁41の内径方向に微小隙間を介して対向して同一円周上に配置されている。
第1ハウジング側立壁51と第2ハウジング側立壁52は、フロントハウジング111の前面に一体に形成され、フロントハウジング111の前面から車両前方に立ち上げられ、内外二重にそれぞれ同一円周上に延在されている。
また、ハブ側立壁53は、前面板部211と一体に形成され、両ハウジング側立壁51,52と径方向に微小隙間を介して、両ハウジング側立壁51,52の間に差し込まれて、同一円周上に延在されている。
モータ1を駆動させたときには、回転軸12と共にファン2が回転されて、矢印RR方向の送風が形成される。
これと同時に、ハブ21では、その内周のインナ羽根板26が回転することで、ハブ21の通気用穴213から通気用隙間25を通って、モータ1のフロントハウジング111の外周に沿って軸方向に流れる矢印で示すモータ冷却風MWが形成される。
したがって、モータ1は、このモータ冷却風により冷却される。
すなわち、ハブ21の内周に、通気用隙間25ならびにインナ羽根板26を設けることで、両者25,26を設けない場合よりも、仮にハブ21の筒状部212の外径寸法が大きくなったとすると、ファン2が同じ外径寸法であれば、筒状部212の外径拡大分だけメイン羽根板22が短くなって、風量が低下することになる。しかし、本実施例1では、インナ羽根板26が筒状部212の外径拡大分の風量を確保できるため、ファン2の全体風量が低下しないようにできる。
このため、モータ1のハウジング11にあっては、図2に拡大して示すように、外部に連通される流入用開口16からハウジング前面開口部113へ向かうハウジング内部送風HWが形成される。
したがって、モータ1のハウジング11の内部に生じた熱を、このハウジング内部送風HWによりハウジング11の外部に逃がすことができ、これによってもモータ1が冷却される。
しかも、リアハウジング112をフロントハウジング111よりも大径に形成して、流入用開口16の付近では、モータ冷却風MWがリアハウジング111の外周部に突き当たってこの部分が高圧になり易くしたため、流入用開口16とハウジング前面開口部113との差圧が大きく生じ易い。よって、流入用開口部16を、このようなモータ冷却風MWが突き当たって高圧になり易い部分に形成しない場合と比較して、ハウジング内部送風HWの流量を大きくして、冷却性能を向上できる。
さらに、このとき、ハウジング内部送風HWは、ロータ13とステータ14との間に形成される微小な隙間に加え、ロータ13に形成された貫通孔13aを通るため、ハウジング内部送風HWの風量を確保して、冷却をより促進できるとともに、ロータ13の発熱を放熱できる。
本実施例1では、ハブ21に通気用穴213を形成しているため、車両前方からの水がハブ21の内側に浸入する。
この場合、ハブ21の内側に浸入した水は、基本的には、ハブ21の回転による遠心力で外径方向に飛ばされる。
また、ハブ21の回転停止時には、外周ラビリンス構造部4の外周立壁41および内周立壁42を伝って、ハブ21の筒状部212の内側に落下し、さらに、ハブ21の外方へ輩出される。
しかも、ハブ21を回転軸12に結合させるのにあたり、前面板部211に凹部211aを形成し、この結合を行うボルト24が、前面板部211の表面に突出しないようにしたため、この点でも車載レイアウト性を向上できる。
加えて、ハブ21と回転軸12との結合において、回転軸12に一体に複数の取付片12aを設け、複数個所で結合させるようにしたため、例えば、回転軸12と同軸の1箇所の結合と比較して、高い結合強度を得ることができる。
加えて、リアハウジング112をフロントハウジング111よりも大径に形成し、モータ冷却風MWがリアハウジング112の外周部に当たるようにしたため、両ハウジング111,112を略同径に形成した場合よりも、このリアハウジング112の外周の近傍に設けられた流入用開口16を高圧にでき、流入用開口16とハウジング前面開口部113との差圧が大きくなって、上述のハウジング内部送風HWの流れをよりスムーズにできる。
したがって、さらに、モータ1の冷却効果が高まる。
すなわち、ファン2は、樹脂成形品である。そこで、インナ羽根板26をハブ200と一体に形成する際の成形性向上を図るために、通気用穴202が、インナ羽根板26を成形する図外の成形型の型抜き用の穴を兼ねるように形成した。
したがって、通気用穴202は、インナ羽根板26を矢印FR方向に投影させた形状に形成されている。
2 ファン
4 外周ラビリンス構造部
5 内周ラビリンス構造部
11 ハウジング
12 回転軸
13 ロータ
13a 貫通孔
14 ステータ
15 収容室
16 流入用開口
21 ハブ
22 メイン羽根板
25 通気用隙間
26 インナ羽根板
113 ハウジング前面開口部
114 リア軸受部
115 ラビリンス構造部
200 ハブ
201 前面板部
202 通気用穴
211 前面板部
213 通気用穴
A 電動ファン装置
B 電動ファン装置
HW ハウジング内部送風
MW モータ冷却風
Claims (5)
- 回転軸に駆動力を与えるモータと、
このモータのハウジングの一端である前面から突出された前記回転軸に設けられ、前記回転軸から外径方向に延びる複数のメイン羽根板を備え、前記回転軸の回転に伴って前記モータの後方へ向かう送風を形成するファンと、
このファンと前記回転軸との間に介在され、前記ハウジングの前面を覆う前面板部、および、この前面板部の外周から前記回転軸と略平行に延在されて前記ハウジングの径方向外周を覆うとともに、前記メイン羽根板を支持する筒状部を備えたハブと、
前記ハブとハウジングとの間に形成された通気用隙間と、
前記ハブの前面板部に開口されて、前記通気用隙間と前記送風上流方向とを連通させる通気用穴と、
前記ハブの筒状部の内周に設けられ、前記ハブが回転するのに伴って、前記通気用隙間内に前記ファンの送風方向と同方向のモータ冷却風を形成するインナ羽根板と、
を備えていることを特徴とする電動ファン装置。 - 前記インナ羽根板が、前記メイン羽根板を内径方向に延在させた形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電動ファン装置。 - 前記通気用穴は、前記通気用隙間において、前記ハウジング外周と筒状部との間を、前記ハブの前面板部と前記ハウジングの前面との間よりも低圧に形成可能に、前記ハウジングの外周と軸方向に重なる位置に開口され、
前記ハウジングには、前記通気用穴よりも内径方向の位置に、ハウジング内部と連通されたハウジング前面開口部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動ファン装置。 - 前記ハウジングとハブとの間には、前記通気用隙間から前記ハウジング前面開口部への水の浸入を規制するラビリンス構造部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電動ファン装置。
- 前記ハウジングには、前記通気用隙間において前記インナ羽根板よりも送風の下流に配置され、前記ハウジングの内外を連通した流入用開口部が形成され、
前記モータは、前記回転軸と一体的に回転し、内部に磁石を備えたロータと、前記磁石の外周に対向して前記ハウジングに固定されたステータと、を備え、
前記ロータに、軸方向に貫通された貫通孔が貫通して形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電動ファン装置。
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